Scroll compressor

申请号 JP2010030624 申请日 2010-02-15 公开(公告)号 JP2011163326A 公开(公告)日 2011-08-25
申请人 Daikin Industries Ltd; ダイキン工業株式会社; 发明人 NAKAMURA SOICHI; SHIROMURA SHUICHI; NAGAHARA KENJI; KITAURA HIROSHI;
摘要 PROBLEM TO BE SOLVED: To prevent trouble due to insufficient lubricating in a scroll compressor leading a gas refrigerant of a middle pressure into a compression chamber in the middle of compression. SOLUTION: In a fixed scroll 30, an injection port 27 communicated with the pressure chamber 25 in the middle of compression is formed, and refrigerating machine oil separated from a discharged refrigerant of the scroll compressor 10 is sent along with the gas refrigerant of the middle pressure into the compression chamber 25 from the injection port 27. In tooth bottom faces 31a, 41a of the fixed scroll 30 and a turning scroll 40, when portions facing the compression chamber 25 communicated with the injection port 27 are middle tooth bottom areas 36, 46, and portions nearer to outer periphery side ends of laps 32, 42 than the middle tooth bottom areas are intake side tooth bottom areas 35, 45, in a clearance between the tooth bottom faces 31a, 41a and tip faces 42a, 32a of the laps, a value in the intake side tooth bottom faces 35, 45 is provided larger than a value in the middle tooth bottom areas 36, 46. COPYRIGHT: (C)2011,JPO&INPIT
权利要求
  • 鏡板部(31,41)と該鏡板部(31,41)の前面から突出する渦巻き状のラップ(32,42)とがそれぞれに設けられた固定スクロール(30)及び旋回スクロール(40)を備え、
    上記固定スクロール(30)と上記旋回スクロール(40)は、一方のラップ(42,32)の先端面(42a,32a)が他方の鏡板部(31,41)の前面と対向するように噛み合わされて圧縮室(25)を形成しており、
    冷凍サイクルを行う冷媒回路に接続されて冷媒を上記圧縮室(25)へ吸入して圧縮するスクロール圧縮機であって、
    圧縮途中の上記圧縮室(25)へ中間圧冷媒を供給するためのインジェクション通路(27)を備え、
    上記インジェクション通路(27)には、スクロール圧縮機の吐出冷媒から分離された冷凍機油が中間圧冷媒と共に供給される一方、
    上記鏡板部(31,41)の前面のうち上記ラップ(42,32)と対向する部分である歯底面(31a,41a)では、上記インジェクション通路(27)に連通する圧縮室(25)に臨む部分を含んだ領域が中間歯底領域(36,46)となり、該中間歯底領域(36,46)よりも上記ラップ(42,32)の外周側端部寄りの領域が吸入側歯底領域(35,45)となっており、
    上記ラップ(42,32)の先端面(42a,32a)と該ラップ(42,32)の先端面(42a,32a)に対向する上記歯底面(31a,41a)とのクリアランスは、該歯底面(31a,41a)の吸入側歯底領域(35,45)における値が該歯底面(31a,41a)の中間歯底領域(36,46)における値よりも大きくなっていることを特徴とするスクロール圧縮機。
  • 請求項1において、
    上記歯底面(31a,41a)では、上記中間歯底領域(36,46)よりも上記ラップ(32,42)の内周側端部寄りの部分が吐出側歯底領域(37〜39,47〜49)となっており、
    上記ラップ(42,32)の先端面(42a,32a)と該ラップ(42,32)の先端面(42a,32a)に対向する上記歯底面(31a,41a)とのクリアランスは、該歯底面(31a,41a)の吐出側歯底領域(37〜39,47〜49)における値が該歯底面(31a,41a)の中間歯底領域(36,46)における値よりも大きくなっていることを特徴とするスクロール圧縮機。
  • 請求項2において、
    上記ラップ(32,42)の先端面(32a,42a)と該ラップ(32,42)の先端面(32a,42a)に対向する上記歯底面(41a,31a)とのクリアランスは、該ラップ(32,42)の外周側端部における値が該ラップ(32,42)の内周側端部における値よりも小さくなっていることを特徴とするスクロール圧縮機。
  • 说明书全文

    本発明は、冷媒回路に接続されて冷媒を圧縮するスクロール圧縮機に関するものである。

    従来より、冷凍サイクルを行う冷媒回路に接続されて冷媒を圧縮する圧縮機として、スクロール圧縮機が広く用いられている。 このスクロール圧縮機では、固定スクロールと旋回スクロールのそれぞれに、鏡板部と、鏡板部の前面から突出する渦巻き状のラップが設けられる。 固定スクロールと旋回スクロールは、両者のラップが互いに噛み合うことによって圧縮室を形成する。 そして、旋回スクロールが公転運動を行うと、ラップの外周側端部寄りから圧縮室へ低温低圧の冷媒が吸入され、圧縮室内で圧縮された高温高圧の冷媒がラップの内周側端部付近から吐出される。

    特許文献1には、圧縮途中の圧縮室へ中間圧のガス冷媒が導入されるスクロール圧縮機が開示されている。 この特許文献1に開示されたスクロール圧縮機では、スクロール圧縮機の吐出冷媒から分離された冷凍機油が、中間圧のガス冷媒と共に圧縮途中の圧縮室へ供給される。

    また、特許文献2に開示されたスクロール圧縮機では、互いに対面するラップの先端面と鏡板部の前面とのクリアランスが、ラップの外周側端部から内周側端部へ向かうにつれて次第に拡大されている。 このスクロール圧縮機では、温度が高くて熱膨張量が大きいラップの内周側端部に近付くほどラップと鏡板部のクリアランスを拡大し、運転中にラップと鏡板部のクリアランスが狭くなり過ぎないようにしている。

