Compressor

申请号 JP2003309456 申请日 2003-09-02 公开(公告)号 JP2005076567A 公开(公告)日 2005-03-24
申请人 Toyota Industries Corp; 株式会社豊田自動織機; 发明人 NAKANE YOSHIYUKI; NASUDA TSUTOMU;
摘要 PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a compressor capable of positively restraining temperature rise for refrigerant gas to be sucked, and improving volumetric efficiency of the compressor.
SOLUTION: In this compressor 10 having at least a housing constituting an outer shell of the compressor, a compression mechanism portion for compressing the sucked air, a driving mechanism portion which drives the compression mechanism portion, and a suction passage 14 for the sucked air formed in the housing, a suction pipe 33 to communicate with the suction passage 14 is provided in the housing. A thermal insulation body 34 for restraining thermal transmission from the housing to the suction pipe 33 is interposed between the housing and the suction pipe 33, and the thermal insulation body 34 is provided with a through hole 35 for allowing the suction passage 14 to communicate with the suction pipe 33.
COPYRIGHT: (C)2005,JPO&NCIPI
权利要求
  • 少なくとも、圧縮機の外殻を構成するハウジングと、吸入気体を圧縮する圧縮機構部と、該圧縮機構部を駆動する駆動機構部が備えられるとともに、前記吸入気体の吸入通路が前記ハウジング内に形成された圧縮機において、
    前記吸入通路と連通する吸入配管がハウジングに備えられ、前記ハウジングから、前記吸入配管への熱伝達を抑制する断熱体がハウジングと前記吸入配管との間に介在され、前記断熱体が前記吸入通路と前記吸入配管を連通させる通孔を備えることを特徴とする圧縮機。
  • 前記断熱体の材料は前記ハウジングの材料より熱伝導率が低い材料であることを特徴とする請求項1記載の圧縮機。
  • 前記ハウジングがアルミ系金属材料により形成され、前記断熱体が樹脂系材料又は鉄系金属材料により形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の圧縮機。
  • 前記断熱体と前記吸入配管とが一体化されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の圧縮機。
  • 前記吸入通路に断熱管が備えられるとともに、前記断熱体と前記断熱管とが一体化されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項記載の圧縮機。
  • 前記吸入通路と前記断熱管との間に空間部が形成されていることを特徴とする請求項5記載の圧縮機。
  • 前記断熱体の通孔の径が、前記吸入配管の内径及び前記断熱管の内径に一致することを特徴とする請求項5又は6記載の圧縮機。
  • 说明书全文

    この発明は圧縮機に関し、特に、ハウジングにより形成される吸入通路に吸入気体を吸入する吸入配管が連通された圧縮機に関する。

    従来、この種の圧縮機としては、例えば、特開平5−99141号公報に示すような構成のものが知られている。
    図10に示される圧縮機は、低温低圧の冷媒ガスが、吸入マフラー101内の連通管113、吸入室102、吸入孔103を通り、吸入リード104を開いてシリンダ105へ導かれて圧縮されて高温高圧となり、吐出口孔106を通り吐出室107へ吐出され、吐出ライン、吐出管を通る構造となっている密閉電動型圧縮機である。
    そして、この圧縮機には、吸入室102の内壁との間に断熱層108となるすき間を持つように熱伝導性の小さいポリブチレンテレフタレイトの断熱キャップ109が備えられており、さらに、断熱キャップ109の外周面には断熱層108を形成するためのリブ110が備えられ、さらに、断熱キャップ109の吸入孔103に対向した面に吹き返し孔111となる小孔が設けられている。

    従って、この圧縮機では、連通管113を通じて吸入室102へ導かれた冷媒ガスが、断熱キャップ109により加熱されることが防止されるとともに、すき間には冷媒ガスが充満して断熱層108となり、シリンダヘッド112の熱が断熱キャップ109へ伝わりにくくなっている。
    これにより、冷媒ガスの加熱を抑制して圧縮機の体積効率を向上させている。

    また、吹き返した冷媒ガスが断熱キャップ109に設けられた吹き返し孔111を通り、断熱層108へと導かれることにより、吹き返しよる脈動を減衰させ、振動や騒音を低減することができる圧縮機を提供している(例えば、特許文献1を参照)。

