車両の油圧供給装置

申请号 JP2014240910 申请日 2014-11-28 公开(公告)号 JP2016102538A 公开(公告)日 2016-06-02
申请人 株式会社デンソー; 发明人 鈴木 文規;
摘要 【課題】可変容量型のオイルポンプを備えた油圧供給システムを低コスト化・省スペース化できるようにする。 【解決手段】エンジン11で駆動される可変容量型のオイルポンプ34で自動変速機12の油圧制御回路13に油圧を供給し、モータ27を駆動源とするレンジ切換機構16で自動変速機12のシフトレンジを切り換える。更に、オイルポンプ34の吐出量を変更するための切換動作を行う切換動作機構をレンジ切換機構16のモータ27で駆動する。その際、オイルポンプ34の入 力 回転速度に応じてモータ27で切換動作機構の動作 位置 を切り換えてオイルポンプ34の吐出量を切り換える。これにより、レンジ切換機構16のモータ27を利用して切換動作機構を駆動してオイルポンプ34の吐出量を変更することができ、オイルポンプ34の吐出量を変更するための専用の駆動源を設ける必要がなくなる。 【選択図】図1
权利要求

車両の動源(11)で回転駆動されると共に吐出量を変更可能な可変容量型のオイルポンプ(34)を備えた車両の油圧供給装置において、 変速機(12)のレンジを切り換えるレンジ切換機構(16)の駆動源となる電動アクチュエータ(27)と、 前記電動アクチュエータ(27)で駆動されて前記オイルポンプ(34)の吐出量を変更するための切換動作を行う切換動作機構(48,55)と を備えていることを特徴とする車両の油圧供給装置。前記オイルポンプ(34)は、前記変速機(12)の油圧制御回路(13)に油圧を供給するポンプであることを特徴とする請求項1に記載の車両の油圧供給装置。前記オイルポンプ(34)の入力回転速度に応じて前記電動アクチュエータ(27)で前記切換動作機構(48,55)の動作位置を切り換えて前記オイルポンプ(34)の吐出量を切り換えるように制御する制御手段(22)を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両の油圧供給装置。前記切換動作機構(48)は、前記電動アクチュエータ(27)によって駆動される切換弁(49)を備え、該切換弁(49)が、前記オイルポンプ(34)の容量可変部(52)に油圧を供給する油路を形成する第1動作位置と、前記オイルポンプ(34)の容量可変部(52)への油圧供給を停止する第2動作位置との間で切り換わることで、前記オイルポンプ(34)の吐出量を二段階で切り換えるように構成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の車両の油圧供給装置。前記切換動作機構(55)は、前記電動アクチュエータ(27)によって駆動される第1切換弁(56)と、前記オイルポンプ(34)の容量可変部(63)に連通する第1供給ポート(64)及び第2供給ポート(65)と、スプリング(68)によって前記第1供給ポート(64)を開放する方向に付勢されている第2切換弁(57)とを備え、前記第1切換弁(56)が、前記第2切換弁(57)を前記第1供給ポート(64)の開放位置に維持して前記第1供給ポート(64)を介して前記オイルポンプ(34)の容量可変部(63)に油圧を供給する油路を形成する第1動作位置と、前記オイルポンプ(34)の容量可変部(63)への油圧供給を停止する第2動作位置と、前記第2切換弁(57)を前記第1供給ポート(64)の閉鎖位置に移動させて前記第2供給ポート(65)を介して前記オイルポンプ(34)の容量可変部(63)に油圧を供給する油路を形成する第三動作位置との間で切り換わることで、前記オイルポンプ(34)の吐出量を三段階で切り換えるように構成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の車両の油圧供給装置。前記電動アクチュエータとしてモータ(27)が設けられ、 前記レンジ切換機構(16)は、前記モータ(27)の回転軸に連結されたマニュアルシャフト(29)にディテントレバー(30)が固定され、前記ディテントレバー(30)に該ディテントレバー(30)の回転に応じて直線運動するマニュアル弁(17)が連結され、 前記切換弁(49)又は前記第1切換弁(56)は、前記マニュアル弁(17)と一体的に移動するように設けられていることを特徴とする請求項4又は5に記載の車両の油圧供給装置。

说明书全文

本発明は、吐出量を変更可能な可変容量型のオイルポンプを備えた車両の油圧供給装置に関する発明である。

車両に搭載される自動変速機においては、例えば、特許文献1(特開2007−64268号公報)に記載されたものがある。このものは、エンジンの動で回転駆動されるオイルポンプで油圧制御回路に油圧を供給し、この油圧制御回路に設けられた油圧制御弁やマニュアル弁で、変速機構の摩擦係合要素(ブレーキやクラッチ等)に作用させる油圧の制御や油圧回路の切り換えを行うことで、変速(変速段の切り換え)やレンジの切り換えを行うようにしている。

