Rotary pump

申请号 JP2001315249 申请日 2001-10-12 公开(公告)号 JP4068329B2 公开(公告)日 2008-03-26
申请人 株式会社タクマ; 发明人 梅夫 井上; 寛之 岸田; 聡 柴田;
摘要
权利要求
  • 円形の内周面を備えたケーシングと、ケーシングの内周面の中心を中心軸として回転するロータと、ケーシングに出入り可能に設けられて先端がロータの外周面に接触し得る仕切板と、仕切板がロータに常に接触すべく付勢するバネと、ケーシングに形成されて仕切板に対してロータの回転方向後方に位置する吸入口と、ケーシングに形成されて仕切板に対してロータの回転方向前方に位置する吐出口とを具有するロータリポンプに於て、前記仕切板に吸入口側と吐出口側とを連通する連通部を形成した事を特徴とするロータリポンプ。
  • 連通部は、単一で直径が0.2〜0.5mmの小孔である請求項1に記載のロータリポンプ。
  • 連通部は、仕切板の最小突出時以外の時のみに吐出口だけに連通すべく形成されている請求項1に記載のロータリポンプ。
  • ロータは、ケーシングの内周面に摺接する略正三角形を呈すると共に、仕切板は、ロータの中心を通る直線上に対向して二つ設けられ、吸入口と吐出口は、夫々二つづつ設けられている請求項1に記載のロータリポンプ。
  • バネは、半環状を呈して両端が各仕切板の基部に係合されている請求項4に記載のロータリポンプ。
  • 说明书全文

    【0001】
    【発明の属する技術分野】
    本発明は、例えばマイクロガスタービンの燃料ポンプ等として用いられるロータリポンプに係り、とりわけ、ケーシング側にロータに接触する仕切板(ベーン)を備えたロータリポンプの改良に関する。
    【0002】
    【従来の技術】
    従来、この種のロータリポンプとしては、例えば特公昭35−18115号、実開昭48−113011号、特開昭49−112209号、実開昭50−115205号、特許第2980628号(特開平3−206382号)、特開平8−21389号等に記載されたものが知られている。
    当該ロータリポンプは、基本的には、円形の内周面を備えたケーシングと、ケーシングの内周面の中心を中心軸として回転するロータと、ケーシングに出入り可能に設けられて先端がロータの外周面に接触し得る仕切板と、仕切板がロータに常に接触すべく付勢するバネと、ケーシングに形成されて仕切板に対してロータの回転方向後方に位置する吸入口と、ケーシングに形成されて仕切板に対してロータの回転方向前方に位置する吐出口とを具有している。
    而して、この様なものは、ロータが回転されると、取扱流体が吸入口から吸入されてケーシングの内周面とロータと仕切板とに依り挾まれて加圧され、吐出口から吐出される。 この時、仕切板は、バネの弾に依り常にロータに接触すべく付勢され、ケーシングに対して摺動されながら出入される。
    【0003】
    ところで、マイクロガスタービンの燃料ポンプに於ては、燃料として、米国では、ASTM(US規格)に依りディーゼル油(軽油)を使用しているが、日本では、灯油を使用する場合が多い。
    【0004】
    【発明が解決しようとする課題】
    ところが、ディーゼル油は、高粘度であって潤滑性が大きいのに対して、灯油は、低粘度であって潤滑性が小さい。
    この為、取扱流体として灯油等の低粘度燃料オイルを用いたロータリポンプにあっては、ケーシングと仕切板との摺動箇所には、取扱流体が介在されて潤滑されるものの、とりわけ吸込側は、吐出口側の様に加圧された取扱流体が直接流入される事がないので、摩耗が著しくなる。 従って、ケーシングより比較的柔らかい材料で作製された仕切板の寿命が短くなり、約3ヶ月(1000時間運転)でポンプ性能がダウンしてしまっていた。
    これを回避する為に、燃料ポンプとしてギヤポンプを使う場合もあるが、この場合にはコストが高く付く難点があった。
    【0005】
    本発明は、叙上の問題点に鑑み、これを解消する為に創案されたもので、その課題とする処は、簡単で且つ安価にポンプの寿命を延伸させる様にしたロータリポンプを提供するにある。
    【0006】
    【課題を解決するための手段】
