可変容量形ポンプ

申请号 JP2016573299 申请日 2016-01-27 公开(公告)号 JP6419223B2 公开(公告)日 2018-11-07
申请人 日立オートモティブシステムズ株式会社; 发明人 永沼 敦;
摘要
权利要求

内燃機関のシリンダブロックに設けられたオイルフィルタを介してメインオイルギャラリーにオイルを供給する可変容量形オイルポンプであって、 ポンプ収容室を内部に有するポンプボディと、 前記ポンプ収容室の内部に収容され、内燃機関によって回転駆動されることにより、複数のポンプ室に容積が変化して吸入部から吸入されたオイルを吐出部から前記オイルフィルタを介して前記メインオイルギャラリーに吐出するポンプ構成体と、 前記ポンプ構成体が内部に収容され、前記ポンプ収容室の内部を移動することによって前記複数のポンプ室に容積変化量を可変にする可動部材と、 セット荷重が付与された状態で設けられ、前記複数のポンプ室に容積変化量が増大する方向へ前記可動部材を付勢する付勢機構と、 前記ポンプボディの内部に設けられ、前記吐出部と前記オイルフィルタとの間の通路から分岐した供給通路と、 前記ポンプ収容室を形成する前記ポンプボディの周壁と前記可動部材との間に形成され、前記供給通路を介して前記吐出部から吐出されたオイルが供給されることによって、前記複数のポンプ室の容積変化量を減少させる方向へのを前記可動部材に作用させる第1制御油室と、 前記ポンプ収容室を形成する前記ポンプボディの周壁と前記可動部材との間に形成され、前記供給通路を介して前記吐出部から吐出されたオイルが供給されることによって、前記複数のポンプ室の容積変化量を増大させる方向への力を前記可動部材に作用させる第2制御油室と、 前記メインオイルギャラリーから分岐する制御通路に接続され、コントロールユニットにより制御される切換機構と、 前記切換機構に接続され、該切換機構を介して導入される油圧によって前記第2制御油室と大気圧を連通させる第1状態と、前記第2制御油室と前記供給通路を連通させる第2状態と、に切り換える制御機構と、 を備えたことを特徴とする可変容量形ポンプ。請求項1に記載の可変容量形ポンプにおいて、 前記制御機構は、ポンプ高回転時に、前記第2制御油室に対して前記吐出部から吐出されたオイルの吐出圧を供給した際に、この吐出圧が大きくなるにしたがって前記第2制御油室の作動油を排出して前記第2制御油室内を減圧調整することを特徴とする可変容量形ポンプ。請求項2に記載の可変容量形ポンプにおいて、 前記制御機構は、 前記制御通路から制御油圧を導入する導入ポートと、前記第2制御油室に連通する吐出側連通ポート及び前記大気圧である低圧部に連通するドレンポートを有するバルブボディと、 該バルブボディの内部軸方向に摺動自在に収容され、軸方向の摺動位置に応じて前記第2制御油室に対する前記吐出側連通ポートとドレンポートとの連通と遮断を切り換えるスプール弁と、 前記バルブボディの内部に弾装されて、前記付勢機構よりも小さな付勢力によって前記スプール弁を軸方向の一方側へ付勢する制御ばねと、 を有することを特徴とする可変容量形ポンプ。請求項3に記載の可変容量形ポンプにおいて、 前記スプール弁が前記制御ばねによって付勢されて前記バルブボディの軸方向の一方側へ最大に移動した第1位置では、前記ドレンポートと前記第2制御油室が連通する前記第1状態となり、 前記吐出圧が増加するに伴い前記導入ポートに供給された制御油圧により前記スプール弁が前記制御ばねのばね力に抗して軸方向の他方側へ僅かに移動した第2位置では、前記吐出側連通ポートと第2制御油室が連通すると共に、前記ドレンポートと前記第2制御油室との連通が遮断される前記第2状態となり、 前記吐出圧がさらに大きくなって、前記制御油圧により前記スプール弁が他方側へさらに移動した第3位置では、前記吐出側連通ポートと第2制御油室が連通すると共に、前記ドレンポートと第2制御油室が連通する第3状態となることを特徴とする可変容量形ポンプ。請求項4に記載の可変容量形ポンプにおいて、 前記スプール弁は、軸方向の両端部と該両端部の中間位置に前記バルブボディと摺動する大径なランド部をそれぞれ有すると共に、該各ランド部の間に小径軸部が形成され、該小径軸部の外周によって前記第2制御油室に対して前記吐出側連通ポート及びドレンポートを適宜連通させ、前記各ランド部によって前記第2制御油室に対して前記吐出側連通ポートとドレンポートとの連通を適宜遮断することを特徴とする可変容量形ポンプ。請求項5に記載の可変容量形ポンプにおいて、 前記導入ポートは、前記バルブボディの軸方向の一端部側に設けられ、該導入ポート側の前記スプール弁の軸方向一端部に、前記制御通路から供給された前記制御油圧を受ける受圧面が形成されていることを特徴とする可変容量形ポンプ。請求項6に記載の可変容量形ポンプにおいて、 前記吐出側連通ポート及びドレンポートは、前記バルブボディの周壁径方向に沿って設けられていることを特徴とする可変容量形ポンプ。請求項1に記載の可変容量形ポンプにおいて、 前記制御機構は、第1制御機構と第2制御機構の2つの機構を有し、 前記第1制御機構は、前記第2制御油室に前記吐出部から吐出圧を供給するか、または前記第2制御油室内の作動油を排出するように構成され、 前記第2制御機構は、前記第2制御油室内の作動油をドレン通路を介して排出するか、または前記第2制御油室と前記ドレン通路の連通を遮断するように構成され、 ポンプ高回転時には、前記第1制御機構によって前記第2制御油室に前記吐出部から吐出されたオイルの吐出圧を供給した際に、この吐出圧が大きくなるにしたがって前記第2制御機構によって前記第2制御油室内の作動油を排出させて該第2制御油室内を減圧調整することを特徴とする可変容量形ポンプ。請求項8に記載の可変容量形ポンプにおいて、 前記第1制御機構は、 前記制御通路を通った制御油圧を導入する第1導入ポートと、前記第2制御油室と連通する吐出側連通ポートと、前記大気圧である低圧部に連通する第1ドレンポートとを有する第1バルブボディと、 該第1バルブボディの内部に軸方向へ摺動自在に収容され、軸方向の摺動位置に応じて前記第2制御油室に対する前記吐出側連通ポートと第1ドレンポートの連通状態を切り換える第1スプール弁と、 前記第1バルブボディの内部に弾装され、前記付勢機構よりも小さな付勢力によって前記第1スプール弁を軸方向の一方側へ付勢する第1制御ばねと、 を有し、 前記第2制御機構は、 前記制御通路を通った制御油圧を導入する第2導入ポートと、低圧部に連通する第2ドレンポートとを有する第2バルブボディと、 該第2バルブボディの内部に軸方向へ摺動自在に収容され、軸方向の摺動位置に応じて前記第2制御油室に対する前記第2ドレンポートとの連通状態を切り換える第2スプール弁と、 前記第2バルブボディの内部に軸方向へ摺動自在に収容され、前記付勢機構よりも小さな付勢力によって前記第2スプール弁を軸方向の一方側へ付勢する第2制御ばねと、 を備えていることを特徴とする可変容量形ポンプ。請求項9に記載の可変容量形ポンプにおいて、 前記第2制御ばねの付勢力は、前記第1制御ばねの付勢力よりも大きいことを特徴とする可変容量形ポンプ。請求項1に記載の可変容量形ポンプにおいて、 前記第1制御油室の受圧面積は、前記第2制御油室の受圧面積よりも大きく形成され、 前記制御機構は、前記第2制御油室に前記吐出部から吐出圧を供給するか、または前記第2制御油室内の作動油を排出するように構成され、ポンプ高回転時において、前記第2制御油室に吐出圧を供給した際に、この吐出圧が大きくなるにしたがって前記第1、第2制御油室の各受圧面積の差によって前記可動部材を前記複数のポンプ室の容積変化量を減少させる方向へ移動させることを特徴とする可変容量形ポンプ。請求項1に記載の可変容量形ポンプにおいて、 前記切換機構は、電気的に切り換え制御される電磁切換弁によって構成されていることを特徴とする可変容量形ポンプ。請求項1に記載の可変容量形ポンプにおいて、 前記吐出部から吐出された作動油は、前記内燃機関の内部に有する構成部材を潤滑する潤滑油であることを特徴とする可変容量形ポンプ。請求項13に記載の可変容量形ポンプにおいて、 前記吐出部から吐出された作動油は、可変動弁装置の駆動源と、内燃機関のピストンに作動油を供給するオイルジェットに用いられることを特徴とする可変容量形ポンプ。内燃機関のシリンダブロックに設けられたオイルフィルタを介してメインオイルギャラリーにオイルを供給する可変容量形オイルポンプであって、 ポンプ収容室を内部に有するポンプボディと、 前記ポンプ収容室の内部に収容され、内燃機関によって回転駆動されるロータと、 該ロータの外周に出没自在に設けられた複数のベーンと、 前記ポンプ収容室内を移動可能に配置され、内部に前記ロータやベーンとともに複数のポンプ室を隔成し、前記ポンプ収容室を移動することによって前記ロータの中心に対する偏心量が変化するカムリングと、 前記複数のポンプ室のうち、前記ロータの回転に伴って内部容積が増大するポンプ室に面するように前記ポンプ収容室に開口した吸入部と、 前記複数のポンプ室のうち、前記ロータの回転に伴って内部容積が減少するポンプ室に面するように前記ポンプ収容室に開口し、前記オイルフィルタを介して前記メインオイルギャラリーに接続される吐出部と、 セット荷重が付与された状態で設けられ、前記偏心量が大きくなる方向へ前記カムリングを付勢する付勢機構と、 前記ポンプボディの内部に設けられ、前記吐出部と前記オイルフィルタとの間の通路から分岐した供給通路と、 前記ポンプ収容室を形成する前記ポンプボディの周壁と前記可動部材との間に形成され、前記供給通路を介して前記吐出部から吐出されたオイルが供給されることによって、前記偏心量を減少させる方向への力を前記カムリングに作用させる第1制御油室と、 前記ポンプ収容室を形成する前記ポンプボディの周壁と前記可動部材との間に形成され、前記供給通路を介して前記吐出部から吐出されたオイルが供給されることによって、前記偏心量を増大させる方向への力を前記カムリングに作用させる第2制御油室と、 前記メインオイルギャラリーから分岐した制御通路に接続される電磁切換弁に接続され、前記電磁切換弁を介して導入されるオイルの油圧によって、前記第2制御油室と大気圧を接続させる状態と、前記第2制御油室と前記供給通路を接続させる状態とに切り換える制御機構と、 を備えたことを特徴とする可変容量形ポンプ。請求項15に記載の可変容量形ポンプにおいて、 前記第1、第2制御油室は、前記カムリングの外周側に設けられていると共に、該カムリングの外周面に有する揺動支点によって画成されていることを特徴とする可変容量形ポンプ。請求項16に記載の可変容量形ポンプにおいて、 前記制御機構は、パイロット弁であることを特徴とする可変容量形ポンプ。

