Rotary pump

申请号 JP2010058864 申请日 2010-03-16 公开(公告)号 JP2011190763A 公开(公告)日 2011-09-29
申请人 Denso Corp; 株式会社デンソー; 发明人 KURODA TOMONOBU; OISHI KENICHI;
摘要 PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a rotary pump suppressing an increase in driving torque and improving volumetric efficiency by a simple structure. SOLUTION: An inner rotor 40 is formed with outer teeth and is rotated integrally with a shaft 10. An outer rotor 50 is formed with inner teeth engaged with the outer teeth of the inner rotor 40, and is provided eccentrically with respect to the inner rotor 40. The outer rotor 50 includes a pressure chamber which is provided between the outer rotor and inner rotor and whose volume is changed. A clearance between the axial end surface 331 of a pump chamber 33 in a second housing 31 and the axial end surface 401 of the inner rotor 40 is different in dimension from a clearance between the axial end surface 331 of the pump chamber 33 and the axial end surface 501 of the outer rotor 50. Thereby, it is possible to suppress the increase in the driving torque, and to improve the volumetric efficiency by the simple structure. COPYRIGHT: (C)2011,JPO&INPIT
权利要求
  • 回転可能なシャフトと、
    前記シャフトを回転駆動する駆動力を発生する駆動部と、
    外歯が形成され、前記駆動部の駆動力を受けて前記シャフトと一体となって回転するインナーロータと、
    前記外歯に噛み合う内歯が形成され、前記インナーロータに対して偏心して設けられ、前記インナーロータとの間に容積が変化する圧力室を有するアウターロータと、
    前記圧力室と連通する吸入口および吐出口が形成され、前記インナーロータおよび前記アウターロータを回転可能に収容するポンプ室を有するハウジングと、
    を備え、
    前記ポンプ室の軸方向における端面と前記インナーロータの軸方向における端面との間のクリアランスと、前記ポンプ室の軸方向における端面と前記アウターロータの軸方向における端面との間のクリアランスとは、異なる大きさであることを特徴とする回転式ポンプ。
  • 前記ポンプ室の軸方向における端面と前記インナーロータの軸方向における端面との間のクリアランスは、前記ポンプ室の軸方向における端面と前記アウターロータの軸方向における端面との間のクリアランスよりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の回転式ポンプ。
  • 前記インナーロータの軸方向の厚さは、前記アウターロータの軸方向の厚さよりも大きいことを特徴とする請求項2に記載の回転式ポンプ。
  • 前記ポンプ室の軸方向における端面と前記アウターロータの軸方向における端面との間のクリアランスは、前記ポンプ室の軸方向における端面と前記インナーロータの軸方向における端面との間のクリアランスよりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の回転式ポンプ。
  • 前記アウターロータの軸方向の厚さは、前記インナーロータの軸方向の厚さよりも大きいことを特徴とする請求項4に記載の回転式ポンプ。
  • 说明书全文

    本発明は、回転式ポンプに関する。

    従来、オイルなどの流体を圧送する内接式ギアポンプが公知である。 内接式ギアポンプは、外周に外歯を有するインナーロータと、内周に内歯を有するアウターロータとが、外歯と内歯とが噛み合った状態で偏心して配置され、インナーロータおよびアウターロータが回転することにより、外歯と内歯との間に形成された圧室の容積が変化することにより流体を吸入して吐出するものである。

    ところで、内接式ギアポンプにおいて、実吐出量と理論吐出量との比である容積効率を高めるためには、インナーロータとハウジング、或いは、アウターロータとハウジング等の各部のクリアランスを小さくする必要がある。 例えば特許文献1では、アウターロータの側面にサイドプレートを設け、吐出圧をサイドプレート背面に印加することにより、クリアランスを小さくしてシール性を向上することにより、容積効率を向上している。

