スクロール圧縮機

申请号 JP2016559765 申请日 2014-11-20 公开(公告)号 JP6320562B2 公开(公告)日 2018-05-09
申请人 三菱電機株式会社; 发明人 河村 雷人; 関屋 慎; 若本 慎一; 角田 昌之;
摘要
权利要求

密閉容器と、 前記密閉容器内に収容された電動要素と、 前記密閉容器内に収容され、前記電動要素の回転軸部によって駆動されるスクロール圧縮要素と、 前記密閉容器内において前記電動要素と前記スクロール圧縮要素との間に配置され、前記スクロール圧縮要素を支持するフレームと、 を備え、 前記スクロール圧縮要素は、第1渦巻体を備え前記フレームに対して固定された固定スクロールと、前記第1渦巻体と噛み合わされ前記第1渦巻体との間に圧縮室を形成する第2渦巻体を備え、前記固定スクロールに対して揺動する揺動スクロールと、を有しており、 前記密閉容器内において前記フレームよりも前記電動要素側には、外部から吸入されたガス冷媒が流入する第1空間が形成されており、 前記第1渦巻体及び前記第2渦巻体の外周側には、第1連通路及び第2連通路をそれぞれ介して前記第1空間と連通した第2空間が形成されており、 前記第1渦巻体の巻き終わり部は、前記ガス冷媒を前記第2空間から前記圧縮室内に吸入させる第1吸入口を形成するものであり、 前記第2渦巻体の巻き終わり部は、前記ガス冷媒を前記第2空間から前記圧縮室内に吸入させる第2吸入口を形成するものであり、 前記第1連通路における前記第2空間側の開口端は、前記回転軸部の中心軸を中心として、前記第1吸入口からの度が前記第1渦巻体の渦巻伸開方向に0°より大きく180°以下となる位置に配置されており、 前記第2連通路における前記第2空間側の開口端は、前記中心軸を中心として、前記第2吸入口からの角度が前記第2渦巻体の渦巻伸開方向に0°より大きく180°以下となる位置に配置されており、 前記第2空間の外周面のうち、周方向において前記第1連通路の前記開口端と前記第1吸入口との間には、前記第1吸入口に向かう方向に液冷媒を噴射する第1インジェクションポートが設けられており、 前記第2空間の外周面のうち、周方向において前記第2連通路の前記開口端と前記第2吸入口との間には、前記第2吸入口に向かう方向に液冷媒を噴射する第2インジェクションポートが設けられているスクロール圧縮機。前記第2空間の外周側には、前記第1インジェクションポート及び前記第2インジェクションポートに連通する冷媒流路が設けられている請求項1に記載のスクロール圧縮機。前記冷媒流路は、前記フレームの外周面に周方向に延伸して設けられた溝部内に形成されている請求項2に記載のスクロール圧縮機。前記第1渦巻体の巻き終わり部には、当該巻き終わり部から延長した仮想渦巻線よりも外周側に延びて形成され、前記第1インジェクションポートから噴射された前記液冷媒を前記第1吸入口に誘導する第1流れガイドが設けられており、 前記第2渦巻体の巻き終わり部には、当該巻き終わり部から延長した仮想渦巻線よりも外周側に延びて形成され、前記第2インジェクションポートから噴射された前記液冷媒を前記第2吸入口に誘導する第2流れガイドが設けられている請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のスクロール圧縮機。前記中心軸を中心として前記第1吸入口と前記第1インジェクションポートとがなす角度は、前記中心軸を中心として前記第1インジェクションポートと前記第1連通路の前記開口端とがなす角度よりも小さく、 前記中心軸を中心として前記第2吸入口と前記第2インジェクションポートとがなす角度は、前記中心軸を中心として前記第2インジェクションポートと前記第2連通路の前記開口端とがなす角度よりも小さい請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載のスクロール圧縮機。前記第1インジェクションポートの先端部及び前記第2インジェクションポートの先端部はノズル形状を有する請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載のスクロール圧縮機。

说明书全文

本発明は、スクロール圧縮機に関するものである。

ビル用マルチエアコンなどの空気調和装置は、例えば建物外に配置された室外ユニット(熱源機)と、建物内に配置された室内ユニットと、が冷媒配管を介して接続された構成を有している。空気調和装置では、冷媒回路内を循環する冷媒から空気に対して放熱又は吸熱させることにより、空調対象空間の暖房又は冷房が行われる。空気調和装置を構成する圧縮機では、吐出温度が高くなると、冷凍機油やシール材の温度が保証温度を超えてしまう場合がある。このため、圧縮機には、吐出温度を低下させる対策が必要となる。

特許文献1には、インジェクション回路を備えた空気調和装置が記載されている。この空気調和装置のインジェクション回路は、冷媒熱交換器と負荷側絞り装置との間で主回路の冷媒配管を分岐させたインジェクション管により、バイパス用絞り装置、冷媒熱交換器、第1開閉弁及び圧縮機のインジェクションポートを順次接続した構成を有している。圧縮機では、主回路を経て吸入された冷媒が中間圧まで圧縮された後で、インジェクション回路からインジェクションされる冷媒が合流される。そして、合流した冷媒は、高圧圧力まで圧縮されて吐出される。

また、特許文献2には、インジェクション管を備えたスクロール圧縮機が記載されている。このスクロール圧縮機では、固定スクロール歯の外端と可動スクロール歯の外端とが、互いに近接した位置に設けられている。可動スクロール歯の外端の外面側及び内面側のそれぞれには、圧縮室へ冷媒ガスを導く取入口が形成されている。取入口の近傍には、隔壁部によってポケット部が形成されている。ポケット部の下方には、ポケット部に向かって油又は液冷媒を放出するためのインジェクション管が配置されている。

