ヒートポンプを運転する方法およびヒートポンプ

申请号 JP2016518933 申请日 2014-06-05 公开(公告)号 JP2016527465A 公开(公告)日 2016-09-08
申请人 シーメンス アクチエンゲゼルシヤフトSiemens Aktiengesellschaft; シーメンス アクチエンゲゼルシヤフトSiemens Aktiengesellschaft; 发明人 グローモル ベアント; グローモル ベアント; ライスナー フローリアン; ライスナー フローリアン; シェーファー ヨヘン; シェーファー ヨヘン;
摘要 本発明は、ヒートポンプ(1)を運転する方法であって、少なくとも1つの凝縮装置(5)により 流体 を凝縮するステップ、少なくとも1つの膨張装置(6)により流体を膨張するステップ、少なくとも1つの蒸発装置(2)により流体を蒸発するステップ、少なくとも1つの圧縮装置(3)により流体を圧縮するステップ、を有する方法に関する。流体の圧縮時にイオン液体が用いられる。さらに、本発明は、ヒートポンプ(1)に関する。
权利要求

ヒートポンプ(1)を運転する方法であって、 少なくとも1つの凝縮装置(5)により流体を凝縮するステップ、 少なくとも1つの膨張装置(6)により流体を膨張するステップ、 少なくとも1つの蒸発装置(2)により流体を蒸発するステップ、 少なくとも1つの圧縮装置(3)により流体を圧縮するステップ、 を有する方法において、 圧縮時にイオン液体が用いられる、流体を圧縮するステップを有することを特徴とする、ヒートポンプを運転する方法。流体がイオン液体に所定の熱量を放出する、請求項1記載の方法。熱量を、熱伝達器(7)を用いて放出する、請求項2記載の方法。熱量を、少なくとも部分的に前記熱伝達器(7)を用いて前記蒸発装置(2)および/または外部負荷(11)に伝達する、請求項3記載の方法。前記圧縮装置(3)として、液封圧縮機を使用する、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。イオン液体は、圧縮中に占める物理的状態において、流体と混合間隙を有する、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。イオン液体を流体から分離するために、前記圧縮装置(3)の下流側に分離装置(4)を用いる、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。流体を用いるヒートポンプ(1)であって、 流体を凝縮可能である、少なくとも1つの凝縮装置(5)と、 流体を膨張可能である、少なくとも1つの膨張装置(6)と、 流体を蒸発可能である、少なくとも1つの蒸発装置(2)と、 流体を圧縮可能である、少なくとも1つの圧縮装置(3)と、 を備えるヒートポンプにおいて、 前記圧縮装置(3)においてイオン液体が流体に添加可能であることを特徴とする、ヒートポンプ。2次回路(8)を介してイオン液体が流体に添加可能である、請求項9記載のヒートポンプ。イオン液体は、前記圧縮装置(3)の下流側で分離機(4)において少なくともほとんど分離可能である、請求項8または9記載のヒートポンプ。

说明书全文

本発明は、請求項1の上位概念に記載のヒートポンプを運転する方法ならびに請求項8の上位概念に記載のヒートポンプに関する。

産業上で利用される熱量を用意するために、たいてい、冒頭で述べたようなヒートポンプが使用される。ヒートポンプは、技術的な作業を消費しながら、比較的低い温度の、熱源から熱の態様をした熱エネルギを吸収し、圧縮機の駆動エネルギと共に、比較的高い温度の排熱としてヒートシンクに放出する機械である。一時的な蓄熱に、もしくは熱伝達に流体が用いられる。この流体は、ヒートポンプの内側で圧縮機により圧縮され、1つのサイクルで案内される。