    本発明のロータリポンプは、基本的には、円形の内周面を備えたケーシングと、ケーシングの内周面の中心を中心軸として回転するロータと、ケーシングに出入り可能に設けられて先端がロータの外周面に接触し得る仕切板と、仕切板がロータに常に接触すべく付勢するバネと、ケーシングに形成されて仕切板に対してロータの回転方向後方に位置する吸入口と、ケーシングに形成されて仕切板に対してロータの回転方向前方に位置する吐出口とを具有するロータリポンプに於て、前記仕切板に吸入口側と吐出口側とを連通する連通部を形成した事に特徴が存する。
    【0007】
    ロータが回転されると、取扱流体が吸入口から吸入されてケーシングの内周面とロータと仕切板とに依り挾まれて加圧され、吐出口から吐出される。 この時、仕切板は、バネの弾力に依り常にロータに接触すべく付勢されているので、ケーシングに対して摺動されながら出入される。
    そして、ケーシングと仕切板との摺動箇所には、取扱流体が介在されて潤滑される。 ケーシングと仕切板との摺動箇所の吐出口側は、吐出口からの加圧された取扱流体が流入されるので、良好な潤滑が行なわれる。 ケーシングと仕切板との摺動箇所の吸入口側は、吐出口側の加圧された取扱流体が仕切板の周りを迂回して流入されると共に、仕切板に形成された連通部を通過して直接流入されるので、良好な潤滑が行なわれる。 従って、ケーシングと仕切板との摺動箇所は、吐出側及び吸入口側共に、潤滑性が高まり、摩耗の心配がなくなる。
    仕切板に連通部を形成するだけであるので、加工が簡単で且つ安価に提供する事ができる。
    【0008】
    連通部は、単一で直径が0.2〜0.5mmの小孔であるのが好ましい。 この様にすれば、取扱流体が灯油等の低粘度燃料オイルの場合には、良好な通流作用を期待できるので、円滑な潤滑が可能となる。
    【0009】
    連通部は、仕切板の最小突出時以外の時のみに吐出口だけに連通すべく形成されているのが好ましい。 この様にすれば、仕切板の最小突出時以外の例えば最大突出時のみに吐出口の加圧された取扱流体が連通部を通って吸込口側の摺動箇所に導入されるので、同箇所の潤滑が迅速に行なえると共に、仕切板の本来の仕切り機能に支障を与える事がない。
    【0010】
    ロータは、ケーシングの内周面に摺接する略正三形を呈すると共に、仕切板は、ロータの中心を通る直線上に対向して二つ設けられ、吸入口と吐出口は、夫々二つづつ設けられているのが好ましい。 この様にすれば、平衡型のロータリポンプにする事ができ、圧力バランスを均等化できると共に、圧力サイクルを平滑化できる。
    【0011】
    バネは、半環状を呈して両端が各仕切板の基部に係合されているのが好ましい。 この様にすれば、バネを単一にできるので、部品点数を減少できて構造の簡単化とコストの低減を図る事ができる。
    【0012】
    【発明の実施の形態】
    以下、本発明の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
    図1は、本発明のロータリポンプを示す側面図。 図2は、図1の正面図。 図3は、図1の背面図。 図4は、図1の4−4線矢視図。 図5は、拡大正面図。 図6は、仕切板を示す斜視図。 図7は、ポンプ性能の経時変化を示すグラフである。
    【0013】
    ロータリポンプ1は、ケーシング2、ロータ3、仕切板4、バネ5、吸入口6、吐出口7、連通部8とからその主要部が構成されている。
    ロータリポンプ1は、モータ9の前側(図1に於て左が前)に直結されてこれに依り回転駆動される様になっている。 モータ9は、ケーシング10とモータ軸11とを備えている。
    【0014】
    ケーシング2は、円形の内周面12を備えたもので、外ケーシング13と、これの内部に収容される内ケーシング14とを備えている。
    外ケーシング13は、円筒状を呈し、内ケーシング収容室15と継手収容室16と前後のフランジ17と複数のプラグ18とシール材収容溝19とを備えている。