说明书全文

本発明は、例えば内燃機関の摺動部位の潤滑や、内燃機関の補機類の駆動源となるオイルを供給する可変容量形ポンプに関する。

従来の可変容量形ポンプとしては種々提供されており、その一つとして、例えば、本出願人が先に出願した以下の特許文献1に開示されているものが知られている。

この可変容量形ポンプは、ポンプ吐出通路の下流側に内燃機関の内部に形成されたメインオイルギャラリーから2つの第1、第2制御油室に対して油圧が供給され、あるいはドレン通路を介して排出されることにより、カムリングのロータの軸心に対する偏心量を変化させてポンプ吐出量を変化させるようになっている。

すなわち、前記第1制御油室は、前記メインオイルギャラリーから分岐した第1分岐通路から供給された油圧によって前記カムリングの偏心量を小さくする方向へ作用させるようになっている。一方、第2制御油室は、メインオイルギャラリーから分岐した第2分岐通路から供給された油圧によって前記カムリングの偏心量を大きくする方向へ作用させるようになっており、この第2制御油室には、機関本体に設けられた電磁切換弁の切り換え作動により、パイロット弁を介して前記第2分岐通路に連通するか、あるいはドレン通路との連通が切り換え制御されるようになっている。

そして、ポンプ回転数に応じて前記第2制御油室へのメインオイルギャラリーからの油圧を制御して、前記カムリングの偏心量を増減制御することによってポンプ吐出圧を低圧特性と高圧特性の2段階特性に制御するようになっている。

特開2014−105622号公報

前記特許文献1に記載の可変容量形ポンプは、前述のように、第1制御油室と第2制御油室に、前記メインオイルギャラリーから分岐した第1分岐通路から直接あるいは第2分岐通路から電磁切換弁やパイロット弁を介して間接的に油圧が供給、排出されるようになっており、前記電磁切換弁を機関本体に設けたことに起因して前記第1、第2分岐通路の両方をメインオイルギャラリーと同じく機関本体の内部に形成するようになっている。

このため、前記各分岐通路の形成作業が繁雑になり、製造コストの高騰が余儀なくされている。

本願発明は、前記従来の技術的課題に鑑みて案出されたもので、電磁切換弁を機関本体などに設けたとしても、単一の制御通路によって2段階の油圧特性が得ることができる可変容量形ポンプを提供することを目的としている。

本発明は、内燃機関のシリンダブロックに設けられたオイルフィルタを介してメインオイルギャラリーにオイルを供給する可変容量形オイルポンプであって、 ポンプ収容室を内部に有するポンプボディと、 前記ポンプ収容室の内部に収容され、内燃機関によって回転駆動されることにより、複数のポンプ室に容積が変化して吸入部から吸入されたオイルを吐出部から前記オイルフィルタを介して前記メインオイルギャラリーに吐出するポンプ構成体と、 前記ポンプ構成体が内部に収容され、前記ポンプ収容室の内部を移動することによって前記複数のポンプ室に容積変化量を可変にする可動部材と、 セット荷重が付与された状態で設けられ、前記複数のポンプ室に容積変化量が増大する方向へ前記可動部材を付勢する付勢機構と、 前記ポンプボディの内部に設けられ、前記吐出部と前記オイルフィルタとの間の通路から分岐した供給通路と、 前記ポンプ収容室を形成する前記ポンプボディの周壁と前記可動部材との間に形成され、前記供給通路を介して前記吐出部から吐出されたオイルが供給されることによって、前記複数のポンプ室の容積変化量を減少させる方向へのを前記可動部材に作用させる第1制御油室と、 前記ポンプ収容室を形成する前記ポンプボディの周壁と前記可動部材との間に形成され、前記供給通路を介して前記吐出部から吐出されたオイルが供給されることによって、前記複数のポンプ室の容積変化量を増大させる方向への力を前記可動部材に作用させる第2制御油室と、 前記メインオイルギャラリーから分岐する制御通路に接続され、コントロールユニットにより制御される切換機構と、 前記切換機構に接続され、該切換機構を介して導入される油圧によって前記第2制御油室と大気圧を連通させる第1状態と、前記第2制御油室と前記供給通路を連通させる第2状態と、に切り換える制御機構と、 を備えたことを特徴としている。

