密閉型回転圧縮機

申请号 JP2014552839 申请日 2012-12-20 公开(公告)号 JPWO2014097453A1 公开(公告)日 2017-01-12
申请人 三菱電機株式会社; 发明人 和慶 土田; 和慶 土田; 風間 修; 修 風間;
摘要 回転子1の両軸端部には、内径が回転子1の軸方向中央部の内径より大きく形成され、かつ、径方向にオフセットされた一対の上側大径内周部5aおよび下側大径内周部5bが形成され、クランクシャフト2には、クランクシャフト2の内部に形成され冷媒を通流させる流路14と、流路14とクランクシャフト2の外周面に形成された吐出口とを連通させるガス抜き孔2aとが形成され、吐出口は、圧縮部20側の下側大径内周部5bの内周面と対向する 位置 に形成されている。
权利要求

冷媒ガスを圧縮する圧縮部と、前記圧縮部を駆動する電動機と、前記圧縮部および前記電動機を内部に収容するとともに冷媒を封入した密閉容器と、前記圧縮部から前記電動機に向けて伸び、前記電動機内の回転子に設けられるクランクシャフトとを備えた密閉型回転圧縮機であって、 前記回転子の両軸端部には、 内径が前記回転子の軸方向中央部の内径より大きく形成され、かつ、内径中心が前記クランクシャフトの回転軸線に対して径方向にオフセットされた一対の大径内周部が形成され、 前記クランクシャフトには、 前記クランクシャフトの内部に形成され前記冷媒を通流させる第1の流路と、前記第1の流路と前記クランクシャフトの外周面に形成された吐出口とを連通させる第2の流路とが形成され、 前記吐出口は、前記一対の大径内周部の内、前記圧縮部側の一方の大径内周部の内周面と対向する位置に形成されていることを特徴とする密閉型回転圧縮機。前記第2の流路は、前記第1の流路と連通し、かつ、前記クランクシャフトの径方向に貫通するように形成され、 前記吐出口は、前記一方の大径内周部がオフセットされている方向と、この方向の反対方向とに設けられていることを特徴とする請求項1に記載の密閉型回転圧縮機。前記吐出口は、前記一方の大径内周部がオフセットされている方向の反対方向に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の密閉型回転圧縮機。冷媒ガスを圧縮する圧縮部と、前記圧縮部を駆動する電動機と、前記圧縮部および前記電動機を内部に収容するとともに冷媒を封入した密閉容器と、前記圧縮部から前記電動機に向けて伸び、前記電動機内の回転子に設けられるクランクシャフトとを備えた密閉型回転圧縮機であって、 前記回転子の両軸端部には、 内径が前記回転子の軸方向中央部の内径より大きく形成され、かつ、内径中心が前記クランクシャフトの回転軸線に対して径方向にオフセットされた一対の大径内周部が形成され、 前記クランクシャフトには、 前記クランクシャフトの内部に形成され前記冷媒を通流させる第1の流路と、前記第1の流路と前記クランクシャフトの外周面に形成された吐出口とを連通させる第2の流路とが形成され、 前記吐出口は、前記回転子の上端面よりも上側に位置するように形成されていることを特徴とする密閉型回転圧縮機。前記吐出口は、前記一方の大径内周部がオフセットされている方向の反対方向に設けられていることを特徴とする請求項4に記載の密閉型回転圧縮機。

