スクロール圧縮機

申请号 JP2015557295 申请日 2014-02-11 公开(公告)号 JP2016510381A 公开(公告)日 2016-04-07
申请人 アトラス コプコ エアーパワー,ナームローゼ フェンノートシャップATLAS COPCO AIRPOWER,naamloze vennootschap; アトラス コプコ エアーパワー,ナームローゼ フェンノートシャップATLAS COPCO AIRPOWER,naamloze vennootschap; 发明人 ベンジャミン メーンズ; ベンジャミン メーンズ; キーン ストゥープ; キーン ストゥープ;
摘要 静止固 定子 スクロール(8)と、移動可能回転子スクロール(16)と、回転子(6)を移動するためのドライブとを有するスクロール圧縮機(1)であり、各 位置 において、回転子スクロール(16)と固定子スクロール(8)の間に瞬間最小開口部(29)を有する場所が形成され、最小開口部(29)内の各高さ(Z)において、局所横断内部クリアランス(S)が存在し、固定子フランク(10、11)又は回転子フランク(18、19)のうちの少なくとも1つは、回転子(6)が静止している時に各点においてゼロとは異なる初期局所固定子フランク偏位(ΔT0i、ΔT0u)又は初期回転子フランク偏位(ΔR0i、ΔR0u)と、スクロール圧縮機の公称作動中により小さい絶対値を有する対応する瞬間最終局所固定子フランク偏位(ΔTfi、ΔTfu)又は瞬間最終回転子フランク偏位(ΔRfi、ΔRfu)とを有する適応フランク区画(37〜40)を含む。【選択図】図21
权利要求

各々が中心軸(AA’、BB’)を有する静止固定子スクロール(8)及び移動可能回転子スクロール(16)を含み、これらのスクロール(8、16)が、ストリップの長さに沿って螺旋状に巻かれて固定子板(13)又は回転子板(21)それぞれの上にある一定の高さ(H、H’)で直立して固定されたストリップ(9、17)によって形成され、各ストリップ(9、17)が、2つのフランク(10、11、18、19)を有し、該フランク(10、11、18、19)と関連の固定子板(13)又は関連の回転子板(21)との交線が、螺旋ベースエッジ(31)を形成し、該固定子板(13)上の垂直線が該螺旋ベースエッジ(31)内で交わる点の幾何学的場所が、理想螺旋フランク(32)を決定し、該回転子スクロール(8)又は該固定子スクロール(16)のフランク(10、11、18、19)上の点と最も近い理想螺旋フランク(32)との間の半径方向距離(ΔR、ΔT)が、局所固定子フランク偏位(ΔT)又は局所回転子フランク偏位(ΔR)それぞれである局所フランク偏位(ΔR、ΔT)を定め、スクロール圧縮機(1)が、該回転子(6)を移動するためのドライブを含み、該回転子(6)の該中心軸BB’が、該回転子(6)にその中心軸(BB’)の周りの回転を与えることなく該固定子(7)の該中心軸(AA’)の周りで偏心して周回し、この周回及び該回転子(6)の偏心移動中の該固定子(7)内での該回転子(6)の各位置において該回転子スクロール(16)と該固定子スクロール(8)の間に最大開口部又は最小開口部(29)が存在する場所(28、29)が形成され、これらの場所(28、29)が、両方の該中心軸(AA’、BB’)を含む対面する平面(MM’)に位置し、該固定子板(13)に対する各局所高さ(Z、Z’、Z’’)で最小開口部(29)を有する場所において関連の回転子フランク(18、19)と関連の固定子フランク(10、11)とが、互いからある一定の半径方向距離(S)の場所に位置し、これらの距離が、局所横断内部クリアランス(S)を形成し、該回転子(6)の初期静止状況から公称運転時の最終状況への移行中に、スクロール圧縮機(1)内の圧及び温度が変化し、該固定子スクロール(8)及び該回転子スクロール(16)の変形と、該局所固定子フランク偏位(ΔT)及び該局所回転子フランク偏位(ΔR)、並びに該局所横断内部クリアランス(S)の変化とをもたらすスクロール圧縮機(1)であって、 前記固定子フランク(10、11)又は前記回転子フランク(18、19)のうちの少なくとも1つは、適応フランク区画(37〜40)を含み、その形態は、スクロール圧縮機(1)の初期静止状態において関連の適応フランク区画(37〜40)の各点にゼロとは異なる局所初期回転子フランク偏位(ΔR0i、ΔR0u)又は局所初期固定子偏位(ΔT0i、ΔT0u)が存在することによって初期適応され、該初期静止状態から公称運転時の最終状態への移行時に、前記固定子スクロール(8)及び前記回転子スクロール(16)は変形し、それによって該公称運転時の前記回転子(6)の移動中に関連の該適応フランク区画(37〜40)の各点及び該回転子(6)の各位置において、該回転子(6)が静止している時の同じ点での対応する局所初期固定子フランク偏位(ΔT0i、ΔT0u)又は局所初期回転子フランク偏位(ΔR0i、ΔR0u)よりも小さい絶対値を有する瞬間最終局所固定子フランク偏位(ΔTfi、ΔTfu)又は瞬間最終局所回転子フランク偏位(ΔRfi、ΔRfu)が存在する、 ことを特徴とするスクロール圧縮機(1)。前記固定子フランク(10、11)又は回転子フランク(18、19)のうちの少なくとも1つが、その全体で前記適応フランク区画(37〜40)を形成することを特徴とする請求項1に記載のスクロール圧縮機。前記固定子フランク(10、11)又は回転子フランク(18、19)のうちの1つよりも多いものが、その全体で前記適応フランク区画(37〜40)を形成することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のスクロール圧縮機。前記固定子スクロール(8)及び前記回転子スクロール(16)の各々には、前記適応フランク区画(37〜40)が設けられることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のスクロール圧縮機。前記固定子スクロール(8)及び前記回転子スクロール(16)は、2つのフランク、より具体的には、スクロール圧縮機(1)の中心(27)から反対を向くそれぞれ内向き固定子フランク(11)又は内向き回転子フランク(19)、及びスクロール圧縮機(1)の該中心(27)から反対を向くそれぞれ外向き固定子フランク(10)又は外向き回転子フランク(18)を有し、該外向き固定子フランク(10)及び該外向き回転子フランク(18)には、前記適応フランク区画(37、39)が設けられることを特徴とする請求項4に記載のスクロール圧縮機。前記回転子(6)の移動中にそれによって占有される位置の少なくとも一部に関して、関連の前記固定子フランク(10、11)と回転子フランク(18、19)との高さ(Z)にわたる前記局所横断内部クリアランス(S)は、公称運転中に一定であり、そのために該高さ(Z)にわたるこれらの局所横断内部クリアランス(S)は、関連の位置において変動なしか又は言い換えればゼロに等しい変動を有する最終瞬間プロファイルを呈することを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載のスクロール圧縮機。前記回転子(6)の移動中にそれによって占有される全ての位置に関して、関連の前記固定子フランク(10、11)及び回転子フランク(18、19)の前記高さ(Z)にわたる前記局所横断内部クリアランス(S)は、公称運転中に一定であり、そのために該高さ(Z)にわたる該局所横断内部クリアランス(S)は、該回転子(6)によって占有される全ての位置において変動なしか又は言い換えればゼロに等しい変動を有する最終瞬間プロファイルを呈することを特徴とする請求項6に記載のスクロール圧縮機。前記固定子スクロール(8)は、スクロール圧縮機(1)が静止している時に、固定子フランクの前記適応フランク区画(39、40)が、前記固定子板(13)において固定子ストリップ(9)のエッジによって形成された固定子ベース(36)から該固定子ストリップ(9)の自由エッジによって形成された固定子先端(34)まである一定の後退(F)を呈し、又は該固定子フランク(10、11)のこの適応フランク区画(39、40)が、該固定子スクロール(8)が該固定子先端(34)よりも該固定子ベース(36)において大きい厚み(L)を有するように、該固定子板(13)に対してある一定の傾きを呈し、一方、該固定子スクロール(8)の他方のフランク(11、10)での反対のフランク区画(40、39)が、静止時に平坦にされ、かつ該固定子板(13)上で垂直位置にあるようなプロファイルを有することを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載のスクロール圧縮機。前記回転子スクロール(16)は、スクロール圧縮機(1)が静止している時に、回転子フランク(18、19)の前記適応フランク区画(37、38)が、前記回転子板(21)において回転子ストリップ(17)のエッジによって形成された回転子ベース(35)から該回転子ストリップ(17)の自由エッジによって形成された回転子先端(33)まである一定の後退(F)を呈し、又は該回転子フランク(18、19)のこの適応フランク区画(37、38)が、該回転子スクロール(1)が該回転子先端(33)よりも該回転子ベース(35)において大きい厚み(K)を有するように、該回転子板(21)に対してある一定の傾きを呈し、一方、該回転子スクロール(1)の他方のフランク(19、18)での反対のフランク区画(38、37)が、静止時に平坦にされ、かつ該回転子板(21)上で垂直位置にあるようなプロファイルを有することを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載のスクロール圧縮機。前記固定子スクロール(8)及び前記回転子スクロール(16)は、2つのフランク、より具体的には、スクロール圧縮機(1)の前記中心(27)から反対を向くそれぞれ内向き固定子フランク(11)又は内向き回転子フランク(19)、及びスクロール圧縮機(1)の該中心(27)から反対を向くそれぞれ外向き固定子フランク(10)又は外向き回転子フランク(18)を有し、後退(F)又は傾きを有する前記固定子フランク(10、11)の前記適応フランク区画(39、40)は、該外向き固定子フランク(10)の一部を形成し、後退(F)又は傾きを有する前記回転子フランク(18、19)の前記適応フランク区画(37、38)は、該外向き回転子フランク(18)の一部を形成することを特徴とする請求項8又は請求項9に記載のスクロール圧縮機。前記回転子スクロール(16)又は前記固定子スクロール(8)は、スクロール圧縮機(1)が静止している時にそれぞれ前記回転子板(13)又は前記固定子板(21)上で両方共に垂直であるそれぞれ回転子フランク(18、19)又は固定子フランク(10、11)によって構成されることを特徴とする請求項1乃至10の何れか1項に記載のスクロール圧縮機。前記回転子スクロール(16)又は前記固定子スクロール(8)は、スクロール圧縮機(1)が静止している時にそれぞれ前記回転子板(13)又は前記固定子板(21)に対するある一定の後退(F)又は傾きを両方共に呈するそれぞれ回転子フランク(18、19)又は固定子フランク(10、11)によって構成され、関連の該フランク(10、11、18、19)は、その全体で前記適応フランク区画(37〜40)を形成することを特徴とする請求項1乃至11の何れか1項に記載のスクロール圧縮機。静止時の固定子フランク(10、11)又は回転子フランク(18、19)の適応フランク区画(37〜40)が、ある一定の後退(F)又は傾きを呈し、公称運転中のこの適応フランク区画(37〜40)は、関連の前記固定子板(13)又は関連の前記回転子板(21)に対して垂直であることを特徴とする請求項1乃至12の何れか1項に記載のスクロール圧縮機。固定子フランク(10、11)又は回転子フランク(18、19)の適応フランク区画(37〜40)が、ある一定の後退(F)又は傾きを呈し、関連の該適応フランク区画(37〜40)は、連続プロファイルを有することを特徴とする請求項1乃至13の何れか1項に記載のスクロール圧縮機。固定子フランク(10、11)又は回転子フランク(18、19)の適応フランク区画(37〜40)が、ある一定の後退(F)又は傾きを呈し、関連の該適応フランク区画(37〜40)は、不連続プロファイルを有し、より具体的には、関連の該適応フランク区画(37〜40)を有する該固定子スクロールの厚み(K)又は該回転子スクロールの厚み(L)が、段階的に減少することを特徴とする請求項1乃至14の何れか1項に記載のスクロール圧縮機。不連続プロファイルを有する前記固定子フランク(10、11)又は前記回転子フランク(18、19)の前記適応フランク区画(37〜40)において、前記固定子スクロール(8)又は前記回転子スクロール(16)の関連の該適応フランク区画(37〜40)の前記厚み(K)は、その高さ(Z)にわたって1段階の変化を有することを特徴とする請求項15に記載のスクロール圧縮機。不連続プロファイルを有する前記固定子フランク(10、11)又は前記回転子フランク(18、19)の前記適応フランク区画(37〜40)において、前記固定子スクロール(8)又は前記回転子スクロール(16)の関連の該適応フランク区画(37〜40)の前記厚み(K)は、その高さ(Z)にわたっていくつかの段階の変化を有することを特徴とする請求項15又は請求項16に記載のスクロール圧縮機。スクロール圧縮機(1)が、無給油スクロール圧縮機であることを特徴とする請求項1乃至17の何れか1項に記載のスクロール圧縮機。