本発明によれば、電磁切換弁を機関本体などに設けたとしても、単一の制御通路によって2段階の油圧特性が得ることが可能になる。

本発明の実施形態に係る可変容量形ポンプのオイルポンプと油圧回路を示す概略図である。

本実施形態に供されるオイルポンプのカバー部材を外した状態を示す正面図である。

本実施形態のオイルポンプの分解斜視図である。

本実施形態のオイルポンプの縦断面図である。

本実施形態に供されるオイルポンプのポンプボディを示す正面図である。

本実施形態に供されるカバー部材の正面図である。

本実施形態のオイルポンプを示す斜視図である。

本実施形態に供されるカムリングの斜視図である。

本実施形態に供されるパイロット弁の縦断面図である。

本実施形態の可変容量形ポンプの作動説明図である。

同可変容量形ポンプの作動説明図である。

同可変容量形ポンプの作動説明図である。

同可変容量形ポンプの作動説明図である。

同実施形態に係る可変容量形ポンプにおける機関回転数とポンプ吐出圧との関係を示すグラフである。

本発明の第2実施形態の可変容量形ポンプのオイルポンプと油圧回路を示す概略図である。

本実施形態に供されるパイロット弁の縦断面図であって、Aは第1パイロット弁を示し、Bは第2パイロット弁を示している。

本実施形態の可変容量形ポンプの作動説明図である。

本実施形態の可変容量形ポンプの作動説明図である。

本実施形態の可変容量形ポンプの作動説明図である。

本実施形態の可変容量形ポンプの作動説明図である。

本発明の第3実施形態の可変容量形ポンプのオイルポンプと油圧回路を示す概略図である。

本実施形態に供されるパイロット弁の縦断面図である。

本実施形態の可変容量形ポンプの作動説明図である。

本実施形態の可変容量形ポンプの作動説明図である。

本実施形態の可変容量形ポンプの作動説明図である。

本実施形態の可変容量形ポンプの作動説明図である。

本実施形態の可変容量形ポンプにおける機関回転数とポンプ吐出圧との関係を示すグラフである。

本発明の第4実施形態の可変容量形ポンプにおけるオイルポンプと油圧回路を示す概略図である。

本実施形態の可変容量形ポンプの作動説明図である。

本実施形態の可変容量形ポンプの作動説明図である。

本実施形態の可変容量形ポンプの作動説明図である。

本実施形態の可変容量形ポンプの作動説明図である。

本実施形態の可変容量形ポンプにおける機関回転数とポンプ吐出圧との関係を示すグラフである。

以下、本発明に係る可変容量形ポンプの複数の実施形態を図面に基づいて詳述する。 〔第1実施形態〕 図1は本実施形態の可変容量形のオイルポンプと油圧回路を示し、可変容量形のオイルポンプ1は、内燃機関のクランクシャフトから伝達された回転駆動力によって回転して、オイルパン2に貯留されたオイルを、ストレーナ3を介して吸入通路4から吸入して吐出部である吐出通路5から機関内部に形成されたメインオイルギャラリー6に吐出するようになっている。

前記メインオイルギャラリー6は、前記機関の摺動部であるたとえばピストンに冷却オイルを噴射するオイルジェットやバルブタイミング制御装置(VTC)、クランクシャフトの軸受にオイルを供給するようになっている。

前記吐出通路5の下流側には、通流するオイル内の異物を捕集するオイルフィルタ7が設けられていると共に、吐出圧が過剰になった場合に、前記オイルフィルタ7の破損を抑制する圧力制御弁8が設けられている。

また、前記吐出通路5の前記オイルフィルタ7と圧力制御弁8の間には、第1供給通路9が分岐形成されていると共に、該第1供給通路9には後述する第1制御油室31に常時連通する第2供給通路10が分岐形成されている。

前記第1供給通路9は、後述する制御機構であるパイロット弁40と給排通路11を介して第2制御油室32に適宜連通あるいは連通が遮断されるようになっている。

前記パイロット弁40には、機関本体(シリンダブロック)に設けられた切換機構である電磁切換弁60を介して前記メインオイルギャラリー6から分岐した制御通路12が接続されている。

前記オイルポンプ1は、図外の内燃機関のシリンダブロックの前端部に設けられ、図2、図3に示すように、一端側が開口するように形成されて内部にポンプ収容室15を有する断面コ字形状のポンプボディ13と、該ポンプボディ13の一端開口を閉塞するカバー部材14と、前記ポンプ収容室15のほぼ中心部を貫通して、ポンプボディ13とカバー部材14に回転自在に支持され、機関のクランク軸によって回転駆動される駆動軸16と、ポンプ収容室15内に回転自在に収容されて中心部が駆動軸16に結合されたロータ17と、該ロータ17の外周部に放射状に切欠形成された複数のスリット17a内にそれぞれ出没自在に収容された複数のベーン18と、該各ベーン18の外周側にロータ17の回転中心に対して偏心揺動可能(偏心移動可能)に配置され、前記ロータ17及び隣接するベーン18,18と共に複数のポンプ室20を画成するカムリング19と、ポンプボディ13内に収容され、ロータ17の回転中心に対するカムリング19の偏心量が増大する方向へカムリング19を常時付勢する付勢機構であるコイルばね21と、前記ロータ17の内周側の両側部に摺動自在に配置された該ロータ17よりも小径な一対のリング部材22,22と、を備えている。なお、前記駆動軸16とロータ17及び各ベーン18がポンプ構成体を構成している。

前記ポンプボディ13は、アルミ合金材によって一体に形成され、図4及び図5にも示すように、ポンプ収容室15の底面15aのほぼ中央位置に、駆動軸16の一端部を回転自在に支持する軸受孔13aが貫通形成されている。また、ポンプボディ13の内側面となるポンプ収容室15の内周壁の所定位置には、カムリング19を揺動自在に支持するピボットピン23が挿入固定される支持孔13bが形成されている。なお、前記軸受孔13a内には、後述する吐出ポート25からオイルが供給される通路溝13gの下流側開口端が臨んでいる。

さらに、ポンプ収容室15の内周壁には、図2に示すように、軸受孔13aの中心と支持孔13bの中心とを結ぶ直線(以下「カムリング基準線」という。)Mを挟んだ両側に、カムリング19の外周部に配設される後述の2つのシール部材30,30がそれぞれ摺接する第1、第2シール摺接面13c,13dが形成されている。

前記カバー部材14は、図2及び図6に示すように、外側部におけるポンプボディ13の軸受孔13aに対応する位置が円筒状に形成されると共に、この円筒部の内周面に駆動軸16の他端側を回転自在に支持する軸受孔14aが貫通形成されている。このカバー部材14は、複数のボルト26によりポンプボディ13の開口端面に取り付けられている。

また、前記カバー部材14の底面14bとポンプ収容室15の底面15aには、図2及び図3、図6に示すように、前記軸受孔14aの外周域に、前記ポンプ構成体のポンプ作用に伴ってポンプ室20の内部容積が増大する領域(吸入領域)に開口するように凹状の吸入部である吸入ポート24と、前記ポンプ構成体のポンプ作用に伴ってポンプ室20の内部容積が減少する領域(吐出領域)に開口するようにほぼ円弧凹状の吐出部である吐出ポート25が、それぞれ軸受孔14aを挟んでほぼ対向するように切欠形成されている。

前記吸入ポート24の一端部側には、後述するばね収容室28側に延設された吸入孔24aがカバー部材14の底壁を貫通して外部へと開口形成されている。これにより、前記オイルパン2に貯留された潤滑油が、ポンプ構成体のポンプ作用に伴って発生する負圧に基づき吸入通路4と吸入孔24a及び吸入ポート24を介して前記吸入領域の各ポンプ室20に吸入されるようになっている。

