液体用ポンプ及びランキンサイクル装置

申请号 JP2015116926 申请日 2015-06-09 公开(公告)号 JP2017002793A 公开(公告)日 2017-01-05
申请人 パナソニック株式会社; 发明人 引地 巧;
摘要 【課題】高い信頼性を有する液体用ポンプを提供する。 【解決手段】本開示の液体用ポンプ(1)は、圧 力 容器(10)と、シャフト(13)と、第一軸受(29)と、第二軸受(27)と、ポンプ機構(12)と、スラスト軸受(30)とを備える。圧力容器(10)の内部空間が高圧側空間(18)と低圧側空間(19)とに区分けされている。シャフト(13)は、スラスト被支持面(13c)を有し、シャフト(13)の両端の一方が高圧側空間(18)に配置され、かつ、シャフト(13)の両端の他方が低圧側空間(19)に配置されている。ポンプ機構(12)は、第一軸受(29)と第二軸受(27)との間に配置され、シャフト(13)の回転によって液体を圧送する。スラスト軸受(30)は、第一軸受(29)と第二軸受(27)との間でスラスト被支持面(13c)に対向するように配置されている。 【選択図】図1
权利要求

容器であって、当該圧力容器の内部空間が高圧側空間と低圧側空間とに区分けされている圧力容器と、 前記圧力容器の前記内部空間に配置されたシャフトであって、当該シャフトの半径方向に延びるスラスト被支持面を有し、当該シャフトの軸線方向の両端の一方が前記高圧側空間に配置され、かつ、前記両端の他方が前記低圧側空間に配置されたシャフトと、 前記両端の前記他方よりも前記高圧側空間側に配置され、前記シャフトを前記シャフトの半径方向に支持する第一軸受と、 前記第一軸受よりも前記低圧側空間側に配置され、前記シャフトを前記シャフトの半径方向に支持する第二軸受と、 前記シャフトの軸線方向において前記第一軸受と前記第二軸受との間に配置され、前記シャフトの回転によって液体を圧送するポンプ機構と、 前記シャフトの軸線方向において前記第一軸受と前記第二軸受との間で前記スラスト被支持面に対向するように配置され、前記シャフトの軸線方向の荷重を支持するスラスト軸受と、を備えた、 液体用ポンプ。前記シャフトの外周において、前記高圧側空間から、前記第一軸受、前記スラスト軸受、及び前記第二軸受の順番に前記第一軸受、前記スラスト軸受、及び前記第二軸受を経由して前記低圧側空間まで延びる液体のための微小流路が形成されている、請求項1に記載の液体用ポンプ。前記ポンプ機構は、前記シャフトの回転方向において前記シャフトに対して固定され、かつ、前記シャフトの軸線方向において前記シャフトに対して移動可能であるように前記シャフト取り付けられている、回転部材を備える、請求項1又は2に記載の液体用ポンプ。前記シャフトの前記第二軸受によって支持される部分の直径は、前記シャフトの前記第一軸受によって支持される部分の直径よりも小さく、かつ、前記第二軸受の内径は前記第一軸受の内径よりも小さい、請求項1〜3のいずれか1項に記載の液体用ポンプ。請求項1〜4のいずれか1項に記載の液体用ポンプと、 作動流体を加熱する加熱器と、 前記加熱器によって加熱された前記作動流体を膨張させるための膨張機と、 前記膨張機によって膨張した前記作動流体の有する熱を放熱する放熱器と、を備え、 前記液体用ポンプは、前記ポンプ機構によって、前記放熱器を通過した液体状態の前記作動流体を前記液体として吸入し、かつ、前記液体を前記加熱器に向かって圧送する、 ランキンサイクル装置。

说明书全文

本開示は、液体用ポンプ及びランキンサイクル装置に関する。

昨今、太陽光などの自然エネルギー又は各種排熱を利用するエネルギーシステムが注目されている。そのようなエネルギーシステムの一つは、ランキンサイクルを有するシステムである。ランキンサイクルを有するシステムは、一般に、高温高圧の作動流体で膨張機を動作させ、膨張機によって作動流体から取り出した動によって発電を行う。高温高圧の作動流体は、ポンプ及び熱源(太陽熱、地熱、自動車の排熱などの熱源)によって生成される。このため、ランキンサイクルを有するシステムにおいて液体用ポンプが使用される。

