Lighting equipment as well as the observation device

申请号 JP2009500783 申请日 2007-03-23 公开(公告)号 JP5259570B2 公开(公告)日 2013-08-07
申请人 カール ツァイス メディテック アーゲー; 发明人 メルツ,フランツ; ライマー,ペーター; ストレヒレ,フリッツ;
摘要
权利要求
  • 観察されるべき目を観察するための1つの観察ビーム束を備える1つ、2つ、またはそれ以上の観察光路を有する観察装置のための照明装置(10)において、
    観察されるべき目を照明するために、1つの照明スポットを生成する少なくとも1つの照明ビーム束を生成するための少なくとも1つの光源(12)を有しており、少なくとも1つの照明ビーム束は観察ビーム束に対して同軸に延びている、そのような照明装置において、ケーラーの照明原理に基づいて構成された、対物レンズ部材(19)の表面からの反射光を回避するための少なくとも1つの反射絞り(18)が設けられている照明光学系(11)を照明装置(10)が有して おり、
    観察ビーム束と照明ビーム束を重ね合わせるための手段(20)が設けられており、
    反射絞り(18)は照明光路でビーム束を重ね合わせるための手段(20)の手前に配置されていることを特徴とする、照明装置。
  • 観察装置が手術用顕微鏡である請求項1に記載の照明装置。
  • 照明光学系(11)は、1つまたは複数の個々の、または組み合わされたレンズ部材からなる集光器(14)を有している請求項1または2に記載の照明装置。
  • 照明光学系(11)は、固定式または可変式の絞りとして構成された視野絞り(15)を有している請求項1から3までのいずれか一項に記載の照明装置。
  • 照明光学系(11)は、固定式または可変式の絞りとして構成された開口絞り(16)を有している請求項1から4までのいずれか一項に記載の照明装置。
  • 対物レンズ部材(19)を有している請求項1から5までのいずれか一項に記載の照明装置。
  • 対物レンズ部材(19)は同じく観察装置の対物レンズ部材として構成されており、特にその主対物レンズとして構成されている請求項6に記載の照明装置。
  • 観察ビーム束と照明ビーム束を重ね合わせるための手段(20)は、プリズムおよび/またはビーム分割プレートおよび/または部分透過性のミラーおよび/または貫通孔のあるミラーの形態の少なくとも1つの光学素子を有している請求項7に記載の照明装置。
  • 反射絞り(18)は照明光路で対物レンズ部材(19)の手前に配置されている請求項6から8までのいずれか一項に記載の照明装置。
  • 絞り(15;16;18)は離散的な絞り、LCDディスプレイ、DMD、LCOS、またはFLCOSとして構成されている請求項1,4または5のいずれか一項に記載の照明装置。
  • 2つまたはそれ以上の光源が設けられており、各々の光源によって照明ビーム束が生成される請求項1から10までのいずれか一項に記載の照明装置。
  • ただ1つの光源(12)が設けられており、光源の照明ビーム束を2つまたはそれ以上の照明部分ビーム束に分割するための手段が設けられている請求項1から10までのいずれか一項に記載の照明装置。
  • 少なくとも1つの光源(12)はランプ、特にハロゲンランプまたはキセノンランプ、レーザ、非熱的な放射体、光導波路、特に光ファイババンドル、少なくとも1つのLED、または少なくとも1つのOLEDとして構成されている請求項1から12までのいずれか一項に記載の照明装置。
  • それぞれ観察されるべき目を観察するための観察ビーム束を備える1つ、2つ、またはそれ以上の観察光路と、観察されるべき目を照明するために、1つの照明スポットを生成する少なくとも1つの照明ビーム束を生成するための少なくとも1つの光源(12)を有する照明装置(10)とを備える観察装置において、少なくとも1つの照明ビーム束は、観察ビーム束に対して同軸に延びている、そのような観察装置であって、ケーラーの照明原理に基づいて構成された、対物レンズ部材(19)の表面からの反射光を回避するための少なくとも1つの反射絞り(18)が設けられている照明光学系(11)を照明装置(10)が有しており、
    照明装置(10)には、観察ビーム束と照明ビーム束を重ね合わせるための手段(20)が設けられており、反射絞り(18)は照明光路でビーム束を重ね合わせるための手段(20)の手前に配置されていることを特徴とする観察装置。
  • 観察装置が手術用顕微鏡である請求項14に記載の観察装置。
  • 照明装置(10)は、請求項1から13までのいずれか一項に基づいて構成されている請求項16または17に記載の観察装置。
  • 観察装置は、照明装置(10)の対物レンズ部材(19)と同一である主対物レンズ部材を有しており、それぞれ観察ビーム束と照明ビーム束を重ね合わせるための手段(20)が設けられており、ビーム束を重ね合わせるための手段(20)は、観察ビーム束と照明ビーム束の重ね合わせが主対物レンズ部材(19)の上側で行われるように配置されている請求項14から16までのいずれか一項に記載の観察装置。
  • 観察装置は、照明装置の対物レンズ部材(19)と同一である主対物レンズ部材を有しており、それぞれ観察ビーム束と照明ビーム束を重ね合わせるための手段(20)が設けられており、ビーム束を重ね合わせるための手段(20)は、観察ビーム束と照明ビーム束の重ね合わせが主対物レンズ部材(19)の下側で行われるように配置されている請求項14から16までのいずれか一項に記載の観察装置。
  • 2つまたはそれ以上の観察光路が設けられており、観察光路は主対物レンズ部材に関して偏心的に構成されている請求項17または18のいずれか一項に記載の観察装置。
  • 請求項1から13までのいずれか一項に記載の照明装置の利用法において、手術用顕微鏡での利用法。
  • 請求項1から13までのいずれか一項に記載の照明装置の利用法において、眼科用の観察装置での利用法。
  • 請求項1から13までのいずれか一項に記載の照明装置の利用法において、白内障摘出のために構成された手術用顕微鏡での利用法。
  • 請求項14から19までのいずれか一項に記載の観察装置の利用法において、手術用顕微鏡としての利用法。
  • 請求項14から19までのいずれか一項に記載の観察装置の利用法において、眼科用の観察装置としての利用法。
  • 請求項14から19までのいずれか一項に記載の観察装置の利用法において、白内障摘出のために構成された手術用顕微鏡としての利用法。




