圧縮機および圧縮機の製造方法

申请号 JP2013224520 申请日 2013-10-29 公开(公告)号 JP2015086751A 公开(公告)日 2015-05-07
申请人 ダイキン工業株式会社; 发明人 林 丈雄; 平岡 保人; 宮田 晴夫; 関田 直人; 石躍 好信; 田中 康嗣;
摘要 【課題】インレットチューブがシリンダの吸入孔に圧入されるときに、シリンダが組立用 位置 決めピンの周りを回転移動して、エアギャップが全周において均一にできない。 【解決手段】シリンダ本体21は、圧縮室22の径方向外側に配置された円形の孔56を有している。円形の孔56は、平面視において円形の孔56の中心が吸入孔50を延長した領域内に配置されている。そして、圧縮機の組立工程において、シリンダ本体21の円形の孔56が、組立用位置決め孔として使用される場合には、組立用位置決めピン60がシリンダ本体21の円形の孔56に挿入されており、インレットチューブが吸入孔50に圧入されるときに、シリンダ本体21に対して組立用位置決めピン60(円形の孔56)に向かう方向の 力 が作用する。このとき、上記の力が作用する方向に、組立用位置決めピン60があるので、この組立用位置決めピン60によって、上記の力によってシリンダ本体21が回転移動するのが防止される。 【選択図】図5
权利要求

円筒部材の内側に配置された圧縮機構および駆動機構を備えた圧縮機であって、 前記駆動機構は、 前記円筒部材の内周面に固定されたステータと、 前記ステータの内側に配置され、駆動軸とともに回転するロータとを有し、 前記圧縮機構は、 前記駆動軸によって駆動されるローラが配置された圧縮室を有するシリンダ本体と、 前記シリンダ本体の端面に取り付けられた端面部材と、 前記圧縮室に連通するとともに前記駆動軸と交差する方向に沿った吸入孔と、 前記圧縮室の径方向外側において前記駆動軸と平行な方向に沿った円形の孔とを有しており、 平面視において前記円形の孔の少なくとも一部が前記吸入孔を延長した領域内に配置されることを特徴とする圧縮機。前記円形の孔は、機械加工または焼結で形成されたものであることを特徴とする請求項1に記載の圧縮機。前記吸入孔および前記円形の孔が、同一部材に配置されることを特徴とする請求項1または2に記載の圧縮機。平面視において前記円形の孔の中心が前記吸入孔を延長した領域内に配置されることを特徴とする請求項1−3のいずれかに記載の圧縮機。駆動軸によって駆動されるローラが配置された圧縮室の径方向外側において前記駆動軸と平行な方向に沿った円形の孔に、支持台上に固定された組立用位置決めピンを挿入して、前記圧縮室を有する圧縮機構を前記支持台上に配置する第1工程と、 前記駆動軸にロータを取り付ける第2工程と、 前記ロータの外周面に対向するようにスペーサを配置する第3工程と、 ステータが固定された円筒部材を、前記ロータの外周面と前記ステータの内周面との間に前記スペーサが配置されるように配置する第4工程と、 前記圧縮機構において前記圧縮室に連通するとともに前記駆動軸と交差する方向に沿った吸入孔に、前記円筒部材の外側からインレットチューブを圧入する第5工程とを備え、 平面視において前記円形の孔の少なくとも一部が前記吸入孔を延長した領域内に配置されることを特徴とする圧縮機の製造方法。