特開2008−138921号公報

特開2000−054972号公報

しかしながら、特許文献1に記載された構成では、圧縮機の中間圧力部分に冷媒がインジェクションされる。このため、圧力の異なる冷媒が混合することで混合損失が生じ、圧縮機の性能が低下してしまうという問題点があった。

また、特許文献2に記載された構成では、可動スクロールの公転周期において取入口が閉じる回転位相又は取入口の流路が狭くなる回転位相で、インジェクションされた液冷媒が渦巻体の端部で跳ね返り、冷凍機油の貯留されている容器底部に逆流する場合がある。この場合、冷凍機油が液冷媒で希釈されることにより、軸受部等の摺動部位に給油される冷凍機油の粘度が低下するため、圧縮機の信頼性が低下してしまうという問題点があった。

本発明は、上述のような問題点の少なくとも1つを解決するためになされたものであり、吐出温度の低下を可能としつつ、信頼性及び性能を向上できるスクロール圧縮機を提供することを目的とする。

本発明に係るスクロール圧縮機は、密閉容器と、前記密閉容器内に収容された電動要素と、前記密閉容器内に収容され、前記電動要素の回転軸部によって駆動されるスクロール圧縮要素と、前記密閉容器内において前記電動要素と前記スクロール圧縮要素との間に配置され、前記スクロール圧縮要素を支持するフレームと、を備え、前記スクロール圧縮要素は、第1渦巻体を備え前記フレームに対して固定された固定スクロールと、前記第1渦巻体と噛み合わされ前記第1渦巻体との間に圧縮室を形成する第2渦巻体を備え、前記固定スクロールに対して揺動する揺動スクロールと、を有しており、前記密閉容器内において前記フレームよりも前記電動要素側には、外部から吸入されたガス冷媒が流入する第1空間が形成されており、前記第1渦巻体及び前記第2渦巻体の外周側には、第1連通路及び第2連通路それぞれ介して前記第1空間と連通した第2空間が形成されており、前記第1渦巻体の巻き終わり部、前記ガス冷媒を前記第2空間から前記圧縮室内に吸入させる第1吸入口を形成するものであり、前記第2渦巻体の巻き終わり部は、前記ガス冷媒を前記第2空間から前記圧縮室内に吸入させる第2吸入口を形成するものであり、前記第1連通路における前記第2空間側の開口端は、前記回転軸部の中心軸を中心として、前記第1吸入口からの度が前記第1渦巻体渦巻伸開方向に0°より大きく180°以下となる位置に配置されており、前記第2連通路における前記第2空間側の開口端は、前記中心軸を中心として、前記第2吸入口からの角度が前記第2渦巻体の渦巻伸開方向に0°より大きく180°以下となる位置に配置されており、前記第2空間の外周面のうち周方向において前記第1連通路の前記開口端と前記第1吸入口との間には、前記第1吸入口に向かう方向に液冷媒を噴射する第1インジェクションポートが設けられており、前記第2空間の外周面のうち、周方向において前記第2連通路の前記開口端と前記第2吸入口との間には、前記第2吸入口に向かう方向に液冷媒を噴射する第2インジェクションポートが設けられているものである。

本発明によれば、インジェクションポートから噴射された液冷媒が第1空間に逆流することを抑制できるため、冷凍機油が液冷媒で希釈されるのを防止することができる。したがって、吐出温度の低下を可能としつつ、スクロール圧縮機の信頼性を向上することができる。また、本発明によれば、第2空間での冷媒の流れを一方向に整流化することができるため、第2空間内での流体損失を低減することができる。したがって、スクロール圧縮機の性能を向上することができる。

本発明の実施の形態1に係るスクロール圧縮機300の概略構成を示す縦断面図である。

図1のII−II断面を示す断面図である。

本発明の実施の形態1に係るスクロール圧縮機300を含む冷凍サイクル装置の概略構成を示す冷媒回路図である。

図2に示した断面における第1渦巻体1b及び第2渦巻体2bの1周期分の相対的な揺動動作を示す図である。

本発明の実施の形態2に係るスクロール圧縮機300の概略構成を示す縦断面図である。

図5のVI−VI断面を示す断面図である。

本発明の実施の形態3に係るスクロール圧縮機300の第1渦巻体1b及び第2渦巻体2bの構成を示す断面図である。

本発明の実施の形態4に係るスクロール圧縮機300の第1渦巻体1b及び第2渦巻体2bの構成を示す断面図である。

本発明の実施の形態5に係るスクロール圧縮機300のインジェクションポート202a付近の構成を示す断面図である。

実施の形態1. 本発明の実施の形態1に係るスクロール圧縮機について説明する。図1は、本実施の形態に係るスクロール圧縮機300の概略構成を示す縦断面図である。スクロール圧縮機300は、流体(例えば、ガス冷媒)を圧縮して吐出する流体機械であり、例えば冷蔵庫や冷凍庫、自動販売機、空気調和装置、冷凍装置、給湯機等に用いられる冷凍サイクル装置の構成要素の一つとなるものである。本実施の形態に係るスクロール圧縮機300は、低圧シェル型の縦置き型圧縮機である。図1では、流体の流れを矢印で示している。なお、図1を含む以下の図面では、各構成部材の相対的な寸法の関係や形状等が実際のものとは異なる場合がある。