    内ケーシング収容室15には、内ケーシング14が収容される。 継手収容室16には、ロータリポンプ1のポンプ軸20とモータ9のモータ軸11を連結する継手21が収容される。 継手21は、ポンプ軸20に形成された廻止凸部22と、モータ軸11に形成されて廻止凸部22が適合される廻止凹部23と、ポンプ軸20に外嵌されて外ケーシング13とモータ軸11との間に介設されたベアリング24とワッシャ25とコイルスプリング26とを備えている。 後側のフランジ17は、ボルト(図示せず)に依りモータ9のケーシング10に取付けられている。 前側のフランジ17には、図略しているが、ボルトに依り蓋体が取付けられ、蓋体に依り外ケーシング13と内ケーシング14の前側が閉塞される。 この時、シール材収容溝16にシール材(図示せず)が収容されて両者間がシールされる様になっている。 プラグ18は、外ケーシング13に対して離脱可能に螺合され、継手収容室16に潤滑油等を封入する為に使用される。
    内ケーシング14は、円筒状を呈し、ポンプ室27とポンプ軸穴28を備えている。 ポンプ室27は、前側が開放されて中心Oの円形の内周面12が形成されている。 ポンプ軸穴28は、内周面12と同心状に後側に貫通して形成されている。
    外ケーシング13と内ケーシング14との間には、バネ収容溝29が形成されて居り、その略半分には、半環状の充填材30が嵌挿されている。
    【0015】
    ロータ3は、ケーシング2の内周面12の中心Oを中心軸(ポンプ軸20)として回転するもので、ケーシング2の内周面12に摺接する略正三角形を呈して居り、各辺は外側に突出した円弧状を為していると共に、各頂点は各辺に連続する円弧状を為している。 ロータ3は、ポンプ軸20を備えている。 ロータ3とポンプ軸20とケーシング2の内周面12は、全て同じ中心Oにしてあり、所謂同心状にしてある。
    【0016】
    仕切板4は、ケーシング2に出入り可能に設けられて先端がロータ3の外周面に接触し得るもので、ロータ3の中心Oを通る直線上に対向して二つ設けられて居り、略長方形板状を呈し、基端にはバネ受溝31が形成されている。
    仕切板4は、ケーシング2に形成された案内溝32に摺動可能に嵌挿され、先端がケーシング2の内周面12に向けられてロータ3の外周面に接触すると共に、基端がバネ収容溝29に向けられている。
    【0017】
    バネ5は、仕切板4がロータ3に常に接触すべく付勢するもので、半環状を呈し、バネ収容溝29に挿入されて両端が各仕切板4のバネ受溝31に係合されている。
    【0018】
    吸入口6は、ケーシング2に形成されて仕切板4に対してロータ3の回転方向後方に位置するもので、仕切板4に呼応して二つ設けられている。 各吸入口6は、図略しているが、蓋板の内部等で集合されて取扱流体が貯溜されたタンクに接続される。
    【0019】
    吐出口7は、ケーシング2に形成されて仕切板4に対してロータ3の回転方向前方に位置するもので、仕切板4に呼応して二つ設けられている。 各吸入口7は、図略しているが、蓋板の内部等で集合されて取扱流体の供給先であるマイクロガスタービンの燃焼器に接続される。
    【0020】
    連通部8は、仕切板4に形成されて吸入口6側と吐出口7側とを連通するもので、単一で直径が0.2mmの小孔にしてあると共に、仕切板4の最小突出時以外の時のみに吐出口7だけに連通すべく形成されている。
    小孔8は、取扱流体の粘度との関係に依りφ0.2〜0.5mm(仕切板4の板厚(1mm)に対して1/5〜1/2の大きさ)に選定するのが好ましい。 φ0.2mmより小さくすると、取扱流体の通流が困難になる。 φ0.5mmより大きくすると、多量の取扱流体が通流して仕切板4の本来の機能を全うする事ができず、ポンプ性能に支障を来たす。
    又、小孔8は、幅方向の中心線上で且つ先端から所定距離A(1.5mm)だけ隔てた位置に穿設されている。 この所定距離Aは、仕切板4の最大突出時に於ける吐出口7への連通距離B(1.7mm)より小さく、仕切板4の最大突出時に於ける吸入口6への連通距離C(0.725mm)と仕切板4の最小突出時に於ける吐出口7への連通距離D(1.03mm)より大きくしてある。
    【0021】
    次に、この様な構成に基づいてその作用を述解する。
    モータ9に依りロータ3が図2及び図5に於て時計方向に回転されると、取扱流体が吸入口6から吸入されてケーシング2の内周面12とロータ3の外周面と仕切板4とに依り挾まれて加圧され、吐出口7から吐出される。 この時、仕切板4は、バネ5の弾力に依りその先端が常にロータ3の外周面に接触すべく付勢され、ケーシング2の案内溝32に対して摺動されながら出入される。
