電動圧縮機

申请号 JP2014515564 申请日 2013-04-30 公开(公告)号 JP6178309B2 公开(公告)日 2017-08-09
申请人 株式会社ヴァレオジャパン; 发明人 出口 裕展; 木曽 教勝; 李 卿在;
摘要
权利要求

ハウジング内に、圧縮機構と、この圧縮機構を駆動する電動機とを備え、前記電動機は、前記ハウジング内に固定されたステータコアにコイルが巻設されて形成されるステータと、駆動軸に固装されて前記ステータの内側に回転可能に配置されたロータとを有して構成され、被圧縮流体を前記電動機が収容された電動機収容空間を通して前記圧縮機構へ導く電動圧縮機において、 前記ハウジングと前記ステータコアとの間に、前記駆動軸の軸方向に沿って延設された流体導入通路を形成し、 前記被圧縮流体を導入する吸入ポートを、前記ハウジングの前記ステータコアの外周面と対峙する箇所に設けて前記流体導入通路に接続し、 前記駆動軸の軸方向において前記吸入ポートと前記圧縮機構との間に、前記流体導入通路を前記吸入ポートから圧縮機構側へ向かって流れる前記被圧縮流体の流れを抑制する抑制機構を設け、また、 前記ハウジングと前記ステータコアとの間には、前記流体導入通路とは異なる位置に、前記駆動軸の軸方向に沿って延設された間隙を形成し、この間隙の一部に被圧縮流体の流れを抑制する抑制機構を設けた ことを特徴とする電動圧縮機。前記電動機を駆動制御するインバータ基板を収容したインバータ収容空間を前記ハウジングの前記圧縮機構が設けられた側と反対側の軸方向端部に設けたことを特徴とする請求項1に記載の電動圧縮機。前記電動機を駆動制御するインバータ基板を収容したインバータ収容空間を前記ハウジングの外周壁に沿って設けたことを特徴とする請求項1に記載の電動圧縮機。前記流体導入通路の通路断面積は、前記間隙の通路断面積よりも大きいことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の圧縮機。

说明书全文

本発明は、ハウジング内に、圧縮機構と、この圧縮機構を駆動する電動機とを備え、被圧縮流体を電動機が収容された電動機収容空間を通して圧縮機構へ導くようにしている電動圧縮機に関する。

ハウジング内に、圧縮機構と、この圧縮機構を駆動する電動機とを備えた電動圧縮機としては、例えば、以下の特許文献1〜3に示されるものが公知となっている。 このうち、特許文献1(特開2000−291557号公報)及び特許文献2(特開2005−291004号公報)には、圧縮機構と電動機とを一体化して構成した冷媒圧縮用の電動圧縮機において、ハウジングを吐出ハウジングと、中間ハウジングと、吸入ハウジングとをボルトによって軸方向に締結し、吸入ハウジング内に仕切壁を設け、この仕切壁よりも中間ハウジング寄りの側面に吸入ポートを形成し、また、仕切壁よりも外側には、蓋部材によって封止された空間を形成し、この空間に制御回路とインバータが一体となった駆動回路を収容し、駆動回路を吸入ポートの近傍に設けることで、冷媒ガスによりインバータを構成しているスイッチング素子を冷却する構成が開示されている。

また、特許文献3(特開2008−184995号公報)には、ハウジング内に圧縮機構(圧縮部)とこの圧縮機構を駆動する電動機とを備えた電動圧縮機において、ハウジングとステータコアとの間に、冷媒が軸方向に流れる複数の冷媒流路を回転方向に並べて設け、複数の冷媒流路の1つをハウジングを介して駆動回路と対向するように配置し、この1つの冷媒流路以外の他の冷媒流路をハウジングの軸方向の一端側とステータコアとの間に配置された抑制部材により閉塞して、冷媒吸入口から吸入された冷媒が他の冷媒流路に流れないようにし、ハウジングとステータコアとの間において回転方向の応分布の偏りを小さくすることで、ハウジングの耐圧強度を確保しつつ、駆動回路を十分に冷却するようにした構成が開示されている。

