車両

申请号 JP2015551518 申请日 2014-12-02 公开(公告)号 JP5933856B2 公开(公告)日 2016-06-15
申请人 本田技研工業株式会社; 发明人 星野谷 武; 中山 茂; 根本 浩臣; 秋山 雅彦; 蓑田 裕司;
摘要
权利要求

車両の動源と、車両の車輪と動力源との動力伝達経路上に配置される動力伝達機構と、の少なくとも何れか一方を収容し、前記車両の骨格部材に対し支持装置を介して支持される筐体と、 前記筐体に固定されており、前記動力源の被冷却部若しくは被潤滑部、又は前記動力伝達機構の被冷却部若しくは被潤滑部の少なくとも何れか一つである被冷潤部に液状媒体を供給するため、電動機によって駆動される液状媒体供給装置と、を備える車両であって、 前記液状媒体供給装置は、前記電動機を収容する電動機部と、前記電動機によって駆動される圧送機構を収容する圧送部と、を有し、 前記車両は、前記液状媒体供給装置の前記電動機部の内部と大気とを連通する第1大気連通機構と、前記筐体の内部と大気とを連通する第2大気連通機構とを、別個独立に備え、 前記第1大気連通機構は、前記液状媒体供給装置の前記電動機部の内部と離間して該電動機部よりも高い位置に配置されるとともに所定の容積空間を有し、且つ、前記筐体のみに固定される容積部材を有し、該容積部材を介して大気と連通し、 前記第2大気連通機構は、前記筐体に接続される部材の前記筐体と反対側の端部が、前記骨格部材の閉断面を有する中空部に固定され、該中空部を介して大気と連通することを特徴とする車両。前記第1大気連通機構と前記第2大気連通機構とのうち、前記第1大気連通機構のみに気体の通過を許容するとともに液体及び固体の通過を抑制する気孔膜部材が介装されることを特徴とする請求項1に記載の車両。前記筐体は、前記動力源又は前記動力伝達機構の回転軸線を通る仮想平面よりも下方に前記液状媒体を貯留する貯留部を有し、 前記液状媒体供給装置は、前記仮想水平面よりも下方に配置され、 前記容積部材は、前記仮想水平面よりも上方に配置されることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両。前記気孔膜部材は、前記第1大気連通機構のうち、前記容積部材内に配置されることを特徴とする請求項2に記載の車両。前記容積部材は、相互に結合されて該容積部材を構成する、第1部材及び第2部材を有し、 前記気孔膜部材は、前記第1部材と前記第2部材とによって挟持され、前記容積空間を前記電動機部側と大気側とに区画することを特徴とする請求項4に記載の車両。前記電動機部は、前記電動機の本体が収容される本体収容部と、前記電動機の制御部材を収容する制御部収容部と、を含み、 前記本体収容部と前記制御部収容部とは、連通穴によって連通され、 該連通穴には、前記電動機の本体と前記制御部材とを接続する電線が配置されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の車両。前記筐体は、前記車両のフロアパネルよりも下方に配置されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の車両。

说明书全文

本発明は、車両に関し、より詳細には、ブリーザ機構を有する液状媒体供給装置を備えた車両に関する。

従来、特許文献1に記載のポンプ装置では、モータ部の内圧を一定に保つブリーザ構造として、ポンプ部に、モータ部の内側と外側とが連通する開口部を設け、且つ、防性を高めるために、開口部をカバーで被っている。

日本国実開昭62−6487号公報

ところで、特許文献1に記載のポンプ装置のブリーザ構造では、車両におけるポンプ装置の搭載位置が低い場合、ブリーザの大気開口位置も低くなり、開口部が水没して、ポンプ装置内に水が浸入する虞があった。

本発明は、液状媒体供給装置を車両の下部に配置する場合であっても、ブリーザ機構への水の浸入を確実に防止することができる車両を提供する。

本発明は以下の態様を提供するものである。 第1態様は、 車両の動源(例えば、後述の実施形態の第1及び第2電動機2A、2B)と、前記車両の車輪(例えば、後述の実施形態の左後輪LWr、右後輪RWr)と動力源との動力伝達経路上に配置される動力伝達機構(例えば、後述の実施形態の第1及び第2遊星歯車式減速機12A、12B)の少なくとも何れか一方を収容し、前記車両の骨格部材(例えば、後述の実施形態におけるサブフレーム13)に対し支持装置(例えば、後述の実施形態のマウント部材13a、13b)を介して支持される筐体(例えば、後述の実施形態のケース11)と、 前記筐体に固定されており、前記動力源の被冷却部(例えば、後述の実施形態の被冷却部A1、B1)若しくは被潤滑部(例えば、後述の実施形態の被潤滑部A2、B2)、又は前記動力伝達機構の被冷却部若しくは被潤滑部(例えば、後述の実施形態の被潤滑部A3、B3)の少なくとも何れか一つである被冷潤部に液状媒体を供給するため、電動機(例えば、後述の実施形態の電動機90)によって駆動される液状媒体供給装置(例えば、後述の実施形態の電動オイルポンプ70)と、を備える車両(例えば、後述の実施形態の車両3)であって、 前記液状媒体供給装置は、前記電動機を収容する電動機部(例えば、後述の実施形態の電動機部85)と、前記電動機によって駆動される圧送機構(例えば、後述の実施形態のトロコイドポンプ86)を収容する圧送部(例えば、後述の実施形態の圧送部87)とを有し、 前記車両は、前記液状媒体供給装置の前記電動機部の内部と大気とを連通する第1大気連通機構(例えば、後述の実施形態の大気連通機構150)と、前記筐体の内部と大気とを連通する第2大気連通機構(例えば、後述の実施形態の大気連通機構160)とを、別個独立に備え、 前記第1大気連通機構は、前記液状媒体供給装置の前記電動機部の内部と離間して該電動機部よりも高い位置に配置されるとともに所定の容積空間(例えば、後述の実施形態の容積空間VS)を有し、且つ、前記筐体のみに固定される容積部材(例えば、後述の実施形態のブリーザボックス140)を有し、該容積部材を介して大気と連通し、 前記第2大気連通機構は、前記筐体に接続される部材の前記筐体と反対側の端部が、前記骨格部材の閉断面を有する中空部に固定され、該中空部を介して大気と連通することを特徴とする。