図5に示す通り、特許文献1には、ランキンサイクルを有するシステムにおいて使用される液体用ポンプではないが、ルームエアコンディショナー等に使用され、液冷媒を搬送する冷媒ポンプ300が記載されている。冷媒ポンプ300は、密閉容器310、ブラシレス直流電動機311、及びポンプ機構部312を備える。ブラシレス直流電動機311は、固定子311a及び回転子311bによって構成されている。固定子311aは、密閉容器310の外側に取り付けられ、回転子311bは、密閉容器310の内側に配置されている。回転子311bの最外周部には磁石305が張り付けられている。回転子311bの中心部には駆動軸313が圧入されている。駆動軸313は、ブラシレス直流電動機311で発生した回転力を伝達する。ポンプ機構部312は、インナーロータ325及びアウターロータ324を備える。アウターロータ324は、インナーロータ325と噛みあってポンプ室を形成する。インナーロータ325及びアウターロータ324は、シリンダ315内に収容され、フロントプレート316とリアプレート314とによって挟み込まれている。フロントプレート316の中心部には、駆動軸313を支持する第1の軸受327が配置されている。フロントプレート316には吸入ポート322が形成されている。リアプレート314には吐出ポート323が形成されている。リアプレート314によって密閉容器310の内部が吸入圧力空間と吐出圧力空間とに分かれている。

ポンプ機構部312においてポンプ作用が発生すると、液冷媒が吸入管321から吸い込まれ密閉容器310の内部に入る。密閉容器310の内部に入った液冷媒の一部は、吸入ポート322を経てポンプ室に入る。液冷媒はポンプ室で昇圧された後、吐出ポート323、穴317、及び吐出管320を通過して密閉容器310の外側へ排出される。

特開平3−179187号公報

特許文献1に記載の冷媒ポンプ300は信頼性を向上させる余地を有している。そこで、本開示は高い信頼性を有する液体用ポンプを提供する。

本開示は、 圧力容器であって、当該圧力容器の内部空間が高圧側空間と低圧側空間とに区分けされている圧力容器と、 前記圧力容器の前記内部空間に配置されたシャフトであって、当該シャフトの半径方向に延びるスラスト被支持面を有し、当該シャフトの軸線方向の両端の一方が前記高圧側空間に配置され、かつ、前記両端の他方が前記低圧側空間に配置されたシャフトと、 前記両端の前記他方よりも前記高圧側空間側に配置され、前記シャフトを前記シャフトの半径方向に支持する第一軸受と、 前記第一軸受よりも前記低圧側空間側に配置され、前記シャフトを前記シャフトの半径方向に支持する第二軸受と、 前記シャフトの軸線方向において前記第一軸受と前記第二軸受との間に配置され、前記シャフトの回転によって液体を圧送するポンプ機構と、 前記シャフトの軸線方向において前記第一軸受と前記第二軸受との間で前記スラスト被支持面に対向するように配置され、前記シャフトの軸線方向の荷重を支持するスラスト軸受と、を備えた、 液体用ポンプを提供する。

上記の液体用ポンプは、高い信頼性を有する。

本開示の実施形態に係る液体用ポンプを示す縦断面図

図1のII−II線に沿った液体用ポンプの横断面図

図1に示す液体用ポンプの要部を拡大した断面図

本開示の実施形態に係るランキンサイクル装置の構成図

従来の冷媒ポンプを示す断面図

特許文献1に記載の技術において、駆動軸313に軸線方向の推力(スラスト力)が発生することは想定されておらず、冷媒ポンプ300は、駆動軸313の軸線方向の荷重を支持するスラスト軸受を備えていない。回転子311bの最外周部には磁石305が張り付けられている。ブラシレス直流電動機311に電力が供給されると、回転子311bは、駆動軸313の軸線方向において回転子311bの磁気中心(マグネチックセンター)と固定子311aの磁気中心とが一致する特定の位置で回転する。回転子311bの磁気中心と固定子311aの磁気中心とが一致するように、駆動軸313の軸線方向において予め回転子311bを位置決めしておけば、回転子311bが回転するときに駆動軸313には軸線方向の推力はほとんど発生しない。このような事情もあって、冷媒ポンプ300は、駆動軸318の軸線方向の荷重を支持するスラスト軸受を備えていないと考えられる。

例えば、ランキンサイクル装置において用いられる液体用ポンプでは、液体用ポンプの吐出圧力と吸入圧力との差が大きくなる場合がある。この場合、液体用ポンプに使用されるシャフトには、液体用ポンプの吐出圧力と吸入圧力との差に起因して、シャフトの軸線方向に推力が発生する可能性がある。このような場合に、液体用ポンプとして冷媒ポンプ300を使用すると、駆動軸313の軸線方向に推力が発生することに伴って部品同士の摩擦が発生し、部品が損傷する可能性がある。このように、部品の異常摩耗が発生して、液体用ポンプの信頼性が低下する可能性がある。例えば、インナーロータ325が駆動軸313に固定されていると、駆動軸313に働く推力によってインナーロータ325がフロントプレート316に押し付けられてインナーロータ325が摩耗してしまう。その結果、冷媒ポンプ300の製品寿命が短くなり、ポンプ効率が低下し、信頼性が低下する可能性がある。

