内歯歯車ポンプ

申请号 JP2014531149 申请日 2012-08-07 公开(公告)号 JP5905106B2 公开(公告)日 2016-04-20
申请人 ローベルト ボッシュ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング; 发明人 レーネ・シェップ; ノルベルト・アラーゼ;
摘要
权利要求

ポンプケース(10)と、内歯のリングギヤ(4)と、該リングギヤ(4)内に偏心して配置され、周部分で該リングギヤ(4)と噛み合っている外歯のピニオン(2)と、前記リングギヤ(4)と前記ピニオン(2)との間にして、該ピニオン(2)が前記リングギヤ(4)と噛み合っている前記周部分の外側に配置され、ポンプインレット(7)と連通している吸込み側(S)を、ポンプアウトレット(8)と連結している吐出側(P)と連通させているポンプ室(6)とを備えた内歯歯車ポンプにおいて、前記内歯歯車ポンプ(1)が、前記ポンプケース(10)内に相対回転不能に配置される支持リング(5)を有し、該支持リング内で前記リングギヤ(4)が相対回転可能に配置されていること、前記支持リング(5)が、前記ポンプ室(6)の前記吐出側(P)の領域に、圧の作用を受ける加圧ポケット(12)を有し、該加圧ポケットが内側へ前記リングギヤ(4)に対し開口しており、 前記支持リング(5)が、前記加圧ポケット(12)の周端に、前記リングギヤ(4)の外面に当接するパッキンリップ(15)を有していることを特徴とする内歯歯車ポンプ。前記加圧ポケット(12)が前記吐出側(P)および/または前記ポンプアウトレット(8)と連通していることを特徴とする、請求項1に記載の内歯歯車ポンプ。前記支持リング(5)がプラスチックから成っていることを特徴とする、請求項1に記載の内歯歯車ポンプ。前記支持リングがポリテトラフルオロエチレンから成っていることを特徴とする、請求項3に記載の内歯歯車ポンプ。前記パッキンリップ(15)の外面が前記加圧ポケット(12)内で支配的な圧力の作用を受けていることを特徴とする、請求項1に記載の内歯歯車ポンプ。前記加圧ポケット(12)が側部にて開口し、且つパッキン(14)を有し、該パッキンが、前記加圧ポケット(12)を側方から密封し、且つ前記加圧ポケット(12)内で支配的な圧力の作用を受けていることを特徴とする、請求項1に記載の内歯歯車ポンプ。前記加圧ポケット(12)の前記パッキン(14)がエラストマーから成っていることを特徴とする、請求項6に記載の内歯歯車ポンプ。前記内歯歯車ポンプ(1)が液圧式車両ブレーキ装置のハイドロポンプであることを特徴とする、請求項1に記載の内歯歯車ポンプ。前記ポンプケース(10)が液圧式車両ブレーキ装置のハイドロリックブロックによって形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の内歯歯車ポンプ。

说明书全文

本発明は、請求項1の前文の構成を備えた内歯歯車ポンプに関するものである。

特許文献1は、内歯のリングギヤとピニオンとを備えた内歯歯車ポンプを開示している。ピニオンはリングギヤ内に偏心して配置されて、周部分でリングギヤと噛み合い、その結果ピニオンの回転駆動によってリングギヤも回転駆動され、内歯歯車ポンプは公知の態様で作動液を搬送する。リングギヤはポンプケース内に回転可能に支持されている。リングギヤは内歯の歯車であり、ピニオンは外歯の歯車である。この外歯の歯車はリングギヤと言葉上区別するためにここではピニオンと記すことにする。リングギヤとピニオンとは内歯歯車ポンプの歯車とも呼ぶことができる。内歯歯車ポンプの両歯車が互いに噛み合っている周部分の外側には、リングギヤとピニオンとの間に三日月状の中空空間(ここではポンプ室と記す)がある。ポンプ室内には分離部材が配置されている。この分離部材はその形状のために三日月状部材または三日月体とも呼ばれる。リングギヤの歯の歯頭は分離部材の外面に当接し、ピニオンの歯の歯頭は分離部材の内面に当接し、その結果作動液がこれら歯車の歯中空空間内に封じ込められ、内歯歯車ポンプの前記歯車の回転駆動時に吸込み側から吐出側へ搬送される。分離部材はポンプ室を吸込み領域と吐出領域とに分割し、吸込み領域はポンプインレットと連通し、吐出領域はポンプアウトレットと連通している。

独国特許第19613833B4号明細書

請求項1の構成を備えた本発明による内歯歯車ポンプは支持リングを有し、該支持リングはポンプケース内に相対回転不能に配置され、該支持リング内でリングギヤが回転可能に支持されている。支持リングは、ポンプケース材料とは異なる、リングギヤを回転可能に支持するための材料を可能にし、たとえばより耐摩耗性のある材料および/またはより摩擦の少ない材料を可能にし、または支持リングの材料よりも安価な材料からポンプケースを製造することも可能にする。

