【発明の詳細な説明】 【0001】この発明はポンプに関し、特に限定されないが、内部に歯またはローブの付いた外ロータ内に偏心的に取り付けられてそれとかみ合う外部に歯またはローブの付いた内ロータを含む形式のポンプに関する。 この形式のポンプの一つは内ロータより一つ多いローブを持つ外ロータ内で偏心的に回転するローブ付き内ロータを含み、内と外ロータはそれらの周囲周りの間隔を置いた複数の点で常にスライド接触しており固定された入口と出口の間で容積が減少する密封された空間を規定する。 【0002】この形式のポンプは内燃機関のオイルポンプとして広く用いられている。 このポンプロータは一般的にハウジング内に取り付けられており、その一部はエンジンブロック内のポケットにより構成されることができ、駆動シャフトがこのハウジング中に突出して内ロータを駆動し、内ロータは逆に外ロータを駆動する。 【0003】本発明によればハウジング、流体を入口から主出口にポンプ輸送するためのハウジング内に取り付けられたポンピング素子を含み、主出口が制御された間隙により第二出口と連通しており、この間隙が第二出口に通過する流体をろ過するポンプが提供される。 【0004】好適装置においてハウジングは本体部とカバー板を含み、本体部は入口と出口を規定するように形成されており、主出口と第二出口の間に制御された間隙を外ロータと共に規定する壁を備えている。 【0005】第二出口がろ過された流体が流れるオリフィスを持つことは好ましい特徴である。 理想的にはオリフィスはろ過された流体を予め決められた位置に向ける外部チューブに連結される。 【0006】ある実施例では、ポンピング素子はハウジング内にかつハウジングに関して回転するように取り付けられている内部に歯またはローブの付いた外ロータ内に偏心的に取り付けられて、それとかみ合う外部に歯またはローブの付いた内ロータを含む。 便宜的には内ロータは回転駆動されるように適合されており、この回転は外ロータの回転を起こす。 【0007】本発明の実施例が添付図面に関してより詳細に述べられるであろう。 【0008】図1と2に主本体11とカバー板12を持つハウジングを含むポンプ10が示されている。 主本体11は内ロータ13と外ロータ14を受けるためのポケットを提供するように形成されている。 ハウジングはまた流体入口17と主出口18を提供する。 内ロータ13 は使用時にはカバー板12を通して突出する駆動シャフト(図示せず)によりその中心軸Aの周りに駆動される。 内ロータ13は外部ローブ15を持ち、外ロータ1 4は内部ローブ16を持ち、ローブ15より一つ多いローブ16がある。 内ロータ13の回転は外ロータ14をその中心軸Bの周りに回転させ、両ロータは互いに関して偏心的に取り付けられている。 ローブ15,16はスライド接触し、ポンピング作用が入口17から主出口1 8への内と外ロータの間の密封空間の減少する容積により実現される。 この形式のポンプの一般的作動原理は公知である。 【0009】ポンプ10において、ハウジングの主本体11は主出口18の一縁を規定する壁20を提供する。 壁20の半径方向外側に第二出口21がある。 入口17 から主出口18にポンプ輸送された流体は、壁20の端部と外ロータ14の間の制御された間隙22を通して第二出口に通過できる。 制御された間隙22は、第二出口に通過する流体に対してろ過作用を提供するように、予め決められた寸法(これは明確化のために図面では誇張されている)のものである。 明らかに間隙22の寸法は希望のろ過作用を提供するように選ばれる。 【0010】第二出口21はオリフィス23を持ち、それにろ過された流体を選ばれた位置に向けるために管2 4またはチューブが連結されている。 代替装置においてろ過された流体は、ポンプに対して内部または外部にあることのできるオイルギャラリーに向けられることができ、またはオリフィスから要求位置に直接噴霧されることができる。 【0011】ポンプ10は内燃機関で使用して潤滑油を入口17から主出口18にポンプ輸送するのに適している。 主出口18からの油はある潤滑目的のために使用されることができるが、第二出口21に入るろ過された油は油中に大きな外来物体を持たないことが重要な特別の潤滑目的のために使用されることができる。 【0012】一つの特別な例において、175μm±5 0μmの制御された間隙22により有利な結果が得られた。 しかし、これは単に一つの適当な装置の例であり、 他の寸法の間隙が要求されるろ過効果に依存して用いられることができることは強調されるべきである。 また第二出口の半径方向の長さは変えることができる。 【0013】図3はポンプ10のためのより複雑なハウジング主本体30を示す。 多くの特徴は図1と2で示された実施例と同じであるので、同じ参照番号が与えられている。 入口17と主出口18の精密な形に幾らかの差がある。 加えて第二出口21から導かれるオリフィス2 3は第一実施例のようにほぼ半径方向よりむしろロータ13,14に関してほぼ軸方向に延びている。 【0014】図4と5に代替ポンプ30が示されており、そこでは多くの特徴は図1と2のポンプ10に似ている。 従って同様な部分は同様な参照番号を与えられている。 