情報処理装置、比較方法、位置合わせ方法及びプログラム

申请号 JP2013221088 申请日 2013-10-24 公开(公告)号 JP6429447B2 公开(公告)日 2018-11-28
申请人 キヤノン株式会社; 发明人 内田 弘樹;
摘要
权利要求

被検眼の眼底の複数の断層画像を解析して得られる被検眼の所定組織の層厚データを取得する第1取得手段と、 前記所定組織の層厚の統計データを取得する第2取得手段と、 前記複数の断層画像に基づいて得られた黄班部および乳頭部の一方から他方へ向かう直線の傾きと前記統計データにおける黄班部および乳頭部の一方から他方へ向かう直線の傾きとを比較することで、前記層厚データと前記統計データとを位置合わせする位置合わせ手段と、 前記位置合わせ手段により位置合わせされた前記層厚データと前記統計データとを比較する比較手段と、を有し、 黄斑部が乳頭部より前記断層画像の撮影範囲の中心に近くなるように前記断層画像が撮影された場合、前記位置合わせ手段は、前記複数の断層画像に基づいて得られた黄班部と前記統計データにおける黄班部とを比較することで前記層厚データと前記統計データとの平および垂直方向の位置合わせを行った後に、前記複数の断層画像に基づいて得られた黄班部から乳頭部へ向かう直線の傾きと前記統計データにおける黄班部から乳頭部へ向かう直線の傾きとを比較することで、前記層厚データと前記統計データとの回転方向の位置合わせを行う一方、 乳頭部が黄斑部より前記断層画像の撮影範囲の中心に近くなるように前記断層画像が撮影された場合、前記位置合わせ手段は、前記複数の断層画像に基づいて得られた乳頭部と前記統計データにおける乳頭部とを比較することで前記層厚データと前記統計データとの水平および垂直方向の位置合わせを行った後に、前記複数の断層画像に基づいて得られた乳頭部から黄斑部へ向かう直線の傾きと前記統計データにおける乳頭部から黄斑部へ向かう直線の傾きとを比較することで、前記層厚データと統計データとの回転方向の位置合わせを行うことを特徴とする情報処理装置。前記統計データは、正常眼の統計データであることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。前記比較手段の比較結果を表示手段に表示させる表示制御手段を更に備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の情報処理装置。前記位置合わせ手段は、前記複数の断層画像に基づいて得られた黄班部の中心および乳頭部の中心の一方から他方へ向かう直線の傾きと前記統計データにおける黄班部の中心および乳頭部の中心の一方から他方へ向かう直線の傾きとを比較することで、前記層厚データと前記統計データとを位置合わせすることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の情報処理装置。前記位置合わせ手段は、前記複数の断層画像に基づいて得られた黄班部の中心と前記統計データにおける黄班部の中心とが一致するように前記水平および垂直方向の位置合わせを行い、前記複数の断層画像に基づいて得られた黄班部の中心から乳頭部の中心へ向かう直線の傾きと前記統計データにおける黄班部の中心から乳頭部の中心へ向かう直線の傾きとが一致するように前記回転方向の位置合わせを行うことを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。前記位置合わせ手段は、前記複数の断層画像に基づいて得られた乳頭部の中心と前記統計データにおける乳頭部の中心とが一致するように前記水平および垂直方向の位置合わせを行い、前記複数の断層画像に基づいて得られた乳頭部の中心から黄斑部の中心へ向かう直線の傾きと前記統計データにおける乳頭部の中心から黄斑部の中心へ向かう直線の傾きとが一致するように前記回転方向の位置合わせを行うことを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。被検眼の眼底の複数の断層像を解析して得られる被検眼の所定組織の層厚データを取得する第1取得工程と、 前記所定組織の層厚の統計データを取得する第2取得工程と、 前記複数の断層画像に基づいて得られた黄班部および乳頭部の一方から他方へ向かう直線の傾きと前記統計データにおける黄班部および乳頭部の一方から他方へ向かう直線の傾きとを比較することで、前記層厚データと前記統計データとを位置合わせする位置合わせ工程と、 前記位置合わせ工程において位置合わせされた前記層厚データと前記統計データとを比較する比較工程と、を有し、 黄斑部が乳頭部より前記断層画像の撮影範囲の中心に近くなるように前記断層画像が撮影された場合、前記位置合わせ工程において、前記複数の断層画像に基づいて得られた黄班部と前記統計データにおける黄班部とを比較することで前記層厚データと前記統計データとの水平および垂直方向の位置合わせを行った後に、前記複数の断層画像に基づいて得られた黄班部から乳頭部へ向かう直線の傾きと前記統計データにおける黄班部から乳頭部へ向かう直線の傾きとを比較することで、前記層厚データと前記統計データとの回転方向の位置合わせを行う一方、 乳頭部が黄斑部より前記断層画像の撮影範囲の中心に近くなるように前記断層画像が撮影された場合、前記位置合わせ工程において、前記複数の断層画像に基づいて得られた乳頭部と前記統計データにおける乳頭部とを比較することで前記層厚データと前記統計データとの水平および垂直方向の位置合わせを行った後に、前記複数の断層画像に基づいて得られた乳頭部から黄斑部へ向かう直線の傾きと前記統計データにおける乳頭部から黄斑部へ向かう直線の傾きとを比較することで、前記層厚データと統計データとの回転方向の位置合わせを行うことを特徴とする比較方法。請求項7記載の比較方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。

说明书全文

本発明は、情報処理装置、比較方法位置合わせ方法及びプログラムに関するものである。

現在、多波長光波干渉を利用した光コヒーレンストモグラフィ(OCT:Optical Coherence Tomography)により被検眼の断層像を得ることが可能である。

また、断層像を解析することで得られた層厚を比較することで特定の眼疾患の診断に寄与することが可能である。さらに、特許文献1に示すように眼疾患を持たない正常眼の層厚を統計データとして備え、測定した層厚と比較することにより眼疾患の診断に寄与する技術が知られている。