また、第2態様は、第1態様に記載の構成に加えて、 前記第1大気連通機構と前記第2大気連通機構とのうち、前記第1大気連通機構のみに気体の通過を許容するとともに液体及び固体の通過を抑制する気孔膜部材(例えば、後述の実施形態の気孔膜部材143)が介装されることを特徴とする。

また、第3態様は、第1又は2態様に記載の構成に加えて、 前記筐体は、前記動力源又は前記動力伝達機構の回転軸線を通る仮想水平面(例えば、後述の実施形態の仮想水平面H)よりも下方に前記液状媒体を貯留する貯留部(例えば、後述の実施形態のストレーナ収容室105)を有し、 前記液状媒体供給装置は、前記仮想水平面よりも下方に配置され、 前記容積部材は、前記仮想水平面よりも上方に配置されることを特徴とする。

また、第4態様は、第2態様に記載の構成に加えて、 前記気孔膜部材は、前記第1大気連通機構のうち、前記容積部材内に配置されることを特徴とする。

また、第5態様は、第4態様に記載の構成に加えて、 前記容積部材は、相互に結合されて該容積部材を構成する、第1部材(例えば、後述の実施形態におけるケース部材141)及び第2部材(例えば、後述の実施形態における蓋部材142)を有し、 前記気孔膜部材は、前記第1部材と前記第2部材とによって挟持され、前記容積空間を前記電動機部側と大気側とに区画することを特徴とする。

また、第6態様は、第1〜5態様のいずれかに記載の構成に加えて、 前記電動機部は、前記電動機の本体が収容される本体収容部(例えば、後述の実施形態の本体収容部85a)と、前記電動機の制御部材(例えば、後述の実施形態の制御部材88)を収容する制御部収容部(例えば、後述の実施形態の制御部収容部85b)と、を含み、 前記本体収容部と前記制御部収容部とは、連通穴(例えば、後述の実施形態の連通穴89)によって連通され、 該連通穴には、前記電動機の本体と前記制御部材とを接続する電線(例えば、後述の実施形態の電線91)が配置されることを特徴とする。

また、第7態様は、第1〜6態様のいずれか1項に記載の構成に加えて、 前記筐体は、前記車両のフロアパネルよりも下方に配置されることを特徴とする。

第1態様によれば、液状媒体供給装置は筐体に固定されて一体化されているが、筐体と液状媒体供給装置とでは大気連通機構に求める機能・性能が異なるので、第1及び第2大気連通機構を別個独立とすることで、それぞれを必要・十分な機能・性能とすることができる。 また、第1大気連通機構は、筐体と一体的に扱うことができる。即ち、筐体をフレームに対し着脱するときには、支持装置の着脱作業が発生するので、第2大気連通機構を筐体と一体にしておくメリットは小さいが、液状媒体供給装置は、筐体と一体的に扱われるので、第1大気連通機構は、筐体と一体的に扱うメリットは大きい。

第2態様によれば、気孔膜部材は第1大気連通機構のみに介装されるので、気孔膜部材による液体及び固体の侵入を抑制することができ、また、第1大気連通機構と第2大気連通機構を並列にしているので、気孔膜部材も必要最小限とすることができる。

3態様によれば、貯留部を下方に配置することでより多くの液状媒体を回収・貯留可能で、該貯留部に近接して液状媒体供給装置を配置することで供給効率がよくなる。また、液状媒体供給装置と容積部材の間に、より高低差がつけられるのでブリーザとしての機能も向上することができる。

4態様によれば、気孔膜部材は、容積部材内に配置されることで、大気により近い位置に配置可能で、気孔膜部材より上流側への液体及び固体の侵入を抑制することができる。

5態様によれば、気孔膜部材を、液状媒体供給装置と別体の容積部材内に、且つ、該容積部材を構成する第1及び第2部材間に配置するので、気孔膜部材の組み立て、交換が容易となる。