本開示の第1態様は、 圧力容器であって、当該圧力容器の内部空間が高圧側空間と低圧側空間とに区分けされている圧力容器と、 前記圧力容器の前記内部空間に配置されたシャフトであって、当該シャフトの半径方向に延びるスラスト被支持面を有し、当該シャフトの軸線方向の両端の一方が前記高圧側空間に配置され、かつ、前記両端の他方が前記低圧側空間に配置されたシャフトと、 前記両端の前記他方よりも前記高圧側空間側に配置され、前記シャフトを前記シャフトの半径方向に支持する第一軸受と、 前記第一軸受よりも前記低圧側空間側に配置され、前記シャフトを前記シャフトの半径方向に支持する第二軸受と、 前記シャフトの軸線方向において前記第一軸受と前記第二軸受との間に配置され、前記シャフトの回転によって液体を圧送するポンプ機構と、 前記シャフトの軸線方向において前記第一軸受と前記第二軸受との間で前記スラスト被支持面に対向するように配置され、前記シャフトの軸線方向の荷重を支持するスラスト軸受と、を備えた、 液体用ポンプを提供する。

第1態様によれば、スラスト軸受によって、シャフトの軸線方向の荷重を受け止めることができる。このため、高圧側空間における圧力と低圧側空間における圧力との差が大きくなって、シャフトの軸線方向の荷重が大きくなっても、シャフトを安定的に支持することができる。これにより、液体用ポンプが高い信頼性を有する。また、スラスト軸受は、シャフトの軸線方向において第一軸受と第二軸受との間でスラスト被支持面に対向するように配置されているので、シャフトの軸線方向の荷重に対する反力が比較的大きい。このため、スラスト軸受は高い負荷容量を有する。これにより、液体用ポンプの製品寿命を長期化でき、ポンプ効率の低下を抑制できる。その結果、液体用ポンプは高い信頼性を有する。

本開示の第2態様は、第1態様に加えて、前記シャフトの外周において、前記高圧側空間から、前記第一軸受、前記スラスト軸受、及び前記第二軸受の順番に前記第一軸受、前記スラスト軸受、及び前記第二軸受を経由して前記低圧側空間まで延びる液体のための微小流路が形成されている、液体用ポンプを提供する。第2態様によれば、高圧側空間から、微小流路を通ってスラスト軸受に安定的に液体が供給されるので、スラスト軸受における液体の圧力が安定する。これにより、スラスト軸受における発熱及び局部的な圧力変化によるキャビテーションの発生を抑制できる。このため、液体用ポンプが定常運転されているときに加えて、液体用ポンプの過渡的な運転によって高圧側空間又は低圧側空間の圧力が変動するときでも、液体用ポンプの製品寿命を長期化することができ、ポンプ効率の低下を抑制できる。その結果、液体用ポンプが高い信頼性を有する。

本開示の第3態様は、第1態様又は第2態様に加えて、前記ポンプ機構は、前記シャフトの回転方向において前記シャフトに対して固定され、かつ、前記シャフトの軸線方向において前記シャフトに対して移動可能であるように前記シャフトに取り付けられている、回転部材を備える、液体用ポンプを提供する。第3態様によれば、高圧側空間又は低圧側空間の圧力の変動又はポンプ回転数の変動によってポンプ機構においてシャフトの軸線方向の圧力変動又は振動が発生しても、シャフトがその影響を受けず、スラスト軸受にかかる荷重の大きさはほとんど変わらない。なぜなら、シャフトは、シャフトの軸線方向においてポンプ機構の回転部材に対して移動可能だからである。これにより、液体用ポンプの製品寿命を長期化させることができ、ポンプ効率の低下を抑制できる。その結果、液体用ポンプが高い信頼性を有する。

本開示の第4態様は、第1態様〜第3態様のいずれか1つの態様に加えて、前記シャフトの前記第二軸受によって支持される部分の直径は、前記シャフトの前記第一軸受によって支持される部分の直径よりも小さく、かつ、前記第二軸受の内径は前記第一軸受の内径よりも小さい、液体用ポンプを提供する。第4態様によれば、シャフトの第二軸受によって支持される部分の直径は、シャフトの第一軸受によって支持される部分の直径よりも小さいので、シャフトのスラスト被支持面が大きい面積を有しやすくなる。これにより、スラスト軸受の負荷容量を大きくすることができるので、高圧側空間における圧力と低圧側空間における圧力との差が大きくなる場合に、液体用ポンプの製品寿命を長期化することができ、ポンプ効率の低下を抑制できる。その結果、液体用ポンプが高い信頼性を有する。