    特開2007−178052号公報

    特開2005−009332号公報

    特許文献1に記載されているように、圧縮途中の圧縮室へ中間圧のガス冷媒が導入されるスクロール圧縮機では、スクロール圧縮機から冷媒と共に吐出された冷凍機油が、中間圧のガス冷媒と共に圧縮途中の圧縮室へ送り返される場合がある。 圧縮室へ流入した冷凍機油は、圧縮室内の冷媒と共にラップの内周側端部へ向かって移動してゆく。 このため、圧縮途中の圧縮室へ中間圧ガス冷媒と冷凍機油が導入されるスクロール圧縮機では、中間圧ガス冷媒の流入位置からラップの内周側端部寄りの部分には冷凍機油が行き渡るものの、中間圧ガス冷媒の流入位置からラップの外周側端部寄りの部分には冷凍機油が供給されにくく、ラップと鏡板部の潤滑が不充分となるおそれがあった。

    特に、特許文献2に開示されているようなスクロール圧縮機では、互いに対面するラップの先端面と鏡板部の前面とのクリアランスが、ラップの外周側端部寄りの部分ほど狭くなっている。 このため、この特許文献2のスクロール圧縮機を、圧縮途中の圧縮室へ中間圧のガス冷媒が導入されるように構成すると、ラップの外周側端部寄りの部分では、冷凍機油が供給されにくいにも拘わらずラップと鏡板部のクリアランスが狭くなり、焼き付き等のトラブルを招くおそれがあった。

    本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、圧縮途中の圧縮室へ中間圧のガス冷媒が導入されるスクロール圧縮機において、潤滑不足に起因するトラブルを未然に防いで信頼性を向上させることにある。

    第1の発明は、鏡板部(31,41)と該鏡板部(31,41)の前面から突出する渦巻き状のラップ(32,42)とがそれぞれに設けられた固定スクロール(30)及び旋回スクロール(40)を備え、上記固定スクロール(30)と上記旋回スクロール(40)は、一方のラップ(42,32)の先端面(42a,32a)が他方の鏡板部(31,41)の前面と対向するように噛み合わされて圧縮室(25)を形成しており、冷凍サイクルを行う冷媒回路に接続されて冷媒を上記圧縮室(25)へ吸入して圧縮するスクロール圧縮機を対象とする。 そして、圧縮途中の上記圧縮室(25)へ中間圧冷媒を供給するためのインジェクション通路(27)を備え、上記インジェクション通路(27)には、スクロール圧縮機の吐出冷媒から分離された冷凍機油が中間圧冷媒と共に供給される一方、上記鏡板部(31,41)の前面のうち上記ラップ(42,32)と対向する部分である歯底面(31a,41a)は、上記インジェクション通路(27)に連通する圧縮室(25)に臨む部分を含んだ領域が中間歯底領域(36,46)となり、該中間歯底領域(36,46)よりも上記ラップ(42,32)の外周側端部寄りの領域が吸入側歯底領域(35,45)となっており、上記吸入側歯底領域(35,45)と該吸入側歯底領域(35,45)に対向する上記ラップ(42,32)の先端面(42a,32a)とのクリアランスが、上記中間歯底領域(36,46)と該中間歯底領域(36,46)に対向する上記ラップ(42,32)の先端面(42a,32a)とのクリアランスよりも大きくなっているものである。

    第1の発明では、固定スクロール(30)と旋回スクロール(40)によって圧縮室(25)が形成される。 この圧縮室(25)には、ラップ(32,42)の外周側端部付近から低圧の冷媒が吸い込まれる。 また、圧縮途中の圧縮室(25)には、インジェクション通路(27)から中間圧の冷媒が導入される。 そして、旋回スクロール(40)が移動すると圧縮室(25)の容積が次第に縮小し、圧縮室(25)内の冷媒が圧縮される。 圧縮された冷媒は、ラップ(32,42)の内周側端部付近から吐出される。 インジェクション通路(27)から圧縮室(25)へは、冷凍機油が中間圧の冷媒と共に供給され、供給された冷凍機油が潤滑に利用される。

    第1の発明において、鏡板部(31,41)の歯底面(31a,41a)には、中間歯底領域(36,46)と吸入側歯底領域(35,45)とが形成される。 インジェクション通路(27)から圧縮室(25)へ流入した冷凍機油は、圧縮室(25)内の冷媒と共にラップ(32,42)の内周側端部へ向かって移動してゆく。 このため、歯底面(31a,41a)の中間歯底領域(36,46)に比べて、歯底面(31a,41a)の吸入側歯底領域(35,45)へは冷凍機油が供給されにくくなる。 一方、この発明において、吸入側歯底領域(35,45)とラップ(42,32)の先端面(42a,32a)とのクリアランスが、中間歯底領域(36,46)とラップ(42,32)の先端面(42a,32a)とのクリアランスよりも大きくなっている。 つまり、インジェクション通路(27)から圧縮室(25)へ流入した冷凍機油が供給されにくい吸入側歯底領域(35,45)では、吸入側歯底領域(35,45)とラップ(42,32)の先端面(42a,32a)とのクリアランスが大きくなっている。

    更に、第1の発明は、 上記の構成に加え 、上記歯底面(31a,41a)は、上記中間歯底領域(36,46)よりも上記ラップ(32,42)の内周側端部寄りの部分が吐出側歯底領域(37〜39,47〜49)となっており、上記吐出側歯底領域(37〜39,47〜49)と該吐出側歯底領域(37〜39,47〜49)に対向する上記ラップ(42,32)の先端面(42a,32a)とクリアランスが、上記中間歯底領域(36,46)と該中間歯底領域(36,46)に対向する上記ラップ(42,32)の先端面(42a,32a)とクリアランスよりも大きくなっているものである。