6態様によれば、通気穴を、ブリーザとしての内部の空気が通る空間と、電線の配索のためのスペースとして共用することができる。

7態様によれば、筐体をフロアパネル下方に配置することで、フロアパネル上方の乗員スペース・積載スペースを拡大することができる。

本発明に係る車両の一実施形態であるハイブリッド車両の概略構成を示すブロック図である。

一実施形態の後輪駆動装置の縦断面図である。

図2に示す後輪駆動装置の上部部分拡大断面図である。

図1の車両用駆動装置がフレームに搭載された状態を示す斜視図である。

電動オイルポンプが取り外された後輪駆動装置の外観斜視図である。

電動オイルポンプが取り付けられた蓋部材を内側から見た斜視図である。

電動オイルポンプが取り付けられた蓋部材を内側から見た正面図である。

図6AのVII−VII線に沿った電動オイルポンプの断面図である。

電動オイルポンプの概略断面図である。

第1及び第2大気連通機構を含む後輪駆動装置の上面図である。

第1及び第2大気連通機構を含む後輪駆動装置の正面図である。

第1及び第2大気連通機構を含む後輪駆動装置の側面図である。

ブリーザボックスの分解斜視図である。

ブリーザボックスの断面図である。

本発明に係る車両用駆動装置は、電動機を車輪駆動用の駆動源とするものであり、例えば、図1に示すような駆動システムの車両に用いられる。以下の説明では車両用駆動装置を後輪駆動用として用いる場合を例に説明するが、前輪駆動用に用いてもよい。 図1に示す車両3は、内燃機関4と電動機5とが直列に接続された駆動装置6(以下、前輪駆動装置と呼ぶ。)を車両前部に有するハイブリッド車両であり、この前輪駆動装置6の動力がトランスミッション7を介して前輪Wfに伝達される一方で、この前輪駆動装置6と別に車両後部に設けられた駆動装置1(以下、後輪駆動装置と呼ぶ。)の動力が後輪Wr(RWr、LWr)に伝達されるようになっている。前輪駆動装置6の電動機5と後輪駆動装置1の第1及び第2電動機2A、2Bとは、バッテリ9に接続され、バッテリ9からの電力供給と、バッテリ9へのエネルギー回生とが可能となっている。図1中、符号8は車両全体を制御するための制御装置である。

先ず、本発明に係る一実施形態の車両用駆動装置について、図2〜図11に基づいて説明する。 図2は、後輪駆動装置1の全体の縦断面図を示すものであり、図3は、図2の上部部分拡大断面図である。同図において、符号11は、後輪駆動装置1のケースであり、ケース11は、車幅方向略中央部に配置される中央ケース11Mと、中央ケース11Mを挟むように中央ケース11Mの左右に配置される側方ケース11A、11Bと、から構成され、全体が略円筒状に形成される。ケース11の内部には、後輪Wr用の車軸10A、10Bと、動力源として車軸駆動用の第1及び第2電動機2A、2Bと、後輪LWr、RWrと第1及び第2電動機2A、2Bとの動力伝達経路上に配置され、この第1及び第2電動機2A、2Bの駆動回転を減速する動力伝達機構としての第1及び第2遊星歯車式減速機12A、12B(第1及び第2変速)とが、同一軸線上にそれぞれ並んで配置されている。この車軸10A、第1電動機2A及び第1遊星歯車式減速機12Aは左後輪LWrを駆動制御し、車軸10B、第2電動機2B及び第2遊星歯車式減速機12Bは右後輪RWrを駆動制御する。車軸10A、第1電動機2A及び第1遊星歯車式減速機12Aと、車軸10B、第2電動機2B及び第2遊星歯車式減速機12Bは、ケース11内で車幅方向に左右対称に配置されている。左後輪LWrは、第1電動機2Aに対して第1遊星歯車式減速機12Aと反対側に位置し、右後輪RWrも、第2電動機2Bに対して第2遊星歯車式減速機12Bと反対側に位置する。また、第1電動機2Aと第1遊星歯車式減速機12Aとは車幅方向外側からこの順序で配置され、且つ、第2電動機2Bと第2遊星歯車式減速機12Bとは車幅方向外側からこの順序で配置されることにより、第1及び第2遊星歯車式減速機12A、12Bは、第1及び第2電動機2A、2Bの間に配置される。

側方ケース11A、11Bの中央ケース11M側には、それぞれ径方向内側に延びる隔壁18A、18Bが設けられ、側方ケース11A、11Bと隔壁18A、18Bとの間には、それぞれ第1及び第2電動機2A、2Bが配置される。また、中央ケース11Mと隔壁18A、18Bとに囲まれた空間には、第1及び第2遊星歯車式減速機12A、12Bが配置されている。なお、図2に示すように、本実施形態では、左側方ケース11Aと中央ケース11Mとは、第1電動機2A及び第1遊星歯車式減速機12Aを収容する第1ケース11Lを構成し、また、右側方ケース11Bと中央ケース11Mとは、第2電動機2B及び第2遊星歯車式減速機12Bを収容する第2ケース11Rを構成している。そして、第1ケース11Lは、第1電動機2Aと第1遊星歯車式減速機12Aの少なくとも一方の潤滑及び/又は冷却に供される液状流体としてのオイルを貯留する左貯留部RLを有し、第2ケース11Rは、第2電動機2Bと第2遊星歯車式減速機12Bの少なくとも一方の潤滑及び/又は冷却に供されるオイルを貯留する右貯留部RRを有する。そして、ケース11は、図4に示すように、一対の支持装置であるマウント部材13a、13bによって車両骨格部材であるサブフレーム13に支持され、サブフレーム13を介して車両のフロアパネル(図示せず)の下方に固定される。また、後輪駆動装置1は、マウント部材13a、13bを、ケース11(側方ケース11A、11B)の前方側面11fから前方に突出形成されたボス部11a(図5参照)に固定することで、車両3に支持されている。また、図2〜11中の矢印は、後輪駆動装置1が車両に搭載された状態における位置関係を示している。

後輪駆動装置1には、ケース11の内部と外部とを連通するブリーザ装置40が設けられ、内部の空気が過度に高温・高圧とならないように内部の空気をブリーザ室41を介して外部に逃がすように構成される。ブリーザ室41は、ケース11の鉛直方向上部に配置され、中央ケース11Mの外壁と、中央ケース11M内に左側方ケース11A側に略水平に延設された第1円筒壁43と、右側方ケース11B側に略水平に延設された第2円筒壁44と、第1及び第2円筒壁43、44の内側端部同士をつなぐ左右分割壁45と、第1円筒壁43の左側方ケース11A側先端部に当接するように取り付けられたバッフルプレート47Aと、第2円筒壁44の右側方ケース11B側先端部に当接するように取り付けられたバッフルプレート47Bと、により形成された空間により構成される。

ブリーザ室41の下面を形成する第1及び第2円筒壁43、44と左右分割壁45とは、第1円筒壁43が第2円筒壁44より径方向内側に位置し、左右分割壁45が、第2円筒壁44の内側端部から縮径しつつ屈曲しながら第1円筒壁43の内側端部まで延設され、さらに径方向内側に延設されて略水平に延設された第3円筒壁46に達する。第3円筒壁46は、第1円筒壁43と第2円筒壁44との両外側端部より内側に且つその略中央に位置している。