特開2000−291557号公報

特開2005−291004号公報

特開2008−184995号公報

しかしながら、特許文献1及び2の構成においては、吸入冷媒によって駆動回路を冷却するために駆動回路の近傍となる電動機と駆動回路との間の外周壁に吸入ポートが配置される構成であるため、電動圧縮機は、電動機と駆動回路との間に吸入ポートの形成代を確保する必要があることから軸方向の長さが長くなり、小型化の要求に対応できない不都合がある。また、駆動回路を冷却するためには、吸入ポートを駆動回路のできるだけ近傍に配置しなければならず、吸入ポートの形成位置や冷媒経路のレイアウトなどが制限されるものであった。 本発明は係る事情に鑑みてなされたものであり、軸方向の寸法を抑えて小型化を可能とし、吸入ポートの形成位置や冷媒経路のレイアウトの自由度を高めることが可能な電動圧縮機を提供することを主たる課題としている。また、吸入ポートを駆動回路の近傍に設けなくても、駆動回路を十分に冷却することができるようにすることをも課題としている。

上記課題を達成するために、本発明に係る電動圧縮機は、ハウジング内に、圧縮機構と、この圧縮機構を駆動する電動機とを備え、前記電動機は、前記ハウジング内に固定されたステータコアにコイルが巻設されて形成されるステータと、駆動軸に固装されて前記ステータの内側に回転可能に配置されたロータとを有して構成され、被圧縮流体を前記電動機が収容された電動機収容空間を通して前記圧縮機構へ導く構成において、前記ハウジングと前記ステータコアとの間に、前記駆動軸の軸方向に沿って延設された流体導入通路を形成し、前記被圧縮流体を導入する吸入ポートを、前記ハウジングの前記ステータコアの外周面と対峙する箇所に設けて前記流体導入通路に接続し、前記駆動軸の軸方向において前記吸入ポートと前記圧縮機構との間に、前記流体導入通路を前記吸入ポートから圧縮機構側へ向かって流れる前記被圧縮流体の流れを抑制する抑制機構を設け、また、前記ハウジングと前記ステータコアとの間には、前記流体導入通路とは異なる位置に、前記駆動軸の軸方向に沿って延設された間隙を形成し、この間隙の一部に被圧縮流体の流れを抑制する抑制機構を設けたことを特徴としている。

したがって、上述のような構成によれば、ハウジングとステータコアとの間に、駆動軸の軸方向に沿って延設された流体導入通路が形成され、被圧縮流体を導入する吸入ポートが、ステータコアの外周面と対峙する箇所で流体導入通路に接続されるので、駆動回路とモータとの間に吸入ポートの形成代を確保することが不要となり、ハウジングの軸方向寸法を短くして電動圧縮機の小型化を図ることが可能となる。

また、吸入ポートの形成位置をステータコアの外周面と対峙する範囲で軸方向の任意の位置に形成することが可能となるので、吸入ポートの形成位置の自由度や冷媒経路のレイアウトの自由度を高めることが可能となる。

さらに、前記駆動軸の軸方向において前記吸入ポートと前記圧縮機構との間に、前記流体導入通路を前記吸入ポートから圧縮機構側へ向かって流れる前記被圧縮流体の流れを抑制する抑制機構が設けられているので、吸入ポートから流入した被圧縮流体を圧縮機構と反対側へ一旦流した後にステータのコイルの隙間やステータとロータとの間の隙間を通して圧縮機構側へ流すことが可能となり、コイルの冷却を促進することが可能となる。

このような抑制機構の態様としては、 (1) 流体導入通路の圧縮機構側開口端をハウジングの一部で絞る又は閉塞するもの、 (2) 流体導入通路の吸入ポートよりも圧縮機構側の部位の通路断面を絞る又は塞ぐもの、 (3) 流体導入通路よりも圧縮機構側において、コイルエンドに設けられたボビンにより流体導入通路の下流側を絞る又は閉塞するもの 等が考えられる。

また、本発明においては、ハウジングとステータコアとの間に、駆動軸の軸方向に沿って延設された間隙がステータコアの周方向で流体導入通路とは異なる位置に形成されるので、ステータコアをハウジングに圧入することで組み付けた際に、ハウジングに発生する応力の分布の偏り(ハウジングの特定個所への応力集中)を緩和することが可能となる。また、この間隙には被圧縮流体の流れを抑制する抑制機構が設けられているので、この間隙への被圧縮流体の流通を抑えて、吸入した被圧縮流体をコイル間の隙間やロータとステータとの間の隙間に積極的に流通させることが可能となり、ロータやステータの冷却を促進することが可能となる。