正常眼の層厚統計データと撮影した断層像の層厚とを比較する際、同じ部位同士の層厚を比較しなければ比較結果が不正確なものになる恐れがある。そのため特許文献1に記載の光干渉断層撮影装置では標準位置を定め、標準位置同士を位置合わせすることにより同一部位における層厚の比較を可能としている。

特許5101975

しかしながら、前述のように一つの位置情報だけを用いて撮影した断層像と正常眼の層厚統計データを位置合わせした場合、適切な比較が行えない場合がある。 本発明は上記課題に鑑み、正常眼の層厚統計データとの比較精度を向上させることを目的とする。

上記目的を達成するために、情報処理装置は、被検眼の眼底の複数の断層像を解析して得られる被検眼の所定組織の層厚データを取得する第1取得手段と、前記所定組織の層厚の統計データを取得する第2取得手段と、前記複数の断層画像に基づいて得られた黄班部および乳頭部の一方から他方へ向かう直線の傾きと前記統計データにおける黄班部および乳頭部の一方から他方へ向かう直線の傾きとを比較することで、前記層厚データと前記統計データとを位置合わせする位置合わせ手段と、前記位置合わせ手段により位置合わせされた前記層厚データと前記統計データとを比較する比較手段と、を有し、黄斑部が乳頭部より前記断層画像の撮影範囲の中心に近くなるように前記断層画像が撮影された場合、前記位置合わせ手段は、前記複数の断層画像に基づいて得られた黄班部と前記統計データにおける黄班部とを比較することで前記層厚データと前記統計データとの平および垂直方向の位置合わせを行った後に、前記複数の断層画像に基づいて得られた黄班部から乳頭部へ向かう直線の傾きと前記統計データにおける黄班部から乳頭部へ向かう直線の傾きとを比較することで、前記層厚データと前記統計データとの回転方向の位置合わせを行う一方、乳頭部が黄斑部より前記断層画像の撮影範囲の中心に近くなるように前記断層画像が撮影された場合、前記位置合わせ手段は、前記複数の断層画像に基づいて得られた乳頭部と前記統計データにおける乳頭部とを比較することで前記層厚データと前記統計データとの水平および垂直方向の位置合わせを行った後に、前記複数の断層画像に基づいて得られた乳頭部から黄斑部へ向かう直線の傾きと前記統計データにおける乳頭部から黄斑部へ向かう直線の傾きとを比較することで、前記層厚データと統計データとの回転方向の位置合わせを行うことを特徴とする。

本発明によれば、被検眼の層厚と正常眼の層厚統計データの比較精度を向上させることができる。

本発明に係る黄斑部の層厚と正常眼の層厚の統計データとを位置合わせする方法を示す図である。

(a)は本発明に係る光干渉断層撮影装置の全体概要図、(b)は本発明に係る光干渉断層撮影装置のブロック図、(c)は本発明に係る光干渉断層撮影装置の画像取得部である測定光学系の説明図である。

本発明に係る光干渉断層撮影装置の撮影画面の説明図である。

黄斑部を中心に撮影した場合の解析結果を表示するレポート画面の説明図である。

層厚マップの生成方法を示すフローである。

黄斑部の層厚マップの生成方法を示す図である。

層厚の統計データの生成方法を示すフローである。

黄斑部の層厚の統計データの生成方法を示す図である。

被検眼の層厚と正常眼の層厚の統計データとを位置合わせする方法を示すフローである。

本発明に係る黄斑部の層厚と正常眼の層厚の統計データとを位置合わせする方法の変形例を示す図である。

黄斑部の層厚と正常眼の層厚の統計データとの比較結果の表示例を示す図である。

乳頭部を中心に撮影した場合の解析結果を表示するレポート画面の説明図である。

乳頭部の層厚の統計データの生成方法を示す図である。

本発明に係る乳頭部の層厚と正常眼の層厚の統計データとを位置合わせする方法を示す図である。

本発明に係る乳頭部の層厚と正常眼の層厚の統計データとを位置合わせする方法の変形例を示す図である。

網膜の層構造を示す図である。

図2(a)は、本実施形態に係る光断層画像撮像装置(眼科装置)の側面図である。200は光干渉断層装置、900は前眼部像および被検眼の正面画像(眼底画像)および断層像を取得するための取得部(測定光学系)、950は移動部としてのステージ部で、画像取得部900をXYZ方向に不図示のモータを用いて移動可能とする。951は後述の分光器を内蔵するベース部である。

画像取得部900は、後に詳述するが、被検体の画像を取得するための光を被検体上で走査させ、被検体を撮像することで被検体の画像を取得するものである。

925はパソコンであり、断層画像の構成や、ステージ部の制御とともにアライメント動作の制御等を行う。更に後述する層厚の計測や黄斑中心の特定、乳頭中心の特定、位置合わせ、比較マップの生成、モニタへの表示制御等を行う。926はハードディスクで、患者情報と各種撮影データを記憶する患者情報記憶部を兼ね、断層撮像用のプログラムや正常眼の層厚の統計データ等を記憶する記憶部である。

928は、表示部であるモニタであり、929はパソコンへの指示を行う入部であり、具体的にはキーボードとマウスから構成される。即ち、モニタ928は、後述する撮影画面、レポート画面を時分割する単一の共通モニタで、画像取得部900側ではなくパソコン925側に設けられる。

323は顔受けであり、不図示のモータによる上下動が可能な顎受け324、額当て325、後述の対物レンズの高さ方向の移動範囲中心に設けられた目高線326を備えている。被検者の顎を顎受け324に載せ、額を額当て325に当て、被検者の眼の高さが目高線326と略一致するように被検者の顔を固定することで、被検眼を取得部900に概略位置決めすることができる。

(ブロック図) 本実施形態におけるブロック図について図2(b)を用いて説明する。それぞれの動作の詳細については後述する。

930は断層像生成部であり、取得部900により得られた後述の参照光の信号に基づいて断層像を生成する。

931は層厚計測部であり、断層像生成部930により形成された断層像を解析し、被検眼の層構造を識別し、その層厚(所定組織の層厚)を計測する。層厚計測部931は、本発明における計測手段の一例に相当する。