冷媒ガスを圧縮する圧縮部を駆動する電動機と、前記圧縮部および前記電動機を内部に収容するとともに冷媒を封入した密閉容器と、前記圧縮部から前記電動機に向けて伸び、前記電動機内の回転子に設けられるクランクシャフトとを備えた密閉型回転圧縮機であって、 前記回転子の両軸端部には、 内径が前記回転子の軸方向中央部の内径より大きく形成され、かつ、内径中心が前記クランクシャフトの回転軸線に対して径方向にオフセットされた一対の大径内周部が形成され、 前記クランクシャフトには、 前記クランクシャフトの内部に形成され前記冷媒を通流させる第1の流路と、前記第1の流路と前記クランクシャフトの外周面に形成された少なくとも一つの吐出口とを連通させる第2の流路とが形成され、 前記少なくとも一つの吐出口は、前記一対の大径内周部の内、前記圧縮部側の一方の大径内周部の内周面と対向する位置に形成されている密閉型回転圧縮機。前記第2の流路は、前記第1の流路と連通し、かつ、前記クランクシャフトの径方向に貫通するように形成され、 前記少なくとも一つの吐出口は二つの吐出口であり、前記一方の大径内周部がオフセットされている方向と、この方向の反対方向とに設けられている請求項1に記載の密閉型回転圧縮機。前記少なくとも一つの吐出口は一つの吐出口であり、前記一方の大径内周部がオフセットされている方向の反対方向に設けられている請求項1に記載の密閉型回転圧縮機。冷媒ガスを圧縮する圧縮部を駆動する電動機と、前記圧縮部および前記電動機を内部に収容するとともに冷媒を封入した密閉容器と、前記圧縮部から前記電動機に向けて伸び、前記電動機内の回転子に設けられるクランクシャフトとを備えた密閉型回転圧縮機であって、 前記回転子の両軸端部には、 内径が前記回転子の軸方向中央部の内径より大きく形成され、かつ、内径中心が前記クランクシャフトの回転軸線に対して径方向にオフセットされた一対の大径内周部が形成され、 前記クランクシャフトには、 前記クランクシャフトの内部に形成され前記冷媒を通流させる第1の流路と、前記第1の流路と前記クランクシャフトの外周面に形成された少なくとも一つの吐出口とを連通させる第2の流路とが形成され、 前記少なくとも一つの吐出口は、前記回転子の上端面よりも上側に位置するように形成されている密閉型回転圧縮機。前記少なくとも一つの吐出口は、前記一対の大径内周部の内、前記圧縮部側の大径内周部の一方がオフセットされている方向の反対方向に設けられている請求項4に記載の密閉型回転圧縮機。冷媒ガスを圧縮する圧縮部を駆動する電動機と、前記圧縮部および前記電動機を内部に収容するとともに冷媒を封入した密閉容器と、前記圧縮部から前記電動機に向けて伸び、前記電動機内の回転子に設けられるクランクシャフトとを備えた密閉型回転圧縮機であって、 前記回転子の両軸端部には、 内径が前記回転子の軸方向中央部の内径より大きく形成され、かつ、内径中心が前記クランクシャフトの回転軸線に対して径方向にオフセットされた一対の大径内周部が形成され、 前記クランクシャフトには、 前記クランクシャフトの内部に形成され前記冷媒を通流させる第1の流路と、前記第1の流路と前記クランクシャフトの外周面に形成された少なくとも一つの吐出口とを連通させる第2の流路とが形成され、 前記少なくとも一つの吐出口は、前記一対の大径内周部の内、前記圧縮部側の一方の大径内周部の内周面と対向する位置に形成され、 前記第2の流路は、前記第1の流路と連通し、かつ、前記クランクシャフトの径方向に貫通するように形成され、 前記少なくとも一つの吐出口は二つの吐出口であり、前記一方の大径内周部がオフセットされている方向と、この方向の反対方向とに設けられている密閉型回転圧縮機。冷媒ガスを圧縮する圧縮部を駆動する電動機と、前記圧縮部および前記電動機を内部に収容するとともに冷媒を封入した密閉容器と、前記圧縮部から前記電動機に向けて伸び、前記電動機内の回転子に設けられるクランクシャフトとを備えた密閉型回転圧縮機であって、 前記回転子の両軸端部には、 内径が前記回転子の軸方向中央部の内径より大きく形成され、かつ、内径中心が前記クランクシャフトの回転軸線に対して径方向にオフセットされた一対の大径内周部が形成され、 前記クランクシャフトには、 前記クランクシャフトの内部に形成され前記冷媒を通流させる第1の流路と、前記第1の流路と前記クランクシャフトの外周面に形成された少なくとも一つの吐出口とを連通させる第2の流路とが形成され、 前記少なくとも一つの吐出口は、前記一対の大径内周部の内、前記圧縮部側の一方の大径内周部の内周面と対向する位置に形成され、 前記少なくとも一つの吐出口は一つの吐出口であり、前記一方の大径内周部がオフセットされている方向の反対方向に設けられている密閉型回転圧縮機。冷媒ガスを圧縮する圧縮部を駆動する電動機と、前記圧縮部および前記電動機を内部に収容するとともに冷媒を封入した密閉容器と、前記圧縮部から前記電動機に向けて伸び、前記電動機内の回転子に設けられるクランクシャフトとを備えた密閉型回転圧縮機であって、 前記回転子の両軸端部には、 内径が前記回転子の軸方向中央部の内径より大きく形成され、かつ、内径中心が前記クランクシャフトの回転軸線に対して径方向にオフセットされた一対の大径内周部が形成され、 前記クランクシャフトには、 前記クランクシャフトの内部に形成され前記冷媒を通流させる第1の流路と、前記第1の流路と前記クランクシャフトの外周面に形成された少なくとも一つの吐出口とを連通させる第2の流路とが形成され、 前記少なくとも一つの吐出口は、前記回転子の上端面よりも上側に位置するように形成され、前記一対の大径内周部の内、前記圧縮部側の大径内周部の一方がオフセットされている方向の反対方向に設けられている密閉型回転圧縮機。