  • 说明书全文

    本発明は、まず第1に、請求項1の前提項に記載されている観察装置のための照明装置に関するものである。 さらに本発明は、請求項15の前提項に記載されている観察装置に関するものである。

    観察装置とは、たとえば手術用顕微鏡であってもよい。 特に観察装置は、たとえば眼科外科すなわち白内障外科の特殊な用途に用いられる眼科手術用顕微鏡として構成されていてもよい。

    白内障外科では、(たとえば白内障のせいで濁っている)晶体が人工レンズで置き換えられる。

    目の水晶体は、水晶体皮膜と呼ばれる薄い皮膜のなかにある。 水晶体を摘出するために、水晶体皮膜への浅い切込みによって水晶体へのアクセス部が形成され、マイクロ外科器具によって水晶体がまず小さな個別片に破砕されてから、吸引装置によってこれらの個別片が除去される。

    このようなプロセスは、こうした処置用として特別に設計されている照明装置を用いて顕微鏡で観察をしながら(たとえば立体顕微鏡で観察をしながら)行われる。 このような照明装置は、手術区域全体を照明するために必要な周辺照明となるばかりでなく、水晶体のひとみ領域に限定される本来の手術区域のための、白内障手術にとって決定的に重要な赤色の背景照明ともなる。 このような赤色の背景照明は、透明な目の媒質を介して、良好な血行のせいで赤色に見える網膜に最終的に当たり、それによって反射されてから、当然ながら手術用顕微鏡を通じて外科医にも赤色に見える背景照明として観察することができる、照明光の部分に由来するものである。 白内障外科におけるきわめて特徴的なこうした赤色の背景照明は、専門分野では一般に「赤色反射」という用語で知られている。

    白内障手術のために重要な細部を最善に認識するには、手術者にとって、できるだけ均一な赤色の背景照明が必要な前提条件であることが示されている。 すなわち照明装置に課せられる第1の要求は、患者のひとみ全体にわたって、赤色反射のできるだけ良好な均一性を確保することである。

    微小な部分片に破砕された水晶体の残留レンズ(水晶体)を完全に取り除くために、および、たとえば水晶体皮膜のような透明な膜を良好に認識するために、さらに別の要求が満たされなくてはならず、すなわち、同じくできるだけ患者のひとみ全体にわたって、位相物体の良好なコントラストが実現されなくてはならない。

    目の手術のために、特に本件のような白内障手術では、均一で明るい「赤色反射」と位相物体の良好なコントラスト生成が、患者の目のひとみの領域全体にわたって求められる。

    従来使用されている手術用顕微鏡は、程度の差こそあれ目のひとみの広い領域について、このような要求事項を満たしている必要がある。 良好で均一な「赤色反射」と、位相物体の良好コントラスト生成というそれぞれの基本要求事項の間の妥協が、常に図られなくてはならない。