本発明による内歯歯車ポンプの支持リングは、ポンプ室の加圧領域に、圧の作用を受ける加圧ポケットを有し、該加圧ポケットは内側へリングギヤに対し開口している。加圧ポケットは中空空間または一種の凹部であり、半径方向に深く形成されている必要はなく、平坦であってよい。前記圧力の作用により、リングギヤはポンプ室の加圧領域で外側から圧力の作用を受ける。これにより、ポンプ室の加圧領域における内側からのリングギヤに対する圧力の作用が理想的に相殺され、或いは、少なくとも部分的に相殺される。内側からの圧力の作用によって生じるラジアル力は完全にまたは少なくとも部分的に相殺され、場合によっては過剰相殺され、その結果リングギヤに作用するラジアル力はゼロまたは少なくとも小さく、或いは少なくとも減少する。相殺の程度は、支持リングの加圧ポケットに圧力を作用させるリングギヤの周面積と、内側からリングギヤに作用する圧力と内側から作用を受ける面積との比率で表わされる、加圧ポケット内での圧力の作用の強さとに依存している。支持リング内に加圧ポケットを設けたことにより、本発明による内歯歯車ポンプはそのリングギヤの完全なまたは部分的なラジアル相殺を有している。

本発明は、そもそも、ポンプ室内に分離部材を有し、分離部材がほぼ三日月状であるために三日月形ポンプと呼ばれることのある内歯歯車ポンプに対しなされたものである。しかしながら、本発明はポンプ室内に分離部材を有していないいわゆる環状歯車ポンプに対しても適用可能である。

従属請求項は、請求項1に記載した発明の有利な構成および更なる構成を対象としている。

請求項2によれば、加圧ポケットはポンプ室の加圧領域および/またはポンプアウトレットと連通し、この場合加圧領域はポンプアウトレットと連通し、その結果内歯歯車ポンプによる作動液の流動による圧力損失を度外視すれば、両者には同じ圧力が支配する。本発明のこの構成には、加圧ポケット内での外側からのリングギヤに対する圧力作用がポンプ室の加圧領域における内側からの圧力作用に適合し、これによってラジアル相殺はポンプ室の加圧領域内およびポンプアウトレット内での圧力の変化にほとんど関係ないという利点がある。

本発明の構成によれば、支持リングはプラスチックから成り(請求項3)、たとえばポリテトラフルオロエチレン(PTFE;請求項4)から成っている。ポリテトラフルオロエチレンは、摩擦抵抗が低く、摩耗安定性が高い優れた滑り軸受特性を有している。プラスチック、特にポリテトラフルオロエチレンの更なる利点は、内歯歯車ポンプの歯車およびもし設けられていれば分離部材の幅に正確に整合させることによる支持リングの軸線方向校正である。

本発明の更なる構成によれば、リングギヤの外面に当接するパッキンリップが密封ポケットの周端に設けられている(請求項5)。好ましくは、このようなパッキンリップは密封ポケットの両周端に設けられる。特に支持リングがプラスチックから成っている場合の該支持リングの弾性は、このようなパッキンリップの形成を可能にする。

密封のため、請求項6によれば、パッキンリップの外面は加圧ポケット内で支配的な圧力の作用を受けている。これによってパッキンリップは比較的高圧でリングギヤの外面に比較的強く押圧され、よって低圧の場合と同様に高圧でも好適に密封を行う。

請求項7によれば、密封ポケットは側部にて開口している。ポンプケースの境界端壁での密封、または、ポンプ室と密封ポケットとを側方で画成しているいわゆるスラストディスクでの密封は、密封ポケット内で支配的な圧力の作用を受けているパッキンを用いて行う。密封ポケット内で支配的でパッキンに作用する圧力はパッキンを半径方向に圧縮し、これによってパッキンは側方へ伸張する。これは、圧力の上昇に伴ってパッキンがポンプケースの端壁またはスラストディスクにより強く当接し、その結果圧力上昇時の密封作用が改善されることを意味している。これにより高圧の場合と同様に低圧での好適な密封が達成される。

請求項8によれば、密封ポケットのパッキンはエラストマーから成っている。エラストマーは、その材料特性により、特に圧力が変動する場合でも、密封ポケットの側部密封に対し特に適している。

