キャビテーションを規制する液体リング真空ポンプ

申请号 JP2014546491 申请日 2012-12-12 公开(公告)号 JP5657846B1 公开(公告)日 2015-01-21
申请人 ステアリング・インダストリー・コンサルト・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツングSterling Industry Consult GmbH; ステアリング・インダストリー・コンサルト・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツングSterling Industry Consult GmbH; 发明人 ハイナー・ケスタース; マティアス・タム; ダニエル・シュッツェ;
摘要 本発明は、液体リング 真空 ポンプの運転方法に関する。この方法では、ポンプの振動数を測定し、測定値を所定のキャビテーション閾値(26)と比較する。さらに、被運搬ガス中の液体含有量を表す測定値を取り入れ、この測定値を所定の閾値と比較する。前記所定のキャビテーション閾値が超えられ、かつ、液体含有量が前記所定の閾値よりも小さい場合には、液体リング真空ポンプの回転速度を減少させる。前記所定のキャビテーション閾値が超えられ、かつ、液体含有量が前記所定の閾値よりも大きい場合には、液体リング真空ポンプの回転速度を増大させる。本発明は、前記方法を実行するにように設計された液体リング真空ポンプにも関する。本発明のポンプの振動に依存する調節により、損傷のおそれなくキャビテーション境界付近でポンプを運転することができる。
权利要求
  • 液体リング真空ポンプを運転する方法であって、
    a. 前記液体リング真空ポンプの振動測定値を記録して、前記振動測定値を所定のキャビテーション閾値(26)と比較するステップと、
    b. 被運搬ガスにおける液体含有量を表す測定値を記録して、前記測定値を所定の限界値と比較するステップと、
    c. 前記液体リング真空ポンプの回転速度を、
    i. 前記所定のキャビテーション閾値(26)が超えられ、かつ、前記液体含有量が前記所定の限界値よりも低い場合には、回転速度を低減させる、
    ii. 前記所定のキャビテーション閾値(26)が超えられ、かつ、前記液体含有量が前記所定の限界値よりも高い場合には、回転速度を増大させるように変更するステップとを備えたことを特徴とする方法。
  • 請求項1に記載の方法において、
    ステップb. において、外部センサー(27)からの測定値を処理することを特徴とする方法。
  • 請求項1または2に記載の方法において、
    ステップb. において、前記液体リング真空ポンプに記録された測定値を処理することを特徴とする方法。
  • 請求項3に記載の方法において、
    ステップb. において、振動測定値を処理することを特徴とする方法。
  • 請求項4に記載の方法において、
    ステップb. において、振動測定値の周波数スペクトラムを考慮に入れることを特徴とする方法。
  • 請求項1から5までのいずれか一項に記載の方法において、
    前記キャビテーション閾値(26)は振動の振幅に関するものであることを特徴とする方法。
  • 請求項1から6までのいずれか一項に記載の方法において、
    前記回転速度の変更によってキャビテーションが除去できない場合には、前記液体リング真空ポンプの作業スペースに空気を入らせることを特徴とする方法。
  • 請求項1から7までのいずれか一項に記載の方法において、
    第1ステージにおいて、前記液体リング真空ポンプを最小回転速度よりも小さい回転速度で運転することを特徴とする方法。
  • 請求項8に記載の方法において、
    第2ステージにおいて、まず前記液体リング真空ポンプを最大回転速度で運転し、キャビテーション発生後に回転速度を下げることを特徴とする方法。
  • 請求項8または9に記載の方法において、
    第3ステージにおいて、前記液体リング真空ポンプを前記最小回転速度よりも僅かに大きい回転速度で運転することを特徴とする方法。
  • ポンプハウジング(20)と、前記ポンプハウジング(20)内に偏心して搭載されたインペラー(14)と、ポンプの振動を記録するための振動センサー(22)とを備えた液体リング真空ポンプにおいて、
    前記液体リング真空ポンプは、前記振動センサーの測定値を所定のキャビテーション閾値(26)と比較すると共に、被運搬ガスの液体含有量を表す測定値を第1限界値と比較する論理モジュール(23)を備え、
    さらに、前記液体リング真空ポンプの回転速度を変更するために、制御部が設けられており、
    i. 前記制御部は、前記所定のキャビテーション閾値が超えられ、かつ、前記液体含有量が所定の限界値よりも低い場合には、前記回転速度を低減するように設計されており、
    ii. 前記制御部は、前記所定のキャビテーション閾値が超えられ、かつ、前記液体含有量が所定の限界値よりも高い場合には、前記回転速度を増大させるように設計されていることを特徴とする液体リング真空ポンプ。
  • 請求項11に記載の液体リング真空ポンプにおいて、
    前記ポンプハウジング(20)は、外部からポンプ内部へと延びるダクトを有し、前記ダクトにはバルブ(28)が設けられていることを特徴とする液体リング真空ポンプ。
  • 請求項11または12に記載の液体リング真空ポンプにおいて、
    前記バルブ(28)は前記所定のキャビテーション閾値(26)が超えられた後に開くことを特徴とする液体リング真空ポンプ。
  • 請求項11から13までのいずれか一項に記載の液体リング真空ポンプにおいて、
    前記液体リング真空ポンプは一体構造のものであることを特徴とする液体リング真空ポンプ。
  • 請求項11から14までのいずれか一項に記載の液体リング真空ポンプにおいて、
    前記振動センサー(22)は前記制御部(21)に組み込まれていることを特徴とする液体リング真空ポンプ。
  • 说明书全文