円筒部材を含むケーシングの内側に配置された圧縮機構および駆動機構を備えた圧縮機であって、 前記駆動機構は、 前記円筒部材の内周面に固定されたステータと、 前記ステータの内側に配置され、駆動軸とともに回転するロータとを有し、 前記圧縮機構は、 前記駆動軸によって駆動されるローラが配置された圧縮室を有するシリンダ本体と、 前記シリンダ本体の端面に取り付けられた端面部材と、 前記端面部材に取り付けられたマフラ本体と、 前記圧縮室に連通するとともに前記駆動軸と交差する方向に沿った吸入孔と、 前記圧縮室の径方向外側において前記駆動軸と平行な方向に沿った円形の孔とを有しており、 前記円形の孔は、前記マフラ本体の外側で且つ前記ケーシングの内部空間に開口するとともに、 平面視において前記円形の孔の少なくとも一部が前記吸入孔を延長した領域内に配置されることを特徴とする圧縮機。前記円形の孔は、機械加工または焼結で形成されたものであることを特徴とする請求項1に記載の圧縮機。前記吸入孔および前記円形の孔が、同一部材に配置されることを特徴とする請求項1または2に記載の圧縮機。平面視において前記円形の孔の中心が前記吸入孔を延長した領域内に配置されることを特徴とする請求項1−3のいずれかに記載の圧縮機。駆動軸によって駆動されるローラが配置された圧縮室の径方向外側において前記駆動軸と平行な方向に沿った円形の孔に、支持台上に固定された組立用位置決めピンを挿入して、前記圧縮室を有する圧縮機構を前記支持台上に配置する第1工程と、 前記駆動軸にロータを取り付ける第2工程と、 前記ロータの外周面に対向するようにスペーサを配置する第3工程と、 ステータが固定された円筒部材を、前記ロータの外周面と前記ステータの内周面との間に前記スペーサが配置されるように配置する第4工程と、 前記圧縮機構において前記圧縮室に連通するとともに前記駆動軸と交差する方向に沿った吸入孔に、前記円筒部材の外側からインレットチューブを圧入する第5工程とを備え、 平面視において前記円形の孔の少なくとも一部が前記吸入孔を延長した領域内に配置されることを特徴とする圧縮機の製造方法。

说明书全文

本発明は、例えば空気調和機等に使用されるロータリ圧縮機等の圧縮機およびその製造方法に関する。

圧縮機は、ケーシング内に配置された圧縮機構および駆動機構を備えるものが一般的である。そして、圧縮機構が、圧縮室を有するシリンダと、シリンダの両端面にそれぞれ配置された端面部材とを有しており、圧縮室内には、駆動軸によって駆動されるローラが配置されている。駆動機構は、ケーシングの内周面に固定されたステータと、ステータの内側に配置され、駆動軸とともに回転するロータとを有している。そして、圧縮機構は、圧縮室に連通する吸入孔を有しており、吸入孔には、冷媒を圧縮室に供給するためのインレットチューブが圧入されている。

上記の圧縮機を組み立てる工程では、駆動軸を有する圧縮機構が支持台上に配置される。このとき、シリンダ(圧縮機構)が組立用位置決め孔を有しており、その組立用位置決め孔に、支持台上に固定された組立用位置決めピンが挿入されて位置決めされる。その後、ロータが駆動軸に取り付けられ、ロータの外周面に対向するようにスペーサが配置される。そして、ステータが内周面に固定された円筒部材(ケーシングの一部)が、ロータの外周面とステータの内周面との間にスペーサが配置されるように、圧縮機構の外周側に配置される。そして、円筒部材の外側からインレットチューブが吸入孔に圧入された後、圧縮機構が円筒部材の内周面に溶接によって固定される。

特開2010−150973

圧縮機の組立工程において、支持台上に固定された組立用位置決めピンがシリンダ(圧縮機構)の組立用位置決め孔に挿入されて位置決めされるが、図9に示すように、組立用位置決め孔が、インレットチューブの圧入方向と異なる位置に配置される場合がある。この場合において、インレットチューブがシリンダ921の吸入孔950に圧入されるときに、シリンダ921に対して、円形の孔956に挿入された組立用位置決めピン60を中心とする回転方向のが作用する。したがって、シリンダ921が組立用位置決めピン60の周りを回転移動して、それにともなって駆動軸に取り付けられたロータも回転移動してしまう。そのため、ロータが回転した方向にスペーサが押圧されるので、その部分のエアギャップ(ロータの外周面とステータの内周面との間のエアギャップ)が狭くなる。その状態で、シリンダ921が円筒部材の内周面に溶接によって固定された後で、スペーサが取り外されると、エアギャップが全周において均一でないことから、圧縮機の運転音が大きくなるという問題がある。

