Method of cleaning a rotary pump and a rotary pump

申请号 JP2001157747 申请日 2001-05-25 公开(公告)号 JP4242085B2 公开(公告)日 2009-03-18
申请人 森永乳業株式会社; 发明人 和宏 渡辺;
摘要
权利要求
  • 流動性を有する液状食品を、ローター室内でのローターの回転によって吸入口から吐出口へ送り出すロータリーポンプにおいて、
    前記ローターの回転シャフトの前記ローター室内への突出基端部の周囲にフランジ状に設けられたシャフト側シール部と、このシャフト側シール部に沿ったリング状に設けられ、前記ローター室内側から前記シャフト側シール部に対して押し付けられることで水密にシール可能な可動シール部材とからなるシール部によって、前記シャフト側シール部にて前記可動シール部材が当接されるシール面の外側周囲に設けられた除去用液流路と前記ローター室との間が仕切られ、
    前記ローター室内の液体を前記シール部を介して前記除去用液流路へ漏出させる背圧を発生可能な背圧弁が前記吐出口に接続されていることを特徴とするロータリーポンプ。
  • 前記シール部材が前記回転シャフトとの間に(1.0mm)以上の隙間を介して前記回転シャフトの周囲に設けられていることを特徴とする請求項1記載のロータリーポンプ。
  • ローターの回転シャフトのローター室内への突出基端部の周囲にフランジ状に設けられたシャフト側シール部と、このシャフト側シール部に沿ったリング状に設けられ、前記ローター室内側から前記シャフト側シール部に対して押し付けられることで水密にシール可能な可動シール部材とによって、前記シャフト側シール部にて前記可動シール部材が当接されるシール面の周囲に設けられた除去用液流路と前記ローター室との間を仕切るシール部を有し、流動性を有する液状食品を、ローター室内でのローターの回転によって吸入口から吐出口へ送り出すようになっているロータリーポンプについて、前記吸入口から吐出口への洗浄液の送り出し運転によって前記ローター室内を洗浄するロータリーポンプの洗浄方法において、
    前記吸入口と前記吐出口との間に作用させた背圧によって、前記ローター室の内の洗浄液を前記シール部を介して前記除去用液流路へ漏出させることを特徴とするロータリーポンプの洗浄方法。
  • 前記ロータリーポンプとして請求項1又は2記載のロータリーポンプを採用することを特徴する請求項3に記載のロータリーポンプの洗浄方法。
  • 说明书全文

    【0001】
    【発明の属する技術分野】
    本発明は、流動性を有する食品(例えば飲料、液状調味料、加工用食品原料等)を送り出すロータリーポンプ及びロータリーポンプの洗浄方法に関するものである。
    【0002】
    【従来の技術】
    流動性を有する食品(例えば生クリーム、熱溶融させたチョコレート、醤油等液状調味料、加工用食品原料等。以下「液状食品」と総称する)を送り出すロータリーポンプとしては、図5、図6に示すように、ローター室1内に配置された一対のローター2a、2bの回転によって、吸入口3から吐出口4へ送り出すようになっているものが多用されている。
    ローター2a、2bは、このロータリーポンプ5のケーシング6内に2本平行に配設された回転シャフト7、8に取り付けられており、各回転シャフト7、8の回転によって回転駆動される。 各ローター2a、2bは、その回転中心から放射状に複数(ここでは回転中心の対向する両側に一対)突出されている送り羽根2cを有しており、ローター室1の中央部にて一方のローターの送り羽根2c間の隙間に他方のローターの送り羽根2cが入り込んで、送り羽根2c同士が噛み合うようにして配置されている。
    ローター2a、2bは互いに逆向きとなるように回転駆動され、この回転駆動によって各ローター2a、2bの送り羽根2cがローター室1内面に摺接しつつ移動することで、ローター室1の一側部の吸入口3から液状食品Eが吸入されるとともに、前記吐出口4近傍で各ローター2a、2bの送り羽根2c同士が接近し、最終的にローター室1の中央部で噛み合うことで、送り羽根2cによって吐出口4近傍に送られてきた液状食品Eが吐出口4から押し出される。
    【0003】
