Hermetic electric compressor

申请号 JP2011100035 申请日 2011-04-27 公开(公告)号 JP2012229684A 公开(公告)日 2012-11-22
申请人 Mitsubishi Electric Corp; 三菱電機株式会社; 发明人 NAKAGAWA HIROYUKI; TANI MASAO; KATO TARO;
摘要 PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a hermetic electric compressor that generates torque equivalent to that of a conventional one even when a miniaturized electric motor is used, and ensures low cost, facilitation of assemblability, and lubrication properties.SOLUTION: The hermetic electric compressor (single-rotary compressor) 100 includes: a sealed container 1; the electric motor 2 fixed to an upper part in the sealed container 1; a planetary gear mechanism 3; and a compressor mechanism 4. Lubricant for lubricating the compressor mechanism 4 is sealed on the bottom in the sealed container 1. The planetary gear mechanism 3 includes: a sun gear 3a installed on a motor shaft 7; a planetary gear 3b; an internal gear 3c; and a gear shaft 3d revolving together with the planetary gear 3b and installed on a drive shaft 11.
权利要求
  • 冷媒の吸引口および吐出口を有する密閉容器と、
    該密閉容器の中に設置され、冷媒を圧縮する圧縮機構部と、
    前記密閉容器の中に設置され、前記圧縮機構部を駆動する直流電動機部と、
    を有し、
    前記直流電動機部のモータ軸と前記圧縮機構部の駆動軸とが遊星歯車機構部によって連結され、
    該遊星歯車機構部は、前記モータ軸に設置された太陽歯車と、該太陽歯車に噛み合って自転および公転する遊星歯車と、該遊星歯車に噛み合う内歯車と、前記駆動軸に設置され、前記遊星歯車を回転自在に支持して前記遊星歯車と共に公転する歯車軸とを具備することを特徴とする密閉型電動圧縮機。
  • 前記圧縮機構部に内筒管が固定部を介して固定され、
    前記モータ軸を回転自在に支持するモータ軸受と前記圧縮機構部と前記直流電動機部とが前記内筒管に設置されて一体化していることを特徴とする請求項1記載の密閉型電動圧縮機。
  • 前記圧縮機構部は、
    内面側に開口部を具備するベーン溝が形成されたシリンダと、
    前記駆動軸に連結され、偏心軸を有するクランクシャフトと、
    該クランクシャフトの回転により前記シリンダ内を公転運動するローリングピストンと、
    該ローリングピストンの外周に一方の端部が当接したまま他方の端部が前記ベーン溝内を往復運動する板状のベーンと、
    前記シリンダの上下の端面をそれぞれ閉塞すると共に、前記クランクシャフトを回転自在に支持する軸受部と、
    を備えていることを特徴とする請求項1または2記載の密閉型電動圧縮機。
  • 圧縮機構部は、
    前記密閉容器の内周に固定された固定スクロールと、前記モータ軸に接続された前記揺動スクロールとを有し、
    前記固定スクロールには渦巻き状の板状渦巻歯が形成され、
    前記揺動スクロールの台板部の上面には前記固定スクロールの板状渦巻歯と実質的に同一形状の板状渦巻歯が設けられ、
    前記固定スクロールに形成された板状渦巻歯と前記揺動スクロールに形成された板状渦巻歯とによって、幾何学的に圧縮室が形成されることを特徴とする請求項1または2記載の密閉型電動圧縮機。
  • 前記圧縮機構部が前記密閉容器の上部に配置され、
    前記直流電動機部が前記密閉容器の下部に配置され、
    前記モータ軸が中空であって、側面を貫通する給油孔が形成され、
    差圧給油用の中間圧室を有することを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の密閉型電動圧縮機。
  • 说明书全文

    本発明は密閉型電動圧縮機、特に、空調冷熱機器等の冷凍サイクル装置における冷媒圧縮用に用いられる密閉型電動圧縮機に関するものである。

    従来、空気調和機等の冷凍サイクル装置に使用されるロータリ式圧縮機は、密閉容器内に電動機部と圧縮機構部が収納されている。
    電動機部は、密閉容器の内面に固定された固定子と、この固定子の内側で、上下の軸受部によって軸受部が回転自在に支持された回転子とから成っている。
    圧縮機構部は、冷媒ガスを圧縮するローリング・ピストン式の圧縮機構部を構成し、上端面と下端面とを軸受に軸支された駆動軸が回転することによって、駆動軸の偏心部に連結されたピストンが並進往復運動し、冷媒を圧縮している。

    次に冷媒回路の動作について説明する。
    ロータリ式圧縮機の吸入マフラ上部に付属する吸入管を経由して、冷凍サイクルを構成する冷媒回路内の密閉容器外にある冷媒を密閉容器内に吸入する。 吸入管から吸入マフラを通過し、密閉容器内に吸入され、さらにシリンダ内の圧縮室に吸入された低圧の冷媒ガスは、シリンダ、ピストン、ベーンにより構成される回転圧縮機構部によって高圧まで圧縮された後、フレームに設けられた吐出ポートから吐出マフラを経て吐出パイプにて密閉容器外の冷媒回路に吐出される。