说明书全文

本発明は、スクロール圧縮機に関する。

公知のように、スクロール圧縮機は、一般的に以下の要素を含む。 −ハウジング、 −ハウジング内に移動不能に固定され、かつ中心固定子軸を有する静止固定子スクロールを含む固定子であって、この固定子スクロールが、ストリップの長さに沿って螺旋状に巻かれて固定子板上にある一定の高さで直立して固定された2つの固定子フランクを有する固定子ストリップによって形成される上記固定子、 −ハウジング内に移動可能に固定され、かつ中心回転子軸を有する回転子スクロールを含む回転子であって、この回転子スクロールが、ストリップの長さに沿って螺旋状に巻かれて回転子板上にある一定の高さで直立して固定された2つの回転子フランクを有する回転子ストリップによって形成され、回転子スクロールと固定子スクロールが固定子板と回転子板の間で互いに固定される上記回転子、 −スクロール圧縮機の外面上の低圧入口、 −スクロール圧縮機の中心にある高圧出口、及び −回転子が中心回転子軸の周りの回転を受けることなく、中心回転子軸が中心固定子軸の周りで偏心して周回する回転子の移動のためのドライブ。

更に、この周回中にかつ固定子に対する回転子の偏心移動中の固定子内での回転子の各位置において、回転子スクロールと固定子スクロールの間に最大開口部及び最小開口部が存在する場所が形成されることは公知である。

この場合に、固定子に対する回転子の各位置において最小開口部及び最大開口部を有するこれらの場所は、両方の中心軸を含む平面に位置するのが常であり、本文ではこれを図面に基づいてより詳しく明らかにすることにし、以下ではこの平面を密封平面と呼ぶ。

ここで、回転子の移動中の全ての時点での最小開口部が実際に圧縮チャンバを定めるが、それらは、スクロール圧縮機内の内部クリアランスに起因して、密封平面という名称から間違って理解される可能性があるような気密密封ではないことに注意しなければならない。

圧縮チャンバは、回転子の周回偏心移動中に絶えず形態を変化させ、入口を通してスクロール圧縮機の外面に供給された空気又は気体は、圧縮チャンバがより小さい容積を占めるスクロール圧縮機の中心に向けて深い方に絶えず押進され、それによって空気又は気体は圧縮され、圧縮された空気又は気体は、最終的にスクロール圧縮機の中心にある出口を通してスクロール圧縮機を出て行くことができるまで益々圧縮される。

回転子スクロールと固定子スクロールは、回転子フランク及び固定子フランクに沿った各高さにおいて最小開口部を有する場所において、互いからある一定の半径方向距離の場所に位置し、従って、これらの距離をスクロール圧縮機の局所横断内部クリアランスと考えることができることにも注意しなければならない。

この場合に、横断内部クリアランスは、回転子フランク及び固定子フランクを横断する方向のスクロール圧縮機内のクリアランスであることを意味する。

当然ながら、回転子先端と固定子板の間及び固定子先端と回転子板の間にも内部クリアランスが存在し、本文ではこれらのクリアランスを側部内部クリアランスと更に表記する。

スクロール圧縮機の良好な作動のためには、回転子スクロールと固定子スクロールの間の接触を防止するために、全ての内部クリアランス、特に局所横断内部クリアランスは、ある一定の最小値を常時超える状態に留まらなければならない。

その一方、大きい内部クリアランス、特に大きい局所横断内部クリアランスは、スクロール圧縮機内で大きい漏れ量及び圧損失を招くことになり、それに関して空気又は気体の再圧縮が余分な発熱をもたらすことになり、従って、スクロール圧縮機の効率が大きく悪影響を受けるので、これらの大きい内部クリアランスも望ましくない。

言い換えれば、回転子スクロールの移動中に回転子スクロールが固定子スクロールと接触状態に陥る危険を冒すことなく、スクロール圧縮機内で可能な限り小さい内部クリアランスを実現するという結論に達する。

この場合に、大きい課題は、スクロール圧縮機内の内部クリアランスは、静的な実態からかけ離れていることである。

実際に、スクロール圧縮機が使用されていない時の回転子の初期静止状態から回転子が最大速度で移動しているスクロール圧縮機の公称運転中の最終状態への移行中に、空気又は気体を圧縮することが目的であることで当然ながら圧力が大きく変化し、同じくスクロール圧縮機内の温度も変化する。

スクロール圧縮機内でのこれらの圧力変化及び温度変化には、固定子スクロール及び回転子スクロールの変形が伴い、そのような変形の結果として、スクロール圧縮機内の局所内部クリアランスが変化する。

いくつかのこれらの動的現象をより簡単に説明するために、最初にいくつかの項目を以下に定める。

以上により、固定子スクロール及び回転子スクロールと関連の固定子板又は回転子板との交線が螺旋ベースエッジと形成すると結論付けることができる。

この場合に、固定子板又は回転子板上の垂直線が上述の螺旋ベースエッジと交わる点の幾何学場所は、以下で理想螺旋フランクと呼ぶことにする螺旋フランクを決定する。

要するに、理想螺旋フランクは、少なくとも当然意図する回転子板と固定子板が互いに平行であることが成り立つ限り、与えられた状況においてフランクの高さにわたって観察した場合に一定内部クリアランスが存在するような回転子板及び固定子板に対して垂直なフランクである。

更に、本文では、回転子スクロール又は固定子スクロールの理想螺旋フランク上の点から回転子スクロール又は固定子スクロールそれぞれの対応する螺旋フランク上の最も近い点までの半径方向距離を指す上で「局所回転子フランク偏位」及び「局所固定子フランク偏位」という用語を用い、局所回転子フランク偏位又は局所固定子フランク偏位は、この偏位が関連の中心軸から離れる方向を向く場合に、又は関連の点と関連の中心軸の間の距離が理想螺旋フランク上の対応する点と関連の中心軸の間の距離よりも大きい場合に正符号を有する。

偏位が中心軸を向く逆の場合に、関連の回転子フランク偏位又は固定子フランク偏位は負符号を有することになる。

更に、一般的に、最小開口部内の局所横断内部クリアランスは、関連のフランクの最も近くに位置する理想螺旋フランク間の密封平面内の半径方向距離によって定められる中間基本クリアランスと局所クリアランス偏位とで構成されると言われる。

要するに、全ての局所横断内部クリアランスは、望ましい「理想」基本クリアランスと、理想螺旋フランクに対する回転子スクロール及び固定子スクロールの関連の密封平面内での局所偏位に起因する局所クリアランス偏位との和として表すことができる。

