Rotary compressor

申请号 JP2009095844 申请日 2009-04-10 公开(公告)号 JP5504681B2 公开(公告)日 2014-05-28
申请人 パナソニック株式会社; 发明人 大輔 船越; 飯田  登; 健 苅野; 雅夫 中野; 澤井  清;
摘要
权利要求
  • シリンダと、
    前記シリンダ内に配置される、シャフトの偏心部と、
    前記偏心部に嵌合され、円弧角が180°超の円柱状の溝が形成されたピストンと、
    前記シリンダに形成されたスロット内に挿入され、該シリンダ内の空間を高圧側と低圧側とに仕切り、かつ前記溝に係合する円柱状の円柱部を有するベーンと、
    を備えるロータリ圧縮機であって、
    前記溝の円弧の延長線が前記ピストンの外周線より内側にあ り、前記ベーンの二側面の中心面に対して前記円柱部が前記高圧側に寄っていることを特徴とする、ロータリ圧縮機。
  • 前記ベーンの二側面のどちらか一方にマークがあることを特徴とする、請求項 に記載のロータリ圧縮機。
  • 说明书全文

    本発明は、シリンダに形成されたスロット内に挿入され、圧縮室を高圧側と低圧側とに仕切り、かつ円柱状の円柱部を有するベーンを備えるロータリ圧縮機に関する。

    従来、冷凍装置や空気調和装置などにおいては、蒸発器で蒸発したガス冷媒を吸入し、吸入したガス冷媒を凝縮するために必要な圧まで圧縮して冷媒回路中に高温高圧のガス冷媒を送り出す圧縮機が使用されている。 このような圧縮機の一つとして、ローリングピストン型ロータリ圧縮機(以下、単にロータリ圧縮機という)が知られている。

    図10は、従来のロータリ圧縮機の一例を示す部分縦断面図である。 また、図11は、図10に示すロータリ圧縮機の、面A−Aに沿う横断面を示す図である。

    図10,11に例示されるように、ロータリ圧縮機においては、電動機202と圧縮機構部203とがシャフト231で連結して密閉容器201内に収納される。 圧縮機構部203は、シリンダ230と、該シリンダ230の上端面及び下端面を閉塞する上軸受234及び下軸受235とを備えている。 シリンダ230、上軸受234及び下軸受235により、圧縮室239と呼ばれる空間が形成される。

    圧縮室239内には、上軸受234及び下軸受235に支持されるシャフト231の偏心部231aに嵌合されたピストン232が備わる。 圧縮室239内にはさらに、ピストン232の外周の偏心回転に追従して往復運動し、圧縮室239内を低圧側と高圧側とに仕切るベーン233が備わる。

    シャフト231には、中心軸に沿って油穴241が形成されると共に、上軸受234の下端部分及び下軸受235の上端部分に近接する部分には、油穴241に連通した給油穴242及び給油穴243が設けられている。 また、シャフト231において、偏心部231aに近接する部分には、上記油穴241に連通した給油穴244が設けられる。 また、シャフト231の外周には、この給油穴244の開口部分を通る油溝245が形成されている。

    シリンダ230には、圧縮室239の低圧側にガスを吸入する吸入ポート240が開通されており、上軸受234には、低圧側から転じて形成される圧縮室239の高圧側からガスを吐出する吐出ポート238が開通されている。 吐出ポート238は、上軸受234を貫通する平面視で円形の孔として形成される。 また、上軸受234において吐出ポート238の上方に相当する部分には、所定の大きさ以上の圧力を吐出ポート238から受けた場合に開放される吐出弁236が設けられる。 上軸受234にはさらに、吐出弁236を覆うように、カップマフラ−237が配置されている。

    以上のような構成のロータリ圧縮機において、圧縮室239の低圧側では、ピストン232とシリンダ230の摺接部分が偏心回転により吸入ポート240を通過し始めると、吸入室が徐々に拡大する。 この間、吸入ポート240から吸入室内にガスが吸入される。 一方、高圧側では、ピストン232の摺動部が吐出ポート238へと、圧縮室239を徐々に縮小しながら近づいていき、所定圧力以上に圧縮された時点で吐出弁236が開いて吐出ポート238からガスが流出する。 流出したガスは、カップマフラ−237により密閉容器201内に吐出される。