    この発明は、液体リング真空ポンプの運転方法に関する。 この方法では、ポンプの測定振動数を記録し、これらの測定振動数を所定の(つまり予め定められた)キャビテーション閾値と比較する。 さらに、この発明は、前記方法を実行するのに適した液体リング真空ポンプに関する。

    液体リング真空ポンプにおいては、種々の運転(動作)状態でキャビテーションが発生する問題がある。 キャビテーション条件下でポンプが相当長期に亘って運転されている場合、それは、ポンプの構成部品にとって高い機械的負荷がかかっていることを表しており、そのような高い機械的負荷によってポンプは早期に破壊され得る。 それ故、従来の液体リング真空ポンプは、キャビテーションが起こり得る運転状態から常に十分な距離が維持されるように設計されている。 したがってキャビテーションの結果としての損傷からポンプを防護しているのであるが、キャビテーション限界から距離を置いていることの結果として、ポンプの可能な性能・能の一部が利用されていない。

    この発明は、効率を向上できるポンプ及びポンプ運転方法を提供するという目的に基づくものである。 この目的は、冒頭で挙げた従来技術から進めて、独立請求項の発明特徴事項によって達成される。 有利な実施形態は従属請求項中に見出すことができる。

    この発明に係る方法においては、運搬すべきガス中の液体含有量を表す測定値を記録し、この測定値を所定の限界値つまり閾値と比較する。 前記所定のキャビテーション閾値が超えられ、かつ、液体含有量が前記所定の限界値よりも小さい場合には、液体リング真空ポンプの回転速度を減少させる。 前記所定のキャビテーション閾値が超えられ、かつ、液体含有量が前記所定の限界値よりも大きい場合には、液体リング真空ポンプの回転速度を増大させる。

    まず初めに、幾つかの用語について説明する。 ポンプの液体リングを形成する液体を作動液と呼ぶ。 この液体と、運搬すべきガス(被運搬ガス)によって駆動される液体とは区別され、後者を以下では凝縮液と呼ぶ。 用語「凝縮液」は凝縮によってできた液体に限定されず、ガスによって駆動される他の液体をも含むものである。 特に、凝縮液が作動液と異なる材料からなる必要は無い。 凝縮液がポンプ内に入ると、作動液と混合され得る。 したがって、凝縮液として入ってきた同じ液体は必ずしもポンプの外へと運搬されはしない。 用語「液体含有量」は被運搬ガスによって駆動される液体/凝縮液に関する。

