Manufacturing method of an electric compressor, and an electric compressor

申请号 JP2012010350 申请日 2012-01-20 公开(公告)号 JP5423821B2 公开(公告)日 2014-02-19
申请人 株式会社豊田自動織機; 发明人 哲也 山田; 達也 伊藤; 健 水藤;
摘要
权利要求
  • ハウジング内に圧縮部、及び前記圧縮部の駆動源である電動モータが収容されるとともに、前記電動モータが前記ハウジングの一部を構成するモータハウジングに収容されており、前記電動モータのステータコアが前記モータハウジング内に焼き嵌めによって組み付けられ、前記電動モータを駆動させるためのモータ駆動回路と前記電動モータとを電気的に接続するために前記モータハウジングを貫通している導電部材と、前記電動モータから引き出されるリード線とが、前記モータハウジング内に設けられたクラスタブロック内の接続端子を介して電気的に接続されている電動圧縮機であって、
    前記クラスタブロックは前記ステータコアに係着されており、
    前記クラスタブロックには、開口部が設けられていることを特徴とする電動圧縮機。
  • 前記開口部は前記ステータコアの中心軸に平行な方向に開口していることを特徴とする請求項1に記載の電動圧縮機。
  • 前記クラスタブロックは、前記開口部を複数有していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電動圧縮機。
  • 前記接続端子には、断面視長方形状であるとともに対向する長辺が前記導電部材を挟持する筒部が形成されており、
    前記クラスタブロックには前記筒部が嵌挿される断面視長方形状の嵌挿孔が形成されており、
    前記嵌挿孔は、対向する一対の長辺部が前記クラスタブロックの一面に対して傾くように形成されており、
    前記開口部は、前記嵌挿孔が形成された前記クラスタブロックの断面における一つの角部と前記嵌挿孔の長辺部とで囲まれた領域内に形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の電動圧縮機。
  • 請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の電動圧縮機の製造方法であって、
    前記モータハウジングを加熱膨張させて前記モータハウジング全体を径方向外側へ膨張させた後、前記ステータコアに組付け用治具を取り付けるとともに、前記組付け用治具の一部と前記開口部とを嵌合させた状態で、前記ステータコア及び前記クラスタブロックを前記モータハウジング内に挿入し、前記モータハウジングを温度低下させて前記モータハウジングを径方向内側へ収縮させ、前記モータハウジングを前記ステータコアに圧接させることで、前記ステータコアを前記モータハウジングの内側に組み付けることを特徴とする電動圧縮機の製造方法。
  • 说明书全文

    本発明は、電動圧縮機、及び電動圧縮機の製造方法に関する。

    電動圧縮機のハウジング内には、冷媒を圧縮して吐出する圧縮部、及び圧縮部の駆動源である電動モータが収容されている。 電動モータは、ハウジングの一部を構成するモータハウジング内に収容されている。 また、電動モータを駆動させるためのモータ駆動回路と電動モータとを電気的に接続するために用いられる導電部材と、電動モータから引き出されるリード線とが、モータハウジング内に設けられたクラスタブロック内の接続端子を介して電気的に接続されている。 このクラスタブロックを電動モータのステータコアに取り付けたものが、例えば特許文献1に開示されている。

    特許文献1のモータ一体型コンプレッサ(電動圧縮機)において、クラスタ(クラスタブロック)のクラスタハウジングにはアリ突起が形成されるとともに、モータハウジングの内面に固定されたステータコアの外周面にはその軸方向に沿って延びるアリ溝が形成されている。 そして、アリ突起をアリ溝に対してスライドさせながら挿入することで、アリ突起がアリ溝に係合され、アリ突起とアリ溝との係合によりクラスタがステータコアに取り付けられる(係着される)。 また、クラスタはモータハウジングを貫通している端子(導電部材)に接続されている。

    特開2006−42409号公報

    ところで、クラスタが取り付けられたステータコアは、モータハウジング内に焼き嵌めによって組み付けられる。 この焼き嵌めによるモータハウジングに対するステータコアの組み付けは、まず、モータハウジングを加熱膨張させてハウジングの内径をステータコアの外径よりも大きくするとともに、クラスタが取り付けられたステータコアを、モータハウジングの開口を介してモータハウジング内に挿入する。 そして、ステータコアがモータハウジング内における予め決められた位置まで挿入された状態で、モータハウジングの温度を低下させる。 このモータハウジングの温度低下に伴ってモータハウジングが径方向内側へ収縮するとともに、モータハウジングの内周面がステータコアの外周面を圧接することにより、ステータコアがモータハウジングの内側に嵌合された状態で組み付けられる。