932は黄斑中心特定部であり、断層像生成部930により形成された断層像、層厚計測部931により計測された層厚、及び固視灯の呈示位置情報を用いて被検眼の黄斑中心位置を特定する。黄斑中心特定部932は、本発明における部位特定手段の一つに相当する。

933は乳頭中心特定部であり、断層像生成部930により形成された断層像、層厚計測部931により計測された層厚、及び被検眼の正面画像を用いて被検眼の乳頭中心位置を特定する。乳頭中心特定部933は、本発明における部位特定手段の一つに相当する。

934は層厚マップ生成部であり、層厚計測部931により計測された層厚情報を用いて層厚毎に色分けしたカラーマップを生成する。

935は位置合わせ部であり、黄斑中心特定部932及び乳頭中心特定部933により特定された黄斑中心及び乳頭中心の位置情報を用いて、被検眼と統計データ及び複数の被検眼の位置合わせを行う。位置合わせ部935は、本発明における位置合わせ手段の一例に相当する。

936は統計データ生成部であり、黄斑中心及び乳頭中心の位置情報を用いて位置合わせされた複数の被検眼の層厚情報を統計データとして生成する。

937は比較マップ生成部であり、被検眼の層厚と統計データとの比較を行い、比較結果をカラーマップとして生成する。比較マップ生成部937は、本発明における比較手段の一例に相当する。

938は表示制御手段であり、層厚マップ生成部934及び比較マップ生成部937により生成されたカラーマップを、モニタ928へ表示する制御を行う。

(測定光学系および分光器の構成) 本実施形態の測定光学系および分光器の構成について図2(c)を用いて説明する。まず、取得部900の内部について説明する。被検眼107に対向して対物レンズ135−1が設置され、その光軸上に第1ダイクロックミラー132−1および第2ダイクロイックミラー132−2が配置されている。これらのダイクロイックミラーによってOCT光学系の光路351、被検眼の観察と正面画像の取得とを兼ねるSLO光学系と固視灯用の光路352、および前眼観察用の光路353とに波長帯域ごとに分岐される。

SLO光学系と固視灯用の光路352はSLO走査手段133、レンズ135−3および135−4、ミラー132−5、第3ダイクロイックミラー132−3、フォトダイオード173、SLO光源174、固視灯191を有している。ミラー132−5は、穴あきミラーや中空のミラーが蒸着されたプリズムであり、SLO光源174による照明光と、被検眼からの戻り光とを分離する。第3ダイクロイックミラー132−3はSLO光源174および固視灯191への光路へと波長帯域ごとに分離する。SLO走査手段133は、SLO光源174と固視灯191から発せられた光を被検眼107上で走査するものであり、X方向に走査するXスキャナ、Y方向に走査するYスキャナから構成されている。本実施形態では、Xスキャナは高速走査を行う必要があるためポリゴンミラーによって、Yスキャナはガルバノミラーによって構成されている。レンズ135−3はSLO光学系および固視灯の焦点合わせのため、不図示のモータによって駆動される。SLO光源174は780nm付近の波長の光を発生する。フォトダイオード173は、被検眼からの戻り光を検出する。固視灯191は可視光を発生して被検者の固視を促すものである。

SLO光源174から発せられた光は、第3ダイクロイックミラー132−3で反射され、ミラー132−5を通過し、レンズ135−4、135−3を通り、SLO走査手段133によって、被検眼107上で走査される。被検眼107からの戻り光は、投影光と同じ経路を戻ったのち、ミラー132−5によって反射され、フォトダイオード173へと導かれる。固視灯191は第3ダイクロイックミラー132−3、ミラー132−5を透過し、レンズ135−4、135−3を通り、SLO走査手段133によって、被検眼107上で走査される。このとき、SLO走査手段の動きに合わせて固視灯191を点滅させることによって、被検眼107上の任意の位置に任意の形状をつくり、被検者の固視を促す。

前眼観察用の光路353において、135−2、135−1はレンズ、140はスプリットプリズム、171は赤外光を検知する前眼部観察用のCCDである。このCCD171は、不図示の前眼観察用照射光の波長、具体的には970nm付近に感度を持つものである。スプリットプリズム140は、被検眼107の瞳孔と共役な位置に配置されており、被検眼107に対する取得部900のZ方向(前後方向)の距離を、前眼部のスプリット像として検出することができる。

OCT光学系の光路351は、前述の通りOCT光学系を成しており、被検眼107の断層画像を撮像するためのものである。より具体的には、断層画像を形成するための干渉信号を得るものである。134は光を被検眼上で走査するためのXYスキャナである。XYスキャナ134は1枚のミラーとして図示してあるが、XY2軸方向の走査を行うガルバノミラーである。

135−5、135−6はレンズであり、そのうちレンズ135−5は、光カプラー131に接続されているファイバー131−2から出射するOCT光源101からの光を、被検眼107に焦点合わせするために不図示のモータによって駆動される。この焦点合わせによって、被検眼107からの戻り光は同時にファイバー131−2の先端に、スポット状に結像されて入射されることとなる。

次に、OCT光源101からの光路と参照光学系、分光器の構成について説明する。101はOCT光源、132−4は参照ミラー、115は分散補償用ガラス、131は光カプラー、131−1〜4は光カプラーに接続されて一体化しているシングルモードの光ファイバー、135−7はレンズ、180は分光器である。

これらの構成によってマイケルソン干渉系を構成している。OCT光源101から出射された光は、光ファイバー131−1を通じ、光カプラー131を介して光ファイバー131−2側の測定光と、光ファイバー131−3側の参照光とに分割される。測定光は前述のOCT光学系光路を通じ、観察対象である被検眼107に照射され、被検眼による反射や散乱により同じ光路を通じて光カプラー131に到達する。