说明书全文

この発明は、密閉型回転圧縮機に関する。

密閉型回転圧縮機は、主たる構成として、密閉容器と、密閉容器内に設けられた電動機と、密閉容器内に配置され電動機の駆動により冷媒ガスを圧縮する圧縮部とを有して構成されている。電動機は、圧縮部内の揺動スクロールから伸びるクランクシャフトに固着された回転子と密閉容器に固定された固定子とから構成されている。密閉型回転圧縮機では、冷媒ガスが圧縮部内に吸入され、回転子が回転することによりクランクシャフトが回転し、クランクシャフトに設けられた揺動スクロールが回転することにより冷媒ガスの圧縮が行われる。圧縮された冷媒ガスは、密閉容器内に吐出され、密閉容器と固定子との空隙、および回転子と固定子との空隙を通過して、吐出パイプを介して冷凍装置に供給される。一方、密閉容器の貯留されている潤滑油は、クランクシャフトが回転した際、クランクシャフト内の流路に設けられたオイルスターラ(ひねり板)の圧送作用により、流路内を上昇し、圧縮部等の各摺動部に気密油および潤滑油として供給される。

このように構成された密閉型回転圧縮機では、冷媒圧縮時のトルクが大きくなり、高圧冷媒の吐出時のトルクが小さくなるため、クランクシャフトの撓みが発生する。クランクシャフトの撓みは、クランクシャフトが揺動スクロールから受ける荷重に起因して発生し、高速回転時および高負荷時ほど大きくなる。その結果、振動や騒音が発生する。

このような振動や騒音を抑制するため、従来の密閉型回転圧縮機では、回転子の軸方向端部にバランスウェイトと呼ばれる部材が取り付けられているのが一般的である。ここで、バランスウェイトは、比重が大きく、かつ、回転子から発生する磁束を通さない(透磁率の低い)材料であることが望ましく、一般的には真鍮が用いられている。ただし、真鍮は高価であり、低コスト化には真鍮を使わない方法が望ましい。

下記特許文献1に示される従来の回転子には、バランスウェイトを無くすため、回転子軸方向端部の少なくとも一方に、シャフト穴を中心としたアンバランスな打ち抜き穴が形成されている。この構成により下記特許文献1に示される従来技術では、回転子にバランスウェイトの効果をもたせている。

特開平01−152935号公報

しかしながら、上記特許文献1に示される従来技術のように、回転子表面の内側にアンバランスな打ち抜き穴を設けた場合、バランスウェイトを用いた場合に比べて、振動を打ち消す効果(すなわち、圧縮部が冷媒を圧縮する際に作用するクランクシャフトのたわむを打ち消す効果)が小さく、振動を打ち消すためにはより大きな力が必要になる。このように従来技術は、コストを抑えながらバランスウェイトを用いた場合と同等の振動抑制効果を得ることができないという課題があった。

本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、コストを抑えながら振動を抑制可能な密閉型回転圧縮機を得ることを目的とする。