    この種の密閉型電動圧縮機においては、冷媒を圧縮する際に高トルクを必要とするため、高トルクを生み出すのに、電動機のコア巾をアップして、ロータ部には磁の強い希土類磁石を使用する必要があった。 しかしながら、昨今、希土類磁石に使われているレアアースの入手困難による隘路化や、銅や鉄といった素材の高騰により、圧縮機の性能改善や生産コスト増大が課題となっていた。
    また、近年の密閉型電動圧縮機の多様化に伴い、小型化、軽量化が求められており、これに伴って電動機も小型化、軽量化する必要があるが、発生トルクが大きく低下してしまうという課題があった。

    さらに、回転圧縮機構部の各摺動部を潤滑する潤滑油として冷凍機油が、密閉容器の底部に貯留する。 このため、下部に回転圧縮機構部が配置される場合、密閉容器の底部に溜められた潤滑油をクランク軸の回転による遠心力によりクランク軸の内径に沿って上昇させ、クランク軸に設けられた給油孔を経由して圧縮機構部の摺動部へ潤滑油を供給していた。 夫々の給油孔から、主軸、主軸受、主軸側偏心部とピストンおよび、副軸と副軸受の間の摺動部に潤滑油が供給される。

    一方、密閉容器内の上部に回転圧縮機構部が配置されるスクロール型圧縮機の場合、密閉容器内の底部に滞留した冷凍機油は、圧縮仕事をすることで密閉容器内が高圧となり、中間圧室との差圧によりモータ軸芯を貫通する給油孔に吸い込まれ、主軸に設けられている給油孔や中間圧室に導かれる。

    密閉容器内の上部に電動機部と下部に圧縮機構部を配置された形態の中間に、遊星歯車機構などの変速機を備える圧縮機において給油性を確保する形態は、クラッチ機構部の間に油供給連結パイプを有する形態(特許文献1)が知られている。

    そこで、電動機のコア巾をアップさせたり、磁力の強い希土類磁石を具備する電動機を使用したりしないで、電動機と圧縮機構部の間に、無段変速機もしくは遊星歯車機構や所定の減速機を用いて、高トルクを生み出す発明が開示されている(例えば、特許文献1、2参照)。

    また、1シリンダのシングルロータリ圧縮機に用いられる電動機としては、回転圧縮機構部を構成する回転軸に備わる1つの偏心部により生じるアンバランスを調整するために、バランス調整用のバランサをロータ上下に備えている。 なお、2シリンダのツインロータリ圧縮機においては、回転軸に備わる2つの偏心部が正反対に位置しバランスがとれているため、バランス調整用のバランサがロータには付いていないことがある。
    そして、バランス調整用のバランサを不要とするため、ロータのコア部にバランス調整穴を用いる発明が開示されている(例えば、特許文献3参照)。

    さらに、密閉容器内に電動機部と回転圧縮機構部とが収まっているため、直流電動機(ブラシレスDCモータ)を使うと、ステータ通電時に発生する電磁騒音などによって交流型電動機(誘導モータ)に比べて騒音が増加する傾向にある。 その騒音対策の一つとして、密閉容器内において、さらに電動機部と回転圧縮機構部を円筒内に収めて二重構造にしている。

    電動機部と回転圧縮機構部とを容器内に二重構造で収める構造としては、圧縮機構部と電動機部とを覆った内筒が、外筒に連結部材で連結され、内筒に圧縮機構とステータが固定され、内筒の下端部の軸受部材により駆動軸が回転可能に支持される発明が開示されている(例えば、特許文献4参照)。
    もしくは円筒管が、その下端をシリンダの上面に当接させるとともに、その下部の内壁が上部軸受の外周部にスポット溶接により固定する発明が開示されている(例えば、特許文献5参照)。

    実開昭63−036670号公報(第3−4頁、第1図)

    特開2005−075252号公報(第5−6頁、第1図)

    特開2008−178233号公報(第5−6頁、第2図)

    特開2002−242872号公報(第3−4頁、第1図)

    特開2005−248844号公報(第3−4頁、第1図)

    (イ)特許文献1に記載された密閉型電動圧縮機では、中間部に無段変速機を有した構造で動力伝達にクラッチ機構が用いられているが、変速リングや調圧シリンダを用いる構造で調圧シリンダを片側で保持しているため、組立性が困難であるという課題があった。
    なお、回転圧縮機構部の各摺動部を潤滑する潤滑油としての冷凍機油が、密閉容器の底部に貯留する。 このため、下部に回転圧縮機構部が配置される場合、密閉容器の底部に溜められた潤滑油をクランク軸の回転による遠心力によりクランク軸の内径に沿って上昇させ、クランク軸に設けられた給油孔を経由して圧縮機構部の摺動部へ潤滑油を供給していた。 そして、夫々の給油孔から、主軸、主軸受、主軸側偏心部とピストンおよび、副軸と副軸受の間の摺動部に潤滑油が供給される。
    一方、密閉容器内の上部に回転圧縮機構部が配置されるスクロール型圧縮機の場合、密閉容器内の底部に滞留した冷凍機油は、圧縮仕事をすることで密閉容器内が高圧となり、中間圧室との差圧によりモータ軸芯を貫通する給油孔に吸い込まれ、主軸に設けられている給油孔や中間圧室に導かれる。
    そこで、密閉容器内の上部に電動機部と下部に圧縮機構部を配置された形態の中間に、遊星歯車機構などの変速機を備える圧縮機において給油性を確保する形態は、クラッチ機構部の間に油供給連結パイプを有している。 このとき、自動調圧カムとカムシリンダとの間に球を配してクラッチ間の給油性を確保しているが、クラッチの接触圧が強く働くと、圧縮機底部に滞留する冷凍機油を吸い上げる油圧とのバランスが崩れ、油の流路が閉ざされて給油性が著しく悪化するという課題があった。