このような自動変速機の油圧供給システムにおいては、ソレノイドバルブでオイルポンプの吐出量を変更する可変容量型のオイルポンプを搭載したものがある。このものは、エンジン回転速度の上昇に伴ってオイルポンプの入力回転速度が所定値以上になったときに、ソレノイドバルブでオイルポンプを低吐出量モード(一回転当りの吐出量が少ないモード)に切り換えることで、高回転時に吐出量が過剰に多くなることを防止して、無駄なエネルギ消費を抑制して燃費を向上させるようにしたものがある。

特開2007−64268号公報

しかし、上記従来技術では、可変容量型のオイルポンプの吐出量を変更するための専用の駆動源(ソレノイド)を設ける必要があるため、その分、油圧供給システムのコストが高くなると共に搭載スペースが大きくなり、近年の重要な技術的課題である低コスト化・省スペース化の要求を満たすことができないという欠点がある。

そこで、本発明が解決しようとする課題は、可変容量型のオイルポンプの吐出量を変更するための専用の駆動源を設ける必要がなく、低コスト化・省スペース化の要求を満たすことができる車両の油圧供給装置を提供することにある。

上記課題を解決するために、本発明は、車両の動力源(11)で回転駆動されると共に吐出量を変更可能な可変容量型のオイルポンプ(34)を備えた車両の油圧供給装置において、変速機(12)のレンジを切り換えるレンジ切換機構(16)の駆動源となる電動アクチュエータ(27)と、この電動アクチュエータ(27)で駆動されてオイルポンプ(34)の吐出量を変更するための切換動作を行う切換動作機構(48,55)とを備えた構成としたものである。

この構成では、レンジ切換機構の駆動源となる電動アクチュエータを利用して切換動作機構を駆動してオイルポンプの吐出量を変更することができる。これにより、可変容量型のオイルポンプの吐出量を変更するための専用の駆動源(例えばソレノイド等)を設ける必要がなくなり(つまり従来の専用の駆動源を省略することが可能となり)、油圧供給システムの低コスト化・省スペース化の要求を満たすことができる。

図1は本発明の実施例1における自動変速制御システムの概略構成を示す図である。

図2はレンジ切換機構の斜視図である。

図3は実施例1のディテントレバーの正面図である。

図4は実施例1の切換動作機構及びその周辺部の高吐出量モード時の状態を示す図である。

図5は実施例1の切換動作機構及びその周辺部の低吐出量モード時の状態を示す図である。

図6は実施例1のオイルポンプの入力回転速度と吐出量との関係を示す特性図である。

図7は実施例1の吐出量切換制御ルーチンの処理の流れを示すフローチャートである。

図8は実施例2のディテントレバーの正面図である。

図9は実施例2の切換動作機構及びその周辺部の高吐出量モード時の状態を示す図である。

図10は実施例2の切換動作機構及びその周辺部の中吐出量モード時の状態を示す図である。

図11は実施例2の切換動作機構及びその周辺部の低吐出量モード時の状態を示す図である。

図12は実施例2のオイルポンプの入力回転速度と吐出量との関係を示す特性図である。

図13は実施例2の吐出量切換制御ルーチンの処理の流れを示すフローチャートである。

以下、本発明を実施するための形態を具体化した幾つかの実施例を説明する。

本発明の実施例1を図1乃至図7に基づいて説明する。 まず、図1に基づいて車両の自動変速制御システムの概略構成を説明する。 車両の動力源であるエンジン11の出力軸(クランク軸)に、自動変速機12の入力軸が連結されている。この自動変速機12には、変速歯車機構(図示せず)と油圧制御回路13等が設けられている。変速歯車機構には、変速段(変速比)を切り換えるための複数のクラッチやブレーキ等の摩擦係合要素(図示せず)が設けられている。また、油圧制御回路13には、摩擦係合要素に作用させる油圧を制御する油圧制御弁14や、摩擦係合要素の作動油の油圧回路を切り換えるマニュアル弁17等が設けられている。このマニュアル弁17は、レンジセレクタ15の操作に連動してレンジ切換機構16によって駆動される。

また、自動変速機12には、エンジン11の動力(例えば変速歯車機構の入力軸の動力)で回転駆動されるオイルポンプ34(例えばベーン式のオイルポンプ)が設けられ、このオイルポンプ34から吐出される作動油を油圧制御回路13に供給することで油圧制御回路13に油圧を供給するようになっている。このオイルポンプ34は、吐出量を変更可能な可変容量型のオイルポンプである(特開2008−202675号公報、特開平5−312250号公報等参照)。