    上記の構成では、ピストン232とベーン233の先端との摺動部分では、オイルが保持されにくく、摺動性が厳しい。 つまり油膜が形成され難いため、金属接触が起こり、磨耗が起こりやすい。 さらに、近年の代替冷媒の移行により、非共沸混合冷媒のR407CやR410Aを従来のロータリ圧縮機で使用すると、これら冷媒自身の潤滑性が悪いため、上記摺動部分での磨耗がさらに発生しやすい。

    このような磨耗を解決手段がいくつか提案されている。 図12は、上記磨耗の問題の一解決手段である揺動ピストン型ロータリ圧縮機の要部を示す横断面図である。 図12において、このピストン型ロータリ圧縮機は、シリンダ130と、シリンダ130内に配置されたクランク軸131の偏心部131aに嵌合されたピストン132と、シリンダ130に形成されたスロット130b内を往復運動してピストン132が揺動自由に接続されるベーン133とを備えている。 このように、ピストン132を揺動自由にすることで、ピストン132とベーン133の先端の揺動部にオイルが保持されやすくなり、それによって油膜が形成されやすくなるため、ベーン133の先端の信頼性を大幅に向上させることが出来る(例えば特許文献1を参照)。

    特開2000−120572号公報

    しかしながら、図12に示す揺動ピストン型ロータリ圧縮機では、ピストン132とベーン133の揺動部には必ず隙間を設けなければならないため、前述のローリングピストン型と較べて、揺動部の隙間を通じて、圧縮室の高圧側から低圧側へとガスやオイルの漏れが生じやすい。 その結果、従来の揺動ピストン型では圧縮損失が増加し、圧縮機の効率が低下するという課題があった。

    それゆえに、本発明は、圧縮室の高圧側から低圧側へのガスやオイルの漏れが生じにくいロータリ圧縮機を提供することを目的とする。

    上記目的を達成するために、本発明は、シリンダと、シリンダ内に配置される、シャフトの偏心部と、偏心部に嵌合され、円弧が180°超の円柱状の溝が形成されたピストンと、シリンダに形成されたスロット内に挿入され、該シリンダ内の空間を高圧側と低圧側とに仕切り、かつ溝に係合する円柱状の円柱部を有するベーンと、を備えるロータリ圧縮機であって、溝の円弧の延長線がピストンの外周線より内側にあることを特徴とする。

    上記構成によれば、ピストンに形成される溝の円弧部分を増加させることが出来るため、高圧側と低圧側とのシール幅が増加する。 これにより、ベーンがスロット内を往復運動する際に、高圧側から低圧側へのガスやオイルの漏れを最小限に抑制できるので、高い効率を持ったロータリ圧縮機を提供することが可能となる。

    本発明の一実施形態に係る揺動ピストン型ロータリ圧縮機の部分縦断面図

    図1に示すロータリ圧縮機の圧縮機構の拡大図

    図1に示すシャフト31が一回転する間における圧縮機構部3の状態遷移を示す図

    図1,2に示すピストン32とベーン33との分解斜視図

    溝32aの延長線Laがピストン32の延長線Lbより内側にある場合の模式図

    溝32aの延長線Laがピストン32の延長線Lbより外側にある場合の模式図

    図2に示すベーン33の二側面の中心平面Pcを基準として、円柱部33aが圧縮室39の高圧側に寄せられる場合を示す模式図

    図2に示すベーン33の二側面の中心平面Pcを基準として、円柱部33aが圧縮室39の低圧側に寄せられる場合を示す模式図

    図4に示すベーン33に設けられるマーク33cを例示する図

    従来のローリングピストン型ロータリ圧縮機の縦断面図

    図10に示すローリングピストン型ロータリ圧縮機の圧縮機構部を示す横断面図

    従来の揺動ピストン型ロータリ圧縮機の圧縮機構部を示す横断面図

    本発明は、シリンダと、シリンダ内に配置される、シャフトの偏心部と、偏心部に嵌合され、円弧角が180°超の円柱状の溝が形成されたピストンと、シリンダに形成されたスロット内に挿入され、該シリンダ内の空間を高圧側と低圧側とに仕切り、かつ溝に係合する円柱状の円柱部を有するベーンとを備えるロータリ圧縮機であって、溝の円弧の延長線がピストンの外周線より内側にあることを特徴とする。

    上記構成にて溝の円弧部を増加させることが出来ることから、高圧側と低圧側とのシール幅が増加する。 これによって、ベーンがスロット内を往復運動する際に、圧縮機の高圧側から低圧側へのガスやオイルの漏れを減少させることができ、その結果、ロータリ圧縮機の効率が向上する。 また、ピストンの溝を加工する際に、最初にピストンに穴を空け、その後に円弧部以外の加工を施すことが出来る。 これにより、溝の円弧部の真円度や直角度などの加工精度が向上し、加工コストを低減できるとともに、ロータリ圧縮機の効率も向上する。