そこで、本発明の目的は、エアギャップを全周において均一にできる圧縮機およびその製造方法を提供することである。

第1の発明にかかる圧縮機は、円筒部材の内側に配置された圧縮機構および駆動機構を備えた圧縮機であって、前記駆動機構は、前記円筒部材の内周面に固定されたステータと、前記ステータの内側に配置され、駆動軸とともに回転するロータとを有し、前記圧縮機構は、前記駆動軸によって駆動されるローラが配置された圧縮室を有するシリンダ本体と、前記シリンダ本体の端面に取り付けられた端面部材と、前記圧縮室に連通するとともに前記駆動軸と交差する方向に沿った吸入孔と、前記圧縮室の径方向外側において前記駆動軸と平行な方向に沿った円形の孔とを有しており、平面視において前記円形の孔の少なくとも一部が前記吸入孔を延長した領域内に配置されることを特徴とする。

第5の発明にかかる圧縮機の製造方法は、駆動軸によって駆動されるローラが配置された圧縮室の径方向外側において前記駆動軸と平行な方向に沿った円形の孔に、支持台上に固定された組立用位置決めピンを挿入して、前記圧縮室を有する圧縮機構を前記支持台上に配置する第1工程と、前記駆動軸にロータを取り付ける第2工程と、前記ロータの外周面に対向するようにスペーサを配置する第3工程と、ステータが固定された円筒部材を、前記ロータの外周面と前記ステータの内周面との間に前記スペーサが配置されるように配置する第4工程と、前記圧縮機構において前記圧縮室に連通するとともに前記駆動軸と交差する方向に沿った吸入孔に、前記円筒部材の外側からインレットチューブを圧入する第5工程とを備え、平面視において前記円形の孔の少なくとも一部が前記吸入孔を延長した領域内に配置されることを特徴とする。

この圧縮機およびその製造方法では、圧縮機構が円形の孔を有しており、平面視において円形の孔の少なくとも一部が吸入孔を延長した領域内に配置されているので、その円形の孔を圧縮機の組立工程において組立用位置決め孔として使用することができる。したがって、圧縮機を組み立てる工程で、円形の孔(組立用位置決め孔)に対して、支持台上に固定された組立用位置決めピンを挿入して圧縮機構が位置決めされた場合には、インレットチューブが吸入孔に圧入されるときに、圧縮機構に対して組立用位置決め孔を中心とする回転方向の力がほとんど作用しない。よって、圧縮機の組み立て時において、インレットチューブを圧入するときに、圧縮機構が組立用位置決めピンの周りを回転するのを抑制できるので、エアギャップが全周において均一にできることから、圧縮機の運転音が大きくなるのを抑制できる。

第2の発明にかかる圧縮機は、第1の発明にかかる圧縮機において、前記円形の孔が、機械加工または焼結で形成されたものであることを特徴とする。

この圧縮機では、円形の孔が機械加工または焼結で形成されているので、内径寸法にバラつきが生じにくいことから、円形の孔を圧縮機の組立工程において組立用位置決め孔として使用した場合に、圧縮機構を適正に位置決めできる。

第3の発明にかかる圧縮機は、第1または第2の発明にかかる圧縮機において、前記吸入孔および前記円形の孔が、同一部材に配置されることを特徴とする。

この圧縮機では、吸入孔および円形の孔が同一部材に配置されているので、吸入孔と円形の孔との高さの差が小さい(吸入孔と円形の孔が略同一の高さに配置される場合を含む)。したがって、圧縮機の組み立て時において、インレットチューブを圧入するときに、圧縮機構が高さ方向に傾くのを抑制できる。

第4の発明にかかる圧縮機は、第1−第3のいずれかの発明にかかる圧縮機において、平面視において前記円形の孔の中心が前記吸入孔を延長した領域内に配置されることを特徴とする。