エンジン11を制御するエンジンECU18は、アクセル開度(アクセルペダルの操作量)を検出するアクセルセンサ19の出力信号等に基づいて、スロットル装置20のスロットル開度(スロットルバルブの開度)や燃料噴射弁21の燃料噴射量等を制御する。ここで、「ECU」は「電子制御ユニット」を意味する(以下、同様)。

自動変速機12の変速動作を制御するAT−ECU22は、油圧制御回路13の各油圧制御弁14の開閉動作を制御して各摩擦係合要素に供給する油圧を制御することで自動変速機12の変速段を目標変速段に切り換える。

自動変速機12のレンジ切換動作を制御するSBW−ECU23は、レンジセレクタ15の操作レバー46(操作部)の操作に応じた要求レンジ信号に基づいてレンジ切換機構16のモータ27を制御する。これにより、運転者のレンジ切換操作に応じてマニュアル弁17の切換動作を制御して自動変速機12のシフトレンジを切り換える。レンジセレクタ15、レンジ切換機構16、SBW−ECU23等からシフトバイワイヤシステムが構成されている。

エンジンECU18とAT−ECU22とSBW−ECU23と通知装置25等は、通信ライン26(例えば車内LAN回線等)を介して接続され、CAN通信等により必要な情報を相互に送受信する。

図2に示すように、レンジ切換機構16は、自動変速機12のシフトレンジを、例えば、Pレンジ(パーキングレンジ)とRレンジ(リバースレンジ)とNレンジ(ニュートラルレンジ)とDレンジ(ドライブレンジ)との間で切り換える4ポジション式のレンジ切換機構である。このレンジ切換機構16の駆動源となるモータ27(電動アクチュエータ)は、例えばスイッチトリラクタンスモータにより構成されている。このモータ27の回転軸が減速機構28(図1参照)を介してマニュアルシャフト29に連結され、このマニュアルシャフト29にディテントレバー30が固定されている。このディテントレバー30には、ディテントレバー30の回転に応じて直線運動するマニュアル弁17が連結され、このマニュアル弁17によって自動変速機12の油圧回路を切り換えることで、シフトレンジを切り換えるようになっている。以上により、自動変速機12のシフトレンジをモータ27の回転度に応じて制御することができるようになっている。

また、ディテントレバー30にはL字形のパーキングロッド38が固定され、このパーキングロッド38の先端部に設けられた円錐体39がロックレバー41に当接している。このロックレバー41は、円錐体39の位置に応じて軸42を中心にして上下動してパーキングギヤ40をロック/ロック解除するようになっている。パーキングギヤ40は、自動変速機12の出力軸に設けられ、このパーキングギヤ40がロックレバー41によってロックされると、車両の駆動輪が回り止めされた状態(パーキング状態)に保持される。

一方、ディテントレバー30をP、R、N、Dの各レンジに保持するためのディテントバネ43が支持ベース37に固定され、ディテントレバー30には、P、R、N、Dの各レンジ保持凹部44が形成されている。尚、本実施例1では、Dレンジとして、D1 レンジとD2 レンジが設けられ、ディテントレバー30には、D1 レンジのレンジ保持凹部44とD2 レンジのレンジ保持凹部44が形成されている(図3参照)。

ディテントバネ43の先端に設けられた係合部43aがディテントレバー30の各レンジ保持凹部44に嵌まり込んだときに、ディテントレバー30が各レンジの位置に保持されるようになっている。これらディテントレバー30とディテントバネ43とからディテントレバー30の回転位置を各レンジの位置に係合保持する(つまりレンジ切換機構16を各レンジの位置に保持する)ためのディテント機構45(節度機構)が構成されている。

Pレンジでは、パーキングロッド38がロックレバー41に接近する方向に移動して、円錐体39の太い部分がロックレバー41を押し上げてロックレバー41の凸部41aがパーキングギヤ40に嵌まり込んでパーキングギヤ40をロックした状態となり、それによって、自動変速機12の出力軸(駆動輪)がロックされた状態(パーキング状態)に保持される。

一方、Pレンジ以外のレンジでは、パーキングロッド38がロックレバー41から離れる方向に移動して、円錐体39の太い部分がロックレバー41から抜け出てロックレバー41が下降し、それによって、ロックレバー41の凸部41aがパーキングギヤ40から外れてパーキングギヤ40のロックが解除され、自動変速機12の出力軸が回転可能な状態(走行可能な状態)に保持される。