前記吐出ポート25は、図6中の上部位置にカバー部材14の底壁を貫通して前記吐出通路5を介して前記メインオイルギャラリー6に連通する吐出孔25aが開口形成されている。

かかる構成から、前記ポンプ構成体のポンプ作用により加圧されて前記吐出領域の各ポンプ室20から吐出されたオイルが、吐出ポート25と吐出孔25a及び吐出通路5を介してメインオイルギャラリー6に供給されて機関内の各摺動部及びバルブタイミング制御装置などに供給されるようになっている。

また、図7に示すように、前記吐出孔25aの開口に隣接し、前記電磁切換弁60を介して制御油圧を受ける受圧孔12aが開口形成されている。

なお、前記吸入、吐出ポート24,25を、前記カバー部材14の底面ではなく、前記ポンプボディ13のポンプ収容室15に形成することも可能である。

前記駆動軸16は、図外のクランクシャフトからプーリなどを介して伝達された回転力によってロータ17を図2中、反時計方向へ回転するように構成されている。

前記ロータ17は、図2に示すように、内部中心側から径方向外側へ放射状に形成された前記7つのスリット17aが切欠形成されていると共に、該各スリット17aの内側基端部には、前記吐出ポート25に吐出された吐出油を導入する断面ほぼ円形状の背圧室17bがそれぞれ形成されている。これにより、前記各ベーン18がロータ17の回転に伴う遠心力と背圧室17bの油圧とによって外方へ押し出されるようになっている。

前記各ベーン18は、各先端面がそれぞれカムリング19の内周面に摺接すると共に、各基端部の内端面が各リング部材22,22の外周面にそれぞれ摺接するようになっている。これによって、機関回転数が低く、前記遠心力や背圧室17bの油圧が小さいときでも、ロータ17の外周面と、隣接するベーン18,18の各内側面と、カムリング19の内周面と、側壁であるポンプボディ13のポンプ収容室15の底面15a及びカバー部材14の内側面とによって、前記各ポンプ室20を液密的に画成している。

前記カムリング19は、図8にも示すように、焼結金属によって円環状に一体形成され、外周部の所定位置に、前記ピボットピン23に嵌合して偏心揺動支点を構成するほぼ円弧凹状のピボット溝19aが軸方向に沿って突設されていると共に、該ピボット溝19aに対しカムリング19の中心を挟んで反対側の位置に、前記コイルばね21と連係するアーム部19bが径方向に沿って突設されている。

ここで、前記ポンプボディ13内には、前記支持孔13bと反対側の位置に形成された連通部27を介してポンプ収容室15と連通するようにばね収容室28が設けられており、このばね収容室28内に前記コイルばね21が収容されている。

このコイルばね21は、前記連通部27を通じてばね収容室28内まで延出する前記アーム部19bの先端部の下面とばね収容室28の底面との間に、所定のセット荷重Wをもって弾性保持されている。

したがって、前記コイルばね21は、前記ばね荷重Wに基づく弾性力をもって、前記アーム部19bを介してカムリング19を、その偏心量が増大する方向(図2中の反時計方向)へ常時付勢するようになっている。これにより、カムリング19は、非作動時には前記コイルばね21のばね力によってアーム部19bの上面がばね収容室28の上壁下面に形成されたストッパ面28aに押し付けられた状態となり、ロータ17の回転中心に対するその偏心量が最大となる位置に保持されている。

また、前記カムリング19の外周部には、図8に示すように、前記第1、第2シール摺接面13c、13dと対向するように形成された第1、第2シール面を有する横断面ほぼ三形状の2つの第1、第2シール構成部19c、19dがそれぞれ突設されている。また、該各シール構成部19c、19dの各シール面に、横断面ほぼU字形状の第1、2シール保持溝19e、19fが切欠形成され、該各シール保持溝19e、19fに前記カムリング19の偏心揺動時に各シール摺接面13c、13dに摺接するゴム材からなる前記各シール部材30がそれぞれ収容保持されている。

ここで、前記第1、第2シール面は、それぞれ前記ピボット溝19aの中心からこれに対応する前記各シール摺接面13c、13dを構成する半径R1、R2よりも僅かに小さい所定の半径によって構成されており、該各シール面と前記各シール摺接面13c、13dとの間には、それぞれ微小なクリアランスCが形成されるようになっている。

前記2つのシール部材30は、例えば低摩擦特性を有するフッ素系樹脂材によりカムリング19の軸方向に沿って直線状に細長く形成され、前記各シール保持溝19e、19fの底部に配設されたゴム製の弾性部材の弾性力によって各シール摺接面13c、13dに押し付けられるようになっており、これによって、後述する第1、第2制御油室31,32の良好な液密性が常時確保されるようになっている。

そして、前記ポンプ吐出側となるピボット溝19a側におけるカムリング19の外周域には、図2に示すように、ポンプボディ13の内側面との間に、カムリング19の外周面と、ピボット溝19a、前記各シール部材30及びポンプボディ13の内側面とによって、前記ピボット溝19aを挟んだ両側に、前述した第1制御油室31と第2制御油室32がそれぞれ画成されている。

前記ピボット溝19aよりの図2中、右側の第1制御油室31は、前記第2供給通路10を介して吐出通路5に連通しており、この吐出通路5の吐出圧が常時供給されるようになっている。

この第1制御油室31に面するカムリング19の外周面によって構成された第1受圧面33が、前記コイルばね21の付勢力に抗して前記第2供給通路10からの吐出圧を受けて、図2に示すように、カムリング19の偏心量を減少させる方向(図2中の時計方向)へ揺動力(移動力)を付与するようになっている。

すなわち、この第1制御油室31は、前記第1受圧面33を介してカムリング19の中心がロータ17の回転中心と同心に近づく方向、つまり偏心量が減少する方向へカムリング19を常時作用することによって、このカムリング19の同心方向の移動量制御に供されている。

前記ピボット溝19aよりも左側の第2制御油室32は、前記第1供給通路9に流入した吐出通路5の吐出圧がパイロット弁40を介して適宜導入されるようになっている。

また、この第2制御油室32に面するカムリング19の外周面には第2受圧面34が形成され、この第2受圧面34に吐出圧を作用させることによって、コイルばね21の付勢力をアシストする方向へ作用する力となり、これにより、カムリング19に対しその偏心量を増大させる方向(図2中の反時計方向)へ揺動力(移動力)を付与するようになっている。

ここで、図2に示すように、前記第1受圧面33の受圧面積は、第2受圧面34の受圧面積よりも大きく形成されて、第2制御油室32の内圧に基づく付勢力とコイルばね21の付勢力とによるカムリング19の偏心方向の付勢力と、第1制御油室31の内圧に基づく付勢力が所定の力関係をもってバランスするように構成され、第2制御油室32内の油圧が、前述のように、コイルばね21の付勢力をアシストするようになっている。すなわち、前記第2制御油室32は、パイロット弁40を介して必要に応じて供給されたポンプ吐出圧を第2受圧面34に作用させてコイルばね21の付勢力を適宜アシストすることによって、カムリング19の偏心量が大きくなる方向への移動量を制御するようになっている。

また、後述するが、実施例1の様にパイロット弁40によって第2制御油室32内を調圧する場合は、前記第1受圧面33と第2受圧面34の受圧面積の大小は問わない。

なお、前記第2供給通路10を、カムリング19の側面またはカバー部材14やポンプボディ13の側面に形成することも可能である。

前記パイロット弁40は、前記ポンプボディ13の外側壁に一体的に設けられ、図2に示す前記カムリング基準線Mよりも左側でかつ第2制御油室32よりも外側に配置されている。