この場合に、局所クリアランス偏位は、局所回転子フランク偏位と局所固定子フランク偏位の間の差である。

より具体的には、関連の局所クリアランス偏位を形成する局所回転子フランク偏位及び局所固定子フランク偏位は、それぞれ、関連の回転子フランク及び関連の固定子フランクの点の場所における理想螺旋フランクに対する回転子スクロール及び固定子スクロールの偏位であり、関連の局所横断内部クリアランスの関連の高さに位置し、かつ関連の密封平面に位置する偏位である。

スクロール圧縮機を始動した後に、回転子の静止状態から公称運転時の状態に移る時に、スクロール圧縮機内の圧力及び温度が変化し、それによって固定子スクロール及び回転子スクロールの変形、並びに局所固定子フランク偏位及び局所回転子フランク偏位の変化、従って、局所横断内部クリアランスの変化がもたらされる。

本文での言葉の使用を容易にするために、静止時のスクロール圧縮機及びその要素の状態を「初期」という形容詞で表記し、それに対して公称作動中のスクロール圧縮機及びその要素の状態を「最終」という形容詞で更に表記する。

当然ながら関連の状態に関して「初期」又は「最終」であるものは何もなく、より具体的には、公称運転時の「最終」状態では、回転子が最大速度で動いており、従って、この最終状態にあるスクロール圧縮機の様々な要素は、多数の瞬間形態及び瞬間位置を取るということに注意しなければならない。

更に、スクロール圧縮機が周囲温度及び周囲圧力で静止している時の回転子の各位置における局所横断内部クリアランスは、高さにわたってクリアランスプロファイルを呈すると言うことができ、以下ではこのクリアランスプロファイルを初期クリアランスプロファイル又は静止クリアランスプロファイルと呼び、それに対して作動温度及び作動圧力におけるスクロール圧縮機の公称運転中の回転子の各位置におけるこれらの局所横断クリアランスは、高さにわたって異なる瞬間クリアランスプロファイルを描き、以下ではこの瞬間クリアランスプロファイルを瞬間最終クリアランスプロファイル又は瞬間周回クリアランスプロファイルと呼ぶ。

公知のスクロール圧縮機では、固定子スクロール及び回転子スクロールは、一定厚みを有するように構成され、それによって各スクロールの2つのフランクは、少なくともスクロール圧縮機が静止しており、通常の周囲温度及び周囲圧力にある時に、固定子スクロール及び回転子スクロールのフランクが静止時の理想螺旋フランクと一致するように、関連の回転子板又は固定子板に対して垂直であるのが常である。

要するに、そのような公知のスクロール圧縮機の場合に、この公知のスクロール圧縮機が静止している時の初期局所回転子フランク偏位及び初期局所固定子フランク偏位はほぼゼロであり、従って、停止中の最小開口部内には、回転子の位置に関係なく、かつどの固定子板が関連するかに関係なく、初期局所クリアランス偏位も同じく存在しない。

この場合に、静止時の公知のスクロール圧縮機の固定子スクロール及び回転子スクロールのフランクは、互いに平行又はほぼ平行であり、密封平面内の局所横断内部クリアランスの静止クリアランスプロファイルは、殆ど又は全く変化を示さないか、又は言い換えれば関連の密封平面内の各高さにおいて、初期局所横断内部クリアランスは、上述の基本クリアランスとちょうど同じ大きさのものであり、かつそれに等しい。

公称運転時のスクロール圧縮機の最終状態では、固定子スクロール及び回転子スクロールは、静止時の初期形態と比較して異なる瞬間最終形態を取り、密封平面内の瞬間局所横断クリアランスは、最終の上述の基本クリアランスと、スクロール圧縮機の公称運転中の回転子スクロール及び固定子スクロールの局所瞬間形態の関数である瞬間最終(又は周回)局所クリアランス偏位とで構成される。

この場合に、スクロール圧縮機の公称作動中に、スクロール圧縮機の出口が同じく位置するその中心において圧力及び温度が最も高く、それに対してスクロール圧縮機内の圧力及び温度は、スクロール圧縮機の半径方向に外寄りの部分で低下する。

更に、回転子板及び固定子板の回転子スクロール及び固定子スクロールそれぞれの反対の面上に、一般的に冷却フィンが設けられるのが常である。

この冷却フィンの具備の影響は、回転子スクロールのベース及び固定子スクロールのベースが、回転子スクロールの先端及び固定子スクロールの先端よりも良く冷却され、その結果、スクロール圧縮機の公称運転中に回転子スクロールの高さ及び固定子スクロールの高さにわたって、温度がこれらのスクロールの先端に向けて増大する温度勾配が支配することである。

全てのこれらの圧力効果及び温度効果、より具体的には、中心から外面に低下する圧力及び温度、並びに対関連のスクロールのベースから先端に増大する温度は、回転子先端及び固定子先端がスクロール圧縮機の中心から外面に向けて離れるように曲がるように、回転子スクロール及び固定子スクロールが変形する傾向を有することを意味する。

以上により、スクロール圧縮機内での位置に基づいて、最小開口部内で例えば回転子先端は、反対固定子ベースに向う場合があり、一方でそれとは逆に、この位置における反対固定子先端は、この位置における回転子ベースから離れる。

同じくスクロール圧縮機内での位置に基づいて、固定子先端は、反対回転子ベースに向う場合があり、一方でそれとは逆に、この位置における反対回転子先端は、この位置における固定子ベースから離れる。

これの結果は、スクロール圧縮機の公称作動中の瞬間密封平面内のある一定の高さにおける局所横断内部クリアランスが、スクロール圧縮機が静止している時の同じ密封平面内のこの高さにおける局所横断内部クリアランスと比較して有意に減少する可能性があることである。

一方、関連の同じ瞬間密封平面内の他の高さにおいて、スクロール圧縮機の作動中のこの局所横断内部クリアランスは、スクロール圧縮機が静止している時の同じ瞬間密封平面内のこの高さにおける局所横断内部クリアランスと比較して増大してしまう可能性もある。

これは、圧力及び温度の影響の下で、スクロール圧縮機の公称作動中の瞬間横断内部クリアランスは、何も行わなければ固定子内での回転子のある一定の位置で容易に小さくなり過ぎる可能性があることを意味する。

公知のスクロール圧縮機の場合に、この問題は、公知のスクロール圧縮機が静止している時に初期クリアランスを十分に大きくすることによって解決される。

これに加えて、スクロール圧縮機の作動中に局所横断内部クリアランスが増大する場所において、スクロール圧縮機の圧縮機チャンバ間の内部漏れ量及び内部圧力損失が増大することが常である。

公知のスクロール圧縮機の場合に、この現象は、スクロール圧縮機の公称作動中の固定子スクロール及び回転子スクロールの全ての高さにおいて最小局所横断内部クリアランスを確実にするために静止時のスクロール圧縮機内のクリアランスが大きくされる上述の対策によって更に増強される。

要するに、公称作動中のスクロール圧縮機内の内部クリアランスは、スクロール圧縮機の効率に多大な影響を及ぼし、公知のスクロール圧縮機の場合に、限度範囲に留まるのが困難である場合があり、及び/又はスクロール圧縮機における局所横断内部クリアランスの周回クリアランスプロファイルが非常に変化しやすいか又はこのクリアランスプロファイルを事前に見積もるのが困難である可能性がある。

この問題は、スクロール圧縮機内の圧力及び温度が上昇するか、電力が増大するか、又は固定子内での回転子の運動速度が増大するときに益々深刻である。

本発明の目的は、上述の欠点及びあらゆる他の欠点のうちの1つ又はそれよりも多くに対してソリューションを与えることである。

より具体的には、本発明の第1かつ最も重要な目的は、フル稼働中のスクロール圧縮機において固定子フランク及び回転子フランクの高さにわたって可能な限り一定のプロファイルを有する特定の内部クリアランスを実現し、より好ましくは、スクロール圧縮機の公称運転中に、与えられた基本クリアランスに対して可能な限り小さい周回クリアランス偏位を実現することである。

この目的に対して、本発明は、上述のかつ請求項1の前文に記載のタイプのスクロール圧縮機に関し、ここで、このスクロール圧縮機は、固定子フランク又は回転子フランクのうちの少なくとも一方が、適応フランク区画を含み、その形態が、スクロール圧縮機の初期静止状態において関連の適応フランク区画の各点にゼロとは異なる局所初期回転子フランク偏位又は局所初期固定子偏位が存在することによって初期適応され、初期静止状態から公称運転時の最終状態への移行時に、固定子スクロール及び回転子スクロールが変形し、それによって公称運転時の回転子の移動中に、関連の適応フランク区画の各点及び回転子の各位置において、回転子が静止している時の同じ点での対応する局所初期固定子フランク偏位又は局所初期回転子フランク偏位よりも小さい絶対値を有する瞬間最終局所固定子フランク偏位又は瞬間最終局所回転子フランク偏位が存在することを特徴とする。

本発明によるそのようなスクロール圧縮機の大きい利点は、固定子スクロール及び回転子スクロールがスクロール圧縮機の初期静止状態から公称運転時の最終状態に移る時に発生する圧力及び温度の影響の下で固定子スクロール及び回転子スクロールが受ける変形が設計中に事前に考慮される点である。

これは、公称運転時の最終状態へのスクロール圧縮機の移行の結果としてフランク区画が変形を受け、このフランク区画の瞬間最終形態が、固定子板又は回転子板に対して垂直な理想フランク区画により緊密に適合するように、スクロール圧縮機が静止している時に固定子板又は回転子板上に垂直に置かれた定められた「理想」フランク区画とは異なる初期形態を有する1つ又はそれよりも多くの適応フランク区画が回転子スクロール又は固定子スクロール又はこれらの両方に設けられることを確実にする。