中央ケース11Mには、バッフルプレート47A、47Bが、第1円筒壁43と中央ケース11Mの外壁との間の空間又は第2円筒壁44と中央ケース11Mの外壁との間の空間を第1遊星歯車式減速機12A又は第2遊星歯車式減速機12Bからそれぞれ区画するように固定されている。

また、図3及び図9〜図11に示すように、中央ケース11Mには、ブリーザ室41と外部とを連通するための外部連通パイプ49がブリーザ室41の鉛直方向上面に嵌装される。外部連通パイプ49のブリーザ室側端部49aは、鉛直方向下方を指向して配置されている。従って、オイルが外部連通パイプ49を通って外部に排出されるのが抑制される。

また、この外部連通パイプ49は、ホース161と接続されており、ホース161とともに、ケース11の内部と大気とを連通する大気連通機構(以下、「大気連通機構」は、大気連通路、ブリーザとも称す)160を構成している。ホース161の先端161aは、図示しないがサブフレーム13の閉断面を有する中空部に挿入固定され、サブフレーム13内で大気連通している。

第1及び第2電動機2A、2Bは、ステータ14A、14Bがそれぞれ側方ケース11A、11Bに固定され、このステータ14A、14Bの内周側に環状のロータ15A、15Bが回転可能に配置されている。ロータ15A、15Bの内周部には車軸10A、10Bの外周を囲繞する円筒軸16A、16Bが結合され、この円筒軸16A、16Bが車軸10A、10Bと同軸上に相対回転可能となるように側方ケース11A、11Bの端部壁17A、17Bと隔壁18A、18Bとに軸受19A、19Bを介して支持されている。また、円筒軸16A、16Bの一端側の外周であって端部壁17A、17Bには、ロータ15A、15Bの回転位置情報を第1及び第2電動機2A、2Bの制御コントローラ(図示せず)にフィードバックするためのレゾルバ20A、20Bが設けられている。ステータ14A、14B、及びロータ15A、15Bを含む第1及び第2電動機2A、2Bは、同一径とされ、第1及び第2電動機2A、2Bの回転軸線は同一線X上に配置され(以下、符号Xを回転軸線Xとして付す。)、また、第1及び第2電動機2A、2Bは互いに鏡面対称に配置される。また、車軸10A及び円筒軸16Aは、第1電動機2A内を貫通して、第1電動機2Aの両端部から延出しており、車軸10B及び円筒軸16Bも、第2電動機2B内を貫通して、第2電動機2Bの両端部から延出している。

また、左後輪LWrと第1電動機2Aとの動力伝達経路上に配置された第1遊星歯車式減速機12A、及び右後輪RWrと第2電動機2Bとの動力伝達経路上に配置された第2遊星歯車式減速機12Bは、サンギヤ21A、21Bと、サンギヤ21A、21Bの外周側に位置するリングギヤ24A、24Bと、サンギヤ21A、21B及びリングギヤ24A、24Bに噛合される複数のプラネタリギヤ22A、22Bと、これらのプラネタリギヤ22A、22Bを支持するプラネタリキャリア23A、23Bと、を備え、サンギヤ21A、21Bから第1及び第2電動機2A、2Bの駆動力が入力され、減速された駆動力がプラネタリキャリア23A、23Bを通して車軸10A、10Bに出力されるようになっている。

サンギヤ21A、21Bは円筒軸16A、16Bに一体に形成されている。また、プラネタリギヤ22A、22Bは、サンギヤ21A、21Bに直接噛合される大径の第1ピニオン26A、26Bと、この第1ピニオン26A、26Bよりも小径の第2ピニオン27A、27Bを有する2連ピニオンであり、これらの第1ピニオン26A、26Bと第2ピニオン27A、27Bが同軸にかつ軸方向にオフセットした状態で一体に形成されている。このプラネタリギヤ22A、22Bはニードルベアリング31A、31Bを介してプラネタリキャリア23A、23Bのピニオンシャフト32A、32Bに支持され、プラネタリキャリア23A、23Bは、軸方向内側端部が径方向内側に伸びて車軸10A、10Bにスプライン嵌合され一体回転可能に支持されるとともに、軸受33A、33Bを介して隔壁18A、18Bに支持されている。

リングギヤ24A、24Bは、その内周面が小径の第2ピニオン27A、27Bに噛合されるギヤ部28A、28Bと、ギヤ部28A、28Bより小径でケース11の中間位置で互いに対向配置される小径部29A、29Bと、ギヤ部28A、28Bの軸方向内側端部と小径部29A、29Bの軸方向外側端部を径方向に連結する連結部30A、30Bとを備えて構成されている。

ギヤ部28A、28Bは、中央ケース11Mの左右分割壁45の内径側端部に形成された第3円筒壁46を挟んで軸方向に対向している。小径部29A、29Bは、その外周面がそれぞれ後述する一方向クラッチ50のインナーレース51とスプライン嵌合し、リングギヤ24A、24Bは一方向クラッチ50のインナーレース51と一体回転するように互いに連結されて構成されている。