この圧縮機では、平面視において円形の孔の中心が吸入孔を延長した領域内に配置されているので、その円形の孔を圧縮機の組立工程において組立用位置決め孔として使用した場合に、圧縮機の組み立て時において、インレットチューブを圧入するときに、圧縮機構が組立用位置決めピンの周りを回転するのを防止できるので、エアギャップが全周において均一にできることから、圧縮機の運転音が大きくなるのを効果的に防止できる。

以上の説明に述べたように、本発明によれば、以下の効果が得られる。

第1および第5の発明では、圧縮機構が円形の孔を有しており、平面視において円形の孔の少なくとも一部が吸入孔を延長した領域内に配置されているので、その円形の孔を圧縮機の組立工程において組立用位置決め孔として使用することができる。したがって、圧縮機を組み立てる工程で、円形の孔(組立用位置決め孔)に対して、支持台上に固定された組立用位置決めピンを挿入して圧縮機構が位置決めされた場合には、インレットチューブが吸入孔に圧入されるときに、圧縮機構に対して組立用位置決め孔を中心とする回転方向の力がほとんど作用しない。よって、圧縮機の組み立て時において、インレットチューブを圧入するときに、圧縮機構が組立用位置決めピンの周りを回転するのを抑制できるので、エアギャップが全周において均一にできることから、圧縮機の運転音が大きくなるのを抑制できる。

第2の発明では、円形の孔が機械加工または焼結で形成されているので、内径寸法にバラつきが生じにくいことから、円形の孔を圧縮機の組立工程において組立用位置決め孔として使用した場合に、圧縮機構を適正に位置決めできる。

第3の発明では、吸入孔および円形の孔が同一部材に配置されているので、吸入孔と円形の孔との高さの差が小さい(吸入孔と円形の孔が略同一の高さに配置される場合を含む)。したがって、圧縮機の組み立て時において、インレットチューブを圧入するときに、圧縮機構が高さ方向に傾くのを抑制できる。

第4の発明では、平面視において円形の孔の中心が吸入孔を延長した領域内に配置されているので、その円形の孔を圧縮機の組立工程において組立用位置決め孔として使用した場合に、圧縮機の組み立て時において、インレットチューブを圧入するときに、圧縮機構が組立用位置決めピンの周りを回転するのを防止できるので、エアギャップが全周において均一にできることから、圧縮機の運転音が大きくなるのを効果的に防止できる。

本発明の第1実施形態に係る圧縮機の断面図である。

図2(a)は、図1の圧縮機のシリンダ本体の平面図であって、図2(b)は、シリンダ本体の断面図である。

図1の圧縮機の組立工程を示す図である。

図1の圧縮機の組立工程を示す図である。

本発明の圧縮機のシリンダ本体に対してインレットチューブが圧入されるときの状態を示す図である。

本発明の第2実施形態に係る圧縮機の断面図である。

図7(a)は、図6の圧縮機の端面部材およびシリンダ本体の平面図であって、図7(b)は、端面部材およびシリンダ本体の断面図である。

図7のシリンダ本体に対してインレットチューブが圧入されるときの状態を示す図である。

従来の圧縮機のシリンダ本体に対してインレットチューブが圧入されるときの状態を示す図である。

以下、この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。

(第1実施形態) 図1は、この発明の圧縮機の一実施形態である断面図を示している。この圧縮機は、いわゆる高圧ドーム型のロータリ圧縮機であって、ケーシング1内に圧縮機構2を下に、モータ3を上に配置している。このモータ3のロータ6によって、駆動軸12を介して圧縮機構2を駆動するようにしている。

圧縮機構2は、アキュムレータから吸入管11を通して冷媒を吸入する。この吸入される冷媒は、圧縮機とともに、冷凍システムの一例としての空気調和機を構成する図示しない凝縮器、膨張機構、蒸発器を制御することによって得られる。吸入管11は、ケーシング1の外周面に配置された継手管10内において、シリンダ本体21の吸入孔50に圧入されたインレットチューブ52に対してロウ付けによって固定されている。