    (ロ)特許文献2に記載された密閉型電動圧縮機では、圧縮機は横型の形態で、回転圧縮機構部への給油はベーンのポンプ作用を用いており、回転圧縮機構部への給油はなされるが、遊星歯車機構部への給油が不十分であるためギア噛みが発生するなど、長期信頼性において課題があった。

    (ハ)特許文献3に記載された密閉型電動圧縮機では、様々な種類があるシリンダ巾や偏心量の圧縮機に対して、バランサ不要のロータを構成する電磁鋼板の金型をそれぞれ作成、管理しなければならず、作成や管理コストが増大するという課題があった。

    (ニ)特許文献4に記載された密閉型電動圧縮機では、回転圧縮機構部から電動機部までを内筒管で覆う形態をとっているが、内筒管が長くなることでコストや使用材料の増加、重量増加という課題があった。

    (ホ)特許文献5に記載された密閉型電動圧縮機では、回転圧縮機構部の軸受と電動機部とを一体化している形態で、軸受部にスポット溶接で内筒管を取り付けるという方法だが、スポット溶接では加熱することで軸受が歪んでしまい、回転圧縮の際に冷媒漏れによる圧損で性能低下するという課題があった。

    本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、小型化した電動機を用いた場合でも、従来と同等のトルクを発生することができ、また、低コスト、組立性容易、且つ給油性確保された密閉型電動圧縮機を提供することにある。

    本発明に係る密閉型電動圧縮機は、冷媒の吸引口および吐出口を有する密閉容器と、
    該密閉容器の中に設置され、冷媒を圧縮する圧縮機構部と、
    前記密閉容器の中に設置され、前記圧縮機構部を駆動する直流電動機部と、
    を有し、
    前記直流電動機部のモータ軸と前記圧縮機構部の駆動軸とが遊星歯車機構部によって連結され、
    該遊星歯車機構部は、前記モータ軸に設置された太陽歯車と、該太陽歯車に噛み合って自転および公転する遊星歯車と、該遊星歯車に噛み合う内歯車と、前記駆動軸に設置され、前記遊星歯車を回転自在に支持して前記遊星歯車と共に公転する歯車軸とを具備することを特徴とする。

    本発明に係る密閉型電動圧縮機は、遊星歯車機構部によって、入力側のモータ軸の回転数を小さく(減速)して、出力側の駆動軸に伝達するから、低トルクで高回転型の小型化した電動機を使っても、圧縮機構部では適正な(低い)回転速度で運転され、必要なトルクを引き出すことができる。
    したがって、昨今のレアアースの入手困難性による隘路化の銅や鉄といった素材の高騰により、圧縮機の性能改善や生産コスト増大が課題となっていることや、近年の圧縮機の多様化に伴う圧縮機の小型化、軽量化の流れによる圧縮機の小型化で、電動機も小型化する必要があるため、発生トルクが大きく低下してしまうが、小型化した電動機を用いた場合でも従来と同等のトルクを発生することを可能とすることが出来る。

    本発明の実施の形態1に係る密閉型電動圧縮機を説明する縦断面図および一部を示す平面図。

    本発明の実施の形態2に係る密閉型電動圧縮機を説明する縦断面図。

    本発明の実施の形態3に係る密閉型電動圧縮機を説明する縦断面図および一部を示す平面図。

    本発明の実施の形態4に係る密閉型電動圧縮機を説明する縦断面図および一部を示す平面図。

    本発明の実施の形態5に係る密閉型電動圧縮機を説明する縦断面図。

    本発明の実施の形態6に係る密閉型電動圧縮機を説明する縦断面図。

    [実施の形態1]
    図1は本発明の実施の形態1に係る密閉型電動圧縮機を模式的に説明するものであって、(a)は縦断面図、(b)は一部を示す平面図である。 なお、各図は模式的に描いたものであって、本発明は図示された形態に限定するものではない。

    (シングルロータリ圧縮機)
    図1の(a)において、密閉型電動圧縮機(以下、「シングルロータリ圧縮機」と称す)100は、密閉容器1と、密閉容器1内の上部に固定された電動機部2、遊星歯車機構部3、圧縮機構部4を有し、密閉容器1内の底部には圧縮機構部4を潤滑するための潤滑油が封入されている。 密閉容器1の天部には吐出管6が嵌挿されている。
    電動機部2はステータ2a及びロータ2bとからなり、ロータ2bにはモータ軸7が嵌挿され、ロータ2bの回転はモータ軸7を介して遊星歯車機構部3へ伝達される。 また、モータ軸7の上端部にはロータ2bの外径よりも外径が小さい円盤状の油分離板8が保持され、ロータ2bと共に回転する。
    また、密閉容器1の外部には吸入マフラ9が設置され、吸入マフラ9は密閉容器1内の圧縮機構部4へ吸入管10にて接続されている。