ヒートポンプもしくは蒸気圧縮式ヒートポンプにおいて、コンプレッサとして、つまり駆動機械として、圧縮機が使用されることが知られている。ヒートポンプに使用される工業用の圧縮機には、とりわけ往復圧縮機、ねじ圧縮機またはたとえばターボ形圧縮機が属している。ヒートポンプの利用可能な排熱の温度レベルは、現在、使用された圧縮機構成要素の温度耐性により特に制限されている。圧縮機は、たとえば特定の温度で気体の流体を吸込み、この流体を所望のより高い圧に圧縮する。圧縮過程により、吸い込まれた気体の断熱指数の値に応じて、気体温度は、圧縮に基づいて様々な強さでいわゆる最終圧縮温度に上昇する。そうすると、吸い込まれた気体が70℃の値を上回ると直ぐに圧縮機の故障が既に頻繁に生じる。この範囲の温度値は、経験上、圧縮機としていわゆる密閉形のロータリピストン圧縮機が使用されるときに特に問題である。そうなると、圧縮機構成部材の狭い嵌合、たとえばねじ圧縮機におけるねじ形ロータ対の嵌合が、温度に起因する熱膨張の影響を極めて大きく受ける。たとえばねじ圧縮機の様々な構成要素が不均一な温度負荷に基づいてそれぞれ異なる強さで熱膨張すると、回転する構成部材がハウジングと接触する、または回転する構成部材が互いに接触することがあり、これは、その都度圧縮機の故障を招く。さらに、経験上、高い流体温度での油潤滑式の圧縮機の潤滑が問題である。潤滑のために圧縮機に使用される相応の油は、最高使用限界温度を長時間超過してはならない。この使用限界温度を長時間超過すると、油の炭化ひいてはこれにより引き起こされる圧縮機の潤滑機能の障害が生じる。使用される潤滑油における最大温度限界が140℃の範囲にあり、その際、油の潤滑機能を維持するために、この限界温度を長時間超過してはならないことが知られている。

本発明の課題は、冒頭で述べた方法ならびにヒートポンプを改良して、特に高い流体温度での連続運転に適したものを提供することである。

この課題は、請求項1の特徴部に記載の構成を有する方法および請求項8の特徴部に記載の構成を有するヒートポンプにより解決される。本発明の好適な改良形態を含む有利な構成は、独立請求項に記載されている。

本発明に係る、ヒートポンプを運転する方法では、流体を圧縮する際にイオン液体が使用される。

イオン液体は、流体が可燃性でなく熱的に安定しているときに、流体を圧縮するために極めて適している。換言すると、イオン液体を高い温度に曝してもほとんど問題にはならない。なぜならば、イオン液体の引火を考慮しなくてよいからである。その極めて小さな蒸気圧に基づいて、イオン液体では、測定可能な蒸発現象が全く発生しない。まさに油と比較すると、その熱安定性に基づいて、より高い運転温度での炭化のおそれがない。イオン液体とは、有機塩と解される。そのイオンは、電荷の非局在化および立体効果により、安定した結晶格子の形成を妨げる。ゆえに、格子エネルギを超えて固体の結晶構造を破壊するのに僅かな熱エネルギで既に十分である。したがって、イオン液体は、100℃を下回る温度で液体であり、その際になどの溶剤に溶解されていない塩である。このとき、イオン液体に含まれるイオンは、正に帯電されたイオン、つまりいわゆる陽イオン、および負に帯電されたイオン、つまりいわゆる陰イオンである。イオン液体に含まれる、様々な形の陽イオンおよび陰イオンの変化形態ならびに陽イオンおよび陰イオンの様々な濃度の調整によって、イオン液体の物理化学特性を特に広い範囲内で変化させることができ、技術要求に対して最適化することができる。そうすると、たとえばイオン液体の可溶性ならびに融点は、組成およびイオン濃度の変化により影響を与えることができる。

本発明の1つの好適な態様では、流体がイオン液体にある程度の熱量を放出する。流体がその熱量の一部をイオン液体に放出すると、流体の所望されない温度上昇が特に効果的に阻止される。換言すると、イオン液体は、流体を圧縮する際に流体を冷却するために使用される。そうすると、たとえばイオン液体の温度を、流体が特に大きな熱量をイオン液体に放出でき、それゆえ流体の最終圧縮温度が問題のないレベルで維持されるように低下させることができる。

熱伝達器を用いて熱量が放出されるとさらに好適であることが判った。熱伝達器により、以前に流体からイオン液体に放出された熱量を特に効率的に導出することができ、これにより、イオン液体は、再度冷却され、新たに熱を流体から吸収することができる。