上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、冷媒ガスを圧縮する圧縮部と、前記圧縮部を駆動する電動機と、前記圧縮部および前記電動機を内部に収容するとともに冷媒を封入した密閉容器と、前記圧縮部から前記電動機に向けて伸び、前記電動機内の回転子に設けられるクランクシャフトとを備えた密閉型回転圧縮機であって、前記回転子の両軸端部には、内径が前記回転子の軸方向中央部の内径より大きく形成され、かつ、内径中心が前記クランクシャフトの回転軸線に対して径方向にオフセットされた一対の大径内周部が形成され、前記クランクシャフトには、前記クランクシャフトの内部に形成され前記冷媒を通流させる第1の流路と、前記第1の流路と前記クランクシャフトの外周面に形成された吐出口とを連通させる第2の流路とが形成され、前記吐出口は、前記一対の大径内周部の内、前記圧縮部側の一方の大径内周部の内周面と対向する位置に形成されていることを特徴とする。

この発明によれば、回転時に圧縮部から吸い上げられた冷媒を回転子の軸方向両端部に形成された内径部の内周面に噴出させ、シャフトのたわむ力を打ち消すようにしたので、コストを抑えながら振動を抑制することができる、という効果を奏する。

図1は、本発明の実施の形態1に係る密閉型回転圧縮機の主要構成部を表す図である。

図2は、図1に示される回転子の側面図である。

図3は、図1に示される回転子の平面図である。

図4は、図1に示されるクランクシャフトの構成図である。

図5は、クランクシャフトに設けられたガス抜き孔と回転子に形成された大径内周部との関係を説明するための図である。

図6は、本発明の実施の形態1に係る密閉型回転圧縮機の動作を説明するための第1の図である。

図7は、本発明の実施の形態1に係る密閉型回転圧縮機の動作を説明するための第2の図である。

図8は、本発明の実施の形態1に係るクランクシャフトの変形例を示す図である。

図9は、一般的な圧縮機の内部モデルを表す図である。

図10は、図9に示される回転子における課題を解決するように構成された回転子を表す図である。

図11は、本発明の実施の形態2に係る密閉型回転圧縮機に用いられるクランクシャフトの構成図である。

図12は、本発明の実施の形態2に係る密閉型回転圧縮機の動作を説明するための図である。

以下に、本発明にかかる密閉型回転圧縮機の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。

実施の形態1. 図1は、本発明の実施の形態1に係る密閉型回転圧縮機の主要構成部を表す図である。図2は、図1に示される回転子の側面図である。図3は、図1に示される回転子の平面図である。図4は、図1に示されるクランクシャフトの構成図である。図5は、クランクシャフトに設けられたガス抜き孔と回転子に形成された大径内周部との関係を説明するための図である。図6は、本発明の実施の形態1に係る密閉型回転圧縮機の動作を説明するための第1の図である。図7は、本発明の実施の形態1に係る密閉型回転圧縮機の動作を説明するための第2の図である。

図1には、密閉型回転圧縮機の主要な構成部として、潤滑油が封入された密閉容器(図示せず)に設けられ冷媒ガスを圧縮する圧縮部20と、圧縮部20から伸びるクランクシャフト2に固着された回転子1とが示されている。回転子1は、永久磁石および積層鉄心から成り、図示しない固定子の内径側に配設されている。クランクシャフト2は、回転子1とともに回転し、クランクシャフト2の下部には、圧縮部20に設けられる揺動スクロール22が取り付けられている。なおクランクシャフト2の詳細に関しては後述する。

図2において、回転子1の内径側には、小径部内周部6、上側大径内周部5a、および下側大径内周部5bが形成されている。小径部内周部6は、回転子1の軸方向中央部(軸中央部1d)に形成され、その内径がクランクシャフト2の外径と略同じ大きさとなるように形成されている。上側大径内周部5aは、回転子1の反圧縮部20側の端部(上側軸端部1b)に形成されている。下側大径内周部5bは、回転子1の圧縮部20側の端部(下側軸端部1c)に形成されている。

図3には、回転子1を圧縮部20側から見たときの下側大径内周部5bと小径部内周部6とが示されている。図示例では上側大径内周部5aが省略されている。このように、上側大径内周部5aおよび下側大径内周部5bは、回転子1の重量バランスがアンバランスになるように、その内径が小径部内周部6の内径より大きく形成され、かつ、その中心11が回転軸線10に対して径方向(矢印で示される方向)にオフセットされている。

図4において、クランクシャフト2には、その下端部から上方に延びる冷媒あるいは潤滑油(以下「冷媒等」と称する)の流路14が形成されている。流路14の下部には、密閉容器の下部に貯留された潤滑油を流路14に沿って上方に圧送するオイルスターラ8が設けられている。またクランクシャフト2には、給油孔2bと、給油孔2bより上側に位置するガス抜き孔2aとが形成されている。