具体的に説明すると、このパイロット弁40は、図9に示すように、ポンプボディ13の外側壁に一体に設けられた円筒状のバルブボディ41と、該バルブボディ41の内部に形成された摺動用孔42内に摺動自在に設けられたスプール弁43と、該スプール弁43を図中上方へ付勢するバルブスプリング44と、該バルブスプリング44のばね荷重が与えられた状態でバルブボディ41の下部開口端を封止するプラグ45と、を備えている。

前記バルブボディ41は、前記摺動用孔42の軸方向の上端部に、前記摺動用孔42より小径な導入ポートであるパイロット圧導入ポート46が形成されており、このパイロット圧導入ポート46と摺動用孔42の間の小径段差部41aが、前記スプール弁43に対して前記パイロット圧導入ポート46からの油圧が作用しないときに、該スプール弁43が前記バルブスプリング44のばね力によって上方へ付勢されて着座する着座面となっている。

前記バルブボディ41のパイロット圧導入ポート46は、前記制御通路12の電磁切換弁60の下流側の下流端が接続されている。また、前記摺動用孔42が臨む周壁には、前記第1供給通路9の下流側と連通する第1供給ポート47と、該第1供給ポート47に適宜連通すると共に、前記給排通路11を介して前記第2制御油室32に連通する第2供給ポート48と、前記スプール弁43の移動位置に応じて前記第2制御油室32を適宜連通する第1ドレンポート49と、前記スプール弁43の移動位置に応じて前記第1ドレンポート49と適宜連通する第2ドレンポート50と、スプール弁43の移動位置に応じて前記第1ドレンポート49と適宜連通する第3ドレンポート51が径方向に沿って貫通形成されている。この第3ドレンポート51は、スプール弁43の良好な摺動性を確保するための空気抜き孔としての機能を有している。

また、図2に示すように、前記第1ドレンポート49は、ポンプボディ13のカバー部材14の取り付け面13aに形成された第1ドレン溝49aを介してポンプ外の大気圧に連通し、第2ドレンポート50と第3ドレンポート51は同じく取り付け面13aに形成された第2、第3ドレン溝50a、51aを介してポンプ外の大気圧に連通している。

なお、前記第1ドレンポート49と第2ドレンポート50と第3ドレンポート51は、大気圧ではなく、前記吸入ポート24に連通させることも可能である。

前記スプール弁43は、前記パイロット圧導入ポート46側に形成されて、受圧面である上端面でパイロット圧導入ポート46からメインオイルギャラリー6から制御通路12を介して導入された制御油圧を受ける第1小径軸部52aと、該第1小径軸部52aの下部に設けられた第1ランド部53aと、該第1ランド部53aの下部に第2小径軸部52bを介して設けられた第2ランド部53bと、該第2ランド部53bの下部の第3小径軸部52cを介して設けられた第3ランド部53cと、該第3ランド部53cの下端に設けられて、前記バルブスプリング44の上端部を支持する第4小径軸部52dと、によって構成されている。

前記第1ランド部53a〜第3ランド部53cは、同じ外径の円柱状に形成されて、前記摺動用孔42の内周面に微小隙間を介して摺動するようになっている。

また、前記第2小径軸部52bや第3小径軸部52cは、外周に形成された円環状の溝によって作動油や油圧が通流する通路が構成されている。以下、他の実施形態も同様である。

そして、前記スプール弁43は、前記第1小径軸部52aの上端面にパイロット圧導入ポート46から受ける制御油圧と前記バルブスプリング44とのばね力との相対圧によって下降移動または上昇移動して、前記各ポート47〜51を適宜開閉(連通)するようになっている。

つまり、第1小径軸部52aの上端面が制御油圧を受けない場合は、各ランド部53a〜53cによって第1供給ポート47と第2供給ポート48の連通を遮断すると共に、第1ドレンポート49と第2ドレンポート50の連通を遮断するが、第1ドレンポート49と第3ドレンポート51を連通するようになっている。

一方、第1小径軸部52aの上端面が所定以上の制御油圧を受けた場合は、その制御油圧の大きさに応じて下降移動して、第1供給ポート47と第2供給ポート48を連通すると共に、第1ドレンポート49と第2ドレンポート50を連通するなどの各ポートの連通、遮断を行うようになっている。

前記スプール弁43の作動による各ポート47〜51の開閉作用は、本実施形態の作用の項で具体的に説明する。

前記電磁切換弁60は、前記制御通路12を開閉する一般的な2ポート2位置弁であって、機関本体であるシリンダブロックの側部に一体的に取り付けられていると共に、内燃機関を制御するコントロールユニットからのオン、オフ信号(制御電流)に基づき機関の運転状態に応じてオン、オフ作動して制御通路12を開閉するようになっている。

すなわち、この電磁切換弁60は、図10〜図13に示すように、シリンダブロックに穿設されたバルブ孔に挿通固定された円筒状のバルブボディ61と、該バルブボディ61の基端部に結合されて、内部にコイルや固定プランジャ及び可動プランジャなどを収容した円筒状のソレノイドユニット62と、前記可動プランジャの先端側に結合されて、バルブボディ61内を進退動自在に支持されたプッシュロッド63と、前記バルブボディ61の先端部内に設けられたバルブシート65の開口ポート65aを前記プッシュロッド63によって開閉するボール弁体64と、から主として構成されている。

前記バルブボディ61は、内部に前記プッシュロッド63が摺動する通路孔61aが軸方向に沿って形成されていると共に、先端部内には前記ボール弁体64が離着座する前記バルブシート65が嵌合固定されている。このバルブシート65の開口ポート65aは、ボール弁体64の離着座(開閉作動)によって前記制御通路12の上流部12aと下流側の給排通路12bを連通あるいは遮断されるようになっている。

また、このバルブボディ61は、周壁におけるボール弁体64の側部に前記開口ポート65aと制御通路12の下流側の給排通路12bを連通する給排孔61bが径方向に沿って貫通形成されていると共に、ソレノイドユニット62側には前記ボール弁体64を介して前記通路孔61aと連通するドレン孔61cが径方向に沿って貫通形成されている。

前記コイルには、機関のコントロールユニットからオン−オフ的に電流が通電あるいは通電が遮断されるようになっている。

つまり、前記コイルへコントロールユニットからオン信号(通電)が出力されると、可動プランジャが進出移動することにより、前記プッシュロッド63を介して前記ボール弁体64をバルブシート65方向へ押圧する。これによって、ボール弁体64が開口ポート65aを閉止すると共に、給排孔61bと通路孔61aを連通させるようになっている。

このため、第2制御油室32内の油圧が、下流側の給排通路12bから前記給排孔61b,通路孔61a及びドレン孔61cを通ってオイルパン2に排出されるようになっている(図10、図11参照)。

一方、コイルにオフ信号(非通電)が出力されると、前記可動プランジャが後退移動することにより、前記プッシュロッド63を介してボール弁体64をバルブシート65から離間させて前記開口ポート65aを開成して、制御通路12の上流部12aと下流側の給排通路12bを連通させると共に、給排孔61bとドレン孔61cとの連通を遮断するようになっている(図12、図13参照)。

前記コントロールユニットは、機関の油温や温、機関回転数や負荷等から現在の機関運転状態を検出して、特に機関回転数が所定以下では前記電磁切換弁60のコイルへオン信号(通電)を出力し、所定より高い場合はオフ信号(非通電)を出力するようになっている。

前記圧力調整弁8は、図1及び図3にも示すように、前記カバー部材14に一体に設けられた円筒状のバルブケーシング55と、該バルブケーシング55の内部に収容されて、前記吐出通路5の上流部から分岐した分岐部58の開口端58aを開閉するボール弁体56と、該ボール弁体56を前記分岐部58の開口端58aを閉塞する方向へ付勢するバルブスプリング57と、バルブケーシング55の下端開口を閉止するプラグ59と、を備えている。

