回転式ポンプ、及び、これを用いる燃料蒸気漏れ検出装置

申请号 JP2013261268 申请日 2013-12-18 公开(公告)号 JP2015117617A 公开(公告)日 2015-06-25
申请人 株式会社デンソー; 发明人 安坂 大樹; 加藤 康夫;
摘要 【課題】 効率的に 流体 を移動する回転式ポンプを提供する。 【解決手段】 回転トルクを発生する駆動部49に接続するシャフト45は、第1回転部材46と係合しつつ、ワンウェイクラッチ48を介して第2回転部材47と接続している。ワンウェイクラッチ48は、シャフト45の矢印R12の方向の回転を第2回転部材47に伝達し、シャフト45の矢印R12とは反対の方向の回転が第2回転部材47に伝達されることを防止する。シャフト45が矢印R12の方向に回転するとき、第1回転部材46及び第2回転部材47の両方が回転し、第1空間410及び第2空間420の気体が外部連通孔411から排出される。シャフト45が矢印R12とは反対の方向に回転するとき、第1回転部材47のみ回転し、第1空間410の気体のみが外部連通孔412から排出される。これにより、単位時間当たりに移動可能な気体の体積を変更することができる。 【選択図】 図3
权利要求

外部と連通する二つの外部連通孔(411、412)を有するポンプケーシング(400)と、 前記ポンプケーシング内を前記二つの外部連通孔に連通する第1空間(410)と第2空間(420)とに区画し、前記第1空間と前記第2空間とを連通する二つの内部連通孔(436、437)を有する区画部材(432)と、 前記第1空間に回転可能に収容される第1回転部材(46)と、 前記第2空間に回転可能に収容される第2回転部材(47)と、 回転トルクを前記第1回転部材のみに伝達または前記第1回転部材及び前記第2回転部材の両方に伝達を切り替えるトルク切替手段(45、48、49、55、59)と、 を備えることを特徴とする回転式ポンプ(40、50)。前記トルク切替手段は、前記第1回転部材及び前記第2回転部材に挿通されるシャフト(45)、前記シャフトと前記第2回転部材との間に設けられ、前記シャフトの一方の方向の回転を前記第2回転部材に伝達し、前記シャフトの他方の方向の回転を前記第2回転部材に伝達されることを防止する逆入遮断クラッチ(48)、及び、前記シャフトを回転駆動する駆動部(49)を有することを特徴とする請求項1に記載の回転式ポンプ(40)。燃料タンク(5)および前記燃料タンク内の燃料蒸気を吸着するキャニスタ(6)の燃料蒸気漏れを検出する燃料蒸気漏れ検出装置(7)であって、 前記キャニスタに連通するキャニスタ接続通路(211)を形成するキャニスタ接続通路形成部材(21)と、 大気と連通する大気通路(28)を形成する大気通路形成部材(28)と、 前記キャニスタ接続通路に連通可能な圧力検出通路(251)を形成する圧力検出通路形成部材(25)と、 前記キャニスタ接続通路を前記圧力検出通路に連通または前記大気通路に連通を選択的に切替可能な切替弁(30)と、 前記切替弁が前記キャニスタ接続通路と前記圧力検出通路とを連通するとき前記燃料タンク内および前記キャニスタ内を減圧し、前記キャニスタ内の燃料蒸気を内燃機関(10)に接続する吸気通路(161)に供給するとき前記キャニスタ内を加圧する請求項2に記載の回転式ポンプと、 前記切替弁をバイパスし、前記キャニスタ接続通路と前記圧力検出通路とを連通する切替弁バイパス通路(261)を形成するバイパス通路形成部材(26)と、 前記バイパス通路形成部材に設けられる絞り部(27)と、 前記圧力検出通路の圧力を検出し、検出される前記圧力検出通路の圧力に応じた信号を出力する圧力検出手段(24)と、 を備えることを特徴とする燃料蒸気漏れ検出装置。前記トルク切替手段は、前記第1回転部材に挿通されかつ前記第2回転部材に係合可能に設けられるシャフト(55)、及び、前記シャフトを前記第1回転部材のみに係合または前記第1回転部材及び前記第2回転部材の両方に係合するよう前記シャフトを回転駆動する駆動部(59)を有することを特徴とする請求項1に記載の回転式ポンプ(50)。前記シャフトは、前記第1回転部材に係合する第1シャフト部(551)、及び、前記第1シャフト部に収容され前記第2回転部材と係合可能な第2シャフト部(552)とから形成され、 前記第2シャフト部は、前記シャフトの回転速度が所定の値より速くなると、前記第1シャフト部から突出し前記第2回転部材に係合することを特徴とする請求項4に記載の回転式ポンプ(50)。燃料タンク(5)および前記燃料タンク内の燃料蒸気を吸着するキャニスタ(6)の燃料蒸気漏れを検出する燃料蒸気漏れ検出装置(7)であって、 前記キャニスタに連通するキャニスタ接続通路(211)を形成するキャニスタ接続通路形成部材(21)と、 大気と連通する大気通路(28)を形成する大気通路形成部材(28)と、 前記キャニスタ接続通路に連通可能な圧力検出通路(251)を形成する圧力検出通路形成部材(25)と、 前記キャニスタ接続通路を前記圧力検出通路に連通または前記大気通路に連通を選択的に切替可能な切替弁(30)と、 前記切替弁が前記キャニスタ接続通路と前記圧力検出通路とを連通するとき前記燃料タンク内および前記キャニスタ内を加圧または減圧し、前記キャニスタ内の燃料蒸気を内燃機関(10)に接続する吸気通路(161)に供給するとき前記キャニスタ内を加圧する請求項4または5に記載の回転式ポンプと、 前記切替弁をバイパスし、前記キャニスタ接続通路と前記圧力検出通路とを連通する切替弁バイパス通路(261)を形成するバイパス通路形成部材(26)と、 前記バイパス通路形成部材に設けられる絞り部(27)と、 前記圧力検出通路の圧力を検出し、検出される前記圧力検出通路の圧力に応じた信号を出力する圧力検出手段(24)と、 を備えることを特徴とする燃料蒸気漏れ検出装置。

