ポンプ

申请号 JP2014555306 申请日 2013-01-29 公开(公告)号 JP2015509165A 公开(公告)日 2015-03-26
申请人 エドワーズ リミテッド; エドワーズ リミテッド; 发明人 マルコム ウィリアム グレイ; マルコム ウィリアム グレイ; ポール デイヴィッド ネラー; ポール デイヴィッド ネラー; ニール ターナー; ニール ターナー; ジャック レイモンド タッターソール; ジャック レイモンド タッターソール;
摘要 本発明は、複数のポンプ輸送(吸込み吐出し)段(12,14,16,18)を有する多段 真空 ポンプ(10)に関する。こ真空ポンプは、ポンプ輸送段のそれぞれ対応のポンプ輸送チャンバ(32,34,36,38)を形成するステータと、複数のロータ(44a,44b;46a,46b;48a,48b;50a,50b)をそれぞれ対応のポンプ輸送チャンバ内でそれぞれ回転可能に支持する少なくとも1本のシャフト(40,42)とを有する。ステータは、複数のステータ段の軸方向広がりにわたって延び、それにより上記少なくとも1本のシャフトを包囲すると共に複数のステータ段の内部輪郭形状を形成する一体形ステータエンベロープ(20)と、対応のポンプ輸送チャンバを形成するようステータ段の各軸方向側部に設けられた複数の横方向壁(22,24,26,28,30)とを有する。横方向壁のうちの少なくとも1つは、ステータ段相互間に 位置 する段間部(26,28,30)であり、ステータエンベロープは、段間部をステータ部分の半径方向内方に配置できるよう段間部を包囲するよう構成されている。
权利要求
  • 多段真空ポンプであって、複数のポンプ輸送チャンバを形成するステータと、複数のロータをそれぞれ対応のポンプ輸送チャンバ内で回転可能に支持する少なくとも1本のシャフトとを有し、前記ステータは、前記シャフトの周りに設けられた複数の軸方向に隣り合うポンプ輸送チャンバを包囲した一体形ステータエンベロープと、前記ステータエンベロープの半径方向内方に且つ前記軸方向に隣り合うポンプ輸送チャンバ相互間に設けられた少なくとも1つの段間横方向壁とを有する、多段真空ポンプ。
  • 前記ステータエンベロープを貫通して軸方向に延びる内部ボアが形成され、該ボアは、それぞれの前記ポンプ輸送チャンバの輪郭形状を形成している、請求項1記載の多段真空ポンプ。
  • 各ポンプ輸送チャンバのところの前記内部ボアの半径方向断面は、軸方向に全体として一様である、請求項1又は2記載の多段真空ポンプ。
  • 少なくとも1つのポンプ輸送チャンバの前記半径方向断面は、少なくとも1つの他のポンプ輸送チャンバの半径方向断面とは異なっている、請求項1又は2記載の多段真空ポンプ。
  • 前記ステータエンベロープの少なくとも1つの端は、2つのポンプ輸送チャンバ相互間に配置可能に前記内部ボアに沿う前記少なくとも1つの段間横方向壁の挿入を可能にするよう開口している、請求項1〜4のうちいずれか一に記載の多段真空ポンプ。
  • 前記内部ボアは、2つのポンプ輸送チャンバ相互間に段間壁を配置するための成形部を有する、請求項1〜5のうちいずれか一に記載の多段真空ポンプ。
  • 前記成形部は、前記内部ボア内に半径方向内方に延びていて、前記横方向壁が前記ポンプ輸送チャンバ相互間に正確に配置されたときに当接する段付き表面を有する、請求項6記載の多段真空ポンプ。
  • 前記成形部は、前記横方向壁を定位置に固定するための締結具を受け入れる少なくとも1つの閉鎖ボアを有する、請求項6記載の多段真空ポンプ。
  • 前記少なくとも1つの段間壁は、段間部を前記ステータエンベロープに固定するために締結具を挿通させることができるボアを有する、請求項1〜8のうちいずれか一に記載の多段真空ポンプ。
  • 前記段間部は、前記ステータエンベロープ内の2つ以上の配置場所のところに選択的に固定可能に構成されている、請求項1〜9のうちいずれか一に記載の多段真空ポンプ。
  • 前記段間壁のうちの1つ又は2つ以上を前記ステータエンベロープの前記内側輪郭形状に締結する1つ又は2つ以上の締結具を有する、請求項1〜10のうちいずれか一に記載の多段真空ポンプ。
  • 前記締結具は、その第1の状態において、段間部が前記ステータエンベロープの前記内部ボアを貫通することができ、その第2の状態では、前記締結具が前記段間部を定位置で前記ステータエンベロープに締結するよう形作られている、請求項11記載の多段真空ポンプ。
  • 前記段間壁の軸方向に向いた表面又は隣接のロータの軸方向に向いた表面のうちの少なくとも一方は、減摩剤で被覆されている、請求項1〜12のうちいずれか一に記載の多段真空ポンプ。
  • 前記段間壁は、前記ステータエンベロープ内の所定の場所のところには固定されておらず、前記段間壁は、ロータ相互間で浮動状態になっている、請求項1〜13のうちいずれか一に記載の多段真空ポンプ。
  • 請求項1〜14のうちいずれか一に記載の前記多段真空ポンプ用に構成されたステータ。
  • 说明书全文