光カプラー131によって、測定光と参照光は合波され干渉光となる。ここで、測定光の光路長と参照光の光路長がほぼ同一となったときに干渉を生じる。参照ミラー132−4は、不図示のモータおよび駆動機構によって光軸方向に調整可能に保持され、被検眼107によって変わる測定光の光路長に参照光の光路長を合わせることが可能である。干渉光は光ファイバー131−4を介して分光器180に導かれる。

また、139−1は、光ファイバー131−2中に設けられた測定光側の偏光調整部である。139−2は、光ファイバー131−3中に設けられた参照光側の偏光調整部である。これらの偏光調整部は光ファイバーをループ状にひきまわした部分を幾つか持っている。このループ状の部分をファイバーの長手方向を中心として回動させることでファイバーに捩じりを加え、測定光と参照光の偏光状態を各々調整して合わせることが可能なものである。

分光器180はレンズ135−8、135−9、回折格子181、ラインセンサ182から構成される。光ファイバー131−4から出射された干渉光はレンズ135−8を介して平行光となった後、回折格子181で分光され、レンズ135−9によってラインセンサ182に結像される。

以上述べたOCT光学系は、本発明において被検査物に測定光を照射して断層像を取得する取得手段に対応する。

次に、OCT光源101の周辺について説明する。OCT光源101は、代表的な低コヒーレント光源であるSLD(Super Luminescent Diode)である。中心波長は855nm、波長バンド幅は約100nmである。ここで、バンド幅は、得られる断層画像の光軸方向の分解能に影響するため、重要なパラメータである。

光源の種類は、ここではSLDを選択したが、低コヒーレント光が出射できればよく、ASE(Amplified Spontaneous Emission)等を用いることができる。中心波長は眼を測定することを鑑みると近赤外光が適する。また、中心波長は得られる断層画像の横方向の分解能に影響するため、なるべく短波長であることが望ましい。双方の理由から中心波長855nmとした。

本実施形態では干渉系としてマイケルソン干渉系を用いたが、マッハツェンダー干渉系を用いても良い。測定光と参照光との光量差に応じて、光量差が大きい場合にはマッハツェンダー干渉系を、光量差が比較的小さい場合にはマイケルソン干渉系を用いることが望ましい。

以上のような構成により、被検眼の断層像を取得することができ、かつ、近赤外光であってもコントラストの高い被検眼の正面画像を取得することができる。

(断層画像の撮像方法) 光干渉断層装置200を用いた断層画像の撮像方法について説明する。光干渉断層装置200はXYスキャナ134を制御することで、被検眼107の所定部位の断層画像を撮像することができる。ここで、断層像取得光を被検眼中で走査する軌跡のことをスキャンパターン(走査パターン)と呼ぶ。このスキャンパターンには、例えば、一点を中心として縦横十字にスキャンするクロススキャンや、エリア全体を塗りつぶすようにスキャンし結果として3次元断層像(ボリューム画像)を得る3Dスキャンなどがある。特定の部位に対して詳細な観察を行いたい場合はクロススキャンが適しており、網膜全体の層構造や層厚を観察したい場合は3Dスキャンが適している。

ここでは、3Dスキャンを実行した場合の撮像方法を説明する。まず、図中X方向に測定光のスキャン(走査)を行い、被検眼におけるX方向の撮像範囲から所定の撮像本数の情報をラインセンサ182で撮像する。X方向のある位置で得られるラインセンサ182状の輝度分布を高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform:FFT)し、FFTで得られた線状の輝度分布をモニタ928に示すために濃度情報に変換する。これをAスキャン画像と呼ぶ。

また、この複数のAスキャン画像を並べた2次元の画像をBスキャン画像と呼ぶ。1つのBスキャン画像を構成するための複数のAスキャン画像を撮像した後、Y方向のスキャン位置を移動させて再びX方向のスキャンを行うことにより、複数のBスキャン画像を得る。

複数のBスキャン画像、あるいは複数のBスキャン画像から構築した3次元画像(ボリュームデータ)を以下に述べるモニタ928に表示することで検者が被検眼の診断に用いることができる。ここでは、X方向のBスキャン画像を複数得ることで3次元画像を得る例を示したが、Y方向のBスキャン画像を複数得ることで3次元画像を得てもよい。

このとき、フーリエ変換の原理上の特性から、特定の位置、具体的には測定光路長と参照光路長とが等しくなる位置(ゲート位置)を基準とした対象形となる断層像が形成される。また、ゲート位置を基準とした周期的な断層像が形成される。そのため、検者に観察しやすい断層画像とするために、特定の領域(画像領域)を切り出して表示することが必要である。

(撮影画面の構成) 図3を用いて本実施形態に係る撮影画面2000について説明する。撮影画面2000は、所望の被検眼像を得るために、各種の設定および調整を行う画面であり、撮像前にモニタ928に表示される画面である。

2400は患者情報表示部であり、本画面で撮影を行う患者の情報、例えば患者ID、患者名、年齢、性別などを表示する。2001は被検眼の左右を切り替えるボタンであり、L、Rボタンを押すことにより、左右眼の初期位置に画像取得部900を移動する。2101は前眼部観察用のCCD171によって得られた前眼部観察画面であり、前眼部観察画面2101上の任意の点をマウスでクリックすることで、その点を画面の中心にするよう取得部900を移動させ、取得部と被検眼の位置合わせを行う。2012はスキャンモード選択ボタンであり、黄斑3Dモード、及び乳頭3Dモードを選択することができる。2201はフォトダイオード173によって得られた被検眼の正面画像表示画面、2301は取得された断層画像を確認するための断層画像表示画面である。2004は開始ボタンであり、このボタンを押すことで断層像および正面画像の取得が開始され、正面画像表示画面2201および断層画像表示画面2301に取得した被検眼像がリアルタイムで表示される。このとき、正面画像表示画面2201内に表示される枠2202は、撮影時に断層像を取得する範囲である。また、縦方向の中心部にある横向きの矢印線2203は、断層画像表示画面2301に表示されている断層像を取得している被検眼上の位置およびスキャン方向を示している。