    図7に示すように、回転シャフト7のローター室1内への突出基端部は、ロータリーポンプ5の内部壁部9に形成されたシャフト穴9aに収納されている。 前記シャフト穴9aの最奥部(ローター室1から最も奥側。図5中央部)では、前記回転シャフト7の周囲に固定してフランジ状に設けられたシャフト側シール部10に対する前記ローター室1側からの可動シール部材11の押し付け(第1シール機構)と、前記内部壁部9側に固定されたリング状の固定シール部材12の前記シャフト側シール部10外面に対する摺接(第2シール機構)とによって、前記ローター室1側からシャフト穴9a内に侵入した液状食品Eの漏出を二重にシールしている。
    前記可動シール部材11は、前記シャフト側シール部10のローター室1側に臨む面(以下「シール面10a」)に隙間無く当接されるリング状に形成されており、前記内部壁部9との間に設けられたスプリング13によって付勢されて前記シール面10aに圧接されている。 一方、固定シール部材12は、シャフト側シール部10の外周面に形成されたシール面10bとの間がオイルシールによって密にシールされている。
    なお、前述の第1、第2シール機構は、回転シャフト8についても同様になっている。
    【0004】
    可動シール部材11と固定シール部材12との間には、シャフト側シール部10のシール面10aの外側に周設された除去用液流路14が確保されており、万一、シャフト側シール部10と可動シール部材11との間からの液状食品Eの漏出があっても、この漏出した液状食品Eを、除去用液流路14に通液された無菌水等の洗浄液の流れによって除去することができ、細菌の繁殖等を防ぐことができる。 なお、前記除去用液流路14への洗浄液の通液は、内部壁部9を貫通して除去用液流路14に連通された通液用流路15からの洗浄液の注入、排出によって行う。
    【0005】
    このロータリーポンプ5では、前述のように一対のローター2a、2bを逆向きに回転駆動することで、吸入口3から吐出口4へ液状食品Eを送り出すことができる(図8(a)参照)。 また、吸入口3から吐出口4への洗浄液の送り出し運転によってローター室1内の洗浄を行うことが一般的である。 洗浄時は、図8(b)に示すように、吸入口3に接続された前配管16と吐出口4に接続された後配管17との間を接続するバイパス配管18に設けられている開閉弁19a、19bを開放して、ロータリーポンプ5が接続されている配管系の液入口から液出口への洗浄液の流速を高めた状態で、ロータリーポンプ5による洗浄液の送り運転を行う。 また、洗浄が終了した後には、前記バイパス配管18に接続されているドレイン配管20の開閉弁21を開放し、バイパス配管18等に残留した洗浄液を排出する。
    【0006】
    【発明が解決しようとする課題】
    しかしながら、前述のようなロータリーポンプ5では、シャフト穴9a内の洗浄が難しいといった問題があった。
    つまり、液状食品の送り出し運転時は、吸入口3と吐出口4との間に生じる背圧(図8(a)の例では1.5kg/cm 2の背圧。但し、バイパス配管18は閉じる)によって、ローター室1からシャフト穴9aへの液状食品Eの侵入が生じる。 しかし、前述のように、バイパス配管18を利用して洗浄液の流速を高めた状態でローターリーポンプ5を運転する洗浄方法では、吸入口3と吐出口4との間には差圧が殆ど生じないため(図8(b)参照)、前記シャフト穴9aに洗浄液が入り込みにくく、シャフト穴9a内の洗浄性を向上できない。 このため、洗浄工程を長時間行ったり、定期的に分解清掃を行う必要があり、清掃に掛かる時間、手間が膨大であるといった不満があった。
    【0007】
    本発明は、前述の課題に鑑みてなされたもので、ローター室と該ローター室に連続して液状食品が侵入可能な領域の洗浄性を向上できるロータリーポンプ及びロータリーポンプの洗浄方法を提供することを目的とする。
    【0008】
    【課題を解決するための手段】