    本発明は、多段真空ポンプ及びかかるポンプのステータに関する。

    真空ポンプは、直列に連結された1つ又は2つ以上のポンプ輸送(吸込み吐出し)段を有する容積移送式ポンプ、例えばルーツ形ポンプ又はクロー(claw)形ポンプによって形成される場合がある。 多段ポンプは、直列に連結された多数のポンプと比較して、必要なこれらの製造費及び組み立て時間が少ないので望ましい。

    多段ルーツ又はクロー形ポンプは、典型的には、2つの共通の形態のうちの1つをなして、即ち、ステータスタック又はクラムシェルとして製造されて組み立てられる。

    ステータスタック構造体を備えたポンプ110が図10に示されている。 ポンプ110は、複数のポンプ輸送段112,114,116,118を有している。 ポンプ輸送段の各々は、各段の入口から出口に流体をポンプ輸送するためのロータ構造体(図示せず)及びステータ構造体120,122,124,126を有している。 1つのポンプ輸送段の出口は、隣接の下流側の段の入口と流体連通状態にあり、その結果、このポンプにより達成される圧縮は、段の各々の累積結果である。 段間構造体128,130,132は、隣り合うポンプ輸送段相互間に介在して位置している。 これら段間構造体は、隣り合うポンプ輸送段のポンプ輸送チャンバを互いに隔てており、そして流体を上流側のポンプ輸送段の出口から下流側のポンプ輸送段の入口に運ぶ。 2枚のヘッドプレート134,136がポンプ輸送スタックの各端のところに配置されている。 ヘッドプレートは、最も上流側のポンプ輸送段及び最も下流側のポンプ輸送段のポンプ輸送チャンバをそれぞれポンプの他のコンポーネント、例えば歯車やモータから隔てており、そして流体を第1のポンプ輸送段の入口中に運んだり最初のポンプ輸送段の出口から運び出したりする。 したがって、ポンプは、ポンプを形成するよう互いに積層される複数の別々の層で作られる。 積層は、適切には、1本又は2本以上のアンカーロッドが層の各々に設けられた孔を通って締結具、例えばボルトで締結されることによって達成可能である。 本明細書において、ステータ構造体をステータスライスといい、段間構造体を単に段間部という。

    ポンプ110の断面が図11に示されている。 ロータ構造体が図11に示され、このロータ構造体は、複数のロータ段138,140,142,144を有し、各ロータ段は、この例では、1対の協働するロータA,Bから成る。 図面に参照符号に過剰に記入しないようにするために第1のロータ段138のロータだけが符号A,Bで示されている。 ロータAは、シャフト146によって回転可能に支持され、ロータBは、シャフト148によって回転可能に支持されている。 ロータ段は、回転時、流体を段の入口から段の出口にポンプ輸送し、その結果、流体は、これらの段を通ってポンプ入口(IN)からポンプ出口(OUT)にポンプ輸送されるようになっている。