说明书全文

本発明は、回転式ポンプ、及び、これを用いる燃料蒸気漏れ検出装置に関する。

従来、燃料タンク及び燃料タンク内の燃料蒸気を吸着するキャニスタの燃料蒸気漏れを検出する燃料蒸気漏れ検出装置が知られている。燃料蒸気漏れ検出装置は、燃料タンク内およびキャニスタ内を加圧または減圧するポンプ、燃料タンク及びキャニスタとポンプとを接続する接続配管、燃料タンク内およびキャニスタ内の圧を検出する圧力センサ、及び、ポンプが大気から吸引する空気に含まれる異物を除去する大気フィルタなどを備える。例えば、特許文献1には、キャニスタに二つの接続配管を介して接続するポンプを備える燃料蒸気漏れ検出装置が記載されている。

特開2007−32523号公報

特許文献1に記載の燃料蒸気漏れ検出装置では、二つの接続配管の一方の接続配管を使って燃料タンク内及びキャニスタ内を減圧し、燃料タンク及びキャニスタからの燃料蒸気漏れを検出する。このため、一方の接続配管は、高差圧の条件下でかつ比較的小さい流量の気体が流れるよう形成されている。また、二つの接続配管の他方の接続配管は、キャニスタ内を加圧し、キャニスタ内の燃料蒸気を内燃機関に接続する吸気管に供給する。このため、他方の接続配管は、低差圧の条件下でかつ比較的大きい流量の気体が流れるよう形成されている。圧力損失が異なる二つの接続配管に対して一つのポンプによって気体を移動する場合、圧力損失が大きい一方の接続配管の仕様に合わせてポンプの性能が決定される。このため、圧力損失が小さい他方の接続配管に対して使用するとき、大きな消費電力に関わらず効率的に気体を移動することができない。

本発明の目的は、効率的に流体を移動する回転式ポンプを提供することにある。

本発明は、回転式ポンプであって、ポンプケーシング、区画部材、第1回転部材、第2回転部材、及び、トルク切替手段、を備える。外部と連通する二つの外部連通孔を有するポンプケーシング内を当該二つの外部連通孔に連通する第1空間と第2空間とに区画する区画部材は、第1空間と第2空間とを連通する二つの内部連通孔を有する。第1回転部材は、第1空間に回転可能に収容される。第2回転部材は、第2空間に回転可能に収容される。トルク切替手段は、回転トルクを第1回転部材のみに伝達、または、第1回転部材及び第2回転部材の両方に伝達を切り替えることを特徴とする。