    請求項1記載の発明は、流動性を有する液状食品を、ローター室内でのローターの回転によって吸入口から吐出口へ送り出すロータリーポンプにおいて、前記ローターの回転シャフトの前記ローター室内への突出基端部の周囲にフランジ状に設けられたシャフト側シール部と、このシャフト側シール部に沿ったリング状に設けられ、前記ローター室内側から前記シャフト側シール部に対して押し付けられることで水密にシール可能な可動シール部材とからなるシール部によって、前記シャフト側シール部にて前記可動シール部材が当接されるシール面の外側周囲に設けられた除去用液流路と前記ローター室との間が仕切られ、前記ローター室内の液体を前記シール部を介して前記除去用液流路へ漏出させる背圧を発生可能な背圧弁が前記吐出口に接続されていることを特徴とする。
    請求項2記載の発明は、請求項1記載のロータリーポンプにおいて、前記シール部材が前記回転シャフトとの間に(1.0mm)以上の隙間を介して前記回転シャフトの周囲に設けられていることを特徴とする。
    請求項3記載の発明は、ローターの回転シャフトのローター室内への突出基端部の周囲にフランジ状に設けられたシャフト側シール部と、このシャフト側シール部に沿ったリング状に設けられ、前記ローター室内側から前記シャフト側シール部に対して押し付けられることで水密にシール可能な可動シール部材とによって、前記シャフト側シール部にて前記可動シール部材が当接されるシール面の周囲に設けられた除去用液流路と前記ローター室との間を仕切るシール部を有し、流動性を有する液状食品を、ローター室内でのローターの回転によって吸入口から吐出口へ送り出すようになっているロータリーポンプについて、前記吸入口から吐出口への洗浄液の送り出し運転によって前記ローター室内を洗浄するロータリーポンプの洗浄方法において、前記吸入口と前記吐出口との間に作用させた背圧によって、前記ローター室の内の洗浄液を前記シール部を介して前記除去用液流路へ漏出させることを特徴とする。
    請求項4記載の発明は、請求項3に記載のロータリーポンプの洗浄方法において、前記ロータリーポンプとして請求項1又は2記載のロータリーポンプを採用することを特徴する。
    【0009】
    【発明の実施の形態】
    以下本発明の1実施の形態を、図面を参照して説明する。
    なお、図1から図4(a)、(b)において、図5から図8(a)、(b)と同一の構成部分には同一の符号を付す。
    図1は本発明に係る実施の形態のロータリーポンプ50を示す正断面図、図2はロータリーポンプ50のシャフト穴9aの最奥部(ローター室1側から見た最奥部。図1中央部)近傍を示す拡大図、図3(a)〜(d)はロータリーポンプ50による液状食品Eの送り出し動作を示す側断面図、図4はロータリーポンプ50が接続された配管系を示す図であって、(a)は液状食品Eの送出時、(b)は洗浄時を示す。
    【0010】
    図1から図3(a)〜(d)に示すように、前記ロータリーポンプ50は、ローター室1内に配置された一対のローター2a、2bの回転によって、液状食品Eを吸入口3から吐出口4へ送り出すようになっている。 ここで、液状食品Eは、例えば生クリーム、熱溶融させたチョコレート、醤油等の液状調味料、液状の各種食品原料、飲料等、流動性を有する食品や食品原料を総称するものである。
    【0011】
    ローター2a、2bは、このロータリーポンプ5のケーシング6内に2本平行に配設された回転シャフト7、8に取り付けられており(一本の回転シャフトに一つのローターを固定)、各回転シャフト7、8の回転によって回転駆動される。 回転シャフト7、8は、それぞれに設けられたヘリカルギア7a、8a同士を噛み合わせてあり、一方の回転シャフト7がモーター等の駆動によって回転駆動されることで、両回転シャフト7、8が同期して逆向きに回転駆動されるようになっている。
    各ローター2a、2bは、その回転中心から放射状に複数(ここでは回転中心の対向する両側に一対)突出されている送り羽根2cを有している。 各ローター2a、2bの送り羽根2cの回転軌跡は、両回転シャフト7、8に直交する同一平面上に位置されており、しかも、各ローター2a、2bの回転中心間距離が各ローター2a、2bの送り羽根2cの回転軌跡の直径の合計に比べて短く設定されており、ローター室1の中央部では、一方のローターの隣り合う送り羽根2c間の隙間2dに他方のローターの送り羽根2cが入り込んで、送り羽根2c同士が噛み合うようになっている。
    【0012】
