埋込磁石型モータ及び埋込磁石型モータの使用方法

申请号 JP2014152743 申请日 2014-07-28 公开(公告)号 JP2015122936A 公开(公告)日 2015-07-02
申请人 三星電子株式会社; Samsung Electronics Co.,Ltd.; 发明人 向井 勝久; 黄 柏英;
摘要 【課題】低振動、高効率及び剛性(高回転)を考慮したトータルバランスに優れたモータを提供する。 【解決手段】円筒状をなすヨークの内周部に中心軸に向かって形成された複数のティースを有し、前記複数のティースに分布巻きで巻線が巻かれたステータと、前記ステータの内部に回転可能に設けられ、中心軸側に凸となるようにV字状に配置された2つの永久磁石からなる複数の磁極が周方向に等間隔に形成されたロータとを備え、前記ロータが、前記2つの永久磁石それぞれの径方向外側端部に形成された空隙からなる外側フラックスバリアと、前記2つの永久磁石それぞれの径方向内側端部に形成された空隙からなる内側フラックスバリアとを有し、前記2つの永久磁石それぞれの内側フラックスバリアが互いに空間的に繋がっており、前記外側フラックスバリアよりも径方向外側に形成されるブリッジ部の磁束 密度 を1.8〜1.9Tとした。 【選択図】図2
权利要求

円筒状をなすヨークの内周部に中心軸に向かって形成された複数のティースを有し、前記複数のティースに分布巻きで巻線が巻かれたステータと、 前記ステータの内部に回転可能に設けられ、中心軸側に凸となるようにV字状に配置された2つの永久磁石からなる複数の磁極が周方向に等間隔に形成されたロータとを備え、 前記ロータが、 前記2つの永久磁石それぞれの径方向外側端部に形成された空隙からなる外側フラックスバリアと、 前記2つの永久磁石それぞれの径方向内側端部に形成された空隙からなる内側フラックスバリアとを有し、 前記2つの永久磁石それぞれの内側フラックスバリアが互いに空間的に繋がっており、 前記外側フラックスバリアよりも径方向外側に形成されるブリッジ部の磁束密度を1.8〜1.9Tとしたことを特徴とする埋込磁石型モータ。互いに隣接する前記磁極の間に形成される磁極間距離をAとし、前記ティースの幅寸法をBとしたときに、A=k×B(但し、kは1.65〜1.75)の関係を満たす請求項1記載の埋込磁石型モータ。前記磁極間距離が、互いに隣接する前記磁極において、互いに隣接する前記外側フラックスバリアの間に形成される磁束通路の幅寸法である請求項2記載の埋込磁石型モータ。前記外側フラックスバリアが、前記永久磁石の径方向外側端面から当該永久磁石の平板方向に沿って外側に形成された第1空間部分と、前記ブリッジ部の幅寸法が同一となるように、前記永久磁石よりもV字外側に形成された第2空間部分とを有する請求項1乃至3の何れか一項に記載の埋込磁石型モータ。前記外側フラックスバリアの外側端部の周方向寸法が、前記ブリッジ部の幅寸法に対して5倍以上である請求項4記載の埋込磁石型モータ。前記V字状に配置された永久磁石の開き度が100度から120度であり、 前記V字状に配置された永久磁石のV字頂点が前記ティースの中心線上に位置する状態において、前記永久磁石の径方向外側端部に最も近い位置のティースの先端面が、前記ロータの外周面における前記V字状に配置された永久磁石の内側部分に対向している請求項1乃至5の何れか一項に記載の埋込磁石型モータ。前記ティース間に形成されたスロットが、互いに隣り合う前記磁極間に相対して、1.5〜3個位置するように構成されている請求項1乃至6の何れか一項に記載の埋込磁石型モータ。前記磁極を構成する2つの永久磁石の径方向内側端部が互いに密着している請求項1乃至7の何れか一項に記載の埋込磁石型モータ。請求項1乃至8の何れか一項に記載の埋込磁石型モータを有する圧縮機。請求項1乃至8の何れか一項に記載の埋込磁石型モータを有する圧縮機を用いた空気調和機。円筒状をなすヨークの内周部に中心軸に向かって形成された複数のティースを有し、前記複数のティースに分布巻きで巻線が巻かれたステータと、前記ステータの内部に回転可能に設けられ、中心軸側に凸となるようにV字状に配置された2つの永久磁石からなる複数の磁極が周方向に等間隔に形成されたロータとを備え、前記ロータが、前記2つの永久磁石それぞれの径方向外側端部に形成された空隙からなる外側フラックスバリアと、前記2つの永久磁石それぞれの径方向内側端部に形成された空隙からなる内側フラックスバリアとを有し、前記2つの永久磁石それぞれの内側フラックスバリアが互いに空間的に繋がっている埋込磁石型モータにおいて、前記外側フラックスバリアよりも径方向外側に形成されるブリッジ部の磁束密度が1.8〜1.9Tとなるように使用する埋込磁石型モータの使用方法。