    第1の発明では、鏡板部(31,41)の歯底面(31a,41a)に、中間歯底領域(36,46)と吸入側歯底領域(35,45)と吐出側歯底領域(37〜39,47〜49)とが形成される。 圧縮室(25)内の冷媒は、圧縮されてその圧が上昇すると、それにつれてその温度も上昇する。 このため、スクロール圧縮機(10)の運転中において、固定スクロール(30)や旋回スクロール(40)では、ラップ(32,42)の内周側端部寄りの部分ほど高温となる。 一方、この発明では、吐出側歯底領域(37〜39,47〜49)とラップ(42,32)の先端面(42a,32a)とのクリアランスが、中間歯底領域(36,46)とラップ(42,32)の先端面(42a,32a)とのクリアランスよりも大きくなっている。 つまり、スクロール圧縮機(10)の運転中に高温となる吐出側歯底領域(37〜39,47〜49)では、吐出側歯底領域(37〜39,47〜49)とラップ(42,32)の先端面(42a,32a)とのクリアランスが大きくなっている。

    第2の発明は、上記第1の発明において、上記ラップ(32,42)の外周側端部の先端面(32a,42a)と該先端面(32a,42a)に対向する上記歯底面(41a,31a)とのクリアランスが、上記ラップ(32,42)の内周側端部の先端面(32a,42a)と該先端面(32a,42a)に対向する上記歯底面(41a,31a)とのクリアランスよりも小さくなっているものである。

    上述したように、スクロール圧縮機(10)では、ラップ(32,42)の外周側端部付近から圧縮室(25)へ低圧の冷媒が吸入され、ラップ(32,42)の内周側端部付近から圧縮された圧縮室(25)内の冷媒が吐出される。 このため、スクロール圧縮機(10)の運転中において、ラップ(32,42)では、その外周側端部付近の温度が内周側端部付近の温度よりも低くなる。 そこで、 第2の発明では、比較的低温となるラップ(32,42)の外周側端部と歯底面(41a,31a)のクリアランスを、比較的高温となるラップ(32,42)の内周側端部と歯底面(41a,31a)のクリアランスよりも小さくしている。

    本発明のスクロール圧縮機(10)では、冷凍機油がインジェクション通路(27)から圧縮途中の圧縮室(25)へ導入されており、冷凍機油が供給されにくい吸入側歯底領域(35,45)とラップ(42,32)のクリアランスが、冷凍機油が充分に供給される中間歯底領域(36,46)とラップ(42,32)のクリアランクよりも大きくなっている。 このため、歯底面(31a,41a)の吸入側歯底領域(35,45)と、ラップ(42,32)の先端面(42a,32a)のうち吸入側歯底領域(35,45)と対面する部分とに作用する面圧は、歯底面(31a,41a)の中間歯底領域(36,46)と、ラップ(42,32)の先端面(42a,32a)のうち中間歯底領域(36,46)と対面する部分とに作用する面圧に比べて小さくなる。 その結果、冷凍機油が供給されにくい吸入側歯底領域(35,45)においても、潤滑不足に起因する鏡板部(31,41)とラップ(42,32)の焼き付き等のトラブルを未然に防ぐことができ、スクロール圧縮機(10)の信頼性を向上させることができる。

    また、本発明では、スクロール圧縮機(10)の運転中に比較的高温となる吐出側歯底領域(37〜39,47〜49)とラップ(42,32)のクリアランスが、吐出側歯底領域(37〜39,47〜49)ほどは高温とならない中間歯底領域(36,46)とラップ(42,32)のクリアランスよりも大きくなっている。 このため、スクロール圧縮機(10)の運転中にラップ(32,42)が熱膨張した状態でも、吐出側歯底領域(37〜39,47〜49)とラップ(42,32)のクリアランスが過小になるのを避けることができる。 従って、 本発明によれば、歯底面(31a,41a)の吐出側歯底領域(37〜39,47〜49)とラップ(42,32)との焼き付き等を未然に防ぐことができ、スクロール圧縮機(10)の信頼性を更に向上させることができる。

    上記第2の発明では、スクロール圧縮機(10)の運転中に比較的低温となるラップ(32,42)の外周側端部と歯底面(41a,31a)のクリアランスを、スクロール圧縮機(10)の運転中に比較的高温となるラップ(32,42)の内周側端部と歯底面(41a,31a)のクリアランスよりも小さくしている。 従って、この発明によれば、吸入側歯底領域(35,45)とラップ(42,32)の先端面(42a,32a)とのクリアランスを最小限に抑えつつ、鏡板部(31,41)とラップ(42,32)の焼き付き等のトラブルを未然に防ぐことが可能となる。

    実施形態のスクロール圧縮機の全体構造を示す縦断面図である。

    実施形態のスクロール圧縮機の圧縮機構を示す縦断面図である。

    実施形態の圧縮機構の要部を示す横断面図である。

    実施形態の固定スクロールの下面図である。

    実施形態の旋回スクロールの平面図である。

    以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。

    〈スクロール圧縮機の全体構成〉
    スクロール圧縮機(10)の全体構成について、図1を参照しながら説明する。

    図1に示すように、本実施形態のスクロール圧縮機(10)は、全密閉圧縮機である。 このスクロール圧縮機(10)は、冷凍サイクルを行う冷媒回路に接続され、冷媒回路の冷媒を吸入して圧縮する。

    スクロール圧縮機(10)では、ケーシング(15)の内部空間に、圧縮機構(20)と、電動機(50)と、下部軸受部材(55)と、駆動軸(60)とが収容されている。 ケーシング(15)は、縦長の円筒状に形成された密閉容器である。 ケーシング(15)の内部空間では、上から下へ向かって順に、圧縮機構(20)と電動機(50)と下部軸受部材(55)とが配置されている。 また、駆動軸(60)は、その軸方向がケーシング(15)の高さ方向に沿う姿勢で配置されている。

    ケーシング(15)には、吸入管(16)と、インジェクション管(17)と、吐出管(18)とが取り付けられている。 吸入管(16)、インジェクション管(17)、及び吐出管(18)は、何れもケーシング(15)を貫通している。 吸入管(16)とインジェクション管(17)は、圧縮機構(20)に接続されている。 吐出管(18)は、ケーシング(15)の内部空間における電動機(50)と圧縮機構(20)の間の部分に開口している。

