Vane type hydraulic motor

申请号 JP2002240987 申请日 2002-08-21 公开(公告)号 JP4080818B2 公开(公告)日 2008-04-23
申请人 株式会社荏原製作所; 发明人 昌男 信田; 新平 宮川; 智四郎 山科;
摘要
权利要求
  • ベーンを取り付けたロータをカムケーシング内に回転自在に収納し、前記ロータに作動流体を供給、排出する入出力ポートとなる第一,第二ポートを設けるとともに、ロータの主軸の軸受部分から作動流体を流出させるバイパス流路を設けたベーン式液圧モータにおいて、
    前記第一,第二ポートの他に作動流体を外部に排出するドレンポートを設けるとともに、前記ドレンポートとバイパス流路とを連通し、軸受部分から流出する作動流体をドレンポートから外部に排出するように構成することで、
    第一,第二ポートへの作動流体の供給、排出方向の切換でロータの両方向への回転を可能にしたことを特徴とするベーン式液圧モータ。
  • ベーンを取り付けたロータをカムケーシング内に回転自在に収納し、前記ロータに作動流体を供給、排出する入出力ポートとなる第一,第二ポートを設けるとともに、ロータの主軸の軸受部分から作動流体を流出させるバイパス流路を設けたベーン式液圧モータにおいて、
    前記カムケーシングに、ロッドピン挿入穴を設けてロッドピンを挿入し、第一,第二ポート間の作動流体の圧力の変化に応じてロッドピンを移動して前記バイパス流路を低圧側となった何れか一方のポートに連通するポート切換機構を設置することで、
    第一,第二ポートへの作動流体の供給、排出方向の切換でロータの両方向への回転を可能にしたことを特徴とするベーン式液圧モータ。
  • 前記第一,第二ポートに連通する第三,第四ポートと、前記ドレンポートに連通する連通孔とを有するブロックを請求項1に記載のベーン式液圧モータに搭載し、
    前記ブロックに、前記第三,第四ポート間を連通するロッドピン挿入穴を設けてロッドピンを挿入し、第三,第四ポート間の作動流体の圧力の変化に応じてロッドピンを移動して前記ドレンポートに連通するバイパス流路を低圧側となった第三,第四ポートの内の何れか一方のポートに連通するポート切換機構を内蔵することで、
    前記第三,第四ポートへの作動流体の供給、排出方向の切換でロータの両方向への回転を可能にしたことを特徴とするベーン式液圧モータ。
  • 前記ポート切換機構は、前記ロッドピン挿入孔の中央にその両側よりも内径を小さくしてなる小径部を設けることで小径部両端にシール面を設けるとともに、ロッドにはその両側にヘッド部を設けて両ヘッド部の前記シール面に対向する面にそれぞれシール面を設け、ロッドピン挿入孔の中間に前記バイパス流路を接続し、
    前記ロッドピン挿入孔の両側に接続したポートの内の何れかのポートが高圧になった場合は前記ロッドピン挿入孔内をロッドピンが低圧側のポートに向かって移動することで高圧側のロッドのシール面とこれに対向するロッド挿入孔のシール面とを面接触してシールして、前記バイパス流路と低圧側のポート間を連通するように構成したことを特徴とする請求項2又は3記載のベーン式液圧モータ。
  • 前記ロッドピンのシール面とこれに対向するロッドピン挿入孔のシール面とが面接触する面は、平面状又はテーパ面状に形成されていることを特徴とする請求項4記載のベーン式液圧モータ。
  • 说明书全文

    【0001】
    【発明の属する技術分野】
    本発明は、ベーン式液圧モータに関し、特に作動流体として等の低粘度流体を使用する場合に用いて好適なベーン式液圧モータに関するものである。
    【0002】
    【従来の技術】