上述の適応フランク区画のそのような変形は、スクロール圧縮機の公称作動中のフランク区画の関連の点での瞬間最終局所内部クリアランスに対して有効な効果を有することは理解されるであろう。

スクロール圧縮機の静止状態から公称運転への移行中に発生する現象の上述の公式化は、公称運転時にスクロール圧縮機内の圧力及び温度が静的な態様であるという印象を生じる可能性があると考えられるが、そうではない。

固定子スクロール又は回転子スクロールのフランクの点に存在する圧力及び温度は、回転子の移動中に絶えず変化し、それによって現実には回転子の移動中に、この移動中の固定子スクロール及び回転子スクロールの変形は各時点で異なる。

より正確な公式化により、この動的性質を考慮することができ、スクロール圧縮機が静止している時に、適応フランク区画の上述の局所初期回転子フランク偏位又は局所初期固定子フランク偏位は、関連の密封平面内の対応する局所初期クリアランス偏位又は静止クリアランス偏位に対する初期局所寄与を生じると言うことができる。

公称運転時のスクロール圧縮機の作動中に、固定子スクロール及び回転子スクロールは、回転子の移動中に関連の上述の適応フランク区画の各点において瞬間最終局所固定子フランク偏位又は瞬間最終局所回転子フランク偏位が存在するように変形する。

瞬間最終局所固定子フランク偏位又は瞬間最終局所回転子フランク偏位は、関連の瞬間密封平面内の対応する瞬間局所最終クリアランス偏位又は周回クリアランス偏位に対する瞬間最終局所寄与を生じるようなものであり、作動中のこれらの瞬間最終局所寄与の絶対値は、少なくとも、中心軸BB’の完全な回転中に回転子によって占有される位置のうちの一部のものにおける対応する密封平面内の同じ点に関する対応する局所初期クリアランス偏位よりも小さい。

回転子の回転中の固定子スクロール及び回転子スクロールの各点での圧力変化及び温度変化は、静止状態と公称運転との間の各点での圧力変化及び温度変化と比較してある程度小さいので、実際には、両方の公式化方法はほぼ同等である。

固定子スクロール又は回転子スクロールの適応フランク区画を使用すると、少なくとも、スクロール圧縮機を始動した後の固定子スクロール又は回転子スクロールの変形の結果として瞬間局所周回クリアランス偏位に対する瞬間最終局所寄与の絶対値が、スクロール圧縮機が静止している時の固定子内での回転子の位置の少なくとも一部のものにおける対応する初期クリアランス偏位に対する初期寄与よりも小さいことが確実にされるので、本発明によるスクロール圧縮機は、公知のスクロール圧縮機に対する改善であることに注意しなければならない。

これは、本発明によるスクロール圧縮機が、いかなるクリアランス偏位も持たない局所最終クリアランス、又は静止状態と公称運転などとの間で全体的に減少する局所クリアランス偏位を有する局所最終クリアランスを公称運転時の作動中に必ず有するべきであることを意味するものでは決してない。

要するに、本発明によるスクロール圧縮機の設計は、公称運転時の作動中のスクロール圧縮機内の最終内部局所クリアランスを改善すること、すなわち、それらを公知のスクロール圧縮機の場合の現状のものよりも均等にし、予想可能にすることに重点が置かれたものである。

そのような設計は、上記に示したように初期局所固定子フランク偏位及び初期局所回転子フランク偏位が小さく又はゼロであり、従って、初期局所クリアランス偏位に対するこれらの偏位の初期寄与が小さいか又はゼロであるが、公称運転へのスクロール圧縮機の移行の結果として瞬間局所変形が、スクロール圧縮機の公称作動中に対応する初期クリアランス偏位に対する上述の初期寄与よりも絶対値がかなり大きく、最終クリアランス偏位に対する瞬間最終寄与を瞬間最終局所固定子フランク偏位及び瞬間最終局所回転子フランク偏位が生じるという性質のものである公知のスクロール圧縮機の設計とは全く対照的である。

この公知のスクロール圧縮機の設計の影響は、公知のスクロール圧縮機の場合に、最終局所横断内部クリアランスが、大きい最終クリアランス偏位を有して有意に変化する周回クリアランスプロファイルを描き、最小開口部内のいくつかの場所では望ましいものよりも小さめの内部クリアランスが発生し、他の場所ではより大きい内部クリアランスが発生することである。

公知のスクロール圧縮機では、回転子スクロール及び固定子スクロールは、一般的に一定厚みを有するように構成され、従って、固定子スクロール及び回転子スクロールの横断プロファイルは、その先端のレベルにいかなる溝も考慮されない矩形形態を有する。

更に、静止時の公知のスクロール圧縮機における固定子スクロール及び回転子スクロールのフランクは、固定子板及び回転子板それぞれと垂直に向けられ、それによってスクロール圧縮機が静止している時に固定子に対する回転子の全ての位置において固定子フランクと回転子フランクは互いに平行であり、従って、公知のスクロール圧縮機における局所横断内部クリアランスは、高さにわたって全く又は事実上全く初期変動を示さない初期クリアランスプロファイル又は静止クリアランスプロファイルを有する。

従って、公称運転への移行中の固定子スクロール及び回転子スクロールの変形の結果として、公知のスクロール圧縮機における上述のフランクは非平行最終位置にあり、多くの場合に、ほぼ固定子内での回転子の各位置においても互いから離れるように曲がり、これらの公知のスクロール圧縮機における局所横断内部クリアランスは、公称運転中に高さにわたって比較的強い最終変動を示す最終クリアランスプロファイルを有し、この最終変動は、回転子の全ての位置において上述の初期変動に対して有意に増大される。

上述のスクロール圧縮機における局所横断内部クリアランスの最終プロファイルの大きい最終変動は、固定子内での回転子の関連の位置において最小開口部内の最小局所横断内部クリアランスと同じ最小開口部内の最大局所横断内部クリアランスとの間に大きい差が存在することを意味することで極めて芳しくない。

要するに、高さにわたるいずれの場所でも最小局所内部クリアランスは全く小さすぎ、一方、固定子スクロール又は回転子スクロールの高さを通して全体的に捉えると、上述のことにも関わらず内部クリアランスは大きく、比較的大きい最小開口部をもたらすか、又は言い換えれば大きい漏れ量又は高い圧力損失をもたらす。

従って、公知のスクロール圧縮機の場合とは対照的に、本発明によるスクロール圧縮機の場合に、静止時又は公称運転時で固定子内での回転子の対応する位置を比較した時に、固定子スクロール又は回転子スクロールの高さにわたる局所横断内部クリアランスのプロファイルの変動が可能な限り減少するように意図している。

望ましい結果を達成するために本発明によって達成されるソリューションは、スクロール圧縮機が静止している時に、静止状態から公称運転へのスクロール圧縮機の移行中に発生することになる変形を考慮しながらゼロとは異なる局所固定子フランク偏位及び局所回転子フランク偏位を生じることにより、適応フランク区画の初期形態を適応させることにある。

本発明により、これは、例えば、スクロール圧縮機が静止している時に回転子スクロールの横断プロファイル、固定子スクロールの横断プロファイル、又は両方のスクロールの横断プロファイルを適応させることによって行うことができる。

典型的には、本発明によるスクロール圧縮機では、上述の回転子スクロール、固定子スクロール、又は両方のスクロールの横断プロファイルの適応化は、調節されたフランク区画の場所におけるこの横断プロファイルが、公知のスクロール圧縮機で公知の典型的な矩形プロファイルから偏位することを意味することになる。

典型的な適応化は、少なくともスクロール圧縮機が使用されていない状態で、固定子フランクの一方又は両方の固定子フランク又は回転子フランクの一方又は両方の回転子フランクのフランク区画を関連の回転子板又は関連の固定子板それぞれに対して初期の非垂直位置に少なくとも部分的に配置することからなるとすることができる。

この場合に、当然ながら、スクロール圧縮機の始動、並びにこの場合に発生する圧力及び温度に起因して上述の横断プロファイルの変形が得られるように意図しでおり、従って、この変形の後に、瞬間最終局所クリアランス偏位に対して可能な限り小さい寄与しか作り出さない瞬間最終局所固定子フランク偏位又は瞬間最終局所回転子フランク偏位が得られ、従って、最終瞬間局所内部クリアランスが上述の瞬間基本クリアランスに可能な限り等しく、それによってこのスクロール圧縮機において公知のスクロール圧縮機よりも予想可能性が高い最終クリアランスを達成することができる。

本発明の追加の目的は、固定子スクロール及び回転子スクロールの高さにわたる局所横断内部クリアランスの最終プロファイルの変動を可能な限り低減し、理想的にはそれをゼロに低減し、当然ながらこれを固定子内での回転子の可能な限り多くの位置においてもたらすことである。

実際に、上述の局所横断内部クリアランスの最終プロファイルの変動が低減する場合に、最小開口部内の最小局所横断内部クリアランスとこの最小開口部内の最大局所横断内部クリアランスとの間に小さい差しか存在せず、従って、高さを通して全体的に捉えると、フル運転時に最小開口部の場所において固定子スクロールと回転子スクロールを公知のスクロール圧縮機の場合よりも互いに近く持ってくることができ、当然ながら、これは、より限られた内部漏れ流量、並びにより限られた内部圧縮損失をもたらすことができるので、本発明によるスクロール圧縮機の効率に対して非常に好ましい。

これの追加の利点は、低い漏れ量に起因して、弱い空気の再圧縮しか発生せず、従って、全体的に捉えると、スクロール圧縮機内の作動温度が低く保たれる。

実際に、例えば、初期状態で固定子板又は回転子板に対して非垂直位置にあった関連の回転子スクロール又は固定子スクロールの上述のフランクの一方又は両方の適応フランク区画は、フル運転中に変形に起因して比較的垂直な位置に向うことになるので、高さにわたる局所内部横断クリアランスの最終クリアランスプロファイルの変動の減少を容易に達成することができる。