说明书全文

本発明は、埋込磁石型モータ及び当該埋込磁石型モータの使用方法に関するものである。

従来、高効率モータとして、マグネットトルクの他にリラクタンストルクを利用した埋込磁石型モータ(以下、IPMモータ)が用いられている。リラクタンストルクとは、d軸インダクタンス(Ld)とq軸インダクタンス(Lq)との突極性を利用して発生させるであり、LdとLdに突極性を持たせるために、永久磁石をV字状に配置する場合が多い。ところが、単に永久磁石をV字状に配置するだけでは、磁石とステータ間に流れる磁束が不均一となり、コギングトルクが増大するため、モータ駆動時においてトルクリップルの増大及び振動の増大に繋がる。

このため、コギングトルクを低減するために、特許文献1に示すように、ロータ形状を変更したり、特許文献2に示すように、ステータのティース形状を変更したり、或いは、特許文献3に示すように、ロータにスリットを形成する等の構成が考えられている。

特開2013−99193号公報

特開2011−234601号公報

特開2011−101595号公報

ここで、ロータに埋め込まれる磁石の配置に関しては、通常、磁極間距離、各磁極を構成する磁石間距離、磁石度、磁石長さを最適化することで、コギングトルクの低減を行う場合が多い。この場合、最も効果的な手段は、磁極間距離を変化させることである。なぜなら、コギングトルクとは、磁石とステータとの間で発生する吸引力であるため、出来るだけティースに流れる磁束を均一にする必要があるからである。

例えば、磁極間距離が大き過ぎると、ティースに流れる磁束が不均一となり、コギングトルクが増大する。一方で、磁極間距離が小さすぎると、コギングトルクは減少するが、磁石間で磁束の短絡が発生し、誘起電圧が減少して、モータ効率が悪化する。このため、磁極間距離を決定する際には、多くの解析や評価が必要となり、磁束の流れを変更することで誘起電圧が低下し、モータ効率が悪化する場合が多い。

そこで、本発明は、低振動、高効率及び剛性(高回転)を考慮したトータルバランスに優れたモータを提供することを主たる課題とするものである。

すなわち本発明に係る埋込磁石型モータは、円筒状をなすヨークの内周部に中心軸に向かって形成された複数のティースを有し、前記複数のティースに分布巻きで巻線が巻かれたステータと、前記ステータの内部に回転可能に設けられ、中心軸側に凸となるようにV字状に配置された2つの永久磁石からなる複数の磁極が周方向に等間隔に形成されたロータとを備え、前記ロータが、前記2つの永久磁石それぞれの径方向外側端部に形成された空隙からなる外側フラックスバリアと、前記2つの永久磁石それぞれの径方向内側端部に形成された空隙からなる内側フラックスバリアとを有し、前記2つの永久磁石それぞれの内側フラックスバリアが互いに空間的に繋がっており、前記外側フラックスバリアよりも径方向外側に形成されるブリッジ部の磁束密度を1.8〜1.9Tとしたことを特徴とする。

このようなものであれば、中心軸側に凸となるようにV字状に配置された2つの永久磁石の内側フラックスバリアが互いに空間的に繋がっているので、マグネットトルクを最大化することができる。これに伴い、2つの永久磁石の径方向外側に端部に外側フラックスバリアを設けて、外側フラックスバリアよりも径方向外側に形成されるブリッジ部の磁束密度を1.8〜1.9Tとしているので、ロータの強度及びリラクタンストルクを向上させることができる。つまり、本発明によれば、低振動、高効率及び剛性(高回転)を考慮したトータルバランスに優れたモータを提供することができる。具体的な実験データについては、後述する。

また、本願発明者は、磁極間距離とティースの幅寸法との関係に着目して、コギングトルクを低減する構成(磁極間距離)について鋭意検討を行った。そして、本願発明者は、誘起電圧の低減を抑えつつ、コギングトルクを低減する構成において、磁極間距離とティースの幅寸法との間に特有の関係があることを初めて見出した。

つまり、前記埋込磁石型モータにおいて、互いに隣接する前記磁極の間に形成される磁極間距離をAとし、前記ティースの幅寸法をBとしたときに、A=k×B(但し、kは1.65〜1.75)の関係を満たすことが望ましい。

このようなものであれば、磁極間距離Aとティースの幅寸法Bとが、A=k×B(但し、kは1.65〜1.75)の関係を満たしているので、誘起電圧の低減を抑えつつ、コギングトルクを低減することができる。具体的な実験データについては、後述する。

磁極間距離の具体的な実施の態様としては、互いに隣接する前記磁極において、互いに隣接する前記外側フラックスバリアの間に形成される磁束通路の幅寸法であることが望ましい。

前記外側フラックスバリアが、前記永久磁石の径方向外側端面から当該永久磁石の平板方向に沿って外側に形成された第1空間部分と、前記ブリッジ部の幅寸法が同一となるように、前記永久磁石よりもV字外側に形成された第2空間部分とを有することが望ましい。 これならば、第1空間部分及び第2空間部分に分けて外側フラックスバリアの形状を変更することができ、ブリッジ部の形状も第1空間部分及び第2空間部分に分けて変更することができる。