    下部軸受部材(55)は、ケーシング(15)に固定されている。 この下部軸受部材(55)は、駆動軸(60)の下端部を回転自在に支持している。 一方、電動機(50)は、固定子(51)と回転子(52)とを備えている。 固定子(51)は、ケーシング(15)に固定されている。 回転子(52)は、固定子(51)と同軸に配置されている。 この回転子(52)には、駆動軸(60)が挿通されている。

    駆動軸(60)には、主軸部(61)と、バランスウェイト部(62)と、偏心部(63)とが形成されている。 バランスウェイト部(62)は、主軸部(61)の軸方向の途中に配置されている。 主軸部(61)は、バランスウェイト部(62)よりも下側の部分が電動機(50)の回転子(52)を貫通し、その下端部が下部軸受部材(55)によって支持されている。 また、主軸部(61)は、バランスウェイト部(62)よりも上側の部分が、後述する圧縮機構(20)のハウジング(21)によって回転自在に支持されている。 偏心部(63)は、主軸部(61)の上端面に突設されている。 偏心部(63)は、その軸心が主軸部(61)の軸心に対して偏心しており、後述する圧縮機構(20)の旋回スクロール(40)に係合している。

    図示しないが、駆動軸(60)には、給油通路が形成されている。 この給油通路は、その一端が駆動軸(60)の下端に開口し、その他端が駆動軸(60)の上端に開口している。 駆動軸(60)が回転すると、ケーシング(15)の底部に貯留された冷凍機油が、給油通路へ吸い上げられる。 また、給油通路には、駆動軸(60)の半径方向へ延びる分岐通路が形成されている。 給油通路を流れる冷凍機油の一部は、この分岐通路へ流入し、下部軸受部材(55)や圧縮機構(20)との摺動部に供給される。

    〈圧縮機構〉
    圧縮機構(20)の構成について、図1〜図3を参照しながら説明する。

    図1及び図2に示すように、圧縮機構(20)は、ハウジング(21)と、固定スクロール(30)と、旋回スクロール(40)とを備えている。 また、圧縮機構(20)には、旋回スクロール(40)の自転運動を規制するためのオルダムリング(22)が設けられている。

    ハウジング(21)は、厚肉の円板状に形成されており、その中央部が図1の下方へ膨出している。 ハウジング(21)は、その外周面がケーシング(15)の内周面と接しており、ケーシング(15)に固定されている。 ハウジング(21)では、その中央部を駆動軸(60)の主軸部(61)が貫通している。 そして、ハウジング(21)は、主軸部(61)のうちバランスウェイト部(62)よりも上側の部分を回転自在に支持するジャーナル軸受を構成している。

    ハウジング(21)の上には、固定スクロール(30)と旋回スクロール(40)とが載置されている。 固定スクロール(30)は、ボルト等によってハウジング(21)に固定されている。 一方、旋回スクロール(40)は、ハウジング(21)には固定されておらず、駆動軸(60)に係合して公転運動を行う。

    旋回スクロール(40)は、旋回側鏡板部(41)と、旋回側ラップ(42)と、円筒部(43)とを一体に形成した部材である。 旋回側鏡板部(41)は、円板状に形成されている。 旋回側ラップ(42)は、渦巻き壁状に形成されており、旋回側鏡板部(41)の前面(図1における上面)に突設されている。 円筒部(43)は、円筒状に形成され、旋回側鏡板部(41)の背面(同図における下面)に突設されている。 この円筒部(43)には、後述する駆動軸(60)の偏心部(63)が挿入されている。

    固定スクロール(30)は、固定側鏡板部(31)と、固定側ラップ(32)とを一体に形成した部材である。 固定側鏡板部(31)は、円板状に形成されている。 固定側ラップ(32)は、渦巻き壁状に形成されており、固定側鏡板部(31)の前面(図1における下面)に突設されている。 固定側鏡板部(31)は、固定側ラップ(32)の周囲を囲う部分(33)を備えている。 この部分(33)の内周側面は、固定側ラップ(32)と共に旋回側ラップ(42)と摺接して圧縮室(25)を形成する。

    固定側鏡板部(31)には、吐出ポート(26)とインジェクションポート(27)とが形成されている。 吐出ポート(26)は、固定側鏡板部(31)の中央付近に形成された貫通孔であって、固定側鏡板部(31)を厚さ方向に貫通している。 固定側鏡板部(31)の前面において、吐出ポート(26)は、固定側ラップ(32)の内周側端部の近傍に開口している。 インジェクションポート(27)は、固定側鏡板部(31)における吐出ポート(26)よりもやや外周寄りの部分に形成された貫通孔であって、固定側鏡板部(31)を厚さ方向に貫通している。 インジェクションポート(27)には、インジェクション管(17)が接続されている。 このインジェクションポート(27)は、インジェクション管(17)と共にインジェクション通路を形成している。 また、固定側鏡板部(31)の外周付近には、吸入管(16)が挿入されている。

    圧縮機構(20)には、吐出ガス通路(28)が形成されている。 この吐出ガス通路(28)は、固定スクロール(30)からハウジング(21)に亘って形成された通路である。 吐出ガス通路(28)は、その一端が吐出ポート(26)に連通し、その他端がハウジング(21)の下面に開口している。

    圧縮機構(20)において、固定スクロール(30)と旋回スクロール(40)は、固定側鏡板部(31)の前面と旋回側鏡板部(41)の前面が互いに向かい合い、固定側ラップ(32)と旋回側ラップ(42)が互いに噛み合うように配置されている。 具体的に、固定側ラップ(32)の先端面(32a)は、旋回側鏡板部(41)の前面と対向している。 旋回側鏡板部(41)では、固定側ラップ(32)の先端面(32a)と対向する部分が歯底面(41a)となっている。 一方、旋回側ラップ(42)の先端面(42a)は、固定側鏡板部(31)の前面と対向している。 固定側鏡板部(31)では、旋回側ラップ(42)の先端面(42a)と対向する部分が歯底面(31a)となっている。 そして、圧縮機構(20)では、図3に示すように、固定スクロール(30)の固定側ラップ(32)と旋回スクロール(40)の旋回側ラップ(42)とが互いに噛み合うことによって、三日月形の圧縮室(25)が複数形成される。