    (遊星歯車機構部)
    図1の(b)において、遊星歯車機構部3は、入力側となるモータ軸7に取り付けられた外歯を具備する太陽歯車3aと、太陽歯車3aの周囲に配置され、太陽歯車3aに噛み合って、自転および公転する外歯を具備する遊星歯車3bと、遊星歯車3bの外側に配置され、遊星歯車3bに噛み合う内歯車3cと、遊星歯車3bを円周方向に等配置すると共に遊星歯車3bを自転自在に支持し、かつ、遊星歯車3bと同様に公転する歯車軸3dと、を有している。 そして、歯車軸3dは駆動軸(以下、「クランクシャフト」と称する場合がある)11に連結されている。
    このとき、太陽歯車3aには対角位置に合計2個の小さな鋳抜き孔3xが形成され、遊星歯車3bには対角位置に合計2個の小さな鋳抜き孔3yが形成され、内歯車3cには円周方向に等角配置された合計8個の小さな鋳抜き孔3zが形成され、さらに、モータ軸7には給油孔(図示しない)が設けられている。 このため、遊星歯車機構部3への給油性が向上している。 すなわち、従来に比較して、鋳抜き孔の面積や数量が減少しているから、吐出管6から冷媒回路内へ冷凍機油の油上がりが低減される。
    図1の(c)において、歯車軸3dの端面には断面矩形状の凸部3eが形成され、歯車軸3dおよび凸部3eの軸芯には給油孔3fが設けられている。 一方、駆動軸11の端面には、凸部3eが嵌合自在な凹部11aが形成され、駆動軸11の軸芯には給油孔11bが設けられている。 したがって、凸部3eを凹部11aに嵌合させるだけのワンタッチで、歯車軸3dと駆動軸11とを連結することが可能になるから、組立性が改善される。 また、給油孔3fおよび給油孔11bを備えることで給油性が損なわれることはない。 なお、凸部3eおよび凹部11aの断面形状は限定されるものではなく、例えば、六角形やセレーション等であってもよく、また、歯車軸3dに凹部を形成し、駆動軸11に該凹部に嵌合する凸部を形成してもよい。

    (圧縮機構部)
    圧縮機構部4は、いわゆるロータリ圧縮機の形態となっている。
    すなわち、圧縮機構部4は、シリンダ12と、偏心部とを有し、歯車軸3dに形成された凸部3eに凹部11aが嵌合することによって(図1の(c)参照)連結され、偏心軸を有するクランクシャフト(駆動軸に同じ)11と、前記偏心軸に回転自在に嵌挿されクランクシャフト11の回転によりシリンダ12内を公転運動するローリングピストン15と、を備えている。 そして、クランクシャフト11が回転自在に嵌挿される軸受13と、シリンダ12の上下を閉塞する端板を有する上下の軸受13、14と、ローリングピストン15の外径に一端が当接したままシリンダ12に設けられた溝内を往復運動する板状のベーン(図示せず)と、駆動軸11の上部にはクランクシャフト11の偏心部とバランス調整のためのバランサ16と、を備えている。

    (動作)
    まず、冷凍サイクルを構成する冷媒回路(図示しない)内の密閉容器1の外にある冷媒を密閉容器1内に吸入する。 かかる低圧の冷媒は、吸入管9aから吸入マフラ9を通過し、密閉容器1内に吸入され、さらに、シリンダ12内の圧縮室(図示しない)に吸入された低圧の冷媒ガスは、シリンダ12により構成される圧縮機構部4により圧縮されて軸受13に設けられた吐出ポート(図示せず)から第1吐出マフラ17を経て、吐出管6を経由して密閉容器1の外にある冷媒回路(図示しない)に吐出される。

    密閉容器1の底部には遊星歯車機構部3や圧縮機構部4を潤滑するための潤滑油が封入されており、駆動軸11の軸芯に形成された中空部に螺旋状のポンプ用羽根18が挿入されて固定されている。 したがって、駆動軸11の回転で生じる遠心ポンプ作用により潤滑油を吸引して、駆動軸11、モータ軸7の給油孔を経由して、軸受13、14の摺動部や遊星歯車機構部3を給油する。

    (作用効果)
    シングルロータリ圧縮機100は以上の構成であるから、入力側のモータ軸7の回転数に対して、出力側の駆動軸11の回転数を小さくすることが可能となる。 従って、低トルクで高回転型の小型化した電動機を使っても、遊星歯車機構部3によって圧縮機構部4では適正な(低い)回転速度で運転され、必要なトルクを引き出すことができる。
    また、給油性については、本形態によって、駆動軸11の軸芯とモータ軸7の軸芯を中空にし、軸受13、14や遊星歯車機構部3に給油されるようにすることで、各摺動部および転動部(含む、遊星歯車機構部3)に給油することができる。
    また、組立性についても、歯車軸3dの凸部3eと駆動軸11の凹部11aとの嵌合によって結合されるため、組立が容易になり、生産性が向上する。

    [実施の形態2]
    図2は本発明の実施の形態2に係る密閉型電動圧縮機を模式的に説明する縦断面図である。 なお、実施の形態1と同じ部分または相当する部分には同じ符号を付し、一部の説明を省略する。

    (ツインロータリ圧縮機)
    図2において、密閉型電動圧縮機(以下、「ツインロータリ圧縮機」と称す)200は、実施の形態1において説明した遊星歯車機構部3を有している。
    すなわち、ツインロータリ圧縮機200は、密閉容器内1の上部には電動機部2、遊星歯車機構部3、圧縮機構部20が固定され、密閉容器1の底部には圧縮機構部20を潤滑するための潤滑油が封入されている。

