可変オイルポンプ

申请号 JP2015186544 申请日 2015-09-24 公开(公告)号 JP2017061866A 公开(公告)日 2017-03-30
申请人 アイシン精機株式会社; 发明人 平野 貴士; 磯田 淳夫; 坂井 孝浩;
摘要 【課題】シール部材保持部にオイルに含まれる異物が流入することに起因して、シール部材保持部に保持されたシール部材の可動性が損なわれるのを抑制することが可能な可変オイルポンプを提供する。 【解決手段】この可変オイルポンプ100は、ハウジング10に収容されるとともに回転駆動されるポンプロータ20と、外周側からポンプロータ20を回転自在に保持した状態でハウジング10とポンプロータ20との間の油圧室Uに供給される油圧を受けて変位することによってポンプロータ20からのオイル1の吐出量を調整する調整リング30と、調整リング30とハウジング10との対向部分に設けられ、油圧室U外へのオイル漏れをシールするベーン41とを備える。調整リング30は、ベーン41(42)を保持するベーン保持部34a(35a)と、油圧室Uの油圧をベーン保持部34a(35a)に引き込む油路36とを含む。 【選択図】図4
权利要求

ポンプハウジングと、 前記ポンプハウジングに収容されるとともに回転駆動されるオイルポンプロータと、 前記ポンプハウジングに収容され、外周側から前記オイルポンプロータを回転自在に保持した状態で、前記ポンプハウジングと前記オイルポンプロータとの間の油圧室に供給される油圧を受けて変位することによって前記オイルポンプロータからのオイルの吐出量を調整する調整用部材と、 前記調整用部材と前記ポンプハウジングとの対向部分に配置され、前記油圧室外へのオイル漏れをシールするシール部材と、を備え、 前記調整用部材は、前記シール部材を保持するシール部材保持部と、前記油圧室の油圧を前記シール部材保持部に引き込む油路とを含む、可変オイルポンプ。前記油路は、前記ポンプハウジングの内側面に対して摺動する前記シール部材の先端部側から、前記シール部材保持部に保持される前記シール部材の根元部側に向かって溝状に延びている、請求項1に記載の可変オイルポンプ。前記シール部材保持部は、前記シール部材の前記根元部近傍に形成されるとともに前記油圧室から引き込まれて前記油路を流通するオイルに含まれる異物を貯留する異物貯留部を有する、請求項2に記載の可変オイルポンプ。前記異物貯留部は、前記油路の延びる方向と直交する前記シール部材の厚み方向に延びるように前記シール部材保持部に形成されており、 前記異物貯留部が延びる方向と直交する方向の前記異物貯留部の断面積は、前記油路の延びる方向と直交する方向の前記油路の断面積よりも大きい、請求項3に記載の可変オイルポンプ。前記シール部材保持部に配置され、前記根元部を押圧して前記シール部材を前記ポンプハウジングの内側面側に付勢する付勢部材をさらに備え、 前記異物貯留部は、前記油路と前記付勢部材との間に設けられている、請求項3または4に記載の可変オイルポンプ。前記シール部材保持部は、前記シール部材の両側面を摺動可能に挟み込むように構成されており、 前記異物貯留部は、前記付勢部材を中心とした前記シール部材の一方側面および他方側面に対応した前記根元部近傍にそれぞれ設けられている、請求項5に記載の可変オイルポンプ。

说明书全文

本発明は、可変オイルポンプに関する。

従来、ポンプハウジングと、オイルポンプロータからのオイルの吐出量を調整する調整用部材とを備えた可変オイルポンプが知られている(たとえば、特許文献1参照)。

上記特許文献1には、容量可変機構を備えたオイルポンプ(可変オイルポンプ)を制御する油圧制御装置が開示されている。この特許文献1に記載の油圧制御装置により容量制御されるオイルポンプは、ハウジングと、ハウジング内に収容されたドリブンロータを外周側から回転自在に保持する調整リング(調整用部材)とを備える。そして、油圧により調整リングを変位させることにより、ドライブロータの回転中心に対するドリブンロータの回転中心を移動させてオイルポンプ1回転あたりの吐出量が増減可能に構成されている。なお、調整リングの外側面の一部とハウジングの内側面との間に調整リングに油圧を作用させる油圧室が設けられている。そして、調整リングとハウジングとの接触部分には、油圧室外へのオイル漏れを防止するためのシール部材が配置されている。なお、シール部材は、調整リングの外側面に形成された凹部(シール部材保持部)に嵌め込まれている。また、シール部材は凹部の内側面に対して摺動可能に保持されており、シール部材の先端部がハウジングの内側面に対して所定の押圧で押し当てられるように構成されている。

特開2014−159761号公報

しかしながら、上記特許文献1に記載されたオイルポンプ(可変オイルポンプ)では、オイルポンプの動作中にシール部材を保持する調整リングの凹部(隙間)にオイルに含まれる異物がひとたび流入した場合、異物の逃げ場がないため、シール部材の根元の隙間部分に異物が噛み込まれた状態に陥る。このため、凹部(シール部材保持部)に挟まった異物に起因して凹部の内側面に対するシール部材の可動性が損なわれるという問題点がある。