前記V字状に配置された永久磁石の開き角度が100度から120度であり、前記V字状に配置された永久磁石のV字頂点が前記ティースの中心線上に位置する状態において、前記永久磁石の径方向外側端部に最も近い位置のティースの先端面が、前記ロータの外周面における前記V字状に配置された永久磁石の内側部分に対向していることが望ましい。 これならば、永久磁石の径方向外側端部に最も近い位置のティースに磁束が流れ込む領域を確保することができ、複数のティースに流れる磁束を均一にすることができる。

前記ティース間に形成されたスロットが、互いに隣り合う前記磁極間に相対して、1.5〜3個位置するように構成されていることが望ましい。 これならば、前記ティース間に形成されたスロットが、互いに隣り合う前記磁極間に相対して、1.5〜3個位置するので、出力トルクを増大させて高速回転域を拡大することができる。具体的な実験データについては、後述する。

前記磁極を構成する2つの永久磁石の径方向内側端部が互いに密着していることが望ましい。 これならば、d軸インダクタンス(Ld)が低減されるので、リラクタンストルクを大きくすることができ、出力トルクをより増大させることができる。

また、上述した埋込磁石型モータを有する圧縮機や、この圧縮機を用いた空気調和機も本発明の1つである。

さらに、低振動、高効率及び剛性(高回転)を考慮したトータルバランスに優れた、埋込磁石型モータの使用方法は、円筒状をなすヨークの内周部に中心軸に向かって形成された複数のティースを有し、前記複数のティースに分布巻きで巻線が巻かれたステータと、前記ステータの内部に回転可能に設けられ、中心軸側に凸となるようにV字状に配置された2つの永久磁石からなる複数の磁極が周方向に等間隔に形成されたロータとを備え、前記ロータが、前記2つの永久磁石それぞれの径方向外側端部に形成された空隙からなる外側フラックスバリアと、前記2つの永久磁石それぞれの径方向内側端部に形成された空隙からなる内側フラックスバリアとを有し、前記2つの永久磁石それぞれの内側フラックスバリアが互いに空間的に繋がっている埋込磁石型モータにおいて、前記外側フラックスバリアよりも径方向外側に形成されるブリッジ部の磁束密度が1.8〜1.9Tとなるように使用することを特徴とする。

このように構成した本発明によれば、低振動、高効率及び剛性(高回転)を考慮したトータルバランスに優れたモータを提供することができる。

第1実施形態における埋込磁石型モータの構成を示す部分概略図。

第1実施形態のフラックスバリアの具体的な形状を示す部分拡大断面図。

第1実施形態における磁極間距離及びティース幅寸法の関係を示す部分拡大断面図。

係数k=1.91、1.7、1.45におけるコギングトルクを示す図。

磁極間距離(係数k)とコギングトルク及び誘起電圧上昇率との関係を示す図。

第1実施形態の埋込磁石型モータにおける無負荷時の磁束図。

ブリッジ部の幅寸法と磁束密度等との関係を表わすシミュレーション結果を示す図。

第2実施形態の埋込磁石型モータを用いた圧縮機の構成を模式的に示す図。

第2実施形態の埋込磁石型モータの構成を模式的に示す図。

第2実施形態の埋込磁石型モータを示す拡大図。

モータ回転数と出力トルクとの相関を示す図。

磁極間に相対するスロットの個数と出力トルクとの相関を示す図。

第2実施形態の埋込磁石型モータを用いた圧縮機を有する冷凍サイクルを示す図。

第2実施形態の変形例の埋込磁石型モータを示す模式図。

第2実施形態の変形例の埋込磁石型モータを示す模式図。

<第1実施形態> 以下に本発明に係る埋込磁石型モータの第1実施形態について図面を参照して説明する。なお、第1実施形態における参照符号は、図1〜図3においてのみ使用する参照符号である。

本実施形態に係る埋込磁石型モータ100は、例えば冷凍サイクルを構成する圧縮機に用いられるモータであり、図1に示すように、固定子巻線5が巻回された複数のティース(固定子鉄心)22を有するステータ(固定子)2と、前記ステータ2の内部に回転可能に設けられたロータ(回転子)3と、当該ロータ3の回転中心に設けられたロータシャフト(出力軸)4とを備えている。なお、固定子巻線5には、リード線を介して電力が供給される。なお、図1には、スロット数が36スロットで、極数が6極のモータを示しているが、スロット数が48スロットで、極数が8極のモータ等であっても良い。

ステータ2は、円筒状をなすヨーク21と、当該ヨーク21の内周部に中心軸に向かって形成された複数のティース22とを有している。そして、複数のティース22には、固定子巻線5が分布巻により巻装されている。

ロータ3は、外周縁に沿って複数の磁石挿入孔31Hが形成された回転子鉄心31と、複数の磁石挿入孔31Hに挿入されて、複数の磁極3Pを構成する複数の永久磁石32a、32bとを備えている。