図1に示すように、モータ27には、ロータの回転角(回転位置)を検出するための回転角センサとしてエンコーダ31が設けられている。このエンコーダ31は、例えば磁気式のロータリエンコーダにより構成されており、モータ27のロータの回転に同期して所定角度毎にパルス信号をSBW−ECU23に出力するように構成されている。SBW−ECU23は、エンコーダ31のパルス信号をカウントして、そのカウント値(以下「エンコーダカウント値」という)に応じてモータ27の通電相を所定の順序で切り換えることでモータ27を回転駆動する。上述したように自動変速機12のシフトレンジはモータ27の回転角度に応じて変化するため、エンコーダカウント値は、実際のシフトレンジを間接的に表している。

また、マニュアルシャフト29又はディテントレバー30の回転角(回転位置)を検出する回転センサ33が設けられている。この回転センサ33は、マニュアルシャフト29又はディテントレバー30の回転角度に応じた電圧を出力するセンサ(例えばポテンショメータ)によって構成され、その出力電圧によって実際のシフトレンジが、Pレンジ、Rレンジ、Nレンジ、Dレンジのいずれであるかを確認できるようになっている。

レンジセレクタ15は、運転者がレンジを選択するための操作レバー46と、この操作レバー46の操作に応じた要求レンジ信号を出力するセレクタセンサ47とを備えている。

SBW−ECU23は、レンジセレクタ15(セレクタセンサ47)から出力される要求レンジ信号に応じて目標レンジを切り換え、エンコーダカウント値に基づいてモータ27を目標レンジに相当する目標回転位置(目標カウント値)まで回転駆動することで、シフトレンジを目標レンジに切り換える。

次に図4及び図5に基づいてレンジ切換機構16のモータ27で駆動されてオイルポンプ34の吐出量を変更するための切換動作を行う切換動作機構48について説明する。 図4及び図5に示すように、可変容量型のオイルポンプ34には、一回転当りの吐出量を変化させる容量可変部52が設けられている。切換動作機構48は、オイルポンプ34の容量可変部52に作用させる油圧を切り換えることでオイルポンプ34の吐出量を変更するものである。この切換動作機構48には、油圧回路を切り換えるための切換弁49が設けられている。この切換弁49は、マニュアル弁17と一体的に移動するように設けられている。切換弁49のスリーブ50には、油圧が導入される入力ポート51と、オイルポンプ34の容量可変部52に連通する供給ポート53と、ドレンポート54が設けられている。

レンジ切換機構16の駆動源となるモータ27によってマニュアル弁17が駆動されて軸方向に移動するため、マニュアル弁17と一体的に移動可能に設けられた切換弁49も、レンジ切換機構16の駆動源となるモータ27によって駆動されて軸方向に移動する。マニュアル弁17のDレンジ位置には、D1 レンジ位置(ディテントバネ43の係合部43aがディテントレバー30のD1 レンジのレンジ保持凹部44に嵌まり込む位置)とD2 レンジ位置(ディテントバネ43の係合部43aがディテントレバー30のD2 レンジのレンジ保持凹部44に嵌まり込む位置)の二つの切換位置が設定されている。マニュアル弁17がD1 レンジ位置とD2 レンジ位置のいずれに位置している場合でも、自動変速機12の油圧回路がDレンジ用の油圧回路に維持されて、自動変速機12がDレンジに維持されるようになっている。

図4に示すように、マニュアル弁17がD1 レンジ位置に移動すると、切換弁49が供給ポート開放位置(第1動作位置)に移動して、入力ポート51から供給ポート53への油路が開放されるため、供給ポート53を介してオイルポンプ34の容量可変部52に油圧を供給する油路が形成される。これにより、入力ポート51から切換弁49のスリーブ50内に導入された油圧が供給ポート53を介してオイルポンプ34の容量可変部52に供給されて、オイルポンプ34が高吐出量モードに切り換わる。図6に示すように、この高吐出量モードでは、低吐出量モードと比べてオイルポンプ34の一回転当りの吐出量が多くなる(例えば一回転当りの吐出量=A+Bになる)。

一方、図5に示すように、マニュアル弁17がD2 レンジ位置に移動すると、切換弁49が供給ポート閉鎖位置(第2動作位置)に移動して、入力ポート51から供給ポート53への油路が閉鎖される。これにより、オイルポンプ34の容量可変部52への油圧供給が停止されて、オイルポンプ34が低吐出量モードに切り換わる。図6に示すように、この低吐出量モードでは、高吐出量モードと比べてオイルポンプ34の一回転当りの吐出量が少なくなる(例えば一回転当りの吐出量=Aになる)。