この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、シール部材保持部にオイルに含まれる異物が流入することに起因して、シール部材保持部に保持されたシール部材の可動性が損なわれるのを抑制することが可能な可変オイルポンプを提供することである。

上記目的を達成するために、この発明の一の局面における可変オイルポンプは、ポンプハウジングと、ポンプハウジングに収容されるとともに回転駆動されるオイルポンプロータと、ポンプハウジングに収容され、外周側からオイルポンプロータを回転自在に保持した状態で、ポンプハウジングとオイルポンプロータとの間の油圧室に供給される油圧を受けて変位することによってオイルポンプロータからのオイルの吐出量を調整する調整用部材と、調整用部材とポンプハウジングとの対向部分に設けられ、油圧室外へのオイル漏れをシールするシール部材と、を備え、調整用部材は、シール部材を保持するシール部材保持部と、油圧室の油圧をシール部材保持部に引き込む油路とを含む。

この発明の一の局面による可変オイルポンプでは、上記のように、シール部材を保持するシール部材保持部と、油圧室の油圧をシール部材保持部に引き込む油路とを調整用部材に設ける。これにより、可変オイルポンプの動作中にオイルに含まれる異物が油路を介してシール部材保持部に流入した場合であっても、調整用部材に設けられた油路が異物の逃げ場になるので、シール部材保持部とシール部材との間に異物が噛み込まれた状態に陥るのを回避することができる。その結果、シール部材保持部にオイルに含まれる異物が流入することに起因して、シール部材保持部に保持されたシール部材の可動性(摺動性)が損なわれるのを抑制することができる。

上記一の局面による可変オイルポンプにおいて、好ましくは、油路は、シール部材のポンプハウジングの内側面に対して摺動する先端部側から、シール部材保持部に保持されるシール部材の根元部側に向かって溝状に延びている。

このように構成すれば、シール部材保持部の外側(油圧室側)と、溝状に延びる油路が形成されたシール部材保持部の内側(シール部材が摺動する側)とを、溝状の油路以外のシール部材保持部の壁部によって隔てることができる。これにより、油圧室内のオイルがポンプハウジングの内側面とシール部材保持部の先端(油路の入口部分)との間の隙間からシール部材保持部の内側に引き込まれる際、オイルのみを油路に流通させることができるとともに、油圧室内の異物を極力この油路に流通させないようにすることができる。したがって、シール部材保持部とシール部材との間に異物が噛み込まれる状態になるのを極力回避することができる。

この場合、好ましくは、シール部材保持部は、シール部材の根元部近傍に形成されるとともに油圧室から引き込まれて油路を流通するオイルに含まれる異物を貯留する異物貯留部を有する。

このように構成すれば、油圧室内の異物が油路を介してシール部材保持部に引き込まれた際、シール部材の根元部近傍に形成された異物貯留部が異物の逃げ場(溜まり場)になるので、シール部材保持部とシール部材との間に異物が噛み込まれた状態に陥るのを効果的に回避することができる。したがって、油路内に異物が引き込まれた場合であっても、シール部材の可動性(摺動性)を容易に維持することができる。

上記シール部材保持部が異物貯留部を有する構成において、好ましくは、異物貯留部は、油路の延びる方向と直交するシール部材の厚み方向に延びるようにシール部材保持部に形成されており、異物貯留部が延びる方向と直交する方向の異物貯留部の断面積は、油路の延びる方向と直交する方向の油路の断面積よりも大きい。

このように構成すれば、油圧室内の異物が油路を介してシール部材保持部に引き込まれた際、油路よりも大きな空間部分となる(断面積を有する)異物貯留部に異物を容易に貯留することができる。したがって、油路内に異物が引き込まれた場合であっても、シール部材の可動性(摺動性)を確実に維持することができる。

上記シール部材保持部が異物貯留部を有する構成において、好ましくは、シール部材保持部に配置され、根元部を押圧してシール部材をポンプハウジングの内側面側に付勢する付勢部材をさらに備え、異物貯留部は、油路と付勢部材との間に設けられている。

このように構成すれば、油圧室内の異物が油路を介してシール部材保持部に引き込まれた際、異物貯留部が油路と付勢部材との間に設けられているので、異物が付勢部材の配置された位置まで到達するのを抑制することができる。すなわち、付勢部材近傍に残留する異物に起因して付勢部材が適切に機能せずシール部材がポンプハウジングの内側面に対して適切に押し当てられなくなる状態になるのを回避することができる。この結果、油路内に異物が引き込まれた場合であっても、シール部材をポンプハウジングの内側面に適切に押し当てることができるので、シール部材のシール性能(油圧室外へのオイル漏れ防止機能)を高く維持することができる。

この場合、好ましくは、シール部材保持部は、シール部材の両側面を摺動可能に挟み込むように構成されており、異物貯留部は、付勢部材を中心としたシール部材の一方側面および他方側面に対応した根元部近傍にそれぞれ設けられている。