    図1は平衡形ベーン式液圧モータの構造を示す図であり、図1(a)は図1(b)のA−A断面概略図、図1(b)は図1(a)のB−B断面概略図、図1(c)はカムケーシング280の部分を上側から見た要部平面図である。 同図に示すようにこの平衡形ベーン式液圧モータは、カムケーシング280のロータ収納部286内にロータ290を回転自在に収納し、ロータ290にはロータ収納部286の内面に接するベーン295が挿入され、ロータ290及びロータ290に挿入されたベーン295の両側をフロントカバー300とエンドカバー310で囲み、フロントカバー300とエンドカバー310に設置された軸受301,311によってロータ290に固定された主軸320を回転自在に軸支している。 カムケーシング280には、カムケーシング280のロータ収納部286内に圧流体(水等の低粘度流体からなる作動流体)を供給する供給ポート281と、供給した圧力流体を取り出す戻りポート283とが形成されている。 供給ポート281と戻りポート283はそれぞれ流路(供給流路)282と流路(戻り流路)284によってロータ収納部286に接続されている。
    【0003】
    そして、供給ポート281より流入した圧力流体が、ロータ290から張り出しているベーン295に作用することでトルクが発生し、ロータ290を回転駆動する。 ロータ290を回転駆動した後の作動流体は、戻りポート283から排出される。
    【0004】
    ここで作動流体として水等の低粘度流体を用いる前記平衡形ベーン式液圧モータにおいては、ロータ290の両側の軸受301,311部分から漏れ出る圧力流体を低圧側の戻りポート283へ戻すためバイパス流路285を設け、これによって高圧側のロータ収納部286内の作動流体を、両サイドクリアランス(ロータ290とフロント/エンドカバー300,310間の隙間)Sの部分と両軸受301,311とを通過させ、バイパス流路285から戻りポート281に導く構造に構成している。 これによって下記の効果が発生する。
    【0005】
    ▲1▼ロータ290の両側面の圧力は何れもほぼ戻りポート283の圧力となって均衡し、ロータ290に作用するスラスト方向(主軸320方向)の圧力はほぼ無くなり、ロータ290はカムケーシング280内でスラスト方向でバランスし、ロータ290とフロント/エンドカバー300,310間の摺動に伴う摩擦損失(トルク損失)の軽減が可能になる。
    【0006】
    ▲2▼両軸受301,311に作動流体を導いたので、例え作動流体として水等の低粘度流体を使用しても、両軸受301,311の劣化を回避でき、主軸320及び両軸受301,311の耐久性を向上できる。
    【0007】
    ▲3▼シール内圧Pが小さく、シャフトシール330部分の主軸320に対する押し付け力が小さいので、この部分での摩擦による機械損失が発生せず、加えてシャフトシール330部分や主軸320の摩擦磨耗が発生せず、耐久性が向上する。
    【0008】
    ▲4▼両軸受301,311の周囲に液体溜まり部が出来ず、両軸受301,311の周囲の部分の作動液体も常に循環するので、この部分における作動流体の腐食や生物発生の抑制が可能となる。
    【0009】
    ところで前記ベーン式液圧モータのような回転形アクチュエータは種々の装置に利用され、その使用条件に応じて、出力軸(主軸)の回転方向が異なることや、両方向の回転が要求されることがある。
    【0010】
    一般的に液圧モータの場合、モータを駆動するため必要な圧力流体を供給する配管と、モータからの流体排出用の配管とが必要になり、その接続口として、モータに「供給ポート」、「戻りポート」が各々設置される。 前記図1に示すベーン式液圧モータにおいては、各ポート281,283はカムケーシング280に設置されている。
    【0011】
    そして図1(b)において、モータを矢印方向(右回転方向)に回転させる場合、図1(b)の左側のポートを供給ポート281、右側のポートを戻りポート283として配管を行うため、カムケーシング280として図示のように右側のポート283とバイパス流路285とを連通するような部品を用いて、モータを組み立てる。
    【0012】
    一方図1(b)において、モータを矢印と反対方向(左回転方向)に回転させる場合、図1(b)の右側のポートを供給ポート、左側のポートを戻りポート283として配管を行うため、カムケーシング280として左側のポートとバイパス流路285とを連通するような図とは異なる部品を用いて、モータを組み立てる必要がある。
    【0013】