    多くの場合、観察に対して小さい度のもとで照明がなされる。 しかしこのことは、「赤色反射」が患者のひとみ全体にわたって均等な明るさに見えなくなるという結果につながる。 従来、2から4度の間の照明角が好都合であることが実証されている。 このような角度で、良好なコントラスト生成と、患者のひとみの照明との良好な妥協が得られる必要がある。 しかしこのような構成では、手術中の患者の目の動きに「赤色反射」が敏感に反応してしまう。 患者のひとみが小さい場合や、患者の目の屈折との関連でも、さらに別の問題が生じる可能性がある。

    同軸照明を用いた実験は、良好で均一な「赤色反射」にはつながるものの、位相物体の低いコントラスト生成につながり、そのため、実際問題としてはこれまで成果が実証されていない。 このとき照明光学系は、立体顕微鏡の両方の光路の間に照明鏡(またはプリズム)が位置するように配置されている。 すなわちこれは、観察とちょうど同じ方向から行われる厳密な0°照明ではない。

    均一で明るい「赤色反射」を、同時に良好なコントラスト生成で実現する1つの可能性は、照明ビームが2つの部分ビーム束に分割されることによって得ることができる。 このとき各々の部分ビーム束は、(立体視の)手術用顕微鏡の左側と右側の観察光路について、たとえば目などの観察されるべき物体が、観察が行われるのと同じ方向から照明されるように案内される(0°照明)。 このような種類の解決法は、たとえば出願人の先行する特許文献1に記載されている。

    このような「同軸解決法」における一般的な問題は、光学的な境界面や、本件では特に立体顕微鏡の主対物レンズ部材において、たとえば視野の明光によって手術区域の観察にマイナスの影響を与える、妨害的な反射が生じる可能性があることである。

    従来使用されている照明システムないし観察システムでは、同軸の照明構造は、「赤色反射」についての利点にもかかわらず、断念されているのがこれまでの通常であり、あるいは、従来は別の方策が講じられてきているが、そのような方策は次のような一連の欠点を有している:

    観察光路で反射をフェードアウトすることは、たとえば口径食ないし像の欠損につながる。 観察ビーム束に対して相対的な主対物レンズの比較的大きい偏心は、たとえば明らかに大型で、したがって価格も高い光学系を必要とする。 さらに、それによって生じるプリズム色収差の修正に高いコストがかかる。 反射の抑圧は、たとえば偏光の利用によっても実現できるはずであるが、そのような解決の取組みによっては、照明の光の半分以上が失われてしまう(偏光子によって)。 その一方で、物体からはね返された光の同じく半分以上が検光子でとどめられる。 特に後者の点は、相応に高い強度で照明をしなくてはならないために、目で適用する場合には欠点となる。

    ドイツ特許出願公開第102004050651A1号明細書

    上述した従来技術を前提とする本発明の課題は、冒頭に述べた種類の照明装置ならびに観察装置をさらに改良して、所望の最適化をいっそう完全なものにすることである。 特に、上に説明したような妨害的な反射を抑制することができる照明装置ならびに観察装置が提供されるのが望ましい。

    この課題は、本発明によると、独立請求項1に記載の構成要件を備える照明装置、独立請求項15に記載の構成要件を備える観察装置、ならびに独立請求項20および21に記載の構成要件を備える特別な利用法によって解決される。 本発明のそれ以外の利点、構成要件、詳細事項、態様、および効果は、従属請求項、発明の詳細な説明、ならびに図面から明らかである。 本発明の照明装置との関連で説明されている構成要件や詳細事項は、当然ながら、本発明の観察装置との関連にも当てはまり、この逆も成り立つ。 同様のことは特別な利用法についても言える。

    それぞれ1つの観察ビーム束を備える1つ、2つ、またはそれ以上の観察光路を有する観察装置のための、特に手術用顕微鏡のための照明装置において、観察されるべき物体を照明するために、特に観察されるべき目を照明するために、少なくとも1つの照明ビーム束を生成するための少なくとも1つの光源を有しており、少なくとも1つの照明ビーム束は観察ビーム束に対して同軸に延びているものが提供される。 この照明装置は、ケーラーの照明原理に基づいて構成された、対物レンズ部材の表面から放射される反射光を覆うための少なくとも1つの反射絞りが設けられている照明光学系を有している。

    このとき本発明の文脈における「覆う」という概念は、本来ならば対物レンズ部材の表面から放射されるはずの反射光が回避されることを意味している。 このとき反射絞りによって、反射光の発生および対物レンズ部材の表面からのその放射を好ましくは完全に防ぐことができ、ただし少なくとも減衰することができる。