圧縮機は、圧縮した高温高圧の吐出ガスを、圧縮機構2から吐出してケーシング1の内部に満たすと共に、モータ3のステータ5とロータ6との間の隙間を通して、モータ3を冷却した後、吐出管13から外部に吐出するようにしている。ケーシング1内の高圧領域の下部に、潤滑油9を溜めている。

図1と図2に示すように、圧縮機構2は、シリンダ室22を形成するシリンダ本体21と、このシリンダ本体21の上下端面に取り付けられて圧縮室(シリンダ室)22に蓋をする上側の端面部材23および下側の端面部材24とを備える。駆動軸12は、上側の端面部材23および下側の端面部材24を貫通して、圧縮室22の内部に進入している。圧縮室22には、駆動軸12に設けられたクランクピン26に嵌合したローラ27を、公転可能に配置し、このローラ27の公転運動で圧縮作用を行うようにしている。圧縮室22は、ローラ27に一体に設けたブレードで高圧領域と低圧領域を仕切るように構成されており、ブレードの両面には半円形状のブッシュが密着して、シールを行っている。したがって、シリンダ本体21は、圧縮室22の外側において圧縮室22と連通した収容孔22aを有しており、その収容孔22aに、ブレードおよびブッシュが配置される。

シリンダ本体21は、図2に示すように、圧縮室22の周囲に配置された円筒部53と、円筒部53の外周面からケーシング1の内周面に向かって延在する支持部54とを有している。シリンダ本体21は、圧縮室22に連通するとともに平方向(駆動軸12と交差する方向)に沿った吸入孔50を有している。また、円筒部53の上面は、端面部材23が固定される部分であって、端面部材23と略同一形状を有している。そして、シリンダ本体21は、支持部54において円筒部53の外側に対応した部分に配置された円形の孔56を有している。円形の孔56は、圧縮室22の径方向外側であって、かつ、端面部材23の径方向外側において、駆動軸12と平行な方向に沿っている。そして、円形の孔56は、平面視において円形の孔56の中心が吸入孔50を延長した領域内(図2において、吸入孔50の端部を延長した二点鎖線の間の領域)に配置されている。図2(a)では、平面視において円形の孔56の中心が吸入孔50の中心線上に配置されている。円形の孔56は、機械加工または焼結で形成されたものである。また、図2(b)に示すように、支持部54において円形の孔56が配置された部分は、下方に開口するように凹形状に構成されており、円形の孔56は、支持部54の上端部の薄肉部に配置されている。したがって、円形の孔56および吸入孔50は、いずれもシリンダ本体21に配置されているが、圧縮機の高さ方向については、図2(b)に示すように、円形の孔56は、吸入孔50より上方に配置されている。

圧縮機の組立工程について、図3および図4に基づいて説明する。まず、図3(a)に示すように、駆動軸12を有する圧縮機構2が支持台上に配置される。このとき、シリンダ本体21の円形の孔56に、支持台上に固定された組立用位置決めピン60が挿入されて、圧縮機構2が支持台上に位置決めされる。したがって、組立用位置決めピン60は、円形の水平断面を有しており、その水平断面は円形の孔56と略同一の大きさに構成されている。圧縮機構2は、シリンダ本体21、端面部材23、24、駆動軸12およびマフラ本体40等の部材で構成されるが、図3および図4では、一部の部材の図示を省略する。また、モータ3を構成するステータ5には銅線が巻かれ、それにケーシング外部から通電されることにより、磁石を有するロータ6を駆動させるが、一部の部材および配線の図示を省略する。そして、図3(b)に示すように、駆動軸12に対してロータ6が取り付けられた後、図3(c)に示すように、ロータ6の外周面に対向するようにスペーサ61が配置される。このとき、スペーサ61は、ロータ6の全周にわたって外周面に対向するように配置される。その後、図4(a)および図4(b)に示すように、ロータ6の外周面とステータ5の内周面との間にスペーサ61が配置されるように、ステータ5が内周面に固定された円筒部材1a(ケーシング1の一部)が圧縮機構2の外側に配置される。このとき、円筒部材1aの外周面に配置された継手管10が、シリンダ本体21の吸入孔50に対向している。そして、図4(c)に示すように、円筒部材1aの外側からインレットチューブ52が吸入孔50に圧入された後、シリンダ本体21の外周面が円筒部材1aの内周面に溶接によって固定される。