本開示の第5態様は、 第1態様〜第4態様のいずれか1つの態様の液体用ポンプと、 作動流体を加熱する加熱器と、 前記加熱器によって加熱された前記作動流体を膨張させるための膨張機と、 前記膨張機によって膨張した前記作動流体の有する熱を放熱する放熱器と、を備え、 前記液体用ポンプは、前記ポンプ機構によって、前記放熱器を通過した液体状態の前記作動流体を前記液体として吸入し、かつ、前記液体を前記加熱器に向かって圧送する、 ランキンサイクル装置を提供する。

ランキンサイクルの効率を高めるためには、ランキンサイクルにおいて、サイクルの高圧と低圧との差を大きくすることが望ましい。この場合、液体用ポンプにおいて、高圧側空間における圧力と低圧側空間における圧力との差が大きくなり、シャフトの軸線方向の荷重が大きくなる。第5態様によれば、このような条件において液体用ポンプが運転されたとしても、スラスト軸受の負荷容量が大きいので、部品の損傷を防止できる。このため、ランキンサイクル装置を高い効率で運転する場合でも、液体用ポンプの製品寿命を長期化することができ、ポンプ効率の低下を抑制できる。その結果、液体用ポンプ、ひいてはランキンサイクル装置が高い信頼性を有する。

以下、本開示の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明は本発明の一例に関するものであり、本発明はこれらに限定されるものではない。

<液体用ポンプ> 図1に示す通り、液体用ポンプ1は、圧力容器10と、シャフト13と、第一軸受29と、第二軸受27と、ポンプ機構12と、スラスト軸受30とを備えている。圧力容器10の内部空間は、高圧側空間18と低圧側空間19とに区分けされている。シャフト13は、圧力容器10の内部空間に配置されており、シャフト13の半径方向に延びるスラスト被支持面13cを有する。シャフト13の軸線方向の両端の一方が高圧側空間18に配置され、かつ、シャフト13の軸線方向の両端の他方が低圧側空間19に配置されている。シャフト13は、例えば、重力方向に延びている。第一軸受29は、低圧側空間19に配置されているシャフト13の軸線方向の両端の他方よりも高圧側空間18側に配置され、シャフト13をシャフトの半径方向に支持する。第二軸受27は、第一軸受29よりも低圧側空間19側に配置され、シャフト13をシャフト13の半径方向に支持する。ポンプ機構12は、シャフト13の軸線方向において第一軸受29と第二軸受27との間に配置され、シャフト13の回転によって液体を圧送する。換言すると、第一軸受29はポンプ機構12よりも高圧側空間18側に配置され、第二軸受27はポンプ機構12よりも低圧側空間19側に配置されている。スラスト軸受30は、シャフト13の軸線方向において第一軸受29と第二軸受27との間でスラスト被支持面13cに対向するように配置され、シャフト13の軸線方向の荷重を支持する。第一軸受29、第二軸受27、及びスラスト軸受30のそれぞれは、例えば、軸受の軸受面とシャフトの被支持面との間に潤滑剤の膜が形成されるすべり軸受である。

図3に示すように、例えば、シャフト13の外周において、液体のための微小流路31が形成されている。微小流路31は、高圧側空間18から、第一軸受29、スラスト軸受30、及び第二軸受27の順番に第一軸受29、スラスト軸受30、及び第二軸受27を経由して低圧側空間19まで延びている。例えば、微小流路31の少なくとも一部は、シャフト13の外周と、第一軸受29、スラスト軸受30、及び第二軸受27との微小な隙間によって形成されている。例えば、シャフト13の外周面と第一軸受29又は第二軸受27との間には、円筒状の微小な隙間が形成されている。この場合、この微小な隙間の、シャフト13の半径方向における最小の大きさは、例えば、5〜15μmである。例えば、第一軸受29とシャフト13の外周面とによって形成される微小流路31の一部が高圧側空間18に接している。また、第二軸受27とシャフト13の外周面によって形成されている微小流路31の一部が低圧側空間19に接している。

例えば、シャフト13の第二軸受27によって支持される部分の直径は、シャフト13の第一軸受29によって支持される部分の直径よりも小さく、かつ、第二軸受27の内径は第一軸受29の内径よりも小さい。例えば、図1に示すように、シャフト13は、大径部13a及び小径部13bを有する。大径部13aは、比較的大きい直径を有し、大径部13aの少なくとも一部が第一軸受29によって支持されている。小径部13bは、比較的小さい直径を有し、小径部13bの少なくとも一部が第二軸受27によって支持されている。スラスト被支持面13cは、例えば、シャフト13の軸線方向において、大径部13aと小径部13bとの間に形成されている。