このように構成すれば、油圧室内の異物が油路を介してシール部材保持部に引き込まれた際、油路と付勢部材との間に設けられた一方側面側の異物貯留部か、または、付勢部材の反対側(他方側面側)に配置された異物貯留部の少なくともいずれかに、異物を逃がして貯留することができる。したがって、付勢部材およびその近傍に異物が残留しないので、シール部材のシール性能を確実に維持することができる。

なお、上記一の局面による可変オイルポンプにおいて、以下のような構成も考えられる。

(付記項1) すなわち、上記一の局面による可変オイルポンプにおいて、油路は、シール部材保持部の厚み方向における一方側および他方側の各々のポンプハウジングとの対向領域に形成されている。

(付記項2) また、上記シール部材保持部が異物貯留部を有する可変オイルポンプにおいて、異物貯留部は、シール部材の厚み方向に沿ってシール部材保持部を貫通している。

(付記項3) また、上記シール部材保持部に配置される付勢部材をさらに備える可変オイルポンプにおいて、シール部材および付勢部材のシール部材保持部への組み付け時に、シール部材および付勢部材がジグに保持された状態で、ジグに形成された凸部が異物貯留部に挿入されることにより、異物貯留部を組み付けの基準としてシール部材および付勢部材がシール部材保持部に組み付けられるように構成されている。

本発明の第1実施形態による可変オイルポンプが搭載されたエンジンを示した図である。

本発明の第1実施形態による可変オイルポンプの構造を示した分解斜視図である。

本発明の第1実施形態による可変オイルポンプの内部構造を示した平面図である。

本発明の第1実施形態による可変オイルポンプのベーン保持部周辺の拡大斜視図である。

図4における150−150線に沿った断面図である。

図4における160−160線に沿った断面図である。

本発明の第1実施形態による可変オイルポンプの組立工程の一部を示した図である。

本発明の第1実施形態による可変オイルポンプの容量制御状態を示した図である。

本発明の第1実施形態の変形例によるベーン保持部周辺の拡大斜視図である。

本発明の第2実施形態による可変オイルポンプのベーン保持部周辺の拡大斜視図である。

図10における250−250線に沿った断面図である。

以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。

[第1実施形態] 図1〜図8を参照して、第1実施形態による可変オイルポンプ100について説明する。

(可変オイルポンプの全体構成) 本発明の第1実施形態による可変オイルポンプ100は、図1に示すように、エンジン90を備えた自動車(図示せず)に搭載されている。可変オイルポンプ100は、オイルパン91内のオイル(エンジンオイル)1を汲み上げて複数のピストン92、クランク軸93およびバルブ機構94などの可動部(摺動部)に供給(圧送)する機能を有する。

また、可変オイルポンプ100は、図2に示すように、ハウジング10と、ハウジング10内に回転可能に設けられたポンプロータ(オイルポンプロータ)20と、ポンプロータ20を外周側から回転可能に保持する調整リング30(調整用部材の一例)と、調整リング30を初期位置側に付勢するコイルばね60(図3参照)と、ハウジング10にX2側から矢印X1方向に被せられるカバー19(図1参照))とを備える。また、ポンプロータ20は、外歯車のインナロータ21および内歯車のアウタロータ22を含む。

ここで、図3に示すように、インナロータ21の回転中心は、アウタロータ22の回転中心に対して一定量だけ偏心している。インナロータ21が矢印R1方向(時計回り方向)に回転されると、インナロータ21は同じ方向に若干の遅れをもって回転される。回転の際、インナロータ21とアウタロータ22との距離の短いところでは、インナロータ21の外歯21aとアウタロータ22の内歯22aとが噛み合う。これに対して、距離の遠い方ではインナロータ21の外歯21aが1枚だけ少ないために、アウタロータ22との間にしだいに容積室Vが形成される。また、容積室Vが矢印R1方向への回転移動とともに拡大したり縮小したりすることによって、ポンプロータ20にポンプ機能が生み出される。

インナロータ21の外歯21aは、一般的なトロコイドポンプにおけるインナロータの外歯と比較して、歯幅が細められ歯丈が半径方向外側に引き延ばされた歯形を有する。アウタロータ22の内歯22aが外歯21aの歯形に合わせて噛み合うことにより、ポンプロータ20に形成される容積室Vの容積が、より多く確保されるように構成されている。

また、図1に示すように、可変オイルポンプ100は、クランクケース95内のクランク軸93に対して斜め下方に配置されている。ここで、エンジン90は、エンジンブロック90aのX2側の側端面に縦長状のチェーンカバー(タイミングチェーンカバー)96が締結されており、チェーンカバー96の下端部の領域(Z2側)がクランクケース95におけるオイルパン91の側端面に締結されている。そして、クランク軸93は、チェーンカバー96の貫通孔に嵌め込まれたオイルシール(図示せず)を介してX2側の端部が外部(X2側)に露出しており、この部分にクランクプーリ97が取り付けられている。

これにより、可変オイルポンプ100は、チェーンカバー96の内側に配置されるとともに、クランク軸93と入力軸55側のスプロケット98とにタイミングチェーン99が掛けられている。クランク軸93の駆動力がオイルポンプ駆動用のタイミングチェーン99およびスプロケット98を介して入力軸55に伝達され、インナロータ21に圧入された入力軸55によりポンプロータ20が回転される。