当然ながら、本発明による多くの他の可能性が存在し、これらのうちの少数のみを以下に解説するが、これらは、スクロール圧縮機の各部分に初期適応化形状を与えることによって変形が予想されるということを基本的にもたらす。

本発明の特徴をより明確に示すことを目的として、以下では、本発明によるスクロール圧縮機の少数の好ましい実施形態をいかなる限定性も伴うことなく一例として添付図面を参照して説明する。

2つの反対の視点の一方からのスクロール圧縮機の斜視分解組立図である。

2つの反対の視点の一方からのスクロール圧縮機の斜視分解組立図である。

組み立てた状態にある図1及び図2のスクロール圧縮機を通る断面図である。

回転子スクロールが固定子スクロールに対して連続する位置にある固定子板に対応する図3の線XX’と平行に組み立てたスクロール圧縮機を通るスクロール圧縮機の作動を示すための概略断面図である。

回転子スクロールが固定子スクロールに対して連続する位置にある固定子板に対応する図3の線XX’と平行に組み立てたスクロール圧縮機を通るスクロール圧縮機の作動を示すための概略断面図である。

回転子スクロールが固定子スクロールに対して連続する位置にある固定子板に対応する図3の線XX’と平行に組み立てたスクロール圧縮機を通るスクロール圧縮機の作動を示すための概略断面図である。

回転子スクロールが固定子スクロールに対して連続する位置にある固定子板に対応する図3の線XX’と平行に組み立てたスクロール圧縮機を通るスクロール圧縮機の作動を示すための概略断面図である。

図4に表記している線VIII−VIIIに従って公知のスクロール圧縮機を通る内部クリアランスをある程度誇張した略断面図である。

図5に表記している線IX−IXに従って公知のスクロール圧縮機を通る内部クリアランスをある程度誇張した略断面図である。

図6に表記している線X−Xに従って公知のスクロール圧縮機を通る内部クリアランスをある程度誇張した略断面図である。

図7に表記している線XI−XIに従って公知のスクロール圧縮機を通る内部クリアランスをある程度誇張した略断面図である。

静止している公知のスクロール圧縮機の図8にF12/F13で表記した区画の拡大図である。

公称運転中の公知のスクロール圧縮機の図8にF12/F13で表記した区画の拡大図である。

静止している公知のスクロール圧縮機の図10にF14/F15で表記した区画の類似の拡大図である。

フル稼働中の公知のスクロール圧縮機の図8にF12/F13で表記した区画の拡大図である。

本発明によるスクロール圧縮機の第1の実施形態における静止状態から公称運転への移行中の固定子スクロール及び回転子スクロールの変形を示す図12と類似の図である。

本発明によるスクロール圧縮機の第1の実施形態における静止状態から公称運転への移行中の固定子スクロール及び回転子スクロールの変形を示す図13と類似の図である。

本発明によるスクロール圧縮機の第1の実施形態における静止状態から公称運転への移行中の固定子スクロール及び回転子スクロールの変形を示す図14と類似の図である。

本発明によるスクロール圧縮機の第1の実施形態における静止状態から公称運転への移行中の固定子スクロール及び回転子スクロールの変形を示す図15と類似の図である。

本発明によるスクロール圧縮機の他の実施形態に関して異なる状態を示す図16と類似の図である。

本発明によるスクロール圧縮機の他の実施形態に関して異なる状態を示す図17と類似の図である。

本発明によるスクロール圧縮機の他の実施形態に関して異なる状態を示す図18と類似の図である。

本発明によるスクロール圧縮機の他の実施形態に関して異なる状態を示す図19と類似の図である。

本発明によるスクロール圧縮機の他の実施形態に関して異なる状態を示す図16と類似の図である。

本発明によるスクロール圧縮機の他の実施形態に関して異なる状態を示す図17と類似の図である。

本発明によるスクロール圧縮機の他の実施形態に関して異なる状態を示す図18と類似の図である。

本発明によるスクロール圧縮機の他の実施形態に関して異なる状態を示す図19と類似の図である。

本発明によるスクロール圧縮機の他の実施形態に関して異なる状態を示す図16と類似の図である。

本発明によるスクロール圧縮機の他の実施形態に関して異なる状態を示す図17と類似の図である。

本発明によるスクロール圧縮機の他の実施形態に関して異なる状態を示す図18と類似の図である。

本発明によるスクロール圧縮機の他の実施形態に関して異なる状態を示す図19と類似の図である。

本発明によるスクロール圧縮機の他の実施形態に関して異なる状態を示す図16と類似の図である。

本発明によるスクロール圧縮機の他の実施形態に関して異なる状態を示す図17と類似の図である。

本発明によるスクロール圧縮機の他の実施形態に関して異なる状態を示す図18と類似の図である。

本発明によるスクロール圧縮機の他の実施形態に関して異なる状態を示す図19と類似の図である。

図1から図3に示す要素は、展開状態及び組み立てた状態にある本発明が関するタイプの無給油スクロール圧縮機1を示している。

このスクロール圧縮機1は、この場合に、内部に回転子6が固定される空間を組み立てた状態において封入する基本的に2つの区画、より具体的には区画3と区画4から構成されるハウジング2を有する。

更に、区画3は、中心固定子軸AA’を有する静止固定子スクロールを含み、ハウジング2内に移動不能に固定される固定子7を形成する。

この固定子スクロール8は、それぞれ、固定子スクロール8の中心又は中心軸AA’から反対を向く外向き固定子フランク10、及び固定子スクロール8の中心又は中心軸AA’から反対を向く内向き固定子フランク11である2つの固定子フランク10及び11を有する固定子ストリップ9によって形成される。

更に、固定子ストリップ9は、ストリップの長さに沿って螺旋状に巻かれ、ある一定の高さHで固定子板13の第1の面12上に直立して固定される。

固定子板13の他方の面14上には、冷却フィン15が設けられる。

回転子6は、ハウジング2内で移動することができ、中心軸AA’からある一定の距離Eの場所でそれと平行に延びる中心回転子軸BB’を有する回転子スクロール16を有する。

回転子スクロール16は、それぞれ、回転子スクロール16の中心又は中心軸BB’から反対を向く外向き回転子フランク18、及び回転子スクロール16の中心又は中心軸AA’から反対を向く内向き回転子フランク19である2つの回転子フランク18及び19を有する回転子ストリップ17によって形成される。

更に、回転子ストリップ17は、ストリップの長さに沿って螺旋状に巻かれ、ある一定の高さH’で回転子板21の第1の面20に直立して固定される。

回転子板21の他方の面22上にも、冷却フィン23が設けられる。

スクロール圧縮機1の組み立てた状態では、回転子スクロール16と固定子スクロール8は、空気又は時に別の気体を圧縮するように互いに作動し合うことができるように、固定子板13と回転子板21の間で互いに固定される。

更に、スクロール圧縮機1には、周囲の空気又は気体を引き込むために、スクロール圧縮機1の外面25上に低圧入口24が設けられ、更に、圧縮された空気又は気体を除去するために、スクロール圧縮機1の中心27に高圧出口26が設けられる。

回転子6を駆動することができるように、スクロール圧縮機1には、中心回転子軸BB’が中心固定子軸AA’の周りに偏心して周回し、より具体的には、図4から図11により明確に示すクリアランスを別として中心回転子軸BB’と中心固定子軸AA’の間の距離Eに事実上同一の半径Rを有する円C上を周回する移動を回転子6が起こすことができるようなドライブが更に設けられる。

一般に知られているように、回転子6は、その運動中に中心回転子軸BB’の周りの回転を受けない。

固定子7内での回転子6の移動を各連続する図面内で中心軸BB’が円C上を4分の1ストローク先に移動されている図4から図7に示している。

この移動は、回転子6のこの周回及び偏心移動中の固定子7内での回転子6の各位置において、回転子スクロール16と固定子スクロール18の間に最大開口部28が存在する場所と最小開口部29が存在する場所とが形成されることを指定している。

最小開口部29及び最大開口部28を有するこれらの場所が、固定子スクロール8及び回転子スクロール16それぞれの平行中心軸AA’及びBB’を含む平面MM’内に常に位置することも明らかである。

冒頭に示したように、本文ではこの平面MM’を密封平面MM’と表記する。

図4及び図6から、更に図8及び図10に示す関連する断面図から、中心固定子軸AA’の周りの中心回転子軸BB’の完全な周回移動中に、毎回最小開口部29及び最大開口部28を有する場所が同じ密封平面MM’に存在する2つの位置が存在することを見ることができる。

中心回転子軸BB’のこれら2つの位置は、より具体的には、中心回転子軸BB’が中心固定子軸AA’に対する第1の位置に存在する第1の位置と、中心回転子軸BB’が中心固定子軸AA’に対してこの第1の位置と正反対の第2の位置に存在する第2の位置とである。

中心回転子軸BB’の類似の正反対位置を図5及び図7に示しており、関連する断面図を図8及び図10にそれぞれ示している。

更に別の精査により、上述の回転子6の一方の位置では、最小開口部29は、例えば、図4、図5、及び図8に示す固定子7内の回転子6の位置の場合のように外向き固定子フランク10と内向き回転子フランク19の間に形成され、それに対して固定子7内の回転子6の第2の正反対位置では、例えば、図6、図7、及び図10に示す固定子7内の回転子6の位置の場合のように、最小開口部29が正確に逆転され、内向き固定子フランク11と外向き回転子フランク18の間に形成されることも常である。