つまり、切換動作機構48は、マニュアル弁17がD1 レンジ位置とD2 レンジ位置との間で切り換わって、切換弁49が供給ポート開放位置と供給ポート閉鎖位置との間で切り換わることで、オイルポンプ34の吐出量を二段階で切り換えるように構成されている。

尚、マニュアル弁17がDレンジ位置以外の場合(例えば、Pレンジ位置、Rレンジ位置、Nレンジ位置の場合)には、オイルポンプ34の容量可変部52に油圧が供給されて、オイルポンプ34が高吐出量モードに維持される。

また、本実施例1では、AT−ECU22により後述する図7の吐出量切換制御ルーチンを実行することで、マニュアル弁17がDレンジ位置の場合、オイルポンプ34の入力回転速度に応じてモータ27でマニュアル弁17の切換位置(つまり切換弁49の動作位置)を切り換えてオイルポンプ34の吐出量を二段階で切り換えるように制御する。

具体的には、図6に示すように、オイルポンプ34の入力回転速度が所定の切換回転速度以下の場合には、モータ27でマニュアル弁17をD1 レンジ位置に切り換えて、切換弁49を供給ポート開放位置に切り換えることで、オイルポンプ34を高吐出量モードに切り換える。

一方、オイルポンプ34の入力回転速度が切換回転速度よりも高い場合には、モータ27でマニュアル弁17をD2 レンジ位置に切り換えて、切換弁49を供給ポート閉鎖位置に切り換えることで、オイルポンプ34を低吐出量モードに切り換える。尚、切換回転速度は、例えば、低吐出量モードに切り換えた場合でも、オイルポンプ34の吐出量を油圧制御回路13に必要な吐出量以上に維持できる値に設定されている。

以下、本実施例1でAT−ECU22が実行する図7の吐出量切換制御ルーチンの処理内容を説明する。 図7に示す吐出量切換制御ルーチンは、AT−ECU22の電源オン期間中に所定周期で繰り返し実行され、特許請求の範囲でいう制御手段としての役割を果たす。

本ルーチンが起動されると、まず、ステップ101で、現在のシフトレンジがDレンジ(つまりマニュアル弁17がDレンジ位置)であるか否かを判定する。このステップ101で、Dレンジではないと判定された場合には、ステップ102以降の処理を実行することなく、本ルーチンを終了する。

一方、上記ステップ101で、Dレンジであると判定された場合には、ステップ102に進み、オイルポンプ34の入力回転速度(例えば変速歯車機構の入力軸の回転速度)が所定の切換回転速度以下であるか否かを判定する。

このステップ102で、オイルポンプ34の入力回転速度が切換回転速度以下であると判定された場合には、ステップ103に進む。このステップ103では、モータ27でマニュアル弁17をD1 レンジ位置に切り換えて(又は維持して)、切換弁49を供給ポート開放位置に切り換える(又は維持する)ことで、オイルポンプ34を高吐出量モードに切り換える(又は維持する)。この高吐出量モードでは、低吐出量モードと比べてオイルポンプ34の一回転当りの吐出量が多くなる(例えば一回転当りの吐出量=A+Bになる)。

一方、上記ステップ102で、オイルポンプ34の入力回転速度が切換回転速度よりも高いと判定された場合には、ステップ104に進む。このステップ104では、モータ27でマニュアル弁17をD2 レンジ位置に切り換えて(又は維持して)、切換弁49を供給ポート閉鎖位置に切り換える(又は維持する)ことで、オイルポンプ34を低吐出量モードに切り換える(又は維持する)。この低吐出量モードでは、高吐出量モードと比べてオイルポンプ34の一回転当りの吐出量が少なくなる(例えば一回転当りの吐出量=Aになる)。

以上説明した本実施例1では、モータ27を駆動源として自動変速機12のシフトレンジを切り換えるレンジ切換機構16を備えたシステムにおいて、可変容量型のオイルポンプ34の吐出量を変更するための切換動作を行う切換動作機構48をレンジ切換機構16のモータ27で駆動する構成としている。この構成では、レンジ切換機構16の駆動源となるモータ27を利用して切換動作機構48を駆動してオイルポンプ34の吐出量を変更することができる。これにより、可変容量型のオイルポンプ34の吐出量を変更するための専用の駆動源(例えばソレノイド等)を設ける必要がなくなり(つまり従来の専用の駆動源を省略することが可能となり)、自動変速機12の油圧供給システムの低コスト化・省スペース化の要求を満たすことができる。