図1に示す通り、液体用ポンプ1は、例えば、電動機11、端子17、吸入管21、及び吐出管20をさらに備える。液体用ポンプ1は、例えば密閉型のポンプである。圧力容器10は耐圧性を有する密閉容器であり、圧力容器10の内部空間は、吸入管21又は吐出管20のみによって圧力容器10の外部に連通している。圧力容器10の内部において、シャフト13の軸線方向の一方の端部に電動機11が配置され、シャフト13の軸線方向の他方の端部にポンプ機構12が配置されている。

電動機11は、固定子11a及び回転子11bを備えている。ポンプ機構12を作動させるように、電動機11とポンプ機構12とがシャフト13によって連結されている。固定子11aは、圧力容器10の内周面に固定され、回転子11bは、シャフト13に固定されている。端子17は、圧力容器10の上部に取り付けられている。端子17は電動機11に電気的に接続されており、端子17が電源に接続されることによって電動機11に電力が供給される。電動機11に電力が供給されると、回転子11bとともにシャフト13が回転し、ポンプ機構12が動作する。

吸入管21及び吐出管20は、それぞれ、圧力容器10の壁を貫通するように圧力容器10に取り付けられている。ポンプ機構12に吸入されるべき液体は吸入管21を通って圧力容器10の内部に供給される。ポンプ機構12から吐出され圧力容器10の外部に排出されるべき液体は、吐出管20を通って圧力容器10の外部に排出される。

図1に示すように、液体用ポンプ1は、例えば、上軸受部材14及び下軸受部材16を備えている。上軸受部材14及び下軸受部材16は、それぞれ、板状の部材であり、シャフト13を回転可能に支持している。上軸受部材14の中央部分には貫通孔が形成され、シャフト13が上軸受部材14の中央部分を貫通している。上軸受部材14の中央部分に形成された貫通孔を定める面によって第一軸受29の軸受面が形成されている。下軸受部材16の中央部分には貫通孔が形成され、シャフト13が下軸受部材16の中央部分を貫通している。下軸受部材16の中央部分に形成された貫通孔を定める面によって第二軸受27の軸受面が形成されている。下軸受部材16の中央部分の上面の一部は、シャフト13のスラスト被支持面13cと対向しており、この部分によってスラスト軸受30の軸受面が形成されている。下軸受部材16は吸入孔22を有し、上軸受部材14は吐出孔23を有する。吸入孔22は、例えば、下軸受部材16の中央部分の貫通孔よりも半径方向外側で下軸受部材16を厚さ方向に貫通する貫通孔である。吐出孔23は、例えば、上軸受部材14の中央部分の貫通孔よりも半径方向外側で上軸受部材14を厚さ方向に貫通する貫通孔である。

上軸受部材14の周縁部は圧力容器10の内周面に溶接されている。これにより、ポンプ機構12が圧力容器10に固定されている。上軸受部材14によって、圧力容器10の内部空間が高圧側空間18と低圧側空間19とに分かれている。吸入管21は、シャフト13の軸線方向において上軸受部材14よりも吸入孔22に近い位置で圧力容器10に取り付けられている。吐出管20は、上軸受部材14より上方で圧力容器10に取り付けられている。なお、下軸受部材16の周縁部又はポンプケース15の周縁部が圧力容器10の内周面に溶接されることによって、ポンプ機構12が圧力容器10に固定されていてもよい。この場合には、下軸受部材16又はポンプケース15によって、圧力容器10の内部空間が高圧側空間18と低圧側空間19とに分かれる。

図2に示すように、ポンプ機構12は、回転部材25を備える。回転部材25は、シャフト13の回転方向においてシャフト13に対して固定され、かつ、シャフト13の軸線方向においてシャフト13に対して移動可能であるようにシャフト13に取り付けられている。ポンプ機構12は、例えば、内接式のギヤポンプである。ポンプ機構12は、例えば、ポンプケース15と、アウターギヤ24と、インナーギヤ25とを備えている。この場合、インナーギヤ25が回転部材25に相当する。アウターギヤ24及びインナーギヤ25は、ポンプケース15の内側に配置されている。アウターギヤ24は、インナーギヤ25の外側でインナーギヤ25を取り囲むように配置されている。ポンプケース15、アウターギヤ24、及びインナーギヤ25のそれぞれは、上軸受部材14及び下軸受部材16に挟まれるように配置されている。インナーギヤ25は、シャフト13に取り付けられている。図1及び図2に示すように、例えば、シャフト13は平坦部13dを有している。平坦部13dは、シャフト13のインナーギヤ25が取り付けられる部分において、シャフト13の軸線に平行で平坦な外周面を形成している。また、インナーギヤ25の中央部分には、シャフト13のインナーギヤ15が取り付けられる部分の形状に適合した形状を有する内周面によって形成された貫通孔を有する。この貫通孔は、シャフト13のインナーギヤ25が取り付けられる部分の輪郭よりもわずかに大きい寸法を有するように形成されている。このため、インナーギヤ25は、シャフト13の回転方向においてシャフト13に対して固定され、かつ、シャフト13の軸線方向においてシャフト13に対して移動可能であるようにシャフト13に取り付けられている。その結果、シャフト13が回転すると、インナーギヤ25がシャフト13と共に回転する。