(可変オイルポンプの詳細な構成) ハウジング10は、図2に示すように、アルミニウム合金からなる凹状(深皿状)の鋳物であって、ハウジング10の外縁部を取り囲む周状の壁部11と、壁部11を繋ぐ底部12とを有する。また、壁部11と底部12とによって凹状となった収容凹部12cにポンプロータ20、調整リング30およびコイルばね60(図3参照)が所定の位置関係を有して収容された状態で、カバー19(図1参照)が取り付けられるように構成されている。また、ハウジング10には、オイル1(図1参照)を吸い込む吸込ポート13と、オイル1(図1参照)を吐出する吐出ポート14とが設けられている。

吸込ポート13は、底部12に開口する開口部13aからハウジング10内部の油路13bを介してオイルストレーナ2に繋がる配管3(図4参照)に接続される一方、下流側の部分13cは、吸入範囲に対応して底部12を窪ませて浅溝状に形成されている。また、吐出ポート14は、吐出範囲に対応して底部12を窪ませて浅溝状に形成されるとともに、ハウジング10の内部の油路14aを介して吐出油路4(図4参照)に接続されている。

また、ハウジング10は、底部12からX軸方向に突出する2本のピン15および16を有する。ピン15および16は、円形形状に形成された外側面15aおよび16aを有する。また、ピン15および16は、後述する調整リング30のガイド孔38および39にそれぞれ係合するように構成されている。なお、カバー19(図1参照)は、図2におけるX2側から矢印X1方向に向かってハウジング10における壁部11の接合面11b(X2側の端面)に締結部材(図示せず)を用いて締結される。

また、可変オイルポンプ100は、ポンプロータ20の1回転毎に吐出されるオイル1の吐出量(ポンプ容量)を変更するための容量可変機構を備えている。この容量可変機構は、ハウジング10の収容凹部12c内に形成される油圧室Uの油圧(制御油圧)によって調整リング30を変位(回動)させる機構である。調整リング30を変位(回動)によって、インナロータ21およびアウタロータ22の吸込ポート13および吐出ポート14に対する相対的な位置が変化し、ポンプ容量が変更されるように構成されている。以下、調整リング30を含む容量可変機構について詳細に説明する。

(容量可変機構の構成) 調整リング30は、図2に示すように、本体部31と、張出部32および33と、操作部34と、突起部35とを含む。なお、張出部32および33、操作部34および突起部35は、本体部31に一体的に形成されている。そして、本体部31の内周面31aに外周面20aが滑らかに接触(摺動)するようにポンプロータ20が配置されている。

本体部31は、円環状に形成されており、外周側からポンプロータ20(アウタロータ22)を回転自在に保持する役割を有する。張出部32および33は、本体部31の外側面31bが外方向(回転半径外方向)に張り出すように形成されている。また、張出部32には厚み方向(X軸方向)に貫通する長孔状のガイド孔38が形成されるとともに、張出部33には厚み方向に貫通する長孔状のガイド孔39が形成されている。

操作部34は、外側面31bから突出するように形成され、本体部31を回動させる際に外力(油圧室Uの油圧またはコイルばね60の付勢力)が付与される。操作部34には、先端が凹状に窪まされたベーン保持部34a(シール部材保持部の一例)にベーン41(シール部材の一例)が板ばね61(付勢部材の一例)を介して保持されている。突起部35は、外側面31bから突出するように形成され、先端が凹状に窪まされたベーン保持部35a(シール部材保持部の一例)にベーン42(シール部材の一例)が板ばね61を介して保持されている。ベーン41および42は、調整リング30の厚み(X軸方向の寸法)と同程度の長さを有しており、耐摩耗性に優れた樹脂材料などによって構成されている。

ここで、第1実施形態では、図3に示すように、ベーン保持部34aには、油圧室Uの油圧をベーン保持部34aに引き込む油路36が設けられている。同様に、ベーン保持部35aにも、油圧室Uの油圧をベーン保持部35aに引き込む油路36が設けられている。なお、油路36が設けられたベーン保持部34aおよび35aは基本的に同様の構成および機能を有しているので、ベーン保持部34aを代表して説明を続ける。

また、油路36は、図4に示すように、ベーン41のハウジング10の内側面11aに対して摺動する先端部41a側から、ベーン保持部34aに保持されるベーン41の根元部41b側に向かって直線的でかつ溝状に延びている。したがって、ベーン保持部34aには油路36以外の壁部34bが設けられている。すなわち、壁部34bによってベーン保持部34aの外側(油圧室U側)と、溝状に延びる油路36が形成されたベーン保持部34aの内側(ベーン41が摺動する側)とが隔てられている。また、油路36は、図5および図6に示すように、ベーン保持部34aの厚み方向(X軸方向)における一方側(X1側)および他方側(X2側)の各々のハウジング10との対向領域10aおよび10bにそれぞれ設けられている。なお、ベーン保持部35aも、壁部35bを有している。