図1に示すように、スクロール圧縮機300は、流体を圧縮するスクロール圧縮要素80と、スクロール圧縮要素80を駆動する電動要素81とが、密閉容器100内に収容された構成を有している。スクロール圧縮要素80は、フレーム7によって支持されている。フレーム7は、密閉容器100の内周面に焼嵌め等により固定されている。フレーム7は、密閉容器100内においてスクロール圧縮要素80と電動要素81との間に配置されている。電動要素81の下方には、サブフレーム9が設けられている。サブフレーム9は、サブフレームプレート8を介して密閉容器100の内周面に固定されている。密閉容器100の底部には油溜め部15が形成されている。油溜め部15には、軸受部等の摺動部位を潤滑する冷凍機油が貯留される。

密閉容器100内においてフレーム7よりも下方(すなわち、電動要素81側)には、外部から吸入された流体(本例では、低圧のガス冷媒)が流入する第1空間70(吸入空間)が形成されている。密閉容器100の側面には、外部からの流体を第1空間70に吸入する吸入管101が接続されている。また、密閉容器100の側面であって吸入管101よりも上方には、外部から導入される流体(本例では、低圧の液冷媒、又は液冷媒を含む二相冷媒)を後述する第2空間71に注入するインジェクション管201a、201bが接続されている(詳細は後述)。

スクロール圧縮要素80は、固定スクロール1と、固定スクロール1の下方に配置された揺動スクロール2と、を有している。固定スクロール1は、フレーム7の筒状開口部を塞ぐようにフレーム7上端部に対して固定されている。固定スクロール1は、台板部1aと、台板部1aの一方の表面(本例では下面)に立設されたインボリュート曲線状の第1渦巻体1bと、を備えている。固定スクロール1の中心部には、圧縮された流体を吐出する吐出ポート4が形成されている。吐出ポート4の出口側には、リード弁構造の吐出弁11が設けられている。吐出弁11から吐出された流体は、吐出マフラ12内の空間を経て、スクロール圧縮要素80よりも上方の第3空間72(吐出空間)に流出するようになっている。密閉容器100の上面には、第3空間72内の流体を外部に吐出する吐出管102が接続されている。

揺動スクロール2は、フレーム7内の筒状空間に収容されている。揺動スクロール2は、不図示のオルダム機構により、固定スクロール1に対して自転することなく揺動するようになっている。揺動スクロール2は、台板部2aと、台板部2aの一方の面(本例では上面)に立設されたインボリュート曲線状の第2渦巻体2bと、を備えている。台板部2aの他方の面は、フレーム7に形成されたスラスト面によって軸方向に支承されるようになっている。また、台板部2aの他方の面の略中心部には、有底円筒形状の揺動軸受2cが形成されている。揺動軸受2cには、揺動スクロール2を揺動運動させるために揺動スクロール2を支承するスライダ5が回転自在に収められている。スライダ5には、後述する回転軸部6の上端に設けられた偏心軸部6aが挿入されている。

電動要素81は、密閉容器100の内周面に焼嵌め等により固定された電動機固定子110と、電動機固定子110の内周側に回転自在に収容される電動機回転子111と、電動機回転子111に焼嵌め等により固定された回転軸部6(主軸)と、を有している。電動機固定子110は、フレーム7と電動機固定子110との間に設けられたガラス端子(図示せず)に、リード線を介して接続されている。電動機固定子110には、ガラス端子及びリード線を介して外部から電力が供給される。電動機回転子111は、電動機固定子110に電力が供給されることによって回転駆動し、回転軸部6を介して揺動スクロール2に駆動力を伝達するようになっている。

回転軸部6において電動機回転子111よりも上方の主軸部6bは、フレーム7に設けられた主軸受7bによって半径方向に軸支されている。主軸受7bは、フレーム7に設けられたボス部内周に、滑り軸受に使用される銅鉛合金等の軸受材料が圧入等によって固定されることにより形成されている。主軸部6bは、スリーブ13を介して主軸受7bに嵌入しており、潤滑油による油膜を介して主軸受7bに対し摺動する。回転軸部6の上端には、主軸部6bに対して偏心した偏心軸部6aが設けられている。

回転軸部6において電動機回転子111よりも下方の副軸部6cは、サブフレーム9に設けられた副軸受10によって半径方向に軸支されている。本例の副軸受10は玉軸受を備えているが、別の軸受構成を備えていてもよい。副軸部6cは、副軸受10に嵌入しており、潤滑油による油膜を介して副軸受10に対し摺動する。

主軸部6b及び副軸部6cの軸心は、回転軸部6の軸心と一致している。回転軸部6の上部及び電動機回転子111の下部には、スクロール圧縮機300の回転系全体のバランシングを行うための第1バランスウェイト60及び第2バランスウェイト61が取り付けられている。回転軸部6の下端には、容積型ポンプ等のポンプ要素112が設けられている。ポンプ要素112は、油溜め部15に貯留された冷凍機油を主軸受7b等の摺動部位に供給するものである。ポンプ要素112は、サブフレーム9に取り付けられており、その上端面で回転軸部6を軸方向に支承している。

図2は、図1のII−II断面を示す断面図である。図2では、インジェクションされる流体の流れを矢印で示している。図2に示すように、固定スクロール1の第1渦巻体1bと揺動スクロール2の第2渦巻体2bとは、互いに逆位相(位相差180°)となるように配置され、相互に噛み合わされている。第1渦巻体1bの渦巻伸開方向、及び第2渦巻体2bの渦巻伸開方向は、いずれも図2中の時計回り方向である。第1渦巻体1bと第2渦巻体2bとの間には、流体を圧縮する圧縮室が形成される。

第1渦巻体1b及び第2渦巻体2bの外周側であってフレーム7の内壁面よりも内周側には、環状の第2空間71が形成されている。第2空間71は、フレーム7を上下方向に貫通して形成された連通路7c、7dを介して、第1空間70に連通している。連通路7c、7dの第2空間71側の開口端7c1、7d1の位置については後述する。