    振動数測定値がキャビテーション閾値を上回る場合にはポンプにキャビテーションが生じているとの結論が下せるように、そして、振動数測定値がキャビテーション閾値を下回る場合にはポンプにキャビテーションは生じていないとの結論を下せるように、キャビテーション閾値を選択する。 キャビテーション閾値の具体値は、ポンプの設計と、センサーの種類及び測定値の記録と、の双方に依存する。 キャビテーション閾値は、箇々のポンプに対して、実験を通じて、簡単に決定することができる。

    液体含有量に対する限界値は、同様に、ポンプの具体的設計に依存する。 あるポンプでは、ほんの僅かな量の凝縮液でキャビテーションを引き起こす。 別のポンプでは、ポンプの動作を害することなく、ある量の凝縮液を駆動できる。 これも実験を通じてポンプ毎に簡単に決定することができる。 また、前記限界値がポンプの回転速度に依存して変化すること、つまり、限界値は回転速度に依存する関数であることが、分かる。 測定値を限界値と比較する仕様は広く理解すべきである。 例えば、間接的な測定から液体含有量についての結論を出す場合、限界値との比較は、高液体含有量または低液体含有量を示す特徴を間接測定で特定するようにしてもよい。

    この発明は、液体リング真空ポンプにおいては、他の種類のポンプ(例えば、DE 35 20 538 A1参照)とは違い、回転速度を低減することによってポンプのキャビテーションを再度止めることがあらゆる場合に可能であるとは言えないことを認識したものである。 実際、回転速度の低減は、ある動作(運転)状態においてのみ役立つ。 例えば、ポンプが高い回転速度と低い吸気圧力で運転されていることによってキャビテーションが発生している場合である。 そのようなキャビテーションは、クラシックキャビテーションと呼ばれる。

    これに対して、凝縮液が被運搬ガスと一緒にポンプに供給されたことでキャビテーションが発生している場合には、ポンプの回転速度を低減することは逆効果を招きさえするだろう。 ましてや、低減された回転速度では、ポンプは、もはやポンプから過剰液を運搬する位置にはないであろう。 しかしながら、回転速度を増大することでポンプの外へ過剰液を運搬することは実際に可能である。 したがって、この場合、回転速度の増大は、キャビテーションの除去をもたらす。

    ポンプの動作を種々のタイプのキャビテーションに自動的に適合させる方法を提案するために、この発明は、この発見を利用する。 この発明に係る方法では、各場合に、2つの基準値を組み合わせて、回転速度を増大するか、低減するかを決定する。 キャビテーション閾値が超えられ、かつ、液体含有量が低い場合には、回転速度を低減する。 キャビテーション閾値が超えられ、かつ、液体含有量が高い場合には、回転速度を増大する。 キャビテーション発生後にポンプの回転速度を増大させる工程は、既に確立された教示(これによると、キャビテーションの場合回転速度は常に低減しなければならない、)とはまさに正反対である。

    被運搬ガスの液体含有量を決定するために、外部センサーからの測定値をポンプで処理してもよい。 この目的のために、液体含有量を直接測定するセンサーを、被排気スペースに設けることができる。 また、他の測定値、例えば被排気スペースの圧力または温度に関する測定値から、液体含有量についての結論を下すこともできる。

    追加的に、または、代替的に、ポンプに記録されている測定値を用いて液体含有量を決定してもよい。 例えば、振動センサーの測定値から液体含有量についての結論を出すことが可能である。 振動センサーによって液体含有量を直接測定することはできないが、凝縮液の超過に起因するキャビテーションはクラシックキャビテーションの場合の振動とは異なる特徴的な振動を引き起こすことが示される。 これらの特徴的な特性は、振動センサーの測定値を適切に評価することで決定できる。 例えば、フーリエ分析を行い、周波数スペクトラムの特徴から、キャビテーションが高い液体含有量によって引き起こされているか否かについて結論を出すことができる。 それらの特徴の具体的外観(様相、特徴)は、ポンプのデザイン及び振動センサーの配置に依存しているため、おそらくは、個々の場合について実験を介して決定しなければならないだろう。