    (圧縮機構部)
    圧縮機構部20は、いわゆるロータリ圧縮機の形態となっている。
    すなわち、圧縮機構部20は、中間仕切板27によって仕切られた第1シリンダ21および第2シリンダ22と、駆動軸25に連結され、偏心軸を有するクランクシャフト26と、前記偏心軸に回転自在に嵌挿されクランクシャフト26の回転により第1シリンダ21および第2シリンダ22内をそれぞれ公転運動する第1ローリングピストン23および第2ローリングピストン24と、を備えている。
    そして、第1ローリングピストン23および第2ローリングピストン24の外径に一端がそれぞれ当接したまま第1シリンダ21および第2シリンダ22に設けられた溝内を往復運動する板状の第1ベーンおよび第2ベーン(図示せず)と、クランクシャフト11が回転自在に嵌挿される軸受13と、第1シリンダ21および第2シリンダ22の上下を閉塞する端板を有する上下の軸受13、14と、を備えている。
    なお、実施の形態1において説明したシングルロータリ圧縮機100に設置されていたバランサ16は、ツインロータリ圧縮機200には設置されていない。

    (動作)
    ツインロータリ圧縮機200では、電動機部2のモータ軸7に従動され、偏心方向を互いに180°ずらした(対角位置に同じ)一対の偏心部をもつ圧縮機構部20を有している。 すなわち、圧縮機構部20は、中間仕切板27を挟んで上下両側に、一対の第1シリンダ21及び第2シリンダ22を配設している。
    そして、第1シリンダ21及び第2シリンダ22に、前記偏心部(図示しない)に嵌合された第1ローリングピストン23および第2ローリングピストン24を内装すると共に、前記第1シリンダ21および第2シリンダ22の上下部位に、軸受13、14を配設する一方、軸受13、14にそれぞれ吐出マフラ17、19を取付けている。
    さらに、第1シリンダ21および第2シリンダ22内で第1ローリングピストン23および第2ローリングピストン24を、180度の位相差で回転させ、軸受13、14に設ける吐出ポート(図示せず)から第1吐出マフラ17および第2吐出マフラ19の内部に、180°の位相差で吐出ガスを開放し、駆動軸25の一回転にかかる圧縮負荷を分散し、電動機部2の負荷トルクを平均化するようにしている。

    (作用効果)
    実施形態1において説明したシングルロータリ圧縮機100と同様に、ツインロータリ圧縮機200は遊星歯車機構部3を有しているから、入力側のモータ軸7の回転数に対して、出力側の駆動軸25の回転数を小さくすることが可能となる。 従って、低トルクで高回転型の小型化した電動機部2を使っても、圧縮機構部20では適正な回転速度で運転され、必要なトルクを引き出すことができる。
    また、給油性については、シングルロータリ圧縮機100と同様、駆動軸25の軸芯とモータ軸7の軸芯を中空にし、軸受13、14や遊星歯車機構部3に給油されるようにすることで、各摺動部および転動部(含む、遊星歯車機構部3)に給油することができる。

    さらに、ツインロータリ圧縮機200においては、偏心部のバランスがとれているため、シングルロータリ圧縮機100のようなバランス調整用のバランサ16を不要とすることができ、部品点数の減少によって、低コスト化を図り、且つ、組立性を向上させることができる。
    すなわち、2シリンダのツインロータリ圧縮機200においては、回転軸に備わる2つの偏心部が正反対に位置しバランスがとれているため、バランサが不要となる。 そして、バランス調整用のバランサが圧縮機構部の駆動軸には付いておらず、ロータのコアにバランス調整孔を備える事がないため、金型作成のコストや管理コストなどが不要となり、低コストで実現することが出来る。

    [実施の形態3]
    図3は本発明の実施の形態3に係る密閉型電動圧縮機を模式的に説明するものであって、(a)は縦断面図、(b)は一部を示す平面図である。 なお、実施の形態1と同じ部分または相当する部分には同じ符号を付し、一部の説明を省略する。

    (スクロール圧縮機)
    図3の(a)において、密閉型電動圧縮機(以下、「高圧シェルタイプのフレームコンプライアントスクロール圧縮機」または「スクロール圧縮機」と称す)300は、実施の形態1において説明した遊星歯車機構部3を有している。
    図3において、スクロール圧縮機300は、密閉容器1の上部に圧縮機構部50が配置され、下部に電動機部2が配置されている。
    圧縮機構部50は、密閉容器1の内周に固定された固定スクロール51と、モータ軸7に接続された揺動スクロール52とによって圧縮室51dを形成する。
    固定スクロール51には渦巻き(スクロール曲線)状の板状渦巻歯51bが形成され、一方、揺動スクロール52の台板部52aの上面には、固定スクロール51の板状渦巻歯51bと実質的に同一形状の板状渦巻歯52bが設けられている。 そして、前者の板状渦巻歯51bと後者の板状渦巻歯52bとは、幾何学的に圧縮室51dを形成している。

    さらに、台板部52aの板状渦巻歯52bとは反対側の面の中心部には中空円筒のボス部52fが形成され、ボス部52fに主軸54aの上端の揺動軸54aが回転自在に係合している。
    また、台板部52aの板状渦巻歯52bと反対側の面には、コンプライアントフレーム53のスラスト軸受53aと圧接摺動可能なスラスト面52dが形成されている。
    揺動スクロール52の台板部52aの外周部には、固定スクロール51のオルダム案内溝51cと90度の位相差をもつオルダム案内溝52eがほぼ一直線上に2ヶ所に形成され、オルダム案内溝52eにはオルダムリング59の爪59aが往復摺動自在に係合している。
    また、台板部52aには圧縮室51dとスラスト面52dとを貫通する揺動スクロール抽出孔52jが設けられ、圧縮途中の冷媒ガスを抽出してスラスト面52dに導く構造となっている。