第2遊星歯車式減速機12B側であって、ケース11を構成する中央ケース11Mの第2円筒壁44とリングギヤ24Bのギヤ部28Bとの間には、リングギヤ24Bに接続されて制動手段を構成する油圧ブレーキ60が第1ピニオン26Bと径方向でオーバーラップし、第2ピニオン27Bと軸方向でオーバーラップするように配置されている。油圧ブレーキ60は、第2円筒壁44の内周面にスプライン嵌合された複数の固定プレート35と、リングギヤ24Bのギヤ部28Bの外周面にスプライン嵌合された複数の回転プレート36とが軸方向に交互に配置され、これらのプレート35,36が環状のピストン37によって締結及び解放操作されるようになっている。ピストン37は、中央ケース11Mの左右分割壁45と第3円筒壁46との間に形成された環状のシリンダ室に進退自在に収容されており、さらに第3円筒壁46の外周面に設けられた受け座38に支持される弾性部材39によって、常時、固定プレート35と回転プレート36とを解放する方向に付勢される。

また、さらに詳細には、左右分割壁45とピストン37の間はオイルが直接導入される作動室Sとされ、作動室Sに導入されるオイルの圧力が弾性部材39の付勢力に勝ると、ピストン37が前進(右動)し、固定プレート35と回転プレート36とが相互に押し付けられて締結することとなる。また、弾性部材39の付勢力が作動室Sに導入されるオイルの圧力に勝ると、ピストン37が後進(左動)し、固定プレート35と回転プレート36とが離間して解放することとなる。なお、油圧ブレーキ60は液状流体供給装置としての電動オイルポンプ70(図4参照)に接続されている。

この油圧ブレーキ60の場合、固定プレート35がケース11を構成する中央ケース11Mの左右分割壁45から伸びる第2円筒壁44に支持される一方で、回転プレート36がリングギヤ24Bのギヤ部28Bに支持されているため、両プレート35、36がピストン37によって押し付けられると、両プレート35、36間の摩擦締結によってリングギヤ24Bに制動力が作用し固定される。その状態からピストン37による締結が解放されると、リングギヤ24Bの自由な回転が許容される。なお、上述したように、リングギヤ24A、24Bは互いに連結されているため、油圧ブレーキ60が締結することによりリングギヤ24Aにも制動力が作用し固定され、油圧ブレーキ60が解放することによりリングギヤ24Aも自由な回転が許容される。

また、軸方向で対向するリングギヤ24A、24Bの連結部30A、30B間にも空間部が確保され、その空間部内に、リングギヤ24A、24Bに対し一方向の動力のみを伝達し他方向の動力を遮断する一方向クラッチ50が配置されている。一方向クラッチ50は、インナーレース51とアウターレース52との間に多数のスプラグ53を介在させたものであって、そのインナーレース51がスプライン嵌合によりリングギヤ24A、24Bの小径部29A、29Bと一体回転するように構成されている。またアウターレース52は、第3円筒壁46により位置決めされるとともに、回り止めされている。

一方向クラッチ50は、車両3が第1及び第2電動機2A、2Bの動力で前進する際に係合してリングギヤ24A、24Bの回転をロックするように構成されている。より具体的に説明すると、一方向クラッチ50は、第1及び第2電動機2A、2B側の順方向(車両3を前進させる際の回転方向)の回転動力が後輪Wr側に入力されるときに係合状態となるとともに第1及び第2電動機2A、2B側の逆方向の回転動力が後輪Wr側に入力されるときに非係合状態となり、後輪Wr側の順方向の回転動力が第1及び第2電動機2A、2B側に入力されるときに非係合状態となるとともに後輪Wr側の逆方向の回転動力が第1及び第2電動機2A、2B側に入力されるときに係合状態となる。

このように本実施形態の後輪駆動装置1では、第1及び第2電動機2A、2Bと後輪Wrとの動力伝達経路上に一方向クラッチ50と油圧ブレーキ60とが並列に設けられている。なお、油圧ブレーキ60は、車両の走行状態や一方向クラッチ50の係合・非係合状態に応じて、電動オイルポンプ70から供給されるオイルの圧力により、解放状態、弱締結状態、締結状態に制御される。例えば、車両3が第1及び第2電動機2A、2Bの力行駆動により前進する時(低車速時、中車速時)は、一方向クラッチ50が締結するため動力伝達可能な状態となるが油圧ブレーキ60が弱締結状態に制御されることで、第1及び第2電動機2A、2B側からの順方向の回転動力の入力が一時的に低下して一方向クラッチ50が非係合状態となった場合にも、第1及び第2電動機2A、2B側と後輪Wr側とで動力伝達不能になることが抑制される。また、車両3が内燃機関4及び/又は電動機5の力行駆動により前進する時(高車速時)は、一方向クラッチ50が非係合となりさらに油圧ブレーキが解放状態に制御されることで、第1及び第2電動機2A、2Bの過回転が防止される。一方、車両3の後進時や回生時には、一方向クラッチ50が非係合となるため油圧ブレーキ60が締結状態に制御されることで、第1及び第2電動機2A、2B側からの逆方向の回転動力が後輪Wr側に出力され、又は後輪Wr側の順方向の回転動力が第1及び第2電動機2A、2B側に入力される。

また、図5に示すように、中央ケース11Mの第1及び第2円筒壁43、44と左右分割壁45との外周面は、ブリーザ室41を形成する以外の部分において外部に露出しており、第1及び第2円筒壁43、44と左右分割壁45との外周面には、その軸方向両端部から半径方向に張り出した一対の張り出し部101,102が形成されている。

そして、第1及び第2円筒壁43、44と左右分割壁45の周囲で、斜め前方且つ下方には、一対の張り出し部101,102と、底壁103と、上壁104とによって略四筒状に画成され、後述のストレーナ71を収容し、オイルを貯留する貯留部としてのストレーナ収容室105が形成されている。ストレーナ収容室105を形成する一対の張り出し部101,102には、左貯留部RLとストレーナ収容室105とを連通する貫通孔107a,107bと、右貯留部RRとストレーナ収容室105とを連通する貫通孔(図示せず)とがそれぞれ形成されている。これにより、左貯留部RLと右貯留部RRは、ストレーナ収容室105を介して連通する。

