軸推を平衡させる油圧システムを備えたヘリカル歯を有するギアポンプ又は油圧ギアモータ

申请号 JP2015546067 申请日 2014-05-20 公开(公告)号 JP6074826B2 公开(公告)日 2017-02-08
申请人 マーゾッチ ポンペ エス.ピー.エー.; 发明人 フェレッティ ステファーノ; パーシチ デニーロ;
摘要
权利要求

−軸(10)に接合される第1歯車(1); −軸(20)に接合され、第1歯車(1)と係合する第2歯車(2); −第1歯車の軸(10)、及び第2歯車の軸(20)を、それぞれ回転可能に支持する支持体(4、5); −支持体(4、5)を収容し、流体入口ダクト及び流体出口ダクトを画定するケース(3); −軸の凸部(13)が前方に突出し、第1歯車の軸(10)に接続される前フランジ(6)であって、軸の前記凸部(13)がモータ(M)又は負荷に接続されるよう適合される前フランジ(6); −ケース(3)に固定される裏蓋(7)を含む、ギアポンプ又は油圧ギアモータ(100;200)であって、 −前記歯車(1、2)の歯は、ヘリカル型であり、 前記ギアポンプ又は油圧ギアモータは: −前記ケース(3)と前記前フランジ(6)との間に配置される中間フランジ(8)であって、接続ダクト(82)によって入口又は出口流体ダクトに接続される第1室(80)を含む中間フランジ(8);及び −第1歯車にかかる軸を補償し、第1歯車の軸(10)への運動伝達を可能にするように、中間フランジの前記第1室(80)に取付けられ、第1歯車の前記軸(10)の一部(T)に嵌挿される補償リング(9)を含み、 該補償リング(9)は、内部が空洞のシリンダ(90)と、該シリンダ(90)から径方向に突出するカラー(91)を含み、シリンダ(90)とカラー(91)の外径(d1、d2)は、第1歯車にかかる軸力(A)を補償するように、選択されること、を特徴とする、ギアポンプ又は油圧ギアモータ(100;200)。−前記中間フランジ(8)内に設けられ、前記接続ダクト(82)によって、ポンプの入口又は出口流体ダクトに接続される第2室(81);及び、 −前記中間フランジの前記第2室(81)内に取り付けられるピストン(88)であって、前記第2歯車にかかる軸力(B)を補償するために、第2歯車の前記軸(20)の前記中間フランジ側端部を受け止めるように配置された前記ピストン(88)を更に含む、請求項1に記載のギアポンプ又は油圧ギアモータ(100;200)。前記補償リング(9)が嵌挿される第1歯車の軸の前記部分(T)が、端部(T)であり、ギアポンプは、駆動歯車の前記端部(T)を、運動伝達用の別の軸(13;10)に接続する機械的接続体(500)を更に含む、請求項1に記載のギアポンプ又は油圧ギアモータ(100;200)。補償リング(9)は、相対的な摩擦を排除するように、駆動輪の軸の前記部分(T)に止めピンで固定される、請求項1又は2に記載のギアポンプ又は油圧ギアモータ(100;200)。高圧領域から低圧領域に漏出させないように前記補償リング(9)を支持するために、中間フランジ(8)の前記第1室(80)に配置される運動用シール(95、96)を含む、請求項1乃至4の何れか1項に記載のギアポンプ又は油圧ギアモータ(100;200)。前記裏蓋(7)は: −ダクト(72、73)によって、入口又は出口流体ダクトに接続される第1室(70)及び第2室(71); −裏蓋の前記第1室(70)に取付けられる第1ピストン(270)であって、前記第1歯車にかかる軸力(A;C)を補償するために、第1歯車(1)の軸(10)の裏蓋側端部を受け止めるように配置された前記第1ピストン(270);及び −裏蓋の前記第2室(71)に取付けられる第2ピストン(271)であって、前記第2歯車にかかる軸力(B;D)を補償するために、第2歯車(2)の軸(20)の裏蓋側端部を受け止めるように配置された前記第2ピストン(271)を含む、請求項1乃至5の何れか1項に記載のギアポンプ又は油圧ギアモータ(100;200)。前フランジ(6)から突出する前記凸部(13)を含む駆動軸(12)に第1歯車(1)の軸を接続する機械的接続体(500)を更に含む、請求項1乃至6の何れか1項に記載のギアポンプ又は油圧ギアモータ(100;200)。第1歯車(1)の軸の前記凸部(13)は、第1歯車(1)が駆動輪となり、第2歯車(2)が従動輪となるように、モータ(M)に接続される、請求項1乃至7の何れか1項に記載のギアポンプ(100)。軸の前記凸部(13)は、負荷に接続される、請求項1乃至7の何れか1項に記載の油圧ギアモータ(200)。前記ギアポンプ又は油圧ギアモータは、多連式であり、 −第1歯車(1)及び第2歯車(2)を含む少なくとも1つの前段(SA); −第1歯車(1)と第2歯車(2)及び前記裏蓋(7)を含む後段(SB);及び −前段(SA)の第1歯車(1)の軸を、後段(SB)の第1歯車(1)の軸に接続する機械的接続体(500)を含む前記ギアポンプ又は油圧ギアモータであって、 前記中間フランジ(8)は、前段(SA)のケース(3)と、機械的接続体(500)との間に配置され、中間フランジ(8)の前記補償リング(9)は、前段(SA)の第1歯車(1、2)に関する軸推力(A)を補償する、請求項1乃至7の何れか1項に記載のギアポンプ又は油圧ギアモータ(200)。前段(SA)と後段(SB)との間に少なくとも1つの中間段(SI)を更に含み、 各中間段(SI)は、第1歯車(1)、及びヘリカル歯を有する第2歯車(2)を含み、中間段(SI)の第1歯車(1)は、前段(SA)の駆動輪(1)の軸の端部(T)から運動を受け、中間段(SI)の第1歯車(1)の軸を後段(SB)の第1歯車(1)の軸に接続する機械的接続体(500)を介して後段(SB)を移動させ;更なる中間フランジ(8)が、中間段(SI)のケースと機械的接続体(500)との間に配置され、前記更なる中間フランジ(8)は、中間段(SI)の第1歯車(1)の軸推力(A)を補償するために、補償リング(9)を含む、請求項10に記載のギアポンプ又は油圧ギアモータ(200)。