そして、圧縮機の組立工程において、シリンダ本体21の円形の孔56が、組立用位置決め孔として使用される。したがって、組立用位置決めピン60がシリンダ本体21の円形の孔56に挿入されており、インレットチューブ52が吸入孔50に圧入されるときに、図5に示すように、シリンダ本体21に対して組立用位置決めピン60(円形の孔56)に向かう方向の力が作用する。このとき、上記の力が作用する方向に、組立用位置決めピン60があるので、この組立用位置決めピン60によって、上記の力によってシリンダ本体21(圧縮機構2)が移動する(回転移動する)のが防止される。よって、従来の圧縮機の組立工程(図9)のように、シリンダ本体921が組立用位置決めピン60の周りを回転移動して、それにともなって駆動軸12に取り付けられたロータ6も回転移動してしまうことがない。そのため、ロータ6(シリンダ本体21)の周方向の一部の方向においてスペーサ61が押圧されることがないので、エアギャップ(ロータ6の外周面とステータ5の内周面との間のエアギャップ)が全周において均一になる。その状態で、シリンダ本体21が円筒部材1aの内周面に溶接によって固定された後で、スペーサ61が取り外されたとしても、エアギャップが全周において均一の状態である。

<本実施形態の圧縮機の特徴> 本実施形態の圧縮機およびその製造方法では、圧縮機構2が円形の孔56を有しており、平面視において円形の孔56の中心が吸入孔50を延長した領域内に配置されているので、その円形の孔56を圧縮機の組立工程において組立用位置決め孔として使用することができる。したがって、圧縮機を組み立てる工程で、円形の孔56(組立用位置決め孔)に対して、支持台上に固定された組立用位置決めピン60を挿入して圧縮機構2が位置決めされた場合には、インレットチューブ52が吸入孔50に圧入されるときに、圧縮機構2に対して組立用位置決めピン60を中心とする回転方向の力がほとんど作用しない。よって、圧縮機の組み立て時において、インレットチューブ52を圧入するときに、圧縮機構2が組立用位置決めピン60の周りを回転するのを抑制できるので、エアギャップが全周において均一にできることから、圧縮機の運転音が大きくなるのを抑制できる。

本実施形態の圧縮機では、円形の孔56が機械加工または焼結で形成されているので、円形の孔56を圧縮機の組立工程において組立用位置決め孔として使用した場合に、圧縮機構2を適正に位置決めできる。

本実施形態の圧縮機では、吸入孔50および円形の孔56が、いずれもシリンダ本体21に配置されているので、吸入孔50と円形の孔56との高さの差が小さい。したがって、圧縮機の組み立て時において、インレットチューブ52を圧入するときに、圧縮機構2が高さ方向に傾くのを抑制できる。

本実施形態の圧縮機では、平面視において円形の孔56の中心が吸入孔50を延長した領域内に配置されているので、その円形の孔56を圧縮機の組立工程において組立用位置決め孔として使用した場合に、圧縮機の組み立て時において、インレットチューブ52を圧入するときに、圧縮機構2が組立用位置決めピンの周りを回転するのを防止できるので、エアギャップが全周において均一にできることから、圧縮機の運転音が大きくなるのを効果的に防止できる。

(第2実施形態) 図6−図8は、この発明の第2実施形態を示している。第1実施形態の圧縮機では、圧縮機構2のシリンダ本体21の外周面が円筒部材1aの内周面に溶接によって固定されるのに対し、第2実施形態では、圧縮機構102の端面部材123の外周面が円筒部材1aの内周面に溶接によって固定される点で異なっており、それにともなって、円形の孔が配置される部材が異なっている。なお、その他の構成は、第1実施形態と略同一の構成であるため、その説明を省略する。