    特許文献1のような、クラスタにステータコアが係着するような構成では、係合箇所においてある程度クラスタの位置や向きを調整することが可能であるため。 端子との接続が容易となっている。 しかし、その背反として、加熱膨張させたモータハウジング内にステータコアを挿入した際に、クラスタがステータコアに対して移動したり傾いたりして、クラスタが加熱膨張したモータハウジングに接触してしまう場合がある。 クラスタが加熱膨張したモータハウジングに接触すると、クラスタが熱により変形してしまい、端子との接続が困難となり得る。

    本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、ステータコアをモータハウジング内に焼き嵌めによって組み付ける際に、ステータコアに係着しているクラスタブロックが移動したり傾いたりしてモータハウジングに接触してしまうことを防止することができる電動圧縮機、及び電動圧縮機の製造方法を提供することにある。

    上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、ハウジング内に圧縮部、及び前記圧縮部の駆動源である電動モータが収容されるとともに、前記電動モータが前記ハウジングの一部を構成するモータハウジングに収容されており、前記電動モータのステータコアが前記モータハウジング内に焼き嵌めによって組み付けられ、前記電動モータを駆動させるためのモータ駆動回路と前記電動モータとを電気的に接続するために前記モータハウジングを貫通している導電部材と、前記電動モータから引き出されるリード線とが、前記モータハウジング内に設けられたクラスタブロック内の接続端子を介して電気的に接続されている電動圧縮機であって、前記クラスタブロックは前記ステータコアに係着されており、前記クラスタブロックには、開口部が設けられていることを要旨とする。

    この発明によれば、モータハウジング内にステータコアを焼き嵌めによって組み付ける際にステータコアに取り付けられる組付け用治具の一部とクラスタブロックの開口部とを嵌合させることで、クラスタブロックを組付け用治具に対して位置決めすることができる。 その結果、クラスタブロックとステータコアとが相対移動してしまうことが組付け用治具により規制され、ステータコアをモータハウジング内に焼き嵌めによって組み付ける際に、ステータコアに係着しているクラスタブロックが移動したり傾いたりしてモータハウジングに接触してしまうことを防止することができる。

    請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記開口部は前記ステータコアの中心軸に平行な方向に開口していることを要旨とする。
    この発明によれば、モータハウジング内にステータコアを焼き嵌めによって組み付ける際に、ステータコアに組付け用治具を取り付けると同時に、クラスタブロックの開口部に組付け用治具の一部を嵌合させ易くなり、モータハウジングに対するステータコアの組み付け性を向上させることができる。

    請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記クラスタブロックは、前記開口部を複数有していることを要旨とする。
    この発明によれば、開口部が単数の場合に比べると、クラスタブロックを組付け用治具に対してさらに位置決めし易くすることができる。

    請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の発明において、前記接続端子には、断面視長方形状であるとともに対向する長辺が前記導電部材を挟持する筒部が形成されており、前記クラスタブロックには前記筒部が嵌挿される断面視長方形状の嵌挿孔が形成されており、前記嵌挿孔は、対向する一対の長辺部が前記クラスタブロックの一面に対して傾くように形成されており、前記開口部は、前記嵌挿孔が形成された前記クラスタブロックの断面における一つの部と前記嵌挿孔の長辺部とで囲まれた領域内に形成されていることを要旨とする。

    この発明によれば、嵌挿孔と開口部とをクラスタブロックの領域内に充填率高く充填することができる。 よって、クラスタブロックを小型化できる。
    請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の電動圧縮機の製造方法であって、前記モータハウジングを加熱膨張させて前記モータハウジング全体を径方向外側へ膨張させた後、前記ステータコアに組付け用治具を取り付けるとともに、前記組付け用治具の一部と前記開口部とを嵌合させた状態で、前記ステータコア及び前記クラスタブロックを前記モータハウジング内に挿入し、前記モータハウジングを温度低下させて前記モータハウジングを径方向内側へ収縮させ、前記モータハウジングを前記ステータコアに圧接させることで、前記ステータコアを前記モータハウジングの内側に組み付けることを要旨とする。 この発明によれば、請求項1〜請求項4と同様な効果を得ることができる。