    組み立ての際、ポンプの個々のコンポーネントを順序正しく互いに積み重ねる。 第1のヘッドプレート134とシャフト146,148を組み立てる。 ステータ段120をヘッドプレート134に当てて典型的にはドエル又は合せピンで定位置に位置決めする。 ヘッドプレート及びステータ段のうちの一方又はこれら両方は、ヘッドプレートとステータ段との間のインターフェースを封止するためのOリングを受け入れる環状溝を有するのが良い。 ロータ112をシャフトに嵌め、ロータ112は、これらロータを正確な位置に配置するためのキー付き構造体を有するのが良い。 次に、段間部128をこの場合にも又典型的にはドエルの使用によりステータ段120に取り付け、この段間部は、インターフェース相互間を封止するためのOリングを備えている。 ポンプスタックの残部を同様な仕方で組み立て、スタックをクランプしてコンポーネント相互間の軸方向の運動に抵抗するのが良い。 幾つかの構成例では、各段間部は、隣接のステータ段と一体であり、この一体形コンポーネントを上述したように同様に組み立てる。 また、明らかなように、ポンプを別の順序で、組み立てても良く、例えば、ヘッドプレートを最後に取り付けても良い。

    変形構成例では、ステータコンポーネントは、上述のステータコンポーネントのうちの2つ、例えば一体である場合がある部分122,130を有しても良く、但し、かかる一体形コンポーネントが1つ以下の段間部を形成することを条件とする。

    ロータと段間部又はヘッドプレートとの間の軸方向隙間又はクリアランスを正確に制御しなければならない。 と言うのは、もしそうでなければ、ポンプ輸送された流体がポンプ輸送チャンバの低真空領域から軸方向クリアランスを通って高真空領域に漏れることがあるからである。 コンポーネントは、正確に機械加工されていても、コンポーネントの形態にばらつきのあることが避けられず、それにより、ロータと段間部又はヘッドプレートとの間の軸方向隙間を潜在的に増大させる許容誤差をポンプ設計に与えることが必要である。 ポンプスタックは、コンポーネント相互間の多くのインターフェースの各々によりもたらされる許容誤差の累積という問題を来たす。 図示のポンプでは、かかるインターフェースが8つ存在する。 したがって、ロータと段間部又はヘッドプレートの相対配置場所を正確に制御することができず、それによりポンプ輸送された流体の漏れ又はロータと段間部若しくはヘッドプレートとの間の接触が生じることが理解されよう。

    コンポーネントサイズのばらつきの結果として、焼付きを招く過剰のクリアランス又は不適当なクリアランスが生じる場合がある。 焼付きの恐れをなくすため、公称クリアランスを増大させると、これが原因となって過剰クリアランス及び真空性能の低下の恐れが増大する。 この結果、追加のポンプ輸送段が必要になる場合があり、これと関連して複雑さ及びコストが増大する。

    加うるに、各インターフェースが封止を必要とするので、多くのインターフェースが多くのシールを必要とし、これらシールの各々は、漏れの潜在的な源である。 シールを正確に組み立てることができない場合があり、Oリングは、化学的侵食によって経時的に劣化し、Oリングに当接している不完全な封止面は、全て、とりわけ封止の低下の原因となる。

    Oリングに関する要件は、ポンプのコストを増大させると共にOリング溝のための追加の機械加工を追加する。 ドエル及びドエル穴も又、製造費の増大の原因となる。

    改造型ステータスタック構造体が欧州特許第0480629号明細書に開示されている。 この特許文献は、端と端を互いに接合されたステータ部分16のスタックを開示している。 段間部17は、それぞれ対応のステータ部分の半径方向内側に配置されている。 段間部の外周部及びステータ部分相互間の軸方向インターフェースは、Oリングによって封止されている。 この構造体は、上記において詳細に説明したステータ構造体の欠点のうちの多くを来たしている。 ステータ部分相互間のインターフェースは、ポンプ輸送された流体がポンプから逃げ出るのを阻止するために封止及び相互締結を必要とする。 また、軸方向許容誤差の累積が避けられず、それにより正確なポンプを設計する能が制限される。