    コンプライアントフレーム53はその外周部に設けられた上下2つの円筒面53d、53eを、ガイドフレーム65の内周部に設けた円筒面65a、65bによって半径方向に支持されており、その中心部にはステータ2aにより回転駆動される主軸54を半径方向に支持する主軸受53cおよび副主軸受53hが形成されている。
    また、スラスト軸受53a面内から軸方向に貫通する連絡通路53sが設けられ、連絡通路53sのスラスト軸受側開口部52kは揺動スクロール抽出孔52jに対面して配置されている。

    ガイドフレーム65の外周面65gは焼嵌め、もしくは溶接などによって密閉容器1に固着されているものの、その外周部に設けた切り欠き部65c(密閉容器1との間に隙間が形成され、もしくは溶接されていない)により、固定スクロール51の吐出ポート51eから吐出される高圧の冷媒ガスを圧縮機構部50と電動機部2との間に設けられた吐出管6に導く流路は確保されている。
    また、切り欠き部65cは、吐出管6とは反対の位置(180°相違する対角位置に同じ)に設けられている。
    また、ガイドフレーム65の内周面には、コンプライアントフレーム53の外周面に形成された円筒面53d、53eと係合する円筒面65a、65b、および上側シール材66aおよび下側シール材66bを収納するシール溝が2カ所設けられている。
    上側シール材66aおよび下側シール材66bを用いて密封されたガイドフレーム65の内周面と、コンプライアントフレーム53の外周面とからなるフレーム空間65fは、コンプライアントフレーム53の連絡通路53sのみと連通しており、揺動スクロール抽出孔52jより供給される圧縮途中の冷媒ガスを封入する構造となっている。

    主軸54の上端部には、揺動スクロール52の揺動軸受52cに回転自在に係合する揺動軸54aが形成され、揺動軸54aの下側には主軸バランサ54eが焼嵌められている。 さらに、主軸バランサ54eの下には主軸部54cが形成され、主軸部54cはコンプライアントフレーム53の主軸受53cおよび副主軸受53hに回転自在に係合している。
    また、主軸54の上部副軸受70よりも下側で電動機部2の上側の位置に、遊星歯車機構部3(太陽歯車3a、遊星歯車3b、内歯車3cおよび歯車軸3dを具備する)が設置されている。 すなわち、主軸54の下部には太陽歯車3aが固定され、主軸54の下部にはモータ軸7の上部が連結され、モータ軸7の中央範囲にはロータ2bが嵌挿され、モータ軸7の下部には副軸部7bが形成されている。 そして、は副軸部7bは、サブフレーム56の副軸受56aと回転自在に係合している。

    さらに、中空のモータ軸7の下端にはオイルパイプ7cが圧入されており、密閉容器1の底部に滞留した冷凍機油(図示しない)を吸い上げる構造となっている。
    このとき、太陽歯車3a、遊星歯車3bおよび内歯車3cにはそれぞれ鋳抜き孔3x、3yおよび3zが形成され、また、上部副軸受70には対角位置に合計2個の小さな鋳抜き孔70xが形成され(図3の(b)参照)、さらに、モータ軸7には給油孔が設けられている。 このため、遊星歯車機構部3への給油性が向上している。 すなわち、従来に比較して、鋳抜き孔の面積や数量が減少しているから、吐出管6から冷媒回路内へ冷凍機油の油上がりが低減される。

    (基本動作)
    次に、スクロール圧縮機300の基本動作について説明する。
    スクロール圧縮機300の運転時には、吸入冷媒が吸入管10より吸入され、吸入冷媒は固定スクロール51の板状渦巻歯51bと揺動スクロール52の板状渦巻歯52bとによって形成される圧縮室51dに入る。
    ステータ2aにより駆動される揺動スクロール52は偏心旋回運動に伴って圧縮室51dの容積を減少させる。
    この圧縮行程により吸入冷媒は高圧となり、固定スクロール51の吐出ポート51eより密閉容器1内に吐出される。 なお、上記圧縮行程において圧縮途中の中間圧力の冷媒ガスは揺動スクロール52の揺動スクロール抽出孔52jよりコンプライアントフレーム53の連絡通路53sを経て、フレーム空間65fに導かれ、フレーム空間65fの中間圧力雰囲気を維持する。
    高圧となった吐出ガスは密閉容器1内を高圧雰囲気で満たし、吐出管6から密閉容器1の外に放出される(導かれる)。

    密閉容器1の底部の油だめ1aに貯められた冷凍機油は、差圧によりモータ軸7を軸方向に貫通する給油孔7aを通り、さらに主軸54の貫通する給油孔を通って揺動軸受空間54bに導かれる。
    揺動軸受52cの絞り作用によって中間圧力となった冷凍機油は、揺動スクロール52とコンプライアントフレーム53によって囲まれたボス部空間52hを満たし、ボス部空間52hと低圧雰囲気空間とを連絡する圧力調整弁(図示しない)を経由して低圧空間に導かれ、低圧の冷媒ガスとともに圧縮室51dに吸入される。
    圧縮行程により冷凍機油は高圧の冷媒ガスとなって、吐出ポート51eから密閉容器1内に吐出される。