給油孔2bは、揺動スクロール22の上側に形成され、クランクシャフト2の外周面2cと流路14とを連通させ、かつ、その外周面2c側の吐出口2dが圧縮部20の内部に位置するように形成されている。クランクシャフト2が回転した際、密閉容器内に封入されている潤滑油は、オイルスターラ8の圧送作用によって流路14の下端部から上方に向けて圧送される。そして潤滑油は、圧縮部20内に位置する給油孔2bから吐き出され、圧縮部20やその他の摺動部に供給される。このことにより、各摺動部の気密が維持されると共に潤滑作用を奏する。

ガス抜き孔2aは、クランクシャフト2を貫通し、かつ、流路14と連通するように形成されている。クランクシャフト2の外周面2cには、ガス抜き孔2aの吐出口2eが形成されている。この吐出口2eは、回転子1の下側大径内周部5bの内周面4bと対向するように形成されている。

図5には、回転子1を圧縮部20側から見たときの下側大径内周部5bとガス抜き孔2aとの関係が示されている。前述したように下側大径内周部5bは、その中心11が回転軸線10に対して径方向にオフセットされている(図3参照)。そして、クランクシャフト2の外周面2cには、下側大径内周部5bがオフセットされている方向(矢印で示される方向)と、この方向の反対方向とに、ガス抜き孔2aの吐出口2eが設けられている。

図6を用いて動作を説明する。回転子1が回転したとき、クランクシャフト2を介して圧縮部20内の冷媒が圧縮され、高圧となった冷媒が圧縮部上面の吐出パイプ(図示せず)より吐き出される。一方、オイルスターラ8により圧縮部20の下に溜まっている潤滑油が掻き上げられ、この潤滑油は、流路14を介して給油孔2bから吐き出される。このことにより、圧縮部20の摩擦による焼き付き等が防止される。

一方、ガス抜き孔2aからは、流路14を通過した冷媒等が吐き出される。ここで、流路14を介して圧送された冷媒等がガス抜き孔2aの吐出口2eから吐き出されるとき、この冷媒等には、クランクシャフト2の回転による遠心力が作用する。ガス抜き孔2aの吐出口2eは、回転子1の下側大径内周部5bの内周面4bと対向する位置に形成されている。そのため、遠心力を受けた冷媒等は、下側大径内周部5bの内周面4bに衝突する。

本実施の形態に係る回転子1では、その軸端部(1b,1c)の内周部(5a,5b)が、重量バランスがアンバランスになるように形成されているため、圧縮部20が冷媒を圧縮する際に作用するクランクシャフト2のたわむ力を打ち消すことができる。そのため、振動や騒音を低減することができる。

なお、本実施の形態に係る回転子1は、前述したように、ガス抜き孔2aの吐出口2eが、下側大径内周部5bがオフセットされている方向とこの方向の反対方向とに設けられている。従って、図7に示されるように、下側大径内周部5bの内周面4bから一方の吐出口2eまでの間隔W1は、下側大径内周部5bの内周面4bから他方の吐出口2eまでの間隔W2よりも広くなる。

この構成により、間隔W2側の吐出口2eから吐き出された冷媒等は、下側大径内周部5bの内周面4bに当たり圧縮部20側に落ちるのに対して、間隔W1側の吐出口2eから吐き出された冷媒等は、下側大径内周部5bの内周面4bに当たらない。従って、クランクシャフト2の遠心力を受けた冷媒等が下側大径内周部5bの内周面4bに当たることにより、その噴出力がクランクシャフト2を偏心させる力として作用する。その結果、振動や騒音のさらなる抑制効果が期待できる。