このストレーナ収容室105を構成する、一対の張り出し部101,102、底壁103、及び上壁104の先端面は、蓋部材固定部105bをなし、外側に向かって開口する前方開口部105aの外縁を形成する。ストレーナ収容室105の前方開口部105aは、電動オイルポンプ70が取り付けられる蓋部材72によって塞がれている。蓋部材72には、ケース11の蓋部材固定部105bと対向する位置に、略四角形状の端面を有するケース固定部72aが設けられる。

図5、図6A及び図6Bに示すように、電動オイルポンプ70は、蓋部材72に形成されたケース固定部72aと、ストレーナ収容室105の前方開口部105aに形成された蓋部材固定部105bとを複数のボルト106により締結固定することで、ストレーナ収容室105の前方開口部105aに取り付けられる。したがって、電動オイルポンプ70は、蓋部材72がケース11に装着されて前方開口部105aを閉塞した閉塞状態で、蓋部材72よりもケース11の外側に配置されるように蓋部材72に取り付けられている。また、該閉塞状態で、蓋部材72よりもケースの内側には、流路形成部材としての油路形成カバー96が蓋部材72に対し着脱可能に設けられ、ボルト69によって蓋部材72に固定されている。油路形成カバー96は、蓋部材72とともに、油圧回路の油路の一部を画成する。蓋部材72と油路形成カバー96との間には、下から順に、後述する低圧油路切替弁73、ブレーキ油路切替弁74、リリーフ弁84が配置されている。また、蓋部材72の油路形成カバー96と反対側には、ソレノイド弁(図示せず)が取り付けられており、通電によって、低圧油路切替弁73とブレーキ油路切替弁74との間に設けられたパイロット油路の連通・遮断を行う。

また、ストレーナ71は、その排出口71aが蓋部材72に挿入され、油路形成カバー96を蓋部材72に締結するボルト69で共締めされることで、蓋部材72のみに着脱可能に固定されている。ストレーナ71は、その下面に設けられた吸入口(図示せず)から吸入されたオイルの異物を除去し、異物が除去されたオイルは、電動オイルポンプ70へと送られる。

図7も参照して、電動オイルポンプ70及び蓋部材72とともにオイル吸入路94を構成するストレーナ71は、蓋部材72のケース固定部72aよりもケース側に延出しており、ストレーナ71の吸入口は、蓋部材72がケース11に固定された取付状態において、ストレーナ収容室105の貯留部内に位置する。 また、電動オイルポンプ70及び蓋部材72はオイル吐出路95を構成しており、後述する電動オイルポンプ70の圧送部87から圧送されたオイルを蓋部材72と油路形成カバー96との間に形成された油圧回路へと送る。

油路形成カバー96には、ストレーナ収容室105内で、中央ケース11Mの外周面に形成された、後述するブレーキ油路の作動室用ポート108aと、被冷潤部を潤滑するための油路の冷却/潤滑用ポート108bにそれぞれ接続される、2つの出口パイプ97a、97bが取り付けられている。

ケース11には、作動室用ポート108aから油圧ブレーキ60の作動室Sまで連通するブレーキ油路(図示せず)が形成されおり、電動オイルポンプ70から吐出されたオイルが供給される。また、ケース11には、冷却/潤滑用ポート108bから中央ケース11Mの前部で鉛直方向に延びる前方鉛直油路109と、前方鉛直油路109から分岐する左側ケース油路110A及び右側ケース油路110Bとが形成されている。左側ケース油路110Aは、該油路110Aを通過するオイルが、第1電動機2Aの被冷却部A1(例えば、第1電動機2Aのステータ14Aのコイル)を冷却し、また、第1電動機2Aの被潤滑部A2(例えば、第1電動機2Aの軸受19A)を潤滑するように形成されるとともに、車軸10Aに設けられた左側車軸油路111Aと連通するように形成される。そして、左側車軸油路111Aを通過するオイルは、第1遊星歯車式減速機12Aの被潤滑部A3(例えば、第1遊星歯車式減速機12Aのニードルベアリング31Aや各ギヤ21A、22A、23A、24Aの噛合部分など)を潤滑する。

また、右側ケース油路110Bも、該油路110Bを通過したオイルが、第2電動機2Bの被冷却部B1(例えば、第2電動機2Bのステータ14Bのコイル)を冷却し、また、第2電動機2Bの被潤滑部B2(例えば、第2電動機2Bの軸受19B)を潤滑するように形成されるとともに、車軸10Bに設けられた右側車軸油路111Bと連通するように形成される。そして、右側車軸油路111Bを通過するオイルは、第2遊星歯車式減速機12Bの被潤滑部B3(例えば、第2遊星歯車式減速機12Bのニードルベアリング31Bや各ギヤ21B、22B、24Bの噛合部分など)を潤滑する。

従って、ケース11内に形成される前方鉛直油路109、左側ケース油路110A、左側車軸油路111Aは、第1電動機2Aの被冷却部A1と被潤滑部A2、及び第1遊星歯車式減速機12Aの被潤滑部A3を冷却する第1冷潤流路130Aを構成し、ケース11内に形成される前方鉛直油路109、右側ケース油路110B、右側車軸油路111Bは、第2電動機2Bの被冷却部B1と被潤滑部B2、及び第2遊星歯車式減速機12Bの被潤滑部B3を冷却する第2冷潤流路130Bを構成する。

また、図6A〜図8に戻って、電動オイルポンプ70は、位置センサレス・ブラシレス直流モータからなる電動機90を収容する電動機部85と、電動機90によって駆動されるトロコイドポンプ86を収容する圧送部87とを有する。この電動オイルポンプ70は、高圧モードと低圧モードの少なくとも2つのモードで運転可能となっており、PID制御で制御されている。圧送部87はオイル吸入路94及びオイル吐出路95の下方に設けられ、電動機90の回転軸90aに連結されたインナーロータ86aと、アウターロータ86bを回転することで吐出量を調整しながら、ストレーナ71からオイル吸入路94に流入したオイルをオイル吐出路95に吐出する。