    (作用効果)
    スクロール圧縮機300は、実施形態1、2に示すシングルロータリ圧縮機100、ツインロータリ圧縮機200と同様に、遊星歯車機構部3を具備するから、その機構によって、入力側のモータ軸7の回転数に対して同軸で出力側の主軸54の回転数を小さくすることが可能となる。 従って、低トルクで高回転型の小型化した電動機部2を使っても、遊星歯車機構部3によって圧縮機で適正な回転速度で運転され、必要なトルクを引き出すことができる。
    また、給油性については、上部に圧縮機構部50を有する本形態においても、主軸54の軸芯とモータ軸7の軸芯を中空にし、揺動軸受52cおよび副主軸受53h等の軸受部や遊星歯車機構部3に給油されるよう給油孔を設けているため、圧縮仕事をする際に密閉容器1内が高圧となり、中間圧室との差圧によりモータ軸芯を貫通する給油パイプに導かれ、各摺動部、遊星歯車機構部に給油することができる。

    すなわち、密閉容器1内の底部に冷凍機油が滞留する構造にしているから、圧縮機構部4が下部にあることにより、駆動軸11の軸芯に備わるポンプ羽根の作用により、圧縮機構部4への給油が容易となり、油のシール効果により圧縮機構部4の密閉性の安定、且つ、潤滑効果により駆動軸11・すべり軸受13、14などの摺動部の摩耗や軸カジリを低減することが出来る。
    さらに、密閉容器1内の底部に滞留した冷凍機油は、圧縮仕事をすることで密閉容器1内が高圧となり、中間圧室との差圧によりモータ軸7の軸芯を貫通する差圧給油用パイプに吸い込まれ、駆動軸11に設けられている給油孔や中間圧室に導かれるため、密閉容器1内の上部に圧縮機構部4が備えられている場合においても、差圧給油用の中間圧室と給油パイプを有することで、圧縮機構部4への給油が容易となり、油のシール効果により圧縮機構部4の密閉性が安定すること、且つ、潤滑効果により駆動軸・すべり軸受などの摺動部の摩耗や軸カジリを低減することが出来る。

    [実施の形態4]
    図4は本発明の実施の形態4に係る密閉型電動圧縮機を模式的に説明するものであって、(a)は縦断面図、(b)は一部を示す平面図である。 なお、実施の形態1と同じ部分または相当する部分には同じ符号を付し、一部の説明を省略する。

    (内筒式シングルロータリ圧縮機)
    図4の(a)において、密閉型電動圧縮機(以下、「内筒式シングルロータリ圧縮機」と称す)400は、実施の形態1において説明した遊星歯車機構部3を有している。
    そして、モータ軸受32と電動機部2と遊星歯車機構部3とが、これらを包含し、その端部の側面に固定部33を設けた内筒管31に固定され、一体化されている。 内筒管31は固定部33によってシリンダ12にボルト34で固定され(ボルト34に螺合するナットは図示しない)、密閉容器1の内部の上部に備わっている。
    すなわち、内筒管31等を具備し、電動機部2や遊星歯車機構部3が密閉容器1に間接的に固定される点において、電動機部2や遊星歯車機構部3が密閉容器1に直接、焼嵌や溶接等によって固定される実施の形態1で示したシングルロータリ圧縮機100と相違し、その他の点においてシングルロータリ圧縮機100と同じである。

    (作用効果)
    内筒式シングルロータリ圧縮機400は遊星歯車機構部3を具備するから、シングルロータリ圧縮機100と同様に、低トルクで高回転型の小型化した電動機部2を高回転で運転しても、遊星歯車機構部3によって圧縮機で適正な回転速度で運転されて、必要なトルクを引き出すことができる。
    また、電動機部2や遊星歯車機構部3を一体化する内筒管31が、固定部33によってシリンダ12に固定されるため、軸受が歪んだりすることなく組み立てることができ、性能低下を防止することができる。
    また、電動機部2や遊星歯車機構部3を一体化する内筒管31が、固定部33によって密閉容器1で固定されるため、運転時に内筒管31の振れ回りによる内筒式シングルロータリ圧縮機400本体の運転時振動を抑制することが出来る。

    さらに、給油性については、実施形態1、2で示したシングルロータリ圧縮機100、ツインロータリ圧縮機200と同様、駆動軸11の軸芯とモータ軸7の軸芯を中空にし、軸受13、14や遊星歯車機構部に給油されるよう給油孔を設けることで、各摺動部、遊星歯車機構部3の給油性を改善することができる。
    このとき、太陽歯車3a、遊星歯車3bおよび内歯車3cにはそれぞれ鋳抜き孔3x、3yおよび3zが形成され、また、モータ軸7には給油孔が設けられている。 このため、遊星歯車機構部3への給油性が向上している。 すなわち、従来に比較して、鋳抜き孔の面積や数量が減少しているから、吐出管6から冷媒回路内へ冷凍機油の油上がりが低減される。

    [実施の形態5]
    図5は本発明の実施の形態5に係る密閉型電動圧縮機を模式的に説明する縦断面図である。 なお、実施の形態2、4と同じ部分または相当する部分には同じ符号を付し、一部の説明を省略する。

    (内筒式ツインロータリ圧縮機)
    図5において、密閉型電動圧縮機(以下、「内筒式ツインロータリ圧縮機」と称す)500は、実施の形態2に示すツインロータリ圧縮機200において、実施の形態4に示す内筒式シングルロータリ圧縮機400に準じて、モータ軸受32と電動機部2と遊星歯車機構部3とが、これらを包含し、その端部の側面に固定部33を設けた内筒管31に固定されて一体化され、内筒管31は固定部33によって第1シリンダ21にボルト34で固定され、密閉容器1の内部の上部に配置されたものである。