本発明の回転式ポンプでは、ポンプケーシング内で内部連通孔を通って連通している第1空間と第2空間とを有している。第1空間と第2空間は、それぞれ第1回転部材と第2回転部材とを収容している。トルク切替手段が第1回転部材のみに回転トルクを伝達するとき、第1回転部材が回転し、第1空間の流体は二つの外部連通孔を通るよう移動する。また、トルク切替手段が第1回転部材及び第2回転部材の両方に回転トルクを伝達するとき、第1回転部材は第1空間において回転し、第2回転部材は第2空間において回転する。第1回転部材が回転すると第1空間の流体は二つの外部連通孔を通るよう移動する。また、第2回転部材が回転すると第2空間の流体は二つの内部連通孔を通って第1空間に流出入するよう移動する。これにより、トルク切替手段におけるトルクの伝達を切り替えることによって、一つの回転式ポンプにおいて比較的小さい流量の流体を送る場合と比較的大きい流量の流体を送る場合とを選択することができる。したがって、好適な消費電力において効率的に流体を移動することができる。

本発明の第1実施形態による回転式ポンプを用いた蒸発燃料処理装置の概念図である。

本発明の第1実施形態による回転式ポンプの断面図である。

本発明の第1実施形態による回転式ポンプの作用を説明する断面図である。

本発明の第2実施形態による回転式ポンプの断面図である。

本発明の第2実施形態による回転式ポンプの作用を説明する断面図である。

以下、本発明の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。

(第1実施形態) 本発明の第1実施形態による回転式ポンプを用いる燃料蒸気漏れ検出装置7を備える蒸発燃料処理装置を図1から図3に示す。 図1に示す蒸発燃料処理装置1は、燃料タンク5、キャニスタ6、燃料蒸気漏れ検出装置7、および、ECU8などから構成される。蒸発燃料処理装置1では、燃料タンク5内で発生する蒸発燃料をキャニスタ6が回収する。キャニスタ6は、回収した蒸発燃料をエンジン10に接続する吸気管16が形成する吸気通路161にパージする。

燃料タンク5は、エンジン10に供給される燃料を貯留する。燃料タンク5は、第1パージ管11を介してキャニスタ6と接続する。第1パージ管11は、燃料タンク5内とキャニスタ6内を連通する第1パージ通路111を形成する。

キャニスタ6は、燃料タンク5内で発生する蒸発燃料を回収するキャニスタ吸着材601を有する。燃料タンク5内で発生する蒸発燃料は、第1パージ通路111を通りキャニスタ吸着材601に吸着されることにより回収される。 キャニスタ6は、第2パージ通路131を形成する第2パージ管13を介して吸気管16と接続する。第2パージ管13にはパージ弁14が設けられる。パージ弁14は電磁弁であり、パージ弁14の開度が制御されることによってキャニスタ6から吸気通路161のスロットル弁18の下流側に供給される蒸発燃料の量が調整される。

燃料蒸気漏れ検出装置7は、キャニスタ接続通路211を形成する「キャニスタ接続通路形成部材」としてのキャニスタ接続管21を介してキャニスタ6と接続している。燃料蒸気漏れ検出装置7は、燃料タンク5、キャニスタ6、第1パージ管11及び第2パージ管13の燃料蒸気漏れを検出する。また、燃料蒸気漏れ検出装置7は、キャニスタ6に回収されている蒸発燃料を吸気管16に供給するとき、キャニスタ6内を加圧する。燃料蒸気漏れ検出装置7の作用の詳細は後述する。

燃料蒸気漏れ検出装置7は、回転式ポンプ40、切替弁30、「圧力検出手段」としての圧力センサ24、大気フィルタ23、及び、これらを接続する複数の配管などを有する。

回転式ポンプ40は、圧力センサ24が設けられる「圧力検出通路形成部材」としての圧力検出管25を介して切替弁30と接続する。回転式ポンプ40は、圧力検出管25、切替弁30、キャニスタ接続管21、キャニスタ6、および第1パージ管11を介して燃料タンク5内を減圧する。このとき、圧力検出管25に設けられる「圧力検出手段」としての圧力センサ24は、圧力検出管25が有する圧力検出通路251の圧力を検出することによって燃料タンク5内の圧力を検出する。また、回転式ポンプ40は、大気通路28及び大気フィルタ23を介して大気と接続している。回転式ポンプ40は、圧力検出管25、切替弁30、キャニスタ接続管21を介してキャニスタ6内を加圧する。このとき、キャニスタ吸着材601に吸着されている蒸発燃料がキャニスタ吸着材601から脱離し、吸気通路161に供給される。回転式ポンプ40の構造の詳細は後述する。

切替弁30は、ECU8からの通電の有無によって、キャニスタ接続通路211を大気通路281に連通したり、圧力検出通路251に連通したりする。具体的には、切替弁30に電流が供給されていないとき、図1に示すように、切替弁30はキャニスタ接続通路211と大気通路281とを連通する。また、切替弁30に電流が供給されるとき、切替弁30は、キャニスタ接続通路211と圧力検出通路251とを連通する。