電動機部85は、電動機90が収容される本体収容部85aと、本体収容部85aよりも上方で、電動機90の制御部材88を収容する制御部収容部85bと、を有する。本体収容部85aと制御部収容部85bとは、仕切部材99に形成された連通穴89によって連通されており、この連通穴89には、電動機90と制御部材88とを接続する電線91が配置されている。

電動オイルポンプ70には、その内部と外部とを連通する大気連通機構98が設けられ、内圧を一定に保つように、本体収容部85aの内部の空気を連通穴89及び制御部収容部85bを介して外部に逃がすように構成される。

また、制御部収容部85bの上部には、外部連通パイプ92が嵌装されており、外部連通パイプ92には、図9〜図11に示すように、ホース151が接続され、ホース151の他端側には、ブリーザボックス140が取り付けられている。即ち、外部連通パイプ92、ホース151、及びブリーザボックス140は、電動機部85の内部と大気とを連通する大気連通機構150を構成し、大気連通機構150は、上述した大気連通機構160と別個独立に設けられる。

ブリーザボックス140は、電動オイルポンプ70と離間して電動オイルポンプ70よりも高い位置に配置されるように、ケース11の上面に固定されている。即ち、図5及び図11に示すように、ストレーナ収容室105は、より多くのオイルを回収・貯留すべく、第1及び第2電動機2A、2Bや第1及び第2遊星歯車式減速機12A、12Bの回転軸線Xを通る仮想水平面Hよりも下方にオイルを貯留し、また、電動オイルポンプ70は、ストレーナ収容室105に近接してオイルの供給効率を向上すべく、仮想水平面Hよりも下方に配置される。一方、ブリーザボックス140は、仮想水平面Hよりも上方に配置されることで、電動オイルポンプ70とブリーザボックス140の間に、より高低差がつけられ、ブリーザとしての機能を向上することができる。さらに、ブリーザボックス140は、ケース11のみに固定されるので、後輪駆動装置1をサブフレーム13に対し着脱するときに、後輪駆動装置1とブリーザボックス140とを一体的に扱うことができる。

また、ブリーザボックス140は、図12及び図13に示すように、ブリーザボックス140を構成する、ケース部材141及び蓋部材142を有し、相互に結合されることで、内部に所定の容積空間VSを形成する。この容積空間VSは、容積空間VS内の通路の一端部となるケース部材141の第1の管部141aにホース151を接続することで、電動オイルポンプ70の電動機部85の内部に連通するとともに、容積空間VS内の通路の他端部となるケース部材141の第2の管部141bを大気連通する。これにより、電動オイルポンプ70のブリーザ容積室を、電動オイルポンプ70と別体でより高い位置に配置されるブリーザボックス140によって構成するので、大気連通機構98への水の浸入を確実に防止するとともに、ブリーザ容積室をより適切な位置に配置することができる。

また、容積空間VS内の通路の途中には、ケース部材141と蓋部材142とによって挟持される気孔膜部材143が配置されている。気孔膜部材143は、気体の通過を許容するとともに液体及び固体の通過を抑制する部材で、容積空間VSを電動機部側と大気側とに区画する。また、気孔膜部材143は、大気連通機構98、150のうち、ブリーザボックス140内に配置されることで、大気により近い位置で、気孔膜部材143より上流側への液体及び固体の侵入を抑制する。

以上説明したように、本実施形態の後輪駆動装置1によれば、電動オイルポンプ70と離間して電動オイルポンプ70よりも高い位置に配置されるとともに、所定の容積空間VSを有するブリーザボックス140をさらに備え、ブリーザボックス140の容積空間VSは、電動オイルポンプ70の電動機部85の内部に連通するとともに、大気連通する。これにより、電動オイルポンプ70のブリーザとしての容積空間VSを、電動オイルポンプ70と別体でより高い位置に配置されるブリーザボックス140によって構成するので、大気連通機構98への水の浸入を確実に防止するとともに、容積空間VSをより適切な位置に配置することができる。

また、ブリーザボックス140は、ケース11に固定されるので、ケース11、電動オイルポンプ70、及びブリーザボックス140を一体的に扱うことができる。

また、ケース11は、第1及び第2電動機2A、2B又は第1及び第2遊星歯車式減速機12A、12Bの回転軸線Xを通る仮想水平面Hよりも下方にオイルを貯留するストレーナ収容室105を有し、電動オイルポンプ70は、仮想水平面Hよりも下方に配置され、ブリーザボックス140は、仮想水平面Hよりも上方に配置される。このようにストレーナ収容室105を下方に配置することでより多くのオイルを回収・貯留可能となり、ストレーナ収容室105に近接して電動オイルポンプ70を配置することで供給効率がよくなる。また、電動オイルポンプ70とブリーザボックス140の間に、より高低差がつけられるのでブリーザとしての機能も向上することができる。

また、電動機部85、ブリーザボックス140、及び電動機部85とブリーザボックス140とを連通するホース151で構成される大気連通路98、150には、気体の通過を許容するとともに液体及び固体の通過を抑制する気孔膜部材143が介装される。これにより、ブリーザボックス140単体での液体の浸入抑制に加えて、気孔膜部材143による液体及び固体の侵入を抑制することができる。

また、気孔膜部材143は、大気連通路のうち、ブリーザボックス140内に配置されるので、気孔膜部材143は、大気により近い位置に配置可能で、気孔膜部材143より上流側への液体及び固体の侵入を抑制することができる。