说明书全文

本発明は、ギアポンプ及び油圧ギアモータに関し、特に、双方向タイプ又は多段の外部ギアを有するポンプ及び油圧モータにおいて、軸推を平衡させるために使用される油圧システムであって、ヘリカルギアが設けられている油圧システムに関する。

以下では、ギアポンプについて特に言及するが、本発明は、油圧ギアモータにも関する。ギアモータは、ギアポンプと同じ構造を有するが、動作原理が異なる:ポンプは、機械的エネルギ(駆動軸に印加されるトルク)を油圧エネルギ(圧油)に変換するために使用されるのに対し、モータは、油圧エネルギ(圧油)を機械的エネルギに変換するために使用される。油圧モータ内で、モータ本体に設けられたポートの1つを介して搬送される圧油は、歯車を駆動して回転させることによって、歯車に作用し;トルクは、負荷が印加される軸で得られる出力である。

外接ギアポンプは、自動車、土木工事、自動化及び制御産業等多くの産業部門で一般的に使用されている。

図1及び図1Aに示されるように、ギアポンプは、一般的に、2個の相互に係合される歯車(1、2)を含む。歯車(1、2)は、流体入口領域及び流体出口領域を画定するように、ケース(3)内に配置される。

駆動輪(1)として定義される一方の歯車は、駆動軸からの運動を受けるのに対して、従動輪(2)として定義されるもう一方の歯車は、従動輪(2)と係合する駆動輪(1)からの運動を受ける。歯車(1、2)は、支持体又はブッシュ(4、5)によって回転可能に支持される各軸(10、20)に接合される。