この場合に、実際に、回転子スクロール16又は固定子スクロール8の同じ関連の区画は、両方の正反対位置において最小開口部29を定める区画であり、従って、固定子スクロール8又は回転子スクロール16の変形は、最小開口部29のサイズに対して増大効果を有し、更に、固定子7内の回転子6の2つの正反対位置における変形は、より詳しく例示することになる反対の局所効果をもたらすことも常である。

スクロール圧縮機1の中心27に向けて容積が減少する圧縮チャンバ30を各々定めるのは最小開口部29を有する場所である。

すなわち、一方で、固定子スクロール8と回転子スクロール16の間の接触を防止するためにスクロール圧縮機内には常に最小のクリアランスが存在しなければならず、他方で、過度に大きい瞬間最小開口部29は、連続する圧縮チャンバ30の間の大きい圧縮損失及び漏れ量と結合されるので、これらの最小開口部29のサイズは非常に重要である。

固定子板13に対する各局所高さZにおけるそのような瞬間最小開口部内では、関連の外向き回転子フランク18と関連の内向き固定子フランク11又は関連の内向き回転子フランク19と関連の外向き固定子フランク10とは、互いからある一定の半径方向距離Sの場所に位置する。

ここでは、半径方向は、瞬間密封平面MM’内の距離が、中心軸AA’又はBB’の一方から半径方向に、かつ固定子板13又は回転子板21と平行に測定されることを意味する。

これらの半径方向距離Sは、回転子6の移動中の各時点で、すなわち、固定子7内での回転子6の各瞬間位置において、かつ各高さZにおいて瞬間局所横断内部クリアランスSを定める。

固定子7内の回転子6の各位置において、固定子スクロール8及び回転子スクロール16のフランク10、11、18、及び19上に、各々瞬間密封平面MM’内に瞬間局所横断内部クリアランスSを形成する異なる点対が存在する。

スクロール圧縮機1の公称運転中に、静止した回転子6の初期状態から最終状態に移る時に、スクロール圧縮機1内の圧力及び温度が大きく変化し、固定子スクロール8及び回転子スクロール16の変形をもたらす。

固定子スクロール8及び回転子スクロール16のそのような変形は、スクロール圧縮機1の瞬間最小開口部29内の瞬間局所横断クリアランスSに対して非常に大きい効果を有することは明らかである。

本発明により、公知のスクロール圧縮機1の場合にそうであるように、これらの変形は、全く対策が取られない状況と比較して望ましいか又は少なくとも改善された瞬間最終局所横断内部クリアランスSをもたらす初期形態を固定子スクロール8及び/又は回転子スクロール16に対して与えるために事前に最適に見積もられることも常である。

理想的には、これに代えて又はこれに加えて、スクロール圧縮機1における瞬間最終局所内部横断クリアランスSの変化に関する変形を適応材料組成を使用することによって相殺するための対策を取ることができる。

スクロール圧縮機1が静止している時の初期形態、及びスクロール圧縮機1の公称作動への移行中の後の変形を指定するために、以下に指定する用語法を使用することとし、この用語法は、いずれの可能な直感的又は解釈的な意味も更に排除しなければならない。

何よりも最初に、公知のスクロール圧縮機と本発明によるスクロール圧縮機1の両方において、固定子スクロール8及び回転子スクロール16それぞれのフランク10、11、18、及び19と関連の固定子板13又は回転子板21との交線31が螺旋形状ベースエッジ31を形成すると仮定する。

これらのベースエッジ31を固定子スクロール8及び回転子スクロール16の形態を定めるための基準として使用することにし、この場合に、これらのベースエッジ31が実際には静的物体ではないことを指示する。

実際に、理想固定軸系に対するこれらのベースエッジ31の絶対位置は、静止したスクロール圧縮機1からスクロール圧縮機1の公称作動への移行中に固定子板13及び回転子板21内の温度変化に起因して変化することになり、この変化は、更に別の考察において考慮しなければならない。

更に、固定子板13上の垂直線が上述の螺旋ベースエッジ31と交わる点の幾何学的な場所は、理想螺旋フランク32を決定する。

要するに、理想螺旋フランク32は、ベースエッジ31を始端として固定子板13又は回転子板21に対して全ての関連において垂直であるいかなる物理的実在も存在しない固定子スクロール8及び回転子スクロール16のフランクであり、これらの螺旋フランク32は、局所横断内部クリアランスSが、固定子板13又は回転子板21に対する高さにわたって全ての関連においていかなる変化も全く示さないという意味で理想的である。

固定子板13に対する高さZにおける回転子スクロール16のフランク18又は19上の点と最も近い理想螺旋フランク32との間の半径方向距離ΔRは、回転子スクロール16からの局所形態を決定し、以下ではこれを局所回転子フランク偏位ΔRと表記する。

同じように、固定子板13に対する高さZにおける固定子スクロール8のフランク10又は11上の点と最も近い理想螺旋フランク32との間の半径方向距離ΔTは、固定子スクロール8の局所形態を決定し、以下ではこれを局所固定子フランク偏位ΔTと表記する。

図12は、例えば、図4及び図5に示す固定子7内での回転子6の位置で公知のスクロール圧縮機1が静止している時の密封平面MM’内でこのスクロール圧縮機1を通る一区画の拡大図を関連のクリアランスをある程度誇張して示している。

全く同様に、図14は、例えば、図6及び図7に示す固定子7内での回転子6の正反対位置で公知のスクロール圧縮機1が静止している時の同じ密封平面MM’内でこのスクロール圧縮機1を通る一区画の拡大図を関連のクリアランスをある程度誇張して示している。

静止している固定子スクロール8及び回転子スクロール16の形態を下付き文字0で表記し、公称作動時を下付き文字fで表記すると、以下のことが言える。

公知のスクロール圧縮機1が、静止している初期状態にある場合に、固定子7内での回転子6の位置に関係なく又は密封平面MM’に関係なく、局所回転子フランク偏位ΔR0及び局所固定子フランク偏位ΔT0は存在せず、又は局所回転子フランク偏位ΔR0又は局所固定子フランク偏位ΔT0はゼロに等しく、これは、固定子板13に対する全ての高さZ、Z’、Z’’等において成り立つ。

実際に、公知のスクロール圧縮機1は、初期状態でスクロール圧縮機が静止している時に少なくとも近似的に理想螺旋フランク32を有する固定子スクロール8及び回転子スクロール16を用いて構成される。

上述の構成の第1の結論は、原理的に公知のスクロール圧縮機1では初期クリアランス偏位ΔS0が存在しないことである。

上述の構成の更に別の結論は、密封平面MM’内の各高さZ、Z’、Z’’等における局所横断内部クリアランスSが、そのような公知のスクロール圧縮機1では初期状態で一定であり、関連の瞬間密封平面MM’内で関連のフランク11と18又は10と19の最も近くに位置する理想螺旋フランク32間の半径方向距離Wによって定められる基本クリアランスWに等しいことでもある。

上述のように、公知のスクロール圧縮機1では、それが静止している時に瞬間最小開口部29内の高さZにわたる初期クリアランスプロファイルの初期変動は存在しない。

この静止状態から公知のスクロール圧縮機1の公称作動への移行中に、典型的な場合を実施形態として図13及び図15に示す変形が発生する。

冒頭に示したように、スクロール圧縮機1内で圧力、並びに温度が中心27に向けて増大し、回転子ベース35から回転子先端33に増大する温度、並びに固定子ベース36から固定子先端34に増大する温度を有する温度勾配が高さ方向Zに支配するので、回転子先端33及び固定子先端34は、スクロール圧縮機1の外面25に向けて偏位する傾向を有する。

固定子7内での回転子6の位置に基づいて、この偏位は、スクロール8及び16の高さZにわたる局所横断内部クリアランスSfの最終プロファイルに関して反対の現象をもたらす。

図13及び図15は、瞬間密封平面MM’内の各高さZ、Z’、Z’’等において、中間にある瞬間基本クリアランスW及び瞬間局所クリアランス偏位ΔSから構成される異なる瞬間局所横断内部クリアランスSが存在することを指定している。

要するに、各局所横断内部クリアランスSは、望ましい瞬間「理想」基本クリアランスWと、回転子スクロール16及び固定子スクロール8の局所偏位に起因する局所クリアランス偏位ΔSとの和として表すことができる。

各高さZ、Z’、Z’’等において、瞬間局所クリアランス偏位ΔSは、局所瞬間回転子フランク偏位ΔRと局所瞬間固定子フランク偏位ΔTの間の差であり、この場合の原理は、固定子スクロール8及び回転子スクロール16の同じ向きの偏位が同じ符号を有し、より具体的には、偏位(理想螺旋フランク上の点から螺旋フランクへの)がスクロール圧縮機1の外面25に向いているか、又は中心27に向いているかに依存して正符号又は負符号を有し、その結果、これらの偏位が同じ大きさである場合に、いかなるクリアランス偏位ΔSももたらされないということである。

図12から図15では、外向き固定子フランク10の固定子フランク偏位ΔTuが、内向き固定子フランク11の同じ大きさの固定子フランク偏位ΔTiと常に結合され、外向き回転子フランク18の回転子フランク偏位ΔRuが、内向き回転子フランク19の同じ大きさの回転子フランク偏位ΔRiと常に結合されるように、固定子スクロール8及び回転子スクロール16は、平行フランク又は一定厚みを有するように構成される。

図13の場合に、スクロール圧縮機の公称運転中に、外側回転子フランク18と内側固定子フランク11の間の関連の距離により、瞬間局所横断内部クリアランスSが形成される。

それによって回転子先端33は、関連の瞬間密封平面MM’内で反対固定子ベース36に向けて曲がり、それによって回転子先端33における瞬間局所横断内部クリアランスSが基本クリアランスWに対して減少し、一方、固定子先端34は、反対回転子ベース35から離れるように曲がり、それによって固定子先端34における局所内部クリアランスSが基本クリアランスWに対して増大する。