また、切替弁30への通電に有無に関わらず、「バイパス通路形成部材」としてのバイパス通路管26が形成する切替弁バイパス通路261を通ってキャニスタ接続通路211と圧力検出通路251とは連通している。切替弁バイパス通路261は、「絞り部」としての基準オリフィス27を有する。基準オリフィス27の内径は、燃料タンク5からの燃料蒸気を含む気体の漏れの許容量の上限値となる穴の大きさに対応している。

大気フィルタ23は、「大気通路形成部材」としての大気通路管28に設けられている。キャニスタ6のキャニスタ吸着材601に蒸発燃料が吸着される場合、回転式ポンプ40が燃料タンク5内を減圧する場合、または、燃料タンク5内に燃料が供給される場合、燃料タンク5内またはキャニスタ6内の気体が大気フィルタ23を通って外部の大気に排出される。一方、キャニスタ6に吸着した蒸発燃料を吸気管16に供給する場合、外部の空気が大気フィルタ23を通って回転式ポンプ40または切替弁30に導入される。このとき、大気フィルタ23は導入される空気に含まれる異物を回収する。なお、図1中の矢印F0は燃料蒸気漏れ検出装置7と外部の大気とにおける気体の流れを示している。

ECU8は、演算手段としてのCPU、ならびに、記憶手段としてのRAMおよびROM等を有するマイクロコンピュータ等から構成されている。ECU8は、燃料蒸気漏れ検出装置7が有する「圧力検出手段」としての圧力センサ24、回転式ポンプ40、および、切替弁30のコイル301と電気的に接続する。ECU8には、圧力センサ24が検出する圧力検出通路251の圧力に応じた信号が入力される。また、ECU8は、回転式ポンプ40の駆動を制御する信号を出力する。また、ECU8は、切替弁30への通電を制御する。

第1実施形態による回転式ポンプ40では、その構造に特徴がある。ここでは、図2、3に基づいて、回転式ポンプ40の詳細な構造を説明する。なお、図2、3には、回転式ポンプ40が燃料蒸気漏れ検出装置7に設けられるとき、回転式ポンプ40の内部と連通する通路の方向を示してある。具体的には、紙面の左側は、圧力検出通路251と連通する側であり「圧力検出通路方向」とする。また、紙面の右側は、大気通路281と連通する側であり「大気通路方向」とする。

回転式ポンプ40は、内部に収容されている回転部材の回転によって流体を特定の方向に送る容積ポンプであって、例えば、第1実施形態による回転式ポンプ40は、ベーン式ポンプである。回転式ポンプ40は、第1筒部材41、第2筒部材42、第1平板部材431、「区画部材」としての中間部材432、第2平板部材433、シャフト45、第1回転部材46、第2回転部材47、「逆入力遮断クラッチ」としてのワンウェイクラッチ48、駆動部49などを有する。シャフト45、ワンウェイクラッチ48、及び、駆動部49は、特許請求の範囲に記載の「トルク切替手段」に相当する。

第1筒部材41は、略円筒状に形成される樹脂部材である。第1筒部材41は、外壁に第1筒部材41の内部と外部とを連通する二つの外部連通孔411、412を有する。外部連通孔411は、圧力検出通路251と連通する。外部連通孔412は、大気通路281と連通する。

第2筒部材42は、略円筒状に形成される樹脂製部材である。第2筒部材42は、内径が第1筒部材41の内径と同じになるよう形成されている。

第1平板部材431は、略平板状に形成されている。第1平板部材431は、第1筒部材41の第2筒部材42が設けられる側とは反対側の端部に接続している。第1平板部材431の中心からずれた位置には、シャフト45が挿通される挿通孔434が形成されている。

第2平板部材433は、略平板状に形成されている。第2平板部材433は、第2筒部材42の第1筒部材41が設けられる側とは反対側の端部に接続している。第2平板部材433の中心からずれた位置には、シャフト45の端部を軸受けする軸受け438が形成されている。

中間部材432は、略平板状に形成されている。中間部材432は、第1筒部材41と第2筒部材42との間に設けられ、第1筒部材41、第2筒部材42、第1平板部材431、及び、第2平板部材433により形成されるポンプケーシング400を、第1筒部材41、第1平板部材431、及び、中間部材432により形成される第1空間410と第2筒部材42、第2平板部材433、及び、中間部材432により形成される第2空間420とに区画する。