ここで、前記電動機を駆動制御するインバータ基板を収容したインバータ収容空間を電動圧縮機に一体に設ける場合には、インバータ収容空間を前記ハウジングの前記圧縮機構が設けられた側と反対側の軸方向端部に設けたり、前記ハウジングの外周壁に沿って設けたりするとよい。

前者の構成においては、吸入ポートから流入した被圧縮流体が流体導入通路を介して圧縮機構が設けられた側と反対側の軸方向端部へも流れるので、インバータが圧縮機構と反対側の軸方向端部に設けられた場合でも、インバータを効率よく冷却することが可能となる。特に、流体導入通路を吸入ポートから圧縮機構側へ向かって流れる被圧縮流体の流れを抑制する前記抑制機構を設ける構成を採用すれば、吸入ポートから流入した被圧縮流体の大半または全てが圧縮機構側と反対側へ導かれることとなり、インバータ基板の冷却を一層促進することが可能となる。

また、後者の構成においては、吸入ポートから流入した被圧縮流体が、流体導入通路および間隙に、ハウジングの外周壁に沿って軸方向に流れ、又は、満たされるので、インバータがハウジングの外周壁に設けられていても、インバータを効率よく冷却することが可能となる。特に、インバータ収容空間を流体導入通路の径方向外側において流体導入通路に沿って設ける構成とすれば、吸入ポートから流体導入通路に流入された直後の冷媒によってインバータを冷却することが可能となる。

なお、前記流体導入通路の通路断面積は、前記間隙の通路断面積よりも大きく形成するとよい。ステータコアを組み付けた際にハウジングに発生する応力の分布の偏りを緩和するため、前記間隙は僅かな隙間があればいいが、流体導入通路は、被圧縮流体の流入経路を構成するものであるため、大きく確保しておくことで通路抵抗の増加を避けることが可能となる。また、間隙の通路断面を小さくすることによって(間隙を僅かにすることによって)、圧縮機の小型化も実現可能となる。

以上述べたように、本発明によれば、ハウジングとステータコアとの間に、駆動軸の軸方向に沿って延設された流体導入通路を形成し、被圧縮流体を導入する吸入ポートを、ハウジングのステータコアの外周面と対峙する箇所に設けて流体導入通路に接続するようにしたので、ハウジングの軸方向寸法を短くすることが可能となり、電動圧縮機の小型化を図ることが可能となる。 また、駆動軸の軸方向において吸入ポートと圧縮機構との間に、流体導入通路を吸入ポートから圧縮機構側へ向かって流れる被圧縮流体の流れを抑制する抑制機構が設けられているので、吸入ポートから流入した被圧縮流体を圧縮機構と反対側へ一旦流した後にステータのコイルの隙間やステータとロータとの間の隙間を通して圧縮機構側へ導くことが可能となり、ステータの冷却を促進することが可能となる。

さらに、ハウジングとステータコアとの間には、流体導入通路とは異なる位置に形成されると共に、駆動軸の軸方向に沿って延設された間隙を形成し、この間隙の一部に被圧縮流体の流れを抑制する抑制機構が設けられているので、ステータコアを組み付けた際にハウジングに発生する応力の分布の偏りを緩和することが可能となり、また、間隙を設けたとしても、ここへの被圧縮流体の流通を抑えて、吸入ポートから吸入した被圧縮流体をコイル間の隙間やロータとステータとの間の隙間を通過させることが可能となり、ロータやステータの冷却を促進することが可能となる。

また、上述のような構成によれば、電動機を駆動制御するインバータ基板を収容したインバータ収容空間をハウジングの圧縮機構が設けられた側と反対側の軸方向端部に設けた場合でも、また、前記ハウジングの外周壁に沿って設けた場合でも、インバータを効率よく冷却することが可能となる。

なお、流体導入通路の通路断面積を間隙の通路断面積よりも大きく形成することで、ステータコアの圧入時の組み付けを容易にしつつ、流体導入通路の通路抵抗の増加を避けることが可能となり、また、間隙の通路断面を小さくすることでハウジングの径方向寸法を抑えて、電動圧縮機の小型化を実現することが可能となる。

図1は、本発明に係る電動圧縮機の構成例を示す断面図であり、インバータ基板を収容するインバータ収容空間をハウジングの圧縮機構が設けられた側と反対側の軸方向端部に設けた構成例を示す。