ここで、断層画像表示画面2301の外枠体2302は画像領域を示している。画像領域2302の図中左辺および右辺はスキャン範囲2202と同境界であり、上辺は測定光路長と参照光路長が等しい位置(ゲート位置)であり、下辺は上辺から所定の長さだけ離れた位置である。

それぞれの画像の近傍に配置されているスライダは、調整を行うためのものである。スライダ2103は被検眼に対する取得部のZ方向の位置を調整するもの、スライダ2203はフォーカス調整を行うもの、スライダ2303はコヒーレンスゲートの位置を調整するものである。フォーカス調整は、眼底に対する合焦調整を行うために、レンズ135−3および135−5を図示の方向に移動する調整である。コヒーレンスゲート調整は、断層画像が断層画像表示画面の所望の位置で観察されるために、参照ミラー132−4を図示の方向に移動する調整である。これにより、OCT光学系における断層像と参照光路との光路長差が変更されるため、断層画像表示画面2301中の断層像は上下方向に移動し、検者は断層画像を断層画像表示画面の所望の位置に配置することができる。

これらの調整操作により、検者は最適な撮像が行える状態を創出する。2003は撮像ボタンであり、各種調整が終了したときに、このボタンを押すことで所望の撮像が行われる。

(黄斑部レポート画面の構成) 図4を用いて本実施形態に係る黄斑部レポート画面4000について説明する。黄斑部レポート画面4000は、モニタ928に表示される画面である。スキャンモード選択ボタン2012で黄斑3Dモードを選択して撮像した被検眼像、計測結果、及び比較結果を詳細に確認する画面である。

4001は患者情報表示部であり、本画面で表示されている患者の情報、例えば患者ID、患者名、生年月日、性別、人種などを表示する。4100は正面画像表示画面であり、SLO像もしくは、取得された断層画像から再構築或いは再構成した被検眼画像であるプロジェクション像が表示される。4200は断層画像表示画面であり、取得された断層画像が表示される。正面画像表示画面4100には、断層画像表示画面4200に表示されている断層像を取得した際の走査軌跡の概要図が矢印4102として重畳表示される。正面画像表示画面4100内に表示される枠4101は、撮影時に断層像を取得する範囲であり、黄斑を中心とした10mmの正方形である。

4300は層厚マップ、4400は比較マップである。以下では、これらについて詳細に説明する。

(黄斑部層厚マップ) 図6を用いて本実施形態に係る層厚マップについて説明する。

ここで、人の網膜は、図16に示すように硝子体、内境界膜(ILM)、神経線維層(NFL)、神経細胞層(GCL)、内網状層(IPL)、IS/OS(視細胞内節外節接合部)、RPE(網膜色素上皮)と呼ばれる層構造などで構成されている。

それぞれの層は特定の眼疾患の進行に伴い厚みが増減することが知られており、特に緑内障の診断においてはNFL、及びGCLを含む層厚を観察することが重要である。層厚の観察には、層厚マップと呼ばれる網膜上の個々の位置における層厚を層厚毎に色分けしたカラーマップが有効である。層厚の大小が色の変化で示されるため、層厚が肥厚あるいは減少している箇所を直感的に把握することができる。緑内障診断向けの層厚マップとしては、NFL厚マップ、NFL+GCL+IPL複合層厚マップ、GCL+IPL複合層厚マップなどが主に用いられる。特に黄斑部の層厚マップとしてはNFL+GCL+IPL複合層厚マップ、GCL+IPL複合層厚マップが用いられる。これは神経細胞が黄斑中心を中心としてドーナツ状に分布しているためである。

層厚マップについて、図6を用いて説明する。図6(c)は層厚マップの概要図である。4301は2次元画像、4300は層厚マップ、4310は層厚に対応する色を示したカラースケールである。層厚マップ4300の領域内は、特定の層の層厚解析結果に基づいた層厚を、カラースケール4310に対応する色で表現している。これにより、ユーザは層厚の分布を容易かつ直感的に観察することができ、診断を効率的に行うことができる。なお、図1(c)では、塗りつぶす色を半透明色とし、正面画像の上に層厚マップ4300を重畳表示している。

次に図5を用いて、本実施形態に係る層厚マップの生成フローについて説明する。まずステップS11にて開始した後、ステップS12にて取得部900により断層像のボリュームデータが取得され、断層像生成部930によって断層像が生成される。次に、ステップS13にて層厚計測部931は被検眼の層構造を解析する。層構造の解析は、各層の反射率の違いにより信号強度が異なることを利用することで各層を識別することができる。層構造の解析後、層厚計測部931は各層の層厚を計測する。

次に、ステップS14にて黄斑中心特定部932は黄斑中心位置の特定を行う。ステップS12で生成された断層像のボリュームデータは図6(a)と図6(b)に示すように黄斑部を含む複数の断層像から構成されている。そこで黄斑中心特定部932は複数の断層像の層厚計測結果を用い、NFL+GCL+IPL複合層厚が最も小さくなる位置を黄斑中心として決定する。黄斑中心は中心窩とも呼ばれる視界の中心点であり、図16に示すように断層像上ではILMの窪みとして現れる。また、黄斑中心下では網膜を構成する層構造のうち内層と呼ばれる上層側の層厚が非常に薄くなることが知られている。そのため、上層の一部であるNFL+GCL+IPL複合層厚の層厚が薄くなる位置を特定することで、黄斑中心を決定することができる。なお、黄斑中心下では網膜内層であればどの層も薄くなるため、NFL+GCL+IPL複合層厚だけでなく、NFL単独の層厚やGCL+IPL複合層厚、INL厚などを用いて黄斑中心を特定することもできる。