    キャビテーション閾値と比較される測定値は、同一の振動センサーまたは別の振動センサーによって記録することができる。 キャビテーションが存在するか否かに関しての評価は、異なる種類のキャビテーションに関する評価よりも、全く単純である。 例えば、キャビテーション閾値は単に振動の振幅に関するものであってよい。 振幅がキャビテーション閾値を超過した場合には、そのことからキャビテーションがあるとの結論を出すことができる。

    ポンプに記録されている測定値から、液体含有量及びそれ故キャビテーションの種類について結論を出すための別の可能性は、内部モータデータ、例えばモータ電圧やモータ電流を評価することにある。

    回転速度の適合つまり変更によってのみではキャビテーションを除去できない場合がたまに生じる。 このような場合、バルブを介してさらなる空気がポンプの作業スペースに入るようにしてもよい。 この結果ポンプの効率は低下するが、キャビテーションは確実に除去できる。

    ポンプの運転は多段シーケンスに基づくことができる。 第1ステージでは、最小回転速度よりも小さい回転速度でポンプを運転することができる。 ここで、「最小回転速度」とは、ポンプにおける液体リングがちょうど安定する回転速度のことである。 したがって、このステージでは、ポンプは安定した液体リングなしに運転される。 この運転状態では、実際にはガスを運搬(供給)するように設計されたポンプを、まず第一に、前記被排気スペースからある量の液体を運び出すのに利用することができる。 その後、インペラーのベーンがブレードのように作用し、それによって、液体がポンプ内を案内される。 結果として、別個の凝縮液ポンプは余分(不要)となる。

    こうして被排気スペースから液体が除去されてしまうと、通常の真空運転への移行を行うことができる。 前記通常の真空運転では、ポンプは、前記最小回転速度を上回る回転速度で運転される。 液体を排出するために初めにポンプを最小回転速度よりも小さい回転速度で運転し、その後、最小回転速度よりも高い回転速度で真空運転を続けるという概念は、測定振動数を記録することや、液体含有量を決定することや、回転速度を適応させることを含むことなく、独立した発明的内容を有している。 これに続くさらなるステージの説明は、「独立した発明的内容」を立証する。

    真空運転への移行後、第2ステージにおいて、この液体リング真空ポンプを最大回転速度で運転することができる。 これは、できるだけ短時間に、できるだけ大量のガスを被排気スペースから運び出すためである。 この運転ステージでは、圧力の低下に伴い、液体リングにクラシックキャビテーションが生じるリスクがある。 このクラシックキャビテーションには、回転速度を低減することで対抗することが可能である。 こうして、圧力が低くなるに従って回転速度をさらに低減させるので、ポンプをキャビテーション限界付近で運転することができる。 ここで、用語「キャビテーション限界」とは、キャビテーションの最初の兆候(サイン)が現れる、ポンプの運転状態のことをいう。

    被排気スペース内の圧力が所期の値まで低下すると、第3ステージでポンプの回転速度を前記最小回転速度に近い値まで下げることができる。 低回転速度での運転の結果、エネルギを節約できる。 キャビテーションがこの種の低回転速度で起こった場合、これは、原則として、被運搬ガスにおける液体含有量の増加の結果である。 したがって、キャビテーションが起こった場合には、回転速度の増大によってキャビテーションに対抗することができる。

    このようにして、このポンプは、例えば病院内の消毒中に使用することができる。 消毒対象物をチャンバ内に入れ、熱蒸気で処理する。 続いて、この発明の方法によってチャンバを排気することができる。 まず初めに凝縮液を低回転速度で運び出す。 続いてポンプを最大回転速度で運転した後、キャビテーション限界に沿って回転速度を低下させることで、実際の排気中の時間が節約できる。 また、低回転速度での運転によって最後は低圧を維持することにより、エネルギが節約できる。