そして、前記ポンプの回転上昇に伴って前記吐出通路5を通流するポンプ吐出圧が過剰になった場合は、ボール弁体56が分岐部58の開口端58aを開成して過剰吐出圧を外部に排出するようになっている。 〔第1実施形態の可変容量形ポンプの作動〕 以下、本実施形態に係る可変容量形ポンプの作動を図10〜図13に基づいて説明する。

機関の始動から例えば低回転の運転状態である場合は、オイルポンプ1は図10及び図11に示す作動状態(第1の状態)となる。この状態では、第1制御油室31内に常時油圧が供給されているが、前記電磁切換弁60のコイルにコントロールユニットからのオン信号が出力されて通電状態になり、可動プランジャとプッシュロッド63によってボール弁体64が押し上げられてバルブシート65の開口ポート65aを閉止する。このため、制御通路12の上流部12aと給排通路12bとの連通が遮断されてパイロット弁40への制御油圧の供給が停止されると共に、下流側の給排通路12bとドレン孔61cが通路孔61aを介して連通している。

一方、前記パイロット弁40は、機関低回転数で低油圧であることから、前記スプール弁43がバルブスプリング44のばね力によって最大上昇位置に付勢されて第1ランド部53aが着座面である小径段差部41aに着座した状態になっている。このため、第1供給ポート47と第2供給ポート48の連通が遮断されていると共に、第2ドレンポート50が閉止されているが、第1ドレンポート49と第3ドレンポート51が連通している。

したがって、第1制御油室31には吐出油圧が供給されているが、第2制御油室32は、内部の作動油が第1、第3ドレンポート49、51を通ってオイルパン2内に排出されて低圧状態になっている。

この第1の状態では、機関回転の上昇に伴い吐出通路5に供給された吐出圧が上昇して、第1制御油室31に供給される吐出圧によって第1受圧面33を介してカムリング19の偏心量が減少する方向への力が上昇する。図14に示す吐出圧PがP1に達するとカムリング19に作用する力がコイルばね21のばね力に打ち勝ってカムリング19の偏心量が小さくなって吐出圧の上昇を制御する。つまり、図14に示す機関回転数が(1)(2)の状態では、ポンプの吐出圧特性Pは、図14のP1に示すように、機関回転数の上昇に伴ってやや立ち上がった低圧状態に維持制御される。

次に、機関回転が上昇して図14の(3)の領域となり、負荷や油温が高まり、ピストンにオイルを噴射するオイルジェットの作動が必要な運転状態になると、オイルポンプ1は、図12に示す第2の状態となる。つまり、コントロールユニットにより電磁切換弁60にオフ信号(非通電)が出力される。これにより、電磁切換弁60は、図12に示すように、プッシュロッド63の後退移動に伴いボール弁体64がバルブシート65から離間することで、開口ポート65aを開いて制御通路12の上流部12aと下流側の給排通路12bを連通させる。

このため、前記メインオイルギャラリー6の油圧が前記制御通路12を通ってスプール弁43の第1小径軸部52aの上端面に作用して、該スプール弁43がバルブスプリング44のばね力に抗して下降移動することにより、第1ランド部53aと第2ランド部53bによって遮断状態にあった第1供給ポート47と第2供給ポート48が第2小径軸部52bを介して連通すると共に、第3ランド部53cが第1ドレンポート49を閉止する。

なお、前記スプール弁43に作用する制御油圧は、メインオイルギャラリー6の前記フィルタ7や通路内の流動抵抗などよって前記吐出通路5内の吐出圧よりも僅かに低下しているものを利用している。

また、前記第1ドレンポート49の閉止のタイミングと、第1、第2供給ポート47,48の連通のタイミングはどちらが先であっても良く、また同時であっても良い。

したがって、前記第2制御油室32には、第1供給通路9を介して吐出通路5の吐出圧が供給されて前記コイルばね21のばね力をアシストするように作用してカムリング19を反時計方向へ僅かに揺動させてカムリング19の反力と釣り合う。このため、ポンプの油圧特性は、図14に示すように、P1からP2へ段階的に大きく制御される。

次に、機関が図14の(4)に示す高回転域になって、高油温などで更に高油圧が必要な運転状態になると、オイルポンプ1は、図13に示す第3の状態となる。つまり、コントロールユニットによって、電磁切換弁60にオフ信号(非通電)が維持される。これにより、前記プッシュロッド63の後退移動に伴いボール弁体64がバルブシート65から離間することで、開口ポート65aを開いて制御通路12の上流部12aと下流側の給排通路12bの連通状態が維持される。

一方、前記パイロット弁40側では、図13に示すように、吐出圧の上昇に伴って前記制御通路12の下流側の給排通路12bからスプール弁43の第1小径軸部52aの上端面に作用する制御油圧も大きくなることから該スプール弁43がさらに僅かに下降移動して、第1ランド部53aと第2ランド部53bによって前記第1、第2供給ポート47,48の開口面積を絞りながらオリフィス状態で連通させると同時に、第3ランド部53cによって第1ドレンポート49の開口面積を絞ってオリフィス状態で第2小径軸部52cを介して第1ドレンポート49と第2ドレンポート50を連通させる。

このため、第2制御油室32に吐出油圧が第1、第2供給ポート47,48のオリフィスを介して継続して供給されると共に、内部の作動油も前記各ドレンポート49のオリフィスを介して外部に排出される。一方、前記第1制御油室31にも大きな吐出圧が連続的に供給されていることからコイルばね21のばね力に抗してカムリング19を時計方向へ僅かに揺動させて偏心量が小さくなる方向へ制御する。

したがって、ポンプ吐出圧は、一時的に低下するが、この低下と共に前記スプール弁43に作用する制御油圧も低下することから、スプール弁43は、再び上昇移動して第2制御油室32に吐出圧を供給する。つまり、ポンプ吐出圧がP2の状態になっているときは、スプール弁43の上下移動にともなって吐出圧は上昇と低下を繰り返しながら一定圧に調圧されるのである。

このように、本実施形態では、前記電磁切換弁60を介してパイロット弁40の作動を制御することによって、ポンプ吐出圧をP1とP2の2段階に制御できると共に、前記電磁切換弁60を機関本体であるシリンダブロックに設けたとしても、機関本体内部には単一の制御通路12のみを形成するだけであるから、配管構造の簡素化が図れる。この結果、製造作業能率の向上と製造コストの低減化が図れる。

また、前記第3の状態は、本実施形態では最も高いポンプ吐出圧に制御でき、機関の高速回転運転時に使用される場合が多いが、この際、オイルパン2内のオイル中にエアーが混入やキャビティーションによりカムリング19の内径側の油圧バランスが崩れてカムリング19が設定外の油圧で揺動してポンプ吐出圧が変動するのを抑制することができる。

なお、前記電磁切換弁60に対して、機関低回転域(吐出圧P1)でコントロールユニットから通電する一方、高回転時(吐出圧P2時)には非通電としたため、例えば電磁切換弁60のコイルやハーネスが断線してしまった場合にも、高回転時(P2)でのポンプ吐出圧制御を行うことが可能になる。ただし、省電力化を考慮して通電、非通電を逆に設定することも可能である。 〔第2実施形態〕 図15は本発明の第2実施形態を示し、オイルポンプ1の構造や第1制御油室31が第2供給通路10に直接連通して常時ポンプ吐出圧が供給されていることや、電磁切換弁60の構造などは第1実施形態と同じであるが、異なるところは、パイロット弁を、第1制御機構である第1パイロット弁70と第2制御機構である第2パイロット弁80の2つで構成したものである。