    この発明によれば、ステータコアをモータハウジング内に焼き嵌めによって組み付ける際に、ステータコアに係着しているクラスタブロックが移動したり傾いたりしてモータハウジングに接触してしまうことを防止することができる。

    (a)は実施形態における電動圧縮機を示す側断面図、(b)は係合片が係合孔に係合されてクラスタブロックがステータコアに係着された状態を拡大して示す側断面図。

    クラスタブロック周辺を拡大して示す縦断面図。

    (a)は接続端子と金属端子及びリード線との関係を示す図、(b)は図3(a)のA−A線断面図。

    組付け用治具をステータコアに取り付ける前の状態を示す側面図。

    組付け用治具がステータコアに取り付けられた状態を示す側面図。

    加熱膨張させたモータハウジング内にクラスタブロックが取り付けられたステータコアを挿入している状態を示す側断面図。

    以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図6にしたがって説明する。
    図1(a)に示すように、電動圧縮機10のハウジング11は金属材料製(本実施形態ではアルミニウム製)であるとともに、一端(図1(a)の左端)に開口121hが形成された有底筒状をなすモータハウジング12と、モータハウジング12の一端に連結された有底筒状をなす吐出ハウジング13とから構成されている。 モータハウジング12と吐出ハウジング13との間には吐出室15が区画形成されている。 吐出ハウジング13の一端壁には吐出ポート16が形成されており、吐出ポート16には図示しない外部冷媒回路が接続されている。 モータハウジング12の周壁には図示しない吸入ポートが形成されており、吸入ポートには外部冷媒回路が接続されている。 モータハウジング12内には、冷媒を圧縮するための圧縮部18と、圧縮部18の駆動源である電動モータ19とが収容されている。

    電動モータ19は、圧縮部18よりもモータハウジング12の端壁12a(図1(a)の右側)寄りに配置されている。 電動モータ19のステータ25(固定子)は、モータハウジング12の内周面に固定されている。 ステータ25は、モータハウジング12の内周面に固定された環状のステータコア26のティース(図示せず)にコイル29が巻回されて構成されている。 ステータコア26は、磁性体(電磁鋼板)であるコア板26aを複数枚積層することで構成されている。

    図1(b)に示すように、ステータコア26には、ステータコア26の外周面261に開口する係合孔27が形成されている。 係合孔27は、複数枚のコア板26aのうちの数枚のコア板26aの外周面を切り欠くことで形成された切欠27aと、複数枚のコア板26aのうちの数枚のコア板26aを打ち抜くことで形成された孔27bとが連なることで形成されている。

    図1(a)に示すように、モータハウジング12内には回転軸23が収容されている。 回転軸23は、ラジアルベアリング23a,23bを介してモータハウジング12によって回転可能に支持されている。 回転軸23の外周には、円柱形状をなすロータ24(回転子)のロータコア24aが回転軸23と一体的に回転するように固定されている。 ロータコア24a内には複数の永久磁石24bが埋設されているとともに、各永久磁石24bは、ロータコア24aの周方向に等ピッチに設けられている。 ロータコア24aは、磁性体(電磁鋼板)の複数のコア板24cを積層して構成されている。 電動モータ19のコイル29において、圧縮部18側のコイルエンドからはU相、V相、W相の各リード線30(図1(a)では1本のみ図示)の始端が引き出されている。

    圧縮部18は、モータハウジング12内に固定された固定スクロール20と、固定スクロール20に対向配置された可動スクロール21とで構成されている。 固定スクロール20と可動スクロール21との間には容積変更可能な圧縮室22が区画形成されている。

    モータハウジング12の端壁12aには、金属材料製(本実施形態ではアルミニウム製)のインバータカバー51が固設されている。 モータハウジング12の端壁12aとインバータカバー51との間には収容空間51aが区画形成されている。 収容空間51a内において、端壁12aの外面にはモータ駆動回路52(図1(a)において二点鎖線で示す)が固設されている。 よって、本実施形態では、圧縮部18、電動モータ19及びモータ駆動回路52がこの順序で回転軸23の軸方向に沿って並んで配置されている。