    特開2004−11520号公報

    しかしながら、特許文献1のようにインナーロータまたはアウターロータとハウジングとのクリアランスを小さくすると、ポンプを駆動するための駆動トルクが増大するという問題点があった。 また、特許文献1では、サイドプレート等の部品が必要であるため、構造が複雑であり、部品点数の増加に繋がる。
    本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、駆動トルクの増大を抑え、簡素な構成で容積効率を向上することが可能な回転式ポンプを提供することにある。

    請求項1に記載の回転ポンプは、回転可能なシャフトと、駆動部と、インナーロータと、アウターロータと、ハウジングと、を備える。 駆動部は、シャフトを回転駆動する駆動力を発生する。 インナーロータは、外歯が形成され、駆動部の駆動力を受けてシャフトと一体となって回転する。 アウターロータは、外歯に噛み合う内歯が形成され、インナーロータに対して偏心して設けられる。 またアウターロータは、インナーロータとの間に容積が変化する圧力室を有する。 ハウジングは、圧力室と連通する吸入口および吐出口が形成され、インナーロータおよびアウターロータを回転可能に収容するポンプ室を有する。 ポンプ室の軸方向における端面とインナーロータの軸方向における端面との間のクリアランスと、ポンプ室の軸方向における端面とアウターロータの軸方向における端面との間のクリアランスとは、異なる大きさである。

    インナーロータとハウジングとの軸方向におけるクリアランス(以下、「インナーロータ側のサイドクリアランス」という。)と、アウターロータとハウジングとの軸方向におけるクリアランス(以下、「アウターロータのサイド側のサイドクリアランス」という。)とのいずれもが小さい場合、容積効率は向上するものの、駆動トルクの増大してしまう。 また、インナーロータ側のサイドクリアランスとアウターロータ側のサイドクリアランスとのいずれもが大きい場合、駆動トルクは抑えられるものの、容積効率は低下する。 そこで本発明では、インナーロータ側のサイドクリアランスとアウターロータ側のサイドクリアランスとを異なる大きさとすることにより、インナーロータ側のサイドクリアランスおよびアウターロータ側のサイドクリアランスの両方を小さくする場合と比較して、駆動トルクの増大を抑え、簡素な構成で容積効率を向上することができる。

    請求項2に記載の発明では、ポンプ室の軸方向における端面とインナーロータの軸方向における端面との間のクリアランスは、ポンプ室の軸方向における端面とアウターロータの軸方向における端面との間のクリアランスよりも小さい。

    インナーロータ側のサイドクリアランスを小さく形成した場合と、アウターロータ側のサイドクリアランスを小さく形成した場合とでは、インナーロータ側のサイドクリアランスを小さく形成した場合の方が、容積効率の向上割合が大きい。 また、インナーロータ側のサイドクリアランスを小さく形成した場合と、アウターロータ側のサイドクリアランスを小さく形成した場合とでは、アウターロータ側のサイドクリアランスを小さく形成した場合の方が駆動トルクの増大に繋がる。

    そこで、アウターロータ側のサイドクリアランスを比較的大きく確保し、インナーロータ側のサイドクリアランスをアウターロータ側のサイドクリアランスと比較して小さく形成しているので、駆動トルクの増大を抑えつつ、簡素な構成で容積効率を向上することができる。

    また、以下のように構成してもよい。
    請求項4に記載の発明では、ポンプ室の軸方向における端面とアウターロータの軸方向における端面との間のクリアランスは、ポンプ室の軸方向における端面とインナーロータの軸方向における端面との間のクリアランスよりも小さい。

    ところで、一般に、インナーロータとアウターロータとは、別々に加工されるので、インナーロータの厚さとアウターロータの厚さとを異なるサイズにしたとしても、加工工数の増大には繋がらない。
    そこで、請求項3に記載の発明では、インナーロータの軸方向の厚さは、アウターロータの軸方向の厚さよりも大きい。 これにより、加工工数を増大させることなく、インナーロータ側のサイドクリアランスをアウターロータ側のサイドクリアランスよりも小さくすることができる。 また、請求項5に記載の発明では、アウターロータの軸方向の厚さは、インナーロータの軸方向の厚さよりも大きい。 これにより、加工工数を増大させることなく、アウターロータ側のサイドクリアランスをアウターロータ側のサイドクリアランスよりも小さくすることができる。