また、中間部材432は、中間部材432の中心を挟んだ位置に二つの内部連通孔435、436を有する。内部連通孔435、436は、それぞれ独立して第1空間410と第2空間420とを連通する。中間部材432の中心からずれた位置にはシャフト45が挿通される挿通孔437が形成されている。

複数の締結部材44は、図2に示すように、第1平板部材431、第1筒部41、中間部材432、第2筒部材42、第2平板部材433をそれぞれの径方向外側において締結する。

シャフト45は、略棒状に形成されている。シャフト45は、第1平板部材431の挿通孔434、中間部材432の挿通孔437に挿通されている。一方の端部は、第1平板部材431の外部側に設けられる駆動部49に接続している。他方の端部は、第2平板部材433の軸受け438に回転可能に支持されている。

第1回転部材46は、第1空間410に収容されている。第1回転部材46は、ロータ461、複数のベーン462などから構成されている。 ロータ461は、シャフト45と係合しており、シャフト45の回転にあわせて回転可能に設けられている。 ベーン462は、ロータ461が有する複数の溝463に径方向に移動可能に収容されている。ロータ461が回転すると、ベーン462は、遠心力によって第1筒部材41の内壁に摺動しつつシャフト45と同じ方向に回転する。

第2回転部材47は、第2空間420に収容されている。第2回転部材47は、ロータ471、複数のベーン472などから構成されている。

ロータ471は、後述するワンウェイクラッチ48を介してシャフト45に接続している。ロータ471は、シャフト45が「一方の方向」としての紙面の上側から視て時計周りに回転するとき、ワンウェイクラッチ48によってシャフト45の回転トルクが伝達され、時計周りに回転する。一方、シャフト45が「他方の方向」としての紙面の上側から視て反時計周りに回転するとき、ワンウェイクラッチ48によってシャフト45の回転トルクの伝達が遮断され、ロータ471は回転しない

ベーン472は、ロータ471が有する複数の溝473に径方向に移動可能に収容されている。ベーン472は、ロータ471が回転すると、遠心力によって第2筒部材42の内壁に摺動しつつシャフト45と同じ方向に回転する。

駆動部49は、ECU8からの入力に応じて、シャフト45を時計周りまたは反時計周りに回転する駆動力を発生する。

次に第1実施形態の燃料蒸気漏れ検出装置7の作用を説明する。 燃料蒸気漏れ検出装置7の一つの作用として、回転式ポンプ40によって燃料タンク5内やキャニスタ6内などを減圧し、燃料タンク5やキャニスタ6などの燃料蒸気漏れを検出する。以下にその詳細を示す。

車両に搭載されたエンジン10の運転が停止されてから所定の期間が経過すると、ECU8が図示しないソークタイマで起動される。最初に、車両が駐車されている高度による誤差を補正するため、大気圧の検出が行われる。コイル301に通電していないとき、大気通路281は、切替弁30を通してキャニスタ接続通路211と連通している。また、キャニスタ接続通路211は、切替弁バイパス通路261を通って圧力検出通路251に連通している。すなわち、圧力検出通路251は、大気と連通している。これにより、圧力検出管25に設置される圧力センサ24により大気圧が検出される。大気圧の検出が完了すると、ECU8は検出された圧力から車両が駐車されている場所の高度を算定する。

次に、回転式ポンプ40に通電する。このとき、駆動部49は、図2に示すように、シャフト45を反時計周り(矢印R11の方向)に回転する。シャフト45が反時計周りに回転すると、第1空間410に収容されている第1回転部材46は反時計周りに回転する。一方、第2空間420に収容されている第2回転部材47はワンウェイクラッチ48によってシャフト45の回転トルクが伝達されないため、回転しない。これにより、第1空間410の空気は、大気通路方向に送られる。したがって、図2の矢印F11、F12に示すように、圧力検出通路251側から大気通路281側に気体が流れ、圧力検出通路251が減圧される。圧力検出通路251が減圧されると、大気通路281、切替弁30、キャニスタ接続通路211、及び、切替弁バイパス通路261を経由して大気が圧力検出通路251へ流入する。圧力検出通路251に流入する空気は基準オリフィス27によって絞られるため、圧力検出通路251の圧力は低くなる。圧力検出通路251の圧力は、基準オリフィス27の開口面積に対応する所定の圧力まで低下した後、一定となる。検出される圧力検出通路251の圧力は基準圧力として記録される。