    特開平5−99141号公報(第2−3頁、図1−図2)

    ところが、前記の従来技術のように、吸入室102の内壁との間に断熱層108とすき間をもつように、熱伝導性の小さいポリブチレンテレフタレイトの断熱キャップ109を装着するという構成では、シリンダヘッド112からの加熱、特に吐出室107側のシリンダヘッド112からの加熱による吸入冷媒ガスの温度上昇を抑制することができるものの、その効果は吸入室102の周辺に限定されている。
    特に、連通管113がシリンダヘッド112を通じて加熱されることから、冷媒ガスが吸入室102に通る前に、連通管113において冷媒ガスの温度上昇を招いており、このことにより圧縮機の体積効率の向上を十分に図ることができないという問題がある。

    本発明は上記の問題点に鑑みてなされたもので、本発明の目的は、吸入される吸入気体の温度上昇を確実に抑制し、圧縮機の体積効率を向上させることができる圧縮機の提供にある。

    上記課題を達成するため、請求項1記載の発明は、少なくとも、圧縮機の外殻を構成するハウジングと、吸入気体を圧縮する圧縮機構部と、該圧縮機構部を駆動する駆動機構部が備えられるとともに、前記吸入気体の吸入通路が前記ハウジング内に形成された圧縮機において、前記吸入通路と連通する吸入配管がハウジングに備えられ、前記ハウジングから、前記吸入配管への熱伝達を抑制する断熱体がハウジングと前記吸入配管との間に介在され、前記断熱体が前記吸入通路と前記吸入配管を連通させる通孔を備えることを特徴とする。
    請求項1記載の発明によれば、断熱体がハウジングと吸入配管との間に介在されることから、断熱体によりハウジングからの吸入配管に対する熱伝達が抑制され、吸入配管における吸入気体の温度上昇を抑制することができる一方、断熱体の通孔により吸入通路と吸入配管が連通されることにより吸入気体が吸入通路へ吸入される。

    請求項2記載の発明は、請求項1記載の圧縮機において、前記断熱体の材料は前記ハウジングの材料より熱伝導率が低い材料であることを特徴とする。
    請求項2記載の発明によれば、断熱体の材料がハウジングの材料より熱伝導率が低いことから、ハウジングの熱が吸入配管に伝わりにくくなる。

    請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の圧縮機において、前記ハウジングがアルミ系金属材料により形成され、前記断熱体が樹脂系材料又は鉄系金属材料により形成されていることを特徴とする。
    請求項3記載の発明によれば、断熱体を形成する樹脂系材料又は鉄系金属材料がアルミ系金属材料よりも熱伝導率がより低いことから、アルミ系金属材料により形成されるハウジングの熱が吸入配管にさらに伝わりにくくなる。

    請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項記載の圧縮機において、前記断熱体と前記吸入配管とが一体化されていることを特徴とする。
    請求項4記載の発明によれば、断熱体と吸入配管とが一体化されていることにより、部品点数の増加の抑制や組付作業の時間短縮に寄与できる。

    請求項5記載の発明は、請求項1〜4のいずれか一項記載の圧縮機において、前記吸入通路に断熱管が備えられるとともに、前記断熱体と前記断熱管とが一体化されていることを特徴とする。
    請求項5記載の発明によれば、吸入通路に断熱管が備えられ、断熱体と断熱管とが一体化されていることにより、吸入配管及び吸入通路を通過する吸入気体の温度上昇を抑制することができる。

    請求項6記載の発明は、請求項5記載の圧縮機において、前記吸入通路と前記断熱管との間に空間部が形成されていることを特徴とする。
    請求項6記載の発明によれば、前記吸入通路と前記断熱管と間に空間部が形成されていることにより、空間部による吸入気体に対する断熱効果が付加されるから、吸入配管及び吸入通路における断熱管を通過する吸入気体の温度上昇をさらに抑制することができる。