図2は、図1の電動圧縮機の吸入ポートの部分(A−A線)で切断した断面図である。

図3は、本発明に係る電動圧縮機のモータ収容部側を示す一部切り欠きの斜視図である。

図4は、抑制機構の例を示す図であり、図4(a)は、流体導入通路の圧縮機構側開口端をハウジングの一部で絞る又は閉塞する構成(ステータの圧縮機構側の端面をハウジングに近接又は当接させて流体導入通路の開口端を絞る又は閉塞する構成)を示す断面図であり、図4(b)は、流体導入通路の吸入ポートよりも圧縮機構側の部位で通路断面を絞る又は塞ぐ構成を示す断面図であり、図4(c)は、流体導入通路よりも圧縮機構側において、コイルエンドに設けられたボビンをハウジングの内壁に近接または当接させて流体導入通路の下流側を絞る又は閉塞する構成を示す断面図である。

図5は、ハウジングとステータコアとの間に形成される間隙の一部に被圧縮流体の流れを抑制する抑制機構(ハウジングから突出する突条)を設けた例を示す図である。

図6は、本発明に係る電動圧縮機の構成例を示す断面図であり、インバータ基板を収容するインバータ収容空間をハウジングの外周壁に沿って設けた構成例を示す。

以下、本発明に係る電動圧縮機の構成例について、図面を参照しながら説明する。

図1乃至図3において、冷媒を作動流体とする冷凍サイクルに適した電動圧縮機1が示されている。この電動圧縮機1は、アルミ合金で構成されたハウジング2内に、図中右方において圧縮機構3を配設し、また、図中左側において圧縮機構を駆動する電動機4を配設している。尚、図1において、図中左側を圧縮機の前方、図中右側を圧縮機の後方としている。

ハウジング2は、圧縮機構3を収容する圧縮機構収容ハウジング部材2aと、圧縮機構3を駆動する電動機4を収容する電動機収容ハウジング部材2bと、電動機4を駆動制御する制御回路とインバータが一体となった駆動回路を搭載した図示しない基板を収容するインバータ収容ハウジング部材2cとを締結ボルト5で軸方向に締結して構成されている。

電動機収容ハウジング部材2bの圧縮機構収容ハウジング部材2aと対峙する側には、軸支部8aが一体に形成された仕切壁8が設けられ、また、インバータ収容ハウジング部材2cの電動機収容ハウジング部材2bと対峙する側にも軸支部9aが一体に形成された仕切壁9が設けられ、これら仕切壁8,9の軸支部8a,9aに駆動軸10がベアリング11,12を介して回転可能に支持されている。この電動機収容ハウジング部材2bとインバータ収容ハウジング部材2cとに形成された仕切壁8,9により、ハウジング2の内部が、後方から、圧縮機構3を収納する圧縮機構収容空間(図示せず)、電動機4を収納する電動機収容空間12a、及びインバータ回路基板を収容するインバータ収容空間12bに画成されている。 尚、この例では、インバータ収容空間12bは、インバータ収容ハウジング部材2cの開口端を蓋体7で閉塞することにより形成されている。

圧縮機構3は、例えば、固定スクロール部材とこれに対向配置された旋回スクロール部材とを有するそれ自体周知のスクロールタイプのものであり、ハウジングに固定された円板状の端板と、この端板の外縁に沿って全周に亘って設けられると共に前方に向かって立設された円筒状の外周壁と、その外周壁の内側において前記端板から前方に向かって延設された渦巻状の渦巻壁とを有する固定スクロール部材と、円板状の端板と、この端板から後方に向かって立設された渦巻状の渦巻壁とを有し、端板の背面に形成されたボス部に、駆動軸の後端部に設けられた偏心軸が連結され、駆動軸の軸心を中心として公転運動可能に支持されている旋回スクロール部材とを備え、固定スクロール部材と旋回スクロール部材とを、それぞれの渦巻壁を互いに噛み合わせ、固定スクロール部材の端板及び渦巻壁と旋回スクロール部材の端板及び渦巻壁とによって囲まれた空間で圧縮室を画成したものである。

固定スクロール部材の外周壁と旋回スクロール部材の渦巻壁の最外周部との間には、後述する吸入ポートから導入された冷媒を電動機収容空間12aを介して吸入する冷媒流入口が形成され、また、固定スクロール部材の端板の略中央には、圧縮室で圧縮された冷媒ガスを吐出する吐出口が形成されている。