基準圧力が検出されると、切替弁30のコイル301に通電される。これにより、切替弁30は、キャニスタ接続通路211と大気通路281とを遮断し、キャニスタ接続通路211と圧力検出通路251とを連通するよう切り替えられる。キャニスタ接続通路211と圧力検出通路251とが連通すると、燃料タンク5は圧力検出通路251と連通し、圧力検出通路251の圧力は燃料タンク5と同一になる。

キャニスタ接続通路211と圧力検出通路251とが連通するとシャフト45が矢印R11の方向に回転している回転式ポンプ40によって燃料タンク5の内部は減圧される。

回転式ポンプ40の作動の継続によって、圧力検出通路251、すなわち、燃料タンク5の内部の圧力が先に検出した基準圧力よりも低下する場合、燃料タンク5からの燃料蒸気を含む気体の漏れは許容量以下であると判断される。すなわち、燃料タンク5の内部の圧力が基準圧力よりも低下する場合、燃料タンク5の外部から内部へ空気の侵入がないか、または侵入する空気が基準オリフィス27を通過可能な流量以下である。そのため、燃料タンク5の気密は十分に確保されていると判断される。

一方、燃料タンク5の内部の圧力が基準圧力まで低下しない場合、燃料タンク5からの燃料蒸気を含む気体の漏れが許容量を超過していると判断される。すなわち、燃料タンク5の内部の圧力が基準圧力まで低下しない場合、燃料タンク5の内部の減圧にともなって燃料タンク5には外部から空気が侵入していると考えられる。これにより、燃料タンク5の気密は十分に確保されていないと判断される。

燃料タンク5の気密の判断が完了すると、切替弁30への通電を停止し再度基準圧力を確認した後、回転式ポンプ40への通電を停止する。ECU8は、圧力検出通路251の圧力が大気圧に回復したことを検出した後、圧力センサ24の作動を停止させ、燃料蒸気漏れ検出処理を終了する。

また、燃料蒸気漏れ検出装置7のもう一つの作用として、キャニスタ6のキャニスタ吸着材601に吸着されている燃料蒸気を吸気管16に供給する。以下にその詳細を示す。

車両が走行しているとき、切替弁30のコイル301及び回転式ポンプ40に通電する。これにより、切替弁30は、キャニスタ接続通路211と大気通路281とを遮断し、キャニスタ接続通路211と圧力検出通路251とを連通するよう切り替えられる。また、回転式ポンプ40では、駆動部49が図3の矢印R12に示すように、シャフト45を時計周りに回転する。シャフト45が時計周りに回転すると、第1空間410に収容されている第1回転部材46は時計周りに回転する。また、第2空間420に収容されている第2回転部材47は、ワンウェイクラッチ48によって時計周りの回転トルクが伝達され、時計周りに回転する。第2回転部材47が回転すると、内部連通孔436を通って第1空間410の流体が第2空間420に流入し(矢印F15)、内部連通孔435を通って第1空間410に流出する(矢印F16)。これにより、第1空間410及び第2空間420の空気は、圧力検出通路方向に流れる。したがって、図3の矢印F13、F14に示すように、大気通路281側から圧力検出通路251側に空気が流れ、圧力検出通路251が加圧される。圧力検出通路251の加圧によって、切替弁30、及び、キャニスタ接続通路211を経由して空気がキャニスタ6内へ流入する。キャニスタ6内では、キャニスタ吸着材601に吸着されている蒸発燃料が回転式ポンプ40によって流入した空気に同伴され、第2パージ通路131を通って吸気管16に供給される。

第1実施形態による回転式ポンプ40では、内部を第1空間410及び第2空間420の二つの空間に区画し、それぞれの空間にロータ及び複数のベーンから構成される第1回転部材46及び第2回転部材47を収容している。シャフト45が反時計回りに回転するとき、第1回転部材46のみ反時計回りに回転し、第2回転部材47は、ワンウェイクラッチ48によって回転しない。これにより、回転式ポンプ40は、比較的小さい流量の気体を燃料タンク5などの内部から大気に送る。また、シャフト45が時計回りに回転するとき、第1回転部材46及び第2回転部材47の両方が時計回りに回転する。これにより、回転式ポンプ40は、比較的大きい流量の気体を大気からキャニスタ6内に送る。