    なおもし図1(b)に示す戻りポート283から作動流体を供給し、供給ポート281から排出するように構成した場合、シール内圧Pが大きくなるので、シャフトシール330の破損若しくは主軸320の磨耗促進、シャフトシール330の耐久性の劣化、バイパス流路285の効果の低下、等の諸問題を発生し、モータとしての機能が発揮できなくなる恐れがある。
    【0014】
    このためこの平衡形ベーン式液圧モータは、回転方向毎にそれぞれ異なる部品を製作する必要があり、コスト増になってしまう。
    【0015】
    【発明が解決しようとする課題】
    本発明は上述の点に鑑みてなされたものでありその目的は、部品を交換しなくても出力軸(主軸)の回転方向を容易に変更できる両回転形のベーン式液圧モータを提供することにある。
    【0016】
    【課題を解決するための手段】
    請求項1に記載の発明は、ベーンを取り付けたロータをカムケーシング内に回転自在に収納し、前記ロータに作動流体を供給、排出する入出力ポートとなる第一,第二ポートを設けるとともに、ロータの主軸の軸受部分から作動流体を流出させるバイパス流路を設けたベーン式液圧モータにおいて、前記第一,第二ポートの他に作動流体を外部に排出するドレンポートを設けるとともに、前記ドレンポートとバイパス流路とを連通し、軸受部分から流出する作動流体をドレンポートから外部に排出するように構成することで、第一,第二ポートへの作動流体の供給、排出方向の切換でロータの両方向への回転を可能にしたことを特徴とするベーン式液圧モータである。
    【0017】
    また請求項2に記載の発明は、ベーンを取り付けたロータをカムケーシング内に回転自在に収納し、前記ロータに作動流体を供給、排出する入出力ポートとなる第一,第二ポートを設けるとともに、ロータの主軸の軸受部分から作動流体を流出させるバイパス流路を設けたベーン式液圧モータにおいて、前記カムケーシングに、ロッドピン挿入穴を設けてロッドピンを挿入し、第一,第二ポート間の作動流体の圧力の変化に応じてロッドピンを移動して前記バイパス流路を低圧側となった何れか一方のポートに連通するポート切換機構を設置することで、第一,第二ポートへの作動流体の供給、排出方向の切換でロータの両方向への回転を可能にしたことを特徴とするベーン式液圧モータである。
    【0018】
    また請求項3に記載の発明は、前記第一,第二ポートに連通する第三,第四ポートと、前記ドレンポートに連通する連通孔とを有するブロックを請求項1に記載のベーン式液圧モータに搭載し、前記ブロックに、前記第三,第四ポート間を連通するロッドピン挿入穴を設けてロッドピンを挿入し、第三,第四ポート間の作動流体の圧力の変化に応じてロッドピンを移動して前記ドレンポートに連通するバイパス流路を低圧側となった第三,第四ポートの内の何れか一方のポートに連通するポート切換機構を内蔵することで、前記第三,第四ポートへの作動流体の供給、排出方向の切換でロータの両方向への回転を可能にしたことを特徴とするベーン式液圧モータである。
    【0019】
    また請求項4に記載の発明は、前記ポート切換機構は、前記ロッドピン挿入孔の中央にその両側よりも内径を小さくしてなる小径部を設けることで小径部両端にシール面を設けるとともに、ロッドにはその両側にヘッド部を設けて両ヘッド部の前記シール面に対向する面にそれぞれシール面を設け、ロッドピン挿入孔の中間に前記バイパス流路を接続し、前記ロッドピン挿入孔の両側に接続したポートの内の何れかのポートが高圧になった場合は前記ロッドピン挿入孔内をロッドピンが低圧側のポートに向かって移動することで高圧側のロッドのシール面とこれに対向するロッド挿入孔のシール面とを面接触してシールして、前記バイパス流路と低圧側のポート間を連通するように構成したことを特徴とする請求項2又は3記載のベーン式液圧モータである。
    【0020】
    また請求項5に記載の発明は、前記ロッドピンのシール面とこれに対向するロッドピン挿入孔のシール面とが面接触する面は、平面状又はテーパ面状に形成されていることを特徴とする請求項4記載のベーン式液圧モータである。
    【0021】