シリンダ本体121は、図7に示すように、圧縮室22の周囲に配置された円筒部53を有している。シリンダ本体121は、圧縮室22に連通するとともに水平方向(駆動軸12と交差する方向)に沿った吸入孔50を有している。また、円筒部53の上面は、端面部材123が固定される部分であって、端面部材123より小さい形状を有している。端面部材123は、駆動軸12の周囲に配置された円筒部153と、円筒部153の外周面からケーシング1の内周面に向かって延在する支持部154とを有している。そして、端面部材123は、支持部154に配置された円形の孔156を有している。円形の孔156は、圧縮室22の径方向外側であって、かつ、シリンダ本体121の径方向外側において、駆動軸12と平行な方向に沿っている。そして、円形の孔156は、平面視において円形の孔156の中心が吸入孔50を延長した領域内(図7において、吸入孔50の端部を延長した二点鎖線の間の領域)に配置されている。図7(a)では、平面視において円形の孔156の中心が吸入孔50の中心線上に配置されている。円形の孔156は、機械加工または焼結で形成されたものである。そして、図7(b)に示すように、円形の孔56は、端面部材123に配置され、吸入孔50は、シリンダ本体121に配置されている。したがって、圧縮機の高さ方向については、図7(b)に示すように、円形の孔156は、吸入孔50より上方に配置されている。

第2実施形態の圧縮機の組立工程については、第1実施形態の圧縮機の組立工程において、シリンダ本体21の円形の孔56に組立用位置決めピン60が挿入されるのに対し、第2実施形態では、端面部材123の円形の孔156に組立用位置決めピン60が挿入される点で異なるとともに、第1実施形態の圧縮機の組立工程において、圧縮機構2のシリンダ本体21の外周面が円筒部材1aの内周面に溶接によって固定されるのに対し、第2実施形態では、圧縮機構102の端面部材123の外周面が円筒部材1aの内周面に溶接によって固定される点で異なるが、その他は、第1実施形態の圧縮機の組立工程(図3および図4)と同様であるので、その説明は省略する。

そして、圧縮機の組立工程において、端面部材123の円形の孔156が、組立用位置決め孔として使用される。したがって、組立用位置決めピン60が端面部材123の円形の孔156に挿入されており、インレットチューブ52が吸入孔50に圧入されるときに、図8に示すように、シリンダ本体121に対して組立用位置決めピン60(円形の孔156)に向かう方向の力が作用する。このとき、上記の力が作用する方向に、組立用位置決めピン60があるので、この組立用位置決めピン60によって、上記の力によってシリンダ本体121(圧縮機構102)が移動する(回転移動する)のが防止される。よって、従来の圧縮機の組立工程(図9)のように、シリンダ本体921が組立用位置決めピン60の周りを回転移動して、それにともなって駆動軸12に取り付けられたロータ6も回転移動してしまうことがない。そのため、ロータ6(シリンダ本体21)の周方向の一部の方向においてスペーサ61が押圧されることがないので、エアギャップ(ロータ6の外周面とステータ5の内周面との間のエアギャップ)が全周において均一になる。その状態で、端面部材123が円筒部材1aの内周面に溶接によって固定された後で、スペーサ61が取り外されたとしても、エアギャップが全周において均一の状態である。

<本実施形態の圧縮機の特徴> 本実施形態の圧縮機およびその製造方法では、圧縮機構102が円形の孔156を有しており、平面視において円形の孔56の中心が吸入孔50を延長した領域内に配置されているので、その円形の孔156を圧縮機の組立工程において組立用位置決め孔として使用することができる。したがって、圧縮機を組み立てる工程で、円形の孔156(組立用位置決め孔)に対して、支持台上に固定された組立用位置決めピン60を挿入して圧縮機構102が位置決めされた場合には、インレットチューブ52が吸入孔50に圧入されるときに、圧縮機構102に対して組立用位置決めピン60を中心とする回転方向の力がほとんど作用しない。よって、圧縮機の組み立て時において、インレットチューブ52を圧入するときに、圧縮機構102が組立用位置決めピン60の周りを回転するのを抑制できるので、エアギャップが全周において均一にできることから、圧縮機の運転音が大きくなるのを抑制できる。