    〈固定スクロールと旋回スクロールの詳細形状〉
    固定スクロール(30)と旋回スクロール(40)の詳細形状について、図4及び図5を参照しながら説明する。 なお、ここで説明する固定スクロール(30)及び旋回スクロール(40)の詳細な形状は、固定スクロール(30)及び旋回スクロール(40)の温度が常温(約20℃)における形状である。

    図4に示すように、固定側鏡板部(31)の歯底面(31a)には、固定側ラップ(32)の先端面(32a)からの距離(深さ)の異なる複数の領域が、固定側ラップ(32)に沿って形成されている。 具体的に、この歯底面(31a)では、固定側ラップ(32)の外周側端部から約1/2巻きに亘る部分が吸入側歯底領域(35)となっている。 そして、この歯底面(31a)では、固定側ラップ(32)の内周側端部へ向かって、吸入側歯底領域(35)に隣接する約1/2巻きに亘る部分が中間歯底領域(36)となり、中間歯底領域(36)に隣接する約1/2巻きに亘る部分が第1吐出側歯底領域(37)となり、第1吐出側歯底領域(37)に隣接する約1/2巻きに亘る部分が第2吐出側歯底領域(38)となり、第2吐出側歯底領域(38)に隣接する約1/2巻きに亘る部分が第3吐出側歯底領域(39)となっている。 中間歯底領域(36)は、歯底面(31a)のうちインジェクションポート(27)が開口する部分を含んでいる。 つまり、固定側鏡板部(31)の歯底面(31a)では、インジェクションポート(27)に連通する圧縮室(25)に臨む部分が、中間歯底領域(36)となっている。

    固定スクロール(30)では、固定側ラップ(32)の先端面(32a)から中間歯底領域(36)までの距離が最も短く、固定側ラップ(32)の先端面(32a)から第3吐出側歯底領域(39)までの距離が最も長くなっている。 また、固定側ラップ(32)の先端面(32a)から吸入側歯底領域(35)までの距離は、固定側ラップ(32)の先端面(32a)から中間歯底領域(36)までの距離よりも長く、且つ固定側ラップ(32)の先端面(32a)から第1吐出側歯底領域(37)までの距離と等しくなっている。 更に、固定側ラップ(32)の先端面(32a)から第2吐出側歯底領域(38)までの距離は、固定側ラップ(32)の先端面(32a)から第1吐出側歯底領域(37)までの距離よりも長く、且つ固定側ラップ(32)の先端面(32a)から第3吐出側歯底領域(39)までの距離よりも短くなっている。

    図5に示すように、旋回側鏡板部(41)の歯底面(41a)には、旋回側ラップ(42)の先端面(42a)からの距離(深さ)の異なる複数の領域が、旋回側ラップ(42)に沿って形成されている。 この歯底面(41a)では、固定側鏡板部(31)の吸入側歯底領域(35)に対応する部分が吸入側歯底領域(45)となり、固定側鏡板部(31)の中間歯底領域(36)に対応する部分が中間歯底領域(46)となり、固定側鏡板部(31)の第1吐出側歯底領域(37)に対応する部分が第1吐出側歯底領域(47)となり、固定側鏡板部(31)の第2吐出側歯底領域(38)に対応する部分が第2吐出側歯底領域(48)となり、固定側鏡板部(31)の第3吐出側歯底領域(39)に対応する部分が第3吐出側歯底領域(49)となっている。 旋回側鏡板部(41)の歯底面(41a)では、インジェクションポート(27)に連通する圧縮室(25)に臨む部分が、中間歯底領域(46)となっている。

    旋回スクロール(40)では、旋回側ラップ(42)の先端面(42a)から中間歯底領域(46)までの距離が最も短く、旋回側ラップ(42)の先端面(42a)から第3吐出側歯底領域(49)までの距離が最も長くなっている。 また、旋回側ラップ(42)の先端面(42a)から吸入側歯底領域(45)までの距離は、旋回側ラップ(42)の先端面(42a)から中間歯底領域(46)までの距離よりも長く、且つ旋回側ラップ(42)の先端面(42a)から第1吐出側歯底領域(47)までの距離と等しくなっている。 更に、旋回側ラップ(42)の先端面(42a)から第2吐出側歯底領域(48)までの距離は、旋回側ラップ(42)の先端面(42a)から第1吐出側歯底領域(47)までの距離よりも長く、且つ旋回側ラップ(42)の先端面(42a)から第3吐出側歯底領域(49)までの距離よりも短くなっている。

    上述したように、固定側鏡板部(31)の歯底面(31a)には、旋回側ラップ(42)の先端面(42a)が対向している。 一方、固定側鏡板部(31)の歯底面(31a)には、固定側ラップ(32)の先端面(32a)からの距離(深さ)が異なる複数の領域が形成されている。 このため、固定側鏡板部(31)の歯底面(31a)と旋回側ラップ(42)の先端面(42a)とのクリアランスは、中間歯底領域(36)と旋回側ラップ(42)のクリアランス、第1吐出側歯底領域(37)と旋回側ラップ(42)のクリアランス、第2吐出側歯底領域(38)と旋回側ラップ(42)のクリアランス、第3吐出側歯底領域(39)と旋回側ラップ(42)のクリアランスの順に、次第に大きくなる。 また、吸入側歯底領域(35)と旋回側ラップ(42)のクリアランスは、第1吐出側歯底領域(37)と旋回側ラップ(42)のクリアランスと等しくなる。