    なお前記ロッドピンのシール面とこれに対向するロッドピン挿入孔のシール面とが面接触する少なくとも何れか一方のシール面を弾性部材にて形成すれば、さらにシール性が向上する。
    【0022】
    また前記ロッドピンのヘッド部のロッドピン挿入孔内周面との摺動部の表面の少なくとも一部を、水等の低粘度流体での潤滑下において摩擦磨耗特性の優れている樹脂若しくはセラミック等の潤滑部材で形成すれば、ロッドピンの滑らかな動作を達成できる。
    【0023】
    また前記ロッドピンのヘッド部のロッドピン挿入孔内周面との摺動部の表面に潤滑溝を形成すれば、ロッドピンの滑らかな動作を達成できる。
    【0024】
    【発明の実施の形態】
    以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
    〔第一実施形態〕
    図2は本発明の第一実施形態にかかる両回転形のベーン式液圧モータ1−1を示す図であり、図2(a)は図2(b)のC−C概略断面図、図2(b)は図2(a)のD−D概略断面図、図2(c)は図2(b)を上側から見た要部平面図(カムケーシング10の部分のみ示す)である。 同図に示すようにベーン式液圧モータ1−1は、カムケーシング10内にロータ30を回転自在に収納し、ロータ30にはカムケーシング10の内周面に接するベーン35が挿入され、そのロータ30及びベーン35の両側をフロントカバー50とエンドカバー60で囲み、カムケーシング10の両側のフロントカバー50とエンドカバー60内に設置された軸受51,61によってロータ30に固定された主軸70を回転自在に軸支して構成されている。 カムケーシング10には、カムケーシング10のロータ収納部11内に圧力流体(水等の低粘度流体からなる作動流体)を入出力する入出力ポートとなる第一ポート13と第二ポート15とが形成されている。 第一ポート13と第二ポート15はそれぞれ流路14と流路16によってロータ収納部11に接続されている。
    【0025】
    一方ロータ30の両側の軸受51,61の部分から漏れ出る作動流体を導入して低圧側に戻すバイパス流路80を設け、これによって高圧側のロータ収納部11内の作動流体を、両サイドクリアランス(ロータ30とフロント/エンドカバー50,60の隙間)Sの部分と両軸受51,61とを通過させて、バイパス流路80から下記するドレンポート17に導くように構成している。 バイパス流路80を設けた理由は前記従来技術で述べた理由と同様である。
    【0026】
    そして本実施形態においては、カムケーシング10に、第一,第二ポート13,15の外に、ドレンポート17を設け、このドレンポート17に前記バイパス流路80を連通している。 ドレンポート17は、バイパス流路80側からの作動流体を外部に排出するものであり、例えばドレンポート17に配管を接続することで軸受51,61側から流出してくる作動流体を独立に別途設けた図示しない作動流体貯留タンクに戻すようにする。 この作動流体貯留タンクには第一,第二ポート13,15に接続した配管も導入される。 そして第一,第二ポート13,15への流体の供給方向を切り換えることで、モータ(主軸70)の両方向への回転が可能になる。 以下具体的に説明する。
    【0027】
    図2(b)に示すように、第一ポート13を作動流体を供給する供給ポート、第二ポート15を作動流体を排出する戻りポートとして両ポート13,15にそれぞれ供給配管と戻り配管を行えば、第一ポート13よりカムケーシング10のロータ収納部11内に流入した圧力流体は、ロータ30から張り出しているベーン35に作用することでロータ30にトルクを発生させ、ロータ30を矢印(右回転)方向に回転駆動する。 ロータ30を回転駆動した後の作動流体は、第二ポート15から排出される。
    【0028】
    一方図3に示すように、第一ポート13を作動流体を排出する戻りポート、第二ポート15を作動流体を供給する供給ポートとして両ポート13,15にそれぞれ戻り配管と供給配管を行えば、第二ポート15よりカムケーシング10のロータ収納部11内に流入した圧力流体は、ロータ30から張り出しているベーン35に作用することでロータ30にトルクを発生させ、ロータ30を矢印(左回転)方向に回転駆動する。 ロータ30を回転駆動した後の作動流体は、第一ポート13から排出される。
