Vane pump

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ジャムやマヨネーズ等の高粘度のものを低速により移送する容積式のベーンポンプの改良に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】ベーンポンプは、ケージングに内装されるベーンのガイドリングは、ケージングの内壁面に直接接触するように構成されていた。 しかし、かかる従来のベーンポンプだと、ベーンの回転によりガイドリングが押圧されてベーンの回転面と垂直方向に移動すると、ガイドリングによってケージングの内壁面が摩耗し、作動不良の原因となるという問題があった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところはガイドリングによるケーシングの摩耗を防止することができ、常に安定した作動状態を維持することができるベーンポンプを提供することにある。

【０００４】

【問題を解決するための手段】本発明のベーンポンプは、ガイドリングとこのガイドリングでガイドされて回転するベーンとをケージングに内装したベーンポンプにおいて、上記ケーシングの内壁面と接触する上記ガイドリングの端面に、強化テフロン等の耐摩耗性を有する材料で形成された補助リングを取着したことを特徴とするものである。

【０００５】

【作用】本発明のベーンポンプによれば、ケーシングの内壁面と接触するガイドリングの端面に、強化テフロン等の耐摩耗性を有する材料で形成された補助リングを取着したので、ガイドリングとケーシングの内壁面との間に補助リングが介在することになり、ケーシングの内壁面の擦り減りを防止することができる。

【０００６】

【実施例】以下、本発明のベーンポンプを図示の実施例に基づいて説明する。 ベーンポンプのケージング１には、ガイドリング２とローター３とベーン４が内装されている。

【０００７】ケーシング１は、図１及び図７に示すようにケーシング本体１１の両面をポートプレート１２とエンドプレート１３で閉塞して構成されており、ケーシング１はポートプレート１２を介してポートブロック６が取り付けられている。 ポートプレート１２には吸込み口１２Ａと吐出し口１２Ｂが形成されている。

【０００８】ローター３の周端面には周方向に等間隔でかつ放射状に複数のベーン溝３Ａが設けられており、ローター３の両側端面にはガイドリング収納凹所３Ｂが形成されており、各ベーン溝３Ａにはベーン４が遊嵌されている。 ローター３にはシャフト５が取り付けられている。

【０００９】ガイドリング２は外側端面には、図３に示すように嵌着溝２１が周設されており、この嵌着溝２１
には補助リング２Ａが嵌着されている。 この補助リング２Ａは強化テンロンやフェノール系樹脂ゴムなどの耐摩耗性を有する材料にて形成されている。

【００１０】ガイドリング２はローター３の両側のガイドリング収納凹所３Ｂにぞれぞれ収められており、補助リング２Ａはケーシング１のポートプレート１２とエンドプレート１３の内壁面にそれぞれ接触している（図１）。

【００１１】なお、図７中、Ａ１はロータ押え金具、Ａ
２はＯリング、Ａ３はメカニカルシール、Ａ４はグランドスペーサ、Ａ５はオイルシール、Ａ６はベアリング、
Ａ７はローターキー、Ａ８はスナップリング、Ａ９はプーリーキー、Ａ１０はベアリングハウジングである。

【００１２】以上のようにして構成されるベーンポンプは、ローター３が低速回転することにより、ベーン４がガイドリング２にてガイドされながら回転し、吸込み口１２Ａから吸い込まれてベーン４間に閉じ込められた被移送物（不図示）は吐出し口１２Ｂから吐き出される。
そして、ベーン４の回転によりガイドリング２が押圧されてベーン４の回転面と垂直方向に移動すると、補助リング２Ａがケーシング１のポートプレート１２とエンドプレート１３の内壁面に押圧されることとなる。

【００１３】

【発明の効果】本発明のベーンポンプによれば、ガイドリングとケーシングの内壁面との間に補助リングが介在するので、ガイドリングによるケーシングの摩耗を防止することができる。

【００１４】

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のベーンポンプの実施例を示す一部破断した側面図

【図２】本発明のベーンポンプの実施例を示す正断面図

【図３】本発明のベーンポンプのガイドリングの正面図

【図４】本発明のベーンポンプのガイドリングの側断面図

【図５】本発明のベーンポンプの補助リングの正面図

【図６】本発明のベーンポンプの補助リングの側断面図

【図７】本発明のベーンポンプの分解した斜視図

【符号の説明】 １ ケーシング ２ ガイドリング ２Ａ 補助リング ４ ベーン