    また、旋回側鏡板部(41)の歯底面(41a)には、固定側ラップ(32)の先端面(32a)が対向している。 一方、旋回側鏡板部(41)の歯底面(41a)には、旋回側ラップ(42)の先端面(42a)からの距離(深さ)が異なる複数の領域が形成されている。 このため、旋回側鏡板部(41)の歯底面(41a)と固定側ラップ(32)の先端面(32a)とのクリアランスは、中間歯底領域(46)と固定側ラップ(32)のクリアランス、第1吐出側歯底領域(47)と固定側ラップ(32)のクリアランス、第2吐出側歯底領域(48)と固定側ラップ(32)のクリアランス、第3吐出側歯底領域(49)と固定側ラップ(32)のクリアランスの順に、次第に大きくなる。 また、吸入側歯底領域(45)と固定側ラップ(32)のクリアランスは、第1吐出側歯底領域(47)と固定側ラップ(32)のクリアランスと等しくなる。

    従って、図2に示すように、圧縮機構(20)では、固定側鏡板部(31)の吸入側歯底領域(35)と旋回側ラップ(42)の外周側端部の先端面(42a)とのクリアランスDsが、固定側鏡板部(31)の中間歯底領域(36)と旋回側ラップ(42)の先端面(42a)とのクリアランスDmよりも広くなり、固定側鏡板部(31)の第3吐出側歯底領域(39)と旋回側ラップ(42)の内周側端部の先端面(42a)とのクリアランスDdが、固定側鏡板部(31)の吸入側歯底領域(35)と旋回側ラップ(42)の外周側端部の先端面(42a)とのクリアランスDsよりも広くなる。 また、圧縮機構(20)では、旋回側鏡板部(41)の吸入側歯底領域(45)と固定側ラップ(32)の外周側端部の先端面(32a)とのクリアランスDsが、旋側鏡板部の歯底面(41a)の中間歯底領域(46)と固定側ラップ(32)の先端面(32a)とのクリアランスDmよりも広くなり、旋回側鏡板部(41)の第3吐出側歯底領域(49)と固定側ラップ(32)の内周側端部の先端面(32a)とのクリアランスDdが、旋回側鏡板部(41)の吸入側歯底領域(45)と固定側ラップ(32)の外周側端部の先端面(32a)とのクリアランスDsよりも広くなる。

    −運転動作−
    スクロール圧縮機(10)の運転動作について説明する。

    スクロール圧縮機(10)において、電動機(50)へ通電すると、駆動軸(60)によって旋回スクロール(40)が駆動される。 旋回スクロール(40)は、その自転運動がオルダムリング(22)によって規制されており、自転運動は行わずに公転運動だけを行う。

    旋回スクロール(40)が公転運動を行うと、吸入管(16)を通って圧縮機構(20)へ流入した低圧のガス冷媒が、固定側ラップ(32)及び旋回側ラップ(42)の外周側端部付近から圧縮室(25)へ吸入される。 旋回スクロール(40)が更に移動すると、圧縮室(25)が吸入管(16)から遮断された閉じきり状態となり、その後、圧縮室(25)は、固定側ラップ(32)及び旋回側ラップ(42)に沿ってそれらの内周側端部へ向かって移動してゆく。 その過程で圧縮室(25)の容積が次第に減少し、圧縮室(25)内のガス冷媒が圧縮されてゆく。 また、圧縮機構(20)では、閉じきり状態となった圧縮途中の圧縮室(25)に、インジェクションポート(27)から中間圧のガス冷媒が導入される。 従って、圧縮機構(20)では、吸入管(16)から流入した低圧のガス冷媒と、インジェクションポート(27)から流入した中間圧のガス冷媒とが圧縮室(25)に吸い込まれて圧縮される。

    旋回スクロール(40)の移動に伴って圧縮室(25)の容積が次第に縮小してゆくと、やがて圧縮室(25)は吐出ポート(26)に連通する。 そして、圧縮室(25)内で圧縮された冷媒(即ち、高圧のガス冷媒)は、吐出ポート(26)を通って吐出ガス通路(28)へ流入し、その後にケーシング(15)の内部空間における圧縮機構(20)と電動機(50)の間の部分へ吐出される。 ケーシング(15)の内部空間へ吐出された高圧のガス冷媒は、吐出管(18)を通ってケーシング(15)の外部へ流出してゆく。

    スクロール圧縮機(10)の運転中には、駆動軸(60)が回転し、ケーシング(15)の底部に貯留された冷凍機油が駆動軸(60)内の給油通路へ吸い上げられる。 給油通路を流れる冷凍機油は、下部軸受部材(55)及び圧縮機構(20)と駆動軸(60)の摺動部分へ供給される。 給油通路から圧縮機構(20)へ供給された冷凍機油は、主軸部(61)とハウジング(21)との摺動部分や、偏心部(63)と旋回スクロール(40)の円筒部(43)との摺動部分へ供給される。 また、圧縮機構(20)では、旋回スクロール(40)とオルダムリング(22)の摺動部分や、旋回スクロール(40)と固定スクロール(30)の摺動部分にも冷凍機油が供給される。

    圧縮機構(20)では、圧縮室(25)へも冷凍機油が流入する。 圧縮室(25)へ流入した冷凍機油は、固定側ラップ(32)と旋回側ラップ(42)の摺動部分、固定側ラップ(32)と旋回側鏡板部(41)の摺動部分、旋回側ラップ(42)と固定側鏡板部(31)の摺動部分の潤滑に利用される。 圧縮室(25)へ流入した冷凍機油の一部は、微細な油滴となって高圧のガス冷媒と共に吐出ポート(26)を通過し、その後に圧縮機構(20)からケーシング(15)の内部空間へ吐出される。 また、圧縮機構(20)から高圧のガス冷媒と共に吐出された冷凍機油の一部は、吐出管(18)を通ってケーシング(15)の外部へ流出してゆく。