さらに、黄斑中心特定部932は固視灯191の呈示位置の情報を用いて黄斑中心位置を特定することもできる。断層像の撮像を行う際、被検眼は固視灯を注視している。前述したように黄斑中心は視界の中心であるため、黄斑中心特定部932は固視灯191の呈示位置を黄斑中心位置として特定することができる。黄斑中心特定部932は黄斑の中心ではなく黄班の位置を特定することとしてもよい。また、黄斑中心特定部932は黄班の中心ではなく重心を特定することとしてもよい。

次に、ステップS15にて乳頭中心特定部933は乳頭中心位置の特定を行う。乳頭中心特定部933は複数の断層像の層厚計測結果を用い、RPE層が存在しない円形の部位を特定し、その円形の部位の中心を乳頭中心として決定する。乳頭は視神経乳頭とも呼ばれる網膜上の大きな窪みである。この窪みは網膜の外側から多数の血管や視神経を通すための窪みであり、この窪み内ではRPE等の層構造は存在していない。そのため、RPE層が不存在となる部位を特定することで乳頭中心位置を特定することができる。また、乳頭中心位置は網膜の正面画像を用いて特定することもできる。乳頭部は網膜の正面画像上で非常に高輝度な円形領域として現れる。そのためエッジ検出や二値化などの画像処理により乳頭形状を認識し、乳頭中心位置を特定することができる。乳頭中心特定部933は乳頭の中心ではなく乳頭の位置を特定することとしてもよい。また、乳頭中心特定部933は乳頭の中心ではなく重心を特定することとしてもよい。

次に、ステップS16にて層厚マップ生成部934はステップS13で得られた層厚に基づいて、層厚マップデータを生成する。ステップS16で層厚マップデータを生成した後、ステップS17でレポート画面4000に表示し、ステップS18で終了する。

(黄斑部統計データ) 次に、層厚の比較に用いる統計データの生成方法について図8を用いて説明する。統計データはある基準で選定された複数の被検眼の層厚の統計データであり、眼疾患を有しない正常眼の層厚の統計データであることが多い。多数の正常眼の層厚を計測したとき、その層厚の分布は一定の幅を持つ。これを正規分布として捉えた場合、母集団に対する98%信頼区間や90%信頼区間を求めることができる。そして、実際の患者の層厚と上記信頼区間とを比較することで、その患者の層厚が正常範囲から逸脱しているかどうかを判断することができる。特に、緑内障ではNFLとGCLを含む層厚の統計データと比較することで、早期の緑内障診断に寄与することができる。

ところで、網膜におけるNFL及びGCLの層厚は視神経の分布、走行状態と関連がある。視神経は乳頭部から放射状に伸びており、黄斑中心を取り囲むように弧を描くように走行している。従って、NFL及びGCLの層厚も乳頭部と黄斑中心の位置関係に大きく依存する。一方、図8(a)に示すように乳頭部と黄斑中心の位置関係は個人毎に大きく異なっている。そのため、層厚の統計データを生成する際、乳頭部と黄斑中心の位置関係を考慮することが重要である。

次に図7を用いて、本実施形態に係る統計データの生成フローについて説明する。まずステップS21にて開始した後、ステップS22にて取得部900により断層像のボリュームデータが取得され、断層像生成部930によって断層像が生成される。次に、ステップS23にて層厚計測部931は被検眼の層構造を解析する。層構造の解析後、層厚計測部931は各層の層厚を計測する。次に、ステップS24にて黄斑中心特定部932は黄斑中心位置の特定を行い、ステップS25にて乳頭中心特定部933は乳頭中心位置の特定を行う。ここまでの一連のステップは層厚マップ生成時と同じである。そして、複数の被検眼に対してステップS22からステップS25までの一連のステップを繰り返すことにより、複数の被検眼の層厚と黄斑中心、乳頭中心の情報を得る。

次に、ステップS26にて位置合わせ部935は複数の被検眼の層厚の位置合わせを行う。初めに位置合わせ部935は図8(a)に示される黄斑中心Mc1、Mc2、・・・、Mcnの位置合わせを行う。この位置合わせは全ての黄斑中心が同じ位置となるよう各データを水平、垂直方向に平行移動することで行う。次に位置合わせ部935は乳頭中心Dc1、Dc2、・・・、Dcnの位置合わせを行う。この位置合わせは、黄斑中心Mcnから乳頭中心Dcnに向かう直線L1、L2、・・・、Lnの傾きが一致するよう各データを黄斑中心を中心として回転させることにより行う。すなわち、回転方向の位置合わせを行う。これらの位置合わせの結果、全てのデータは図8(b)に示すように同じ黄斑中心位置NMcを持ち、乳頭中心へ向かう直線NLdも一致するようになるため、信頼性の高い統計データを生成することができる。

なお、位置合わせの別の実施形態として、図8(c)に示すように全てのデータの黄斑中心と乳頭中心の位置が一致するように位置合わせすることもできる。この位置合わせ方法では各データのサイズを拡大、縮小したり、アフィン変換等の座標変換によって位置合わせを行う。また、黄斑中心や乳頭中心以外の網膜上の構造物を用いて位置合わせを行っても良い。例えば乳頭中心の代わりに網膜血管の走行度情報を用いて位置合わせを行うこともできる。

次に、ステップS27にて統計データ生成部936は複数の被検眼の層厚の統計データを生成する。統計データは網膜上の各位置における各層厚の統計データとして生成され、黄斑中心や乳頭中心の位置情報と関連付けられている。そして、生成された統計データはステップS28にて記録部926に記憶される。

(黄斑部比較マップ) 次に、本発明において特徴的である比較マップ4400の生成方法について図1を用いて説明する。比較マップは、被検眼の層厚と、前記の層厚の統計データとを比較した結果を表示するものである。層厚の統計データは予め記憶部926に記憶されている。