    前記ローター室1は二つのローター室1a、1bを連続させた構成であり、各ローター室1a、1bには、二つのローター2a、2bを振り分けるようにして一つずつ収容している。 吸入口3と吐出口4は、ロータリーポンプ50を側面から見て(図3(a)〜(d)参照)、両ローター室1a、1bの連通部1cを介して左右両側となる位置に対向配置されている。
    【0013】
    図4(a)に示すように、ロータリーポンプ50は、吸入口3に接続された前配管16と、吐出口4に接続された後配管17との間に介在配置されており、前配管16とロータリーポンプ50と後配管17とを含んで構成された送出配管系52の入口(ロータリーポンプ50から見て前配管16側の端部)から送り込まれた液状食品Eを前記送出配管系52の出口(ロータリーポンプ50から見て後配管17側の端部)へ送り出すようになっている。 ローター2a、2bを回転駆動すると、吸入口3から吐出口4への液状食品Eの送り出し動作が、図3(a)〜(d)のサイクルで繰り返しなされる。 なお、各ローター2a、2bは互いに逆向きに回転されるようになっており、図3(a)〜(d)では、一方のローター2aが時計回り、他方のローター2bが反時計回りに回転する。
    【0014】
    図3(a)に示すように、吸入口3近傍では、各ローター2a、2bの回転によって、各ローター2a、2bの送り羽根2cがそれぞれ吸入口3から離間する方向に移動することで、前記吸入口3からローター室1内に液状食品Eが吸入される。 図4(a)に示すように、ローター室1には、前記吸入口3に接続されている前配管16から吸入された液状食品Eが吸入される。
    【0015】
    次いで、図3(b)に示すように、ローター室1内に吸入された液状食品Eは、連通部1cから吸入口3近傍に移動してきた送り羽根2cによって、押し出されるようにして吐出口4に移動される。 連通部1cから吸入口3近傍には、二つのローター2a、2bの送り羽根2cが交互に移動してくる。 吸入口3近傍を通過した送り羽根2cは、ローター室1内面に摺接しつつ移動することで、液状食品Eを殆ど漏れを生じること無く吐出口4まで送り出すことができる。
    【0016】
    図3(c)に示すように、吐出口4近傍では、吸入口3近傍から移動してきた送り羽根2cによって液状食品Eが押し出されてくる。 液状食品Eは、具体的には、同一のローター2a(又は2b)の隣り合う一対の送り羽根2c間の隙間2dに保持された状態で吸入口3から吐出口4まで移送されるようになっており、吐出口4近傍では、一方のローターの隣り合う送り羽根2c間の隙間2dに他方のローターの送り羽根2cが次第に噛み込んで行くにしたがって、前記隙間2dから液状食品Eが次第に押し出される結果、吐出口4から液状食品Eが吐出されることとなる。
    【0017】
    図3(c)は、一方のローター2aの送り羽根2c間の隙間2dに保持した液状食品Eを吐出口4近傍に移動した状態を示すが、図3(d)に示すように、他方のローター2bの送り羽根2c間の隙間2dに保持して吐出口4近傍に移動された液状食品Eも同様にして、前記隙間2dに別のローター2aの送り羽根2cが次第に噛み込んでくることで吐出口4から吐出される。
    そして、このロータリーポンプ50では、図3(a)〜(d)のサイクルを繰り返し行うことで、液状食品Eを連続的に送り出すことができる。
    【0018】
    図1、図2に示すように、回転シャフト7のローター室1内への突出基端部は、ロータリーポンプ5の内部壁部9に形成されたシャフト穴9aに収納されている。 前記シャフト穴9aの最奥部(ローター室1から最も奥側。図1中央部)では、前記回転シャフト7の周囲に固定してフランジ状に設けられたシャフト側シール部10に対する前記ローター室1側からの可動シール部材51の押し付け(第1シール部。請求項1、3記載のシール部に相当)と、前記内部壁部9側に固定されたリング状の固定シール部材12の前記シャフト側シール部10外面に対する摺接(第2シール部)とによって、前記ローター室1側からシャフト穴9a内に侵入した液状食品Eが、ヘリカルギア7a、8a等を収容するギアボックス55側に漏出することを二重にシールしている。
    【0019】