少なくとも部分的に熱量が熱伝達器により蒸発装置および/または外部負荷(消費器)に伝達されると特に好適である。導出された熱量がヒートポンプの蒸発装置に伝達されると、ヒートポンプは、特にエネルギ効率的に運転することができる。というのも、流体の蒸発を可能にするために、熱伝達器により蒸発装置に供給される熱量に応じて、適宜より僅かな追加的なエネルギ量を蒸発装置に放出すればよいからである。換言すると、ヒートポンプの蒸発装置に供給される外部の追加的な熱量を、熱伝達器を用いた熱量の供給により低減することができ、これにより、ヒートポンプ全体を運転するためのエネルギ消費量を低減することができる。さらに、熱伝達器により伝達される熱量を外部負荷に供給することが可能である。この外部負荷は、たとえば熱電発電機としてまたはスターリング機関として構成してよい。よって換言すると、熱量は特に効率的に別のエネルギ形態に、つまりたとえば電気エネルギまたは機械エネルギに変換して、それ自体利用可能にすることがきる。

別の好適な態様では、圧縮装置として液封圧縮機が使用される。液封圧縮機は、主に円筒形のケーシングから成る。このケーシングは、ロータに放射状で均等に分配された羽根を備える、偏心的に配置されたロータを包囲している。このとき、ケーシングの円筒の長手方向軸線は、偏心的に配置されたロータの駆動軸線に対して平行に延在している。ケーシング内にイオン液体が存在する。イオン液体は、ロータの回転時に、遠心力に基づいてケーシングに対して同心的な液体リングを形成する。ロータの、放射状に配置された羽根の進入により、羽根車の空間が形成される。この空間は、イオン液体の液体リングにより封止される。換言すると、相応の羽根車の空間が、液体リングの相互作用により、ならびにそれぞれロータに配置された2つの羽根とロータ自体とにより形成され、このとき、端面側で、円筒形のケーシングを画定する各カバーによりそれぞれの羽根車の空間の画定が行われる。この場合、ロータの偏心率に基づいて、流体に相当する気体が、ロータの回転時に圧縮される。というのも、それぞれの羽根がロータの偏心率に基づいて液体リングにより深く進入するからである。次いで、流体は、液封圧縮機により、それぞれの羽根が僅かにしか液体リングに進入せず、したがって空間の体積が最大である位置で吸い込まれる。偏心的なロータがほぼ半回転すると、このとき、羽根は、偏心率に基づいて、液体リングに最大限進入する。これにより、空間に含まれる流体は、最大限達成可能な値に圧縮される。この最大限の圧縮の到達時に、圧縮された流体は、円筒形のケーシングから、孔を通って、液封圧縮機の、ケーシングを画定するカバーに流出する。これにより、流体は、液封圧縮機により、ヒートポンプ内で移動する。イオン液体が液封圧縮機内において液体リングを形成するので、液封圧縮機は、流体の高い温度の場合でも、特に故障なく運転することができる。液封圧縮機の空間は、液体リングにより、半径方向で封止され、これにより、羽根とケーシングとの接触を完全に阻止することができる。したがって、接触に起因する火花形成が排除されており、これにより、爆発性の流体の圧送および圧縮も可能である。

イオン液体が、圧縮中に占める物理的な状態において、流体と混合間隙を有するとさらに好適であることが判った。混合間隙とは、材料混合時に、相応の材料混合物の成分が混合しない、つまり不溶性である熱力学状態を表している。換言すると、材料混合物は、この熱力学状態の範囲内で、それぞれ異なる組成を有する少なくとも2つの異なる相にある。これらの相は、互いに熱力学的平衡にある。

イオン液体を流体から分離するために、圧縮装置の下流側に分離装置が用いられると特に好適である。気液分離機の態様をした分離装置の使用により、イオン液体は、特に効率的に流体から分離される。イオン液体ならびに流体が液封圧縮機による流体の圧縮時に接触するという事実に基づいて、イオン液体の一部は、圧縮された流体と共に液封圧縮機から流出し、ひいてはヒートポンプの回路に進入することがある。気液分離機の使用により、イオン液体は、特に、液封圧縮機の下流側で、ヒートポンプの、流体を案内する回路からほとんど分離することができる。

