Internal gear pump

申请号 JP2009037350 申请日 2009-02-20 公开(公告)号 JP2010190161A 公开(公告)日 2010-09-02
申请人 Sumitomo Precision Prod Co Ltd; 住友精密工業株式会社; 发明人 YAGI SHOICHI;
摘要 PROBLEM TO BE SOLVED: To provide an internal gear pump excellent in seize resistance. SOLUTION: A housing 10 houses an inner gear 30 driven by a rotational shaft 20 and an outer gear 40. The outer gear 40 as an internal gear is eccentrically disposed with respect to the rotational shaft 20 and is meshed with the inner gear 30 as an external gear at a part of a circumferential direction. A partition piece in an arc shape is disposed on an anti-meshing side opposite to a meshing side, and an upstream in its rotational direction is a suction area and a downstream in its rotational direction is a discharge area. An outer peripheral surface 41 of the outer gear 40 is in slide-contact with an inner peripheral surface 11a of a gear housing part in the housing 10. An oil groove in a rotational shaft direction is formed in the inner peripheral surface 11a of the gear housing part to connect between side face sides of the outer gear 20. A first oil groove 17a is disposed to a downstream part of the discharge area, and a second oil groove is disposed to an upstream part of the discharge area. COPYRIGHT: (C)2010,JPO&INPIT
权利要求
  • 回転駆動されるインナーギヤと、インナーギヤと共にハウジング内に回転自在に収容され、インナーギヤの一部と噛み合うように偏心して配置されたアウターギヤと、両ギヤの非噛み合い領域に位置して両ギヤ間に設けられた弧状の仕切り片とを有し、仕切り片の上流側に位置してハウジングの内側面に吸込口が設けられ、仕切り片の下流側に位置してハウジングの内側面に吐出口が設けらた内接ギヤポンプにおいて、
    アウターギヤの外周面が摺接するハウジング内周面の吐出域下流部に、アウターギヤの両側面側を連通させる油溝が設けられていることを特徴とする内接ギヤポンプ。
  • 請求項1に記載の内接ギヤポンプにおいて、アウターギヤの外周面が摺接するハウジング内周面の吐出域上流部に、アウターギヤの両側面側を連通させる別の油溝が設けられている内接ギヤポンプ。
  • 請求項1又は2に記載の内接ギヤポンプにおいて、ハウジング内周面における油溝は、ハウジングにおけるギヤ収容部の内側面に設けられた連結用の凹部を介して吐出域に連通している内接ギヤポンプ。
  • 说明书全文

    本発明は、シリンダーなどのアクチュエータを駆動するための作動油の加圧等に使用される内接ギヤポンプに関する。

    内接ギヤポンプは、シリンダーなどの各種アクチュエータを駆動するための作動油の加圧などに広く使用されている。 この内接ギヤポンプの構造は、例えば特許文献1、2に詳しく説明されている。 内接ギヤポンプの基本構造を図6(a)(b)を参照して説明する。 図6(a)は軸縦断面図、図6(b)は軸横断面図で図6(a)のU−U線矢示図である。

    このポンプは、ハウジング1内で組み合わされたインナーギヤ3及びアウターギヤ4を有している。 インナーギヤ3は外歯車であり、ハウジング中心部を貫通する回転軸2により回転駆動される。 アウターギヤ4はハウジング1内に回転自在に収容された環状の内歯車であり、インナーギヤ3の外側に偏心して配置されることにより、周方向の一部でインナーギヤ3と噛み合っている。

    噛み合い領域とは反対側の非噛み合い領域においては、歯面間に弧状の空間が形成される。 この空間には、クレセントと呼ばれる弧状の仕切り片5がハウジング1と一体的に設けられている。 仕切り片5の回転方向上流側には吸込口6が、下流側には吐出口7がそれぞれ回転方向に沿って設けられている。 吸込口6及び吐出口7は、両ギヤ3,4間に側方から対向するようハウジング1におけるギヤ収容部の一方の内側面に開口している。 他方の内側面には吸込口6及び吐出口7に対応する凹部8,9が形成されている。

    図示されないモータにより駆動軸2が駆動され、インナーギヤ3が回転すると、アウターギヤ4も定位置で同期回転する。 アウターギヤ4の偏心により、作動油は、回転方向上流側の吸込口6から両ギヤ3,4間に吸い込まれ、仕切り片5の内周側及び外周側に分かれ、回転方向下流側の吐出口7から排出される。 すなわち、仕切り片5の回転方向上流側で両ギヤ3,4の歯間が漸次離反することにより吸込口6から作動油が吸引され、仕切り片5の回転方向上流側で両ギヤ3,4の歯間が漸次接近することにより作動油が加圧されて吐出口7から排出される。

