自由形成カスタムレンズ設計製造の装置、システム及びビジネス方法

申请号 JP2017012255 申请日 2017-01-26 公开(公告)号 JP2017072866A 公开(公告)日 2017-04-13
申请人 ジョンソン・アンド・ジョンソン・ビジョン・ケア・インコーポレイテッド; Johnson & Johnson Vision Care, Inc.; 发明人 クリストファー・ワイルドスミス;
摘要 【課題】カスタムコンタクトレンズを患者に提供する方法を提供する。 【解決手段】この方法は、患者の視 力 を矯正するための複数の光学的選択のそれぞれについて、患者のための視力矯正のシミュレーション表示を提示することと、患者に複数の光学的選択から1つを選ばせることと、複数の機械的選択のそれぞれに組み合わせた選ばれた光学的選択に対する患者のための視力矯正のシミュレーション表示を患者に提供することと、シミュレーション表示の1つを患者に選択させることと、シミュレーション表示の選択に基づいてカスタムコンタクトレンズを生成するために、自由形成カスタムレンズ製造システムに患者の光学的選択と機械的選択とを提供することとを含む。 【選択図】 図1A
权利要求

カスタムコンタクトレンズを患者に提供する方法であって、 前記患者の視を矯正するための複数の光学的選択のそれぞれについて、前記患者のための視力矯正のシミュレーション表示を前記患者に提示することと、 前記患者に前記複数の光学的選択から1つを選ばせることと、 複数の機械的選択のそれぞれに組み合わせた前記選ばれた光学的選択に対する前記患者のための視力矯正のシミュレーション表示を前記患者に提供することと、 前記シミュレーション表示の1つを前記患者に選択させることと、 前記シミュレーション表示の前記選択に基づいて前記カスタムコンタクトレンズを生成するために、自由形成カスタムレンズ製造システムに前記患者の光学的選択と機械的選択とを提供することと、 を含む、カスタムコンタクトレンズを患者に提供する方法。請求項1に記載の方法であって、 前記シミュレーションはグラフィカルな視力表を含む、方法。請求項2に記載の方法であって、 前記グラフィカルな視力表はスネレン視力表である、方法。請求項1に記載の方法であって、 前記シミュレーション表示を生成するために、シミュレーションソフトウェアが使用される、方法。請求項4に記載の方法であって、 前記複数の光学的選択は、低次光学収差矯正、カスタムの低中次光学収差矯正、およびカスタムの中高次光学収差矯正を含む、方法。請求項1に記載の方法であって、 前記機械的オプションのシミュレーション表示は、選択した機械的オプションが患者の視力矯正にどのように影響するかを示す、方法。請求項6に記載の方法であって、 前記機械的オプションは、ベースカーブオプション、直径オプション、中央厚さオプション、および/または安定化プロファイルオプションを含む、方法。請求項7に記載の方法であって、 前記機械的オプションは、安定化プロファイルオプションである、方法。

说明书全文

本発明は視覚矯正分野に関連し、より具体的には、カスタマイズされた視覚矯正を提供する方法及びシステム、並びにそのような矯正の提供に伴うビジネス方法に関連する。この方法及びシステムは、カスタムコンタクトレンズを形成する自由形成カスタム製造プロセスを採用する。

全人口のうち大きな割合が非正視であり、すなわち、少なくとも目の屈折異常を一因とし、視覚が最適未満の状態である。100年以上にわたって、眼鏡士から外科医までにわたる施術者が、眼鏡、コンタクトレンズ、眼内レンズ(IOL)、インレー及びオンレーにより、許可された技術として、非正視の人々に視覚矯正を提供するビジネスに関与している。

多くの視覚欠陥は、収差とも呼ばれ、目の画像化能に悪影響を与える屈折異常から生じ得る。視覚に影響し得る多次元の収差が、様々な数学モデルを用いて記述することができ、この一例がゼルニケ係数である。推奨されるゼルニケ多項式において、各ゼルニケ係数は、特定のゼルニケモードにより寄与される二乗平均平方根(RMS)波面誤差(マイクロメートル単位)をもたらし、全体のRMS誤差は、個々の係数の二乗の和の平方根によって求められる。これによりゼルニケ係数のセットは、特定の測定条件について任意の特定の目の様々な収差欠陥の相対的及び絶対的影響力について詳細な情報を提供する。ゼルニケ記述において、1次多項式は波面の傾き(すなわちプリズム効果)を記述し、画像品質には影響がない。2次多項式は、焦点の球−円柱誤差を記述し、これは通常、眼鏡又はコンタクトレンズなどの光学的矯正によって打ち消すことができる。3次モデルは、垂直及び平の1次コマ収差を含み、4次モデルでは1次球面収差を含む。