具体的には、各磁極3Pが、図2に示すように、中心軸側に凸となるようにV字状に沿って配置された第1永久磁石32a及び第2永久磁石32bから構成されている。具体的に第1永久磁石32a及び第2永久磁石32bは、回転子鉄心31の回転中心から径方向外側に行くに従って徐々に離間するようにV字状に互いに離間して配置されている。本実施形態の第1永久磁石32a及び第2永久磁石32bの開き角度(磁石角度)は、100度から120度の範囲となるように構成されている。なお、回転子鉄心31に形成された磁石挿入孔31Hが、回転子鉄心31の回転中心から径方向外側に行くに従って徐々に離間するようにV字状に形成されている。

第1永久磁石32aは、平板状をなすものであり、その径方向外側端部及び径方向内側端部には、空隙からなる外側フラックスバリア6a1及び内側フラックスバリア6a2が形成されている。この外側フラックスバリア6a1及び内側フラックスバリア6a2は、前記磁石挿入孔31Hと同一の空間により形成されるものであり、磁石挿入孔31Hに第1永久磁石32aを挿入することによって形成される。

第1永久磁石32aの径方向外側端部に形成された外側フラックスバリア6a1の形状は、図2に示すように、第1永久磁石32aの径方向外側端面から当該永久磁石32aの平板方向に沿って外側に形成された第1空間部分6a11と、回転子鉄心31の外周面に沿って形成されるブリッジ部33の幅寸法が同一となるように、第1永久磁石32aよりもV字外側に形成された第2空間部分6a12とを有する。本実施形態のブリッジ部33の幅寸法は、例えば0.3mmから1.2mmの範囲となるように構成されている。また、第1永久磁石32aよりもV字外側に形成された第2空間部分6a12の幅寸法は、例えば0.0mmから1.0mmの範囲となるように構成されている。さらに、外側フラックスバリア6a1の外側端部の周方向寸法が、ブリッジ部33の幅寸法に対して5倍以上となるように構成されている。

また、磁石挿入孔31Hにおける第1空間部分6a11には、第1永久磁石32aを固定するための固定用突起35が形成されている。この固定用突起35の高さ寸法は、d軸インダクタンス(Ld)を小さくするために、第1永久磁石32aを固定できる範囲において、できる限り小さく設定している。また、Ldを小さくするためにできる限り小さくして、第1空間部分6a11の面積を増やしている。この高さ寸法は、磁石挿入孔31Hの寸法公差及び第1永久磁石32aの寸法公差に基づいて決定しており、例えば0.3mmとすることができる。また、固定用突起35の幅寸法は、第1永久磁石32aの遠心力を受けるための剛性を確保すべく、ある程度大きく、例えば1mmとなるように構成されている。この幅寸法に関して言うと、値を小さくすると剛性を確保することができず、一方で、値を大きくし過ぎるとd軸インダクタンス(Ld)が大きくなり過ぎてしまうという特性があり、モータの仕様に基づいて決定する。

第2永久磁石32bは、第1永久磁石32aと同様に平板状をなすものであり、その径方向外側端部及び径方向内側端部には、空隙からなる外側フラックスバリア6b1及び内側フラックスバリア6b2が形成されている。この外側フラックスバリア6b1及び内側フラックスバリア6b2は、前記磁石挿入孔31Hと同一の空間により形成されるものであり、磁石挿入孔31Hに第2永久磁石32bを挿入することによって形成される。なお、第1永久磁石32aの両端部に形成される外側フラックスバリア6a1及び内側フラックスバリア6a2と、第2永久磁石32bの両端部に形成される外側フラックスバリア6b1及び内側フラックスバリア6b2とは同一形状をなすものである。また、本実施形態では、第1永久磁石32aの内側フラックスバリア6a2と第2永久磁石32bの内側フラックスバリア6b2とは互いに空間的に繋がっている。つまり、内側フラックスバリア6a2及び内側フラックスバリア6b2は、単一の空間により形成されている。

そして、本実施形態の埋込磁石型モータ100においては、図3に示すように、互いに隣接する磁極3Pの間に形成される磁極間距離をAとし、ティース22の幅寸法をBとしたときに、A=k×B(但し、kは1.65〜1.75)の関係を満たすように構成されている。ここで、磁極間距離Aは、互いに隣接する磁極3P間に形成される磁束通路の幅寸法であり、より具体的には、互いに隣接する磁極3Pにおいて、一方の磁極3Pの第1永久磁石32aの径方向外側端部に形成されたフラックスバリア6a1と、他方の磁極3Pの第2永久磁石32bの径方向外側端部に形成されたフラックスバリア6b1との間に形成される磁束通路の幅寸法である。

また、本実施形態の埋込磁石型モータ100においては、V字状に配置された永久磁石32a、32bのV字頂点がティース22の中心線上に位置する状態(図1に示す状態)において、第1永久磁石32a及び第2永久磁石32bそれぞれの径方向外側端部に最も近い位置のティース22の先端面22aが、ロータ3の外周面におけるV字状に配置された永久磁石32a、32bの内側部分(V字内側部分)に対向している(図3参照)。これにより、永久磁石32a、32bの径方向外側端部に最も近い位置のティース22に磁束が流れ込む領域を確保して、複数のティース22に流れる磁束を均一にするように構成している。