    請求項7記載の発明は、請求項5又は6記載の圧縮機において、前記断熱体の通孔の径が、前記吸入配管の内径及び前記断熱管の内径に一致することを特徴とする。
    請求項7記載の発明によれば、吸入配管、断熱体及び断熱管が同じ径であることから、吸入配管から吸入通路における断熱管に至る吸入気体の流れを安定させることができ、吸入気体の温度のばらつきの抑制に寄与できる。

    この発明によれば、吸入される吸入気体の温度上昇を確実に抑制し、圧縮機の体積効率を向上させることができる圧縮機を提供することができる。

    (第1の実施形態)
    以下、第1の実施形態に係る圧縮機10を図1〜図4に基づいて説明する。
    この実施形態のスクロール型圧縮機は、燃料電池用スクロール型圧縮機(以下、単に圧縮機と称する)であり、図1においてその一例を示している。
    図1に示される圧縮機10は、主に圧縮機構部、駆動機構部、駆動モータ部からなり、燃料電池の酸素極に空気を圧送するものである。

    圧縮機10における圧縮機構部は、固定スクロール11と、旋回スクロール12と、該固定スクロール11と旋回スクロール12とにより形成された圧縮室13とからなる。
    固定スクロール11は、円盤状の固定基盤11aと、この固定基盤11aから立設される渦巻状の固定ラップ11bと、固定ラップ最外壁11cとからなる。
    そして、固定基盤11aと固定ラップ最外壁11cにより固定スクロールハウジング16が形成される。
    この固定スクロールハウジング16の側面には圧縮室13内に空気を吸入するための吸入通路14が設けられており、固定基盤11aの中央には、燃料電池の酸素極に吐出配管等により連通される吐出通路15が設けられている。

    旋回スクロール12は、円盤状の旋回基盤12aと、この旋回基盤12aから立設される渦巻状の旋回ラップ12bとからなり、旋回基盤12aの背面側中央には、ころ軸受17を保持する有底円筒状の主保持部12cが設けられ、その外周側に3箇所(図1においては1箇所のみ示す)に均等に配設され、ラジアルボールベアリング18を支承する有底円筒状の従保持部12dが設けられている。

    圧縮機10における駆動機構部は、旋回スクロール12に旋回運動(公転運動)を行わせる駆動クランク機構19と、旋回スクロール12の自転を防止する従動クランク機構20と、それらを収納するクランク室21とからなる。
    このクランク室21は吸入通路14と連通されており、クランク室21内には吸入空気が充満される。
    駆動クランク機構19は、主保持部12cと、駆動軸22のクランクピン22aと、このクランクピン22aを支承するころ軸受17とにより構成される。
    従動クランク機構20は、従保持部12dと、従動軸23のクランクピン23aを支承するラジアルボールベアリング18とにより構成され、従動軸23のリヤ側は、複列のボールベアリング23cにより支承されている。

    また、旋回スクロール12の旋回時に生じる慣性モーメントを打ち消すために、駆動軸22にはバランスウエイト22b、22c、22dが、従動軸23にはバランスウエイト23bが設けられており、振動の低減化が図られている。

    駆動モータ部は、センターハウジング24と、このセンターハウジング24にボルト固定されたリヤハウジング25と、両者24、25の間で駆動モータ26を収容するモータ室27とにより構成されている。
    まず、駆動モータ26は、この駆動モータ26の中央を貫通する駆動軸22と、この駆動軸22に嵌入されたロータ28と、さらにその外周側に設けられ、コイル29が巻回されたステータ30とからなる同期モータである。
    従って、駆動モータ26は、図示しないインバータにより回転数等が制御され得る。
    駆動軸22は、ボールベアリング22eによりフロント側が支承されており、リヤハウジング25の中央にて、ボールベアリング22fにより支承されるとともに、シール22gにより密閉されている。

    さらに、この駆動モータ26を覆うセンターハウジング24には、ステータ30の位置に合わせてウォータジャケット31が設けられており、駆動モータ26が冷却により冷却されるようになっている。