    別のポンプ構造が図12に示されているいわゆるクラムシェルを有している。 ポンプ150は、2つのステータ部分又はシェル152,154を有している。 ステータ部分154は、図面に斜視図で詳細に示されており、ステータ部分152は、これに対応した形態を有している。 ステータ部分154は、ヘッドプレート164,166及び段間部168,170,172,174,176を有し、これらヘッドプレート部分及び段間部は、部分152と一緒になって、ステータ段155,156,157,158,159,160を形成している。 ヘッドプレート及び段間部は、凹部178を有し、これら凹部は、組み立て時、ロータを支持する2本のシャフトを受け入れる。

    組み立ての際、ロータとシャフト(図示せず)を図12に矢印で示されているように結合し、これらをドエルで定位置に配置し、次に封止してクランプし、それによりポンプを形成する。 第1のステータ部分と第2のステータ部分との間のインターフェース174は、典型的には、上述のOリングよりも本来的に漏れに対する耐性が低いガスケット又はシーラントで封止される。

    欧州特許第0480629号明細書

    ロータとステータ段との間の半径方向間隔又は許容誤差は、ロータが回転中、ポンプ輸送チャンバの内面を効果的に掃過し、ロータを越える流体の漏れに抵抗することができるよう厳密に制御される必要がある。 クラムシェル形ステータでは、半径方向許容誤差は、ステータ輪郭形状をステータスタックのボアと同じほど容易に又は正確には機械加工することができないので大きい。 加うるに、2つのステータ半部相互間の位置合わせ不良が潜在的に存在する場合には軸方向許容誤差が必要である。

    本発明は、改良型真空ポンプを提供する。

    本発明は、多段真空ポンプであって、複数のポンプ輸送チャンバを形成するステータと、複数のロータをそれぞれ対応のポンプ輸送チャンバ内で回転可能に支持する少なくとも1本のシャフトとを有し、ステータは、シャフトの周りに設けられた複数の軸方向に隣り合うポンプ輸送チャンバを包囲した一体形ステータエンベロープと、ステータエンベロープの半径方向内方に且つ軸方向に隣り合うポンプ輸送チャンバ相互間に設けられた少なくとも1つの段間横方向壁とを有することを特徴とする多段真空ポンプを提供する。

    本発明は又、多段ポンプ用のステータを提供する。

    いま、本発明を良好に理解することができるようにするために、図面を参照して例示的に与えられているに過ぎない本発明の幾つかの実施形態について説明する。

    多段真空ポンプの概略断面図である。

    図1のII‐II線矢視半径方向断面図である。

    図1に示されたステータ部分の単純化された図である。

    組み立て中における改造型ステータ部分をロータ及び横方向壁と共に示す図(a,b,c)である。

    別の改良型ステータ部分及び横方向壁を示す図である。

    ステータ部分への横方向壁の締結の仕方を示す図(a,b,c,d)である。

    横方向壁をステータ部分に締結する別の仕方を示す図である。

    段間横方向壁を詳細に示す図である。

    改造型ポンプの断面図である。

    固定構造体の拡大図である。

    ステータスタック構造体を有する真空ポンプを示す図である。

    図10に示された真空ポンプの断面図である。

    クラムシェル形真空ポンプの斜視図である。

    図1を参照すると、多段真空ポンプ10が複数のポンプ輸送段12,14,16,18を有する状態で示されている。 この例では、4つのポンプ輸送段が設けられているが、要件に応じて2つ、3つ又は5つ以上のポンプ輸送段を設けることが可能である。 ポンプは、ポンプ輸送段のそれぞれのポンプ輸送チャンバ32,34,36,38を形成するコンポーネント20,22,24,26,28,30を含むステータを有している。 図1は、2本のシャフト40,42が設けられたルーツ形又はクロー形ポンプを示しており、これら2本のシャフトは、複数の噛み合いロータ対44a,44b、46a,46b、48a,48b、50a,50bをそれぞれ対応のポンプ輸送チャンバ32,34,36,38内で回転可能に支持している。 他形式のポンプ輸送機構体、例えば単一のロータを各ポンプ輸送チャンバ内に支持する単一のシャフトを備えた回転翼形ポンプが本発明の範囲に含まれる。