また、本実施例1では、自動変速機12の油圧制御回路13に油圧を供給するオイルポンプ34に本発明を適用して、レンジ切換機構16のモータ27で自動変速機12のオイルポンプ34の切換動作機構48を駆動するようにしている。レンジ切換機構16のモータ27と自動変速機12のオイルポンプ34は比較的近い位置に配置することができるため、レンジ切換機構16のモータ27で自動変速機12のオイルポンプ34の切換動作機構48を駆動する構成は、システムの大幅な改造を施すことなく比較的に容易に実現することができる。

また、本実施例1では、オイルポンプ34の入力回転速度に応じてモータ27でマニュアル弁17の切換位置(つまり切換弁49の動作位置)を切り換えてオイルポンプ34の吐出量を二段階で切り換えるようにしている。これにより、低回転時でも油圧制御回路13に必要な吐出量を確保しながら、高回転時に吐出量が過剰に多くなることを防止して、無駄なエネルギ消費を抑制して燃費を向上させることができる。

また、本実施例1では、切換動作機構48は、レンジ切換機構16のモータ27で駆動される切換弁49を備え、この切換弁49が供給ポート開放位置と供給ポート閉鎖位置との間で切り換わることで、オイルポンプ34の吐出量を二段階で切り換えるように構成されている。これにより、比較的簡単な構成でオイルポンプ34の吐出量を二段階で切り換えることができる。

次に、図8乃至図13を用いて本発明の実施例2を説明する。但し、前記実施例1と実質的に同一部分については説明を省略又は簡略化し、主として前記実施例1と異なる部分について説明する。

前記実施例1では、オイルポンプ34の入力回転速度に応じてオイルポンプ34の吐出量を二段階で切り換えるようにしたが、本実施例2では、オイルポンプ34の入力回転速度に応じてオイルポンプ34の吐出量を三段階で切り換えるようにしている。

本実施例2では、図8に示すように、Dレンジとして、D1 レンジとD2 レンジとD3 レンジが設けられ、ディテントレバー30には、D1 レンジのレンジ保持凹部44とD2 レンジのレンジ保持凹部44とD3 レンジのレンジ保持凹部44が形成されている。

また、図9乃至図11に示すように、切換動作機構55には、油圧回路を切り換えるための第1切換弁56と第2切換弁57が設けられている。第1切換弁56は、マニュアル弁17と一体的に移動するように設けられている。第1切換弁56のスリーブ58と第2切換弁57のスリーブ59は、第1ポート60及び第2ポート61を介して連通している。第1切換弁56のスリーブ58には、油圧が導入される入力ポート62が設けられ、第2切換弁57のスリーブ59には、オイルポンプ34の容量可変部63に連通する第1供給ポート64及び第2供給ポート65が設けられている。また、スリーブ58,59には、それぞれドレンポート66,67が設けられている。第2切換弁57は、スプリング68によって第1供給ポート64を開放する方向に付勢されている。

レンジ切換機構16の駆動源となるモータ27によってマニュアル弁17が駆動されて軸方向に移動するため、マニュアル弁17と一体的に移動可能に設けられた第1切換弁56も、レンジ切換機構16の駆動源となるモータ27によって駆動されて軸方向に移動する。マニュアル弁17のDレンジ位置には、D1 レンジ位置とD2 レンジ位置とD3 レンジ位置の三つの切換位置が設定され、マニュアル弁17がD1 レンジ位置とD2 レンジ位置とD3 レンジ位置のいずれに位置している場合でも、自動変速機12の油圧回路がDレンジ用の油圧回路に維持されて、自動変速機12がDレンジに維持されるようになっている。

図9に示すように、マニュアル弁17がD1 レンジ位置に移動すると、第1切換弁56が第1ポート開放位置(第1動作位置)に移動して、入力ポート62から第1ポート60への油路が開放されると共に入力ポート62から第2ポート61への油路が閉鎖される。この場合、入力ポート62から第1切換弁56のスリーブ58内に導入された油圧が第1ポート60から第2切換弁57のスリーブ59内に導入されるため、第2切換弁57が第1供給ポート開放位置に維持される。これにより、第1ポート60から第1供給ポート64への油路が開放されるため、第1供給ポート64を介してオイルポンプ34の容量可変部63に油圧を供給する油路が形成される。これにより、入力ポート62から第1切換弁56のスリーブ58内に導入された油圧が第1ポート60及び第1供給ポート64を介してオイルポンプ34の容量可変部63に供給されて、オイルポンプ34が高吐出量モードに切り換わる。図12に示すように、この高吐出量モードでは、中吐出モード及び低吐出量モードと比べてオイルポンプ34の一回転当りの吐出量が多くなる(例えば一回転当りの吐出量=A+Bになる)。