    本発明の一実施形態による電動ポンプを用いた自動変速システムの全体構成を示すブロック図である。

    本発明の一実施形態による電動ポンプを用いた自動変速装置の油圧回路を説明する説明図である。

    本発明の一実施形態による電動ポンプを示す断面図である。

    図3のIV−IV線断面を示す断面図である。

    図3中のX部拡大図である。

    本発明の一実施形態による電動ポンプ駆動時におけるインナーロータとアウターロータとを説明する説明図である。

    本発明の一実施形態によるサイドクリアランスと容積効率との関係を説明する説明図である。

    本発明の一実施形態によるサイドクリアランスと駆動トルクとの関係を説明する説明図である。

    以下、本発明による回転式ポンプを図面に基づいて説明する。
    本発明の一実施形態による回転式ポンプは、自動変速装置に作動油を供給するオイルポンプに適用される。
    図1に、本実施形態に係るシステムの全体構成を示す。
    エンジン80は、車両の動力発生装置であり、図示しないクランク軸が左右の駆動輪81を連結するドライブシャフト82と機械的に連結されている。 自動変速装置90は、クランク軸から駆動輪81へ動力を伝達する動力伝達系統に設けられている。 自動変速装置90には、回転式ポンプとしての電動ポンプ1が設けられている。

    バッテリ84は、電動ポンプ1、スタータ85、オルタネータ86、および電装品87等と接続されている。 スタータ85は、エンジン80のクランク軸に初期回転を付与する。 オルタネータ86は、エンジン80のクランク軸と機械的に接続され、伝達された運動エネルギーを電気エネルギーに変換する。 変換された電気エネルギーは、バッテリ84に充電される。 電装品87は、空調装置、ヘッドライト、燃料噴射装置等から構成される。 ECU89は、周知のマイクロコンピュータを主体に構成される。 ECU89は、車両の停止時において、エンジン80を自動的に停止させる所謂アイドルストップ制御や、アイドルストップ状態からエンジン80を自動的に始動させる自動始動制御を行う。 また、電動ポンプ1への通電制御等を行う。 なお、図1において、電動ポンプ1への制御線以外は、煩雑になることを避けるため図示を省略した。

    図2に、自動変速装置90の油圧回路の構成を示す。 自動変速装置90は、電動ポンプ1、機械式油圧ポンプ91、コントロールバルブ92、発進クラッチ93を含む複数の摩擦係合要素、逆止弁94等を備えている。
    機械式油圧ポンプ91は、エンジン80によって駆動され、ストレーナ99を経由してオイルパン98に貯留されたオイルを吸入し、油圧通路97およびコントロールバルブ92を経由して、複数の摩擦係合要素に供給する。

    電動ポンプ1は、機械式油圧ポンプ91と並列に設けられる。 電動ポンプ1は、バイパス通路96に設けられ、ポンプ部2および駆動部としてのモータ部3を有している。 ポンプ部2とモータ部3とはシャフト10によって接続されている。 モータ部3は、ドライバ4によって電気的に駆動制御される。 電動ポンプ1は、例えばアイドルストップ時に駆動され、発進クラッチ93に油圧を供給する。

    バイパス通路96は、機械式油圧ポンプ91の下流側にて油圧通路97と接続する。 バイパス通路96と油圧通路97との接続箇所と電動ポンプ1との間には、逆止弁94が設けられる。 逆止弁94は、バイパス通路96の油圧が油圧通路97の油圧に打ち勝ったときに開弁する。 これにより、逆止弁94は、エンジン80の作動中、機械式油圧ポンプ91が吐出した作動油が電動ポンプ1側に逆流することを防止する。