    図1に示されているように、ステータは、軸方向シャフトを包囲すると共に複数のステータ段の段部輪郭形状52を形成する一体形ステータ部分又はエンベロープ20を有している。 この構成は、ステータ部分がシャフトを包囲するが、1つのステータ段だけの内側輪郭形状を定める公知のステータスタック構成とは区別されるべきである。 同様に、本発明の構成は、ステータ部分がシャフトの周りに一部しか延びず、このステータ部分が複数のポンプ輸送チャンバステータ段の一部をなす輪郭形状を有している公知のクラムシェル構成とは区別されるべきである。

    また、図2を参照すると、この図には、ポンプ輸送段16を通るII‐II線に沿って取った図1のポンプの半径方向断面図である。 理解されるように、ポンプ輸送段12,14,18は、ほぼ同じ断面を有していることが理解されるよう。 ステータ部分20は、4つのステータ段の各々の内側輪郭形状52を構成している。 使用にあたり、ステータ段の段部輪郭形状52は、回転中、ロータ44〜50によって掃過される。 ロータの半径方向末端部と内部輪郭形状52との間の僅かなクリアランスが使用中における膨張を許容するよう維持される。 ステータ部分20の外側輪郭形状54は、任意適当な形状のものであって良く、例えばブロックであって良い。 しかしながら、好ましくは、外側輪郭形状は、ポンプ輸送チャンバから熱を奪うことができるよう比較的薄手であり、この場合、外側輪郭形状54は、内側輪郭形状とほぼ同じものであるのが良い。

    再び図1を参照すると、複数の横方向壁22,24,26,28,30がポンプ輸送チャンバ32,34,36,38を形成するようステータ段の各軸方向側部に配置されている。 横方向壁22,24は、ステータ部分の軸方向端部のところに配置されたいわゆるヘッドプレートである。 ヘッドプレートのうちの1枚は、必要ならば、ステータ部分20と一体に形成されても良い。 軸方向壁26,28,30は、これらが2つの隣り合うステータ段相互間に配置されているので、いわゆる段間部である。 ステータ部分20は、このステータ部分の半径方向内方に横方向壁26,28,30を配置できるよう横方向壁26,28,30を包囲するよう構成されている。 固定手段56が段間部を定位置に固定している。 本発明は、2つ又は3つ以上の段を有する多段ポンプに関し、2つの段しか備えていないポンプでは、ステータ部分20の半径方向内方に配置される段間部は1つしか必要ではない。

    ステータ部分は、各ステータ部分が軸線の回りに延び又は軸線回りに約180°しか延びない上述のクラムシェル構成とは異なり、ポンプの1本又は複数本の軸線を包囲すると共に360°にわたって延びている。 加うるに、ステータ部分は、複数のステータ段を備え、これら複数のステータ段は、1つ又は2つ以上の段間部と一緒になって、複数のポンプ輸送チャンバを形成している。 この構成は、ステータ部分がポンプの複数の軸線を包囲すると共に360°にわたって延びているが、各ステータ段がステータ段を1つしか備えていない上述のステータスタック構成とは異なっている。

    したがって、ステータ部分又はエンクロージャは、長手方向に又は軸方向に延びる内部キャビティを有し、この内部キャビティは、エンクロージャを部分的に又は完全に貫通して延びている。 図3は、ステータ部分20のキャビティ64を示しており、ポンプの他の部分は分かりやすくするために省かれている。 ヘッドプレートの配置場所60及び段間部の配置場所62は、波線で示されている。 成形部又は特徴部58が図示されており、これら成形部又は特徴部のところで、段間部を固定することができ、かかる成形部58について以下に詳細に説明する。 図3に示されているように、ステータ段の各々の断面は、全体として一様であり、1つの段から次の段への断面も又、一様である。 したがって、段間部は、一般に、ほぼ同じ寸法及び形状のものである。