    【0029】
    そして上記何れの方向への回転の場合も、ロータ収納部11内から両サイドクリアランスSと両軸受51,61とを通過してバイパス流路80に導出された作動流体は、ドレンポート17に導かれ、ドレンポート17に接続された配管を介して図示しない作動流体貯留タンクに戻される。
    【0030】
    つまり従来戻りポートへ連通させていたバイパス流路を、別途設けたドレンポートに連通させてバイパス流路通過流体を独立にドレンポートから排出するように構成したので、カムケーシング10を変更しなくても、2つのポート13,15へ接続する配管を切り換えたり、方向切換弁を始めとするバルブの切換を行うだけで、容易にモータの回転方向を変更することができる。
    【0031】
    〔第二実施形態〕
    第一実施形態にかかる両回転形のベーン式液圧モータ1−1には、第一,第二ポート13,15に加えて、ドレンポート17が形成される。 この場合、合計三種の配管が必要になり、新たに下記の問題が発生する。
    【0032】
    ▲1▼配管数が増えるため、限られたスペース内でのモータの設置時、配管が困難となる。
    【0033】
    ▲2▼配管スペースが大きくなる。
    【0034】
    ▲3▼継手部品等の配管部品が多くなるので、配管コストが大きくなる。
    【0035】
    第二実施形態は、上記問題に対処するものである。 図4は第二実施形態にかかる両回転形のベーン式液圧モータ1−2の断面図(図2(b)に相当する部分)を示す図である。 同図において、前記実施形態と同一又は相当部分には同一符号を付してその詳細な説明は省略する。
    【0036】
    このベーン式液圧モータ1−2において前記第一実施形態と相違する点は、ドレンポート17を設ける代わりに、第一,第二ポート13,15の流路14,16間を連通するロッドピン挿入孔91を設け、このロッドピン挿入孔91内にスライド自在にロッドピン93を収納し、またロッドピン挿入孔91内のロッドピン93の両側にロッドピン93両端を均一に弾発してロッドピン93を中央位置に保持するスプリングからなる弾発手段95,95を収納し、ロッドピン挿入孔91の両端をシールリング97,97を介してスプリング受け座99,99を取り付けて封止して構成されるポート切換機構を設置した点である。
    【0037】
    ロッドピン挿入孔91の中央はその両側部分よりも内径を小さくしてなる小径部92を設けることでこの小径部92の両端にシール面921,921を形成すると共に、この小径部92をバイパス流路80に接続し、またロッドピン93両端にはロッドピン挿入孔91を塞ぐ外径のヘッド部931,931を設けて両ヘッド部931,931の内側対向面(シール面921に対向する面)にそれぞれシール面933,933を設けている。 またロッドピン93中央部は小径部92内を自在に移動できるように細く形成されている。 101はロッドピン挿入孔91とバイパス流路80間を連結する孔を塞ぐ封止プラグである。
    【0038】
    弾発手段95の片端はスプリング受け座99に固定され、また弾発手段95の弾発力の条件は、
    〔弾発手段95の弾発力(最大)〕<〔モータ最低駆動圧力〕×〔ロッドピン受圧面(ヘッド部931側面)面積〕
    としている。
    【0039】
    そして第一,第二ポート13,15に何ら作動流体が供給されていない場合は、図4に示すように、ロッドピン93は中央位置に位置している。
    【0040】
    またなお、ロッドピン93の軸径は、
    〔弾発手段95の弾発力(最大)〕+〔モータの最大駆動圧力〕×〔ロッドピン受圧面面積〕
    の力が負荷されても、座屈などの変形や破損が発生しないよう、十分に耐えうる強度を有するよう設計、製作されている。 またなお、ロッドピン93の中央部と小径部92間のクリアランス及びロッドピン93の中央部とロッドピン挿入孔91のクリアランスは、バイパス流路80通過流体が最大流量の場合でも、ポート13もしくはポート15までの間で、背圧を持たないように設計されている。