    この駆動モータ部は前記駆動機構部とともにセンターハウジング24内に収容され、該駆動機構部と該駆動モータ部とはセンターハウジング24の略中央に一体成形されて配設された支持フレーム32により仕切られている。
    なお、前記ボールベアリング22eとボールベアリング23cとは、該支持フレーム32に嵌入されている。
    また、該支持フレーム32は、駆動軸22の周面とボールベアリング22eとの間隙、及び従動軸23の周面とボールベアリング23cとの間隙を除いて、前記駆動機構部と前記駆動モータ部とを互いに隔絶している。

    次に、この圧縮機10における吸入通路14と、この吸入通路14に接続される吸入配管33について詳述する。
    この圧縮機10は、固定スクロールハウジング16、センターハウジング24及びリヤハウジング25により圧縮機10の外殻が構成されることになる。
    そして、この圧縮機10には、図2に示されるように、この固定スクロールハウジング16により形成される吸入通路14が備えられており、この吸入通路14は固定スクロールハウジング16内を通じて圧縮室13と連通されているほか、吸入配管33と連通されている。
    この実施形態では、吸入通路14の吸入配管33側において固定スクロールハウジング16の一部が筒状に延出されており、ここではこの筒状に延出された部位をハウジング管部16aとしている。
    一方、吸入配管33は筒状の管体部33aとその端部に形成されるフランジ部33bから構成されており、図2では吸入通路14と連通する吸入配管33の一部が図示されている。
    なお、この実施形態では、圧縮機10の外殻の一部を構成する固定スクロールハウジング16はアルミ系金属材料により形成されているが、これは圧縮機10の軽量化を図るためである。

    この実施形態では、図2に示されるように、断熱材料により形成される断熱体34がハウジング管部16aと吸入配管33との間に介在されている。
    この断熱体34について詳しく説明すると、断熱体34は吸入配管33に対するハウジング管部16aからの熱伝達を抑制するためのものであり、アルミ系金属材料よりも熱伝導率の低い樹脂系材料により形成されている。
    そして、この実施形態の断熱体34は、図3に示されるように、吸入通路14と吸入配管33を連通させる通孔35を備えている。
    また、断熱体34は、吸入通路14の内側に備えられる断熱管36を具備しており、断熱体34と断熱管36は同じ断熱材料により形成されていることから、両者34、36は一体化されている。

    この実施形態の断熱体34の一方の面は、吸入配管33のフランジ部33bに密着できるように平坦になっているが、これにより吸入配管33と断熱体34との間から吸入気体が漏洩することを防止している。
    他方、断熱体34の他方の面はハウジング管部16aの頂部と密着されている。
    なお、図2において、吸入配管33、断熱体34及びハウジング管部16aを互いに接続する手段を示していないが、ねじ締結により接続すればよい。
    この場合、ネジ、ボルトあるいはナット等の締結部材を用いることになるが、吸入配管33の温度上昇を抑制するため、これらの締結部材は固定スクロールハウジング16を形成するアルミ系金属材料よりも熱伝導率が低い材料とすることが好ましい。

    次に断熱管36について説明する。
    この断熱管36は、吸入通路14において断熱管36に吸入気体を通過させる一方、断熱管36内を通過する吸入気体に対する固定スクロールハウジング16からの熱伝達を抑制するためのものであり、断熱管36は圧縮室13へ至る吸入通路14に亘って設けられている。
    なお、この実施形態では、固定スクロールハウジング16により形成される吸入通路14に断熱管36が備えられていることを説明したが、図4に示されるように、この吸入通路14の内径面14aと断熱管36の外径面36aにより断熱層としての空間部37が形成されている。
    これにより断熱管36による断熱効果と、断熱層としての空間部37による断熱効果を相乗させ、断熱管36内を通過する吸入気体に対する固定スクロールハウジング16からの加熱をさらに抑制することを意図している。
    さらに、この実施形態では、断熱体34の通孔35の径は吸入配管33の内径及び断熱管36の内径と一致しており、これにより吸入配管33及び断熱管36を通過する吸入気体の流れを安定させるようにしている。