なお、回転子1が高速回転になった場合には、間隔W1側の吐出口2eから吐き出された潤滑油が、下側大径内周部5bの内周面4bに当たり圧縮部20側に落ちる。この潤滑油が下側大径内周部5bの内周面4bに当たらずに内周面4bよりも外周側に飛散した場合、圧縮部20の上部に形成された吐出孔21がこの潤滑油により塞がれる虞がある。吐出孔21からは圧縮された高圧の冷媒が吐き出されるため、潤滑油により吐出孔21が塞がれた場合、高圧冷媒が出づらくなり、圧縮機の能力低下を招く虞がある。本実施の形態に係る回転子1では、ガス抜き孔2aの吐出口2eが回転子1の下側大径内周部5bの内周面4bと対向するように形成されている。そのため、ガス抜き孔2aから吐き出された潤滑油が、下側大径内周部5bの内周面4bよりも外周側に飛散することを防ぐことができる。従って、圧縮部20の吐出孔21が、図7に示されるような位置(下側大径内周部5bの内周面4bよりも径外側)に設けられている場合でも、吐出孔21が潤滑油で塞がれる虞がない。

図9は、一般的な圧縮機の内部モデルを表す図である。図9に示される回転子1Aは、上側大径内周部5a−1および下側大径内周部5b−1の内径が径方向にオフセットされていない。このように構成された圧縮機では、冷媒圧縮時のトルクが大きくなり、高圧冷媒の吐出時のトルクが小さくなるため、トルク変動が生じ、結果として振動や騒音が発生する。

図10は、図9に示される回転子における課題を解決するように構成された回転子1A−1を表す図である。振動や騒音を抑制するためには、図10に示されるように回転子1A−1の軸方向端部にバランスウェイト9と呼ばれる部材を取り付けられるのが一般的である。バランスウェイト9は、重心がアンバランスな形状をしており、冷媒圧縮時におけるクランクシャフトのたわみを打ち消す向きに取り付けられる。このことにより、冷媒圧縮時のクランクシャフトのたわみが相殺され、振動や騒音を抑制することができる。ここで、バランスウェイトは、比重が大きく、かつ、回転子から発生する磁束を通さない(透磁率の低い)材料であることが望ましく、一般的には真鍮が用いられている。ただし、真鍮は高価であり、低コスト化には真鍮を使わない方法が望ましい。

上記特許文献1の従来技術では、軸方向端部の少なくとも一方に、シャフト穴を中心としたアンバランスな打ち抜き穴が形成されている。この打ち抜き穴は、冷媒圧縮時におけるクランクシャフトのたわみを打ち消す向きに取り付けられる。この構成により、バランスウェイト9を用いた場合と同様の効果が期待できる。ただし、従来技術の構成では、振動を打ち消す効果が小さく、コストを抑えながらバランスウェイトを用いた場合と同等の振動抑制効果を得ることができないという課題があった。

本実施の形態に係る密閉型回転圧縮機では、上側大径内周部5aおよび下側大径内周部5bの内径が小径部内周部6の内径より大きく形成され、かつ、その中心11が回転軸線10に対して径方向にオフセットされている。また、ガス抜き孔2aがクランクシャフト2内の流路14と連通するように形成されている。そして、ガス抜き孔2aの吐出口2eが、回転子1の下側大径内周部5bの内周面4bと対向する位置において、下側大径内周部5bがオフセットされている方向とこの方向の反対方向とに設けられている。従って、クランクシャフト2の遠心力を受けた冷媒等が下側大径内周部5bの内周面4b(特に図7に示される間隔W2側の面)に当たることにより、その噴出力がクランクシャフト2を偏心させる力として作用する。その結果、バランスウェイト9を用いなくともバランスウェイト9を用いた場合と同等の振動抑制効果を得ることができる。

図8は、本発明の実施の形態1に係るクランクシャフトの変形例を示す図である。図8には、本実施の形態に係るクランクシャフトの変形例が示されている。図8に示されるクランクシャフト2Aでは、ガス抜き孔2aの吐出口2eが1つ形成されている。すなわち、図8に示されるガス抜き孔2aは、流路14を連通するように形成されているものの、クランクシャフト2Aを貫通する形状ではない。吐出口2eは、回転子1の下側大径内周部5bの内周面4bと対向する位置において、下側大径内周部5bがオフセットされている方向の反対方向に設けられている。すなわち、吐出口2eは図7に示される間隔W2側に設けられている。このように構成した場合、クランクシャフト2Aの遠心力を受けた冷媒等が1つの吐出口2eから吐き出されるため、吐出口2eが2つの場合に比べてその噴出力が高められ、クランクシャフト2Aを偏心させる力をより高めることができる。