    高圧のガス冷媒と共にケーシング(15)の外部へ流出した冷凍機油は、図外の油分離器においてガス冷媒と分離され、その後に中間圧のガス冷媒と共にインジェクション管(17)を通じて圧縮機構(20)へ送り返される。 インジェクション管(17)から圧縮機構(20)へ供給された冷凍機油は、インジェクションポート(27)を通り、中間圧のガス冷媒と共に圧縮途中の圧縮室(25)へ流入する。

    上述したように、固定スクロール(30)の固定側鏡板部(31)の歯底面(31a)では、インジェクションポート(27)に連通する圧縮室(25)に臨む部分が中間歯底領域(36)となっている。 そして、固定側鏡板部(31)の歯底面(31a)と旋回側ラップ(42)の先端面(42a)とのクリアランスの中では、固定側鏡板部(31)の中間歯底領域(36)と旋回側ラップ(42)の先端面(42a)とのクリアランスが最も小さくなっている。 また、旋回スクロール(40)の旋回側鏡板部(41)の歯底面(41a)では、インジェクションポート(27)に連通する圧縮室(25)に臨む部分が中間歯底領域(46)となっている。 そして、旋回側鏡板部(41)の歯底面(41a)と固定側ラップ(32)の先端面(32a)とのクリアランスの中では、旋回側鏡板部(41)の中間歯底領域(46)と固定側ラップ(32)の先端面(32a)とのクリアランスが最も小さくなっている。

    一方、インジェクションポート(27)に連通する圧縮室(25)には、冷凍機油が中間圧のガス冷媒と共に流入する。 このため、固定側鏡板部(31)の中間歯底領域(36)と旋回側ラップ(42)の摺動部分や、旋回側鏡板部(41)の中間歯底領域(46)と固定側ラップ(32)の摺動部分には、充分な量の冷凍機油が確実に供給される。 従って、固定側鏡板部(31)の中間歯底領域(36)と旋回側ラップ(42)の先端面(42a)とのクリアランスや、旋回側鏡板部(41)の中間歯底領域(46)と固定側ラップ(32)の先端面(32a)とのクリアランスが小さくても、焼き付き等のトラブルが生じる可能性は殆ど無い。

    ところが、インジェクションポート(27)から圧縮室(25)へ流入した冷凍機油は、固定側鏡板部(31)の吸入側歯底領域(35)と旋回側ラップ(42)の先端面(42a)との摺動部分や、旋回側鏡板部(41)の吸入側歯底領域(45)と固定側ラップ(32)の先端面(32a)との摺動部分には、殆ど供給されない。 また、スクロール圧縮機(10)から冷媒と共に吐出された冷凍機油の一部は、油分離器を通過した後に冷媒回路を流れて低圧のガス冷媒と共に圧縮機構(20)へ戻ってくるが、圧縮機構(20)へ吸入されるガス冷媒の圧力が低い運転状態ではガス冷媒の密度が低くなるため、低圧のガス冷媒の流れに乗って圧縮機構(20)へ流入する冷凍機油の量が極めて少なくなってしまう。 このため、固定側鏡板部(31)の吸入側歯底領域(35)と旋回側ラップ(42)の先端面(42a)との摺動部分や、旋回側鏡板部(41)の吸入側歯底領域(45)と固定側ラップ(32)の先端面(32a)との摺動部分では、冷凍機油の供給量が少ない状態に陥りやすい。

    それに対し、本実施形態の圧縮機構(20)では、固定側鏡板部(31)の吸入側歯底領域(35)と旋回側ラップ(42)の先端面(42a)とのクリアランスが、固定側鏡板部(31)の中間歯底領域(36)と旋回側ラップ(42)の先端面(42a)とのクリアランスよりも大きくなり、旋回側鏡板部(41)の吸入側歯底領域(45)と固定側ラップ(32)の先端面(32a)とのクリアランスが、旋回側鏡板部(41)の中間歯底領域(46)と固定側ラップ(32)の先端面(32a)とのクリアランスよりも大きくなっている。 このため、固定側鏡板部(31)の吸入側歯底領域(35)と旋回側ラップ(42)の先端面(42a)との摺動部分や、旋回側鏡板部(41)の吸入側歯底領域(45)と固定側ラップ(32)の先端面(32a)との摺動部分では、冷凍機油の供給量が少なくても、焼き付き等のトラブルが生じる可能性は殆ど無い。

    また、圧縮室(25)内の冷媒が圧縮される過程(圧縮行程)では、冷媒の圧力と温度が次第に上昇してゆく。 このため、固定側ラップ(32)や旋回側ラップ(42)では、その内周側端部に近い部分ほど高温となり、その結果、その内周側端部に近い部分ほど熱膨張量が大きくなる。

    本実施形態の圧縮機構(20)では、固定側鏡板部(31)の歯底面(31a)に吐出側歯底領域(37,38,39)が形成されており、常温状態における固定側鏡板部(31)の歯底面(31a)と旋回側ラップ(42)の先端面(42a)とのクリアランスが、旋回側ラップ(42)の内周側端部へ近付くにつれて拡大する。 また、この圧縮機構(20)では、旋回側鏡板部(41)の歯底面(41a)に吐出側歯底領域(47,48,49)が形成されており、常温状態における旋回側鏡板部(41)の歯底面(41a)と固定側ラップ(32)の先端面(32a)とのクリアランスが、固定側ラップ(32)の内周側端部へ近付くにつれて拡大する。 このため、スクロール圧縮機(10)の運転中に固定側ラップ(32)や旋回側ラップ(42)の内周側端部寄りの部分が熱膨張しても、固定側鏡板部(31)の歯底面(31a)と旋回側ラップ(42)の先端面(42a)とのクリアランスや、旋回側鏡板部(41)の歯底面(41a)と固定側ラップ(32)の先端面(32a)とのクリアランスは適正な値に保たれることとなり、焼き付き等のトラブルが未然に回避される。