また、図10に示すように、マニュアル弁17がD2 レンジ位置に移動すると、第1切換弁56が両ポート閉鎖位置(第2動作位置)に移動して、入力ポート62から第1ポート60への油路が閉鎖されると共に入力ポート62から第2ポート61への油路が閉鎖される。これにより、オイルポンプ34の容量可変部63への油圧供給が停止されて、オイルポンプ34が中吐出量モードに切り換わる。図12に示すように、この中吐出量モードでは、高吐出量モードと比べてオイルポンプ34の一回転当りの吐出量が少なくなる(例えば一回転当りの吐出量=Aになる)。

更に、図11に示すように、マニュアル弁17がD3 レンジ位置に移動すると、第1切換弁56が第2ポート開放位置(第3動作位置)に移動して、入力ポート62から第1ポート60への油路が閉鎖されると共に入力ポート62から第2ポート61への油路が開放される。この場合、入力ポート62から第1切換弁56のスリーブ58内に導入された油圧が第2ポート61から第2切換弁57のスリーブ59内に導入されるため、第2切換弁57が第1供給ポート閉鎖位置に移動する。これにより、第2ポート61から第2供給ポート65への油路が開放されるため、第2供給ポート65を介してオイルポンプ34の容量可変部63に油圧を供給する油路が形成される。これにより、入力ポート62から第1切換弁56のスリーブ58内に導入された油圧が第2ポート61及び第2供給ポート65を介してオイルポンプ34の容量可変部63に供給されて、オイルポンプ34が低吐出量モードに切り換わる。図12に示すように、この低吐出量モードでは、中吐出量モードと比べてオイルポンプ34の一回転当りの吐出量が少なくなる(例えば一回転当りの吐出量=Cになる)。

つまり、切換動作機構55は、マニュアル弁17がD1 レンジ位置とD2 レンジ位置とD3 レンジ位置との間で切り換わって、第1切換弁56が第1ポート開放位置と両ポート閉鎖位置と第2ポート開放位置との間で切り換わることで、オイルポンプ34の吐出量を三段階で切り換えるように構成されている。

また、本実施例2では、AT−ECU22により後述する図13の吐出量切換制御ルーチンを実行することで、マニュアル弁17がDレンジ位置の場合、オイルポンプ34の入力回転速度に応じてモータ27でマニュアル弁17の切換位置(つまり第1切換弁56の動作位置)を切り換えてオイルポンプ34の吐出量を三段階で切り換えるように制御する。

具体的には、図12に示すように、オイルポンプ34の入力回転速度が第1切換回転速度以下の場合には、モータ27でマニュアル弁17をD1 レンジ位置に切り換えて、第1切換弁56を第1ポート開放位置に切り換えることで、オイルポンプ34を高吐出量モードに切り換える。

また、オイルポンプ34の入力回転速度が第1切換回転速度よりも高く且つ第2切換回転速度以下の場合には、モータ27でマニュアル弁17をD2 レンジ位置に切り換えて、第1切換弁56を両ポート閉鎖位置に切り換えることで、オイルポンプ34を中吐出量モードに切り換える。尚、第1切換回転速度は、例えば、中吐出量モードに切り換えた場合でも、オイルポンプ34の吐出量を油圧制御回路13に必要な吐出量以上に維持できる値に設定されている。

更に、オイルポンプ34の入力回転速度が第2切換回転速度よりも高い場合には、モータ27でマニュアル弁17をD3 レンジ位置に切り換えて、第1切換弁56を第2ポート開放位置に切り換えることで、オイルポンプ34を低吐出量モードに切り換える。尚、第2切換回転速度は、例えば、低吐出量モードに切り換えた場合でも、オイルポンプ34の吐出量を油圧制御回路13に必要な吐出量以上に維持できる値に設定されている。

以下、本実施例2でAT−ECU22が実行する図13の吐出量切換制御ルーチンの処理内容を説明する。 図13に示す吐出量切換制御ルーチンでは、まず、ステップ201で、現在のシフトレンジがDレンジ(つまりマニュアル弁17がDレンジ位置)であるか否かを判定する。このステップ201で、Dレンジではないと判定された場合には、ステップ202以降の処理を実行することなく、本ルーチンを終了する。

一方、上記ステップ201で、Dレンジであると判定された場合には、ステップ202に進み、オイルポンプ34の入力回転速度が第1切換回転速度以下であるか否かを判定する。