    次に、この実施形態に係る圧縮機10の作用について説明する。
    圧縮機10における駆動機構部の駆動により圧縮機構部が駆動されると、吸入配管33及び吸入通路14を通じて吸入気体が圧縮室13へ吸入される。
    引き続き駆動される圧縮機構部により圧縮室13の吸入気体は圧縮され、圧縮された吸入気体は吐出通路15を通じて吐出配管等に吐出される。
    圧縮機構部により吸入気体が圧縮される際、圧縮された吸入気体は高温高圧となることから、圧縮機10の各部を通じて固定スクロールハウジング16が加熱されて固定スクロールハウジング16の温度が上昇する。

    吸入配管33とハウジング管部16aとの間には断熱体34が介在されていることから、吸入配管33への固定スクロールハウジング16の熱は断熱体34によりほぼ遮断される。
    これにより固定スクロールハウジング16の温度が上昇しても吸入配管33の温度上昇が抑制され、吸入配管33内を通過する吸入気体の温度上昇が抑制される。
    また、断熱体34と一体化されている断熱管36が吸入通路14に備えられ、断熱管36と吸入通路14により空間部37が形成されていることから、断熱管34内の吸入気体への固定スクロールハウジング16の熱は断熱管36及び空間部37によりほぼ遮断される。
    従って、吸入配管33及び吸入通路14における断熱管36を通過する吸入気体は、固定スクロールハウジング16の熱を殆ど受けることがなく、吸入気体の温度上昇を招くおそれは極めて少ない。

    この実施形態に係る圧縮機10によれば以下の効果を奏する。
    (1)ハウジング管部16aと吸入配管33との間に断熱体34が介在されることから、断熱体34により固定スクロールハウジング16からの吸入配管33に対する熱伝達が抑制され、吸入配管33における吸入気体の温度上昇を抑制することができる。
    (2)断熱体34と一体化された断熱管36が吸入通路14内に備えられることから、断熱管36により固定スクロールハウジング16からの吸入通路14内の吸入気体に対する熱伝達が抑制され、吸入通路14における断熱管36を通過する吸入気体の温度上昇を抑制することができる。 このため、吸入配管33から吸入通路14を通じて圧縮室13に至る範囲で吸入される吸入気体の温度上昇を確実に抑制することができる。
    (3)吸入通路14の内径面14aと断熱管36の外径面36aとの間に断熱層としての空間部37が形成されていることにより、空間部37による吸入気体に対する断熱効果が付加されるから、吸入配管33及び吸入通路14における断熱管36を通過する吸入気体の温度上昇をさらに抑制することができる。

    (4)断熱体34及び断熱管36により圧縮前の吸入気体の温度上昇を抑制することができるから、圧縮機10の体積効率を低下させることがないほか、圧縮機10の体積効率を安定させて維持することが容易となる。
    (5)断熱体34と断熱管36を一体化することにより、圧縮機10の部品点数の増加を抑制することができるほか、組付作業の時間短縮に寄与できる。
    (6)断熱体34及び断熱管36が樹脂系材料により一体化されているので、比較的熱伝導率の高いアルミ系金属材料による固定スクロールハウジング16が高温となる場合であっても、吸入配管33及び断熱管36において固定スクロールハウジング16からの熱伝達に基く吸入気体の温度上昇を確実に抑制することができる。
    (7)吸入配管33、断熱体34の通孔35及び断熱管36が同じ径であることから、吸入配管33から断熱管36において吸入気体の流れを安定させることができる。 従って、吸入気体の温度分布のばらつきの抑制に寄与でき、圧縮機10の体積効率を安定させて維持することがより一層容易となる。

    (第2の実施形態)
    次に、第2の実施形態に係る圧縮機40について説明する。
    この実施形態では、図5に示される冷凍サイクルに適用される圧縮機40を例示している。
    図5に示される冷凍サイクルは圧縮機40、コンデンサ41、膨張弁42、エバポレータ43から構成されている。
    この実施形態の圧縮機40は吐出配管44によりコンデンサ41と接続されているほか、吸入配管45によりエバポレータ43と接続されている。
    また、コンデンサ41とエバポレータ43は膨張弁42を介して膨張弁前配管46及び膨張弁後配管47により接続されている。
    従って、この冷凍サイクルでは、圧縮機40から吐出された吸入気体としての冷媒ガスは、吐出配管44、コンデンサ41、膨張弁前配管46、膨張弁42、膨張弁後配管47、エバポレータ43、吸入配管45を経て再び圧縮機40へ吸入される。