    この発明は、さらに、この発明の方法に従って運転することのできる液体リング真空ポンプに関する。 このポンプは、ポンプハウジングと、前記ポンプハウジング内に偏心して搭載されたインペラーと、前記ポンプの振動を記録するための振動センサーとを備えている。 この発明によると、前記振動センサーの測定値を所定のキャビテーション閾値と比較すると共に、被運搬ガスの液体含有量を表す測定値を第1限界値と比較する論理モジュールを設ける。 ポンプの制御部はポンプの回転速度を変更(適合化)するように設計されている。 ここでは、前記制御部は、前記所定のキャビテーション閾値が超えられ、かつ、前記液体含有量が所定の限界値よりも小さい場合には、ポンプの回転速度を低減させるよう設計されている。 また、前記制御部は、前記所定のキャビテーション閾値が超えられ、かつ、前記液体含有量が所定の限界値よりも大きい場合には、ポンプの回転速度を増大させるよう設計されている。

    ポンプの液体リングにキャビテーションが生じた場合には、通常運転中の振動とは異なる特徴的な振動が起こる。 ポンプへの損傷が生じる程に大きなキャビテーション異常音が発せられる前に、キャビテーションの最初の兆候を振動センサーを介して判定することができる。 前記所定のキャビテーション閾値の選択は、ポンプの通常運転中には超えられることがなく、ポンプがキャビテーション限界に近づいたときのみ超えられるように、行われる。

    前記所定のキャビテーション閾値は、それぞれのポンプに対して適切に選択される。 キャビテーション閾値は、例えば、振動の振幅に関するものとすることができる。 また、キャビテーション閾値は、キャビテーションによって引き起こされる振動の規定の特徴的特性に関するものとすることもできる。 例えば、キャビテーション中に規定の周波数の振動が特定の強度で生じる場合が該当し得る。

    回転速度の適合化(変更)に加えて、または、それに代替するものとして、ポンプ内部の圧力が増加することでキャビテーション限界からの距離を増加させることもできる。 この目的のために、ポンプは、前記ポンプハウジングを貫通して外部からポンプ内部へと延びるダクトを有することができる。 前記ダクトには、通常状態では閉鎖されるバルブが設けられている。 前記閾値が超えられた後、周囲からガスをポンプ内部に流れ込ませるために、前記ダクトを僅かに開くことができる。 その結果、キャビテーション限界からの距離が再度できる。

    前記振動センサーは好ましくは前記ポンプハウジングに接続される。 その結果として、振動センサーはポンプハウジングに生じた振動を測定する。 キャビテーションに起因する振動が生じる箇所、つまり、インペラーの近傍に、振動センサーを配置することができる。 例えば、振動センサーを、ポンプハウジングの当該領域の周縁部又は端部側に配置することができる。

    しかし、如何なる電気部品も通常はインペラーの当該領域には配置されない。 振動センサーをそこに配置すると、追加的にケーブルを配線しなければならなくなるという不都合がある。 したがって、いずれにしても、振動センサーは、ポンプハウジングにおいて電気部品が存する箇所に設けるのが好都合である。 これは、例えば、駆動装置のための制御部が配置されている領域であり得る。 これは、特にポンプが一体構造(monobloc configuration)の場合に適している。 「一体構造」とは、ポンプと駆動装置とが共通のポンプハウジングによって取り囲まれていることを意味している。 インペラーの領域で発生した振動はポンプハウジングを伝播するので、別の場所でも良好に測定することができる。 ポンプの駆動装置用の制御部をポンプハウジングに接続する場合には、振動センサーをその制御部に組み込むことができる。