    前記可動シール部材51は、前記シャフト側シール部10のローター室1側に臨む面(以下「シール面10a」)の全面にわたって隙間無く当接されるリング状に形成されており、前記内部壁部9との間に設けられたスプリング13によって付勢されて前記シール面10aに圧接されている。 一方、固定シール部材12は、シャフト側シール部10の外周面に形成されたシール面10bとの間がオイルシールによって水密に塞がれている。
    なお、前述の第1、第2シール部は、回転シャフト8についても同様になっている。
    【0020】
    可動シール部材51と固定シール部材12との間には、シャフト側シール部10のシール面10aの外側に周設された除去用液流路14が確保されており、シャフト側シール部10と可動シール部材51との間から漏出した液状食品Eを、除去用液流路14に通液された無菌水等の洗浄液の流れによって除去する。 前記除去用液流路14への洗浄液の通液は、内部壁部9を貫通して除去用液流路14に連通された通液用流路15からの洗浄液の注入、排出によって行う。
    【0021】
    (送り出し運転)
    送出配管系52の入口から出口への液状食品Eを送り出すには、図4(a)に示すように、バイパス配管18を閉じた状態で、ロータリーポンプ50を駆動すれば良い。 但し、背圧弁53によってロータリーポンプ50の吸入口3側と吐出口4側との間に若干の背圧を作用させることが、吐出量の安定等の点で好ましい。
    【0022】
    (洗浄方法)
    図4(b)に示すように、このロータリーポンプ5のローター室1内の洗浄は、吸入口3から吐出口4への洗浄液を送り出し運転によって行うが、吐出口4に接続された後配管17に設けられている背圧弁53によって吐出口4側に吸入口3側に対する背圧を確保し、この背圧によって、シャフト側シール部10と可動シール部材51との間から洗浄液を漏出させる。 これにより、シャフト穴9a内に洗浄液を簡単に行き渡らせることができ、効率良く洗浄できる。
    なお、洗浄時は、吸入口3に接続された前配管16と吐出口4に接続された後配管17との間を接続するバイパス配管18に設けられている開閉弁19a、19bを開放して、ロータリーポンプ5が接続されている配管系の液入口から液出口への洗浄液の流速を高めた状態で、ロータリーポンプ5による洗浄液の送り運転を行う。 また、洗浄が終了した後は、前記バイパス配管18に接続されているドレイン配管20の開閉弁21を開放してバイパス配管18に残留した洗浄液を排出する。 背圧弁53は、後配管17とバイパス配管18との接続部からロータリーポンプ50までの間で後配管17に設けられている。
    【0023】
    背圧弁53によって確保される背圧は、背圧弁53の操作によって変えることができ、液状食品Eの送出時は、前記背圧を、シャフト側シール部10と可動シール部材51との間からの液状食品Eの漏出を生じさせない範囲とし、洗浄時は、シャフト側シール部10と可動シール部材51との間から洗浄液を漏出させる大きさの背圧とする。 これにより、送出配管系52の入口から出口への液状食品Eの送り出し時にはシャフト側シール部10と可動シール部材51との間からの液状食品Eの漏出を確実に防止でき、洗浄時にはシャフト穴9a全体に洗浄液を良く行き渡らせることができ、洗浄性を向上でき、洗浄時間の短縮、ローターリーポンプ50の分解清掃の省略を実現できる。
    【0024】
    図2に示すように、前記ロータリーポンプ50では、可動シール部材51とシャフト7、8との間の隙間寸法Sが、図7に示すロータリーポンプ5の可動シール部材11に比べて広く確保されており、しかも、シャフト7、8の軸方向に沿った長さ寸法Lが、図7に示すロータリーポンプ5の可動シール部材11に比べて短縮されている。 このため、このロータリーポンプ50では、可動シール部材51とシャフト7、8との間の隙間への洗浄液の流入が容易であり、洗浄性を向上できる。
    なお、可動シール部材51とシャフト穴9a内面との間は、Oリング54によって水密性が確保されている。
    【0025】
    (具体例)
    可動シール部材51とシャフト7、8との間の隙間寸法をS=1.5mm、可動シール部材51の長さ寸法をL=20mmとした。
    従来例のロータリーポンプ5では、可動シール部材11とシャフト7、8との間の隙間寸法がS1=0.69mm程度、シャフト7の軸方向に沿った方向の長さ寸法がL1=27mm程度である。 したがい、この可動シール部材51とシャフト7、8との間の隙間寸法Sは従来例の2倍程度になっている。