    【0041】
    次に第一ポート13を作動流体を供給する供給ポート、第二ポート15を作動流体を排出する戻りポートとして両ポート13,15にそれぞれ供給配管と戻り配管を行えば、第一ポート13側の作動流体の圧力が第二ポート15側の作動流体の圧力よりも大きくなるので、図5(a)に示すように、ロッドピン93は第二ポート15側に移動して行き、ロッドピン挿入孔91の左側のシール面921とロッドピン93のシール面933とが面接触してこの面接触部分をシールして停止する。 これによって第一ポート13側の作動流体は第二ポート15側に漏洩しなくなる。 またこのとき右側のヘッド部931は第二ポート15の流路16を越えており、バイパス流路80と第二ポート15(即ち戻りポート)間は連通され、バイパス流路通過流体は第二ポート15を通じて図示しない作動流体貯留タンクに戻される。
    【0042】
    一方第一ポート13を作動流体を排出する戻りポート、第二ポート15を作動流体を供給する供給ポートとして両ポート13,15にそれぞれ戻り配管と供給配管とを行えば、第二ポート15側の作動流体の圧力が第一ポート13側の作動流体の圧力よりも大きくなるので、図5(b)に示すように、ロッドピン93は第一ポート13側に移動して行き、ロッドピン挿入孔91の右側のシール面921とロッドピン93のシール面933とが面接触してこの面接触部分をシールする。 またこのとき左側のヘッド部931は第一ポート13の流路14を越えており、バイパス流路80と第一ポート13(即ち戻りポート)間は連通され、バイパス流路通過流体は第一ポート13を通じて図示しない作動流体貯留タンクに戻される。
    【0043】
    これによって容易にモータの回転方向を変更することができるばかりか、ポートを増やすことがないので、前述の問題点も解消できる。
    【0044】
    〔第三実施形態〕
    第二実施形態にかかる両回転形のベーン式液圧モータ1−2は、カムケーシング10に複雑な多数の流路等を形成しなければならないので、その加工が複雑であり、また各部のメンテナンスも煩雑である。
    【0045】
    第三実施形態は、上記問題に対処するものである。 図6は第三実施形態にかかる両回転形のベーン式液圧モータ1−3の断面図(図2(b)に相当する部分)を示す図である。 同図において、前記各実施形態と同一又は相当部分には同一符号を付してその詳細な説明は省略する。
    【0046】
    このベーン式液圧モータ1−3において前記各実施形態と相違する点は、第二実施形態において設けたポート切換機構をカムケーシング10とは別体のブロック110に内蔵し、このブロック110を第一実施形態にかかるベーン式液圧モータ1−1に搭載した点である。 即ちこのブロック110には、第三,第四ポート113,115を設けてその反対側に連通孔114,116を開口し、また両連通孔114,116の間に別途連通孔117を設けている。 またブロック110内には、前記第二実施形態のポート切換機構と同様に、第三,第四ポート113,115間を連通するロッドピン挿入孔91を設けてロッドピン93を挿入し、第三,第四ポート113,115間の作動流体の圧力の変化に応じてロッドピン93を移動して前記連通孔117を低圧側となった何れか一方のポートに連通するようにポート切換機構を内蔵する。 そしてこのブロック110を第一実施形態にかかるベーン式液圧モータ1−1と同じ構造のものに搭載して図示しない固定手段で固定すれば、ベーン式液圧モータ1−3が完成する。 このとき各連通孔114,116,117は、それぞれ第一,第二ポート13,15とドレンポート17に接続される。 各接続部はOリング等のシール手段119によってシールされている。
    【0047】
    そして図6に示す中立状態から、第三ポート113に作動流体を供給し、第四ポート115から作動流体を排出するように両ポート113,115にそれぞれ供給配管と戻り配管を行えば、第三ポート113側の作動流体の圧力が第四ポート115側の作動流体の圧力よりも大きくなるので、ロッドピン93は第四ポート115側に移動し、バイパス流路80と第四ポート15(即ち戻りポート)間が連通し、バイパス流路通過流体は第四ポート115を通じて図示しない作動流体貯留タンクに戻される。