    そして、ケーシング2の案内溝32と仕切板4との摺動箇所には、取扱流体が介在されて潤滑される。 案内溝32と仕切板4との摺動箇所のうちの吐出口7側は、吐出口7からの加圧された取扱流体が流入されるので、良好な潤滑が行なわれる。 案内溝32と仕切板4との摺動箇所のうちの吸入口6側は、吐出口7側の加圧された取扱流体が仕切板4の周りを迂回して流入されると共に、仕切板4に形成された連通部8を通過して直接流入されるので、良好な潤滑が行なわれる。 従って、ケーシング2と仕切板4との摺動箇所は、吐出側7及び吸入口6側共に、潤滑性が高まり、摩耗の心配がなくなる。
    仕切板4に連通部8を形成するだけであるので、加工が簡単で且つ安価に提供する事ができる。
    【0022】
    尚、本発明の先の例で示したロータリポンプ1(仕切板4に連通部8があるもの)と、従来のロータリポンプ(仕切板4に連通部8がないもの)と、参考までに同等性能の代替ポンプ(ギヤポンプ)に就いて、性能の変化を確認する為に同一条件のもとに連続耐久試験を行なった。 同試験では、実運転時間の2倍相当の定常運転時間を得る為に電源電圧を2倍(12V)にすると共に、吐出圧力を定常運転時の230kPaに設定した。
    その結果は、図7に示す通りであった。 図7に於て、破線は本発明のロータリポンプ1、実線は従来のロータリポンプ、一点鎖線は代替ポンプを夫々示している。
    本発明のロータリポンプ1は、運転時間1700h(3400h相当)を越えても性能の劣化は認められなかったが、従来のロータリポンプは、300h(600h相当)あたりから徐々に劣化が始まり、800h(1600h相当)で不能となった。 一方、代替のギヤポンプも、1000h(2000h相当)を越えたところで、性能の劣化が始まり、不安定化してきた。
    この様に、本発明のロータリポンプ1は、従来のロータリポンプより潤滑性が改善されて代替ポンプと同等の性能を発揮する事が確認できた。
    【0023】
    尚、ロータリポンプ1は、先の例では、灯油等の低粘度燃料オイルに使用するものであったが、これに限らず、例えばディーゼル油等の高粘度燃料オイルに使用しても良い。
    ロータ3は、先の例では、略正三角形を呈していたが、これに限らず、例えば円形や楕円形等でも良い。
    仕切板4と吸入口6と吐出口7は、先の例では、二つづつ設けられていたが、これに限らず、例えば単一でも良い。
    連通部8は、先の例では、小孔であったが、これに限らず、例えばスリット等でも良い。
    連通部8は、先の例では、単一であったが、これに限らず、例えば複数でも良い。
    【0024】
    【発明の効果】
    以上、既述した如く、本発明に依れば、次の様な優れた効果を奏する事ができる。
    (1) ケーシング、ロータ、仕切板、バネ、吸入口、吐出口、連通部とで構成し、とりわけ仕切板に吸入口側と吐出口側とを連通する連通部を形成したので、ケーシングと仕切板との摺動箇所の潤滑性を改善でき、簡単で且つ安価にポンプの寿命を延伸させる事ができる。
    (2) 仕切板に吸入口側と吐出口側とを連通する連通部を形成するだけであるので、既存のものにも容易に適用する事ができる。
    【図面の簡単な説明】
    【図1】本発明のロータリポンプを示す側面図。
    【図2】図1の正面図。
    【図3】図1の背面図。
    【図4】図1の4−4線矢視図。
    【図5】拡大正面図。
    【図6】仕切板を示す斜視図。
    【図7】ポンプ性能の経時変化を示すグラフ。
    【符号の説明】
    1…ロータリポンプ、2…ケーシング、3…ロータ、4…仕切板、5…バネ、6…吸込口、7…吐出口、8…連通部、9…モータ、10…ケーシング、11…モータ軸、12…内周面、13…外ケーシング、14…内ケーシング、15…内ケーシング収容室、16…継手収容室、17…フランジ、18…プラグ、19…シール材収容溝、20…ポンプ軸、21…継手、22…廻止凸部、23…廻止凹部、24…ベアリンク、25…ワッシャ、26…コイルスプリング、27…ポンプ室、28…ポンプ軸穴、29…バネ収容溝、30…充填材、31…バネ受溝、32…案内溝、A…所定距離、B,C,D…連通距離、O…中心。

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