    前記圧縮機40は、図5に示すように、シリンダブロック48のフロント側端面にガスケット49を介してフロントハウジング50が接合され、その内側に制御室としてのクランク室51が区画形成されている。
    又、シリンダブロック48のリヤ側端面にはバルブプレート52を介してリヤハウジング53が接合され、その内部には吐出室54と吐出通路55及び吸入通路56が形成されている。
    吐出通路55は吐出配管44と連結されており、吸入通路56は吸入配管45と連結されている。

    前記シリンダブロック48とフロントハウジング50の中心部に形成された軸孔には駆動軸57がラジアルベアリング58a、58bを介して回転可能に支持されている。
    駆動軸57のフロント端部側には軸封装置59が設けられている。
    前記クランク室51において駆動軸57には、カムプレートとしての斜板60の回転支持体としてのラグプレート61が一体回転可能に固定されている。

    前記斜板60は、該斜板60に形成された貫通孔62に駆動軸57が挿通された状態でクランク室51に配設されている。
    ヒンジ機構63は、ラグプレート61と斜板60との間に介在されている。
    そして、斜板60は、ヒンジ機構63を介したラグプレート61との間でのヒンジ連結及び駆動軸57の支持により、該ラグプレート61及び駆動軸57と同期回転可能で、かつ駆動軸57の軸線方向へのスライド移動を伴いながら駆動軸57に対し傾動可能となっている。

    前記シリンダブロック48の内部に形成された複数のシリンダボア64には各々ピストン65が往復動可能に収容されている。
    各ピストン65とバルブプレート52との間には、ピストン65の往復動に応じて容積変化する圧縮室66が区画形成されている。
    前記ピストン65は、シュー67を介して斜板60の周縁部に係留されている。
    従って、駆動軸57の回転に伴う、ラグプレート61及びヒンジ機構63を介した斜板60の回転運動が、シュー67を介してピストン65の往復運動に変換される。
    これら斜板60、ラグプレート61、ヒンジ機構63及びシュー67が、駆動軸57の回転運動を圧縮室66内の冷媒ガスを圧縮するための圧縮運動に変換する駆動機構部を構成している。

    該圧縮室66は、吐出口68を介して前記吐出室54と連通されている。
    前記バルブプレート52とリヤハウジング53との間には吐出弁を一体に形成した吐出弁形成板69と、リテーナ70を形成するリテーナ形成板71とが介在されている。
    なお、リテーナ形成板71はガスケットを兼用し、シリンダブロック48とバルブプレート52との間にはガスケット72が介在されている。

    前記駆動軸57が回転駆動することにより、冷媒ガスが吸入通路56を通って吸入室73に吸入され、吸入された冷媒ガスは圧縮室66で圧縮され、吐出口68、吐出室54、吐出通路55を通って圧縮機40外に吐出される。

    エンジンの動により圧縮機40の駆動軸57が回転すると、ラグプレート61及びヒンジ機構63を介して斜板60が回転される。
    このため、シュー67を介してピストン65がシリンダボア64内で往復運動され、吸入配管45から吸入通路56、吸入室73を経て圧縮室66に冷媒ガスが吸入される。
    更に、ピストン65が圧縮行程に移行されると、圧縮室66内の冷媒ガスは吐出口68から吐出弁を押しのけて吐出室54に吐出される。

    次に、この圧縮機40における吸入通路56と、この吸入通路56に接続される吸入配管45について詳述する。
    図6に示されるように、圧縮機30の外殻は、主にフロントハウジング50及びリヤハウジング53から構成されているが、この実施形態ではリヤハウジング53に吸入通路56が形成されている。
    そして、この吸入通路56はリヤハウジング53により形成される吸入室73と連通されており、この吸入室73は前記圧縮室66と連通されている。
    この実施形態のリヤハウジング53は、先の実施形態と同様にアルミ系金属材料により形成されている。