したがって、ロータ22が回転して駆動軸10が回転すると、旋回スクロール部材が駆動軸10の軸心の周りを公転し、圧縮室が両スクロール部材の渦巻壁の外周側から中心側へ容積を徐々に小さくしつつ移動して冷媒ガスを圧縮し、この圧縮された冷媒ガスを固定スクロール部材の端板に形成された吐出口を介して吐出するようになっている。

これに対して、ハウジング2内の仕切壁8より前方の部分に形成された電動機収容空間12aには、電動機4を構成するステータ21とロータ22とが収容されている。ステータ21は、円筒状をなすステータコア24とこれに巻回されたコイル25(図2において破線で示す)とで構成され、ハウジング2(電動機収容ハウジング部材2b)の内面に固定されている。また、駆動軸10には、ステータ21の内側において、マグネットが収容されたロータ22が固装されている。このロータ22が、ステータ21によって形成される回転磁力により回転され、駆動軸10を回転するようになっている。なお、28は、コイル25の軸方向端部(コイルエンド)に取り付けられたボビンである。

そして、電動機収容空間12aに臨むハウジング2(電動機収容ハウジング部材2b)の側面には、冷媒ガスを吸入する吸入ポート30が形成され、冷媒(被圧縮流体)をこの吸入ポート30を介して電動機収容空間12aに流入し、この電動機収容空間12aを通して前記圧縮機構へ導くようにしている。

前記ステータコア24は、ハウジング2に圧入されて固定されると共に、軸方向の位置がハウジングに形成された段差部26に端面を当接させて位置決め固定されている。ハウジング2(電動機収容ハウジング部材2b)とステータ21(ステータコア24)との間には、駆動軸10の軸方向に沿って延設された流体導入通路31が形成されている。この流体導入通路31は、ロータ22の軸方向の全長に亘って延設されているもので、ハウジング2の内周壁を窪ませて、ステータコア24との間に通路を形成するようにしている。

そして、被圧縮流体を導入する吸入ポート30を、ハウジング2(電動機収容ハウジング部材2b)のステータコア24の外周面と対峙する箇所に設けて流体導入通路31に接続させている。この例においては、吸入ポート30がステータ21の径方向に延設され、より具体的には、ステータの直上に上方に向かって延設され、流体導入通路31に対して垂直に接続されている。また、この例においては、流体導入通路31がステータコア24の外周面と対峙するハウジングの部分のうち、圧縮機構寄りの部分(ステータコア24の圧縮機構側の端面の近傍)に形成されている。

さらに、ハウジングと前記ステータコアとの間には、前記流体導入通路31とは周方向で異なる位置に、前記駆動軸の軸方向に沿って延設された間隙41が形成されている。この間隙41は、周方向に略等間隔に複数(例えば、5つ)形成されており、この例では、ハウジングの内周壁を窪ませて、ステータコア24との間に隙間を形成するようにしている。 なお、流体導入通路31が形成された部分と各間隙41が形成された部分には、ステータコア24の外周面を窪ませて軸方向に延設された締結ボルト5を通す溝部42が形成されている。

前記ステータコアの軸方向を位置決めするハウジングの内壁に形成された段差部26は、ほぼ全周に亘って形成され、図4(a)にも示されるように、流体導入通路31の圧縮機構側開口端はこの段差部26によって閉塞されるようになっている。この段差部26により、流体導入通路31を吸入ポート30から圧縮機孔側へ向かって流れる冷媒の流れを抑制する第1の抑制機構が、駆動軸10の軸方向において吸入ポート30と圧縮機構3との間に構成されている。

また、間隙41には、ここを流通しようとする被圧縮流体の流れを抑制する第2の抑制機構が設けられている。この第2の抑制機構は、図5に示されるように、例えば、ハウジングの内面にステータコア側へ向けて突出する突条43を設け、この突条43をステータコア24に近接させることにより、又は、ステータコア24に当接させることにより構成されている。この突条43が設けられる箇所は、間隙41の圧縮機構寄りの部分であっても、インバータ装置寄りの部分であっても、略中央であってもよい。 なお、この例において、流体導入通路31の通路断面積は、各間隙41の通路断面積よりも大きく設定されている。