図11を用いて比較マップの構成を説明する。4400は正面画像上に重畳表示された比較マップであり、Sa及びSbは統計データに対して層厚が有意に薄い部位を示している。記憶部926に格納された統計データは正常眼の層厚の分布(正規分布)に対し、下位5%及び下位1%に相当する層厚値を含んでいる。計測された被検眼の層厚が下位5%に相当する層厚よりも薄い場合、比較マップ4400上の当該箇所には黄色等の警告色が示される。計測された被検眼の層厚が下位1%に相当する層厚よりも薄い場合、比較マップ4400上の当該箇所には赤色等の危険色が示される。一方、それ以外の箇所は色がつかないため、網膜上のどの領域において疾病が進行しているかを容易に把握することができる。ここでは層厚がより薄い場合にのみ着色される比較マップの例を示したが、層厚がより厚い場合に着色するようにしても良い。或いは統計データとの変位量に応じて着色するマップとすることもできる。

次に、図9を用いて、比較層厚マップの作成フローについて説明する。ステップS31からステップS35までは上述の層厚マップのステップS11からステップS15までと同様の動作であるので説明を省略する。

ステップS36で位置合わせ部935は記憶部926から統計データを読み出す。ステップS37で位置合わせ部935は、被検眼の層厚と統計データの位置合わせを行う。

初めに位置合わせ部935は図1に示される被検眼の黄斑中心TMcと統計データの黄斑中心NMcの位置合わせを行う。この位置合わせは互いの黄斑中心が同じ位置となるよう統計データを水平、垂直方向に平行移動することで行う。次に位置合わせ部935は黄斑中心から乳頭中心に向かう直線TLdとNLdの傾きが一致するよう統計データを黄斑中心を中心として回転させる。これらの位置合わせの結果、互いのデータは図1(c)に示すように同じ黄斑中心位置TMcを持ち、乳頭中心へ向かう直線TLdも一致するようになるため、信頼性の高い比較マップを生成することができる。

なお、位置合わせの別の実施形態として、図10に示すように被検眼と統計データの黄斑中心と乳頭中心の位置が一致するように位置合わせすることもできる。この位置合わせ方法では統計データのサイズを拡大、縮小したり、アフィン変換等の座標変換によって位置合わせを行う。また、黄斑中心や乳頭中心以外の網膜上の構造物を用いて位置合わせを行っても良い。例えば乳頭中心の代わりに網膜血管の走行角度情報を用いて位置合わせを行うこともできる。

次に、ステップS38にて比較マップ生成部937は被検眼の層厚と統計データを比較し、その結果に基づいて比較マップデータを生成する。ステップS39にて表示制御手段938はレポート画面4000に比較マップを表示し、ステップS40で終了する。

上記のように、本発明における比較マップは網膜の構造に基づき位置合わせを行った後に比較を行うため、精度の高い比較マップを提供することができる。

例えば、緑内障の進行を観察する場合、視神経繊維層(NFL)の厚みを統計データと比較する方法が一般的である。視神経線維は乳頭部を中心として放射状に走行しており、弧を描くように黄斑中心付近へと導かれる。従って視神経繊維層の層厚を統計データと比較する場合は、視神経の走行軌跡同士が一致するように位置合わせを行い、統計データと比較することが重要である。一方、乳頭部と黄斑中心の位置関係は人によって様々である。正視した際の乳頭部と黄斑中心の成す角は個人毎に大きく差があり、視神経繊維層の走行軌跡もその角度に応じて変化する。そのため一つの位置情報、例えば乳頭中心位置だけを用いて位置合わせを行った場合、視神経繊維層の走行軌跡が一致しない箇所同士を比較してしまう虞があるが、本発明によれば正確な位置合わせにより精度の高い比較を行うことが可能である。

なお、ここでは網膜上の各位置における層厚比較を示す比較マップの例を示したが、本発明は網膜上の一定範囲の領域における層厚を比較する際にも適用することができる。例えば網膜の中心部6mmの範囲を9個のセクターに分割し、それぞれのセクター内の層厚平均値を求める。そして其々のセクター内の平均値と統計データとの比較を行い、比較結果に基づいてセクター内を着色する。そこでセクター内の平均値と統計データを比較する際、前述の比較マップと同様に黄斑中心と乳頭中心の位置情報を用いて位置合わせを行うことができる。

(乳頭部レポート画面の構成) 図12を用いて本実施形態に係る乳頭部レポート画面5000について説明する。乳頭部レポート画面5000は、モニタ928に表示される画面である。スキャンモード選択ボタン2012で乳頭3Dモードを選択して撮像した被検眼像、計測結果、及び比較結果を詳細に確認する画面である。

5001は患者情報表示部であり、本画面で表示されている患者の情報、例えば患者ID、患者名、生年月日、性別、人種などを表示する。5100は正面画像表示画面であり、SLO像もしくは、取得された断層画像から再構築或いは再構成した被検眼画像であるプロジェクション像が表示される。5200は断層画像表示画面であり、取得された断層画像が表示される。正面画像表示画面5100には、断層画像表示画面5200に表示されている断層像を取得した際の走査軌跡の概要図が矢印5102として重畳表示される。正面画像表示画面5100内に表示される枠5101は、撮影時に断層像を取得する範囲であり、乳頭を中心とした6mmの正方形である。

5300は層厚マップ、5400は比較マップである。以下では、これらについて詳細に説明する。

(乳頭部層厚マップ) 乳頭部の層厚マップの生成及び表示方法は前述した黄斑部の層厚マップ生成及び表示方法と同じであるので省略する。

なお、乳頭部の層厚マップでは緑内障診断向けとしてNFL厚マップを表示することが一般的である。これはNFL(視神経繊維層)が乳頭部から放射状に伸びており、乳頭近傍のNFL厚を診ることで網膜全体における視野欠損の位置や方角を予測可能なためである。

(乳頭部統計データ) 次に、乳頭部の層厚の比較に用いる統計データの生成方法について図13を用いて説明する。乳頭部の統計データの生成方法は前述した黄斑部の統計データの生成方法とほぼ同様であるが、位置合わせ方法のみが一部異なる。以下にその詳細を説明する。