しかし、図4と5においては、壁20が省かれており、第二出口31が外ロータ14の外径の半径方向外側のハウジング主本体11の壁内の凹所として形成されている。 凹所31はハウジング主本体11内に形成された制御された間隙32により出口18と連通している。 制御された間隙32は再びろ過作用を提供するように予め決められた半径方向幅のものであり、外ロータ14とハウジングの主本体11の間の法線隙間であることができる。 【0015】図6と7に他の実施例のポンプ40が示されている。 再び図1と2のポンプ10と共通の特徴は同じ参照番号を与えられている。 図6と7では入口17と出口18はハウジングの主本体11内とまたカバー板1 2内に設けられている。 カバー板12内の出口18は外ロータ14の頂部軸面を越えて部分的に延びており、制御された間隙41により第二出口21と連通している。 カバー板12内のこの第二出口21はろ過された流体を例えばチェーンまたはギヤに直接噴霧するのに適しており、または図7に破線で示されるようにそれに結合された任意の噴霧ジェット要素42を持つことができる。 【0016】図8と9において、再び図1と2に似た部分は同じ参照番号を与えられている。 図8と9のポンプ50はチューブ52の形の第二出口51を持ち、このチューブはハウジングの主本体11を通って、かつ内ロータ13の軸方向に延びる差し込み部54のための支持面53とその半径方向内端で連通するように出口を通って延びている。 流体は下部出口18から支持隙間を通ってチューブ52の半径方向内端中に通過する。 【0017】上述の制御された間隙はあるときは二つの存在する要素間の現実の隙間であることができるが、あるときはこれらの隙間は十分な流れが存在することを確実とするように拡大される必要があるかもしれない。 【0018】示された形状において、あるものは油が隙間を通して直接に引き出されていることを示すが、利用しうる隙間が妥当な流れを確立するには、不十分であるところの他のものは希望の隙間を局部的に達成するようにステップが導入される必要がある。 局部ステップに対する要求は特にポンプ設計における要素間の隙間に依存する。 多くのポンプ設計においてロータ支持隙間を通して油の流れを引き出すことは可能であるに違いない。 局部ステップは通常しかし常にではないが油を軸方向隙間(これらは一般的により小さい)を通して引き出すときに必要とされよう。 しかし、あるポンプ設計は、恐らく高圧適用において、半径方向隙間から油を引き出すために局部ステップを必要とするかもしれない。 【0019】図10と11に更なる実施例のポンプ60 が示されており、再び図8と9に似た部分は同じ参照番号を与えられている。 周囲溝61が内ロータ13の差し込み部54の半径方向外部支持面内に形成されている。 ハウジングの主本体11を通して穴62の形の第二出口が設けられており、穴62は溝61に対向する支持面5 3内のその内端において開口している。 代替穴位置63 がまた図10に示されている。 【0020】この装置において、内ロータ支持隙間を通過する流体は溝61中に引き出される。 流体は次いで内ロータ周りを自由に通過し、第二出口を構成する穴62 に沿って引き出される。 【0021】二つの穴の例が示されているが他も可能である。 この変形例は軸方向または半径方向のいずれかの内または外ロータ上のある形状により達成されることができる。 ろ過ステップが流体の要求流速とろ過効果を達成するために必要とされるかもしれないが、利用し得る隙間が両目的のために適当である場合ではこのステップ特徴は必要とされないかもしれない(図10と11に示すように)。 【0022】出口流体をろ過するための制御された間隙がn(n+1)形式のポンプに関して上述されたけれども、ベーンまたはローラー形式のポンプ、内及び外ギヤポンプのような他の形式のポンプの出口領域に同じ原理が使用されることができることは認められるであろう。 【図面の簡単な説明】 【図1】挿入されたロータを持つ本発明によるポンプのハウジング本体の内部の平面図である。 【図2】挿入されたロータと取り付けられたカバー板を持つ図1のハウジング本体の線II−II上の断面である。 【図3】本発明による代替ポンプのハウジング本体の内部の側面図である。 【図4】本発明による代替ポンプのハウジング本体の内部の平面図である。 【図5】図4の一部の拡大図である。 【図6】本発明による今一つの代替ポンプの平面図である。 【図7】図6の線VII−VII上の断面である。 【図8】本発明による更なる代替ポンプのハウジング本体の内部の平面図である。 【図9】取り付けられたカバー板を持つ図8の線IX−IX 上の断面である。 【図10】本発明によるなお更なるポンプのハウジング本体の内部の平面図である。 【図11】取り付けられたカバー板を持つ図10の線XI −XI上の断面である。 フロントページの続き (72)発明者 マイケル・デヴィッド・ロウ イギリス国ケント、エムイー17 4ジェイ キュウ、メイドストーン、ボートン、モン チェルシー、グリーン、レイン、ロングテ イルス (番地なし) (72)発明者 ナイジェル・ジョン・グッダル イギリス国ケント、エムイー8 0エイチ ジェイ、ギリングハム、レインハム、キャ メリア、クロウズ 7 |