第1実施形態による回転式ポンプ40は、蒸発燃料処理装置1の作動内容に応じて単位時間当たりに移動可能な気体の体積を変更する。具体的には、燃料タンク5やキャニスタ6などの燃料蒸気漏れ検出処理を行うとき、比較的大きい差圧条件下で気体を移動させるため比較的小さな体積の気体を移動させることができるよう第1回転部材46のみを回転させる。また、キャニスタ吸着材601に吸着されている蒸発燃料を吸気管16に供給するとき、比較的小さい差圧条件下で気体を移動させるため比較的大きな体積の気体を移動させることができるよう第1回転部材46及び第2回転部材47を回転させる。これにより、回転式ポンプ40に作用する負荷に応じて単位時間当たりに移動可能な気体の体積を変更することができる。したがって、効率的に燃料タンク5内やキャニスタ6内などを加圧または減圧することができる。

また、従来、圧力損失が異なる複数の配管に対して効率的に加圧または減圧する場合、圧力損失の大きさに応じて性能が異なる複数のポンプを備える必要があった。しかしながら、複数のポンプを備えるため製造コストが増大するだけでなく、装置の構成が複雑になるおそれがあった。 第1実施形態による回転式ポンプ40では、二つの回転部材をそれぞれ収容する二つの空間を組み合わせることによって、圧力損失が異なる複数の配管に対して適した流量の気体を送ることができる。これにより、一つのポンプによって複数のポンプの機能を担うことができ、製造コストを低減できる。また、装置の構成を簡単にすることができる。

(第2実施形態) 次に、本発明の第2実施形態による回転式ポンプを図4、5に基づいて説明する。第2実施形態は、第1実施形態と異なり、シャフトの形状及び第2回転部材のロータの形状が異なる。なお、第1実施形態と実質的に同一の部位には同一の符号を付し、説明を省略する。

蒸発燃料処理装置に用いられる第2実施形態による回転式ポンプ50は、図4に示すように、第1筒部材41、第2筒部材42、第1平板部材431、中間部材432、第2平板部材433、シャフト55、第1回転部材46、第2回転部材57、駆動部59などを有する。回転式ポンプ50を用いる蒸発燃料処理装置では、燃料タンク5内やキャニスタ6内などを加圧または減圧することによって、燃料タンク5などの燃料蒸気漏れを検出する。シャフト55、及び、駆動部59は、特許請求の範囲に記載の「トルク切替手段」に相当する。

シャフト55は、第1シャフト部551、及び、第2シャフト部552から形成されている。シャフト55は、第1平板部材431の挿通孔434、中間部材432の挿通孔437に挿通されている。

第1シャフト部551は、有底筒状に形成されている。一方の端部は、第1平板部材431の外部側に設けられる駆動部59に接続している。一方の端部の反対側には、開口553を有する凹部554を有する。第1シャフト部551は、第1回転部材46のロータ461に係合している。第1シャフト部551が回転すると、ロータ461は第1シャフト部551の回転方向と同じ方向に回転する。

第2シャフト部552は、略柱状に形成されている。第2シャフト部552は、外径が第1シャフト部551に比べ外径が小さくなるよう形成され、第1シャフト部551内に収容されている。第2シャフト部552は、第1シャフト部551に対して軸方向に往復移動可能に設けられている。

第2回転部材57は、第2空間420に収容されている。第2回転部材57は、ロータ571、複数のベーン572などから構成されている。

ロータ571は、略中央に第2シャフト部552が挿通可能な挿通孔574を有している。挿通孔574に第2シャフト部552が挿通されると、ロータ571と第2シャフト部552とは係合する。ロータ571と第2シャフト部552とが係合すると、ロータ571は、第2シャフト部552の回転方向と同じ方向に回転する。 ベーン572は、ロータ571が有する複数の溝573に径方向に移動可能に収容されている。ベーン572は、ロータ571が回転すると、遠心力によって第2筒部材42の内壁に摺動しつつ第2シャフト部552と同じ方向に回転する。

駆動部59は、ECU8からの入力に応じて、シャフト55を紙面の上側から視て時計周りまたは反時計周りに回転する駆動力を発生する。駆動部59は、シャフト55の回転速度を変更することが可能である。

回転式ポンプ50を用いる蒸発燃料処理装置では、燃料タンク5内やキャニスタ6内などを減圧することによって燃料タンク5などの燃料蒸気漏れを検出する場合、回転式ポンプ50の駆動部59が比較的低速でシャフト55を図4に示す矢印R21の方向に回転する。シャフト55を比較的低速で回転すると、第1シャフト部551のみが第1回転部材56のロータ561に係合するため、第1回転部材56のみ回転する。これにより、第1空間410の空気は、大気通路方向に送られる。したがって、図4の矢印F21、F22に示すように、圧力検出通路251側から大気通路281側に気体が流れ、圧力検出通路251が減圧される。燃料タンク5内やキャニスタ6内などを減圧することによって燃料タンク5などの燃料蒸気漏れを検出する方法は、第1実施形態と同様である。