    回転中のアウターギヤ4の外周面4aとハウジング1におけるギヤ収容部の内周面1aとの間に発生するラジアル方向圧の周方向分布を図6(b)に示す。

    このような内接ギヤポンプの問題点の一つとして、アウターギヤ4の外周面4aの焼付きがある。 アウターギヤ4の外周面4aに焼付きが生じやすい理由は、以下のとおりである。

    アウターギヤ4の外周面4aは、ハウジング1におけるギヤ収容部の内周面1aに対して摺動しているが、アウターギヤ4が偏心しているために、図6(b)に示すとおり、アウターギヤ4に作用する径方向圧力の周方向分布は不均一となる。 すなわち、アウターギヤ4の外周面4aにおける特定箇所は大きな圧力変動を繰り返し受ける。 これに加えて、作動油の吸込、吐出はハウジング1におけるギヤ収容部の両側の内側面1b,1bのうちの一方の側で行われる。 図6(b)では、吸込口6は吸込域の一方の側に、吐出口7は吐出域の他方の側に設けられている。 このため、アウターギヤ4の両側の圧力バランスも不均等になる。

    一方、内接ギヤポンプにおける潤滑は、吸込された作動油の一部がギヤ3,4と、ハウジング1におけるギヤ収容部の両側の内側面1b,1bとの微小な隙間を通り、一部がハウジング1と回転軸2の間に、残りがアウターギヤ4の外周面4aとハウジング1におけるギヤ収容部の内周面1aとの間に侵入することで行われるが、アウターギヤ4の外周面4aとハウジング1の内周面1aとの間に侵入する作動油は少なく、特に径方向圧力の大きい吐出域付近で少なくなる。 これらのため、アウターギヤ4の摺動部で油切れが生じやすく、アウターギヤ4の外周面4aに焼付きが生じやすいのである。

    この焼付きを防止するために、特許文献1に記載の内接ギヤポンプでは、吸込口6をアウターギヤ4の外周面4aとハウジング1におけるギヤ収容部の内周面1aとの間にまで広げて、この間への作動油の供給量を多くすることが行われている。 また、特許文献2に記載の内接ギヤポンプでは、吐出域で加圧された作動油を、アウターギヤ4の外周面4aとハウジング1の内周面1aとの間に導くバルブ付き油路をハウジング1に設けることが行われている。

    しかしながら、いずれの対策も十分とは言えない。 特に、運転、停止を頻繁に繰り返す場合に焼付きが生じやすい傾向がある。 また、特許文献2に記載の内接ギヤポンプでは、油路にバルブ機構が必要になり、コストが嵩む問題がある。

    特開2002−048074号公報

    特開2004−308547号公報

    本発明の目的は、運転、停止を頻繁に繰り返す場合にも、アウターギヤ外周面の焼付きを安定的に、且つ経済的に防止できる内接ギヤポンプを提供することにある。

    上記目的を達成するために、本発明者らはアウターギヤ外周面の焼付きの詳細な原因を明らかにすることを企画し、アウターギヤに作用する圧力を、運転開始時の圧力立ち上がり傾向も含めて各部について調査した。 その結果、アウターギヤの両側で油圧に差があり、その差は吐出域近傍で大きく、且つ運転開始の際の低速回転時に大きいこと、吐出域近傍では両側の油圧の一方に脈動が生じていること、運転開始の際の低速回転時にはアウターギヤの外周側の特に吐出域近傍で油圧の追従性が悪いことなどが判明した。

    本発明者はこれらの現象を緩和できれば、アウターギヤ外周面の焼付きを軽減できると考え、その手法として、ハウジングにおけるギヤ収容部の内周面に回転軸方向の油溝を設け、アウターギヤの両側面側を連通させて圧力バランスをとることを企画し、特に吐出域の近傍でのこの油溝の形成位置と効果との関係について詳細に調査した。 その結果、吐出域の回転方向下流部に形成するのが有効なこと、その上で更に吐出域の回転方向上流部に形成するのが有効なことが明らかとなった。