本明細書では、用語「前(front)」は、ポンプの駆動輪の軸が突出する側、即ち回転を受ける入力軸を指す。

ポンプは、歯車の軸の前部を回転可能に支持する前ブッシュ(4)及び歯車の軸の後部を回転可能に支持する後ブッシュ(5)を含む。各ブッシュは、2個の歯車の軸の一部を回転可能に支持する2個の円形ハウジングを備える。

前フランジ(6)及び裏蓋(7)は、ケース(3)、前フランジ(6)及び裏蓋(7)から成る箱内にブッシュ(4、5)及び歯車(1、2)を密閉するように、ケース(3)に固定される。前フランジ(6)は、駆動輪(1)の軸(10)が出る開口部を備える。従って、運動を伝達する駆動軸に接続されるために、駆動輪の軸の突出部(13)は、前フランジ(6)から前方に突出する。

ギアポンプは、2個の歯車の各歯の隔室と外部ケースとの間に存在する容積が、歯車の回転によって入口領域から出口領域に移動されるので、容積形機器である。多様な流体が使用されることができるだけでなく、様々な出口及び/又は入口圧力及びポンプ変位値も使用されることができる。

最も一般的な用途で使用される流体は、油であり、油はある程度非圧縮性である。基準圧力値は、通常入口圧力のための周囲圧力であるのに対し、出口圧力は、最大300バールに達する。

図1及び図1Aの実施例に示されているように、歯車(1、2)は、真直ぐな外歯、同じ寸法及び単一の伝達比を有する。

図2を参照すると、真直ぐな歯を有する歯車が使用される場合、動作中、歯車は伝達力(F)を伝達し、該伝達力(F)は、歯車の回転軸に関して径方向に向かう径方向の伝達力成分(Fr)(図2で示される)と、歯車の回転軸に関して横断方向に向かう横方向の伝達力成分(Ft)(図2で示されない)とに分解されることができる。

図2Aを参照すると、これらの条件で、押圧力(P)が、入口領域(図2Aの左側で濃く示された)で生成され、該押圧力は、歯車の表面に作用する。押圧力(P)の合力も、同様に2成分:径方向押圧力成分(Pr)と横断方向押圧力成分(Pt)に分解されることができる。かかる場合では、軸方向の力は全く歯車に加えられない。

国際特許出願第PCT/EP2009/066127号(特許文献1)又は米国特許第2159744号(特許文献2)若しくは米国特許第3164099号(特許文献3)で開示されるように構成されると、ヘリカルギアを使用することで、油圧回路においてポンプにより発生されるノイズ及びパルスを大幅に軽減できる。

注目すべき点として、同じ幾何学的特徴を有する2つのヘリカル歯車同士を正確に係合させるために、ねじれの傾斜を、異なる方向にしなければならない点がある。

図3A、図3B、図3C、及び図3Dでは、駆動輪(1)を有するギアポンプ及びヘリカル歯を有する従動輪(2)を開示している。ヘリカル歯を有する歯車を使用して、動作中に、軸荷重又は応力(Fa、Pa)を生成する。ヘリカル歯のねじれbが大きくなる程、軸荷重又は応力(Fa、Pa)も大きくなる(図3A、図3B)。軸応力(Fa、Pa)は、軸方向に沿って歯車の各部分に作用する伝達力(Fa)及び押圧力(Pa)を付与することによって生成される。

図3Dは、歯車(1、2)其々に作用する全軸力の合力(A、B)を示している。

対抗されなければ、軸応力(A、B)の生成により、ブッシュ(4、5)に吐出される特定の圧力が大幅に増大し、その結果、ポンプに関して、摩擦による損失から生じる機械的効率及び信頼性や最大圧力の両方が低下する。