    図4に示されている変形構成例では、各段の断面は、一様であっても良いが、1つの段と次の段では異なっている。 ステータ段は、図の右側寄りに体積又は嵩が大きくなっており、これらステータ段は、代表的には、ポンプの上流側のポンプ輸送段である。 図4は、ポンプの3つの製造段階を概略的に示している。 図4aでは、ステータ部分20は、非組み立て状態において2つの段間部26,28と一緒に示されている。 図4bの部分的に組み立てられた状態では、1つの又は複数の第1のロータ44が内部キャビティ64中に挿入され、そして1本又は2本以上のシャフト(図示せず)上の定位置に配置されている。 次に、第1の段間部26をキャビティ中に挿入し、そして定位置にロックする。 次いで、1つ又は複数の第2のロータ46をシャフト上の定位置に配置し、第2の段間部28をキャビティ64中に挿入して定位置にロックする。 図4cの完全組み立て状態では、1つ又は複数の第3のロータ48が1本又は複数本のシャフト上の定位置にロックされ、ヘッドプレート22,24がステータ部分20の軸方向端部のところの定位置に固定されている。

    さらに別の変形例では、隣り合う横方向壁相互間の軸方向間隔A ,A ,A ,A ,A (図5)は、ポンプ輸送要件に応じて1つのステータ段と次のステータ段とでは異なっていても良い。 一例では、段間部は、上述したようにステータ部分の既定の成形部のところに配置されるのが良い。 この点に関し、固定手段は、段間部の少なくとも1つ、好ましくは全てをステータ部分の軸方向広がりに沿って任意の選択された場所に配置して固定するよう構成されている。 段間部は、ステータ20の内側に締まり嵌めされ、これら段間部は、ステータ20の内面に密着する封止材料を含む半径方向外周部を有するのが良い。

    図5に示されているような別の例では、ステータ部分内の段間部の配置場所は、あらかじめ定められておらず、ポンプの作動的組み立てによって現場で選択されるのが良い。 組み立て時における段間部配置場所の選択の際、クリアランスからロータ及びステータコンポーネントの製造上のばらつきに関するゆとりのうちの何割かをなくすことが可能であり、かくして製造費を増大させないで機械の性能を向上させることができる。 この点に関し、1つ又は2つ以上の段間部が隣り合うロータ相互間で浮動するよう配置されるのが良い。 浮動段間部は、ステータには固定されず、軸方向に自由に動くことができる。 段間部の運動は、段間部及びステータの内面の相補形状によって阻止される。 軸方向運動は、浮動段間部に隣接して位置するロータの軸方向端によって制限される。 好ましくは、段間部及びロータの軸方向端は、ロータの回転抵抗を減少させると共に摩擦熱を減少させるために減摩剤で被覆される。 この構成により、必要とされる全軸方向クリアランスのそれ以上の減少が可能である。 と言うのは、浮動段間部は、ステータエンベロープへの固定ではなく隣り合うロータによって定位置に配置されるからであり、しかも、熱膨張のためのゆとりの殆どをポンプクリアランスから除くことができるからである。

    図6は、図1に示された固定手段56の構成を詳細に示している。 図6aは、図1に示されている部分VIの拡大部分を接線方向に見た図であり、図6bは、同じ部分を軸方向に見た図である。 図6c及び図6dは、取り付け前の締結具58を示している。

    締結具58は、第1の状態において、段間部26をステータ部分20中に挿入することができ、第2の状態では段間部を定位置に固定することができる固定部分66を有している。 ヘッド部分68が固定部分を第1の状態と第2の状態との間で動かすよう動作可能である。 固定部分は、好ましくはテーパした厚みを有する部分的に弧状のフランジを有している。 ステータ部分20は、内側輪郭形状52に形成されていて、第2の状態で固定部分を受け入れるアンダーカット溝70を有している。 段間部26は、締結具を受け入れるキャビティ72を有している。 キャビティは、フランジが第2の状態にあるときに弧状フランジが段間部から突き出ることができるよう半径方向外方に開口すると共に作業者がツールを作業のためにヘッド部分内に挿入することができるようにするよう軸方向に開口している。 ヘッド部分は、固定部分を上述の状態相互間で回転させる相補形状のツールを受け入れるよう形作られている。