    本発明の内接ギヤポンプは、かかる知見を基礎として完成されたものであり、回転駆動されるインナーギヤと、インナーギヤと共にハウジング内に回転自在に収容され、インナーギヤの一部と噛み合うように偏心して配置されたアウターギヤと、両ギヤの非噛み合い領域に位置して両ギヤ間に設けられた弧状の仕切り片とを有し、仕切り片の上流側に位置してハウジングの内側面に吸込口が設けられ、仕切り片の下流側に位置してハウジングの内側面に吐出口が設けらた内接ギヤポンプにおいて、アウターギヤの外周面が摺接するハウジング内周面の吐出域下流部に、アウターギヤの両側面側を連通させる油溝を設けたものである。

    好ましくは、アウターギヤの外周面が摺接するハウジング内周面の吐出域上流部にも、アウターギヤの両側面側を連通させる別の油溝を設ける。

    いずれの油溝についても、ハウジングにおけるギヤ収容部の内側面に設けられた凹部を介して吐出域に連通する構成が好ましい。

    本発明の内接ギヤポンプにおいては、アウターギヤが強い圧力を受ける吐出域近傍においてハウジング内周面にアウターギヤの両側面側を連通させる油溝を設けることにより、運転開始の際の回転数上昇期においてもアウターギヤ両側の圧力バランスがとれ、アウターギヤの外周側に供給される油量も増加することから、アウターギヤの回転及び潤滑が円滑化し、アウターギヤ外周面の焼付きが防止される。

    具体的には、ハウジング内周面の吐出域下流部にこの油溝を設けることにより、運転開始の際の回転数増加時において、吐出域の閉止側における油圧の追従性が向上し、脈動も防止される。 ハウジング内周面の吐出域上流部にもこの油溝を設けるならば、運転開始の際の回転数増加時において、吐出域の外周側における油圧の追従性が向上する。 いずれもアウターギヤの円滑回転に繋がり、耐焼付き性の向上に寄与する。

    本発明の内接ギヤポンプは、アウターギヤが強い圧力を受ける吐出域近傍においてハウジング内周面にアウターギヤの両側面側を連通させる油溝を設けることにより、運転開始の際の回転数上昇期においてもアウターギヤ両側の圧力バランスがとれ、アウターギヤの外周側に供給される油量も増加することから、アウターギヤの回転及び潤滑を円滑化でき、アウターギヤ外周面の耐焼付き性を向上させることができる。

    本発明の実施形態を示す内接ギヤポンプの軸縦断面図であり、図3中のS−S線矢示図に対応する。

    同内接ギヤポンプの軸縦断面図であり、図3中のT−T線矢示図に対応する。

    同内接ギヤポンプにおけるハウジング本体の側面図である。

    図3中のX点位置及びY点位置におけるアウターギヤ両側の圧力変動を、油溝がない場合と吐出域下流部に存在する場合について示したグラフである。

    図3中のA点位置、B点位置及びC点位置における圧力変動を、油溝が吐出域下流部に存在する場合と吐出域下流部及び上流部の両方に存在する場合について示したグラフである。

    内接ギヤポンプの基本構造を示す図面で、(a)は軸縦断面図、(b)は軸横断面図で(a)中のU−U線矢示図である。

    以下に本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。

    本実施形態の内接ギヤポンプは、図1〜図3に示すように、ギヤユニットを収容するハウジング10と、ハウジング10の中心部を貫通する回転軸20と、回転軸20の外側に位置してハウジング10内に収容されたインナーギヤ30及びアウターギヤ40とを備えている。

    ハウジング10は、インナーギヤ30及びアウターギヤ40を収容する本体10Aと、本体10Aの開口部を塞ぐカバー10Bとからなる。 本体10Aには、アウターギヤ40が回転自在に嵌合する円形のギヤ収容部11が偏心して設けられている。 本体10Aの中心部には、回転軸20が回転自在に貫通する軸孔が設けられており、同様の軸孔は、カバー10Bの中心部にも設けられている。

    インナーギヤ30は外歯ギヤであり、本体10Aのギヤ収容部11内において回転軸20と同心状に連結されている。 アウターギヤ40は、回転軸20に対して偏心したギヤ収容部11内に回転自在に収容された内歯ギヤであり、周方向の一部でインナーギヤ30と噛み合っている。 噛み合い側とは反対の反噛み合い側には、クレセントと呼ばれる弧状の仕切り片12が本体10Aと一体的に設けられている。 この仕切り片12は、インナーギヤ30とアウターギヤ40の間に配置されており、その回転方向上流側が吸込域IN、下流側が吐出域OUTである。