図2に示すように、アウターギヤ24の歯及びインナーギヤ25の歯は、これらが互いに噛み合うことができるように形成されている。インナーギヤ15の回転軸心はシャフト13の回転軸心と一致している。一方、アウターギヤ24は、アウターギヤ24の回転軸心がシャフト13の回転軸心からオフセットするように配置されている。シャフト13とともにインナーギヤ25が回転すると、インナーギヤ25の歯に押されてアウターギヤ24がインナーギヤ25とともに回転する。

図1に示すように、インナーギヤ25の外周面、アウターギヤ24の内周面、上軸受部材14の下面、及び下軸受部材16の上面によって、ポンプ機構12の作動室26が形成されている。アウターギヤ24及びインナーギヤ25がシャフト13の回転に伴って回転することによって、ポンプ機構12は吸入工程と吐出工程とを繰り返しながら動作する。すなわち、アウターギヤ24及びインナーギヤ25の回転によって、作動室26は、吸入室26aの状態から吐出室26cの状態へ移行し、又は、吐出室26cの状態から吸入室26aの状態へ移行する。ここで、吸入室26aは、吸入孔22に連通している状態の作動室26の部分であり、吐出室26cは吐出孔23に連通している状態の作動室26の部分である。吸入工程において、シャフト13の回転とともに吸入室26aの容積が拡大し、吸入室26aと吸入孔22との連通が終わると吸入工程が終了する。シャフト13がさらに回転することによって、吸入工程終了後の作動室26が吐出孔23に連通すると吐出室26cに移行する。シャフト13の回転とともに吐出室26cの容積が減少する。吐出室26cと吐出孔23cとの連通が終わると吐出工程が終了する。このようにして、シャフト13の回転によって、液体が吸入孔22を通ってポンプ機構12に供給され、かつ、吐出孔23を通ってポンプ機構12から液体が吐出される。

液体用ポンプ1において、吸入管21を通って液体が圧力容器10の内部に吸入される。圧力容器10に吸入された液体は、低圧側空間19に一時的に貯留され、吸入孔22を通過してポンプ機構12に供給される。ポンプ機構12に供給された液体は、圧送され、吐出孔23を通過して圧力容器10の内部に形成された高圧側空間18に吐出された後、吐出管20を通って圧力容器10の外部に排出される。低圧側空間19には、ポンプ機構12によって圧送される前の低圧の液体が貯留されており、高圧側空間18には、ポンプ機構12によって圧送された高圧の液体が貯留されている。このため、シャフト13の高圧側空間18側の端部には高い圧力が加わり、シャフト13の低圧側空間19側の端部には低い圧力が加わる。これにより、シャフト13には、高圧側空間18から低圧側空間19に軸線方向の荷重(スラスト力)が発生する。また、シャフト13が重力方向に延びている場合、シャフト13及び回転子11bの自重によっても、高圧側空間18から低圧側空間19にシャフト13の軸線方向の荷重が発生する。スラスト軸受30は、このような荷重を受け止めることができる。その結果、高圧側空間18における液体の圧力と低圧側空間19における液体の圧力との差が大きい場合でも、シャフト13の軸線方向の荷重によって部品同士の摩擦による損傷を防止できる。また、スラスト軸受30がシャフト13の軸線方向の荷重を適切に支持できるので、液体用ポンプ1の製品寿命を長期化することができ、ポンプ効率の低下を抑制できる。このため、液体用ポンプ1が高い信頼性を有する。

微小流路31の高圧側空間18側の端部では、高圧側空間18に貯留された高圧の液体によって比較的高い圧力が加わる。一方、微小流路31の低圧側空間19側の端部では、低圧側空間19に貯留された低圧の液体によって比較的低い圧力が加わる。このため、図3に示すように、高圧側空間18から微小流路31を通って低圧側空間19へ所定量の液体が流れる。図3の微小流路31における矢印は液体の流れ方向を示している。これにより、スラスト軸受30には所定の量の液体が常に導かれるので、スラスト軸受30における圧力が安定する。スラスト軸受30における圧力が安定することによって、スラスト軸受の発熱及び局部的な液体の圧力変化によるキャビテーションの発生を抑制できる。これにより、液体用ポンプ1が定常運転されるときに加えて、液体用ポンプ1の過渡的な運転によって高圧側空間18又は低圧側空間19の圧力が変動するときでも、液体用ポンプ1の製品寿命を長期化することができ、ポンプ効率の低下を抑制できる。このため、液体用ポンプ1が高い信頼性を有する。