    上述した通り、本実施形態では、車両の停止時において、エンジン80を自動的に停止させるアイドルストップ制御を行っている。
    エンジン80が停止すると、エンジン80によって駆動される機械式油圧ポンプ91が停止する。 機械式油圧ポンプ91が停止すると摩擦係合要素にオイルを供給することができなくなる一方、その間も摩擦係合要素からはオイルが排出されるため、オイル量が不足し、油圧が低下する。 その後、発進クラッチ93の油圧が低下した状態からエンジン80を再始動すると、変速機ショックが発生する。
    そこで、エンジン80停止時、すなわち機械式油圧ポンプ91の停止時に、電動ポンプ1を駆動し、バイパス通路96およびコントロールバルブ92を経由して発進クラッチ93へオイルを補給し、発進クラッチ93の油圧を維持することによって、再始動時の変速機ショックを低減することができる。

    次に、電動ポンプ1の詳細を図3、4に基づいて説明する。 図3は、図4のIII−III線断面に対応する図であり、図4は、図3のIV−IV線断面に対応する図である。
    電動ポンプ1のポンプ部2は、内接ギア式の回転式ポンプであって、ハウジング20、インナーロータ40、アウターロータ50等から構成される。

    ハウジング20は、第1ハウジング21および第2ハウジング31から構成される。
    第1ハウジング21には、吸入口23および吐出口24が形成されている。 吸入口23は、図3における紙面手前側に形成されており、吐出口24は、図3における紙面奥側に形成される。 第1ハウジング21の第2ハウジング31と接触する面には、シャフト10と対応する位置に凹部26が形成されている。 この凹部26にシャフト10の一方の端部が収容される。 なお、第1ハウジング21とシャフト10とは接触しておらず、シャフト10の回転は、第1ハウジング21によって規制されない。

    第2ハウジング31は、略円柱状に形成される。 第2ハウジング31の軸方向におけるポンプ部2側の端部には大径部32が形成され、モータ部3側の端部には、円筒形状の筒部35が形成される。 大径部32の内側には、インナーロータ40およびアウターロータ50を収容するためのポンプ室33が設けられる。 インナーロータ40とアウターロータ50とは、ハウジング20に対して回転可能に設けられる。 なお、インナーロータ40およびアウターロータ50の構成については後述する。
    筒部35のモータ部3側の端部には、シャフト10の回転軸と同軸にベアリング室36が形成される。 また、ベアリング室36のポンプ部2側には、オイルシール室37が形成される。

    ベアリング室36には、ラジアル型のボールベアリング361が内挿される。 ボールベアリング361の外輪はベアリング室36の内壁に圧入され、ボールベアリング361の内輪にはシャフト10が圧入される。 これにより、シャフト10は、筒部35の中心軸上に回転可能に支持される。
    オイルシール室37には、オイルシール371が挿入され、ポンプ室33側からベアリング室36側へオイルが流入するのを防いでいる。

    また、第2ハウジング31には、シャフト10を回転可能に支持する軸受孔38が形成される。 軸受孔38は、ポンプ室33とオイルシール室37とを連通している。 なお、軸受孔38は、シャフト10の外径よりもわずかに大きく形成され、軸受孔38とシャフト10との間に形成される隙間にはポンプ室33から漏れ出したオイルが供給されることにより、シャフト10が回転することによる摺動抵抗を低減している。 また、シャフト10は、ボールベアリング361および軸受孔38の内壁の2箇所で軸受されているので、シャフト10の回転に伴う傾きを抑制する。

    第2ハウジング31の第1ハウジング21との接触面には、Oリング溝310が形成される。 Oリング溝310には、Oリング311が嵌め込まれ、ポンプ室33を液密にシールしている。 また、第2ハウジング31の第1ハウジング21と反対側には、モータ部3を収容するカバー28が被せられる。 カバー28の開口側の端部には、インサートナット29が設けられる。 第2ハウジング31および第1ハウジング21には、ボルト291が挿通され、このボルト291がインサートナット29に締結されることによって、第2ハウジング31、第1ハウジング21、およびカバー28が固定される。