眼鏡、コンタクトレンズ、及び同様物は、概ね人々の視覚を改善するのに役立つが、全ての屈折誤差を矯正するものではなく、それは不可能である。例えば、今日市販されている多くのレンズ製品は、近視、遠視、乱視などの低〜中次の収差として知られているものを矯正しているが、現在の製造プロセスの限界から、コマ収差、三つ葉収差、及び高次の球面収差などの高次収差視覚矯正には対応していない。

レーシックなどの外科的治療は、一部の高次収差に対処するのに成功を収めている。しかしながら、そのような治療は患者にリスクをもたらす可能性があり、しばしば、眩しさ、夜間視覚の減退、ドライアイ及び近視などの他の視覚制限をもたらし得る。

上述の問題に対処するための試みとして、技術が開発及び改良されている。例えば、米国特許第6,499,843号(Bausch & Lomb Incorporated)では、施術者施設で患者に対処することと、患者の目の波面収差測定値を取得することと、カスタムレンズ供給プラットフォームへの入力に好適な形態で、カスタムレンズ供給プラットフォームにその波面収差測定値を提供することと、その波面収差測定値に伴うデータに従って、カスタムレンズ供給プラットフォームを介してカスタマイズされたレンズを製造することと、患者又は施術者にそのカスタムレンズを提供することと、を含む、視覚矯正を患者に提供するための方法が開示されている。米国特許第6,499,843号は、そのカスタムレンズ供給プラットフォームが、施術者施設から離れた場所で、既知の製造方法(例えば、レンズレーザーアブレーションシステム、レンズ旋盤加工システム、及びレンズ注型成型システムを含む)による、適切なカスタムレンズの製造を、好ましく(しかしながら必ずしもそうではなく)提供することを開示している。

レーザーアブレーションは、コンピューターにより、高出力レーザーの出力を、材料の切断箇所に当てることによって作用する。これにより材料は融解、燃焼、蒸散するか、又はガスジェットにより吹き飛ばされる。レーザーアブレーションによって得られたレンズは、望ましい形状を得るために行わなければならない切断数を増加すると、レンズの光学的品質の低下が生じるという制約がある。

直接旋盤加工では、レンズボタンの後側カーブと前側カーブが機械加工される。旋盤加工は時間がかかり、旋盤加工によって得られたレンズは、得られる表面の範囲に制約がある。

注型成型は、直接的に機械加工又は射出成型された前側及び後側のカーブ鋳型を利用する。前側カーブ鋳型部分及び後側カーブ鋳型部分は、接合され、所望のレンズパラメーターに従ってレンズを形成する。鋳型内に注入されたレンズ液体処方剤は、例えば熱及び光への曝露により硬化して、レンズを形成する。硬化に続き、鋳型部分が分離され、レンズが鋳型部分から取り出される。注型成型から得られたレンズは、使用する鋳型の設計に限定される。

米国特許第7,905,594号(Johnson & Johnson Vision Care,Inc.)は、眼科用レンズ形成用の方法及び装置を開示している。この方法は、レンズ液体処方剤に接触する光学品質領域を有する基材を配置することと、化学線を基材を通過させてレンズ液体処方剤の一部を重合させることと、レンズを形成することと、を含み、このレンズは光学品質領域に沿った第1表面部分と、自由形成される第2表面部分とを有する。

本開示に引用される全ての特許文献及び参照文献は、参照によりそれら全体が本明細書に組み込まれる。

カスタマイズされた視覚矯正を提供する方法及びシステムが望まれている。好ましくは、そのような方法及びシステムは、現在得られるコンタクトレンズ製品よりもより患者にぴったり適合した視覚矯正を提供する、1つ又は2つ以上のコンタクトレンズ製品を、患者が特定できる。そのような方法及びシステムは、理解と使用が単純であり、同時に患者の好み及び/又はニーズに合わせて提供されるものであるべきである。本発明の方法及びシステムは、所与の患者の最適な視覚矯正を提供するのに特に好適なコンタクトレンズ製品の選択を支援するのにとりわけ好適である。