微小流路31を流れる液体によって、第一軸受29、スラスト軸受30、及び第二軸受27を潤滑し冷却することができる。また、微小流路31における液体の流れによって、第一軸受29、スラスト軸受30、又は第二軸受27の内部に存在する異物を容易に排出できる。その結果、軸受の損傷を防止できる。このため、液体用ポンプの製品寿命を長期化することができ、ポンプ効率の低下を抑制できる。これにより、液体用ポンプ1が高い信頼性を有する。

第一軸受29及び第二軸受27は、それぞれ、シャフト13の軸線方向において互いに異なる位置でシャフト13を支持する。第一軸受29は高圧側空間18の近傍に位置し、第二軸受27は低圧側空間19の近傍に位置する。スラスト軸受30は、シャフト13の軸線方向において、第一軸受29と第二軸受27との間に配置されている。微小流路31のうち、第一軸受29とシャフト13の外周面によって形成された部分は、高圧側空間18に接している。このため、第一軸受29の内部の圧力は高圧側空間18の圧力に近い。第二軸受27とシャフト13の外周面によって形成された部分は、低圧側空間19に接している。このため、第二軸受27の内部の圧力は低圧側空間19の圧力に近い。第一軸受29の内部の空間は、第二軸受27の内部の空間とシールされることなく連通している。このため、スラスト軸受27の近傍の圧力は、第一軸受29の内部の圧力と第二軸受27の内部の圧力の中間の圧力となっている。これにより、シャフト13のスラスト被支持面13cには中間圧力が加わるので、高圧側空間18から低圧側空間19に加わるシャフト13の軸線方向の荷重を低減できる。その結果、スラスト軸受30に加わる荷重が低減される。これにより、液体用ポンプ1の製品寿命を長期化することができ、ポンプ効率の低下を抑制できる。その結果、液体用ポンプ1が高い信頼性を有する。

高圧側空間18の圧力若しくは低圧側空間19の圧力が変動する場合、又は、ポンプ回転数が変動する場合、インナーギヤ25にシャフト13の軸線方向に圧力変動又は振動が発生する可能性がある。このような場合でも、インナーギヤ25は、シャフト13の軸線方向においてシャフト13に対して移動可能であるので、ポンプ機構12における影響をほとんど受けない。このため、スラスト軸受30が受ける荷重がほとんど変動しない。その結果、液体用ポンプ1の製品寿命を長期化することができ、ポンプ効率の低下を抑制できる。これにより、液体用ポンプ1が高い信頼性を有する。

上記の通り、シャフト13の第二軸受27によって支持される部分の直径は、シャフト13の第一軸受29によって支持される部分の直径よりも小さく、かつ、第二軸受27の内径は第一軸受29の内径よりも小さい。これにより、スラスト被支持面13cを大きくできるので、スラスト軸受30の負荷容量が大きくなる。また、スラスト被支持面13cの面積が大きいことにより、高圧側空間18の圧力によってシャフト13に軸線方向に加わる荷重に対する反力が大きくなる。このため、シャフト13の軸線方向に加わる荷重を低減でき、スラスト軸受30に加わる荷重を低減させることができる。これにより、特に、高圧側空間18における液体の圧力と低圧側空間19における液体の圧力との差が大きい場合でも、液体用ポンプ1の製品寿命を長期化することができ、ポンプ効率の低下を抑制できる。その結果、液体用ポンプ1が高い信頼性を有する。

ポンプ機構12は、内接式のギヤポンプ以外のギヤポンプ、ベーンポンプ、及びロータリポンプなどの容積型ポンプ、遠心ポンプ、斜流ポンプ、及び軸流ポンプなどの速度型ポンプ、又はスクリューポンプであってもよい。

シャフト13の外周面、上軸受部材14の中央部分に形成された貫通孔を定める面、又は下軸受部材16の中央部分に形成された貫通孔を定める面には、シャフト13の軸線方向に延びる溝が形成されていてもよい。この場合、これらの溝のいずれかによって、微小流路31の少なくとも一部が形成される。

<ランキンサイクル装置> 次に、液体用ポンプ1を備えたランキンサイクル装置100について説明する。図4に示す通り、ランキンサイクル装置100は、液体用ポンプ1と、加熱器2と、膨張機3と、放熱器4とを備える。ランキンサイクル装置100は、流路6a、流路6b、流路6c、及び流路6dを備える。流路6a、流路6b、流路6c、及び流路6dによって液体用ポンプ1、加熱器2、膨張機3、及び放熱器4がこの順番で環状に接続されている。流路6aは、液体用ポンプ1の出口と加熱器2の入口とを接続している。吐出管20が、流路6aの少なくとも一部を形成している。流路6bは、加熱器2の出口と膨張機3の入口とを接続している。流路6cは、膨張機3の出口と放熱器4の入口とを接続している。流路6dは、放熱器4の出口と液体用ポンプ1の入口とを接続している。吸入管21は、流路6dの少なくとも一部を形成している。