異なる方法で、軸荷重を平衡させるという課題を解決できる。

図4を参照すると、複合ヘリカルギア(bi−helical gear)を使用することで、軸荷重の平衡に関する課題を解決することが知られているが、これは軸力(A、B)が歯車上で直接平衡されるためである。かかる解決方法は、いくつかの欠点によって十分機能しない:事実、複合ヘリカル歯車は構造上より複雑であるだけでなく、高圧ギアポンプ又はモータを製造する際により高い精度が要求されるため、かかる解決方法は、費用効果がない。

軸力を平衡させるために使用される別の方法が、米国特許第3658452号(特許文献4)に開示されており、右ポンプ(即ち、時計回りに回転する右ねじれを有する駆動軸を備えたポンプ)及び左ねじれを有する従動軸が使用されている。

図5(米国特許第3658452号の図1に対応)を参照すると、ポンプの駆動及び従動歯車(11、12)に作用する軸力(A、B)は両方共、裏蓋(16)に指向され、歯車の端部に配置され、正反対の力(A’、B’)を加える油圧ピストン(51、52)によって対抗される。油圧ピストン(51、52)は、油圧ピストンの後室(57及び58)をポンプの入口領域と接続する経路(59、60、61)によって動力を供給される。油圧ピストン(51、52)の領域は、軸力(A、B)を平衡させるために、適切に寸法取りされなければならない。

歯車に作用する軸力(A、B)は、2つの要素:押圧力(Pa)の軸方向成分(図3B)と、駆動輪から従動輪にトルクを伝達することによって生成される力(Fa)の軸方向成分(図3A)の働きによって、生成される。回転方向及び歯車に使用されるねじれの方向に関わらず、力(Pa及びFa)は、常に駆動輪で一致するのに対して、力(Pa及びFa)は、常に従動輪では一致しない。

右回転(時計回りで回転する駆動軸)する従来技術によるヘリカルギアを有するポンプが考えられ、右ねじれの駆動軸(図5)が、既知の運転速度で使用される場合、駆動軸の吸収トルクは、以下のようになる。

V =変位量 [cm3/回転] P=入口と出口との間の圧力差 [バール] m=油圧機械出力(実験で得られる値)

トルクの半分が上下運動中に駆動輪によって流体に伝達されるとすると、従動輪に伝達されるトルクMtCTDは、全トルクの半分となる。

ヘリカル歯車によって生成される軸方向伝達力Faは、以下の通りである。

Dp=歯車の動作ピッチ径[mm] =ねじれの傾斜角[]

既知の作用及び反作用の原理のために、力Faは、同じ強度で、しかし逆方向に駆動輪及び従動輪に作用する。

圧力Paによって生成された軸力は、軸方向に沿った圧力の合力である。

h=歯の高さ [mm] l=リング幅 [mm]

上記を考慮すると、力Paは、両歯車に関して、同じ強度で同じ方向となる。歯車の最も典型的な大きさによると、Pa>Faとなり、その結果力F1及びF2は、常に同じ方向となる。

補償ピストンの直径A及びBは、式(7)及び(8)から求められる。

両方の力FaとPaは、入口圧力Pの値に線形的に依存する(式(5)(6)を参照)。その結果、補償ピストンの直径を計算すると、軸力は、如何なる値の圧力Pでも完全に平衡される。

補償ピストンの使用は、作業動作や部品が単純で信頼できるため、かなり安価で作製し易い解決方法である。米国特許第3658452号(特許文献4)により開示された教示は、合成力A及びBが常に裏蓋へ指向するはず(図5参照)の単方向モータの場合にのみ、(即ち、右駆動ギア及び左従動ギアを有する右ポンプの場合、或いは左駆動ギア及び右従動ギアを有する左ポンプの場合に)軸力を平衡させるという課題を解決できる。

しかしながら、油圧制御用途の中には、双方向又は多段油圧ポンプ若しくはギアの使用を要求するものもある。

双方向ポンプ(2つの流れ方向を有する)の使用をすることで、駆動軸の回転を反転でき、その結果、オイルフロー方向及び高低圧力領域を反転する、例えば油圧アクチュエータの運動を反転できる。同様に、双方向モータの使用は、油圧モータの出力軸で得られるトルクの方向を反転する必要がある用途において、有用である。