すなわち、前記第1パイロット弁70は、図16Aに示すように、前記カバー部材14に取り付けられた円筒状の第1バルブボディ71の内部に形成された第1摺動用孔72内に第1スプール弁73が摺動自在に設けられていると共に、前記第1摺動用孔72の下部に前記第1スプール弁73を上方へ付勢する第1バルブスプリング74が弾装されている。また、第1摺動用孔72の下端開口には、該開口を封止するプラグ75が圧入固定されている。

前記第1バルブボディ71は、上端部に前記制御通路12の下流側の給排通路12bに連通する第1パイロット圧導入ポート76が形成されていると共に、周壁には上側から順に大気圧に連通する連通ポート77と、前記第2制御油室32と連通する給排ポート78と、第1供給通路9に連通した供給ポート79と、第1スプール弁73の良好な摺動性を確保するための空気抜き孔71bがそれぞれ径方向に沿って貫通形成されている。

第1スプール弁73は、上端部側から順に説明すれば、前記第1パイロット圧導入ポート76の油圧を受ける第1小径軸部73aと、第1ランド部73bと、第2小径軸部73cと、第2ランド部73dと、最下部の第3小径軸部73eがそれぞれ形成されている。

前記第2パイロット弁80は、図16Bに示すように、前記カバー部材14に取り付けられた円筒状の第2バルブボディ81の内部に形成された第2摺動用孔82内に第2スプール弁83が摺動自在に設けられていると共に、前記第2摺動用孔82の下部に前記第2スプール弁83を上方へ付勢する第2バルブスプリング84が弾装されている。また、第2摺動用孔82の下端開口には、該開口を封止するプラグ85が圧入固定されている。

前記第2バルブボディ81は、上端部に前記制御通路12の下流側の給排通路12bから分岐した第2給排通路12cに連通する第2パイロット圧導入ポート86が形成されていると共に、周壁には上側から順に前記第2制御油室32に11aを介して連通する第1ドレンポート87と、該第1ドレンポート87と大気圧に相対的に連通する第2ドレンポート88と、第2スプール弁83の良好な摺動性を確保するための空気抜き孔81bがそれぞれ径方向に沿って貫通形成されている。

前記第2スプール弁83は、図16Bの上側から順に、第1小径軸部83a、第1ランド部83b、第2小径軸部83c、第2ランド部83d、第3小径軸部83eを有している。 〔第2実施形態の作用効果〕 以下、第2実施形態に係る可変容量形ポンプの作用を図17〜図20に基づいて説明する。

機関の始動から例えば低回転の運転状態である場合は、オイルポンプ1は図17及び図18に示す第1の状態となる。この第1の状態では、第1制御油室31内に常時油圧が供給されているが、前記電磁切換弁60のコイルにコントロールユニットからのオン信号が出力されて通電状態になり、前記制御通路12の上流部12aと下流側の給排通路12bとの連通が遮断されて第1、第2パイロット弁70,80への制御油圧の供給が停止される。

この第1の状態における第1パイロット弁40は、図16A、図17及び図18に示すように、機関低回転数で低油圧であることから、前記第1スプール弁73がバルブスプリング74のばね力によって最大上昇位置に付勢されて第1小径軸部73aが着座面である小径段差部71aに着座した状態になっている。このため、第2小径軸部73cによって給排ポート78と連通ポート77が連通すると共に、第2ランド部73dによって供給ポート79が閉止されている。

したがって、第2制御油室32は、内部の作動油が給排ポート78と連通ポート77を通って外部、つまりオイルパン2内に排出されて低圧状態になっている。

一方、第2パイロット弁80は、図16B、図17及び図18に示すように、前記第2スプール弁83がバルブスプリング84のばね力によって最大上昇位置に付勢されて第1小径軸部83aが着座面である小径段差部81aに着座した状態になっており、この状態では、第2ランド部83dによって第2ドレンポート88が閉止されて第1ドレンポート87との連通が遮断されている。

この第1の状態では、機関回転の上昇に伴い吐出通路5に供給された吐出圧が上昇して、第1制御油室31に供給される吐出圧によってカムリング19の偏心量が減少する方向への力が上昇する。

つまり、第1実施形態と同じく、図14に示す吐出圧PがP1に達するとカムリング19に作用する力がコイルばね21のばね力に打ち勝ってカムリング19の偏心量が小さくなって吐出圧の上昇を制御する。つまり、図14に示す機関回転数が(1)(2)の状態では、ポンプの吐出圧特性Pは、図14のP1に示すように、機関回転数の上昇に伴ってやや立ち上がった低圧状態に維持制御される。これは第1実施形態と同じ状態である。

次に、機関回転が上昇して図14の(3)の領域になると、オイルポンプ1は、図19に示す第2の状態となる。つまり、電磁切換弁60にオフ信号(非通電)が出力されて、この電磁切換弁60は、プッシュロッド63の後退移動に伴いボール弁体64がバルブシート65から離間することで、開口ポート65aを開いて制御通路12の上流部12aと下流側の給排通路12b及び第2給排通路12cを連通させる。

このため、メインオイルギャラリー6の油圧が前記制御通路12を通って各スプール弁73、83の第1小径軸部73a、83aの上端面に作用して、該各スプール弁73,83がバルブスプリング74,84のばね力に抗して下降移動する。これにより、前記第1パイロット弁70側では第1ランド部73bによって連通ポート77が閉止されると共に、第2小径軸部73cによって供給ポート79と給排ポート78が連通する。

したがって、前記第2制御油室32には、第1供給通路9を介して吐出通路5の吐出圧が供給されてカムリング19を反時計方向へ揺動させる。このため、ポンプの油圧特性は、図14に示すように、P1からP2へ段階的に大きく制御される。

一方、第2パイロット弁80は、この段階でも第2ランド部83dが第2ドレンポート88を閉止した状態が継続されている。

次に、機関が図14の(4)に示す高回転域になると、オイルポンプ1は、図20に示す第3の状態となる。つまり、前記電磁切換弁60にオフ信号(非通電)が維持されて、前記プッシュロッド63の後退移動に伴いボール弁体64がバルブシート65から離間することで、開口ポート65aを開いて制御通路12の上流部12aと下流側の給排通路12b及び第2給排通路12cの連通状態が維持される。

ここで、第1、第2パイロット弁70、80は、図20に示すように、吐出圧の上昇に伴って前記制御通路12の下流側の給排通路12bから第1、第2スプール弁73,83の各小径軸部73a、83aの上端面に作用する制御油圧も大きくなることから該各スプール弁73,83がさらに下降移動して、第1パイロット弁70側では、第2ランド部73dが供給ポート79の開口面積を絞ってオリフィスを形成しつつ第2小径軸部73cを介して供給ポート79と給排ポート78を連通させた状態とする。したがって、第1供給通路9からの吐出圧が前記供給ポート79のオリフィスを通って前記第2制御油室32に供給される。

一方、第2パイロット弁80側では、第2小径軸部83cによって第1ドレンポート87と第2ドレンポート88を連通させると共に、第2ランド部83dによって第2ドレンポート88の開口面積を絞ってオリフィス状態とする。したがって、第2制御油室32内の作動油が絞られながらオイルパン2に排出される。これらの給排作用によって第2制御油室32内の油圧が調圧されて、吐出圧P2が図14に示すようにほぼ一定に制御される。

そして、この実施形態は、第1実施形態と同様に、機関本体内部での制御通路12の単一化によって配管構造の簡素化などの作用効果が得られると共に、前記パイロット弁を第1、第2パイロット70、80の2つを用いたため、第1バルブスプリング74と第2バルブスプリング84のばね荷重やばね常数をそれぞれ独立に設定できるので、第1実施形態の単一のものよりもばね設定が容易になる。 〔第3実施形態〕 図21は第3実施形態を示し、第2実施形態の第2パイロット弁80を廃止して第1パイロット弁70のみを設けたものである。