    すなわち本発明の第1の態様では、それぞれ1つの観察ビーム束を備える1つ、2つ、またはそれ以上の観察光路を有する観察装置のための、特に手術用顕微鏡のための照明装置において、観察されるべき物体を照明するために、特に観察されるべき目を照明するために、少なくとも1つの照明ビーム束を生成するための少なくとも1つの光源を有しており、少なくとも1つの照明ビーム束は観察ビーム束に対して同軸に延びているものが提供される。 この照明装置は、本発明によると、ケーラーの照明原理に基づいて構成された、対物レンズ部材の表面から放射される反射光を覆うための少なくとも1つの反射絞りが設けられている照明光学系を照明装置が有することを特徴としている。

    本発明の照明装置により、特に、観察装置のための、特に手術用顕微鏡のための、同軸の照明システムでの反射の抑圧を具体化することができる。

    本発明によって真の同軸照明が創出される。 ここで「同軸」とは、一般に軸の接近した照明を意味している。 このことは、厳密にゼロ度のもとでの照明ばかりでなく、非常に小さい角度のもとでの軸の接近した斜照明をも包含している。 したがって、同軸の照明構造からは若干外れる解決法も本発明に含まれる。

    本発明によれば観察装置のための照明装置が設けられているが、ただし本発明は特定の型式の観察装置に限定されるものではない。 たとえば観察装置は手術用顕微鏡であってもよいが、その他のものが除外されるわけではない。 手術用顕微鏡の分野で考えられる利用目的のうち、他を除外するわけではないいくつかの例について、本発明による観察装置との関連で詳しく説明する。

    もっとも単純なケースでは、ただ1つの照明スポットを生成するただ1つの照明ビーム束が設けられている。 しかしながら、2つまたはそれ以上の照明ビーム束を備えている実施形態も可能であり、その場合には、それぞれ1つの照明ビーム束がそれぞれ1つの照明スポットを生成する。 後者の場合、照明ビーム束は(全体として見たときに)それぞれが照明部分ビーム束をなしている。

    さらに本発明によると、照明装置は特別な仕方で構成された照明光学系を有していることが意図される。 この照明光学系は、まず第1に、ケーラーの照明原理に基づいて構成されていることを特徴としている。 ケーラーの照明原理それ自体はすでに知られている。 驚くべきことに、これを照明装置で使用することが、妨害的な反射を抑圧できることにつながることが見出されたのである。

    まず第1に、照明装置は光源を有している。 このとき本発明は、光源の特定の実施形態に限定されるものではない。 他を除外するわけではないいくつかの例について、これから記述を進めていく中で詳しく説明する。

    ケーラーの原理に基づいて構成された照明光学系は、まず第1に集光器を有している。 この集光器は、1つまたは複数の個別の、または組み合わされたレンズ部材からなっているのが好ましい。 さらに開口絞りが設けられている。 開口絞りは、たとえば固定式または可変式の絞りとして構成されていてもよい。 集光器によって光源が中間像(開口絞り)へ結像される。

    これに加えて、ケーラー照明にはコンデンサが含まれる。 本発明による照明装置では、光源の像はコンデンサの焦点に位置しているのが好ましい。 実施形態によっては、後でまた詳しく説明する対物レンズ部材をコンデンサが含んでいることが意図されていてもよい。 このようなケースでは、光源の中間像が無限大に結像されることを実現することができる。

    観察されるべき物体が目である場合、本発明の照明装置によって目の角膜をテレセントリックに照明することができる。 さらに目は、光源を再び網膜上に結像する。 そしてこの光が赤色の網膜に反射されて、手術されるべき水晶体を均一かつ集中的に豊かなコントラストで照明する。

    最後にケーラー照明には、好ましくは固定式または可変式の絞りとして構成されていてもよい虹彩絞り(視野絞りとも呼ばれる)も属している。 光源によって視野絞りが照明される。 視野絞りは、対物レンズ部材のないコンデンサ部分によって無限大に結像されてから、対物レンズ部材によって観察されるべき物体へ、たとえば検査されるべき目の角膜へ結像されるのが好ましい。 このような構造は、視野絞りと光源の一義的に分離されて定義された結像を可能にするという利点がある。

    照明装置は少なくとも1つの対物レンズ部材を有しているのが好ましい。 このとき対物レンズ部材は、同じく観察装置の対物レンズ部材として、特にその主対物レンズとして構成されていてもよい。 しかしながら、このことは絶対に欠かせないわけではない。

    さらに別の実施形態では、観察ビーム束と照明ビーム束をそれぞれ重ね合わせるための手段が設けられていてもよい。 この手段はさまざまな仕方で構成することができ、また、さまざまな地点に配置されていてもよい。 以下においてはこの点について、他を除外するわけではない例をいくつか説明する。