各高さZにおいて、関連の瞬間局所固定子フランク偏位ΔTfiは、瞬間最終クリアランスSfを増大させる瞬間最終クリアランス偏位ΔSfへの寄与を作り出し、その一方、瞬間最終局所回転子フランク偏位ΔRfuは、局所横断内部クリアランスSfを低減する瞬間最終クリアランス偏位ΔSfへの寄与を生じる。

この場合に、高さZにおける瞬間最終局所クリアランス偏位ΔSfは、この高さz’’における瞬間最終局所固定子フランク偏位ΔTfiと瞬間最終局所回転子フランク偏位ΔRfuの間の差に等しい。

これは、固定子7内での回転子6の位置が、どのフランク10と19又は11と18が瞬間最終局所クリアランスSfを形成するかを決定する位置であるので、この位置が瞬間最終局所クリアランス偏位ΔSfを決定するのに重要な役目をすることを既に示している。

更に、固定子7内での回転子6のこの位置は、原理的に移動不能である固定子ベース36のどのベースエッジ31が回転子先端33と反対か、又は同様に移動不能と考えることができる回転子ベース35のどれが固定子先端36と反対かを決定する。

これを例えば回転子6の中心軸BB’が図13に示す位置に対して正反対の位置にもたらされた図15に基づいて明らかにする。

回転子6のこの位置では、瞬間最終局所横断内部クリアランスSfは、内部回転子フランク19と外部固定子フランク10の間の関連の距離によって形成される。

図15のこの場合に、固定子スクロール8及び回転子スクロール16の図13の場合と同じ変形、より具体的には、回転子先端33及び固定子先端35がスクロール圧縮機1の外面25に向けて移動する変形は、瞬間局所横断内部クリアランスSfに対して反対の効果を有する。

実際に、図15の関連の瞬間密封平面MM’内では、回転子先端33は、反対固定子ベース36から離れるように曲がり、それによって局所横断内部クリアランスSfは、回転子先端33の場所の小さい高さZ’において基本クリアランスWに対して増大し、その一方、固定子先端34は、反対回転子ベース35に向けて曲がり、それによって局所内部クリアランスSfは、固定子先端34の場所の大きい高さZ’’において基本クリアランスWに対して減少し、従って、クリアランスSfは、回転子ベース35から増大し、それに対して図13では、クリアランスSは、回転子ベース35から減少する。

それによって各高さZにおいて、関連の瞬間局所回転子フランク偏位ΔRfiは、局所横断内部クリアランスSfを増大させる寄与を作り出し、その一方、瞬間局所固定子フランク偏位ΔTfuは、局所横断内部クリアランスSfを低減する寄与を生じる。

図15の状況では、高さZにおける瞬間局所クリアランス偏位ΔSfは、関連の瞬間局所回転子フランク偏位ΔRfiと関連の瞬間局所固定子フランク偏位ΔTfuの間の差に等しく、瞬間局所横断クリアランスSfは、基本クリアランスWに瞬間局所クリアランス偏位ΔSfを加えたものに常に等しい。

ここで初期状況を最終状況と比較すると、以下のように説明することができる。

公知のスクロール圧縮機1が静止している時には、回転子フランク18及び19、並びに固定子フランク10及び11の形態は、初期状態で初期局所回転子フランク偏位ΔR0i又はΔR0u、又は初期局所固定子フランク偏位ΔT0i又はΔT0uをいかなる時点においても示さない。

公知のスクロール圧縮機1が公称運転時に作動している時には、固定子スクロール8及び回転子スクロール16は、瞬間最終局所固定子フランク偏位ΔTfi及びΔTfuが存在し、瞬間最終局所回転子フランク偏位ΔRfi及びΔRfuがゼロとは異なる形態に変形される。

これは、スクロール圧縮機1が公称運転にもたらされた後に、螺旋フランク10、11、18、及び19の全面にわたって固定子フランク偏位ΔTfi及びΔTfu、並びに回転子フランク偏位ΔRfi及びΔRfuが、静止している時の形態と比較して増大したことを意味する。

要するに、公知のスクロール圧縮機1の公称作動中に、螺旋フランク10、11、18、及び19は、公知のスクロール圧縮機1が静止している時よりも理想螺旋フランクから偏位し、これは関連のフランクの各点において成り立つ。

更に、固定子ベース36及び回転子ベース35では、事実上偏位は不可能であるので、上記に例証したように、これは、高さZにわたって周回クリアランスプロファイルの強い変動をもたらす。

図16から図19は、図12から図15それぞれと同様に本発明によるスクロール圧縮機1における対応する状況を示している。

図示の実施形態において、このスクロール圧縮機1には、適応フランク区画37、より具体的には、回転子6の正反対位置に関する図16及び図18に示すスクロール圧縮機1の初期静止状態において関連の適応フランク区画37の各点にゼロとは異なる局所初期回転子フランク偏位ΔR0uが存在すること、特にこのΔR0uがゼロよりも小さいことによって初期適応された形態を有する外向き回転子フランク18の区画が設けられる。

言い換えれば、外向き回転子フランク18の適応フランク区画37は、ある一定の高さZにおいて理想螺旋フランク23に対して中心軸BB’の方向にある一定の後退Fを示すと言うことができる。

関連の適応フランク区画37はまた、不連続プロファイルを有し、より具体的には、回転子スクロール16の厚みGは、回転子ベース35から回転子先端33への方向に段階的に減少し、この場合に、高さZにわたって1段階の変化を有する。

更に、回転子スクロール16は、静止時にその内向きフランク19の反対フランク区画38が平坦にされ、回転子板21上で垂直位置にあるようなプロファイルを有し、従って、回転子スクロール16は、固定子先端33よりも固定子ベース35において大きい厚みKを有する。

全く類似の方法で、図示の実施形態において、外向き固定子フランク10には、スクロール圧縮機1の初期静止状況にある関連の適応フランク区画39の各点においてゼロとは異なる局所初期固定子フランク偏位ΔT0uが存在すること、特にこのΔT0uがゼロよりも小さいことによって初期適応された形態を有する適応フランク区画39が設けられる。

適応フランク区画39も、同じ後退Fを有する不連続プロファイルを有し、高さZにわたる固定子スクロール8の厚みLは、固定子ベース36から固定子先端34への方向に1段階の変化を有する。

他方の内向きフランク11では、固定子スクロール8は、静止時に平坦にされ、固定子板13上で垂直位置にある反対フランク区画40を同じく有し、従って、固定子スクロール8は、固定子先端34よりも固定子ベース36において大きい厚みLを有する。

要するに、本発明によるそのようなスクロール圧縮機1の場合に、少なくともある一定のフランク区画37及び39は、静止時に理想螺旋フランク32から初期状態で偏位している。

本発明によるスクロール圧縮機1が、初期静止状態から公称運転時の最終状態に進むと、固定子スクロール8及び回転子スクロール16は、図17及び図19により詳細に示すように変形する。

本発明により、この変形は、公称運転時の回転子6の移動中に上述の適応回転子フランク区画37及び適応固定子フランク区画39の各点、並びに回転子6の各位置において回転子6が対応する位置で静止している時の同じ点での対応する局所初期回転子フランク偏位ΔR0u及び局所初期固定子フランク偏位ΔT0uそれぞれよりも絶対値が小さい瞬間最終局所回転子フランク偏位ΔRfu及び瞬間最終局所固定子フランク偏位ΔTfuが存在するようなものである。

要するに、スクロール圧縮機を公称運転で作動させる時に、関連の適応フランク区画37及び39は、理想螺旋フランク32により緊密に適合する形態に変形される。

ここで、そのような変形が、スクロール圧縮機1における高さZにわたってそれ程変化しない周回クリアランスプロファイルをもたらすことが直感的に感じられる。

しかし、上述のフランク区画37及び39の変形及びそこから得られる局所変形は、瞬間最終局所内部クリアランスSf及びそれに関連付けられた瞬間最終クリアランス偏位ΔSfに対するこれらの変形の影響にそれ程単純で直接的に結びつけられるわけではない。

実際に、例えば、回転子6が図17に示すものに対応する位置にある時には、瞬間最終局所内部クリアランスSfは、適応フランク区画37が設けられた外向き回転子フランク18と、この場合に公知のスクロール圧縮機1と同じく構成された内向き固定子フランク11との間の半径方向距離Sfによって決定される。

従って、この実施形態において、変形に起因して回転子先端33が理想螺旋フランク32により近いのに対して、反対固定子ベース36は殆ど変形されないので、図17の位置では、全ての場合の回転子先端33と反対固定子ベース36の間でフランク区画が初期適応されなかった公知のスクロール圧縮機1における図13の状況と比較して瞬間最終局所横断クリアランスSfの改善が存在する。

回転子スクロール16のフランク区画37に対する適応化の的確な選択に起因して、関連の状態において、回転子先端33における瞬間最終局所横断クリアランスSfが基本クリアランスWに等しく、従って、局所瞬間最終周回クリアランス偏位ΔSfが存在しないことを確実にすることができる。

図17に記載の回転子6のこの位置における回転子ベース35と反対固定子34の間の瞬間最終局所横断クリアランスSfは、図13に示す公知のスクロール圧縮機1の場合にあったものに対して殆ど変更されず、回転子ベース35の場所の高さZ’’における瞬間最終局所横断クリアランスSfは、反対固定子スクロール6に対する適応化に起因して、公知のスクロール圧縮機1の場合にあったものに対して恐らく更に幾分増大される。

それにより、図17の位置にある本発明によるスクロール圧縮機1における固定子先端34が恐らくはスクロール圧縮機1の外面25に図13に示す公知のスクロール圧縮機1の場合のものよりも更に外に曲がることができるように、固定子先端34に適応フランク区画39が設けられ、この場所で固定子スクロール8の厚みは、類似の公知のスクロール圧縮機1における固定子スクロール8の厚みに対して低減される。