図6Aは、軸力AとBが前フランジに指向される動作条件における、双方向ポンプの場合の軸力の分配について示している。かかる場合では、米国特許第3658452号(特許文献4)で開示された解決方法は、適用できないが、これは、運動の反転、及び出口側と入口側の反転が、図6Bに示すように、歯車(1、2)に作用する軸力(A、B)の反転を齎すためである。かかる場合では、軸力(A、B)は、裏蓋(7)ではなく、前フランジ(6)へと指向される。前フランジ(6)から突出する駆動輪(1)の軸の必然的な凸部(13)のために、駆動輪(1)の軸力(A)は、図5で示された解決方法でのように、油圧ピストンによって平衡されなくなる。

同じ状況が、高圧流体入口側と低圧流体出口側を有する油圧モータに見られる。かかる場合では、駆動輪と従動輪が全く存在せず、単に第1歯車(1)と第2歯車(2)が存在する。また、軸(13)の凸部は、モータではなく、負荷に接続されるように適合される。

図7では、前段(SA)及び後段(SB)を含む多段の二段ポンプを示している。明瞭化するために、図7では二段ポンプを示しているが、この解決方法は、より多くの段にも適用されることもできる。多連ポンプは、複数の独立した回路を単一の動力取出装置(power take−off)に接続する必要がある。かかる場合には、ポンプは並列接続され、後段(SB)は必要なトルクを、機械的接続部(500)(オルダム継手又はスプライン継手等) によって、前段(SA)の駆動輪の軸から、受ける。多連ポンプの場合でも、米国特許第3658452号(特許文献4)で開示された解決方法は、適用できないが、これは、前段(SA)の1つの歯車の軸端部(T)が、後段(SB)に運動を伝達するように係合されるためである。実際に、前段(SA)は、密閉された裏蓋を備えられない、これは、歯車の軸の端部(T)が、後段(SB)に運動を伝達するのに裏面に突出しなければならないためである。

一般に、米国特許第3658452号(特許文献4)で開示された教示は、軸力(A、B)が、歯車の軸が交差するポンプの側面に指向される際には、適用できない。

国際特許出願第PCT/EP2009/066127号

米国特許第2159744号

米国特許第3164099号

米国特許第3658452号

本発明の目的は、双方向又は多段式のヘリカル歯を有するギアポンプ又は油圧モータにおいて軸力を平衡させるために油圧システムを提供することによって、従来技術の欠点を改善することである。

この目的は、付記した独立クレーム1に記載した特徴を有する、本発明によって達成される。

有利な実施形態については、従属クレームから明らかになる。

本発明のギアポンプ又はモータは: −軸に接合される第1歯車; −軸に接合され、第1歯車と係合する第2歯車; −歯車の軸を回転可能に支持する支持体; −支持体を収容し、流体入口ダクト及び流体出口ダクトを画定するケース; −軸の凸部が前方に突出し、第1歯車の軸に接続される前フランジであって、軸の凸部がモータ又は負荷に接続されるよう適合される前フランジ;及び −ケースに固定される裏蓋を含み、 −上記歯車の歯は、ヘリカル型である。

また、本発明のギアポンプ又はモータは: −上記ケースと上記前フランジとの間に配置される中間フランジであって、接続ダクトによって入口又は出口流体ダクトに接続される第1室を含む中間フランジ; −第1歯車にかかる軸力を補償し、第1歯車の軸への運動伝達を可能にするように、中間フランジの上記第1室に取付けられ、第1歯車の上記軸の一部に嵌挿される補償リングを更に含み、 該補償リングは、内部が空洞のシリンダと、該シリンダから径方向に突出するカラーを含み、シリンダとカラーの外径は、第1歯車にかかる軸力を補償するように、選択される。