上記の課題及び懸念に対処する方法及びシステムが、本発明により記述される。

本発明の記述で使用される用語「視覚矯正」は、従来の屈折力矯正により提供されるものを上回る、測定された視覚改善と、患者による「よく見える」という主観的な評価の、両方を指す。本明細書で使用される用語「施術者」又は「眼科施術者」は、例えば、眼鏡、コンタクトレンズ及び同様物、あるいは患者の眼に関して特に患者に医学的に使用されるような視覚矯正装置を、適切に試装着、処方、又は分与する任意の者を指す。

本発明の一実施形態により、患者に視覚矯正を提供するための一方法が開示される。この方法は: a)患者の少なくとも1つの裸眼データ測定値を取得することと、 b)その少なくとも1つの裸眼データ測定値を、自由形成カスタムレンズ製造システムに提供することと、 c)その自由形成カスタムレンズ製造システムを用いて、カスタマイズされたレンズを製造することと、 d)そのカスタムレンズを患者に提供することと、を含む。

本発明の別の一実施形態により、患者に視覚矯正を提供するための一方法が開示される。この方法は: a)患者の少なくとも1つの常用レンズデータ測定値を取得することと、 b)その少なくとも1つの常用レンズデータ測定値を、自由形成カスタムレンズ製造システムに提供することと、 c)その自由形成カスタムレンズ製造システムを用いて、カスタマイズされたレンズを製造することと、 d)そのカスタムレンズを患者に提供することと、を含む。

本発明の更に別の一実施形態により、患者に視覚矯正を提供するための一方法が開示される。この方法は: a)患者の少なくとも1つの試装着レンズデータ測定値を取得することと、 b)その少なくとも1つの試装着レンズデータ測定値を、自由形成カスタムレンズ製造システムに提供することと、 c)その自由形成カスタムレンズ製造システムを用いて、カスタマイズされたレンズを製造することと、 d)そのカスタムレンズを患者に提供することと、を含む。

本明細書の実施形態において、カスタムレンズは、コンタクトレンズ、インレー、オンレー、又はIOLであり得る。これら及び後述する実施形態において、自由形成カスタムレンズ製造システムは、離れた製造施設、小売店の店舗内、キオスク、適切な装置を備えた車両内、眼科施術者のオフィス等で、適切なカスタムレンズの製造を提供し得る。

更に、これら及び後述する実施形態において、裸眼データ測定値、常用レンズデータ測定値及び試装着レンズデータ測定値は、裸眼データ測定値、常用レンズデータ測定値及び/又は試装着レンズデータ測定値を取得するのに当業者が既知の好適な手段によってそれぞれ取得され得る。これらの実施形態の一態様において、裸眼データ測定値、常用レンズデータ測定値及び/又は試装着レンズデータ測定値は、施術者の施設において患者から取得される。この裸眼データ測定値、常用レンズデータ測定値及び/又は試装着レンズデータ測定値は、自由形成カスタムレンズ製造システムへ送信され、この自由形成カスタムレンズ製造システムによってカスタムレンズが製造される。この実施形態の別の一態様において、本発明の実践は患者に視覚矯正を提供し、結果としてこのカスタムレンズから得られる視覚機能は、従来の手段を用いて患者に提供され得るものよりも良い。

本発明の別の一実施形態は、施術者の施設において患者を関与させることと、患者の眼の裸眼データ測定値及び/又は常用レンズデータ測定値及び/又は試装着レンズデータ測定値を取得することと、画像、コンピューターシミュレーション又はグラフィック表示のディスプレイを提供することと、を含む、視覚矯正の一方法を提供する。この実施形態の好ましい一態様において、ディスプレイは、より良い視覚の主観的評価をもたらすような、患者が製品オプションの主観的評価を行うことができる形態である。関連する一態様は、カスタムレンズ製造のために、裸眼データ測定値、常用レンズデータ測定値及び/又は試装着レンズデータ測定値を、自由形成カスタムレンズ製造システムが読み取れる形態で、自由形成カスタムレンズ製造システムに送信することに関係している。

関連する一実施形態において、裸眼データ測定値、常用レンズデータ測定値及び/又は試装着レンズデータ測定値並びに患者情報を取得することと、カスタムレンズオプションのシミュレーション表示を患者に提示することは、例えば、スーパーマーケット、勤務先、自宅等の場所にある装置から血圧測定値を取得するのと同様にして、施術者の施設外で自動的に達成することができる。これにより望ましい情報が自動的に施術者へ送信することができ(例えば、診断目的で)、あるいは、自由形成カスタムレンズ製造システムへ送信して、望ましい場合はその患者用のレンズを製造することができる。