    好ましくは、少なくとも3つの締結具58が段間部をステータ部分に固定するために段間部の周囲に沿って設けられている。

    使用にあたり、固定部分66が第1の状態にある間に段間部26をステータ部分中に挿入する。 スタータ部分の内側輪郭形状72から半径方向内方に延びるリップ78が段間部を位置決めするために設けられるのが良い。 正しい場所に位置しているとき、ツールを用いて締結具58又は各締結具58のフランジを回転させて締結具がステータ部分20のアンダーカット溝72内に突き出るようにする。 フランジの最も薄い部分が最初に溝に入り、回転を続けることにより、フランジの厚い部分が段間部を正確に位置決めしてこれを定位置にロックするために溝の軸方向フェース74,76に係合する。

    図7に示されている別の固定型構成例では、閉鎖されたボア80がステータ部分20の内側輪郭形状52に斜めの角度をなして形成されている。 貫通ボア82が軸方向端フェースから段間部の半径方向周囲まで斜めに貫通して延びる状態で段間部に形成されている。 締結具を整列状態のボア80,82中に差し込んで段間部を定位置に固定する。 ボア80,82のうちの一方又はこれら両方は、ねじ山付き締結具58を受け入れるようねじ山が設けられているのが良い。 ねじ山付きボア内への締結具の締結は、段間部を僅かな程度まで膨張させてこれをステータの内壁に当て、それにより封止具合を向上させるよう行われるのが良い。

    さらに別の構成例では、段間部は、これら段間部をステータエンベロープ内の定位置に固定するよう締まり嵌めされるのが良い。 この場合、ステータエンベロープは、固定成形部を備える必要なく、このステータエンベロープは、なめらかな内面を有するのが良い。 変形例として、内面は、段間部を固定に先立って定位置に位置決めするための環状リップを備えても良い。 組み立てにあたり、段間部は、熱膨張を生じる材料、例えば金属又は金属合金で作られる。 ステータエンベロープ内への挿入に先立って、任意適当な手段により段間部を冷却し、その結果、この段間部が収縮するようにする。 好ましくは、段間部をその外側輪郭形状がステータエンベロープ内にちょうど嵌まり込むよう収縮させ、したがって、かかる段間部をこれが環状リップに当接するまでエンベロープに沿って挿入するのが良い。 次に、段間部は、周囲温度条件下で温まるようにし、その結果、段間部が熱膨張を生じて定位置に締まり嵌めされるようになる。 変形例では、ステータエンベロープを加熱してこれが熱膨張を生じて段間部を挿入することができ、次に冷えて締まり嵌め状態を生じさせることができるようにしても良い。

    クロー形ポンプのための例示の段間横方向壁26が図8に示されている。 段間部の外側輪郭形状84は、ステータ部分の内側輪郭形状52と合致するよう形作られており、その結果、段間部は、組み立ての際、ステータ部分の内部キャビティ64を軸方向に貫通することができるようになっている。 段間部26は、シャフト40,42(図1に示されている)を受け入れる2つのボア86,88を有している。 ボアのうちの一方88は、上流側のポンプ輸送チャンバから下流側のポンプ輸送チャンバの入口までの出口となるよう構成されている。 この例における輪郭形状84は、ロータが一般に、それぞれ対応のポンプ輸送チャンバ部分内で回転し、図示の段間部の左側ローブ及び右側ローブがそれぞれ対応のポンプ輸送チャンバ部分と相補して形作られているルーツ又はクロー形ポンプ輸送構成例に適している。 別の構成例では、特にロータ及び段間部サブアセンブリがステータエンベロープ内への挿入に先立って組み立てられる場合、段間部は、ロータ及び駆動シャフトへの取り付けのために2つの部分で形成されても良い。

    図1の実施形態の改造例が、図9A及び図9Bに示されている。 2つの実施形態の同一の特徴部には同一の参照符号が与えられ、図9の説明からは、上述の観点が省かれる。

    図9では、段間部を一体形ステータ部分に締結する仕方が図1の構成例とは異なっている。 詳しく説明すれば、一体形ステータコンポーネント90は、段間部91,92,93と整列した複数の貫通ボア94を有している。 締結具95が貫通ボアの各々を部分的に貫通して段間部の閉鎖ボア96に係合するよう構成されている。 貫通ボア94は、締結具を半径方向に位置決めする皿座ぐり肩97を有している。 図9Aは、6つのかかる締結構造体を示し、図9Bは、図9Aの円IXBで示されたかかる1つの構造体の拡大図である。