特に、本発明による内歯歯車ポンプは、液圧式車両ブレーキ装置のハイドロポンプとして設けられ、たとえばトラクションコントロールを有する液圧式車両ブレーキ装置のいわゆる逆送ポンプとしておよび/または液圧式車両パワーブレーキ装置の圧力生成のために設けられている。これは請求項9の対象である。ブレーキ液は作動液よりも潤滑特性が悪いので、本発明による内歯歯車ポンプを液圧式車両ブレーキ装置で使用する際には、リングギヤをポンプケース内でダイレクトに支持する代わりに固有の支持リングで回転支持するのが特に有利である。また、小型のサイズ(本発明による内歯歯車ポンプの歯車は、液圧式車両ブレーキ装置のハイドロポンプとしてほぼ2ないし3mmの幅を有する)には、とりわけ製造精度に対する特別な要請がなされるが、これはリングギヤを直接ポンプケース内で回転支持する場合よりも本発明による構成を用いてより好適に解決することができる。

本発明による内歯歯車ポンプのポンプケースはいわゆるハイドロリックブロックであってよく、或いは、液圧式車両ブレーキ装置のこのようなハイドロリックブロックの1つの領域であってよい(請求項10)。このようなハイドロリックブロックは、トラクションコントロールを有する液圧式車両ブレーキ装置から公知である。ハイドロリックブロック内には、1つまたは複数のハイドロポンプ(すなわちここでは内歯歯車ポンプ)以外に、或いは、このような内歯歯車ポンプの各ブレーキ回路のために、ソレノイド弁、ハイドロアキュムレータ、およびトラクションコントロールのその他の液圧構成要素が組み込まれ、互いに液圧接続されている。内歯歯車ポンプを駆動するためのポンプモータとしての電動機は、通常ハイドロリックブロックにフランジ結合されている。

次に、本発明を図面に図示した1実施形態に関して詳細に説明する。

本発明による内歯歯車ポンプの側面図である。

図面に図示した本発明による内歯歯車ポンプ1は、ハイドロポンプまたはいわゆる逆送ポンプとして、トラクションコントロールを有する液圧式車両ブレーキ装置内に設けられている。ピニオン2は、支持リング5内に回転可能に受容されている内歯のリングギヤ4内に偏心して配置されている。ピニオン2は周部分でリングギヤ4と噛み合っている。ポンプ軸3によるピニオン2の回転駆動により、リングギヤ4が一緒に回転駆動され、その結果内歯歯車ポンプ1はそれ自体公知の態様で流体を、本発明による内歯歯車ポンプ1の図示した実施形態ではブレーキ液を搬送する。ピニオン2とリングギヤ4とは内歯歯車ポンプ1の歯車2,4とも記すことにする。内歯歯車ポンプ1は、歯車2,4が互いに噛み合っている周部分に対向するように、ピニオン2とリングギヤ4との間に三日月状のポンプ室6を有している。ポンプ室6両端部の領域では、ポンプ軸3に平行に孔がポンプ室6内に開口している。これら2つの孔の1つはポンプインレット7を形成し、他の孔はポンプアウトレット8を形成している。ポンプインレット7は内歯歯車ポンプ1の吸込み側、ポンプアウトレット8は吐出側と見なすこともできる。

ポンプインレット7とポンプアウトレット8との間には、分離部材9がポンプ室6内に配置され、分離部材はその形状のために三日月体または三日月状部材とも呼ばれる。分離部材9はポンプ室6の吸込みインレット側Sを加圧アウトレット側Pから分離させている。分離部材9の外面はリングギヤ4の歯の歯頭に当接し、分離部材9の内面はピニオン2の歯の歯頭に当接している。分離部材9は吸込み側Sでピンで支持され、該ピンは分離部材9の吸込み側Sでポンプ室6をポンプ軸3に平行に貫通して、分離部材9のための対向支持部材16を形成している。

支持リング5はポンプケース10内に相対回転不能に配置されている。支持リングはピニオン2を有し、すなわちポンプ軸3上に相対回転不能に配置されている外歯の歯車を有している。内歯歯車ポンプ1の内部部材を見えるようにするためにケースカバーは図示していない。ポンプ室6は側部をアキシアルプレート11によって画成され、アキシアルプレートは分離部材9の歯車2,4の端面および支持リング5の端面に当接している。アキシアルプレート11をポンプ軸3と対向支持部材16とが貫通し、これによってアキシアルプレートは相対回転不能に保持されている。アキシアルプレート11は軸線方向に可動であり、歯車2,4とは逆の側のその外面が、ポンプアウトレット8内で支配的な圧力の作用を受け、これによって歯車2,4の端面と分離部材9の端面とに押圧されて密封状態で当接する。アキシアルプレート11は吐出側Pと分離部材9とを覆っており、該アキシアルプレート11によって一部分だけ覆われている吸込み側Sの一部まで達している。ポンプアウトレットのために、両アキシアルプレート11の少なくとも1つはポンプアウトレット8と合同の穴を有している。ポンプインレット7はアキシアルプレート11の外側にある。