また、ベーン保持部34aには、図4に示すように、油路36に加えて油路36を流通するオイル1に含まれる異物を貯留する異物貯留部37がさらに設けられている。異物貯留部37は、図4および図6示すように、油路36の延びる矢印B2方向と直交するベーン41の厚み方向(X軸方向)に延びるようにベーン保持部34aに形成されている。また、異物貯留部37は、ベーン保持部34aを厚み方向(X軸方向)に貫通している。また、異物貯留部37が延びるX軸方向と直交する方向の異物貯留部37のY−Z面内における断面積S2(図6参照)は、油路36の延びる矢印B2方向と直交する方向の油路36の断面積S1(図5の紙面に沿った方向の断面積)よりも大きい。

また、異物貯留部37は、図4に示すように、油路36と板ばね61との間に設けられている。さらには、異物貯留部37は、板ばね61を中心としたベーン41の一方側面41cおよび他方側面41dに対応した根元部41b近傍にそれぞれ設けられている。なお、ベーン保持部34aと同様の構成がベーン保持部35aにも設けられている。ただし、ベーン保持部35aにおいては、油路36の形成位置がベーン保持部34aとは反対側(油圧室Uに近い側)に位置される。ベーン保持部35aの油路36は、油圧室Uに面した側のベーン42の他方側面42dに沿って延びている。そして、板ばね61を中心とした一方側面42cおよび他方側面42dに対応した根元部42bの近傍に一対の異物貯留部37が設けられている。

また、第1実施形態では、図7に示すように、ベーン41(42)および板ばね61のベーン保持部34a(35a)への組み付け時に、ベーン41(42)および板ばね61がジグ110に保持された状態で、ジグ110に形成された凸部151が異物貯留部37に挿入されることにより、異物貯留部37を組み付けの基準としてベーン41(42)および板ばね61がベーン保持部34a(35a)に装着されるように構成する。

また、図3に示すように、コイルばね60は、調整リング30がハウジング10に収容された状態で、壁部11の内側面11aと操作部34との対向領域に嵌め込まれている。また、操作部34は、コイルばね60の伸長力によって矢印A1方向に付勢されている。すなわち、操作部34に作用するコイルばね60の押圧力によって、調整リング30は、入力軸55のまわりを図1の時計回りに回動(変位)するように付勢されている。これにより、操作部34に油圧が作用しない状態では、コイルばね60が最も伸びた状態で調整リング30が変位(回動)を開始する初期位置に保持されるように構成されている。

また、調整リング30がハウジング10に収容された状態では、壁部11の内側面11aと、ベーン41および42と、ベーン41からベーン42までの間の調整リング30の外側面31b(操作部34の外側面の部分も含む)とによって囲まれた領域に油圧室Uが形成されるように構成されている。また、調整リング30がハウジング10に収容された状態では、ピン15がガイド孔38に摺動可能に挿入されて係合するとともに、ピン16がガイド孔39に摺動可能に挿入されて係合するように構成されている。また、ピン15とガイド孔38との係合およびピン16とガイド孔39との係合によって、ハウジング10に対する調整リング30の相対的な変位(回動)をガイド(案内)するガイド部51および52が構成されている。換言すると、ガイド部51および52によって、調整リング30の回動する方向は、ガイド孔38および39の延びる方向(ガイド孔38および39の断面の長手方向)に規制されるように構成されている。

また、図8に示すように、エンジン90には可変オイルポンプ100が有する容量可変機構を機能させるための油圧制御装置5が吐出油路4に設けられている。具体的には、可変オイルポンプ100と油圧制御装置5とは、吐出油路4から分岐する油路6aにより接続されている。また、油圧制御装置5と、ハウジング10内の油圧室Uとが、油路6bを介して接続されている。そして、可変オイルポンプ100の駆動中に、エンジン90に搭載されたECU(図示せず)からの制御信号に基づいて油圧制御装置5が動作されることによって、吐出油路4からオイルフィルタ7(図1参照)を経てエンジン90(オイルギャラリ)に向けて送出されるオイル1の一部が、油路6aを介して油圧制御装置5に引き込まれた後、油路6bを介して油圧室Uに供給されるように構成されている。

次に、図3および図8を参照して、可変オイルポンプ100によるオイル1の吐出量の容量可変制御について説明する。

(容量可変制御の説明) まず、図3に示すように、エンジン90の始動とともに回転される入力軸55によりポンプロータ20が矢印R1方向に駆動される。この際、油圧制御装置5は作動しておらず、調整リング30は、コイルばね60の付勢力によって矢印A1方向に最も回動された初期位置に保持される。なお、初期位置では、ガイド孔38(39)の内側面38a(39a)とピン15(16)の外側面15a(16a)とが接触している。また、初期位置においては、インナロータ21の外歯21aとアウタロータ22の内歯22aとの間でオイル1の減圧を行う負圧作用領域に吸込ポート13が対向するとともに、インナロータ21の外歯21aとアウタロータ22の内歯22aとの間でオイル1の圧縮を行う正圧作用領域に吐出ポート14が対向する。したがって、オイル1が吸込ポート13からポンプロータ20に吸い込まれ、吐出ポート14から油路14aを介して吐出油路4に吐出される。