    モータハウジング12の端壁12aには貫通孔12bが形成されている。 貫通孔12bには密封端子53が配設されている。 密封端子53には、電動モータ19とモータ駆動回路52とを電気的に接続するためにモータハウジング12を貫通している導電部材としての金属端子54と、この金属端子54を端壁12aに対し絶縁しつつ固定するガラス製の絶縁部材55とがそれぞれ3本ずつ(図1(a)では一本ずつのみ図示)設けられている。 金属端子54の一端はケーブル57を介してモータ駆動回路52と電気的に接続されている。 金属端子54の他端はモータハウジング12内に向けて延びている。

    図2に示すように、モータハウジング12の一部には、径方向外側に突出する空間形成部12fが、モータハウジング12の開口121hから端壁12aに亘って回転軸23の軸方向に延びるように形成されている。 空間形成部12fは、ステータコア26の半径方向へ延びる一対の第1壁部121f,122fと、両第1壁部121f,122fの先端同士を繋ぐ第2壁部123fとから形成されている。 そして、一対の第1壁部121f,122fの内面及び第2壁部123fの内面とステータコア26の外周面261とによって空間Sが区画されている。 空間Sにはクラスタブロック61が配設されている。 一対の第1壁部121f,122fの内面及び第2壁部123fの内面とクラスタブロック61との間には隙間C1が形成されている。

    クラスタブロック61は、ステータコア26側の面である外底面61aがステータコア26の外周面261に沿うように円弧状をなす矩形箱状に形成されている。 クラスタブロック61の外底面61aにおける円弧方向の中央部には基台62aが一体に形成されている。 図1(b)に示すように、基台62aの下面621aには、ステータコア26の係合孔27に係合される係合片62が一体的に形成されている。 係合片62は、基台62aの下面621aから突出する矩形ブロック状をなすストッパ部63と、ストッパ部63に連なって屈曲しながら板状に延びる挿入部64とからなる。

    そして、ストッパ部63が切欠27a内に配置されるとともに、挿入部64が孔27bに挿入されることで、係合孔27と係合片62とが係合される。 この係合孔27と係合片62との係合により、クラスタブロック61が、ステータコア26の中心軸L1が延びる方向(ステータコア26の軸方向)において移動が規制された状態でステータコア26に係着されている。

    図2に示すように、ステータコア26の周方向に沿った係合片62の幅H1は、ステータコア26の周方向に沿った係合孔27の幅H2よりも短くなっている。 よって、係合片62と係合孔27との間には、ステータコア26の周方向に沿ってクリアランスCが形成されており、クラスタブロック61は、ステータコア26に対してクリアランスC分だけステータコア26の周方向に移動可能になっている。 これにより、金属端子54とクラスタブロック61とを接続する際に、クラスタブロック61の位置や向きを調整することができ、電動圧縮機10の組み付け性が向上する。

    クラスタブロック61内には金属端子54と接続するための接続端子31が3つ収容されている。 図3(a)及び(b)に示すように、接続端子31の一端には、断面視長方形状の筒部32が形成されている。 そして、筒部32における対向する長辺32aによって金属端子54が挟持されることで、金属端子54と接続端子31とが電気的に接続されるようになっている。 また、図3(a)に示すように、接続端子31の他端にはかしめ部33が形成されている。 そして、かしめ部33によりリード線30の始端をかしめる(挟持する)ことで、リード線30と接続端子31とが電気的に接続されるようになっている。 筒部32とかしめ部33とは連繋部34により連結されている。

    図2に示すように、クラスタブロック61には各接続端子31を嵌挿可能な嵌挿孔65が形成されている。 各嵌挿孔65は、筒部32の長辺32aに沿って延びる一対の長辺部65aと、一対の長辺部65aの両端同士を繋ぐ一対の短辺部65bとから形成される断面視長方形状になっている。 各嵌挿孔65は、一対の長辺部65aがクラスタブロック61の一面としての空間形成部12fの第2壁部123f側の面である上面611に対して所定の角度θ分だけ傾くように形成されている。