    −実施形態の効果−
    本実施形態のスクロール圧縮機(10)の圧縮機構(20)では、冷凍機油がインジェクションポート(27)から圧縮途中の圧縮室(25)へ導入されており、冷凍機油が供給されにくい吸入側歯底領域(35,45)とラップ(42,32)のクリアランスが、冷凍機油が充分に供給される中間歯底領域(36,46)とラップ(42,32)のクリアランクよりも大きくなっている。 このため、歯底面(31a,41a)の吸入側歯底領域(35,45)と、ラップ(42,32)の先端面(42a,32a)のうち吸入側歯底領域(35,45)と対面する部分とに作用する面圧は、歯底面(31a,41a)の中間歯底領域(36,46)と、ラップ(42,32)の先端面(42a,32a)のうち中間歯底領域(36,46)と対面する部分とに作用する面圧に比べて小さくなる。 その結果、冷凍機油が供給されにくい吸入側歯底領域(35,45)においても、潤滑不足に起因する鏡板部(31,41)とラップ(42,32)の焼き付き等のトラブルを未然に防ぐことができ、スクロール圧縮機(10)の信頼性を向上させることができる。

    また、本実施形態では、スクロール圧縮機(10)の運転中に比較的高温となる吐出側歯底領域(37〜39,47〜49)とラップ(42,32)のクリアランスが、吐出側歯底領域(37〜39,47〜49)ほどは高温とならない中間歯底領域(36,46)とラップ(42,32)のクリアランスよりも大きくなっている。 このため、スクロール圧縮機(10)の運転中にラップ(32,42)が熱膨張した状態でも、吐出側歯底領域(37〜39,47〜49)とラップ(42,32)のクリアランスが過小になるのを避けることができる。 従って、本実施形態によれば、歯底面(31a,41a)の吐出側歯底領域(37〜39,47〜49)とラップ(42,32)との焼き付き等を未然に防ぐことができ、スクロール圧縮機(10)の信頼性を更に向上させることができる。

    また、本実施形態では、スクロール圧縮機(10)の運転中に比較的低温となるラップ(32,42)の外周側端部と歯底面(41a,31a)のクリアランスを、スクロール圧縮機(10)の運転中に比較的高温となるラップ(32,42)の内周側端部と歯底面(41a,31a)のクリアランスよりも小さくしている。 従って、本実施形態によれば、吸入側歯底領域(35,45)とラップ(42,32)の先端面(42a,32a)とのクリアランスを最小限に抑えつつ、鏡板部(31,41)とラップ(42,32)の焼き付き等のトラブルを未然に防ぐことが可能となる。

    −実施形態の変形例−
    上記実施形態の圧縮機構(20)では、固定側鏡板部(31)の歯底面(31a)に吸入側歯底領域(35)と中間歯底領域(36)と吐出側歯底領域(37,38,39)とを形成し、この歯底面(31a)と旋回側ラップ(42)の先端面(42a)とのクリアランスを場所によって相違させると共に、旋回側鏡板部(41)の歯底面(41a)に吸入側歯底領域(45)と中間歯底領域(46)と吐出側歯底領域(47,48,49)とを形成し、この歯底面(41a)と固定側ラップ(32)の先端面(32a)とのクリアランスを場所によって相違させている。

    しかしながら、上記実施形態の圧縮機構(20)では、固定側鏡板部(31)と旋回側鏡板部(41)の両方に吸入側歯底領域(35,45)等が形成されている必要はなく、固定側鏡板部(31)と旋回側鏡板部(41)の一方だけに吸入側歯底領域(35,45)等が形成されていてもよい。

    具体的に、上記実施形態の圧縮機構(20)では、固定側鏡板部(31)の歯底面(31a)だけに、吸入側歯底領域(35)と中間歯底領域(36)と吐出側歯底領域(37,38,39)とが形成されていてもよい。 この場合、旋回スクロール(40)では、旋回側鏡板部(41)の歯底面(41a)から旋回側ラップ(42)の先端面(42a)までの距離が、旋回側ラップ(42)の全長に亘って一定となる。 その結果、固定側鏡板部(31)の歯底面(31a)と旋回側ラップ(42)の先端面(42a)とのクリアランスは場所によって相違する一方、旋回側鏡板部(41)の歯底面(41a)と固定側ラップ(32)の先端面(32a)とのクリアランスは固定側ラップ(32)の全長に亘って一定となる。

    また、上記実施形態の圧縮機構(20)では、旋回側鏡板部(41)の歯底面(41a)だけに、吸入側歯底領域(45)と中間歯底領域(46)と吐出側歯底領域(47,48,49)とが形成されていてもよい。 この場合、固定スクロール(30)では、固定側鏡板部(31)の歯底面(31a)から固定側ラップ(32)の先端面(32a)までの距離が、固定側ラップ(32)の全長に亘って一定となる。 その結果、旋回側鏡板部(41)の歯底面(41a)と固定側ラップ(32)の先端面(32a)とのクリアランスは場所によって相違する一方、固定側鏡板部(31)の歯底面(31a)と旋回側ラップ(42)の先端面(42a)とのクリアランスは旋回側ラップ(42)の全長に亘って一定となる。

    なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。

    以上説明したように、本発明は、冷媒回路に接続されて冷媒を圧縮するスクロール圧縮機であって、圧縮途中の圧縮室へ中間圧のガス冷媒が導入されるものについて有用である。

    10 スクロール圧縮機
    25 圧縮室
    27 インジェクションポート(インジェクション通路)
    30 固定スクロール
    31 固定側鏡板部
    31a 歯底面
    32 固定側ラップ
    32a 先端面
    35 吸入側歯底領域
    36 中間歯底領域
    37 第1吐出側歯底領域
    38 第2吐出側歯底領域
    39 第3吐出側歯底領域
    40 旋回スクロール
    41 旋回側鏡板部
    41a 歯底面
    42 旋回側ラップ
    42a 先端面
    45 吸入側歯底領域
    46 中間歯底領域
    47 第1吐出側歯底領域
    48 第2吐出側歯底領域
    49 第3吐出側歯底領域

    QQ群二维码
    意见反馈