    好ましくは、ベーンの二側面の中心面に対して円柱部が高圧側に寄っている。 ここで、ロータリ圧縮機では、ピストンとベーンの運動中の接触をさけるためどちらか一方に逃がし部分を設ける必要がある。 その逃がし部分の高圧側では、トップクリアランスボリュームとなり、吸入時に再膨張することにより損失となる。 しかし、上記構成を採用することで高圧側の逃がし量が減ることから、トップクリアランスボリュームを減らすことができ、圧縮機の効率が向上する。

    さらに好ましくは、ベーンの二側面のどちらか一方にマークがあることを特徴とする。 このマークは組み立て時に、ベーンの上下を判断する目印とすることができるので、ロータリ圧縮機の組み立て間違いによるロスを減少することが可能となる。

    ロータリ圧縮機では、作動流体として、高圧冷媒であるCO が用いられることが可能である。 CO に関しては、差圧が大きく、摺動損失や漏れ損失が大きいが、円柱部と溝とを上記のようにすることで、作動流体としてCO を用いるのにより好適になる。 これにより、圧縮機の効率と信頼性を向上させることが可能となる。

    ロータリ圧縮機では、作動冷媒として炭素と炭素間に2重結合を有するハイドロフルオロオレフィンをベース成分とし、2重結合を有しないハイドロフルオロカーボンと混合した冷媒を用いることが可能である。 この冷媒は、塩素を含まないため摺動部分の信頼性が非常に厳しい。 しかし、溝を上記のようにし、この冷媒を用いることで、より効果的に圧縮機の効率と信頼性を向上させることが可能となる。 また、この冷媒に関しては、オゾン破壊が無く、地球温暖化係数が低いため、地球に優しい空調サイクルの構成に寄与することが可能となる。

    以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。

    図1は、本発明の一実施形態に係る揺動ピストン型ロータリ圧縮機の部分縦断面図である。 図2は、図1に示すロータリ圧縮機の圧縮機構の拡大図である。

    図1,2において、ロータリ圧縮機においては、電動機2と圧縮機構部3とがシャフト31で連結して密閉容器1内に収納される。 圧縮機構部3は、シリンダ30と、該シリンダ30の上端面及び下端面を閉塞し、シャフト31を支持する上軸受34及び下軸受35とを備えている。 シリンダ30、上軸受34及び下軸受35により、圧縮室39と呼ばれる空間が形成される。

    圧縮室39内には、シャフト31の偏心部31aに嵌合されたピストン32が備わる。 圧縮室39内にはさらに、ピストン32の外周の偏心回転に追従して往復運動し、圧縮室39内を低圧側と高圧側とに仕切るベーン33が備わる。 ベーン33の本体部分は、シリンダ30に設けられたスロット30b内に往復運動可能に挿入される。

    シャフト31には、中心軸に沿って油穴41が形成されると共に、上軸受34の下端部分及び下軸受35の上端部分に近接する部分には、油穴41に連通した給油穴42及び給油穴43が設けられている。 また、シャフト31において偏心部31aに近接する部分には、上記油穴41に連通した給油穴44が設けられる。 また、シャフト31の外周には、この給油穴44の開口部分を通る油溝45が形成されている。

    シリンダ30には、圧縮室39の低圧側にガスを吸入する吸入ポート40が開通されており、上軸受34には、低圧側から転じて形成される圧縮室39の高圧側からガスを吐出する吐出ポート38が開通されている。 吐出ポート38は、上軸受34を貫通する平面視で円形の孔として形成される。 また、上軸受34において吐出ポート38の上方には、所定の大きさ以上の圧力を吐出ポート38から受けた場合に開放される吐出弁36が設けられる。 上軸受34にはさらに、吐出弁36を覆うように、カップマフラ−37が配置されている。