本発明に係る方法に関する前述の利点は、請求項8に係るヒートポンプにも同様に当てはまる。

2次回路を介してイオン液体が流体に添加可能であると特に好適である。流体の圧縮によりイオン液に放出される熱量は、イオン液体が2次回路を介して流体に添加可能であるときに特に十分に放出することができる。この2次回路は、ヒートポンプの流体回路とは別の独立した回路に相当する。この回路は、導出された熱量を次いで熱伝達器に送るのに特に良好に適しており、熱伝達器により、イオン液体は、同様に冷却される。換言すると、2次回路により、液封圧縮機は、持続的にイオン液体により冷却することができる。

イオン液体が圧縮装置の下流側で分離機において少なくともほとんど分離可能であるとさらに好適であることが判った。イオン液体の十分な分離は特に重要である。なぜならば、流体とイオン液体とは、それぞれ異なる材料特性を有するからである。イオン液体は、様々な作業工程(圧縮、凝縮、膨張および蒸発)を流体と一緒に行うには適していないので、イオン液体の分離により、ヒートポンプの作用効率および機能性が特に十分な程度に維持される。

本発明の別の利点、特徴および詳細は、請求項、好適な実施の形態の後述の説明ならびに図面に基づいて明らかである。その際、単一の図面(図1)は、液封圧縮機により運転されるヒートポンプに関する熱力学的な蒸気圧縮回路のサイクルを概略的に示している。

ヒートポンプを概略的に示す図である。

図1には、ヒートポンプ1が概略的に示されている。このヒートポンプ1において、流体が、液封圧縮機3として構成された圧縮装置により、矢印10の矢印方向に応じて圧送される。流体は、蒸発器2として構成された蒸発装置により、先ず蒸発され、次いで液封圧縮機3により圧縮される。液封圧縮機3は、液体回路8に流体的に連結されており、この場合、液封圧縮機3に、液体回路8により、イオン液体が供給される。イオン液体により、液封圧縮機3の液体リングが形成される。この液体リングは、液体の圧縮に用いられる。イオン液体は、ヒートポンプ1の流体と流体接触していて、液封圧縮機3に適用される運転パラメータならびにイオン液体および流体の所定の組成において、流体との混合間隙を有する。したがって、イオン液体は、流体との接触により、流体の熱量の一部を吸収し、液体回路8の内側におけるイオン液体の移動により、この熱量は、持続的に導出される。液封圧縮機3における、イオン液体を用いた流体の圧縮中、イオン液体の一部は、ヒートポンプの流体回路に相当する媒体回路9に流入する。イオン液体のこの一部を再び媒体回路9から取り除くために、分離機4として構成された分離装置が使用される。換言すると、分離機4により、媒体回路9に含まれる流体からイオン液体が分離され、これにより、イオン液体は、再び液体回路8に供給される。液封圧縮機3による圧縮中に流体からイオン液体に放出された熱を液体回路8から導出するために、液体回路8に熱伝達器7が接続されており、熱伝達器7により、導出された熱量は、少なくとも大部分が、外部負荷に連結されたヒートシンク11および/または蒸発器2に導出される。蒸発器2へ熱の少なくとも一部を供給することにより、蒸発器2を運転するためのエネルギ消費量を低減することができる。ヒートシンク11に放出される熱量は、図示していない負荷に熱エネルギを供給するために利用することができる。

ヒートポンプ1は、さらに、矢印10の矢印方向で分離機4の下流に配置された凝縮装置を備える。凝縮装置は、凝縮器5として構成されていて、流体の凝縮に用いられる。凝縮器5を用いて流体を凝縮した後で、流体は、膨張弁6として構成された膨張装置により膨張される。流体の膨張後、流体は、再び蒸発器2に進入する。ゆえに、媒体回路9は、閉じられている。

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