次に、本実施形態の埋込磁石型モータ100において、係数kを1.91、1.7、1.45とした場合のコギングトルクのシミュレーション結果を図4に示し、係数k(磁極間距離)を変更させた場合の、コギングトルク及び誘起電圧上昇率のシミュレーション結果を図5に示す。 このシミュレーションにおいて、第1永久磁石及び第2永久磁石の開き角度は120度であり、ブリッジ部の幅寸法は、0.8mmであり、第2空間部分の幅寸法は、1.0mmであり、固定用突起の幅寸法は、1.0mmであり、固定用突起の高さ寸法は、0.3mmである。

図4及び図5から分かるように、磁極間距離を小さくしていくと、コギングトルクも小さくなるが、磁極間距離が所定の値(k=1.7)で最小となり、磁極間距離をそれよりも小さくすると、位相が反転して、再び大きくなる。また、図5から分かるように、係数kが1.7のときに、コギングトルクが最小値となり、係数k=1.7が磁束を流れ易くする適正値であり、また、誘起電圧も低下していない。つまり、係数kは、1.7が最も好ましく、金型等のバラつきを考慮して1.65から1.75とすることが考えられる。また、図5から、コギングトルクがティースの幅寸法Bに依存していることが分かり、係数kが、コギングトルクを最小にするための、ティースの幅寸法Bを基準とした補正幅を決定する係数となる。

また、係数kを1.7にした埋込磁石型モータ100における無負荷時に流れる磁束図を図6に示す。 この図6から、互いに隣接する磁極間、つまり、一方の磁極の第1永久磁石と他方の磁極の第2永久磁石との間で磁束の短絡が生じていないことが分かる。また、永久磁石の径方向外側端部に最も近い位置のティースに磁束に対して、磁束が十分に流れ込んでいることが分かる。

本実施形態のように内側フラックスバリア6a2及び内側フラックスバリア6b2が空間的に繋がっている構成、つまり、2つの永久磁石32a、32bの間にセンターリブが無い構成では、2つの永久磁石32a、32bよりも径方向外側に位置する部分がブリッジ部33により支えられる構成となる。つまり、ブリッジ部33に遠心力による応力が集中する構成となる。

ここで、従来の埋込磁石型モータでは、リラクタンストルクを十分に利用するために、永久磁石32a、32bの径方向外側端部において磁気飽和(2.0±0.1T)させて使用する。しかし、磁気飽和させて使用するためには、ブリッジ部33を狭くする必要があり、剛性(機械的強度)を確保しづらく、モータ回転時におけるトルクリップルが増加してしまい、モータとしてのバランスが良くなく、高回転数領域では特に不利にある。

次に、本実施形態の埋込磁石型モータ100において、ブリッジ部33の幅寸法のみを変化させた場合のブリッジ部の磁束密度、トルクリップル、剛性(安全率)、モータ出力、無負荷誘導電圧のシミュレーション結果を、図7に示す。このときの埋込磁石型モータ100の構成は、ブリッジ部33の幅寸法のみを変化させ、その他の形状及び条件は同一である。

ブリッジ部の磁束密度は、ブリッジ部の幅寸法が0.2mmから0.8mmでは、ブリッジ部の磁気抵抗の減少により磁束密度は減少するが、幅寸法が0.8から1.4mmでは、永久磁石の漏れ磁束の増加により、磁束密度は増加する傾向となる。

トルクリップルは、ブリッジ部の幅寸法が0.2mmから0.8mmでは、リラクタンストルクの減少に伴い、トルクリップルも減少する傾向となるが、幅寸法が0.8mmから1.4mmでは、コギングの増加や磁石による漏れ磁束等の影響により、逆に増加する傾向となる。

剛性(安全率)は、ブリッジ部の面積に比例するので、ブリッジ部の幅寸法の増加に伴い、比例して同性は増加する。なお、安全率の計算方法は、ブリッジ部の幅寸法が0.8mmの場合、最大使用回転数140Hzに対して210Hzで破損が見られたので、幅寸法0.8mmでの安全率は、1.5(=210/140)となる。

モータ出力は、ブリッジ部の幅寸法の増加に伴い、リラクタンストルクやマグネットトルクが減少するので、減少する。

無負荷誘導電圧は、ブリッジ部の幅寸法の増加に伴い、永久磁石の漏れ磁束の増加により減少する。

以上の結果、領域1(ブリッジ部の幅寸法が0.745mm未満、磁束密度が1.9Tよりも大きい領域)は、モータ出力は大きいが、トルクリップルが大きく、剛性も確保しづらい領域である。

また、領域3(ブリッジ部の幅寸法が0.885mmよりも大きく、磁束密度が1.9Tよりも大きい領域)は、磁石短絡による磁束集中により磁束密度が増加しているだけであり、剛性は確保し易いがモータ出力やトルクリップルの特性が非常に悪い領域である。