    第2ハウジング31の大径部32の外周壁とカバー28との接触面には、Oリング溝320が形成される。 Oリング溝320には、Oリング321が嵌め込まれ、第2ハウジング31とカバー28との間の駆動部室65を気密にシールしている。 なお、第2ハウジング31およびカバー28は、ポンプ部2のハウジングを構成するとともに、モータ部3のハウジングを構成している。

    モータ部3は、ステータ60およびロータ70等から構成される。
    ステータ60は、磁性材部61およびインシュレータ63を有する。 磁性材部61は、磁性材料の薄板を積層して形成されている。 非磁性材料で形成されるインシュレータ63は、磁性材部61の軸方向における外側、すなわち図3における磁性材部61の上下、に設けられる。 インシュレータ63には、巻線が巻回される。 この巻線への通電により、ステータ60の磁性材部61に磁界が発生する。

    ロータ70は、ポンプ部2側に開口する有底円筒状に形成され、ステータ60の径方向内側に回転可能に設けられる。 ロータ70は、底部71、及び、底部71の外周に設けられる側壁部74を有している。 底部71の中心軸上には孔72が形成される。 側壁部74の径方向外側の表面には、マグネット75が貼付されている。 なお、本実施形態では、ロータ70のマグネット75の軸方向長さは、ステータ60の磁性材部61の軸方向長さと略一致している。
    また、ロータ70の内壁77により形成される収容空間78には、第2ハウジング31の筒部35の先端が収容される。 なお、ロータ70の内壁77と第2ハウジング31の筒部35とは、接触しないように、隙間が形成されている。

    シャフト10は、略円柱状に形成される。 シャフト10の一方の端部には嵌合軸部11が形成され、他方の端部にはロータ圧入部18が形成される。 ロータ圧入部18は、ロータ70の孔72に圧入される。 これにより、シャフト10とロータとは一体となって回転する。
    嵌合軸部11は、軸方向に略垂直な平面となるように切り欠かれた2つの切欠面12を有する。 2つの切欠面12は、切削等により略平行に形成される。 2つの切欠面12の間隔は、インナーロータ40に形成された後述するシャフト孔41の平面部42の間隔と略同等である。 切欠面12と平面部42とを対応させて嵌合軸部11をシャフト孔41に嵌め合わせることにより、シャフト10とインナーロータ40との相対回転が規制される。 これにより、シャフト10とインナーロータ40とは、一体となって回転する。 したがって、ロータ70、シャフト10、およびインナーロータ40は、一体となって回転する。

    インナーロータ40およびアウターロータ50は、例えば鉄系の焼結金属等により形成され、第2ハウジング31のポンプ室33と第1ハウジング21とにより形成される空間に回転可能に収容される。
    インナーロータ40には、軸方向に垂直な2つの平面部42を有するシャフト孔41が中心軸上に形成される。 2つの平面部42は、円弧面により接続される。 インナーロータ40の外周には、7つの外歯44が形成される。

    アウターロータ50は、インナーロータ40の径方向外側に略円筒状に形成される。 アウターロータ50の内周には、インナーロータ40の外歯44と噛み合う8つの内歯51が形成される。 アウターロータ50の回転中心は、インナーロータ40の回転中心と偏心して配置される。 インナーロータ40とアウターロータ50との間には、圧力室55が形成される。 圧力室55は、第1ハウジング21と第2ハウジング31とに跨って形成される吸入側オイル室56および吐出側オイル室57と連通する。 吸入側オイル室56は吸入口23と連通し、吐出側オイル室57は吐出口24と連通する。 これにより、吸入口23と吐出口24とは、吸入側オイル室56、圧力室55、および吐出側オイル室57を経由して連通している。