次に、図8に示すように、エンジン90の回転数や負荷に応じてECU(図示せず)からの制御信号に基づいて油圧制御装置5が動作される。すなわち、吸込ポート13からのオイル1が油路6aを介して油圧制御装置5に引き込まれた後、油路6bを介して油圧室Uに供給されるようになる。そして、油圧室Uに供給されたオイル1の油圧が調整リング30の操作部34に作用することによって、調整リング30がコイルばね60の付勢力に抗して矢印A2方向に回動され始める。

調整リング30の矢印A2方向への回動とともに、ポンプロータ20におけるアウタロータ22は、内歯22aがインナロータ21の外歯21aに噛み合ったままインナロータ21の回転中心に対して所定の偏心量を保ったまま矢印A2方向へ公転される。これにより、正圧作用領域と負圧作用領域とがインナロータ21の回転中心まわりで移動されるので、負圧作用領域から吸込ポート13に作用する負圧が低下するとともに、正圧作用領域から吐出ポート14に作用する正圧も低下する。この結果、ポンプロータ20からのオイル1の吐出量(エンジン90への供給量)が減少される。

また、ECUにより油圧制御装置5が詳細に動作制御されることによって、油圧室Uに供給されるオイル1の油圧(操作部34を矢印A2方向へ付勢する付勢力)が調整される。これにより、操作部34に対する油圧室Uの油圧とコイルばね60の付勢力(操作部34を矢印A1方向へ付勢する付勢力)とのバランス関係に応じて、調整リング30の回動位置が詳細に調整される。また、調整リング30の回動位置が調整されることによって、可変オイルポンプ100によるオイル1の吐出量が詳細に制御される。第1実施形態における可変オイルポンプ100は、上記のように構成されている。

(第1実施形態の効果) 第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。

第1実施形態では、上記のように、ベーン41(42)を保持するベーン保持部34a(35a)と、油圧室Uの油圧をベーン保持部34a(35a)に引き込む油路36とを調整リング30に設ける。これにより、可変オイルポンプ100の動作中にオイル1に含まれる異物が油路36を介してベーン保持部34a(35a)に流入した場合であっても、調整リング30に設けられた油路36が異物の逃げ場になるので、ベーン保持部34a(35a)とベーン41(42)との間に異物が噛み込まれた状態に陥るのを回避することができる。その結果、ベーン保持部34a(35a)にオイル1に含まれる異物が流入することに起因してベーン保持部34a(35a)に保持されたベーン41(42)の可動性(滑らかな摺動性)が損なわれるのを抑制することができる。

また、第1実施形態では、ハウジング10の内側面11aに対して摺動するベーン41(42)の先端部41a(42a)側からベーン保持部34a(35a)に保持される根元部41b(42b)側に向かって溝状に延びるように油路36を構成する。これにより、ベーン保持部34a(35a)の外側(油圧室U側)と、溝状に延びる油路36が形成されたベーン保持部34a(35a)の内側(ベーン41(42)が摺動する側)とを、溝状の油路36以外のベーン保持部34a(35a)の壁部34b(35b)によって隔てることができる。したがって、油圧室U内のオイル1がポンプハウジング10の内側面11aとベーン保持部34a(35a)の先端(油路63の入口)との隙間からベーン保持部34a(35a)内に引き込まれる際、オイル1のみを油路36に流通させるとともに、油圧室U内の異物を極力油路36に流通させないようにすることができる。その結果、ベーン保持部34a(35a)とベーン41(42)との間に異物が噛み込まれる状態になるのを極力回避することができる。

また、第1実施形態では、ベーン41(42)の根元部41b(42b)近傍に形成されるとともに油圧室Uから引き込まれて油路36を流通するオイル1に含まれる異物を貯留する異物貯留部37をベーン保持部34a(35a)に設ける。これにより、油圧室U内の異物が油路を介してベーン保持部34a(35a)に引き込まれた際、ベーン41(42)の根元部41b(42b)近傍に形成された異物貯留部37が異物の逃げ場(溜まり場)になるので、ベーン保持部34a(35a)とベーン41(42)との間に異物が噛み込まれた状態に陥るのを効果的に回避することができる。したがって、油路36内に異物が引き込まれた場合でも、ベーン41(42)の可動性(滑らかな摺動性)を容易に維持することができる。

また、第1実施形態では、油路36の延びる矢印B2方向と直交するベーン41(42)の厚み方向(X軸方向)に延びるようにベーン保持部34a(35a)に異物貯留部37を形成する。そして、異物貯留部37のY−Z面内における断面積S1を、油路36の断面積S2(図5の紙面に沿った方向の断面積)よりも大きく構成する。これにより、油圧室U内の異物が油路36を介してベーン保持部34a(35a)に引き込まれた際、油路36よりも大きな空間部分となる断面積S2を有する異物貯留部37に、異物を容易に貯留することができる。したがって、油路36内に異物が引き込まれた場合であっても、ベーン41(42)の可動性(滑らかな摺動性)を確実に維持することができる。