支持リング5は、ポンプ室6の吐出側Pの領域に、加圧ポケット12を有し、該加圧ポケットは、周方向において分離部材9の中央領域から、歯車2,4が互いに噛み合っている領域付近まで延在している。加圧ポケット12は支持リング5の内面にて開口している繰り抜き部である。その中では、ポンプアウトレット8またはポンプ室6の吐出側Pからの圧力が支配的である。図示した実施形態では、支持リング5内の加圧ポケット12は、アキシアルプレート11の歯車2,4側内面に設けた切欠き13を通じて吐出側Pと連通している。切欠き13はT字状であり、その軸部は半径方向において吐出側Pから外側へ加圧ポケット12まで延在し、そこで切欠き13の軸先部が周方向に部分的に延在している。切欠き13のこの形状は本発明にとって強制的なものではなく、加圧ポケット12が吐出側Pまたはポンプアウトレット8の圧力と連通していることが重要であり、これは基本的には、アキシアルプレート11の内面に切欠き13を設けた態様とは異なる態様で実現されていてもよい。

リングギヤ4の外面は、加圧ポケット12の領域で、リングギヤ4が吐出側Pで内側からも作用を受ける圧力と同じ圧力の作用を受ける。これは吐出側Pでの圧力の大きさに関係なく行われ、すなわちポンプアウトレット8内の圧力が変化しても行われる。吐出側Pの圧力の作用を受けている加圧ポケット12により、リングギヤ4の内面での圧力が生じさせるラジアル力の完全なまたは部分的なまたは過剰な相殺が行われる。スラスト力の相殺の大きさは、加圧ポケット12が周方向にどの程度延在しているかに依存している。加圧ポケット12が比較的長ければ、内側へ向けられるラジアル力はリングギヤ4に及ぼされ、加圧ポケット12が周方向に比較的短ければ、外側へ向けられるラジアル力がリングギヤ4に及ぼされる。通常は、ラジアル力を相殺するような加圧ポケット12が得られるように尽力され、その結果リングギヤ4はラジアル力を受けず、或いは、リングギヤ4を加圧ポケット12に対向している支持リング5の側面に対しわずかな力で押圧するようなわずかな過剰相殺が行われる。

加圧ポケット12は側部が開口している。アキシアルプレート11に対する密封はストライプ状のパッキン14を用いて行い、該パッキンは加圧ポケット12の底部に、すなわち外面に配置されている。パッキン14は、加圧ポケット12内で支配的な圧力の作用を受け、すなわち内歯歯車ポンプ1のアウトレット圧の作用を受ける。この圧力作用はパッキン14を半径方向に圧縮させ、これによってパッキンは側方へ伸張する。これにより、パッキン14はアウトレット圧が上昇すると、側方外側へアキシアルプレート11に対し強く押圧され、これによってアウトレット圧が高くてもパッキンは良好に密封を行う。パッキン14はエラストマーから成り、その特性により加圧ポケット12の側部密封に好適である。

支持リング5はプラスチックから成り、その弾性により加圧ポケット12の周端でのパッキンリップ15の形成を可能にする。パッキンリップ15はリングギヤ4に外側から当接し、その外面に、加圧ポケット12内で支配的な圧力が作用し、すなわち内歯歯車ポンプ1のアウトレット圧が作用する。これによって加圧ポケット12の、その周端での良好な密封が達成される。本実施形態では、支持リングはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)から成り、ポリテトラフルオロエチレンは良好な滑動性を有し、摩耗が少なく、加えてパッキンリップ15に適している。

内歯歯車ポンプ1は、図示していない液圧式車両ブレーキ装置のハイドロポンプであり、トラクションコントロール用および/または液圧式車両パワーブレーキ装置での圧力生成用のいわゆる逆送ポンプとして設けられている。ポンプケース10は車両ブレーキ装置のハイドロリックブロックによって形成され、このハイドロリックブロックのうち図面には内歯歯車ポンプを取り囲んでいる一部が図示されている。ハイドロリックブロック内にはソレノイド弁、緩衝室、ハイドロアキュムレータ等の他の液圧構成要素が配置され、互いに液圧接続されている。このようなハイドロリックブロックはトラクションコントロールを有する液圧式車両ブレーキ装置用に公知のものであり、ここでこれ以上詳細に説明する必要はない。

1 内歯歯車ポンプ 2 ピニオン 4 リングギヤ 5 支持リング 6 ポンプ室 7 ポンプインレット 8 ポンプアウトレット 10 ポンプケース 12 加圧ポケット 14 パッキン 15 パッキンリップ P 吐出側 S 吸込み側

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