第2渦巻体2bの渦巻の巻き終わり部2b1は、隣接する第1渦巻体1bの外周面との間に、吸入口40aを形成する。第1渦巻体1bの渦巻の巻き終わり部1b1は、隣接する第2渦巻体2bの外周面との間に、吸入口40bを形成する。吸入口40a、40bは、第1渦巻体1bと第2渦巻体2bとの間に形成される圧縮室に第2空間71の流体を吸入するものである。図2では、圧縮室への流体の吸入が完了した時点(すなわち、次の吸入が開始される時点)の回転位相(0deg)を示しているため、吸入口40a、40bはいずれも閉じられている。図2に示す状態では、第2渦巻体2bにおいて最も巻き終わり部2b1側の点が第1渦巻体1bの接触点207aに接触しており、第1渦巻体1bにおいて最も巻き終わり部1b1側の接触点207bが第2渦巻体2bに接触している。接触点207aと接触点207bとは、回転軸部6の中心軸C1を挟んで対向する位置に配置されている。

インジェクション管201aは、密閉容器100を貫通して、インジェクションポート202aに接続されている。インジェクションポート202aは、フレーム7の筒状壁を貫通して形成されており、インジェクション管201aと第2空間71とを連通している。インジェクション管201bは、密閉容器100を貫通して、インジェクションポート202bに接続されている。インジェクションポート202bは、フレーム7の筒状壁を貫通して形成されており、インジェクション管201bと第2空間71との間を連通している。インジェクションポート202a、202bは、インジェクション管201a、201bを介して外部から供給される流体(本例では、液冷媒、又は液冷媒を含む二相冷媒)を、第2空間71の外周面側から第2空間71に噴射するものである。

次に、連通路7c、7dの開口端7c1、7d1と、吸入口40a、40bと、インジェクションポート202a、202bと、の位置関係及びインジェクションポート202a、202bの向きについて説明する。本例の構成では、開口端7c1、吸入口40a及びインジェクションポート202aの組と、開口端7d1、吸入口40b及びインジェクションポート202bの組とは、中心軸C1を挟んで対向する位置(例えば、中心軸C1を中心として点対称となる位置)に配置されている。このため、以下の説明では、開口端7c1、吸入口40a及びインジェクションポート202aの組を例に挙げるが、開口端7d1、吸入口40b及びインジェクションポート202bの組も同様である。ここで、開口端7c1の位置は、例えば、開口端7c1のうち吸入口40aに最も近い端部211の位置で特定される。吸入口40aの位置は、例えば、接触点207aの位置で特定される。インジェクションポート202aの位置は、例えば、第2空間71の外周面となるインジェクションポート202aの下流端の位置で特定される。また、以下の説明における開口端7c1、吸入口40a及びインジェクションポート202aの位置関係、及びインジェクションポート202aの向きは、図2のように中心軸C1に平行に見たときのものである。

開口端7c1は、中心軸C1(すなわち、第1渦巻体1bを形成する曲線の基礎円の中心)を中心として、吸入口40aからの角度θ1が渦巻伸開方向に0°より大きく180°以下となる位置に配置されている(0°<θ1≦180°)。ここで、吸入口40aは、開口端7c1に対して反渦巻伸開方向(反時計回り方向)で最も近接した吸入口である。つまり、開口端7c1は吸入口40aから中心軸C1の周りにずれた位置に配置される。開口端7c1と吸入口40aとの間の第2空間71には、第1渦巻体1b(又は第2渦巻体2b)の外周に沿って開口端7c1から吸入口40aにガス冷媒を流通させる外周流路が形成される。したがって、開口端7c1から第2空間71に入ったガス冷媒は、すぐに吸入口40aへ入らず、外周流路を経たのちに吸入口40aへ入る。なお、揺動スクロール2が固定スクロール1に対して揺動することにより吸入口40aと開口端7c1との間の角度θ1が多少変動する場合は、吸入口40aと開口端7c1とが最も近づいた場合の位置での角度θ1が0°より大きくなるようにする。また、そのずれの角度θ1を0°より大きいとしたが、例えばθ1を30°以上とすると吸入口40aへ入るまでの外周流路の長さが適度に長くなり、より好ましい。また、角度θ1を180°以下としたが、吸入口40aと開口端7c1とが最も離れた場合の位置での角度θ1が180°以下であることが望ましい。吸入口40aから開口端7c1への渦巻伸開方向の外周流路を、その逆方向の外周流路より短くすることが望ましく。そのため、角度θ1を180°よりも小さく、例えば120°以下とすると好ましい。角度θ1を90°以下とすると開口端7c1から吸入口40aまでの外周流路が、その逆方向の開口端7c1から吸入口40bよりも短くなるので良い。

インジェクションポート202aは、第2空間71の外周面のうち、周方向において開口端7c1と吸入口40aとの間に配置されている。すなわち、中心軸C1を中心として吸入口40aとインジェクションポート202aとがなす角度θ2は、角度θ1よりも小さくなっている。(0°<θ2<θ1)。また、中心軸C1を中心として吸入口40aとインジェクションポート202aとがなす角度θ2は、中心軸C1を中心としてインジェクションポート202aと開口端7c1とがなす角度θ3よりも小さくなっている(θ2<θ3)。すなわち、吸入口40aとインジェクションポート202aとの間の距離は、インジェクションポート202aと開口端7c1との間の距離よりも短くなっている。