    前記ポンプは、この発明に係る方法に関して上述したさらなる特徴によって発展させることができる。

    これに続く箇所では、本発明を添付の図面を参照しながら有利な実施形態により説明する。 図面において、

    図1はこの発明に係る液体リング真空ポンプの概略断面図である。

    図2は、図1のポンプの側面図である。

    図3は、この発明に係る液体リング真空ポンプの制御部を示す。

    図4は、この発明の図3とは別の実施形態を示す。

    図5は、この発明の動作シーケンスを示す図である。

    図1に示した液体リング真空ポンプにおいて、インペラー14がポンプハウジング20に偏心して搭載されている。 ポンプ内部の液体は、回転しているインペラー14によって駆動され、ポンプハウジング20の外壁部から内部へと半径方向に延びる液体リングを形成する。 偏心搭載により、インペラー14のベーンは位置に応じて異なる深さで液体リング内へと張り出している。 その結果、2つのベーン間のチャンバーの容積(容量)は変わる。 したがって、液体リングは、インペラー14の回転中チャンバー内を上下動するピストンのように作用する。

    入口16からポンプの内部へとダクトが延びており、そのポンプ内部でインペラー14が回転している。 ダクトは、インペラー14のベーンが液体リングから出現する領域、即ち、2つのベーン間のチャンバーが拡大する領域に開口している。 拡大するチャンバーの結果として、ガスは入口16からチャンバー内へと吸い込まれる。 チャンバーがそれの最大容量に達した後、インペラー14のさらなる回転中に、液体リングは再度チャンバー内へ進入する。 さらに入り込んでくる液体リングによってガスが十分に圧縮されると、ガスは出口17から再び大気圧に放出される。 この種の液体リング真空ポンプは、入口16に接続されたスペースを例えば50ミリバールになるまで真空排気する役目をする。

    さらに、このポンプは、「キャビテーションボア」と呼ばれる、ポンプの外部から内部へと延びるダクトを備えている。 このダクトにソレノイドバルブが配置され、そのソレノイドバルブによって前記ダクトを任意に開いたり閉じたりできる。

    図2によると、インペラー14はシャフト18を介して駆動モータに接続されている。 このポンプは一体構造のもの、つまり、駆動装置とインペラー14とがポンプハウジング20に一緒に収容されている。 さらに、制御部21がポンプハウジング20上に配置されており、その制御部21を介して、電気エネルギが駆動装置に供給されると共に、ポンプの回転速度が設定される。

    図3の概略図が示すように、制御部21は、振動センサー22と、論理モジュール23と、作動モジュール24とを備えている。 また、外部センサー27からの測定値が制御部21に供給される。

    振動センサー22は、ポンプハウジング20の振動を判定するために、ポンプハウジング20に接続されている。 振動センサー22の測定値は連続して論理モジュール23に送られる。 論理モジュール23は、それらの測定値を所定の(予め定義された)キャビテーション閾値26(図5参照)と比較する。 キャビテーション閾値26を超していれば、ポンプでキャビテーションが起こったことの現れとして評価される。 しかし、キャビテーション閾値を超過していることだけからは、それがクラシックキャビテーションなのか、液体含有量の増加によるキャビテーションなのかを導き出すことはできない。 それ故、外部センサー27からの測定値が、追加的に、前記論理モジュールに供給され、それらの測定値から被運搬ガスの液体含有量の大きさを導き出す。 外部センサー27は、例えば、ポンプへの供給ライン中の液体含有量を直接測定するセンサーとできる。 さらに、外部センサー27が液体含有量について間接的に結論を出せる値を測定するようにすることも可能である。 そのような値は、例えば、被排気スペースにおける温度、圧力、または、供給蒸気量に関するものとできる。

    このようにして、論理モジュール23内で情報が組み合わされ、その情報を用いて、キャビテーションを無くすために、回転速度を増加すべきか低減すべきかの決定を行うことができる。 キャビテーションが起こっており、かつ、被運搬ガスが凝縮液を全く含んでいないか、ほんの僅かな量だけ含んでいる場合には、回転速度を低減する。 キャビテーションが起こっており、かつ、被運搬ガスが凝縮液を比較的大量に含んでいる場合には、回転速度を増加させる。 論理モジュール23によって対応する信号が作動モジュール24に与えられ、その結果、ポンプの駆動装置がそれに応じて設定される。 何れの場合にも、回転速度を適合させることは、キャビテーションがポンプ内で再度止むことになる。