    また、吸入通路56に連通される吸入配管45が備えられているが、リヤハウジング53と吸入配管45の間には断熱体74が介在されている。
    この吸入配管45は筒状の管体部45aと端部に形成されるフランジ部45bから構成されており、図6では吸入通路56と連通する吸入配管45の一部が図示されている。

    一方、断熱体74はアルミ系金属材料よりも熱伝導率の低い樹脂系材料により形成されている。
    この断熱体74は、先の実施形態と同様に、吸入通路56と吸入配管45を連通させる通孔75を備えているほか、吸入通路56の内側に備えられる断熱管76を具備しており、断熱体74と断熱管76は一体化されている。
    この実施形態の断熱体74の一方の面は、吸入配管45のフランジ部45bに密着できるように平坦になっており、また、断熱体74の他方の面はリヤハウジング53の表面と密着されている。
    一方、この断熱管76は、吸入室73へ至る吸入通路56に亘って設けられている。

    なお、この実施形態では、リヤハウジング53により形成される吸入通路56に断熱管76が備えられているが、吸入通路56の内径面56aと断熱管76の外径面76aは互いに当接しており、先の実施形態と比較して吸入通路56の内径が小さく設定されている。
    さらに、この実施形態では、断熱体74の通孔75の径は吸入配管45の内径及び断熱管76の内径と一致しており、これにより吸入配管45及び断熱管76を通過する冷媒ガスの流れを安定させるようにしている。

    この実施形態に係る圧縮機40によれば、先の実施形態の圧縮機10が奏する(1)〜(7)の効果のうち(3)の効果を除き、基本的に同様の効果を奏する。
    さらに、吸入通路56の内径を大きく設定することができない場合であっても、吸入通路56に備えられる断熱管76が、吸入通路56の内径面56aに当接させることにより、吸入通路56に断熱管76を設けることができ、吸入気体としての冷媒ガスの温度上昇を抑制を可能するとともに、必要とする冷媒ガスの流量を確保することができる。

    (第1、第2の実施形態の別例)
    第1、第2の実施形態に係る圧縮機10、40の別例を図7〜図9に示す。
    従って、この実施形態では、説明の便宜上、先に説明した第1、第2の実施形態で用いた符号を一部共通して用い、共通する構成についてはその説明を省略し、第1、第2の実施形態の説明を援用する。

    別例1に係る圧縮機80は、第1の実施形態に係る圧縮機10の別例であり、図7に示されるように、吸入配管33とハウジング管部16aとの間に断熱体81を介在させた圧縮機である。
    そして、この断熱体81には、吸入配管33の内径と同じ径を有する通孔82が備えられている。
    この別例1に係る圧縮機80は、第1の実施形態において説明した断熱管36を備えない例であり、また、吸入配管33に対する吸入通路14の内径は大きく設定されている。
    この別例1に係る圧縮機80よれば、少なくとも、吸入配管33に対するハウジング管部16aからの熱伝達を抑制できるから、吸入配管33の温度上昇を招くことがなく、吸入配管33内の吸入気体の温度上昇を抑制することができる。

    別例2に係る圧縮機85は、第1の実施形態に係る圧縮機10の別例であり、図8に示されるように、吸入配管86と断熱体87がねじ締結により一体化されている圧縮機である。
    吸入配管86の端部付近の外径面にはねじ部86aが備えられており、また、断熱体87の内側にはねじ部86aに対応するねじ部87aが備えられている。
    この別例2では、断熱体87に断熱管36が備えられているほか、吸入通路14の内径面14aと断熱管36の外径面36aによる空間部37が形成されており、さらに、吸入配管86、断熱体87の通孔88及び断熱管36の内径が互いに一致している例である。
    この別例2に係る圧縮機85によれば、吸入配管86と断熱体87を予め一体化させておくことが可能であることから、断熱体87をハウジング管部16aに接続することにより吸入配管86と吸入通路14を連通させることができる等、組付時間の短縮化に寄与できる。