    吸込域INは回転方向に沿って弧状に存在しており、回転方向上流側から下流側に向けて高さが漸増している。 吐出域OUTも回転方向に沿って存在しており、回転方向上流側から下流側に向けて高さが漸減している。 そして、吸込域INに側方から対向するように、ハウジング10のカバー10Bには弧状の吸込口13が、本体10Aには弧状凹部14がそれぞれ設けられている。 また吐出域OUTに側方から対向するように、ハウジング10の本体10Aには弧状の吐出口15が、カバー10Bには弧状凹部16がそれぞれ設けられている。

    ハウジング10におけるギヤ収容部11の内周面11aには、回転軸方向に延びる2つの油溝17a、17bが設けられている。 第1の油溝17aは、吐出域OUTの回転方向下流部に位置する断面弧状のU溝であり、その本体側の端部は、ギヤ収容部11の一方の内側面(ギヤ収容部11の底面)に設けられた連結用の円形凹部18aを介して吐出口15の回転方向下流側端部に連通している。 油溝17aのカバー側の端部は、ギヤ収容部11の他方の内側面(カバー10Bの表面)に設けられた連結用の円形凹部18bを介して、吐出口15に対応する弧状凹部16の回転方向下流側端部に連通している。

    第2の油溝17bは、吐出域OUTの回転方向上流部に位置する断面弧状のU溝であり、その本体側の端部は、ギヤ収容部11の一方の内側面(ギヤ収容部12の底面)に設けられた連結用の円形凹部19aを介して吐出口15の回転方向上流側端部に連通している。 油溝17bのカバー側の端部は、ギヤ収容部11の他方の内側面(カバー10Bの表面)に設けられた連結用の円形凹部19bを介して、吐出口15に対応する弧状凹部16の回転方向上流側端部に連通している。

    内接ギヤポンプの運転では、回転軸20が図示されないモータにより回転駆動される。 これにより、ハウジング10内の吸込域INに対応してカバー10Bの側に設けられた弧状の吸込口13から、ギヤ収容部11内のインナーギヤ30とアウターギヤ40との間に作動油が吸い込まれる。 ギヤ収容部11内に吸い込まれた作動油は、仕切り片12の内周側と外周側とに分かれ、吐出域OUTに対応して本体10Aの側に設けられた弧状の吐出口14から排出される。

    すなわち、仕切り片12の回転方向上流側に位置する吸込域INでは、インナーギヤ30とアウターギヤ40の歯間が漸次離反することにより作動油が吸引され、仕切り片12の回転方向下流側に位置する吐出域OUTでは、インナーギヤ30とアウターギヤ40の歯間が漸次接近することにより作動油が加圧されるのである。

    また、ハウジング10内に吸い込まれた作動油の一部はアウターギヤ40の両側面とギヤ収容部11の両内側面との微小な隙間を通って、一部は回転中心側へ、残りが外周側へそれぞれ侵入する。 そして、前者はハウジング10と回転軸20との間の潤滑、より具体的には、ハウジング10の本体10A及びカバー10Bの各中心部における軸孔にそれぞれ嵌合固定されたスリーブ状の軸受部材50,50の各内周面と回転軸20の外周面との間の潤滑に、また後者はアウターギヤ40の外周面41とギヤ収容部11の内周面11aとの間の摺動部の潤滑にそれぞれ使用される。

    ここで注意すべきことは、吐出口15はハウジング10内の吐出域OUTの片側(本体10Aの側)にのみ存在することである。 すなわち、吐出域OUTは片側(本体10Aの側)では開放し、反対側(カバー10Bの側)では閉止されているのである。 また、アウターギヤ40の外周面41とこれが摺接するギヤ収容部11の内周面11aとの間における径方向油圧力は、吐出域OUTにおいて最大となる〔図6(b)参照)〕。 これらのため、吐出域OUTにおいては、アウターギヤ40が、閉止側であるカバー10Bの側から、開放側である本体10Aの側へ向かう横方向(回転軸方向)の強い圧力を受け、これがアウターギヤ40の焼付きの原因となることは言うまでもない。

    しかしながら、本実施形態の内接ギヤポンプでは、ギヤ収容部11内における吐出域OUTの外周側の内周面11aに回転軸方向の油溝17a,17bが設けられている。 第1の油溝17aは、吐出域OUTの下流部にあって、両側の連結用の円形凹部18a,18bを介して吐出域OUTの吐出口15及び弧状凹部16にそれぞれ連通しており、第2の油溝17bは、吐出域OUTの上流部にあって、両側の連結用の円形凹部19a,19bを介して吐出域OUTの吐出口15及び弧状凹部16にそれぞれ連通している。 このため、吐出域OUTにおいて、アウターギヤ40の両側の圧力が均等化すると共に、アウターギヤ40の外周面41とギヤ収容部11の内周面11aとの間への作動油の流入量が増加する。