また、本例のインジェクションポート202aは、接触点207aにおける接線に沿って延伸するように穴加工されている。これにより、インジェクションポート202aからは、渦巻の接線方向に沿って最短距離で吸入口40aに向かう方向に液冷媒が噴射されるようになっている。ただし、インジェクションポート202aの向きは、接触点207aにおける接線に沿う方向に限らず、吸入口40aに向かう方向であればよい。吸入口40aに向かう方向とは、中心軸C1に向かう方向(半径方向)よりも吸入口40a側を向いた方向のことである。

次に、冷媒の流れについて説明する。図3は、本実施の形態に係るスクロール圧縮機300を含む冷凍サイクル装置の概略構成を示す冷媒回路図である。図3では、冷媒の流れ方向を太矢印で示している。図3に示すように、冷凍サイクル装置は、スクロール圧縮機300、凝縮器301、減圧装置302(例えば、膨張弁)及び蒸発器303が冷媒配管を介して環状に接続された主回路304を有している。凝縮器301は、冷媒配管を介してスクロール圧縮機300の吐出管102に接続されている。蒸発器303は、冷媒配管を介してスクロール圧縮機300の吸入管101に接続されている。

また、冷凍サイクル装置は、主回路304において凝縮器301の下流側で減圧装置302の上流側に設けられた分岐部305と、スクロール圧縮機300のインジェクション管201a、201bとを接続するインジェクション回路306を有している。インジェクション回路306には、減圧装置307(例えば、膨張弁)が設けられている。

スクロール圧縮機300で圧縮されて吐出された高温高圧のガス冷媒は、凝縮器301に流入する。凝縮器301では、内部を流通する冷媒と外部流体(例えば、空気)との熱交換が行われ、冷媒の凝縮熱が外部流体に放熱される。これにより、凝縮器301に流入した冷媒は、凝縮して高圧の液冷媒となる。凝縮器301を通過した液冷媒は、分岐部305で主回路304とインジェクション回路306とに分流する。主回路304に分流した液冷媒は、減圧装置302で減圧されて低圧の二相冷媒となる。減圧装置302を通過した二相冷媒は、蒸発器303に流入する。蒸発器303では、内部を流通する冷媒と外部流体(例えば、空気)との熱交換が行われ、冷媒の蒸発熱が外部流体から吸熱される。これにより、蒸発器303に流入した二相冷媒は、蒸発して低圧のガス冷媒又は乾き度の高い二相冷媒となる。蒸発器303を通過したガス冷媒又は二相冷媒は、スクロール圧縮機300に吸入されて再び圧縮される。以下、主回路304の蒸発器303を経由してスクロール圧縮機300に流入する冷媒を主冷媒という場合がある。

一方、インジェクション回路306に分流した液冷媒は、減圧装置307で減圧され、低圧で乾き度の低い二相冷媒(すなわち、液冷媒を多く含む二相冷媒)となる。減圧装置307を通過した二相冷媒は、蒸発器303をバイパスし、インジェクション管201a、201bを介してスクロール圧縮機300に流入する。以下、インジェクション回路306を通ってスクロール圧縮機300に流入する低乾き度の二相冷媒をインジェクション冷媒という場合がある。

次に、スクロール圧縮機300に流入した主冷媒の流れについて説明する。吸入管101を介して第1空間70に流入した主冷媒(低圧のガス冷媒)は、連通路7c、7dを通って第2空間71に流入する。第2空間71に流入したガス冷媒は、第1渦巻体1b及び第2渦巻体2bの相対的な揺動動作に伴って、吸入口40a、40bから圧縮室内に吸入される。圧縮室内に吸入されたガス冷媒は、圧縮室の幾何学的な容積変化によって低圧から高圧へと昇圧される。昇圧されたガス冷媒は、吐出弁11を押し上げ、第3空間72を経由して吐出管102から外部に吐出される。

次に、スクロール圧縮機300に流入したインジェクション冷媒の流れについて説明する。インジェクション管201a、201bから流入したインジェクション冷媒(低乾き度の二相冷媒)は、それぞれインジェクションポート202a、202bを介して第2空間71に流入する。このとき、インジェクションポート202aからは、接触点207aに向かって渦巻の接線方向にインジェクション冷媒が噴射される。インジェクションポート202aから噴射されたインジェクション冷媒は、吸入口40aに注入される。また、インジェクションポート202bからは、接触点207bに向かって渦巻の接線方向にインジェクション冷媒が噴射される。インジェクションポート202bから噴射されたインジェクション冷媒は、吸入口40bに注入される。

図4は、図2に示した断面における第1渦巻体1b及び第2渦巻体2bの1周期分の相対的な揺動動作を示す図である。図4(a)〜(d)のそれぞれは、回転位相が0deg、90deg、180deg及び270degである状態を示している。ここで、圧縮室への流体の吸入が開始される時点の回転位相を0degとしている。図4(a)〜(d)では、インジェクションポート202a、202bからのインジェクション冷媒の噴射方向を矢印で示している。

図4(a)〜(d)に示すように、回転位相が0degから増加するに従って、第1渦巻体1b及び第2渦巻体2bの最外周には2つの吸入室208a、208bが形成される。吸入室208a、208bの容積は、第1渦巻体1b及び第2渦巻体2bの略接線方向に沿って徐々に拡大される。吸入室208a、208bの容積の増加に伴って、吸入室208a、208bには、主冷媒が吸入口40a、40bから接触点207a、207bの略接線方向に沿って流入する。また、吸入室208a、208bには、インジェクション冷媒が吸入口40a、40bから接触点207a、207bの略接線方向に沿って流入する。