    たとえば重ね合わせをする手段は、観察ビーム束と照明ビーム束の重ね合わせが対物レンズ部材の上側で行われるように配置されることが意図されていてもよい。 観察ビーム束と照明ビーム束の重ね合わせは、たとえば平行な光路で主体物レンズを介して行うことができる。

    たとえば重ね合わせをする手段は、観察ビーム束と照明ビーム束の重ね合わせが対物レンズ部材の下側で行われるように配置されることが意図されていてもよい。 すなわち、照明ビーム束と観察ビーム束を主体物レンズの下側で重ね合わせるという選択肢もある。 この場合には、照明ビーム束が主対物レンズの焦点距離に応じて傾けられると好ましい。

    すでに上にも述べたとおり、本発明は特定の型式の「重ね合わせ手段」の実施形態に限定されるものではない。 たとえば重ね合わせをする手段は、プリズムおよび/またはビーム分割プレートおよび/またはたとえば部分透過性ミラーなどのミラーおよび/または貫通孔のあるミラーの形態の少なくとも1つの光学素子を有することができる。 当然ながら、この手段は上記以外の構成となっていてもよく、本発明は前掲の例に限定されるものではない。

    1つの好ましい実施形態では、観察光路における対物レンズ部材とたとえばパンクラティックシステムなどの拡大システムの間で、分割プレートを用いて照明が観察光路へ反射される。

    照明光は、たとえば観察装置の主対物レンズであってもよい対物レンズ部材を通過して結像され、あるいはまたその表面で反射される。

    これを回避するために、本発明によると照明光学系には、対物レンズ部材の表面からの反射光を回避するための少なくとも1つの反射絞りが設けられている。 この絞りは、たとえば固定式または可変式の絞りであってもよい。

    発生する反射光の一部は観察装置の観察光学系によって観察者の目に結像され、それによって像のなかの妨害的な明光につながる。

    このような反射光は、当然ながら利用する照明光の一部であり、したがって照明光と相関関係にある。 反射光が照明光学系の1つの個所で反射絞りによって覆われれば、利用する照明光の一部もフェードアウトすることになる。 このような妨害的な反射光をコンピュータで位置特定してみると、照明光学系内部の地点に依存して、照明有効光との相関関係に違いがあることがわかる。 反射絞りの位置に応じて、照明光が明らかに減衰されたり少ししか減衰されなかったりする。

    光源ないし光源の中間像は、一方では、定義された角度範囲内で放射をする。 光源から射出される光は発散する。 放射絞りが大きいほど、光源ないし光源像との距離が増すにつれて光束の束断面積は広くなる。

    しかし他方では、妨害的な反射光はたとえば主対物レンズなどの対物レンズ部材に当たる角度にも左右される。 観察装置の観察光学系により、反射光の限定された角度範囲が検出される。

    照明装置において光源の中間像から遠く離れていくほど、照明束断面で見たときの妨害的な反射光はいっそう照明軸から遠く離れるように移動する。 このことは、放射絞りの大きい角度が妨害光を生成することを意味している。 反射絞りを光源の中間像の近くに取り付けるほど、本来は妨害的ではない絞り領域も一緒に覆われる。

    したがって照明光路に反射絞りを最善に配置することは、1つの特別な挑戦である。 反射絞りは、照明光路で重ね合わせ手段の手前に配置されることが意図されているのが好ましい。 別の実施形態では、反射絞りは照明光路で対物レンズ部材の手前に配置されることが意図されていてもよい。

    反射絞りの最善の位置は、光源の中間像からできる限り遠く離れて位置している。 これは、たとえば重ね合わせ手段の手前、たとえば分割プレートの手前であり得る。

    たとえば、上に説明したさまざまな絞りの少なくともいくつかは固定式の絞りとして、あるいは可変式の絞りとして構成されることが意図されていてもよい。 たとえば少なくとも1つの絞りは離散的な絞り、LCD(液晶ディスプレイ)ディスプレイ、DMD(デジタルミラーデバイス)、LCOS(Liquid
    Crystal On Silicon)、またはFLCOS(Ferroelectric Liquid Crystal ON Silicon)として構成されていてもよい。 これ以外の透過型または反射型のディスプレイも考えられる。

    かなり前のところで説明したように、本発明は特定数の光源もしくはその実施形態に限定されるものではない。 たとえば、まず第1に、ただ1つの照明ビーム束を生成するただ1つの光源が設けられていてもよい。 たとえば、2つまたはそれ以上の光源が設けられており、各々の光源によって照明ビーム束が生成されることが意図されていてもよい。 このように、それぞれ独立した光源を使用することができ、各々の光源は独自の照明部分ビーム束を生成する。