    本実施形態では、インナーロータ40と第2ハウジング31との軸方向におけるクリアランスと、アウターロータ50と第2ハウジング31との軸方向におけるクリアランスとは、大きさが異なっている。
    インナーロータ40側のサイドクリアランスとアウターロータ50側のサイドクリアランスとの関係を、図5に基づいて説明する。 なお、図5は、図3中に記号Xで示した領域を拡大した図である。

    図5に示すように、第2ハウジング31のポンプ室33の軸方向における端面331と、端面331と対向するインナーロータ40の軸方向における端面401との間には、サイドクリアランスCL1が形成される。 また、第2ハウジング31のポンプ室33の軸方向における端面331と、端面331と対向するアウターロータ50の軸方向における端面501との間には、サイドクリアランスCL1よりも大きいサイドクリアランスCL2が形成されている。 本実施形態では、インナーロータ40の軸方向における厚みを、アウターロータ50の軸方向における厚みよりも大きく形成することにより、インナーロータ40側のサイドクリアランスCL1をアウターロータ50側のサイドクリアランスCL2よりも小さく形成している。

    なお、インナーロータ40およびアウターロータ50の材質(例えば、鉄系の焼結金属)と、第2ハウジング31の材質(例えば、アルミ)とが異なる場合、温度変化に伴う線膨張率が異なり、サイドクリアランスCL1、CL2の大きさが変化する。 そのため、サイドクリアランスCL1、CL2では、保存温度環境範囲においてロックが起こらない範囲、また異物によるロックが起こらない範囲で設計される。

    ここで、電動ポンプ1の作動について説明する。
    ステータ60のインシュレータ63に巻回された巻線に通電されると、ステータ60の磁性材部61に磁界が発生する。 発生した磁界により、ロータ70、シャフト10、およびインナーロータ40が一体となって、図4および図6に示す時計回り方向に回転する。 また、インナーロータ40の回転に伴って、アウターロータ50が回転する。 インナーロータ40およびアウターロータ50が回転すると、外歯44と内歯51との噛み合い量が連続的に変化し、圧力室55の容積が連続的に変化する。 これにより、吸入口23および吸入側オイル室56を経由して、圧力室55の容積が増加する領域にオイルが吸入される。 また、圧力室55の容積が減少する領域から、吐出側オイル室57および吐出口24を経由して、オイルが吐出される。

    例えば図6(a)に示すように、インナーロータ40の外歯44を構成する外歯441、442、およびアウターロータの内歯51を構成する内歯511、512により形成される圧力室551は、吸入側オイル室56および吐出側オイル室57のいずれとも連通していない。 このとき、圧力室551の圧力は高まった状態となっている。 図6(a)の状態からインナーロータ40およびアウターロータ50が回転した図6(b)では、圧力室551が吐出側オイル室57と連通する。 これにより、図6(a)の状態にて加圧された圧力室551内のオイルは、吐出側オイル室57側へ吐出される。

    上述の通り、図6(a)に示すように圧力室551が吸入側オイル室56および吐出側オイル室57のいずれとも連通していないとき、圧力室551の圧力が高まった状態となっている。 このとき、圧力室551内のオイルの一部は、吸入側オイル室56へ流出する。 圧力室551に閉じ込められたオイルの一部が、吸入側オイル室56へ逆流することにより、容積効率が低下する。 なお、圧力室551と吸入側オイル室56とのインナーロータ40側における境界領域(図6(a)中に記号「P」で示す。)は、アウターロータ50側における境界領域(図6(a)中に記号「Q」で示す。)よりも小さいため、圧力室551のオイルは領域P側、すなわちインナーロータ40側から逆流しやすい。