    【0048】
    一方第三ポート113を戻りポート、第四ポート115を供給ポートとして両ポート113,115にそれぞれ戻り配管と供給配管とを行えば、第四ポート115側の作動流体の圧力が第三ポート113側の作動流体の圧力よりも大きくなるので、ロッドピン93は第三ポート113側に移動して、バイパス流路80と第三ポート113(即ち戻りポート)間は連通され、バイパス流路通過流体は第三ポート113を通じて図示しない作動流体貯留タンクに戻される。
    【0049】
    これによって容易にモータの回転方向を変更することができ、またポートを増やすことがないので配管の這い回しが容易且つ簡単になり、さらにカムケーシング10とブロック110とを別部材で加工することが可能となるので加工が容易になり加工コストを低くすることができ、また各部のメンテナンスが容易になる。
    【0050】
    〔シール面933とシール面921による各種シール構造〕
    水等の低粘性流体は、その物理的特性から僅かな隙間からでも多くの漏れが発生する。 よってこれら流体を作動流体として用いる場合、シールを確実に行うことが必要となる。 そこでロッドピン93のシール面933とロッド挿入孔92のシール面921とを以下のように構成した。
    【0051】
    図7(a),(b)はロッドピン93とこれを挿入するロッドピン挿入孔91の一構成例を示す図である。 同図に示す両シール面921,933は、これを平面状に形成することで両者を面接触させ、これによってそのシールが確実になるようにしている。
    【0052】
    図8(a),(b)はロッドピン93とこれを挿入するロッドピン挿入孔91の他の構成例を示す図である。 同図に示す両シール面921,933は、これをテーパ面状に形成することで両者が面接触するようにしている。 両シール面921,933をテーパ面状に形成すれば、前記平面状に形成した場合に比べて接触面積が大きくなるので、シール性がさらに向上する。
    【0053】
    図9(a),(b)はロッドピン93の他の構成形を示す図である。 この構成例においては、ロッドピン93のシール面933を、弾性部材bを接合することによって構成している。 弾性部材bとしてはプラスチックやゴム等を用いる。 このように構成すれば、シール性がさらに向上する。 なおシール面933の代わりにシール面921を弾性部材で構成しても良く、両シール面933,921を弾性部材で構成しても良い。
    【0054】
    〔ロッドピン93のヘッド部931の各種構成例〕
    水等の低粘度流体は潤滑性が乏しいため、ロッドピン93の滑らかな動作を達成するための方策が必要となる。 そこで図10(a)に示すように、ロッドピン93のヘッド部931の部分全体を水潤滑下で摩擦磨耗特性(潤滑特性)の優れているセラミックや樹脂等からなる潤滑部材a1で構成したり、図10(b)に示すように、ヘッド部931の外周面(摺動部)にリング状の潤滑部材a2を取り付けたりする。 これによってロッドピン挿入孔91の内周面との摺接面となるヘッド部931の外周面の潤滑性が向上し、ロッドピン93の滑らかな動作が得られる。 なお前記リング状の潤滑部材a2の個数は二個に限定されない。 また潤滑部材は上記形状・構造に限定されず、他の種々の形状・構造であっても良い。 また潤滑部材はヘッド部931の外周面にコーティングするものであっても良い。
    【0055】
    一方ヘッド部931の摺動部である外周面の潤滑を促進させるため、図11(a),(b)に示すように、この外周面に潤滑溝b1,b2を形成しても良い。 図11(a)の潤滑溝b1は矩形状であり、図11(b)の潤滑溝b2は螺旋状である。 もちろん潤滑溝の形成パターンはこれらに限るものではなく、潤滑を促進することができるパターンであればどのようなパターンであっても良い。 また図10(a),(b)に示す潤滑部材a1,a2に加えて図11(a),(b)に示すような潤滑溝を形成すれば、さらに効果的にロッドピン93の滑らかな動作を達成できる。