    別の好ましい実施形態では、ただ1つの光源が設けられており、光源の照明ビーム束を2つまたはそれ以上の照明部分ビーム束に分割するための手段が設けられていることが意図されていてもよい。 これは、プリズムや部分透過性のミラーといった適当なビームスプリッタであってもよい。

    本発明は、特定の光源の使用に限定されるものではない。 この点に関して、以下、他を除外するのではない好ましい例を掲げておく。 たとえば少なくとも1つの光源はランプ、特にハロゲンランプやキセノンランプ、レーザ、非熱的な放射体、光導波路、特に光ファイババンドル、少なくとも1つのLED(発光ダイオード)、少なくとも1つのOLED(有機発光ダイオード)などとして構成されていてもよい。 当然ながら、異なる光源の組み合わせも可能である。

    光源は、個別に切換可能または領域ごとに切換可能な1つまたは複数の最小光源の構造から構成されているのが好ましい。 このとき照明装置は、それによって生成される視野ジオメトリーに関して容易に変えることができるように構成されている。 このとき最小光源は、外部から好ましくは制御装置によって(特に電子式に)制御される。 さらに別の構成要件は、可変な照明ジオメトリーを調整することができるように、最小光源が少なくとも領域ごとに制御可能であることを意図している。 このことは、特に、環状の照明ビーム束を生成する場合に好ましい。 このとき本発明は、特定のサイズおよび/または形状の領域に限定されるものではない。 もっとも単純なケースでは、ただ1つの点がこのような仕方で制御可能であってもよい。 特に、個々の最小光源からなるマトリクスで光源が構成されている場合には、1つまたは複数の最小光源は個別に、またはグループごとに制御可能であってもよく、後者の場合、個々の最小光源をまとめて1つの領域にすることができる。 この点に関しても、本発明は具体的な実施形態に限定されるものではない。

    光源は、1つまたは複数の発光ダイオード(LED)、特に有機発光ダイオード(OLED)の構造で構成されているのが好ましい。 有機発光ダイオードはもともとマイクロディスプレイとして開発されたものである。 背景照明を必要とするLCDとは異なり、OLEDはそれ自体でランバート放射体として発光する(面発光体)。

    OLEDは構造化された照明源として、優れた光効率と、暗い中間スペースのない小型の構造を提供する。 希望する照明ジオメトリーに応じて、最小光源のいくつかをオンにして、それ以外をオフのままに保つことができる。 LEDに比べてOLEDでは占積率が高く、このことは、いっそう高い実装密度を実現可能であることを意味している。 LEDまたはOLEDからなるディスプレイを用いることは、たとえば位相差リング、フィルタ、減衰器などといった機械コンポーネントを動かす必要なしに、さまざまな照明モードのプログラミング可能かつたとえば自動化可能な切換を可能にする。 たとえば、有機分子の混合によってスペクトルが規定される白色OLEDが格別に好適である。

    上に説明した本発明の照明装置により、一連の利点を実現することができる。 一方では、観察光路に光損失が生じることがない。 さらに、観察光路の絞りによる口径食や像の欠損も生じない。 これに加えて、高いコストのかかる対物レンズも必要ない。

    本発明による照明装置の基本的特徴は、照明光学系がケーラーの照明原理に基づいて構成されていることである。 さらに別の特徴は、反射絞りの形態の少なくとも1つの適当な絞りが照明光路に設けられているという点にある。

    本発明のさらに別の態様では、それぞれ観察ビーム束を備える1つ、2つ、またはそれ以上の観察光路と、観察されるべき物体を照明するために、特に観察されるべき目を照明するために、少なくとも1つの照明ビーム束を生成するための少なくとも1つの光源を有する照明装置とを備える観察装置、特に手術用顕微鏡が提供され、少なくとも1つの照明ビーム束は観察ビーム束に対して同軸に延びている。 この観察装置は、本発明によれば、ケーラーの照明原理に基づいて構成された、対物レンズ部材の表面からの反射光を回避するための少なくとも1つの反射絞りが設けられている照明光学系を照明装置が有することを特徴としている。

    照明装置は、上に説明したような本発明の仕方で構成されているのが好ましいので、それぞれ対応する説明を援用、引用する。

    観察装置は、たとえば、照明装置の対物レンズ部材と同一である主対物レンズ部材を有している。 さらに、それぞれ観察ビーム束と照明ビーム束を重ね合わせるための手段が設けられていてもよい。 重ね合わせをする手段は、観察ビーム束と照明ビーム束の重ね合わせが主対物レンズ部材の上側で行われるようにように配置されていてもよい。