また、第1実施形態では、油路36と板ばね61との間に異物貯留部37を設ける。これにより、油圧室U内の異物が油路36を介してベーン保持部34a(35a)に引き込まれた際、異物貯留部37が油路36と板ばね61との間に存在するので、異物が板ばね61の配置された位置まで到達するのを抑制することができる。すなわち、板ばね61近傍に残留する異物に起因して板ばね61が適切に機能せずベーン41(42)がハウジング10の内側面11aに対して適切に押圧されなくなる状態になるのを回避することができる。この結果、油路36内に異物が引き込まれた場合であっても、ベーン41(42)をハウジング10の内側面11aに適切に押し当てることができるので、ベーン41(42)のシール性能(油圧室U外へのオイル漏れ防止機能)を高く維持することができる。

また、第1実施形態では、板ばね61を中心としたベーン41(42)の一方側面41c(42c)および他方側面41d(42d)に対応した根元部41b(42b)近傍に異物貯留部37をそれぞれ設ける。これにより、油圧室U内の異物が油路36を介してベーン保持部34a(35a)に引き込まれた際、油路36と板ばね61との間に設けられた一方側面41c(42c)側の異物貯留部37か、または、板ばね61の反対側(他方側面41d(42d)側)に配置された異物貯留部37の少なくともいずれかに、異物を逃がして貯留することができる。したがって、板ばね61およびその近傍に異物が残留しないので、ベーン41(42)のシール性能を確実に維持することができる。

また、第1実施形態では、ベーン保持部34a(35a)の厚み方向における一方側および他方側の各々のハウジング10との対向領域10aおよび10bに油路36を形成する。これにより、油圧室U内のオイル1のみを引き込むために油路36の断面積S1を小さく形成していても、油路36をベーン保持部34a(35a)の厚み方向における一方側および他方側の2箇所に設けているので、ベーン保持部34a(35a)にオイル1を十分に引き込むことができる。また、引き込まれた異物が一方の油路36に逃げてオイル1の流通状態が低下しかけたとしても、他方の油路36からオイル1を引き込むことができるので、ベーン保持部34a(35a)に、オイル1を確実に引き込むことができる。

また、第1実施形態では、ベーン41(42)の厚み方向に沿ってベーン保持部34a(35a)を貫通するように異物貯留部37を構成する。これにより、異物貯留部37の容積を最大限に確保することができるので、異物が徐々に蓄積される場合であっても、異物貯留部37に余裕をもって貯留することができる。したがって、ベーン保持部34a(35a)に保持されたベーン41(42)の可動性を長期に亘って維持することができる。

また、第1実施形態では、ベーン41(42)および板ばね61のベーン保持部34a(35a)への組み付け時に、ベーン41(42)および板ばね61がジグ110に保持された状態で、ジグ110に形成された凸部151が異物貯留部37に挿入されることにより、異物貯留部37を組み付けの基準としてベーン41(42)および板ばね61がベーン保持部34a(35a)に組み付けられるように構成する。これにより、可変オイルポンプ100を製造する過程で、ベーン保持部34a(35a)に予め形成された異物貯留部37を有効に利用してジグ110に保持されたベーン41(42)および板ばね61をベーン保持部34a(35a)に容易に装着することができる。

[第1実施形態の変形例] 次に、図3および図9を参照して、第1実施形態の変形例について説明する。この第1実施形態の変形例では、油路36と板ばね61との間に1つの異物貯留部37を設けた例について説明する。なお、図中において、上記第1実施形態と同様の構成には、第1実施形態と同じ符号を付して図示している。

すなわち、図9に示すように、調整リング130は、ベーン保持部134a(シール部材保持部の一例)を有する操作部134を備える。そして、ベーン保持部134aには、油圧室Uの油圧をベーン保持部134aに引き込む油路36が設けられている。そして、油路36とベーン41を押圧する板ばね61との間に1つの異物貯留部37が形成されている。他方、板ばね61を矢印A2方向に超えた根元部41bの近傍には異物貯留部37は設けられていない。また、図示はしていないが、このベーン保持部134aと同様の構造が上記第1実施形態に対応するベーン保持部35a(図3参照)にも適用されている。

(第1実施形態の変形例の効果) 第1実施形態の変形例では、ベーン41を保持するベーン保持部134aと、油圧室Uの油圧をベーン保持部134aに引き込む油路36とを調整リング130に設ける。そして、油路36と板ばね61との間にのみ1つの異物貯留部37を設ける。このように、異物貯留部37が1箇所であっても、油路36および異物貯留部37が異物の逃げ場になるので、ベーン保持部134aとベーン41との間に異物が噛み込まれた状態に陥るのを回避することができて、ベーン保持部134aに対するベーン41の可動性(摺動性)が損なわれるのを抑制することができる。

[第2実施形態] 次に、図1、図3、図4、図10および図11を参照して、第2実施形態について説明する。この第2実施形態の可変オイルポンプ200では、油路81の形状を上記第1実施形態と異ならせた例について説明する。

可変オイルポンプ200(図1参照)に組み込まれた調整リング230は、図10に示すように、ベーン保持部234a(シール部材保持部の一例)を有する操作部234を備える。そして、ベーン保持部234aには、油圧室Uの油圧をベーン保持部234aに引き込む油路81が設けられている。