    (作用効果)
    内筒式ツインロータリ圧縮機500は遊星歯車機構部3を具備するから、低トルクで高回転型の小型化した電動機部2を高回転で運転しても、遊星歯車機構部3によって圧縮機で適正な回転速度で運転されて、必要なトルクを引き出すことができる。
    また、実施の形態4に示す内筒式シングルロータリ圧縮機400と同様に、本形態によって、モータ軸受32と電動機部2と遊星歯車機構部3とが内筒管31に固定され一体化されることにより、組立性が向上し、内筒管31が短くなることによって低コスト化を図ることができる。
    また、電動機部2や遊星歯車機構部3を一体化する内筒管31が、固定部33によって第1シリンダ21に固定されるため、軸受が歪んだりすることなく組み立てることができ、性能低下を防止することができる。

    また、給油性については、実施の形態1、2、4に示したシングルロータリ圧縮機100、ツインロータリ圧縮機200、内筒式シングルロータリ圧縮機400と同様、駆動軸25軸芯とモータ軸7軸芯を中空にし、軸受13、14や遊星歯車機構部3に給油されるよう給油孔を配し、しかも、各部材に形成される鋳抜き孔の面積を小さく且つ数量を少なくすることで(図1の(b)参照)、各摺動部、遊星歯車機構部への給油性を向上させている。
    さらに、実施の形態2に示したツインロータリ圧縮機200と同様、偏心部のバランス34とれているため、バランス調整用のバランサ16を不要とすることができ、部品点数が減少し、低コスト化や組立性の容易化を図ることができる。

    [実施の形態6]
    図6は本発明の実施の形態6に係る密閉型電動圧縮機を模式的に説明する縦断面図である。 なお、実施の形態3、4と同じ部分または相当する部分には同じ符号を付し、一部の説明を省略する。

    (内筒式スクロール圧縮機)
    図6において、密閉型電動圧縮機(以下、「内筒式スクロール圧縮機」と称す)600は、実施の形態3に示すスクロール圧縮機300において、実施の形態4に示す内筒式シングルロータリ圧縮機400に準じて、モータ軸受32と電動機部2と遊星歯車機構部3とが、これらを包含し、その端部の側面に固定部33を設けた内筒管31に固定されて一体化され、内筒管31は固定部33によって上部副軸受70にボルト34で固定され、密閉容器1の内部の上部に配置されたものである。

    (作用効果)
    内筒式スクロール圧縮機600は、遊星歯車機構部3を具備するから、低トルクで高回転型の小型化した電動機部2を使っても、遊星歯車機構部3によって圧縮機で適正な回転速度で運転されて、必要なトルクを引き出すことができる。
    また、電動機部2と遊星歯車機構部3とを内筒管31に固定して一体化し、固定部33を上部副軸受70に固定することにより、実施の形態4に示した内筒式シングルロータリ圧縮機400と同様に、組立性の向上、低コスト化の推進を図っている。

    1:密閉容器、2:電動機部、2a:ステータ、2b:ロータ、3:遊星歯車機構部、3a:太陽歯車、3b:遊星歯車、3c:内歯車、3d:歯車軸、3e:凸部、3f:給油孔、3x:鋳抜き孔、3y:鋳抜き孔、3z:鋳抜き孔、4:圧縮機構部、6:吐出管、7:モータ軸、7a:給油孔、7b:副軸部、7c:オイルパイプ、8:油分離板、9:吸入マフラ、9a:吸入管、10:吸入管、11:駆動軸(クランクシャフト)、11a:凹部、11b:給油孔、12:シリンダ、13:軸受、14:軸受、15:ローリングピストン、16:バランサ、17:第1吐出マフラ、18:ポンプ用羽根、19:第2吐出マフラ、20:圧縮機構部、21:第1シリンダ、22:第2シリンダ、23:第1ローリングピストン、24:第2ローリングピストン、25:駆動軸、26:クランクシャフト、27:中間仕切板、31:内筒管、32:モータ軸受、32x:鋳抜き孔、33:固定部、34:ボルト、50:圧縮機構部、51:固定スクロール、51b:板状渦巻歯、51c:オルダム案内溝、51d:圧縮室、51e:吐出ポート、52:揺動スクロール、52a:台板部、52b:板状渦巻歯、52c:揺動軸受、52d:スラスト面、52e:オルダム案内溝、52f:ボス部、52h:ボス部空間、52j:揺動スクロール抽出孔、52k:スラスト軸受側開口部、53:コンプライアントフレーム、53a:スラスト軸受、53c:主軸受、53d:円筒面、53e:円筒面、53h:副主軸受、53s:連絡通路、54:主軸、54a:揺動軸、54b:揺動軸空間、54c:主軸部、54e:主軸バランサ、56:サブフレーム、56a:副軸受、59:オルダムリング、59a:爪、65:ガイドフレーム、65a:円筒面、65c:切り欠き部、65f:フレーム空間、65g:外周面、66a:上側シール材、66b:下側シール材、70:上部副軸受、70x:鋳抜き孔、100:シングルロータリ圧縮機(実施の形態1)、200:ツインロータリ圧縮機(実施の形態2)、300:スクロール圧縮機(実施の形態3)、400:内筒式シングルロータリ圧縮機(実施の形態4)、500:内筒式ツインロータリ圧縮機(実施の形態5)、600:内筒式スクロール圧縮機(実施の形態6)。

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