    3つの嵌挿孔65のうちの最も一端側(図2では左端側)に位置する嵌挿孔65の一方の長辺部65aと、クラスタブロック61の断面における外底面61a側の角部61fとで囲まれたクラスタブロック61の略三角形状の領域内には、開口部としての嵌合凹部66が形成されている。 また、3つの嵌挿孔65のうちの最も他端側(図2では右端側)に位置する嵌挿孔65の他方の長辺部65aと、クラスタブロック61の断面における上面611側の角部61fとで囲まれたクラスタブロック61の略三角形状の領域内には、開口部としての嵌合凹部67が形成されている。 各嵌合凹部66,67は円状をなすとともに、ステータコア26の外周面261に沿ってステータコア26の中心軸L1に平行な方向に開口している。

    図4に示すように、ステータコア26をモータハウジング12内に焼き嵌めによって組み付ける際には、組付け用治具80が用いられる。 組付け用治具80は、本体部81と、本体部81の一端面に突出形成されるとともにステータコア26の内周側に取り付けられる第1取付部82と、ステータコア26の外周面261に形成されるとともにステータコア26の中心軸L1に沿って直線状に延びる溝262に取り付けられる第2取付部83とから形成されている。 さらに、組付け用治具80には、クラスタブロック61の各嵌合凹部66,67と嵌合可能な嵌合凸部84,85が形成されている。 各嵌合凸部84,85は本体部81の一端面から突出するとともに直線状に延びる円棒状をなしている。

    各嵌合凸部84,85は、第1取付部82がステータコア26の内周側に取り付けられるとともに、第2取付部83がステータコア26の溝262に取り付けられたときに、ステータコア26の外周面261よりも外側に位置している。 また、各嵌合凸部84,85は、ステータコア26の外周面261に沿ってステータコア26の中心軸L1と平行に延びている。 さらに、各嵌合凸部84,85における本体部81の一端面からの突出長さは、第1取付部82がステータコア26の内周側に取り付けられるとともに、第2取付部83がステータコア26の溝262に取り付けられたときに、各嵌合凸部84,85がクラスタブロック61の各嵌合凹部66,67に嵌合可能な長さに設定されている。

    次に、電動圧縮機10の製造方法について説明する。
    図5に示すように、組付け用治具80の第1取付部82をステータコア26の内周側に取り付けるとともに、組付け用治具80の第2取付部83をステータコア26の溝262に取り付けて組付け用治具80をステータコア26に取り付ける。 これと同時に、各嵌合凸部84,85をクラスタブロック61の各嵌合凹部66,67に嵌合させる。 これにより、クラスタブロック61とステータコア26とが、ステータコア26の周方向に相対移動してしまうことが組付け用治具80により規制される。

    そして、図6に示すように、モータハウジング12をコイル90内に挿入して誘導加熱を行い、モータハウジング12を加熱膨張させる。 すると、モータハウジング12全体が径方向外側へ膨張し、モータハウジング12の内径が、モータハウジング12を加熱膨張させる前に比べて大きくなる。 そして、クラスタブロック61を空間Sへ挿入する位置に位置合わせした状態で、クラスタブロック61が係着されたステータコア26を、モータハウジング12の開口121hを介してモータハウジング12内に挿入する。 すると、クラスタブロック61が空間Sを通過しながらステータコア26がモータハウジング12内に挿入されていく。

    そして、ステータコア26がモータハウジング12内における予め決められた位置まで挿入されて、クラスタブロック61が空間S(モータハウジング12)内における所定位置に配置された状態で、モータハウジング12を温度低下させる。 このモータハウジング12の温度低下に伴ってモータハウジング12が径方向内側へ収縮するとともに、モータハウジング12の内周面がステータコア26の外周面261を圧接し、ステータコア26がモータハウジング12の内側に嵌合された状態で組み付けられる。

    そして、クラスタブロック61が係着されたステータコア26がモータハウジング12の内側に組み付けられた状態において、貫通孔12bに密封端子53を配設すると、金属端子54と接続端子31とが自動接続される。 よって、ステータコア26のモータハウジング12内における予め決められた位置、及びクラスタブロック61の空間S内における所定位置とは、ステータコア26がモータハウジング12に組み付けられた状態において、貫通孔12bに密封端子53が配設された際に、金属端子54が接続端子31に自動接続される位置である。 なお、各リード線30は接続端子31と予め接続されているが、図4〜図6では、各リード線30の図示を省略している。