油路81は、図10および図11に示すように、上記第1実施形態の油路36(図4参照)とは異なり、ベーン保持部234aの片側(A1側)の先端部領域が平面的な広がりを有して切り欠かれている。また、油路81は、図11に示すように、ベーン保持部234aの厚み方向(X軸方向)における一方側(X1側)および他方側(X2側)の各々のハウジング10との対向領域10aおよび10bにそれぞれ設けられている。この場合、油路81は、対向領域10aおよび10bに対して深さH1を有して窪むように形成されている。なお、ベーン保持部234aには、上記第1実施形態の異物貯留部37(図4参照)は設けられていない。また、第2実施形態では、図示はしていないが、このベーン保持部234aと同様の構造が、上記第1実施形態に対応するベーン保持部35a(図3参照)にも適用されている。なお、第2実施形態における可変オイルポンプ200のその他の構成および動作については、上記第1実施形態と同様である。

(第2実施形態の効果) 第2実施形態では、ベーン41を保持するベーン保持部234aと、油圧室Uの油圧をベーン保持部234aに引き込む油路81とを調整リング230に設ける。これにより、可変オイルポンプ200の動作中にオイル1に含まれる異物が油路81を介してベーン保持部234aに流入した場合であっても、調整リング230に設けられた油路81が異物の逃げ場になるので、ベーン保持部234aとベーン41との間に異物が噛み込まれた状態に陥るのを回避することができる。その結果、ベーン保持部234aに保持されたベーン41の可動性(滑らかな摺動性)が損なわれるのを抑制することができる。

[変形例] 今回開示された実施形態は、全ての点で例示であり制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更(変形例)が含まれる。

たとえば、上記第1および第2実施形態では、油路36(81)をベーン保持部34a(234a)の厚み方向(X軸方向)における一方側(X1側)および他方側(X2側)の各々のハウジング10との対向領域10aおよび10bにそれぞれ設けたが、本発明はこれに限られない。すなわち、ベーン保持部34aの一方側(X1側またはX2側)の対向領域10aまたは10bにのみ設けてもよい。

また、上記第1および第2実施形態では、油路36(81)をベーン保持部34a(234a)の厚み方向におけるハウジング10との対向領域10aおよび10bに露出するように設けたが、本発明はこれに限られない。たとえば、1本の油路36をベーン保持部34aの先端側から異物貯留部37に向かって部材内部を貫通するように形成してもよい。

また、上記第1および第2実施形態では、異物貯留部37をベーン保持部34a(234a)における厚み方向(X軸方向)に貫通させたが、本発明はこれに限られない。たとえば、ベーン保持部34aのX軸方向の片側(一方側)に油路36を設けた場合に、この油路36に接続されるとともにベーン保持部34aのX軸方向の他方側にまで貫通しないような底部を有する深穴状の異物貯留部を設けてもよい。

また、上記第2実施形態では、ベーン保持部234aに油路81のみを設けたが、本発明はこれに限られない。すなわち、油路81に加えて、ベーン41(42)の根元部41b(42b)近傍に異物貯留部37(図4参照)をさらに設けてもよい。

また、上記第1実施形態およびその変形例では、異物貯留部37の断面積S1を油路36の断面積S2よりも大きく構成したが、本発明はこれに限られない。すなわち、異物貯留部37の断面積S1と油路36の断面積S2とを等しく構成してもよい。

また、上記第1および第2実施形態では、エンジン90にオイル1を供給する可変オイルポンプ100に本発明を適用したが、本発明はこれに限られない。たとえば、機関回転数に応じてギアの変速比を自動的に切り替えるオートマチックトランスミッション(AT)にATフルードを供給するオイルポンプに本発明を適用してもよい。また、AT(多段変速機)とは異なり連続的に無段階で変速比を変更する無段変速機(CVT)内の摺動部に潤滑油を供給するオイルポンプや、ステアリング(操装置)を駆動するパワーステアリング装置にパワーステアリングオイルを供給するオイルポンプに本発明を適用してもよい。

また、上記第1および第2実施形態では、エンジン90を備えた自動車に可変オイルポンプ100を搭載したが、本発明はこれに限られない。車両以外の設備機器に搭載された内燃機関用の可変オイルポンプに対して本発明を適用してもよい。また、内燃機関としては、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジンおよびガスエンジンなどが適用可能である。

また、上記第1および第2実施形態では、一般的なトロコイドポンプのインナロータの外歯やアウタロータの内歯と比較して歯幅が細められかつ歯丈が半径方向外側に引き延ばされた歯形を有するポンプロータ20を適用したが本発明はこれに限られない。すなわち、外歯21aおよび内歯22aの歯形がトロコイド曲線またはサイクロイド曲線によって形成された内接歯車型のポンプロータを有する可変オイルポンプに本発明を適用してもよい。

1 オイル 10 ハウジング(ポンプハウジング) 20 ポンプロータ(オイルポンプロータ) 30、130、230 調整リング(調整用部材) 34a、35a、134a、234a ベーン保持部(シール部材保持部) 36、81 油路 37 異物貯留部 41、42 ベーン(シール部材) 41a、42a 先端部 41b、42b 根元部 41c、42c 一方側面(側面) 41d、42d 他方側面(側面) 61 板ばね(付勢部材) 100、200 可変オイルポンプ

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