ランキンサイクル装置100の作動流体は、特に制限されないが、例えば、有機作動流体を望ましく使用できる。有機作動流体は、例えば、ハロゲン化炭化素、炭化水素、又はアルコールなどの有機化合物である。ハロゲン化炭化水素は、例えば、R−123、R365mfc、又はR−245faである。炭化水素は、例えば、プロパン、ブタン、ペンタン、又はイソペンタンなどのアルカンである。アルコールは、例えばエタノールである。これらの有機作動流体は単独で使用されてもよいし、これらの有機作動流体の二種類以上が混合されて使用されてもよい。また、作動流体として、水、二酸化炭素、及びアンモニウムなどの無機作動流体を使用してもよい。

加熱器2は、ランキンサイクルの作動流体を加熱する。加熱器2は、例えば、地熱によって得られる温水、ボイラー若しくは燃焼炉の燃焼ガス又はその排気ガスなどの熱媒体から熱エネルギーを吸収し、その吸収した熱エネルギーによって作動流体を加熱して蒸発させる。図4に示す通り、加熱器2には、熱媒体の流路2aが接続されている。熱媒体が温水などの液体である場合、加熱器2として、プレート式熱交換器又は二重管式熱交換器が望ましく使用される。また、熱媒体が燃焼ガス又は排気ガスなどの気体の場合、加熱器2として、フィンチューブ熱交換器が望ましく使用される。図4において、実線の矢印は作動流体の流れ方向を示し、破線の矢印は熱媒体の流れ方向を示している。

膨張機3は、加熱器2によって加熱された作動流体を膨張させるための流体機械である。ランキンサイクル装置100は、発電機5をさらに備えている。発電機5は、膨張機3に接続されている。膨張機3における作動流体の膨張によって膨張機3は回転動力を得る。この回転動力が発電機5によって電気に変換される。膨張機3は、例えば、容積型又は速度型の膨張機である。容積型の膨張機の型式としては、ロータリ型、スクリュー型、往復型、及びスクロール型を挙げることができる。速度型の膨張機の型式としては、遠心型又は軸流型を挙げることができる。

放熱器4は、膨張機3によって膨張した作動流体の有する熱を放熱する。具体的に、放熱器4において、作動流体が冷却媒体と熱交換することによって、作動流体が冷却され、冷却媒体が加熱される。放熱器4には、冷却媒体の流路4aが接続されている。図4において、一点鎖線の矢印は、冷却媒体の流れの方向を示している。放熱器4としては、プレート式熱交換器、二重管式熱交換器、及びフィンチューブ熱交換器などの公知の熱交換器を使用できる。放熱器4の種類は、冷却媒体の種類に応じて適切に選択される。冷却媒体が水などの液体である場合、プレート式熱交換器又は二重管式熱交換器が望ましく使用される。また、冷却媒体が空気などの気体である場合、フィンチューブ熱交換器が望ましく使用される。

放熱器4から流出した作動流体は、液体状態である。すなわち、放熱器4から流出した液体状態の作動流体が吸入管21を通過して圧力容器10の内部に導かれる。液体用ポンプ1は、ポンプ機構12によって、放熱器4を通過した液体状態の作動流体を上記の液体として吸入し、かつ、その液体を加熱器2に向かって圧送する。液体用ポンプ1によって作動流体が加圧され、加圧された作動流体が流路6dを通過して加熱器2に供給される。ランキンサイクルの効率を高めるためには、ランキンサイクルにおいて、サイクルの高低圧力差を大きくすることが望ましい。この場合、液体用ポンプ1における高圧側空間18の圧力と低圧側空間19の圧力との差が大きくなり、スラスト軸受30に向かうシャフト13の軸線方向の荷重が大きくなる。液体用ポンプ1を用いれば、このような条件で液体用ポンプ1が運転されたとしても、スラスト軸受30の負荷容量が大きいので、スラスト軸受30などの部品の損傷を防ぐことができる。このため、ランキンサイクル装置100を高い効率で運転する場合でも、液体用ポンプ1の製品寿命を長期化するこができ、ポンプ効率の低下を抑制できる。これにより、液体用ポンプ1が高い信頼性を有する。

1 液体用ポンプ 10 圧力容器 12 ポンプ機構 13 シャフト 13c スラスト被支持面 18 高圧側空間 19 低圧側空間 25 回転部材(インナーギヤ) 27 第二軸受 29 第一軸受 30 スラスト軸受 31 微小流路 100 ランキンサイクル装置

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