したがって、ハウジング2の内部は、ステータコア24とロータ22との間の隙間、及び、ステータコア24に巻設されたコイル25間の隙間を介してステータ21の前後の空間が連通されており、ステータ21とハウジング2(電動機収容ハウジング部材2b)との間に形成された流体導入通路31と、ステータ21の前後の空間と、コイル間及びステータ21とロータ22との間の隙間により、吸入ポート30から流入された冷媒を圧縮機構3へ導く吸入経路が電動機4を収容する電動機収容空間12aに形成されている。

以上の構成において、吸入ポート30を介して電動機収容空間12aに流入した冷媒は、流体導入通路31に入るが、この流体導入通路31は圧縮機構側の端部がハウジング2の段差部26により閉塞されているので(流体導入通路31を吸入ポート30から圧縮機構側へ向かって流れる冷媒の流れを抑制する第1の抑制機構が設けられているので)、流入された冷媒は、吸入ポート30からインバータ側(圧縮機構側と反対側)へ向かって流れてステータコア21と仕切壁9との間の空間(ステータ21の前方の空間)に導かれる。その後、インバータ収容空間12bに沿って(仕切壁9に沿って)流れ、コイル同士の間の間隙や、ステータ21とロータ22との間の隙間を通って圧縮機側へ移動し、圧縮機構の図示しない冷媒流入口から圧縮機構内へ導かれる。

したがって、吸入ポート30をステータコア24の外周面と対峙する箇所に設けた場合でも、冷媒を確実にコイル間やステータ21とロータ22との間の隙間を通して圧縮機構3へ導くことができるので、ステータ21を効果的に冷却することが可能となる。また、インバータを冷却するために、吸入ポート30をステータ21と仕切壁9との間のハウジング外周に設ける必要がないので、この間の軸方向寸法を短くすることが可能となり、電動圧縮機1の小型化を図ることが可能となる。

また、間隙41を設けたことで、ステータコア24をハウジング2に圧入することで組み付けた際に、ハウジング2に発生する応力の分布の偏りを緩和することが可能となり、また間隙41を設けた場合でも、第2の抑制機構(突条43)により間隙41への冷媒の流れが抑制されているので、ステータコア24と仕切壁9との間に導かれた冷媒は、コイル間やステータ21とロータ22との間の隙間へ導かれステータ21の冷却を損なうことがなくなる。

なお、上述の構成例においては、ステータコア24の圧縮機構側端面をハウジング2の段差部26に当接させ、冷媒導入通路31の圧縮機側開口端をこの段差部26によって閉塞させることで第1の抑制機構を構成する例を示したが、冷媒導入通路31の圧縮機側開口端は必ずしも閉塞させる必要はなく、冷媒導入通路31の圧縮機側開口端に段差部26を近接させて冷媒が流れにくい状態を形成することで第1の抑制機構を構成するようにしてもよい。

また、第1の抑制機構は、図4(b)に示されるように、例えば、ハウジング2の内壁から内側へ突出する突条27を設け、流体導入通路31の吸入ポート30よりも圧縮機構側の部位の通路断面を絞る又は塞ぐことで構成するようにしても、図4(c)に示されるように、流体導入通路31よりも圧縮機構側において、コイルエンドに設けられたボビン28をハウジングの内壁に近接または当設させることにより流体導入通路31の下流側を絞る又は閉塞することで構成するようにしてもよい。

さらに、第2の抑制機構についても、ハウジングの内面から突出する突条43に代えて、第1の抑制機構と同様に図4(a)〜(c)の構成を採用することも可能である。

また、上述の構成においては、インバータ収容空間12bをハウジング2の圧縮機構3が設けられた側と反対側の軸方向端部に設けた例を示したが、図6に示されるように、電動機4を駆動制御するインバータ基板を収容したインバータ収容空間12bをハウジング2の外周壁に沿って設けるようにしてもよい。この例では、流体導入通路31の径方向外側(図中においては、流体導入通路31の直上)に該通路に沿って設けられている。 このような構成においても、電動機4を収納する電動機収容空間12aを流れる冷媒によって(特に、ハウジング2とステータコア24との間の流体導入通路31を流れる冷媒によって)、インバータを冷却することが可能となる。

1 電動圧縮機 2 ハウジング 2b 電動機収容ハウジング部材 3 圧縮機構 4 電動機 12a 電動機収容空間 12b インバータ収容空間 21 ステータ 22 ロータ 24 ステータコア 25 コイル 26 段差部 30 吸入ポート 31 流体導入通路 41 間隙

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