以上に説明したように、本実施の形態に係る密閉型回転圧縮機は、冷媒ガスを圧縮する圧縮部20と、圧縮部20を駆動する電動機と、圧縮部20および電動機を内部に収容するとともに冷媒を封入した密閉容器と、圧縮部20から電動機に向けて伸び、電動機内の回転子1に設けられるクランクシャフト2とを備えた密閉型回転圧縮機であって、回転子1の両軸端部(1b,1c)には、内径が回転子1の軸方向中央部(1d)の内径より大きく形成され、かつ、内径中心11がクランクシャフト2の回転軸線10に対して径方向にオフセットされた一対の大径内周部(5a、5b)が形成され、クランクシャフト2には、クランクシャフト2の内部に形成され冷媒を通流させる第1の流路(14)と、第1の流路とクランクシャフト2の外周面2cに形成された吐出口2eとを連通させる第2の流路(2a)とが形成され、吐出口2eは、一対の大径内周部(5a、5b)の内、圧縮部20側の一方の大径内周部(5b)の内周面4bと対向する位置に形成されている。この構成により、吐出口2eから吐き出された冷媒の噴出力がクランクシャフト2を偏心させる力として作用する。その結果、バランスウェイト9を用いなくともバランスウェイト9を用いた場合と同等の振動抑制効果を得ることができ、コストを抑えながら振動や騒音を抑制することができる。

また、本実施の形態にかかる密閉型回転圧縮機では、第2の流路(2a)が、第1の流路(14)と連通し、かつ、クランクシャフト2の径方向に貫通するように形成され、吐出口2eが、一方の大径内周部(5b)がオフセットされている方向とこの方向の反対方向とに設けられている。このように構成することで、吐出口2eから吐き出される冷媒の噴出力を、クランクシャフト2のたわむ力を打ち消す力として最大限に有効に利用することができる。

実施の形態2. 図11は、本発明の実施の形態2に係る密閉型回転圧縮機に用いられるクランクシャフトの構成図である。図12は、本発明の実施の形態2に係る密閉型回転圧縮機の動作を説明するための図である。実施の形態1との相違点は、クランクシャフト2,2Aの代わりにクランクシャフト2Bが用いられている点である。クランクシャフト2Bには、実施の形態1と同様にガス抜き孔2aおよび給油孔2bが形成されているが、ガス抜き孔2aの吐出口2eは、回転子1の上端面よりも上側に位置するように形成されている。図12に示されるように、給油孔2bは、クランクシャフト2Bを貫通する形状ではなく、その吐出口2eは、下側大径内周部5bがオフセットされている方向の反対方向に設けられている。

動作を説明する。流路14を通過した冷媒等は、ガス抜き孔2aの吐出口2eから吐き出されるとき、クランクシャフト2Bの回転による遠心力が作用する。前述したようにガス抜き孔2aの吐出口2eは、回転子1の上端面よりも上側に位置している。そのため、吐出口2eから吐き出された冷媒等の噴出による偏心力が圧縮部20から比較的離れた位置で発生する。従って、実施の形態1よりも大きな振動抑制効果が期待できる。

なお、ガス抜き孔2aの吐出口2eが上側大径内周部5aの内周面と対向する位置に形成されている場合、潤滑油が回転子1の内径部に溜まってしまう。そのため、本実施の形態では、ガス抜き孔2aの吐出口2eが回転子1の上端面よりも上側に位置するように形成されている。また、ガス抜き孔2aからの潤滑油が上側大径内周部5aに溜まることを防ぐため、上側大径内周部5a側の開口部を覆うような端板を、回転子1に設置してもよい。

また、本発明の実施の形態に係る密閉型回転圧縮機は、本発明の内容の一例を示すものであり、更なる別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、一部を省略するなど、変更して構成することも可能であることは無論である。

以上のように、本発明は、密閉型回転圧縮機に適用可能であり、特に、コストを抑えながら振動を抑制する発明として有用である。

1 回転子、1A,1A−1 回転子、1b 上側軸端部、1c 下側軸端部、1d 軸中央部、2,2A,2B クランクシャフト、2a ガス抜き孔、2b 給油孔、2c 外周面、4a,4b 内周面、5a 上側大径内周部、5b 下側大径内周部、6 小径部内周部、8 オイルスターラ、9 バランスウェイト、10 回転子軸、11 中心、14 流路、20 圧縮部、21 吐出孔、22 揺動スクロール。

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