    ○送り出し工程:図4(a)に示すように、送出配管系52の入口から出口への液状食品Eの送り出しを、背圧弁53の調整によって、吸入口3側圧力P1=0.5kg/cm 2程度、吐出口4側圧力P2=2.0kg/cm 2程度として、P2−P1=1.5kg/cm 2程度の背圧(吸入口3側と吐出口4側との間での差圧)を確保して行う。 バイパス配管18は閉じておく。
    ○洗浄工程:図4(b)に示すように、送出配管系52の入口から洗浄液を流入させ、背圧弁53の調整によって吐出口4側圧力P2=3.0kg/cm 2程度を確保してロータリーポンプ50を駆動して、送出配管系52の出口に洗浄液を送り出すとともに、バイパス配管18の開閉弁19a、19bを駆動してバイパス配管18経由でも、送出配管系52の入口から出口への洗浄液の送り出しを行い、送出配管系52全体並びにロータリーポンプ50内部を洗浄する。 送出配管系52の前配管16、バイパス配管18、後配管17とで形成される洗浄液の流路では、1.0kg/cm 2程度の圧力を確保する。 ロータリーポンプ50では、吸入口3側圧力P1=1.0kg/cm 2程度、吐出口4側圧力P2=3.0kg/cm 2程度が確保され、P2−P1=2.0kg/cm 2程度の背圧(吸入口3側と吐出口4側との間での差圧)が確保される。
    前述の条件により、液状食品Eの送り出しと、送出配管系52並びにロータリーポンプ50の洗浄とを繰り返し行った結果、洗浄工程ではシャフト穴9a内も含めてローター室1内全体を確実に洗浄できることが確認できた。
    また、本発明者等の検討の結果、可動シール部材51とシャフト7との間の隙間寸法Sは、背圧の程度にもよるが概ね1.0mm以上であれば、洗浄液の流入が非常に容易であることが判明した。
    【0026】
    なお、本発明は、前記実施の形態に限定されず、各種変更が可能であることは言うまでも無い。 例えば、可動シール部材の具体的形状等は、適宜設計変更可能である。
    液状食品Eの送り運転時や洗浄時の吸入口3側圧力並びに吐出口4側圧力は、前記実施の形態や図4(a)、(b)に記載した数値に限定されず、適宜変更可能である。
    【0027】
    【発明の効果】
    以上説明したように、本発明によれば、ロータリーポンプの吐出口と吸入口との間に背圧を作用させることで、ローター室内の洗浄液をシール部を介して漏出させることができ、前記シール部を含むローター室内全体の洗浄性、特にシール部付近の洗浄性を向上できる。 請求項1記載のように、ロータリーポンプの吐出口に背圧弁が接続された構成であれば、ロータリーポンプに所望の背圧を簡単かつ確実に作用させることができ、ローター室内の洗浄性の向上も容易に実現できる。 また、請求項2記載のように、シール部の可動シール部材との間に1.0mm以上の隙間を確保すると、このシール部付近への洗浄液の流入が容易になり、一層の洗浄性の向上が可能となる。
    【図面の簡単な説明】
    【図1】 本発明に係る実施の形態のロータリーポンプを示す正断面図である。
    【図2】 図1のロータリーポンプのシャフト穴の最奥部近傍を示す拡大図である。
    【図3】 (a)〜(d)は図1のロータリーポンプによる液状食品Eの送り出し動作を示す側断面図である。
    【図4】 図1のロータリーポンプが接続された配管系を示す図であって、(a)は液状食品Eの送出時、(b)は洗浄時を示す。
    【図5】 従来例のロータリーポンプを示す正断面図である。
    【図6】 図5のロータリーポンプを示す側断面図である。
    【図7】 図5のロータリーポンプのシャフト穴の最奥部近傍を示す拡大図である。
    【図8】 図5のロータリーポンプが接続された配管系を示す図であって、(a)は液状食品Eの送出時、(b)は洗浄時を示す。
    【符号の説明】
    1,1a,1b…ローター室、2a,2b…ローター、10…シャフト側シール部、14…除去用液流路、50…ロータリーポンプ、51…可動シール部材、53…背圧弁、E…液状食品、S…隙間。

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