このとき、吸入室208a、208bへの主冷媒の流入方向と、インジェクションポート202a、202bから接触点207a、207bに向かうインジェクション冷媒の噴射方向と、は略一致している。これにより、インジェクションポート202a、202bから噴射されるインジェクション冷媒は、吸入室208a、208bに流入しやすくなるとともに、連通路7c、7dを介して第1空間70に逆流することが抑制される。このため、油溜め部15に貯留された冷凍機油がインジェクション冷媒によって希釈されにくくなる。したがって、冷凍機油の粘度低下を防ぐことができ、スクロール圧縮機300の信頼性を向上することができる。

また、第2空間71において、連通路7c、7dの開口端7c1、7d1から吸入口40a、40bに向かう主冷媒と、インジェクションポート202a、202bから吸入口40a、40bに向かうインジェクション冷媒とは、いずれも反渦巻伸開方向に流れる。これにより、第2空間71には旋回流が形成されるため、冷媒の流れを整流化することができる。したがって、冷媒の圧力損失を低減することができ、スクロール圧縮機300の性能及びエネルギー効率を向上することができる。

さらに、第2空間71に形成される旋回流において、開口端7c1はインジェクションポート202aの上流側に配置されており、開口端7d1はインジェクションポート202bの上流側に配置されている。これにより、インジェクション冷媒が連通路7c、7dを介して第1空間70に逆流することをより確実に抑制することができる。したがって、冷凍機油の粘度低下をより確実に防ぐことができ、スクロール圧縮機300の信頼性をさらに向上することができる。

実施の形態2. 本発明の実施の形態2に係るスクロール圧縮機について説明する。図5は、本実施の形態に係るスクロール圧縮機300の概略構成を示す縦断面図である。図6は、図5のVI−VI断面を示す断面図である。なお、実施の形態1と同一の機能及び作用を有する構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。

図5及び図6に示すように、第2空間71の外周側には、低乾き度の二相冷媒を流通させる例えば環状の冷媒流路205が設けられている。冷媒流路205は、複数のインジェクションポート202a、202bに連通している。冷媒流路205は、フレーム7の外周面に周方向に延伸して設けられた溝部205a内(本例では、溝部205aと密閉容器100とに囲まれた空間)に形成されている。冷媒流路205には、1つのインジェクション管201aが接続されている。

インジェクション管201aから流入したインジェクション冷媒は、冷媒流路205を経由し、2つのインジェクションポート202a、202bから第2空間71に噴射される。本実施の形態によれば、インジェクション管201aの本数をインジェクションポート202a、202bの個数よりも少なくすることができ、例えば、インジェクション管201aの本数を1本のみにすることができる。したがって、より簡素な構造で実施の形態1と同様の効果を得ることができる。

なお、本実施の形態では、冷媒流路205がフレーム7の溝部205a内に形成されているが、冷媒流路205は、密閉容器100の内周面に形成された溝部又は凹部に形成されていてもよい。

実施の形態3. 本発明の実施の形態3に係るスクロール圧縮機について説明する。図7は、本実施の形態に係るスクロール圧縮機300の第1渦巻体1b及び第2渦巻体2bの構成を示す断面図である。なお、実施の形態1と同一の機能及び作用を有する構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。

図7に示すように、本実施の形態では、第1渦巻体1bの巻き終わり部1b1と、第2渦巻体2bの巻き終わり部2b1と、の少なくとも一方(本例では両方)に、流れガイド206b、206aが設けられている。流れガイド206a、206bは、例えば平板状の形状を有している。

巻き終わり部2b1に形成された流れガイド206aは、インジェクションポート202aから噴射された液冷媒を、吸入口40aを介して吸入室208aに誘導するものである。流れガイド206aは、巻き終わり部2b1から渦巻をさらに延長した仮想渦巻線209aに対して傾斜している。流れガイド206aは、巻き終わり部2b1からフレーム7の内壁面(第2空間71の外周面)に向かって、仮想渦巻線209aよりも外周側に延びて形成されている。流れガイド206aは、第2渦巻体2bの揺動角度によってはフレーム7の内壁面に接触し得る位置まで延びていてもよい。また、図7の紙面直交方向における流れガイド206aの高さは、第2渦巻体2bの高さと同一であってもよいし、それより低くてもよい。これにより、第2空間71は、巻き終わり部2b1からインジェクションポート202aに最短距離で向かう正方向側の空間と、その逆方向側の空間とに完全又は不完全に仕切られる。

同様に、巻き終わり部1b1に形成された流れガイド206bは、インジェクションポート202bから噴射された液冷媒を、吸入口40bを介して吸入室208bに誘導するものである。流れガイド206bは、巻き終わり部1b1から渦巻をさらに延長した仮想渦巻線209bに対して傾斜して形成されており、巻き終わり部1b1からフレーム7の内壁面に向かって、仮想渦巻線209bよりも外周側に延びて形成されている。流れガイド206bは、固定側の第1渦巻体1bに形成されているため、フレーム7の内壁面に接触する位置まで延びていてもよい。また、流れガイド206bの高さは、第1渦巻体1bの高さと同一であってもよいし、それより低くてもよい。これにより、第2空間71は、巻き終わり部1b1からインジェクションポート202bに最短距離で向かう正方向側の空間と、その逆方向側の空間とに完全又は不完全に仕切られる。

インジェクションポート202a、202bから噴射されて広がった冷媒の一部は、流れガイド206a、206bに衝突し、吸入口40a、40bを介して吸入室208a、208bに向かう方向に曲げられる。このため、インジェクションポート202a、202bからのインジェクション冷媒が吸入室208a、208bに導入されやすくなり、インジェクション冷媒の取りこぼしを低減することができる。したがって、本実施の形態によれば、実施の形態1と比較して、インジェクション冷媒を効率良く吸入室208a、208bに流入させることができるため、インジェクション冷媒の第1空間70への逆流をさらに抑制することができる。これにより、スクロール圧縮機300の信頼性をさらに向上することができる。