    回転速度の適合化つまり変更に加えて、または、それの代替として、作動モジュール24を介してソレノイドバルブ28を短時間だけ開くことができ、その結果、周囲からの空気がポンプ内部に入り込むことができる。 ポンプ内部圧力の上昇によりキャビテーション限界からの距離(開き)も増加する。

    図4による実施形態では、論理モジュール23は外部センサーから如何なる情報も受け取らない。 その代わりに、振動センサー22からの測定値を2通りに評価する。 まず、振動の振幅を予め定められたキャビテーション閾値と比較する。 振動の振幅が閾値を超えている場合、これはキャビテーションを示している。 次に、測定値のフーリエ変換を行い、振動の周波数分布を考慮に入れる。 この目的のために、例えば、5kHzの1/3オクターブバンドと10kHzの1/3オクターブバンドとを抽出することができる。 クラシックキャビテーションは5kHzの1/3オクターブバンドにおける特徴的な周波数分布に顕現する。 一方、液体含有量の増加によるキャビテーションは10kHzの1/3オクターブバンドに特徴的な周波数分布をもたらす。 論理モジュール23で2つの1/3オクターブバンドの評価をすることにより、どのタイプのキャビテーションであるかを判定することができる。 この発明の内容において、この周波数分布の評価が、限界値と液体含有量を表す測定値との比較を表している。

    このポンプは、この方法の第1ステージにおいて、例えば1000rpmの回転速度で運転される態様で用いることができる。 液体リングが安定しているための最小回転速度は、略2000rpmである。 したがって、1000rpmでは、ポンプを最小回転速度よりもかなり小さい回転速度で運転していることになる。 この運転状態においては、ポンプは、被排気スペースからある量の液体を運び出すために使用できる。

    前記被排気スペースにもはや液体がない場合には、ポンプをこの方法の第2ステージの真空動作に切り替えることができる。 図5はこの方法の第2ステージを図式的に示したもので、Aはポンプの回転速度をHzで表し、Bは振動センサー22によって記録された測定値を0から10までの相対スケールで表し、Cは被排気スペースの圧力をミリバールで表している。 被排気スペースは400リットルの容量(容積)を有する。 時間(秒)を横軸にとっている。 時間tが0のとき、被排気スペースは1000ミリバールよりも僅かに大きい大気圧となっているため、振動センサはポンプの振動を測定しない。 真空動作への移行後、ポンプは短時間内に加速されて略5400rpmの最大回転速度になる。 被排気スペース内の圧力は急速に下がって、略500ミリバールの値となる。 時間tが20秒のとき、振動センサー22によって最初に計測された振動が所定のキャビテーション閾値26(図5Bに点線で示す)を超える。 ポンプの回転速度はその直後幾分低減され、その結果、振動は短時間内に再び、所定のキャビテーション閾値26よりも小さくなる。 続いて再び回転速度が幾分増大され、再度キャビテーション限界に到達する。 この発明の方法によって、400リットルの容量の容器(コンテナ)は80秒以内に60ミリバールの圧力にまで排気(真空引き)される。 同じポンプを一定回転速度で運転すれば、同じ作業に113秒かかる。

    最終圧力に到達すると、その圧力を維持するには、より小さい回転速度で十分である。 したがって、この方法の第3のステージでは、回転速度を前記最小回転速度よりも僅かに大きい程度にまで減らす。 この状態でキャビテーションが起これば、原則として、それは被運搬ガスにおける増大した液体含有量によるものである。 したがって、最初にキャビテーション閾値を超えたこと、そして、次に高い液体含有量を超えたことが論理モジュール23で判定される。 その結果、論理モジュール23は作動モジュール24に回転速度を上げるよう指令を送る。

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