前述したように黄斑部の撮影では主にGCLを含む層厚を計測することが一般的である。GCLは黄斑を中心にドーナツ状に分布しているため、黄斑中心位置が必ず一致するように位置合わせを行う。一方、乳頭部の撮影ではNFLの層厚を計測することが一般的である。NFLは乳頭を中心に放射状に走行しているため、乳頭中心位置が必ず一致するように位置合わせを行うことが望ましい。そのため、乳頭部の撮影を行った場合、以下の様に統計データの位置合わせを行う。

位置合わせ部935は複数の被検眼の層厚の位置合わせを行う。初めに位置合わせ部935は図13(a)に示される乳頭中心Dc1、Dc2、・・・、Dcnの位置合わせを行う。この位置合わせは全ての乳頭中心が同じ位置となるよう各データを水平、垂直方向に平行移動することで行う。次に位置合わせ部935は黄斑中心Mc1、M2、・・・、Mcnの位置合わせを行う。この位置合わせは、乳頭中心Dcnから黄斑中心Mcnに向かう直線L1、L2、・・・、Lnの傾きが一致するよう各データを乳頭中心を中心として回転させることにより行う。これらの位置合わせの結果、全てのデータは図13(b)に示すように同じ乳頭中心位置NDcを持ち、黄斑中心へ向かう直線NLmも一致するようになるため、信頼性の高い統計データを生成することができる。

なお、位置合わせの別の実施形態として、図13(c)に示すように全てのデータの黄斑中心と乳頭中心の位置が一致するように位置合わせすることもできる。この位置合わせ方法では各データのサイズを拡大、縮小したり、アフィン変換等の座標変換によって位置合わせを行う。

(乳頭部比較マップ) 次に、本発明において特徴的である比較マップ5400の生成方法について図14を用いて説明する。乳頭部の比較マップの生成方法は前述した黄斑部の比較マップの生成方法とほぼ同様であるが、位置合わせ方法のみが一部異なる。以下にその詳細を説明する。

統計データの位置合わせと同様、乳頭部の撮影では乳頭中心位置が必ず一致するように位置合わせを行うことが望ましい。そのため、乳頭部の撮影を行った場合、以下の様に統計データの位置合わせを行う。

位置合わせ部935は図14に示される被検眼の乳頭中心TDcと統計データの乳頭中心NDcの位置合わせを行う。この位置合わせは互いの乳頭中心が同じ位置となるよう統計データを水平、垂直方向に平行移動することで行う。次に位置合わせ部935は乳頭中心から黄斑中心に向かう直線TLmとNLmの傾きが一致するよう統計データを乳頭中心を中心として回転させる。これらの位置合わせの結果、互いのデータは図14(c)に示すように同じ乳頭中心位置TDcを持ち、乳頭中心へ向かう直線TLmも一致するようになるため、信頼性の高い比較マップを生成することができる。

なお、位置合わせの別の実施形態として、図15に示すように被検眼と統計データの黄斑中心と乳頭中心の位置が一致するように位置合わせすることもできる。この位置合わせ方法では統計データのサイズを拡大、縮小したり、アフィン変換等の座標変換によって位置合わせを行う。

なお、ここでは網膜上の各位置における層厚比較を示す比較マップの例を示したが、本発明は網膜上の所定軌跡上における層厚を比較する際にも適用することができる。例えば乳頭を中心とした直径3.45mmの円軌跡上の層厚を計測する。そして円軌跡上の個々の位置における層厚を層厚プロファイルとしてグラフに表示する。そしてグラフに統計データを重畳表示する。ここでグラフに統計データを重畳表示する際、前述の比較マップと同様に黄斑中心と乳頭中心の位置情報を用いて位置合わせを行い、重畳表示する位置を調整することができる。

(その他の実施例) 以上、実施形態を詳述したが、本発明は、例えば、システム、装置、方法、プログラムもしくは記憶媒体等としての実施態様をとることが可能である。具体的には、複数の機器から構成されるシステムに適用してもよいし、また、一つの機器からなる装置に適用してもよい。

尚、本発明は、ソフトウェアのプログラムをシステム或いは装置に直接或いは遠隔から供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータが該供給されたプログラムコードを読み出して実行することによって前述した実施形態の機能が達成される場合を含む。この場合、供給されるプログラムは実施形態で図に示したフローチャートに対応したコンピュータプログラムである。

従って、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、該コンピュータにインストールされるプログラムコード自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明は、本発明の機能処理を実現するためのコンピュータプログラム自体も含まれる。

その場合、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等の形態であってもよい。

コンピュータプログラムを供給するためのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体としては以下が挙げられる。例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVD(DVD−ROM、DVD−R)などである。

その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続し、該ホームページから本発明のコンピュータプログラムをハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることが挙げられる。この場合、ダウンロードされるプログラムは、圧縮され自動インストール機能を含むファイルであってもよい。また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバも、本発明に含まれるものである。

また、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布するという形態をとることもできる。この場合、所定の条件をクリアしたユーザに、インターネットを介してホームページから暗号を解く鍵情報をダウンロードさせ、その鍵情報を使用して暗号化されたプログラムを実行し、プログラムをコンピュータにインストールさせるようにもできる。

また、コンピュータが、読み出したプログラムを実行することによって、前述した実施形態の機能が実現される他、そのプログラムの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOSなどとの協働で実施形態の機能が実現されてもよい。この場合、OSなどが、実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される。

さらに、記録媒体から読み出されたプログラムが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれて前述の実施形態の機能の一部或いは全てが実現されてもよい。この場合、機能拡張ボードや機能拡張ユニットにプログラムが書き込まれた後、そのプログラムの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行う。

107 被検眼 101 OCT光源 133 SLOスキャナ 134 OCTスキャナ 174 SLO光源 900 画像取得部 925 パソコン 926 ハードディスク 928 モニタ 930 画像生成部 931 層厚計測部 932 黄斑中心特定部 933 乳頭中心特定部 934 層厚マップ生成部 935 位置合わせ部 936 統計データ生成部 937 比較マップ生成部

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