一方で、領域2(ブリッジ部の幅寸法が0.745mm以上0.885mm以下、磁束密度が1.9T以下の領域)は、領域1に比べるとモータ出力が低下傾向であるものの、トルクリップルも小さく、剛性も確保し易い領域である。なお、領域2における磁束密度の最小値は、1.87Tであり、このときのブリッジ部の幅寸法は0.8mmである。

したがって、本実施形態の埋込磁石型モータにおいて、ブリッジ部の磁束密度が1.8T〜1.9Tとなるように設定又は使用することによって、低振動、高効率及び剛性(高回転)のバランスを好適に取ることができる。

このように構成した埋込磁石型モータ100によれば、中心軸側に凸となるようにV字状に配置された2つの永久磁石32a、32bの内側フラックスバリア6a2、6b2が互いに空間的に繋がっているので、マグネットトルクを最大化することができる。これに伴い、2つの永久磁石32a、32bの径方向外側に端部に外側フラックスバリア6a1、6b1を設けて、外側フラックスバリア6a1、6b1よりも径方向外側に形成されるブリッジ部33の磁束密度を1.8〜1.9Tとしているので、ロータ3の強度及びリラクタンストルクを向上させることができる。つまり、低振動、高効率及び剛性(高回転)を考慮したトータルバランスに優れたモータとすることができる。

また、磁極間距離Aとティースの幅寸法Bとが、A=k×B(但し、kは1.65〜1.75)の関係を満たしているので、誘起電圧の低減を抑えつつ、コギングトルクを低減することができる。

<第2実施形態> 以下に本発明に係る埋込磁石型モータの第2実施形態について図面を参照して説明する。なお、第2実施形態における参照符号は、図8〜図15においてのみ使用する参照符号である。

本実施形態に係る埋込磁石型モータ100は、図8に示すように、例えば空気調和機の冷凍サイクル等を構成する圧縮機Xに用いられる永久磁石同期モータである。

具体的にこの永久磁石同期モータ100は、図9に示すように、固定子巻線5が巻回された複数のティース22及びティース22間に形成された複数のスロット23を有するステータ2と、前記ステータ2の内部に回転可能に設けられたロータ3と、当該ロータ3の回転中心Cに設けられたロータシャフト4とを備えている。なお、固定子巻線5には、リード線を介して電力が供給される。なお、図9には、スロット数が36スロットで、極数が6極のモータ(コンビネーションが6:1のモータ)を示しているが、スロット数が48スロットで、極数が8極のモータであっても良いし、コンビネーションが8:1や9:1のモータであっても良い。

ステータ2は、電磁鋼板を積層して構成されており、円筒状をなすヨーク21と、当該ヨーク21の内周部に中心軸に向かって形成された複数のティース22と、互いに隣り合うティース22間に形成された複数のスロット23とを有している。そして、複数のティース22には、例えば三相巻線である固定子巻線5が分布巻により巻装されている。なお、この三相巻線は、各相のコイルの巻数が等しくなるように構成されている。

ティース22は、周方向に沿って等間隔に形成されており、各ティース22の形状は全て同一形状をなしている。これにより、スロット23も周方向に沿って等間隔に形成されるとともに、各スロット23の形状も全て同一形状をなすことになる。

ロータ3は、前記ステータ2と略等しい積厚で電磁鋼板を積層して構成されており、外周縁に沿って複数の磁石挿入孔31Hが形成された回転子鉄心31と、複数の磁石挿入孔31Hに挿入されて、複数の磁極3Pを構成する複数の永久磁石32a、32bとを備えている。より詳細には、本実施形態のロータ3には、磁極3Pが6つ構成されており、これらの磁極3Pは周方向に沿って等間隔に配置している。

なお、本実施形態では、ロータ3は、回転子鉄心31を厚み方向に貫通して形成した複数の貫通孔33を有しており、この貫通孔33に図示しない固定用ピンを通すことでロータ3を固定できるように構成されている。

上述の各磁極3Pは、図9及び図10に示すように、中心軸側に凸となるようにV字状に沿って配置された第1永久磁石32a及び第2永久磁石32bから構成されている。具体的に第1永久磁石32a及び第2永久磁石32bは、回転子鉄心31の回転中心Cから径方向外側に行くに従って徐々に離間するようにV字状に互いに離間して配置されている。本実施形態の第1永久磁石32a及び第2永久磁石32bは、それぞれ略直方体形状をなし、一方の永久磁石32a(32b)のS極と他方の永久磁石32b(32a)のN極とが着磁するとともに、互いに接触させた状態で配置されている。また、これらの永久磁石32a、32bがなす開き角度θ(磁石角度)は、90度<θ<160度を満たすように構成されており、本実施形態では開き角度θが120度になるように各永久磁石32a、32bが配置されている。

なお、回転子鉄心31に形成された磁石挿入孔31Hは、回転子鉄心31の回転中心Cから径方向外側に行くに従って徐々に離間するようにV字状に形成されており、本実施形態では、各永久磁石32a、32bが磁石挿入孔31H内で移動することを防ぐべく、当該磁石挿入孔31Hの外縁から内側に向かって突出する固定用突起311が形成されている。具体的にこの固定用突起311は、磁石挿入孔31H内において、各永久磁石32a、32bよりも前記径方向外側にそれぞれ設けられている。