    ここで、図7および図8に基づいて容積効率および駆動トルクとサイドクリアランスとの関係について説明する。
    図7(a)はインナーロータ40側のサイドクリアランスCL1と容積効率との関係を示すグラフであり、図7(b)はアウターロータ50側のサイドクリアランスCL2と容積効率との関係を示すグラフである。 また、図8(a)はインナーロータ40側のサイドクリアランスCL1と、インナーロータ40およびアウターロータ50を回転駆動するのに要する駆動トルクと、の関係を示すグラフであり、図8(b)はアウターロータ50側のサイドクリアランスCL2と、インナーロータ40およびアウターロータ50を回転駆動するのに要する駆動トルクと、の関係を示すグラフである。 図7および図8は、いずれもATFの標準温度である80℃の場合を説明するものである。

    図7(a)、(b)に示すように、インナーロータ40側のサイドクリアランスCL1とアウターロータ50側のサイドクリアランスCL2とを同様に変化させた場合、インナーロータ40側のサイドクリアランスCL1を変化させた方が容積効率の変化が大きい。 すなわち、E1>E2である。 上述した通り、圧力室551のオイルは、インナーロータ40側から逆流しやすく、したがって、インナーロータ40側のサイドクリアランスCL1を小さく形成することが、容積効率の向上に有効である。

    一方、図8(a)、(b)に示すように、インナーロータ40側のサイドクリアランスCL1とアウターロータ50側のサイドクリアランスCL2とを同様に変化させた場合、アウターロータ50の軸方向端部における面積がインナーロータ40の軸方向における面積より大きいため、アウターロータ50側のサイドクリアランスCL2を変化させた方が駆動トルクの変化が大きい。 すなわち、T1<T2である。 したがって、アウターロータ50側のサイドクリアランスCL2を大きく形成することが、駆動トルクを小さく抑えるのに有効である。

    以上詳述したように、本実施形態では、ポンプ室33の軸方向における端面331とインナーロータ40の軸方向における端面401との間のインナーロータ40側のサイドクリアランスCL1と、ポンプ室33の軸方向における端面331とアウターロータ50の軸方向における端面501との間のアウターロータ50側のサイドクリアランスCL2とは、異なる大きさである。 これにより、インナーロータ40側のサイドクリアランスCL1およびアウターロータ50側のサイドクリアランスCL2の両方を小さくする場合と比較して、駆動トルクの増大を抑え、簡素な構成で容積効率を向上することができる。

    特に本実施形態では、インナーロータ40側のサイドクリアランスCL1は、アウターロータ50側のサイドクリアランスCL2よりも小さい。 インナーロータ40側のサイドクリアランスCL1を小さく形成した場合と、アウターロータ50側のサイドクリアランスCL2を小さく形成した場合とでは、インナーロータ40側のサイドクリアランスCL1を小さく形成した場合の方が、容積効率の向上割合が大きい。 また、インナーロータ40側のサイドクリアランスCL1を小さく形成した場合と、アウターロータ50側のサイドクリアランスCL2とを小さく形成した場合とでは、アウターロータ50側のサイドクリアランスCL2を小さくした方が駆動トルクの増大に繋がる。

    本実施形態では、アウターロータ50側のサイドクリアランスCL2を比較的大きく確保し、インナーロータ40側のサイドクリアランスCL1をアウターロータ50側のサイドクリアランスCL2と比較して小さく形成しているので、駆動トルクの増大を抑えつつ、簡素な構成で容積効率を向上することができる。

    また、本実施形態では、インナーロータ40の軸方向の厚さは、アウターロータ50の軸方向の厚さよりも大きく形成される。 一般に、インナーロータ40とアウターロータ50とは、別々に加工しているので、インナーロータ40の厚さとアウターロータ50の厚さとを異なるサイズにしたとしても、加工工数の増大には繋がらない。 したがって、加工工数を増大させることなく、インナーロータ40側のサイドクリアランスCL1をアウターロータ50側のサイドクリアランスCL2よりも小さく形成することができる。