ギアポンプ又はモータに印加される軸力に関する補償システムの利点は、明白である。 事実、かかる軸力に関する補償システムは、補償リングによって、第1ギアの軸力を平衡可能にすると同時に、第1ギアの軸から別の軸に運動を伝達可能にする。

本発明に関する更なる特徴については、添付図を参照して、以下の詳細な説明によって明白になろう、但し添付図は、例示目的のみで、限定目的を有するものではない。

従来技術による真直ぐな歯を有するギアポンプの軸方向図である。

図1のA−A断面に沿った断面図である。

図1と同じ図であるが、径方向の伝達力を示している。

図1Aと同じ図であるが、径方向及び横断方向の押圧力を示している。

ヘリカル歯を有するギアポンプの軸方向図であり、径方向及び軸方向の伝達力を示している。

図3Aと同じ図であるが、径方向及び軸方向の押圧力を示している。

図3Aと同じ図であるが、ポンプが左回転する際の、軸方向伝達力及び押圧力を示している。

図3Aと同じ図であるが、ポンプの裏蓋へ指向する軸方向の伝達力と押圧力の合力を示している。

従来技術による複合ヘリカルギアポンプの軸方向図である。

米国特許第3658452号の図1に対応する従来技術によるヘリカルギアポンプの軸方向図である。

図3Cと同じ図であるが、ポンプが右回転する際の、軸方向伝達力及び軸方向押圧力を示している。

図6Aと同じ図であり、ポンプの前フランジへ指向する軸方向の伝達力と押圧力の合力を示している。

従来技術による多連ポンプの2段に関する分解図である。

本発明による双方向タイプのギアポンプを示す軸方向図であり、ポンプの入口ダクトに接続された幾つかの高圧経路が、濃い色で示されている。

図8のポンプに関する断面図であり、出口領域が濃い色で示されている。

運動を反転させた後の図9と同じ図であるが、出口領域が濃い色で示されている。

運動を反転させた後の図8と同じ図であるが、ポンプの入口ダクトに接続された幾つかの高圧経路が、濃い色で示されている。

図11のポンプの軸推力の補償システムの幾つかの要素に関する軸方向の分解図である。

2段から成る、本発明による多段ポンプの軸方向図である。

図12の細部に関する拡大図であり、軸推力の補償システムを示している。

3段から成る、本発明による多段ポンプの部分軸方向図である。

図8乃至図11を参照すると、本発明による双方向ギアポンプが開示されており、全体的に参照番号(100)としている。

本明細書の以下では、上述した要素と同じ又は対応する要素は、同じ参照番号で示し、詳細な説明を省略している。

ポンプ(100)は、第1歯車(1)、第2歯車(2)、閉位置にある裏蓋(7)、及び軸の凸部(13)が前方へ突出し、第1歯車(1)の軸(10)に接続される前フランジ(6)を含む。両歯車(1、2)は、ヘリカル歯を備える。

軸の凸部(13)は、運動系機構を時計回りに又は反時計回りに回転させられるモータ(M)に接続される。かかる場合、第1歯車(1)は、駆動輪であり、第2歯車(2)は、従動輪である。

図9を参照すると、モータ(M)が反時計回りに駆動輪(1)を回転させると、濃い色で示された出口領域(高圧)が、ケース(3)の左側に生成され、それに対して入口領域(低圧)が、ケース(3)の右側に生成される。

図8を参照すると、かかる場合には、裏蓋(7)に向かう各軸力(A、B)が、歯車(1、2)で生成される。

米国特許第3658452号(特許文献4)の教示では、裏蓋(7)に作用する軸力(A、B)を平衡させるようにしていた。2室(70、71)が裏蓋(7)に設けられ、両室内に其々第1ピストン(270)及び第2ピストン(271)が配置されている。ピストン(270、271)は、歯車(1、2)の軸(10、20)の後端縁で軸方向に作動する。