    上記構成の電動圧縮機10では、モータ駆動回路52によって制御された電が電動モータ19に供給されることにより、制御された回転速度でロータ24と共に回転軸23が回転するとともに、圧縮部18が駆動されるようになっている。 この圧縮部18の駆動により、外部冷媒回路から吸入ポートを介したモータハウジング12内への冷媒の吸入、モータハウジング12内に吸入された冷媒の圧縮部18による圧縮、及び圧縮された冷媒の吐出ポート16を介した外部冷媒回路への吐出が行われるようになっている。

    次に、本実施形態の作用について説明する。
    加熱膨張させたモータハウジング12にステータコア26を組み付ける際に、組付け用治具80の各嵌合凸部84,85とクラスタブロック61の各嵌合凹部66,67とを嵌合させることで、クラスタブロック61が組付け用治具80に対して位置決めされる。 よって、クラスタブロック61とステータコア26とが、ステータコア26の周方向に相対移動してしまうことが組付け用治具80により規制され、ステータコア26をモータハウジング12内に焼き嵌めによって組み付ける際に、クラスタブロック61がモータハウジング12に接触してしまうことが防止される。 その結果として、クラスタブロック61が加熱膨張したモータハウジング12に接触してクラスタブロック61が熱により変形してしまうことが防止される。

    上記実施形態では以下の効果を得ることができる。
    (1)加熱膨張させたモータハウジング12にステータコア26を組み付ける際に、組付け用治具80を用いるとともに、この組付け用治具80に嵌合凸部84,85を設けた。 そして、この嵌合凸部84,85と嵌合可能な嵌合凹部66,67をクラスタブロック61に設けた。 よって、加熱膨張させたモータハウジング12内にステータコア26を組み付ける際に、組付け用治具80の各嵌合凸部84,85とクラスタブロック61の各嵌合凹部66,67とを嵌合させることで、クラスタブロック61を組付け用治具80に対して位置決めすることができる。 その結果、クラスタブロック61とステータコア26とが相対移動してしまうことが組付け用治具80により規制され、ステータコア26をモータハウジング12内に焼き嵌めによって組み付ける際に、ステータコア26に係着しているクラスタブロック61が移動したり傾いたりしてモータハウジング12に接触してしまうことを防止することができる。

    (2)嵌合凹部66,67はステータコア26の中心軸L1に平行な方向に開口している。 よって、モータハウジング12内にステータコア26を焼き嵌めによって組み付ける際に、ステータコア26に組付け用治具80を取り付けると同時に、クラスタブロック61の嵌合凹部66,67に組付け用治具80の嵌合凸部84,85を嵌合させ易くなり、モータハウジング12に対するステータコア26の組み付け性を向上させることができる。

    (3)本実施形態では、組付け用治具80に二つの嵌合凸部84,85を形成するとともに、クラスタブロック61に二つの嵌合凹部66,67を形成した。 よって、嵌合凸部及び嵌合凹部が単数の場合に比べると、クラスタブロック61を組付け用治具80に対してさらに位置決めし易くすることができる。 特に、嵌合凹部66,67の断面が円状である場合には、クラスタブロック61が回転してしまうことを防止することができる。

    (4)各嵌挿孔65は、対向する一対の長辺部65aがクラスタブロック61の上面611に対して傾くように形成されており、嵌合凹部66,67を、各嵌挿孔65が形成されたクラスタブロック61の断面における角部61fと嵌挿孔65の長辺部65aとで囲まれた領域内に形成した。 これにより、各嵌挿孔65と嵌合凹部66,67とをクラスタブロック61の領域内に充填率高く充填することができる。 よって、クラスタブロック61を小型化することができる。

    (5)本実施形態の電動圧縮機10では、圧縮部18、電動モータ19及びモータ駆動回路52がこの順序で回転軸23の軸方向に沿って並んで配置されている。 そして、リード線30は、圧縮部18側のコイルエンドから引き出されている。 そのため、電動モータ19とモータ駆動回路52とを両者間の狭い空間(図示の例ではステータコア26の後端面とモータハウジング12の端壁12aとの間)内で電気的に結線する必要がない。 つまり、圧縮部18、電動モータ19及びモータ駆動回路52をこの順に直列配置した電動圧縮機10では、クラスタブロック61内の接続端子31に金属端子54を接続するという簡単な結線作業で済み、電動圧縮機10を組み立てるときの作業効率が向上する。 また、クラスタブロック61がステータコア26に係着された状態で、貫通孔12bに密封端子53を配設することにより、金属端子54と接続端子31とを電気的に接続することができる。 よって、密封端子53の貫通孔12bに対する取り付けと、金属端子54と接続端子31との接続作業を同時に行うことができる。 また、ステータコア26がモータハウジング12内に挿入された後に、クラスタブロック61をステータコア26の外周面261に取り付ける作業を行う必要が無くなり、組み付け性を向上させることができる。

    なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
    ○ 実施形態において、係合孔27及び係合片62の形状は特に限定されるものではない。

    ○ 実施形態において、クラスタブロック61の各嵌合凹部66,67が三角状や四角状をなすとともに、組付け用治具80の各嵌合凸部84,85が三角棒状や四角棒状をなしていてもよい。

    ○ 実施形態において、嵌合凹部66,67の代わりに開口部としての貫通孔を形成してもよい。
    ○ 実施形態において、組付け用治具80の嵌合凸部、及びクラスタブロック61の嵌合凹部はそれぞれ一つだけ形成されていてもよいし、3つ以上形成されていてもよい。 例えば、組付け用治具80の嵌合凸部、及びクラスタブロック61の嵌合凹部がそれぞれ一つだけ形成されている場合、嵌合凸部は三角棒状や四角棒状をなすとともに、嵌合凹部は三角状や四角状をなしているのが好ましい。 これによれば、嵌合凹部と嵌合凸部との嵌合によりクラスタブロック61がステータコア26に対して嵌合凹部と嵌合凸部との嵌合部位を回転中心として回転してしまうことを防止することができる。

    ○ 実施形態において、組付け用治具80に嵌合凹部を形成するとともに、クラスタブロック61に嵌合凸部を形成し、嵌合凹部と嵌合凸部との嵌合により、クラスタブロック61を組付け用治具80に対して位置決めしてもよい。

    ○ 実施形態において、嵌挿孔65の数は特に限定されるものではない。 すなわち、接続端子31、金属端子54及びリード線30の数は特に限定されるものではない。
    ○ 実施形態において、例えば、一対の長辺部がクラスタブロック61の上面611に対して直交する方向に延びるように嵌挿孔がクラスタブロック61に形成されていてもよい。 また、例えば、一対の長辺部がクラスタブロック61の上面611に対して平行に延びるように嵌挿孔がクラスタブロック61に形成されていてもよい。

    ○ 実施形態において、クラスタブロック61に形成される嵌合凹部の形成位置は特に限定されるものではない。 なお、この場合、組付け用治具80に形成される嵌合凸部の形成位置は、クラスタブロック61に形成される嵌合凹部の形成位置に対応している必要がある。

    ○ 実施形態では、圧縮部18、電動モータ19及びモータ駆動回路52がこの順序で回転軸23の軸方向に沿って並んで配置されていなくてもよい。 例えば、インバータカバー51がモータハウジング12の周壁に固設されているとともに、モータハウジング12の周壁とインバータカバー51とによって区画される収容空間にモータ駆動回路52が収容されていてもよい。

    ○ 実施形態において、基台62aを削除し、クラスタブロック61の外底面61aに係合片62が設けられていてもよい。
    ○ 実施形態において、係合片62とクラスタブロック61とが一体成形されておらず、別体であってもよい。

    ○ 実施形態では、モータ駆動回路52は、収容空間51a内において、端壁12aの外面に固設されていたが、これに限らず、例えば、モータ駆動回路52が、収容空間51a内において、インバータカバー51の内面に固設されていてもよい。

    ○ 実施形態において、圧縮部18は、固定スクロール20と可動スクロール21とで構成されるタイプに限らず、例えば、ピストンタイプやベーンタイプなどであってもよい。

    次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について以下に追記する。
    (イ)前記圧縮部、前記電動モータ及び前記モータ駆動回路は、前記ハウジング内に収容される回転軸の軸方向に沿って、この順序で並ぶように配置されていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の電動圧縮機。

    10…電動圧縮機、11…ハウジング、12…モータハウジング、18…圧縮部、19…電動モータ、23…回転軸、26…ステータコア、30…リード線、31…接続端子、32…筒部、32a…長辺、52…モータ駆動回路、54…導電部材としての金属端子、61…クラスタブロック、61f…角部、611…一面としての上面、65…嵌挿孔、65a…一対の長辺部、66,67…開口部としての嵌合凹部、80…組付け用治具。

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