    【0056】
    【発明の効果】
    以上詳細に説明したように本発明によれば以下のような優れた効果を有する。
    ▲1▼第一ポートと第二ポートの他に作動流体を外部に排出するドレンポートを設けるとともに、ドレンポートとバイパス流路とを連通し、軸受部分から流出する作動流体をドレンポートから外部に排出するように構成したので、第一,第二ポートへの作動流体の供給、排出方向を切り換えてもバイパス流路からの排水は常にドレンポートに対して行え、ロータの両方向への回転が可能になった。
    【0057】
    ▲2▼カムケーシング自体にポート切換機構を設けたので、カムケーシングに対して外部から接続する配管数が増えることなく、限られたスペース内でのモータの設置時でも配管が行え、また配管コストの低コスト化も図れる。
    【0058】
    ▲3▼ポート切換機構を内蔵したブロックをベーン式液圧モータに搭載したので、ベーン式液圧モータを構成するカムケーシングとブロックとが別部品で加工でき、加工が容易になって加工コストの低減化が図れるばかりか、各部のメンテナンスも容易になる。
    【0059】
    ▲4▼ロッドピンのシール面とロッドピン挿入孔のシール面との面接触する面を、平面状又はテーパ面状に形成したので、低粘度流体であっても、そのシールを確実に行える。
    【図面の簡単な説明】
    【図1】図1は平衡形ベーン式液圧モータの構造を示す図であり、図1(a)は図1(b)のA−A断面概略図、図1(b)は図1(a)のB−B断面概略図、図1(c)はカムケーシング280の部分を上側から見た要部平面図である。
    【図2】本発明の第一実施形態にかかる両回転形のベーン式液圧モータ1−1を示す図であり、図2(a)は図2(b)のC−C断面図、図2(b)は図2(a)のD−D断面図、図2(c)は図2(b)を上側から見た図(カムケーシング10の部分のみ示す)である。
    【図3】ベーン式液圧モータ1−1を他の方向に回転する際の動作説明図である。
    【図4】第二実施形態にかかる両回転形のベーン式液圧モータ1−2の断面図(図2(b)に相当する部分)を示す図である。
    【図5】ベーン式液圧モータ1−2の動作説明図である。
    【図6】第三実施形態にかかる両回転形のベーン式液圧モータ1−3の断面図(図2(b)に相当する部分)を示す図である。
    【図7】図7(a),(b)はロッドピン93とこれを挿入するロッドピン挿入孔91の一構成例を示す図である。
    【図8】図8(a),(b)はロッドピン93とこれを挿入するロッドピン挿入孔91の他の構成例を示す図である。
    【図9】図9(a),(b)はロッドピン93の他の構成形を示す図である。
    【図10】図10(a),(b)はロッドピン93の滑らかな動作を達成するためのロッドピン93の各種構成例を示す図である。
    【図11】図11(a),(b)はロッドピン93の滑らかな動作を達成するためのロッドピン93の各種構成例を示す図である。
    【符号の説明】
    1−1 両回転形のベーン式液圧モータ10 カムケーシング11 ロータ収納部13 第一ポート(入出力ポート)
    14 流路15 第二ポート(入出力ポート)
    16 流路17 ドレンポート30 ロータ35 ベーン50 フロントカバー51 軸受60 エンドカバー61 軸受70 主軸80 バイパス流路S サイドクリアランス1−2 両回転形のベーン式液圧モータ91 ロッドピン挿入孔92 小径部921 シール面93 ロッドピン931 ヘッド部933 シール面95 弾発手段91 シールリング99 スプリング受け座101 封止プラグ1−3 両回転形のベーン式液圧モータ110 ブロック113 第三ポート(入出力ポート)
    114 連通孔115 第四ポート(入出力ポート)
    116 連通孔117 連通孔119 シール手段b 弾性部材a1 潤滑部材a2 潤滑部材b1 潤滑溝b2 潤滑溝

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