このパイロット弁70は、図22に示すように、第2実施形態のものと同じ構造であって、前記カバー部材14に取り付けられた円筒状のバルブボディ71と、摺動用孔72と、スプール弁73と、バルブスプリング74と、プラグ75とを備えている。

前記バルブボディ71は、パイロット圧導入ポート76と、連通ポート77と、給排ポート78と、供給ポート79と、空気抜き孔71bがそれぞれ径方向に沿って貫通形成されている。

前記スプール弁73は、第1小径軸部73aと、第1ランド部73bと、第2小径軸部73cと、第2ランド部73dと、最下部の第3小径軸部73eがそれぞれ形成されている。 〔第3実施形態の作用効果〕 したがって、機関始動から低回転域(図27の(1)(2)の領域)では、オイルポンプ1は図23、図24に示す第1の状態になっている。つまり、第2実施形態における図17、図18に示す状態と同じく、スプール弁73がバルブスプリング74のばね力によって最大上昇位置に付勢されて、第1小径軸部73aが着座面である小径段差部71aに着座した状態になっている。このため、第2小径軸部73cによって給排ポート78と連通ポート77が連通すると共に、第2ランド部73dによって供給ポート79が閉止されている。

したがって、第2制御油室32は、内部の作動油が給排ポート78と連通ポート77を通ってオイルパン2内に排出されて低圧状態になっている。

この第1の状態では、図27に示すように、吐出圧PがP1に達するとカムリング19に作用する力がコイルばね21のばね力に打ち勝ってカムリング19の偏心量が小さくなって吐出圧の上昇を制御する。つまり、ポンプの吐出圧特性Pは、図27のP1に示すように、機関回転数の上昇に伴ってやや立ち上がった低圧状態に維持制御される。これは第1、第2実施形態と同じ状態である。

機関回転が上昇して図27の(3) (4)の領域になると、オイルポンプ1は、図25,図26に示す第2、第3状態となり、オフ信号が出力された電磁切換弁60は、プッシュロッド63の後退移動に伴いボール弁体64がバルブシート65から離間することで、開口ポート65aを開いて制御通路12の上流部12aと下流側の給排通路12bを連通させるため、メインオイルギャラリー6の油圧がスプール弁73の小径軸部73aの上端面に作用して、該スプール弁73がバルブスプリング74のばね力に抗して下降移動する。

これにより、パイロット弁70は、第1ランド部73bによって連通ポート77が閉止されると共に、第2小径軸部73cによって供給ポート79と給排ポート78が連通する。

したがって、前記第2制御油室32には、供給ポート79を介して吐出圧が供給されることにより、この吐出圧と、前記第1制御油室31と第2制御油室32に臨むカムリング19の第1、第2受圧面33,34の受圧面積の差によってカムリング19が時計方向あるいは反時計方向へ揺動して偏心量を大小変化させるが、機関回転数の上昇に伴い図27に示す吐出圧PはP2から僅かに上昇した特性になる。

以上のように、本実施形態も電磁切換弁60を機関本体に設けたとしても単一の制御通路12とすることができるので、前記各実施形態と同じく配管などの簡素化が図れ、また、この実施形態では、第2パイロット弁を廃止したことによって、第2実施形態に比較してオイルポンプ1の小型、軽量化や、コストの低減化が図れる。 〔第4実施形態〕 図28は第4実施形態を示し、この実施形態は第3実施形態の構成を前提として、前記吐出通路5から分岐された前記第1供給通路9と第2制御油室32を常時連通させる連通路90が設けられていると共に、該連通路90の途中にオリフィス91が設けられている。したがって、前記第2制御油室32には、常時前記オリフィス91を介して吐出圧が供給されている。

また、前記制御通路12の前記電磁切換弁60下流側の給排通路12から分岐して設けられた第3給排通路92が前記パイロット弁70の連通ポート77に適宜連通するようになっている。なお、第3実施形態の供給ポート79は油圧排出用のドレンポート79になっている。 〔第4実施形態の作用効果〕 したがって、この実施形態によれば、機関始動から低回転域(図33の(1)(2)の領域)では、オイルポンプ1は、図29及び図30に示す第1の状態になる。つまり、前記電磁切換弁60に通電されて開口ポート65aが閉止されていると共に、下流側の給排通路12bとドレン孔61cが連通している一方、パイロット弁70側では、第3実施形態の図23、図24に示す場合と同じく、スプール弁73がバルブスプリング74のばね力によって最大上昇位置に付勢されて、第1小径軸部73aが着座面である小径段差部71aに着座した状態になっている。このため、第2小径軸部73cによって給排ポート78と連通ポート77が連通すると共に、第2ランド部73dによってドレンポート79が閉止されている。

したがって、第2制御油室32は、前記オリフィス91によって低圧な吐出圧が供給されているが、内部の作動油が給排ポート78と連通ポート77及び第3給排通路92、下流側の給排通路12b、ドレン孔61cを通ってオイルパン2内に排出されていることから、低圧状態になっている。

この第1の状態では、図33に示すように、吐出圧PがP1に達するとカムリング19に作用する力がコイルばね21のばね力に打ち勝ってカムリング19の偏心量が小さくなって吐出圧の上昇を制御する。つまり、ポンプの吐出圧特性Pは、前記P1に示すように、機関回転数の上昇に伴ってやや立ち上がった低圧状態に制御される。

次に、機関回転が上昇して図33の(3)の領域になると、オイルポンプ1は、図31に示す第2の状態になる。つまり、オフ信号が出力された電磁切換弁60は、図31に示すように、プッシュロッド63の後退移動に伴いボール弁体64がバルブシート65から離間することで、開口ポート65aを開いて制御通路12の上流部12aと下流側の給排通路12bを連通させるため、メインオイルギャラリー6の油圧がスプール弁73の第1小径軸部73aの上端面に作用して、該スプール弁73がバルブスプリング74のばね力に抗して下降移動する。これにより、パイロット弁70は、第2ランド部73dによってドレンポート79が閉止されると共に、第2小径軸部73cによって連通ポート77と給排ポート78が連通される。

したがって、前記第2制御油室32には、前記吐出通路5の吐出圧が前記連通路90とオリフィス91を介して常時供給されていると共に、前記制御通路12と第3給排通路92を介してメインオイルギャラリー6の油圧が供給される。

そして、第2制御油室32にメインオイルギャラリー6の吐出圧が供給されると、第2受圧面34を介してカムリング19の偏心量が増加する方向へ作用するため、前記カムリング19の偏心量が大きくなって吐出圧が図33のP2まで上昇する。

機関の回転がさらに上昇して図33の(4)に示す高回転域になると、パイロット弁70は、図32に示す第3の状態になる。つまり、この状態では、第1小径軸部73aの上端面に作用する制御通路12からの制御圧が大きくなることから、スプール弁73がバルブスプリング74のばね力に抗して下降移動して、第1ランド部73bが連通ポート77を閉止すると共に、第2小径軸部73cを介して給排ポート78とドレンポート79を連通させる。このため、第2制御油室32は、メインオイルギャラリー6の吐出圧の内部への供給が停止される一方、内部の作動油が前記給排ポート78とドレンポート79を介してオイルパン2内に排出される。

これらの一連のパイロット弁70の作動によって吐出圧Pが、図33の吐出圧がP2に一定となるように制御する。

他の構成は、第3実施形態と同じであるから、この実施形態も第3実施形態と同じように、単一の制御通路12によって配管などの簡素化が図れるなどの作用効果が得られる。

本発明は、前記各実施形態の構成に限定されるものではなく、例えば、制御油室をさらに増加してオイルポンプ1の細かな吐出圧制御を行うことも可能である。

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