以下では、説明の便宜上、上述の各磁極3Pを区別する場合は、図9及び図10に示すように、それぞれの磁極3Pを磁極3P1〜磁極3P6とも記載する。

第1永久磁石32a及び第2永久磁石32bは、平板状をなし、希土類を主成分とした希土類磁石やフェライト磁石等である。これらの永久磁石32a、32bの径方向外側端部には、空隙からなるフラックスバリア6が形成されている。

このフラックスバリア6は、前記磁石挿入孔31Hと同一の空間により形成されるものであり、磁石挿入孔31Hに第1永久磁石32aまたは第2永久磁石32bを挿入することによって形成される。なお、本実施形態では、このフラックスバリア6と回転子鉄心31の外周縁との距離は、フラックスバリア6の幅寸法よりも短く、より具体的には1.2mm以下に設定されている。

そして、本実施形態の永久磁石同期モータ100においては、図10に示すように、互いに隣り合う磁極3P間に相対して、スロット23が1.5〜3個位置するように構成されている。

ここで、例えば、互いに隣り合う磁極3P1と磁極3P2との間は、図10に示すように、磁極3P1を構成する第1永久磁石32aと磁極3P2を構成する第2永久磁石32bとの間に対応する。より詳細には、磁極3P1と磁極3P2との磁極間距離Lは、前記第1永久磁石32aの径方向外側角部32a1と前記第2永久磁石32bの径方向外側角部32b1との間隔として定義される。もちろん、この磁極間距離Lは、互いに隣り合う磁極3P間で全て等しい長さである。

上述の定義に基づき、ステータ2の状態が、回転子鉄心31の回転中心Cと磁極3Pの中央(第1永久磁石32aと第2永久磁石32bとの密着部)とを結ぶ延長線上にスロット23の中心が位置する状態において、本実施形態の永久磁石同期モータ100は、互いに隣り合う磁極3P間に相対して、スロット23が1.5〜3個位置するように構成されている。

詳述すると、本実施形態の永久磁石同期モータ100は、例えば、回転中心Cと磁極3P1を構成する第1永久磁石32aの径方向外側角部32a1とを結ぶ第1仮想線B1及び回転中心Cと磁極3P2を構成する第2永久磁石32bの径方向外側角部32b1とを結ぶ第2仮想線B2の間に、スロット23が1.5〜3個位置するように構成されている。

なお、ここでは、磁極3P1と磁極3P2との間に相対するスロット23の個数について説明したが、もちろん、互いに隣り合う各磁極3P間に相対するスロット23の個数についても同様である。

次に、本実施形態の永久磁石同期モータ100において、磁極3P間に相対して配置されるスロット数を1.0(従来)、2.5(今回)とした場合のモータ回転数と出力トルクとの相関をシミュレーションした結果を図11に示す。また、磁極3P間に相対して配置されるスロット数を0.0〜4.0まで変化させた場合の、出力トルクのシミュレーション結果を図12に示す。 なお、このシミュレーションにおいて、第1永久磁石32a及び第2永久磁石32bの開き角度θは120度である。

図11から分かるように、磁極3P間に相対して配置されるスロット数が1.0である場合(従来)に比べて、磁極3P間に相対して配置されるスロット数が2.5である場合(今回)の方が、同じモータ回転数では出力トルクが大きくなる。この傾向は、特に回転域が高速側に行くほど顕著になっていることが分かる。また、図5から分かるように、磁極3P間に相対して配置されるスロット数が2.25のときに、出力トルクが最大となる。つまり、磁極3P間に相対して配置されるスロット23の個数は、2.25が最も好ましく、金型等のバラつきを考慮して1.5から3.0とすることが考えられる。

続いて、本実施形態の永久磁石同期モータ100を用いた圧縮機X及びこの圧縮機Xを有する例えば空気調和機等の冷凍サイクルについて、図8及び図13を参照して説明する。

冷凍サイクルYは、図13に示すように、圧縮機X、凝縮器84及び膨張弁85を有する室外機80と、蒸発器86を有する室内機81とを備えるものである。

この冷凍サイクルYは、圧縮機Xにより圧縮された冷媒を圧縮機X、凝縮器84、膨張弁85、蒸発器86の順に循環させて、室外機80と室内機81との間で熱交換を行うことにより冷房機能を発揮するように構成されている。

圧縮機Xは、図8及び図13に示すように、圧縮機部83と上述したように構成された永久磁石同期モータ100とを具備するものである。

圧縮機部83は、特に図8に示すように、固定スクロール部材60の端板61に直立する渦巻状ラップ62と、旋回スクロール部材63の端板64に直立する渦巻状ラップ65とを噛み合わせて形成されており、この旋回スクロール部材63をクランクシャフト(ロータシャフト)4によって旋回運動させることで圧縮動作を行うように構成されている。