2つのダクト(72、73)が、裏蓋(7)に設けられ、2つのダクトは、ポンプの出口室(図9の濃い色の部分で示された)を、2ピストン(270、271)の室(70、71)と連通させる。上記に鑑みると、ピストン(270、271)は、歯車の軸(10、20)を押圧し、歯車に作用する軸力(A、B)を平衡させる力(A’、B’)を作用させる。

図10を参照すると、モータ(M)が、回転方向を反転させ、駆動輪(1)を時計回り回転にすると、濃い色で示された出口領域(高圧)が、ケース(3)の右側に生成されるのに対して、入口領域(低圧)が、ケース(3)の左側に生成される。

図11を参照すると、かかる場合には、前フランジ(6)に向かう各軸力(A、B)が、歯車(1、2)で生成される。

中間フランジ(8)が、上記力(A、B)を補償するために、ケース(3)と前フランジ(6)との間に配置される。

図11Aを参照すると、上記中間フランジ(8)は、駆動歯車の軸(10)の端部(T)を通過可能にするために、貫通孔(85)を備える。

中間フランジ(8)は、貫通孔(85)周りに設けられる、円環形をした第1室(80)、及び従動輪(2)の軸(20)に対して軸方向位置にある、円筒形をした第2室(81)を含む。

ダクト(82)は、中間フランジ(8)内に設けられ、2つの室(80、81)を、ポンプの出口ダクト(図10の濃い色で示されている)と連通させる。

補償リング(9)は、第1室(80)内に備えられる。補償リング(9)は、駆動輪の軸(10)の端部(T)に嵌挿される。そのために、肩部(15)は、駆動輪の軸の端部(T)に対して近接位置に設けられ、肩部で、補償リング(9)が止められる。有利には、ポンプの高圧領域から低圧領域に流体を漏出させる可能性がある不所望な摩擦を回避するために、補償リング(9)は、軸(10)の端部(T)でスプライン結合される。

補償リング(9)は、シリンダ(90)と、該シリンダ(90)から径方向に外方へ突出するカラー(91)を含む。補償リング(9)の内部は空洞であり、駆動輪の軸端部(T)を通過させるために、貫通孔(92)を備える。貫通孔(92)は、スプライン結合される雌部を有する一方で、軸(10)の端部(T)は、スプライン結合される雄部を有する。

2個の運動用シール(95、96)が、高圧領域から低圧領域へ漏出する可能性を取除くように補償リング(9)を支持するために、中間フランジ(8)の第1室(80)に配置される。

円筒形ピストン(88)は、中間フランジの第2室(81)内に配置される。

歯車の回転方向が、図10に示されている通りである場合、中間フランジの両室(81、80)は、出口ダクト(高圧)と連通されており、その結果、流体は、ギアに加えられた軸力(A、B)を補償するように、矢印(A’、B’)の方向に、補償リング(9)とピストン(88)を押圧する(図11参照)。

図11Aを参照すると、補償リングのカラー(91)は、外径(d1)を有し、補償リングのシリンダ(90)は、外径(d2)を有する。

直径d1及びd2で規定される環状領域は、軸力(A)を完全に補償するようなものとする。直径d1及びd2の値は、円形領域の代わりに、相当領域を有する環状部を考慮して、式(7)で算出される。一方の直径は、構造上の要件に従って固定され、他方の直径は、以下の式で算出される。

ピストン(88)は、外径(d3)を有する。ピストン(88)の寸法(d3)は、軸力(B)を完全に補償するようなものとする。d3の値は、以下の式から直接算出できる。

本発明の好適実施形態によると、軸力は、駆動歯車(1)の軸と従動歯車(2)の軸との両方で、其々補償リング(9)とピストン(88)によって、平衡される。しかしながら、駆動輪(1)の軸にかかる軸推力の合力(A)は、従動輪(2)の軸にかかる軸推力の合力(B)より遥かに高いと考えられなければならない。従って、ピストン(88)は、任意であり、省略されてもよい。