実施の形態4. 本発明の実施の形態4に係るスクロール圧縮機について説明する。図8は、本実施の形態に係るスクロール圧縮機300の第1渦巻体1b及び第2渦巻体2bの構成を示す断面図である。なお、実施の形態1と同一の機能及び作用を有する構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。

図8に示すように、本実施の形態では、流れガイド206a、206bが第2渦巻体2b及び第1渦巻体1bとそれぞれ一体的に形成されている。流れガイド206a、206bのそれぞれが、巻き終わり部2b1、1b1から仮想渦巻線209a、209b(図8では図示せず)よりも外周側に延びている点は、実施の形態3と同様である。

第2渦巻体2bに設けられた流れガイド206aは、巻き終わり部2b1から外周側に広がるように延長された形状を有している。流れガイド206aの両側の側面は、第2渦巻体2bの両側の側面に対し、連続的かつ滑らかに接続されている。流れガイド206aは、巻き終わり部2b1から離れるに従って外周側への広がりが増大するように、第2渦巻体2bの側面とは凹凸が逆になるような曲面状の側面を有している。すなわち、第2渦巻体2bと流れガイド206aとが一体化した構造物において、巻き終わり部2b1付近が変曲点となっている。

同様に、第1渦巻体1bに設けられた流れガイド206bは、巻き終わり部1b1から外周側に広がるように延長された形状を有している。流れガイド206bの両側の側面は、第1渦巻体1bの両側の側面に対し、連続的かつ滑らかに接続されている。流れガイド206bは、巻き終わり部1b1から離れるに従って外周側への広がりが増大するように、第1渦巻体1bの側面とは凹凸が逆になるような曲面状の側面を有している。すなわち、第1渦巻体1bと流れガイド206bとが一体化した構造物において、巻き終わり部1b1付近が変曲点となっている。

本実施の形態によれば、実施の形態3と比較して、インジェクションポート202a、202bから噴射されて広がった冷媒の一部を、より滑らかに吸入室208a、208bに導くことができる。したがって、インジェクション冷媒の導入時の損失をさらに低減することができる。

実施の形態5. 本発明の実施の形態5に係るスクロール圧縮機について説明する。図9は、本実施の形態に係るスクロール圧縮機300のインジェクションポート202a付近の構成を示す断面図である。なお、実施の形態1と同一の機能及び作用を有する構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。

図9に示すように、本実施の形態では、インジェクションポート202aの先端部202a1がノズル形状を有している。すなわち、インジェクションポート202aの流路断面積は、先端部202a1側(第2空間71への出口側)に向かうに従って縮小されている。これにより、インジェクションポート202aを流通するインジェクション冷媒の流速は、第2空間71への出口側に向かうほど増大するようになっている。なお、図示していないが、インジェクションポート202bも同様の構成を有している。

本実施の形態によれば、実施の形態1と比較して、インジェクションポート202a、202bから噴出されたインジェクション冷媒の液滴を拡散させにくくすることができる。したがって、本実施の形態によれば、インジェクション冷媒を効率良く吸入室208a、208bに流入させることができるため、インジェクション冷媒の第1空間70への逆流をさらに抑制することができる。これにより、スクロール圧縮機300の信頼性をさらに向上することができる。

以上説明したように、上記実施の形態1〜5に係るスクロール圧縮機300は、密閉容器100と、密閉容器100内に収容された電動要素81と、密閉容器100内に収容され、電動要素81の回転軸部6によって駆動されるスクロール圧縮要素80と、密閉容器100内において電動要素81とスクロール圧縮要素80との間に配置され、スクロール圧縮要素80を支持するフレーム7と、を備え、スクロール圧縮要素80は、第1渦巻体1bを備えフレーム7に対して固定された固定スクロール1と、第1渦巻体1bと噛み合わされ第1渦巻体1bとの間に圧縮室を形成する第2渦巻体2bを備え、固定スクロール1に対して揺動する揺動スクロール2と、を有しており、密閉容器100内においてフレーム7よりも電動要素81側には、外部から吸入されたガス冷媒が流入する第1空間70が形成されており、第1渦巻体1b及び第2渦巻体2bの外周側には、連通路7c、7dを介して第1空間70と連通した第2空間71が形成されており、第1渦巻体1bの巻き終わり部1b1と、第2渦巻体2bの巻き終わり部2b1と、のそれぞれは、ガス冷媒を第2空間71から圧縮室内に吸入させる吸入口40a、40bを形成するものであり、連通路7c、7dにおける第2空間71側の開口端7c1、7d1は、回転軸部6の中心軸C1を中心として、吸入口40a、40bからの角度θ1が第1渦巻体1b及び第2渦巻体2bの渦巻伸開方向に0°より大きく180°以下となる位置に配置されており、第2空間71の外周面のうち周方向において開口端7c1、7d1と吸入口40a、40bとの間には、吸入口40a、40bに向かう方向に液冷媒を噴射するインジェクションポート202a、202bが設けられているものである。