固定スクロール部材60及び旋回スクロール部材63によって形成される複数の圧縮室66のうち、最も外径側に位置している圧縮室66a、66bは、旋回運動に伴って各スクロール部材60、63の中心に向かって移動し、容積が次第に縮小する。前記圧縮室66a、66bが両スクロール部材60、63の中心近傍に達すると、吐出口67に連通して、当該圧縮室66a、66b内の圧縮ガスはこの吐出口67から吐出される。

吐出された圧縮ガスは、固定スクロール部材60及びフレーム68に設けられた図示しないガス通路を通って、圧力容器69内におけるフレーム68下部に至り、圧力容器69の側壁に設けられた吐出パイプ70から圧縮機Xの外に排出される。

この圧力容器69内には、上述したように、固定子(ステータ)2と回転子(ロータ)3とを具備する永久磁石同期モータ100が収容されており、三相巻線に通電することで回転し、圧縮動作を行う。

永久磁石同期モータ100の下方には、油溜部71が設けられている。油溜部71内の油は回転運動により生ずる圧力差によって、クランクシャフト(ロータシャフト)4内に設けられた油孔72を通って、旋回スクロール部材63とクランクシャフト(ロータシャフト)4との摺動部、滑り軸受け73等の潤滑に供される。

上述したように構成された本実施形態に係る永久磁石同期モータ100によれば、スロット23が、互いに隣り合う磁極3P間に相対して、1.5〜3個位置するので、出力トルクを増大させて高速回転域を拡大することができる。 なお、ここで言う高速回転域とは、20Hz(rps)〜180Hz(rps)を示す。

また、第1永久磁石32a及び第2永久磁石32bが密着して配置されているので、d軸インダクタンス(Ld)が低減されるので、リラクタンストルクを大きくすることができ、出力トルクをより増大させることができる。

また、鉄損の低減が可能になり、効率を向上することができる。

さらに、インダクタンスを低減でき、電気的時定数が小さくなるので、過渡応答性が良くなる。

加えて、電磁加振力を低減できるため、騒音及び振動を低減することができる。

その上、電機子電流が増加した場合であっても、電流と出力トルクとがほぼ線形の関係になるので、制御応答性に優れ、特に圧縮機等への適用が容易になる。

また、圧縮機Xは、圧縮機駆動用モータとして、上述したように構成された永久磁石同期モータ100を適用しているので、当該圧縮機Xの運転範囲の拡大及び高効率化を実現することができる。

さらに、冷凍サイクルYは、上述したように構成された永久磁石同期モータ100を、当該冷凍サイクルYを構成する圧縮機に使用しているので、コンパクトな運転範囲で高効率の性能を有し、入力を低減することにより、地球温暖化につながる二酸化炭素の排出を削減することができる。

<第2実施形態の変形例> なお、本発明は前記第2実施形態に限られるものではない。

例えば、前記第2実施形態では、磁極3Pが、V字状に沿って配置された第1永久磁石32a及び第2永久磁石32bにより構成されていたが、図14に示すように、円弧状をなす単一の永久磁石32cが、径方向外側に向かって湾曲するように配置されていても良い。この場合であっても、前記第1実施形態と同様に、ブリッジ部の幅寸法を変更することによって、磁束密度が1.8〜1.9Tとなるようにすることが望ましい。

また、前記第2実施形態では、回転子鉄心31に図示しない固定用ピンを通すための貫通孔33が形成されていたが、図15に示すように、この貫通孔33に連続したスリット孔34が形成された構成としても良い。なお、図8には、スリット孔34を貫通孔33から対称に2つ形成している状態を示したが、スリット孔34は2つに限られるものではない。

このように構成することにより、回転子鉄心31を固定することはもちろん、永久磁石32a、32b等から発生した磁束の流れを制限することができる。さらに、永久磁石同期モータ100を圧縮機X等に用いた場合、冷媒が前記スリット孔34を通過ことにより、固定子巻線を冷却する効果も得ることができる。

さらに、前記第2実施形態では、固定用突起311が、磁石挿入孔31H内において、各永久磁石32a、32bよりも径方向外側にそれぞれ設けられていたが、図15に示すように、各永久磁石32a、32bよりも径方向外側及び径方向内側にそれぞれ設けられていても良い。

また、前記第2実施形態では、第1永久磁石及び第2永久磁石が互いの角同士を接触させていたが、例えば、それぞれの端面同士を面接触させるように配置しても良い。

さらに、前記第2実施形態では、各磁極を構成する永久磁石が2つであったが、3つ以上の永久磁石から構成されるものであっても良い。

また、前記第2実施形態では、永久磁石が希土類を主成分とするものであったが、ボンド磁石であっても良い。

また、前記第2実施形態では、空気調和機に用いられる冷凍サイクルについて説明したが、冷凍サイクルは、冷蔵装置や冷凍装置等に用いられものであっても良い。

その他、本発明は前記第1、第2実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であるのは言うまでもない。

100・・・埋込磁石型モータ 2・・・ステータ 21・・・ヨーク 22・・・ティース 22a・・・ティースの先端面 3・・・ロータ 3P・・・磁極 32a・・・第1永久磁石 32b・・・第2永久磁石 6a1、6b1・・・外側フラックスバリア 6a2、6b2・・・内側フラックスバリア

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