また、ブリーザボックス140は、相互に結合されてブリーザボックス140を構成する、ケース部材141及び蓋部材142を有し、気孔膜部材143は、ケース部材141と蓋部材142とによって挟持され、容積空間VSを電動機部側と大気側とに区画する。これにより、気孔膜部材143を、電動オイルポンプ70と別体のブリーザボックス140内に、且つ、ブリーザボックス140を構成するケース部材141及び蓋部材142間に配置するので、気孔膜部材143の組み立て、交換が容易となる。

また、電動機部85は、電動機90が収容される本体収容部85aと、電動機90の制御部材88を収容する制御部収容部85bと、を含み、本体収容部85aと制御部収容部85bとは、連通穴89によって連通され、連通穴89には、電動機90と制御部材88とを接続する電線91が配置される。これにより、連通穴89は、大気連通機構98の内部の空気が通る空間と、電線91の配索のためのスペースとして共用することができる。

また、ケース11は、車両のフロアパネルよりも下方に配置されるので、フロアパネル上方の乗員スペース・積載スペースを拡大することができる。

また、本実施形態の後輪駆動装置1は、電動オイルポンプ70の電動機部85の内部と大気とを連通する大気連通機構150と、ケース11の内部と大気とを連通する大気連通機構160とを、別個独立に備える。これにより、電動オイルポンプ70はケース11に固定されて後輪駆動装置1と一体化されているが、後輪駆動装置1と電動オイルポンプ70とではブリーザ機構に求める機能・性能が異なるので、各大気連通機構150、160を別個独立とすることで、それぞれの大気連通機構150、160を必要・十分な機能・性能とすることができる。

また、ケース11は、車両のサブフレーム13に対し、マウント部材13a、13bを介して支持される。大気連通機構150は、電動オイルポンプ70の電動機部85の内部と離間して該電動機部85よりも高い位置に配置されるとともに、所定の容積空間VSを有するブリーザボックス140を有し、ブリーザボックス140は、ケース11に固定される。これにより、大気連通機構150は、後輪駆動装置1と一体的に扱うことができる。即ち、後輪駆動装置1のブリーザ装置40はそもそも後輪駆動装置本体をサブフレーム13に対し着脱するときには、マウント部材13a、13bの着脱作業が発生するので、大気連通機構160は後輪駆動装置1と一体にしておくメリットは小さいが、電動オイルポンプ70は、後輪駆動装置1と一体的に扱われるので、大気連通機構150は、後輪駆動装置1と一体的に扱うメリットは大きい。

また、大気連通機構150と大気連通機構160とのうち、大気連通機構150のみに気体の通過を許容するとともに液体及び固体の通過を抑制する気孔膜部材143が介装される。これにより、気孔膜部材143による液体及び固体の侵入を抑制することができ、また、大気連通機構150と大気連通機構160を並列にしているので、気孔膜部材143も必要最小限とすることができる。

尚、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。 本実施形態では、気孔膜部材143はブリーザボックス140内に配置されているが、これに限らず、電動機部85、ブリーザボックス140、及び電動機部85とブリーザボックス140とを連通するホース151で構成される大気連通路のいずれかに配置されればよい。

また、上記実施形態では、液状媒体供給装置が、各媒体流路を介して、液圧駆動式の断接手段の液圧室と、動力源の被冷却部若しくは被潤滑部又は動力伝達機構の被冷却部若しくは被潤滑部の少なくとも何れか一つである被冷潤部との両方に、液状媒体を供給する構成としているが、本発明は、液状媒体供給装置が、該液圧室と該被冷潤部のいずれかに液状媒体を供給する構成に適用されてもよい。

また、前輪駆動装置6を内燃機関4を用いずに電動機5を唯一の駆動源とするものでもよい。

本実施形態では、左側方ケース11Aと中央ケース11Mとで第1ケース11Lを、また、右側方ケース11Bと中央ケース11Mとで第2ケース11Rをそれぞれ構成している。しかしながら、本発明の第1ケース11Lは、第1電動機2A及び第1遊星歯車式減速機12Aを収容し、左貯留部RLを有するものであれば、また、第2ケース11Rは、第2電動機2B及び第2遊星歯車式減速機12Bを収容し、右貯留部RRを有するものであれば、この構成に限定されるものでない。

さらに、図2〜図13に示すような実施形態では、左車輪と第1電動機2Aとの動力伝達経路上に第1変速機が、右車輪と第2電動機2Bとの動力伝達経路上には第2変速機が、それぞれ配置される構成としたが、本発明は、第1及び第2変速機を有さずに、第1及び第2電動機2A、2Bを有する構成であってもよい。

また、本発明は、冷却、潤滑に供される液状流体としてオイルを用いたが、他の液体を用いてもよい。

なお、本出願は、2013年12月2日出願の日本特許出願(特願2013−249618)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。

1 後輪駆動装置(車両用駆動装置) 2A 第1電動機(動力源) 2B 第2電動機(動力源) 3 車両 11 ケース(筐体) 12A 第1遊星歯車式減速機(動力伝達機構) 12B 第2遊星歯車式減速機(動力伝達機構) 70 電動オイルポンプ(液状流体供給装置) 85 電動機部 85a 本体収容部 85b 制御部収容部 86 トロコイドポンプ(圧送機構) 87 圧送部 88 制御部材 89 連通穴 90 電動機 91 電線 98 大気連通機構 105 ストレーナ収容室(貯留部) 140 ブリーザボックス(容積部材) 141 ケース部材(第1部材) 142 蓋部材(第2部材) 143 気孔膜部材 150 大気連通機構(第1大気連通機構) 151 ホース(連通部材) 160 大気連通機構(第2大気連通機構) H 仮想水平面 LWr 左後輪(車輪) RWr 右後輪(車輪)

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