    別例3に係る圧縮機90は、第2の実施形態に係る圧縮機40の別例であり、図9に示されるように、異なる材質の第1断熱体91と第2断熱体92を組み合わせ、これらの断熱体91、92を吸入配管45と吸入通路56近傍のリヤハウジング53に介在させた圧縮機である。
    この別例3では、リヤハウジング53側の第1断熱体91をリヤハウジング53の材料よりも熱伝導率の低い材料(例えば、鉄系金属材料)とし、吸入配管45側の第2断熱体92を第1断熱体91よりも熱伝導率の低い材料(例えば、樹脂系材料)とした例である。
    また、この別例3では、第1断熱体91に断熱管76が備えられているほか、吸入配管45、各断熱部91、92の通孔93、94及び断熱管76の内径が互いに一致している。

    この別例3に係る圧縮機90によれば、異なる材質の第1断熱体91と第2断熱体92を組み合わせて用いることから、吸入配管45に対するハウジング53からの熱伝達をより確実に抑制できるから、吸入配管45の温度上昇を招くおそれがなく、吸入配管45内の吸入気体としての冷媒ガスの温度上昇を一層抑制することができる。
    また、第1断熱体91と第2断熱体92を組み合わせて用いるだけでなく、圧縮機90の用途や使用状況に応じて第1断熱体91と第2断熱体92のいずれかを使用することもできる。

    なお、本発明は、上記した第1、第2の実施形態及びその別例1〜3に限定されるものではなく発明の趣旨の範囲内で種々の変更が可能であり、例えば、次のように変更してもよい。

    ○ 上記の第1、第2の実施形態及びその別例1〜3では、スクロール型の圧縮機あるいは斜板式のピストン型圧縮機としたが、少なくとも、圧縮室へ連通される吸入通路と、吸入通路に連通される吸入配管を備える圧縮機であればよく、例えば、ベーン式やロータリー式の圧縮機に適用することができ、圧縮機の種類、形式は問わない。

    ○ 上記の第1、第2の実施形態及びその別例1〜3では、断熱体の厚さを吸入配管の厚み程度に示しているが、断熱体の厚さは特に限定されない。 断熱体の厚さは厚くなる方が吸入配管に対する熱伝達を抑制するため有効である。 断熱体の厚さを比較的厚くする場合には、吸入配管及びハウジングに対する接続を個別に行うようにしてもよい。

    ○ 上記の第1、第2の実施形態及びその別例1〜3では、断熱体に備えられる通孔の径が吸入配管の内径と一致するとしたが、この通孔の径は吸入配管の径以上であればよく、この場合、吸入配管における吸入気体の通過の障害となることはない。

    ○ 上記の第1、第2の実施形態及びその別例2、3では、断熱体と断熱管が一体化されているが、断熱体と断熱管を個別に設けるようにしてもよい。

    ○ 上記の第1、第2の実施形態では、吸入配管、断熱体及び吸入通路近傍のハウジングをボルト等の締結部材によりねじ締結とするとしたが、ねじ締結に限らず吸入配管、断熱体及びハウジングの材料に応じて溶接や接着による接合等を図ってもよい。 また、別例2に示される断熱体と吸入配管との一体化もねじ締結による一体化に限らず、接着による一体化等その手段は自由である。

    この発明の第1の実施形態に係る圧縮機の断面図である。

    第1の実施形態に係る圧縮機の要部を示した断面図である。

    図2におけるA−A線の矢視図である。

    図2におけるB−B線の矢視図である。

    第2の実施形態に係る冷凍サイクルの回路図及び圧縮機の断面図である。

    第2の実施形態に係る圧縮機の要部を示した断面図である。

    別例1に係る圧縮機の要部を示した断面図である。

    別例2に係る圧縮機の要部を示した断面図である。

    別例3に係る圧縮機の要部を示した断面図である。

    従来技術に係る圧縮機の要部を示した断面図である。

    図10におけるC−C線の矢視図である。

    符号の説明

    10、40、80、85、90 圧縮機14、56 吸入通路16、50 フロントハウジング16a ハウジング管部33、45、86 吸入配管34、74、81、87 断熱体35、75、82、88 通孔36、76 断熱管37 空間部91 第1断熱体92 第2断熱体

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