    別の実施形態では、観察装置は照明装置の対物レンズ部材と同一である主対物レンズ部材を有しており、それぞれ観察ビーム束と照明ビーム束を重ね合わせるための手段が設けられており、重ね合わせをする手段は、観察ビーム束と照明ビーム束の重ね合わせが主対物レンズ部材の下側で行われるようにように配置されていることが意図されていてもよい。

    主対物レンズの半径は反射光の方向を規定し、それにより、観察装置の観察光学系によって検出される反射光を規定する。 上側の主対物面の半径が短いほど、観察光学系に入射する反射光は少なくなる。

    たとえば観察ステレオチャネルなどの観察チャネルの、主対物レンズに対する偏心も、検出される反射光に同じく影響を及ぼす。 ステレオチャネルなどの観察チャネルが主対物レンズ軸に対して大きく偏心しているほど、検出される反射光は少なくなる。

    したがって、2つまたはそれ以上の観察光路が設けられており、観察光路は主対物レンズ部材に関して偏心的に構成されていることが意図されるのが好ましい。

    観察装置は立体視観察装置として、特に立体顕微鏡として構成されているのが好ましい。 手術用顕微鏡の光学システムは、基本的に、鏡胴や顕微鏡本体などの複数のデバイスで構成されている。 これに加えて多くの手術用顕微鏡では、たとえば補助観察者のための共同観察者用の鏡胴、記録を行うためのビデオカメラなど、さまざまな追加モジュールを接続することが可能である。

    さらに顕微鏡本体の内部に、たとえば照明装置、拡大装置、主対物レンズなどの複数のモジュールをまとめることができる。 主対物レンズにおける特徴的な量はその焦点距離であり、これは手術区画に対する手術顕微鏡の作業間隔を規定するとともに、顕微鏡の総倍率にも影響を及ぼす。

    特に、少なくとも1つの観察光路に拡大システムが設けられていてもよい。 これは、たとえば異なる拡大率を設定することができる変倍装置であってもよい。 多くの利用ケースにおいて、段階ごとの倍率変更がなされれば完全に十分である。 しかしながら、無段階の倍率(ズームシステム)が可能であるパンクラティック拡大システムを、拡大システムとして使用することも可能である。

    このとき、かなり前のところですでに説明した観察装置の器具ひとみが、拡大システムに配置されていることが意図されているのが好ましい。

    さらに、少なくとも1つの観察光路に鏡胴部材と接眼レンズ部材が設けられていてもよい。 接眼レンズ部材の役割は、一般に、鏡胴で生じる中間像の再拡大であり、ならびに場合によっては、このような顕微鏡の利用者に非正視がある場合におけるその補正である。

    さらに、検査されるべき物体の物体平面は主対物レンズの前側の焦点に形成されることが意図されるのが好ましい。 それにより、検査されるべき物体が主対物レンズによって無限大に結像されることが実現される。

    観察装置は立体視観察装置として、特に立体顕微鏡として構成されているのが好ましい。 この場合、観察装置は平行に延びる2つの観察光路を備えている。

    1つの好ましい実施形態では、観察装置は、基本的に3つの光学的な部分コンポーネントで構成される、すなわち(無限焦点の)主対物レンズと、ズームシステムと、鏡胴および接眼レンズからなる双眼望遠鏡とで構成される、望遠鏡原理に基づく立体顕微鏡であってもよい。

    観察装置の個々の部分コンポーネントの間では、観察ビーム束が互いに平行に延びているのが好ましく、それにより、個々の部分コンポーネントをモジュール形式で取替え可能かつ組み合わせ可能である。

    上に説明した本発明の照明装置は、手術用顕微鏡で、特に眼科用の観察装置で、好ましくは白内障摘出のために構成された手術用顕微鏡で使用されるのが好ましい。 同様に、上に説明した本発明の観察装置は、眼科用の観察装置として、特に白内障摘出のために構成された手術用顕微鏡として、有利に使用することができる。

    次に、一実施例を参照しながら、添付の図面を用いて本発明を詳しく説明する。

    図面には、手術用顕微鏡として構成された、特に立体顕微鏡として構成された観察装置で採用することができる照明装置10が示されている。

    照明装置10は、ケーラーの照明原理に基づいて構成された照明光学系11を有している。 まず第1に、光源12が設けられており、たとえば光ファイバや、光ファイバからなるバンドルが設けられている。 1つまたは複数の光ファイバのファイバ端部は、それぞれ1つまたは複数のレンズ素子からなる1つまたは複数のレンズ部材で構成される集光器14によって、開口絞り16で中間像に結像される。