このステップ202で、オイルポンプ34の入力回転速度が第1切換回転速度以下であると判定された場合には、ステップ203に進む。このステップ203では、モータ27でマニュアル弁17をD1 レンジ位置に切り換えて(又は維持して)、第1切換弁56を第1ポート開放位置に切り換える(又は維持する)ことで、オイルポンプ34を高吐出量モードに切り換える(又は維持する)。この高吐出量モードでは、中吐出モード及び低吐出量モードと比べてオイルポンプ34の一回転当りの吐出量が多くなる(例えば一回転当りの吐出量=A+Bになる)。

一方、上記ステップ202で、オイルポンプ34の入力回転速度が第1切換回転速度よりも高いと判定された場合には、ステップ204に進み、オイルポンプ34の入力回転速度が第2切換回転速度以下であるか否かを判定する。

このステップ204で、オイルポンプ34の入力回転速度が第2切換回転速度以下であると判定された場合には、ステップ205に進む。このステップ205では、モータ27でマニュアル弁17をD2 レンジ位置に切り換えて(又は維持して)、第1切換弁56を両ポート閉鎖位置に切り換える(又は維持する)ことで、オイルポンプ34を中吐出量モードに切り換える(又は維持する)。この中吐出量モードでは、高吐出量モードと比べてオイルポンプ34の一回転当りの吐出量が少なくなる(例えば一回転当りの吐出量=Aになる)。

また、上記ステップ204で、オイルポンプ34の入力回転速度が第2切換回転速度よりも高いと判定された場合には、ステップ206に進む。このステップ206では、モータ27でマニュアル弁17をD3 レンジ位置に切り換えて(又は維持して)、第1切換弁56を第2ポート開放位置に切り換える(又は維持する)ことで、オイルポンプ34を低吐出量モードに切り換える(又は維持する)。この低吐出量モードでは、中吐出量モードと比べてオイルポンプ34の一回転当りの吐出量が少なくなる(例えば一回転当りの吐出量=Cになる)。

以上説明した本実施例2では、オイルポンプ34の入力回転速度に応じてモータ27でマニュアル弁17の切換位置(つまり第1切換弁56の動作位置)を切り換えてオイルポンプ34の吐出量を三段階で切り換えるようにしているため、高回転時のエネルギ消費抑制効果を高めて燃費を更に向上させることができる。

また、本実施例2では、切換動作機構55は、レンジ切換機構16のモータ27で駆動される第1切換弁56と、スプリング68によって付勢されている第2切換弁57とを備え、第1切換弁56が第1ポート開放位置と両ポート閉鎖位置と第2ポート開放位置との間で切り換わることで、オイルポンプ34の吐出量を三段階で切り換えるように構成されている。これにより、オイルポンプ34の吐出量を三段階で切り換える構成を実現することができる。

尚、上記各実施例1,2では、AT−ECU22で図5又は図13のルーチンを実行するようにしたが、これに限定されず、AT−ECU22以外のECU(例えばSBW−ECU23やエンジンECU18等)で図5又は図13のルーチンを実行するようにしても良い。

また、上記各実施例1,2では、自動変速機用のオイルポンプ34に本発明を適用したが、これに限定されず、他のオイルポンプ(例えばエンジン用のオイルポンプ等)に本発明を適用しても良い。

また、上記各実施例1,2では、車両の動力源として搭載されたエンジン11でオイルポンプ34を回転駆動するシステムに本発明を適用したが、これに限定されず、車両の動力源として搭載されたモータでオイルポンプを回転駆動するシステムや、車両の動力源として搭載されたエンジンやモータでオイルポンプを回転駆動するシステムに本発明を適用しても良い。

また、上記各実施例1,2では、シフトレンジをPレンジとRレンジとNレンジとDレンジの四つのレンジ間で切り換えるレンジ切換機構を備えたシステムに本発明を適用したが、これに限定されず、例えば、シフトレンジをPレンジとNotPレンジの二つのレンジ間で切り換えるレンジ切換機構を備えたシステムに本発明を適用しても良い。或は、シフトレンジを三つのレンジ間又は五つ以上のレンジ間で切り換えるレンジ切換機構を備えたシステムに本発明を適用しても良い。また、変速機の前進/後進を電動アクチュエータ(例えばソレノイド等)で切り換える切換機構を備えたシステムに本発明を適用しても良い。

11…エンジン(動力源)、12…自動変速機、13…油圧制御回路、16…レンジ切換機構、17…マニュアル弁、22…AT−ECU(制御手段)、27…モータ(電動アクチュエータ)、29…マニュアルシャフト、30…ディテントレバー、34…オイルポンプ、48…切換動作機構、49…切換弁、52…容量可変部、55…切換動作機構、56…第1切換弁、57…第2切換弁、63…容量可変部

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