    ここで、図3は、図1に示すシャフト31が一回転する間における圧縮機構部3の状態遷移を示す図である。 なお、図3では、ベーン33の円柱部33aがシリンダ30の内壁に最も近接する位置を0度としている。 図3において、低圧側では、ピストン32とシリンダ30との摺接部分は、吸入ポート40を通過すると、ガスの吸入室を徐々に拡大しながら吸入ポート40から離れていく。 この間、吸入ポート40から吸入室内にガスが吸入される。 一方、高圧側では、ピストン32の摺動部が圧縮室を徐々に縮小しながら吐出ポート38へ近づいていき、圧縮室39内のガスが所定圧力以上に圧縮された時点で吐出弁36(図1参照)が開き、吐出ポート38からガスが流出する。 流出したガスは、図1に示すカップマフラ−37より密閉容器1内、より具体的には圧縮機構部3の外側である高圧の吐出空間52に吐出される。 一方、偏心部31a、上軸受34及びピストン32の各内周面の間には空間46(図2参照)があり、偏心部31a、下軸受け35及びピストン32の各内周面との間には空間47(図2参照)がある。 その空間46,47には、油穴41から給油穴42,43を経て油が漏れ込んでくる。 また、この空間46,47は、ほぼ常に、圧縮室39の内部の圧力より高い状態にある。

    図4は、図1,2に示すピストン32とベーン33との分解斜視図である。 図3において、ベーン33は、円柱形状を有する円柱部33aを先端部分に有する。 また、ピストン32には、この円柱部33aの直径と概ね同径で、円弧角が180°超の円柱状の溝32aが形成されている。 円柱部33aはこの溝32aに揺動自在に嵌合して、両者は接続される。

    ここで、図5に示すように、溝32aの円弧の延長線Laはピストン32の外周線の延長線Lbより内側にある。 延長線Laが延長線Lbより内側にあると、溝32aの円弧部分を大きく増加させることが出来ることから、圧縮室39における高圧側と低圧側のシール幅が増加し、ガスやオイルの漏れが減少することにより、圧縮機の効率が向上する。 また、ピストン32の溝32aを加工する際に、最初にピストン32に穴を空け、その後に円弧部以外の加工を施すことが出来る。 これにより、溝32aの円弧部の真円度、直角度などの加工精度が向上し、加工コストを低減できるとともに、効率も向上する。

    それに対し、図6に示すように、延長線Laが延長線Lbより外側にあると、溝32aの円弧部が減少し、シール幅も減少する。

    また、好ましくは、図7に示すように、スロット30bの内壁と接するベーン33の二側面の中心平面Paを基準として、円柱部33aの中心平面Pbは圧縮室39の高圧側に寄せられる。 ここで、揺動ピストン型ロータリ圧縮機では、ピストン32とベーン33の運動中の接触をさけるためどちらか一方に逃がし部分を設ける必要があり、その逃がし部分の高圧側はトップクリアランスボリュームVとなる。 このトップクリアランスボリュームVはガス吸入時に再膨張するため、損失となる。 より具体的には、図8に示すように、中心平面Pcと円柱部33aの軸心Xを一致させるか、中心平面Paに対して円柱部33aを低圧側に寄せてしまうと、高圧側のトップクリアランスボリュームVが大きくなってしまう。 それに対し、図7に示すように、円柱部33aは圧縮室39の高圧側に寄せることにより、高圧側のトップクリアランスボリュームVを小さくすることが可能となるため、吸入時における損失が減少し、圧縮機の効率が向上する。

    また、図9に示すように、ベーン33の上端面か下端面のどちらか一方に、例えば小さなくぼみをマーク33cとして設けることが好ましい。 これにより、組み立て時に上下方向を判断する目印となり、組み立て間違いによるロスを減少することが可能となる。

    また、本圧縮機は、作動流体としてCO を用いるのに好適である。 CO は、差圧が大きく、漏れ損失と摺動損失が大きいが、本実施形態に係るピストン32とベーン33を採用することにより、より効果的に圧縮機の効率と信頼性の向上が可能となる。

    また、作動流体として炭素と炭素間に2重結合を有するハイドロフルオロオレフィンをベース成分とし、2重結合を有しないハイドロフルオロカーボンと混合した冷媒が本圧縮機に用いられる。 この冷媒は塩素を含まないため摺動部の信頼性が非常に厳しいが、本実施形態に係るピストン32とベーン33を採用することにより、より効果的に信頼性と効率を向上することが出来る。 さらに、オゾン破壊のないまた地球温暖化係数の低い冷媒であるため地球に優しい空調サイクルを構成することができる。

    本発明にかかるロータリ圧縮機は、圧縮室の高圧側から低圧側へのガスやオイルの漏れが生じにくく、給湯器装置、空気調和機、冷凍冷蔵庫、除湿機等に好適である。

    30 シリンダ30b スロット31 シャフト31a 偏心部32 ピストン32a 溝33 ベーン33a 円柱部La 延長線(溝の円弧側)
    Lb 延長線(ピストン外周側)

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