本実施形態の圧縮機では、円形の孔156が機械加工または焼結で形成されているので、円形の孔156を圧縮機の組立工程において組立用位置決め孔として使用した場合に、圧縮機構102を適正に位置決めできる。

本実施形態の圧縮機では、平面視において円形の孔156の中心が吸入孔50を延長した領域内に配置されているので、その円形の孔156を圧縮機の組立工程において組立用位置決め孔として使用した場合に、圧縮機の組み立て時において、インレットチューブ52を圧入するときに、圧縮機構102が組立用位置決めピンの周りを回転するのを防止できるので、エアギャップが全周において均一にできることから、圧縮機の運転音が大きくなるのを効果的に防止できる。

以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、これらの実施形態に限定されるものでないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれる。

上述の実施形態では、平面視において円形の孔の中心が吸入孔の中心線上に配置されている場合を説明したが、平面視において円形の孔の中心が吸入孔を延長した領域内に配置されている場合や、平面視において円形の孔の少なくとも一部が吸入孔を延長した領域内に配置されている場合にも、本発明の効果が得られる。

また、上述の実施形態では、円形の水平断面を有する組立用位置決めピンが円形の孔に挿入されて、円形の孔が組立用位置決め孔として使用される場合について説明したが、これに限定されない。したがって、組立用位置決めピンは、円形の孔に挿入されて圧縮機構を位置決めできるものであれば、円形以外の水平断面を有するものであってもよい。また、円形の孔が組立用位置決め孔として使用されるものであれば、円形の孔の大きさは変更できる。ただし、本発明は、圧縮機構の円形の孔が組立用位置決め孔として使用されて圧縮機構が位置決めされる発明である。したがって、圧縮機構が平面視において吸入孔を延長した領域内に配置された円形以外の孔(例えば楕円の孔)を有しており、その円形以外の孔が組立用位置決め孔として使用されて圧縮機構が位置決めされる場合は、本発明の技術思想と全く異なるものである。

また、上述の実施形態では、円形の孔がシリンダ本体またはシリンダ本体の上方の端面部材に配置される場合を説明したが、円形の孔が、圧縮機構に含まれる他の部材に配置されてもよい。したがって、例えば、円形の孔がシリンダ本体の下方の端面部材に配置されてもよい。また、円形の孔は、必ずしも1つの部材に配置される場合だけでなく、複数の部材に配置されてもよい。そして、本発明は、平面視において円形の孔の少なくとも一部が吸入孔を延長した領域内に配置されている場合に効果が得られるものであって、圧縮機の高さ方向について、円形の孔と吸入孔とが同一の高さに配置されてもよいし、異なる高さに配置されてもよい。

また、上述の実施形態では、円形の孔および吸入孔がいずれもシリンダ本体に配置される場合と、円形の孔がシリンダ本体の上方の端面部材に配置され、吸入孔がシリンダ本体に配置される場合について説明したが、円形の孔および吸入孔が、それぞれ、圧縮機構に含まれる同一の部材に配置されてもよいし、異なる部材に配置されてもよい。

また、上述の実施形態では、吸入孔が圧縮室に連通するとともに水平方向に沿っている場合を説明したが、吸入孔が圧縮室に連通するとともに駆動軸と交差する方向に沿ったものであってもよい。

また、上述の実施形態では、圧縮機構が、ローラと一体に設けたブレードにより圧縮室内の高圧領域と低圧領域が仕切られるように構成されているが、圧縮機の構成は変更してもよい。したがって、圧縮機構が、ローラと別体でバネによりローラに押付けられるベーンにより圧縮室内の高圧領域と低圧領域を仕切られるように構成されていてもよい。

本発明を利用すれば、エアギャップを全周において均一にできる。

1 ケーシング 1a 円筒部材 2 圧縮機構 3 駆動機構 5 ステータ 6 ロータ 12 駆動軸 21、121、921 シリンダ本体 22 圧縮室 23、123 端面部材 50 吸入孔 52 インレットチューブ 56、156、956 円形の孔 60 組立用位置決めピン 61 スペーサ

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