この構成によれば、連通路7c、7dの開口端7c1、7d1は、中心軸C1を中心として、吸入口40a、40bからの角度θ1が第1渦巻体1b及び第2渦巻体2bの渦巻伸開方向に0°より大きく180°以下となる位置に配置されている。このため、第2空間71における主冷媒の流れは、開口端7c1、7d1のそれぞれから吸入口40a、40bのそれぞれに向かう反渦巻伸開方向の一方向となりやすい。そして、インジェクションポート202a、202bは、開口端7c1、7d1から吸入口40a、40bまでの途中に設けられている。このため、吸入口40a、40bが閉じたタイミングでインジェクションポート202a、202bから噴射された液冷媒は、第2空間71にとどまり、次に吸入口40a、40bが開いたときに圧縮室内に吸い込まれる。すなわち、第2空間71での冷媒の流れが反渦巻伸開方向の一方向となるため、吸入口40a、40bに流入しなかった液冷媒は、吸入口40a、40bの逆方向(渦巻伸開方向)にある開口端7c1、7d1には流入しにくくなる。したがって、液冷媒が連通路7c、7dを介して第1空間70に逆流することを抑制することができる。

これにより、圧縮室内は吸入湿り状態で運転されるが、第1空間70には液冷媒又は二相冷媒がほとんど流入しないため、第1空間70内は乾いた状態で運転することが可能となる。このため、油溜め部15に貯留されている冷凍機油が液冷媒で希釈されることを防止でき、十分な粘度の冷凍機油を摺動部位に供給することができる。したがって、液冷媒のインジェクションによって吐出温度を大幅に低下させることができるとともに、スクロール圧縮機300の信頼性を向上することができる。さらに、第2空間71での冷媒の流れを一方向に整流化することができるため、第2空間71内での流体損失を低減することができる。したがって、スクロール圧縮機300の性能を向上することができる。また、液冷媒は圧縮前のガス冷媒と混合されるため、液冷媒と圧縮行程途中のガス冷媒とが混合される構成と比較して、混合損失の発生を抑えることができる。

また、上記実施の形態に係るスクロール圧縮機300において、第2空間71の周方向に沿って複数のインジェクションポート202a、202bが設けられており、第2空間71の外周側には、複数のインジェクションポート202a、202bに連通する冷媒流路205が設けられている。また、本実施の形態に係るスクロール圧縮機300において、冷媒流路205は、フレーム7の外周面に周方向に延伸して設けられた溝部205a内に形成されている。

この構成によれば、外部からインジェクション冷媒が導入されるインジェクション管201aの本数をインジェクションポート202a、202bの個数よりも少なくすることができ、例えば、インジェクション管201aの本数を1本のみにすることができる。したがって、より簡素な構造で上記の効果を得ることができる。

また、上記実施の形態に係るスクロール圧縮機300において、第1渦巻体1bの巻き終わり部1b1と、第2渦巻体2bの巻き終わり部2b1と、の少なくとも一方には、巻き終わり部2b1、1b1から延長した仮想渦巻線209a、209bよりも外周側に延びて形成され、インジェクションポート202a、202bから噴射された液冷媒を吸入口40a、40bに誘導する流れガイド206a、206bが設けられている。

この構成によれば、インジェクションポート202a、202bから噴射された液冷媒を吸入口40a、40bに導きやすくなるため、液冷媒が吸入口40a、40bに流入せずに第1空間70に逆流することをさらに抑制することができる。

また、上記実施の形態に係るスクロール圧縮機300において、中心軸C1を中心として吸入口40a、40bとインジェクションポート202a、202bとがなす角度θ2は、中心軸C1を中心としてインジェクションポート202a、202bと開口端7c1、7d1とがなす角度θ3よりも小さくなっている。

この構成によれば、第2空間71において、吸入口40a、40bとインジェクションポート202a、202bとの間の距離を、インジェクションポート202a、202bと開口端7c1、7d1との間の距離よりも短くすることができる。したがって、液冷媒が吸入口40a、40bに流入せずに第1空間70に逆流することをさらに抑制することができる。

また、上記実施の形態に係るスクロール圧縮機300において、インジェクションポート202a、202bの先端部(インジェクションポート202aの先端部202a1及びインジェクションポート202bの先端部)はノズル形状を有する。

この構成によれば、インジェクションポート202aから噴射される液冷媒が拡散されにくくなるため、吸入口40a、40bに流入せずに第2空間71に漏れる液冷媒の量を低減することができる。

その他の実施の形態. 本発明は、上記実施の形態に限らず種々の変形が可能である。 例えば、上記実施の形態では、縦置き型のスクロール圧縮機300を例に挙げたが、本発明は横置き型のスクロール圧縮機にも適用できる。

1 固定スクロール、1a 台板部、1b 第1渦巻体、1b1 巻き終わり部、2 揺動スクロール、2a 台板部、2b 第2渦巻体、2b1 巻き終わり部、2c 揺動軸受、4 吐出ポート、5 スライダ、6 回転軸部、6a 偏心軸部、6b 主軸部、6c 副軸部、7 フレーム、7b 主軸受、7c、7d 連通路、7c1、7d1 開口端、8 サブフレームプレート、9 サブフレーム、10 副軸受、11 吐出弁、12 吐出マフラ、13 スリーブ、15 油溜め部、40a、40b 吸入口、60 第1バランスウェイト、61 第2バランスウェイト、70 第1空間、71 第2空間、72 第3空間、80 スクロール圧縮要素、81 電動要素、100 密閉容器、101 吸入管、102 吐出管、110 電動機固定子、111 電動機回転子、112 ポンプ要素、201a、201b インジェクション管、202a、202b インジェクションポート、202a1 先端部、205 冷媒流路、205a 溝部、206a、206b 流れガイド、207a、207b 接触点、208a、208b 吸入室、209a、209b 仮想渦巻線、211 端部、300 スクロール圧縮機、301 凝縮器、302、307 減圧装置、303 蒸発器、304 主回路、305 分岐部、306 インジェクション回路、C1 中心軸。

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