    これらの結果、内接ギヤポンプの耐焼付き性が向上する。

    本発明の有効性を確認するために、先ず、吐出域OUTの下流部に位置する第1の油溝17a及びこれに連続する円形凹部18a,18bを設けた場合のアウターギヤ両側の運転開始時の横方向圧力変化を、図3に示すX点、Y点にて、閉止側であるカバー側、及び開放側である本体側のそれぞれについて調査した。 比較のために、第1の油溝17a及び円形凹部18a,18bを設けない場合についても同様の調査を行った。 結果を図4(a)(b)に示す。

    第1の油溝17a及びこれに連続する円形凹部18a,18bを設けない場合、X点、Y点とも、開放側である本体側の方が、閉止側であるカバー側より低圧となる。 本体側でも特に、吐出域OUTより回転方向下流側のY点では、運転開始時の回転数上昇に対する追従性が悪く、回転方向上流側のX点では比較的大きな脈動が見られる〔図4(a)〕。 しかるに、第1の油溝17a及びこれに連続する円形凹部18a,18bを設けると、Y点本体側の追従性が改善され、X点本体側の脈動も解消されている。 また、アウターギヤ両側の圧力差も全体に縮小している。 これらが、アウターギヤ40の焼付き防止に有効に作用することは言うまでもない。

    次に、第1の油溝17a及びこれに連続する円形凹部18a,18bを残したまま、吐出域OUTの上流部に位置する第2の油溝17b及びこれに連続する円形凹部19a,19bを設けた。 そして、アウターギヤ40の外周面41とハウジング10におけるギヤ収容部11の内周面11aとの隙間における運転開始時の径方向圧力変化を、図3に示すA点、B点及びC点について調査した。 比較のために、第1の油溝17a及び凹部18a,18bのみを設けた場合についても同様の調査を行った。 結果を図5に示す。 図5には、吐出圧力の変化も合わせて示した。

    径方向圧力が最大となる吐出域OUTの外周側のA点で、運転開始時の回転数上昇に対する追従性が顕著に向上していることが分かる。 これも又、アウターギヤ40の焼付き防止に有効に作用することは言うまでもない。

    続いて、耐焼付き性の試験を実施したところ、第1の油溝17aも第2の油溝17bも設けない従来の内接ギヤポンプの場合は、定格圧力に対し約1.5倍の負荷での連続運転において、アウターギヤ40の外周部に損傷が見られた。 これに対し、第1の油溝17a及びこれに連続する円形凹部18a,18bを設けた内接ギヤポンプの場合は、定格圧力に対し約1.8倍程度の連続運転においても異常が見られなかった。 第1の油溝17a及びこれに連続する円形凹部18a,18b、並びに第2の油溝17b及びこれに連続する円形凹部19a,19bを設けた内接ギヤポンプの場合も、第1の油溝17aのみの場合と同等の耐焼付き性能が発揮された。

    耐焼付き性の試験に使用した内接ギヤポンプの仕様は以下のとおりである。 図4(a)(b)の調査に用いた内接ギヤポンプもこれと同じ種類である。 図4(a)(b)に示した結果は、吐出圧力をアンロードからオンロードへ急激に変化させた場合の各箇所での圧力変化であり、各箇所にポートを形成して圧力測定を行った。
    ポンプサイズ:80cc/rev
    定格回転数:1800rpm
    定格吐出圧力:16MPa
    作動油:ISO VG 46
    温度:50℃

    油溝17a,17b及び円形凹部18a,18b,19a,19bの深さについては、浅すぎると圧油伝搬に十分な容積を確保できないので、生産性を考慮して1.5〜2.5mmの範囲内が好ましく、前記試験ではいずれも2.0mmとした。 また、油溝17a,17bの形状はU溝としたが、凹溝でもよく、その断面形状は問わない。 連結用の円形凹部18a,18b,19a,19bの形状についても円形である必要はなく、ストレート溝などでもよい。

    10 ハウジング 10A 本体 10B カバー 11 ギヤ収容部 11a 内周面 12 仕切り片(クレセント)
    13 吸込口 14,16 弧状凹部 15 吐出口 17a,17b 油溝 18a,18b,19a,19b 連結用の円形凹部 20 回転軸 30 インナーギヤ 40 アウターギヤ 50 軸受部材

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