    この光源12の像はコンデンサ17の焦点に位置している。 コンデンサ17は、本例では、複数のコンデンサレンズ部材17aで構成されている。 さらに、コンデンサは手術用顕微鏡の主対物レンズを含んでおり、この主対物レンズは同時に照明装置10のための対物レンズ部材19でもある。 それにより、光源12の中間像が無限大に結像される。

    観察されるべき物体13は、本例では、目であると想定されている。 上に説明した実施形態により、検査されるべき目13の角膜がテレセントリックに照明され、目13は光源12を網膜で再び結像する。 この光は赤色の網膜で反射され、たとえば患者の手術されるべき水晶体を均一かつ集中的に、豊かなコントラストで照明する。

    照明装置10の光源12は、同時に視野絞り15を照明する。 光源は、主体物レンズ部材19のないコンデンサ部分17aによって無限大に結像されてから、主体物レンズ部材19により目13の角膜へ結像される。

    このような照明光学系11の構造は、視野絞り15と光源12の明確に分離されて定義された結像を可能にする。

    照明は、手術用顕微鏡の主対物レンズ19と、たとえばパンクラティックシステムなどの拡大装置22との間で、ビーム束を重ね合わせるための手段20によって、たとえば分割プレートによって、観察光路24へと反射される。 観察を行うために、たとえば鏡胴や接眼レンズ部材などを含むことができる、本例では詳しくは説明しない観察光学系21が設けられている。

    観察光路24は、簡略化するために観察軸として図示されている。 同様に照明光路23は、簡略化するために照明軸として図示されている。

    照明光は主対物レンズ19を通過して結像され、あるいはその表面に当たって反射される。 この反射光の部分は、観察光学系21を通って観察者の目に結像され、そのために妨害的な明光が像に生じてしまう。

    このような反射光は、当然ながら、利用する照明光の一部であり、したがって照明光と相関関係にある。 そのため、反射光が照明光学系11の1つの個所で反射絞り18によって覆われると、利用する照明光の一部もフェードアウトさせることになる。 このような妨害的な反射光をコンピュータで位置特定してみると、照明光学系内部の地点に依存して、照明有効光との相関関係に違いがあることがわかる。 反射絞り18の位置に応じて、照明光が明らかに減衰されたり少ししか減衰されなかったりする。

    光源12ないし光源12の中間像は、一方では、定義された角度範囲内で放射をする。 光源12から射出される光は発散する。 放射絞りが大きいほど、光源12ないし光源像との距離が増すにつれて光束の束断面積は広くなる。

    しかし他方では、妨害的な反射光は主対物レンズ19に当たる角度にも左右される。 観察光学系21により、反射光の限定された角度範囲が検出される。

    照明装置10において光源12の中間像から遠く離れていくほど、照明束断面で見たときの妨害的な反射光はいっそう照明軸23から遠く離れるように移動する。 このことは、放射絞りの大きい角度が妨害光を生成することを意味している。 反射絞り18を光源12の中間像の近くに取り付けるほど、本来は妨害的ではない絞り領域も一緒に覆われる。

    したがって反射絞り18の最善の位置は、光源12の中間像からできる限り遠く離れて位置している。 このことは、本発明の照明装置10では、たとえば重ね合わせるための手段20の手前、たとえば分割プレートの手前であってもよい。 反射絞り18を重ね合わせるための手段20に置いたり、拡大装置22と主対物レンズ19の間の観察光路に置いたりすると、観察ビーム束がフェードアウトされることになる。

    主対物レンズ19の半径は反射光の方向を規定し、それにより、観察装置の観察光学系21によって検出される反射光を規定する。 上側の主対物面の半径が短いほど、観察光学系21に入射する反射光は少なくなる。

    たとえば観察ステレオチャネルなどの観察チャネルの、主対物レンズ部材19に対する偏心も、検出される反射光に同じく影響を及ぼす。 ステレオチャネルなどの観察チャネルが主対物レンズ軸に対して大きく偏心しているほど、検出される反射光は少なくなる。

    観察装置のための本発明による照明装置を示す模式図である。

    符号の説明

    10 照明装置11 照明光学系12 光源13 観察されるべき物体14 集光器15 視野絞り16 開口絞り17 コンデンサ17a コンデンサレンズ部材18 反射絞り19 主対物レンズ部材20 ビーム束を重ね合わせるための手段21 観察光学系22 拡大装置23 照明光路(照明軸)
    24 観察光路(観察軸)

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