    図9Aに示されているポンプは、先ず最初にロータと段間部のサブアセンブリを組み立てることによって組み立てられるのが良い。 次に、サブアセンブリをステータコンポーネント90内に挿入するのが良い。 適所に位置すると、段間部91,92,93の各々を締結具95によりステータコンポーネント90に締結することによってサブアセンブリを定位置に締結する。 締結後、貫通ボア94を好ましくは、クロージャ部材98で閉鎖し、シーラントで封止する。 このようにして、ロータをステータエンベロープ90内への挿入に先立ってシャフト40,42に対して固定することができ、したがって多数のロータの角度位置合わせ状態を正確に制御することができる。 別の改造例では、ロータは、シャフトと一体に製造されても良い。 しかしながら、このようにすると、段間部の各々は、ロータ相互間に一緒に組み立て可能な少なくとも2つのコンポーネントで作られなければならない。 改造型構成例は、図1の構成例よりも漏れを生じやすいと言えるが、かかる改造型構成例は、ロータ位置合わせ具合が向上するという利点を有する。 特定のポンプ輸送要件に応じて、たとえ漏れが増大する恐れがあっても正確なロータ位置合わせ状態が望ましい場合がある。

    図9の構成例の改造例では、固定手段は、図6を参照して説明した固定手段とほぼ同じであるのが良い。 弧状フランジを備えた締結具をステータエンベロープ内に配置するのが良く、かかる締結具は、この締結具をツールで回転させるためのエンベロープに設けられたボアを通って接近可能であり、その結果、締結具は、段間部に係合してこれを定位置にロックする。

    説明している実施形態に従って、変形例では、ロータと段間部をステータ内で組み立てても良い。 段間部をステータ20内に位置決めすると、段間部を定位置にロックするのが良い。 この構成は、封止のための要件が緩和されることを意味する。 と言うのは、ポンプ輸送された流体がステータエンベロープ内に常時維持されるからである。 この構成は、ステータ部分を典型的にはボルトにより互いに締結しなければならないだけでなく、流体がステータ部分相互間でポンプから逃げ出るのを阻止するためにシールが設けられなければならない公知の設計とは対照的であると言って良い。 本発明の構成では、かかるシール及び締結具は、不要であり、したがって、ステータ本体を薄く作ることができる。 と言うのは、ステータ本体は、シール又は締結具を受け入れる必要がないからである。 薄いステータは、熱をポンプ輸送チャンバから放散させるのに適している。 別の冷却手段、例えばジャケットを熱増加源の近くに配置するのが良い。 熱を容易に放散させることができるので、段間部の熱的特性は、それほど重要ではなく、その結果、段間部材料を主として他の特性、例えば耐侵食性が得られるよう選択することができる。

    段間部の機能的及び機械的要件の緩和は、段間部の構成材料の選択の幅が増して珍しい材料を考慮することができるということを意味している。 材料の量が少ないということは又、高価な材料、例えばニッケル強化鉄、ステンレス鋼、PTFE、複合材又はセラミックを考慮することができるということを意味している。

    軸方向の順序で互いに連結される部品が少ないので、インターフェースのところでの所要の軸方向許容誤差が少なく、したがって、ポンプを全体としてより正確に構成することができる。

    ステータ20の内部長手方向キャビティは、比較的容易に且つ正確に機械加工することによって作れる。

    上述の実施形態の改造が特許請求の範囲に記載された本発明の範囲に依然として含まれた状態で可能である。 例えば、ステータ20は、ステータ段の各々を構成する一体形コンポーネントである。 しかしながら、本発明の或る特定の利点は、例えば2つのステータ部品を採用し、各ステータ部分が2つ以上のステータ段を構成する内側輪郭形状を有するようにすることによって依然として得られる。 したがって、この場合も又、ステータ部品相互間の軸方向インターフェースが少ないであろう。

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