図8及び図11に示されているように、駆動輪の軸端部(T)は、中間フランジ(8)から外方に突出し、モータ(M)に接続された上記凸部(13)を備えた駆動軸(12)に、機械的接続体(500)によって、接続される。

機械的接続体(500)は、スプライン継手、オルダム継手又は他の種類の継手とすることができる。機械的接続体(500)は、中間フランジ(8)に対して止められるプレート(501)に収容される。

中間プレート(600)には、軸(12)を回転可能に支持するベアリング(601)を任意に設けることができる。中間プレート(600)は、前フランジ(6)と、機械的接続体(500)を収容するプレート(501)との間に配置される。

図8乃至図11は、ポンプに関するが、同図は、油圧モータに関してもよく、該油圧モータでは、ポンプ出口(高圧領域)がモータ流体の入口に相当し、ポンプ入口(低圧領域)が、モータ流体の放出部に相当する。油圧モータの場合、駆動輪及び従動輪が全く存在せず、単に第1歯車(1)及び第2歯車(2)が存在する。また、軸の凸部(13)は、モータ(M)にではなく、負荷に接続されるよう適合させられる。

図12及び図13は、多連ギアポンプ(200)を示す。

多連ギアポンプ(200)は、前段(SA)及び後段(SB)を含む。各段は、ヘリカル歯を有する歯車を含む。

後段(SB)は、ポンプの最終段であり、従って裏蓋(7)で密閉され、そこから軸は突出しない。軸の凸部(13)は、前フランジ(6)から前方に突出し、モータ(M)に接続されている。

前段(SA)の駆動輪の軸端部(T)は、2段(SA、SB)の間に配置されたプレート(501)に収容された機械的接続体(500)によって、後段(SB)の駆動歯の軸端部(T)に接続される。

かかる場合、前段と後段の歯車は、全てが裏蓋(7)に指向する各軸力(A、B、C、D)を受ける。

その結果、後段(SB)の歯車への軸力(C、D)は、裏蓋(7)に配置されたピストン(270、271)の動きによって平衡される。

代わりに、前段(SA)の歯車への軸力(A、B)は、中間フランジ(8)に配置された補償リング(9)とピストン(88)の動きによって平衡される。図13に示されるように、補償リング(9)とピストン(88)は、前段(SA)の歯車(1、2)に加えられた軸力(A、B)を補償する各軸力(A’、B’)を発生させる。

機械的接続体(500)を収容するプレート(501)は、中間フランジ(8)と後段(SB)との間に配置される。

図14を参照すると、多連ギアポンプ(200)は、前段(SA)と後段(SB)との間に配置される1段又は複数段の中間段(SI)を含むことができる。各中間段(SI)は、ヘリカル歯を有する第1歯車(1)及び第2歯車(2)を含む。中間(SI)の第1歯車(1)は、前方に配設された段(SA)の駆動輪(1)の軸端部(T)からの運動を受け、それに応じて、中間段の第1歯車の軸を後段(SB)の第1歯車の軸に接続する機械的接続体(500)によって、後段(SB)に運動を与える。

かかる場合、更なる中間フランジ(8)が、中間段(SI)のケースと機械的接続体(500)との間に配置される。中間フランジ(8)の補償リング(9)は、中間段(SI)の第1歯車(1)の軸推力(A)を補償する。

変更及び変形は、提示した本発明の実施形態に対して、当該分野の専門家にとって実現可能な範囲内で、且つ本発明の範囲内で、行われることができる。

1 駆動輪 2 従動輪 3 ケース 4、5 ブッシュ 6 前フランジ 7 裏蓋 8 中間フランジ 9 補償リング 10、20 軸 12 駆動軸 13 凸部 15 肩部 70、80 第1室 71、82 第2室 72、73、82 ダクト 88、270、271 ピストン 90 シリンダ 91 カラー 92 貫通孔 95、96 運動用シール 100、200 ギアポンプ 500 機械的接続体 501 プレート 600 中間プレート 601 ベアリング

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