    (他の実施形態)
    上記実施形態では、インナーロータ側のサイドクリアランスは、アウターロータ側のサイドクリアランスよりも小さい。 他の実施形態では、アウターロータ側のサイドクリアランスを、インナーロータ側のサイドクリアランスよりも小さくしてもよい。 この場合、アウターロータの軸方向の厚さをインナーロータの軸方向の厚さよりも大きく形成することが好ましい。 これにより、加工工数を増大することなく、インナーロータ側のサイドクリアランスとアウターロータ側のサイドクリアランスとのサイズを異なる大きさにすることができる。

    上記実施形態では、インナーロータの歯数が7つであり、アウターロータの歯数が8つの内接式ギアポンプであった。 インナーロータとアウターロータの歯数は、必要とされる吐出量等に応じて適宜変更してもよい。 その場合、アウターロータの内歯の数は、インナーロータの外歯の数より1つ多い数とすればよい。
    また、インナーロータとアウターロータとの間には、高圧側から低圧側へ流体が漏れるのを防ぐための三日月型の仕切り(クレセント)を設けてもよい。 なお、クレセントを設ける場合、アウターロータの内歯の歯数は、インナーロータの外歯の歯数よりも1つ以上、例えば2つ、多く形成される。

    上記実施形態の回転式ポンプは、電動モータによって駆動される電動ポンプである。 他の実施形態では、電動ポンプに限定されず、エンジン、油圧、エア圧等のエネルギーによって駆動される回転式ポンプにも適用できる。
    また、上記実施形態では、回転式ポンプは、オイルを送るオイルポンプであったが、ウォーターポンプ等、送られる流体はオイルでなくてもよい。

    上記実施形態のモータ部は、ロータの外周にマグネットが貼付された所謂SPMモータであったが、SPMモータに限らず、IPMモータ等のその他のモータであってもよい。 また、ロータにはマグネットが貼付されていたが、磁極数はいくつであってもよい。
    さらにまた、上記実施形態では、軸方向におけるステータの長さとロータの長さとが略一致していたが、軸方向におけるステータの長さとロータの長さとは、異なっていていてもよい。

    また、上記実施形態では、回転式ポンプを車両の自動変速装置に用いた。 他の実施形態では、流体を送るポンプであれば、他の分野へ適用することはもちろん可能である。
    以上、本発明は、上記実施形態になんら限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施可能である。

    1:電動ポンプ(回転式ポンプ)、2:ポンプ部、3:モータ部(駆動部)、4:ドライバ、10:シャフト、11:嵌合軸部、12:切欠面、18:ロータ圧入部、20:ハウジング、21:第1ハウジング、23:吸入口、24:吐出口、26:凹部、28:カバー、29:インサートナット、31:第2ハウジング、32:大径部、33:ポンプ室、35:筒部、36:ベアリング室、37:オイルシール室、38:軸受孔、40:インナーロータ、41:シャフト孔、42:平面部、44:外歯、50:アウターロータ、51:内歯、55:圧力室、56:吸入側オイル室、57:吐出側オイル室、60:ステータ、61:磁性材部、63:インシュレータ、65:駆動部室、70:ロータ、71:底部、72:孔、74:側壁部、75:マグネット、77:内壁、78:収容空間、80:エンジン、80:エンジン、81:駆動輪、82:ドライブシャフト、84:バッテリ、85:スタータ、86:オルタネータ、87:電装品、89:ECU、90:自動変速装置、91:機械式油圧ポンプ、92:コントロールバルブ、93:発進クラッチ、94:逆止弁、96:バイパス通路、97:油圧通路、98:オイルパン、99:ストレーナ、291:ボルト、310,320:Oリング溝、311,321:Oリング、331:端面、361:ボールベアリング、371:オイルシール、401:端面、441,442:外歯、501:端面、511,512:内歯、551:圧力室、CL1:インナーロータ側のサイドクリアランス、CL2:アウターロータ側のサイドクリアランス

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