また、燃料タンク5内やキャニスタ6内などを加圧することによって燃料タンク5などの燃料蒸気漏れを検出する場合、回転式ポンプ50の駆動部59が比較的低速でシャフト55を図4に示す矢印R21とは反対の方向に回転する。シャフト55を比較的低速で回転すると、第1シャフト部551のみが第1回転部材56のロータ561に係合するため、第1回転部材56のみ回転する。これにより、第1空間410の空気は、燃料通路方向に送られる。したがって、大気通路281側から圧力検出通路251側に気体が流れ、圧力検出通路251が加圧される。圧力検出通路251が加圧されると、切替弁バイパス通路261、キャニスタ接続通路211、切替弁30、及び、大気通路281を経由して気体が大気へ流出する。大気に流出する空気は基準オリフィス27によって絞られるため、圧力検出通路251の圧力は高くなる。圧力検出通路251の圧力は、基準オリフィス27の開口面積に対応する所定の圧力まで高くなった後、一定となる。検出される圧力検出通路251の圧力は基準圧力として記録される。

基準圧力が検出されると、切替弁30のコイル301に通電されると、燃料タンク5は圧力検出通路251と連通し、圧力検出通路251の圧力は燃料タンク5と同一になる。 回転式ポンプ50の作動の継続によって、燃料タンク5の内部の圧力が先に検出した基準圧力よりも高くなる場合、燃料タンク5からの燃料蒸気を含む気体の漏れは許容量以下であると判断される。すなわち、燃料タンク5の気密は十分に確保されていると判断される。一方、燃料タンク5の内部の圧力が基準圧力まで高くならない場合、燃料タンク5からの燃料蒸気を含む気体の漏れが許容量を超過していると判断される。すなわち、燃料タンク5の気密は十分に確保されていないと判断される。

また、キャニスタ6内を加圧しキャニスタ吸着材601に吸着されている燃料蒸気を吸気管16に供給する場合、回転式ポンプ50の駆動部59が比較的高速でシャフト55を図5に示す矢印R22の方向に回転する。シャフト55が比較的高速で回転すると、第2シャフト部552が駆動部59とは反対の方向に移動し、第2回転部材57のロータ571に係合する。これにより、第1回転部材46及び第2回転部材57の両方が回転する。第2回転部材57が回転すると、内部連通孔436を通って第1空間410の流体が第2空間420に流入し(矢印F25)、内部連通孔435を通って第1空間410に流出する(矢印F26)。これにより、第1空間410及び第2空間420の空気は、圧力検出通路方向に流れる。したがって、図5の矢印F23、F24に示すように、大気通路281側から圧力検出通路251側に空気が流れ、圧力検出通路251が加圧される。

第2実施形態による回転式ポンプ50では、駆動部59がシャフト55を回転する回転速度によってシャフト55が係合する回転部材が切り替えられる。これにより、回転式ポンプ50に作用する負荷に応じて単位時間当たりに移動可能な気体の体積を変更することができる。したがって、第2実施形態による回転式ポンプ50は、第1実施形態と同じ効果を奏する。

(他の実施形態) (ア)上述の実施形態では、回転式ポンプは、蒸発燃料処理装置が備える燃料蒸気漏れ検出装置に用いられるとした。しかしながら、回転式ポンプが用いられる装置はこれに限定されない。異なる圧力損失の配管に対して減圧または加圧する装置に用いられてもよい。

(イ)上述の実施形態では、回転式ポンプは、気体を移動するために用いられるとした。しかしながら、回転式ポンプは液体を移動するために用いられてもよい。

(ウ)第1実施形態では、「トルク切替手段」としてワンウェイクラッチを備えるとした。また、第2実施形態では、「トルク切替手段」として回転速度によって延び縮みするシャフトを備えるとした。しかしながら、「トルク切替手段」の構成はこれに限定されない。

以上、本発明はこのような実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲の種々の形態で実施可能である。

40、50 ・・・回転式ポンプ、 400 ・・・ポンプケーシング、 410 ・・・第1空間、 411、412 ・・・外部連通孔、 420 ・・・第2空間、 432 ・・・中間部材(区画部材)、 436、437 ・・・内部連通孔、 45、55 ・・・シャフト(トルク切替手段)、 46 ・・・第1回転部材、 47、57 ・・・第2回転部材、 48 ・・・ワンウェイクラッチ(逆入力遮断クラッチ、トルク切替手段)、 49、59 ・・・駆動部(トルク切替手段)。

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