図17の位置と正反対の図19に示す回転子の他方の位置においても、類似の現象が発生する。

より具体的には、図19のこの位置における瞬間最終局所横断クリアランスSfは、ある一定の高さZにおける外部固定子フランク10と内部回転子フランク19の間の半径方向距離の差Sfである。

固定子フランク8の本発明による適応フランク区画39は、それによって公称運転時に固定子先端34の場所で初期形態と比較して理想フランク区画32により近い形態を帯び、反対回転子ベース35は事実上変形されず、従って、高さZ’’における固定子先端34の場所の瞬間最終局所横断クリアランスSfは、基本クリアランスWにより近く、この高さZ’’において、事実上ゼロである局所周回クリアランス偏位ΔSfが存在する。

固定子ベース36は、静止状態からスクロール圧縮機1の公称運転への移行中に事実上変形せず、それに対して反対回転子先端33は、内部回転子フランク19に適応フランク区画が設けられず、一方、回転子先端33は幅狭にされるので、少なくとも公知のスクロール圧縮機1におけるものと同程度の大きさの変形を受け、従って、図19の場合の固定子ベース36における瞬間最終局所横断クリアランスSfは、公知のスクロール圧縮機におけるものと局所的に少なくとも同程度の大きさのものであり、かつこの高さZ’において比較的大きいクリアランス偏位ΔSfを有する。

要するに、図16及び図17に記載の回転子6の一方の位置では、外向き回転子フランク18の適応フランク区画37は、瞬間最終クリアランス偏位ΔSfに対する小さい寄与しか作り出さず、それに対して内向き固定子フランク11の他方の適応フランク区画39は、この位置において、公知のスクロール圧縮機1において起こるものと比較して同じか又は幾分大きく、瞬間最終クリアランス偏位ΔSfに対する寄与を生じる。

図18及び図19に示す回転子6の他方の位置では、上述のことが正確に逆転する。

それにも関わらず、本発明により、有限要素法によるコンピュータ計算を用いて追加の偏位形態を有する適応フランク区画37又は39を設計し、公称作動中の瞬間密封平面MM’内の周回クリアランスプロファイルの予想を行うことができることが見出され、ほぼ良好な瞬間最終周回クリアランスプロファイルが得られ、瞬間最終局所横断クリアランスSfは、瞬間密封平面MM’内で高さZにわたってそれ程変化せず、一般的に公知のスクロール圧縮機1を使用する場合よりもより緊密に基本クリアランスWを近似する。

瞬間最終周回クリアランス偏位ΔSfに対する回転子スクロール16又は固定子スクロール8の1つ又はそれよりも多くのフランク区画の適応化の有効な効果は、関連のフランク区画の変形が全クリアランス偏位ΔSfに対して生じる寄与に具現化される。

例えば、図16の場合に、特定の高さZにおけるフランク区画37内の初期回転子フランク偏位ΔR0uはゼロよりも小さく、この回転子フランク偏位ΔR0uの絶対値は、関連の瞬間密封平面MM’内の関連の高さZにおける瞬間初期局所クリアランス偏位ΔS0に対するある一定の初期局所寄与‖ΔR0u‖を生じる。

公称運転時のスクロール圧縮機1の作動中に、関連の外向き回転子フランク18が変形され、それによってフランク区画37内の異なる関連の高さZにおいて、常にゼロよりも小さいが、その絶対値が、関連の瞬間密封平面MM’内の関連の高さZにおける瞬間最終局所クリアランス偏位ΔSfに対する上述の初期局所寄与の絶対値‖ΔR0u‖よりも小さいある一定の最終局所寄与‖ΔRfu‖を生じる最終局所回転子フランク偏位ΔRfuがもたらされる。

瞬間最終局所内部クリアランスSに対する適応フランク区画37の結果としての上述の有効な効果は、例えば、図19に記載の回転子のこの位置において適応フランク区画39が上記に示したように有効な効果をもたらす図19に示すような固定子7内での回転子6のある一定の位置にのみ存在する。

しかし、公知のスクロール圧縮機1では、最小開口部29を定め、瞬間最終局所横断クリアランスSfを挟む2つのフランク10と19又は11と18が、全ての関連において理想螺旋フランク32から「理想」にむしろ対応する初期状態よりも大きく偏位するので、回転子スクロール16又は固定子スクロール8のいかなるフランク区画内にも、更に、固定子8内での回転子6のいかなる位置においても、最終周回クリアランス偏位ΔSfに対するそのような有効な効果は存在しない。

ここまでに解説した本発明によるスクロール圧縮機1の実施形態は、当然ながら簡単な例であり、適応フランク区画37及び39内では、関連の回転子スクロール16の厚みK又は固定子スクロール8の厚みLは、それぞれ不連続段階変化Fを有するように局所的に初期状態で低減されていたものである。

本発明により、適応初期形態を与えるために、回転子スクロール16及び固定子スクロール18のフランク区画は、異なる方法で、好ましくは、より精巧な方法で適応されることは除外されない。

一般的に、本発明により、固定子フランク10及び118のうちの少なくとも一方、回転子フランク18、又はその全体で、上述のフランク区画37又は39それぞれを形成するか、又は固定子フランク10及び11のうちの1つよりも多いもの又は回転子フランク18及び19が、その全体で上述の適応フランク区画37又は39を形成することは除外されない。

本発明により、好ましくは、スクロール圧縮機の初期形態は、回転子6の移動中に回転子6によって取られる位置の少なくとも一部のもの及び理想的には全ての位置において、固定子フランク10又は11及び回転子フランク19又は18の高さZにわたる局所横断内部クリアランスSが、公称運転時に一定であり、従って、高さZにわたるこれらの局所横断内部クリアランスSが、関連の位置において変化を持たないか又は言い換えればゼロに等しい変化を有する最終瞬間プロファイルを呈するように設計される。

残りの図20から図35に少数の簡単な概念を示している。

図20から図23の例では、外向き回転子フランク18には、上述の実施形態におけるような不連続プロファイルを同じく有する適応フランク区画37が設けられるが、フランク区画37における回転子スクロール16の厚みKは、高さZにわたっていくつかの段階の変化、より具体的には、この場合に2段階の変化を有する。

そのような段階変化は、好ましくは、10μm及び300μmの大きさの程度のものである。

このようにして、スクロール圧縮機の公称作動中の最終状況において、少なくとも固定子7内での回転子6のある一定の位置においてそれ程変化しない瞬間最終局所内部クリアランスSf及び瞬間最終クリアランス偏位ΔSfのみを伴って回転子スクロール16の関連のフランク区画37のより正確な適合を達成することができる。

同じく外向き固定子フランク10にも、不連続プロファイルを同じく有する適応フランク区画39が設けられ、フランク区画39内での固定子スクロール8の厚みLは、その高さZにわたって瞬間最終クリアランスSf及び瞬間最終クリアランス偏位ΔSfに対して類似の上述の効果を有する2段階変化を有する。

当然ながら、より一層多くの不連続段階変化を与える適応フランク区画を設けることにより、予想される変形は、益々詳細な方法で適応化される。

極端な場合に、この適応化により、例えば、図28から図35の場合のように、固定子フランク10又は11又は回転子フランク18の適応フランク区画が、連続するプロファイルを有し、これらの図28から図35の場合は外向き固定子フランク10が初期状態である一定の傾きを呈し、それに対して内向き回転子フランク19及び内向き固定子フランク10が、回転子板21及び固定子板13それぞれに対して初期状態で垂直である設計が誘導される。

図24から図27及び図32から図35の例では、固定子スクロール8は、スクロール圧縮機1が静止している時に両方共に固定子板13に対して垂直な固定子フランク10及び11を用いて構成され、それに対して回転子スクロール16は、スクロール圧縮機1が静止している時に両方共に図24から27の場合はある一定の後退を示し、より具体的にはいくつかの段階で後退を示し、又は図32又は35の場合は回転子板21に対する傾きを示す回転子フランク18及び19を用いて構成され、関連のフランク18は、その全体で適応フランク区画37及び38を形成する。

図面によって示すように、上述の場合に、ある一定の瞬間最小開口部29内の瞬間最終局所クリアランスSのプロファイルをより均等にすること、及びある一定の高さZにおいてかつ固定子7内での回転子6のある一定の位置において固定子板13に対する瞬間最終クリアランス偏位ΔSfを低減することに関して、従来の実施形態におけるものと類似の効果を達成することができ、この場合に、回転子フランク18又は19の適応区画は、意図する効果を常に確実にする。

好ましくは、静止時にある一定の後退又は傾きを示すこれらの実施形態における適応フランク区画37及び38は、公称運転時に回転子板21と垂直になる。

類似の方法で、回転子フランク18及び19が回転子板21に対して初期状態で垂直であり、それに対して適応フランク区画39及び40の両方の固定子フランク10及び11が瞬間最終クリアランスSf及び瞬間最終クリアランス偏位ΔSfに影響を及ぼすように設計されるように回転子フランク18及び19を構成することは除外されない。

本発明により、スクロール圧縮機1の適応フランク区画が、大なり小なり湾曲した形態又はそれ以外の形態を有する不連続区画と連続区画の組合せであるプロファイルを有する他の実施形態は除外されない。

本発明は、一例として記載して図面に例示した本発明によるスクロール圧縮機1の実施形態に決して限定されず、本発明によるスクロール圧縮機1は、本発明の範囲から逸脱することなく全ての種類の形態及び寸法で実現することができる。

8 固定子スクロール 16 回転子スクロール 37 適応フランク区画 Sf 瞬間最終クリアランス ΔRfu 瞬間最終局所回転子フランク偏位

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