別の関連する一実施形態において、患者に視覚矯正を提供する一方法には、施術者の施設内で施術者が実施するか、あるいは施術者の介入なしにリモートで行われる、患者の眼の特性測定が含まれる。この測定には、トポグラフィーデータ及び/又は波面収差データが含まれる。この測定データが評価され、この評価により、例えば、視覚矯正の候補を、眼治療の候補、治療オプションのコスト等の関数として比較するオプションマトリックスを生成する。評価に基づいて、患者は自分の治療オプションを選択することができ、選択により自動的にレンズ製造を実施することができる。

上述に言及されている任意のデータ送信は、遠隔通信又はデータ通信の形態であってもよく、また有線(光ファイバー、ケーブル等)又はワイヤレスサービスを介して送信され得ることが、当業者には理解されよう。好ましいインターフェイスは、インターネットベースであり得る。

本発明の他の特徴及び利点は、本発明の詳細な説明及び特許請求の範囲から明らかになるであろう。

添付の図面は、本仕様に組み込まれて本仕様の一部を構成し、本発明の実施形態を例証するものであり、その説明と合わせて、本発明の目的、利点及び原理を説明するためのものである。

本発明の一実施形態により患者にカスタムレンズを提供するためのシステム及び方法を示すブロックダイアグラムであり、ユーザー/患者の相互作用的なレンズ基準選択が採用されている。

図1Aの続き。

本発明の一実施形態により患者にカスタムレンズを提供するためのシステム及び方法を示すブロックダイアグラムであり、製品選択確認を支援するために、眼のシミュレーション上のレンズが採用されている。

本発明の一実施形態により患者にカスタムレンズを提供するためのシステム及び方法を示すブロックダイアグラムであり、製品選択確認を支援するために、トライアルレンズの試装着が採用されている。

本発明の一実施形態により患者にカスタムレンズを提供するためのシステム及び方法を示すブロックダイアグラムであり、レンズが製造される。

所与の患者のための視覚矯正シミュレーションの代表的なディスプレイ。

本発明の一実施形態により患者にカスタムレンズを提供するためのシステム及び方法を示すブロックダイアグラム。

本発明の一実施形態により患者にカスタムレンズを提供するためのシステム及び方法を示すブロックダイアグラム。

本発明によりカスタムコンタクトレンズを製造するのに有用であり得る代表的な装置。

定義 本明細書で使用されるとき、「裸眼データ」は、患者が視覚矯正装置を何も使用していないときの患者の眼で取得されるデータ及び情報を意味する。裸眼データを収集するために、一連の検査を実施することができ、これには例えば、生理学的検査、トポグラフィー検査、波面検査、及び屈折力検査が挙げられる。

本明細書で使用されるとき、「カスタム製品」は、標準設定を採用した製品においては通常得られない1つ又は2つ以上のパラメーターを有する製品を意味する。

本明細書で使用されるとき、「DMD」又は「デジタルマイクロミラーデバイス」は、CMOS SRAMの全体に機能的に実装された、移動可能なマイクロミラーのアレイからなる双安定空間光変調器を意味する。それぞれのミラーは、反射光を誘導するために、ミラーの下のメモリセルにデータを読み込むことによって独立して制御され、ビデオデータのピクセルをディスプレイ上のピクセルに空間的にマッピングする。データは、ミラーの状態が+X度(オン)又は−X度(オフ)のいずれかである2進数方式で、ミラーの傾斜を静電気的に調整する。現在のデバイスは、Xを、10度又は12度(公称)のいずれかにすることができる。搭載されたミラーによって反射される光は、次いで投影レンズを通過してスクリーン上へ進む。光は、反射されて暗視野を生成し、画像の黒レベルフロアを画定する。画像は、観測者によって統合されるのに十分な速い速度でのオンレベルとオフレベルとの間のグレースケール変調によって生成される。

本明細書で使用されるとき、「DMDスクリプト」は、空間光変調器のための制御プロトコル、及びまた、例えば、いずれかがその時点の一連のコマンドシーケンスを含み得る、光源又はフィルターホイール等の、いずれかのシステム構成要素の制御信号を意味する。

本明細書で使用されるとき、「DMDスタートショー」は、レンズの製造を可能にするようにDMD上のミラーの作動を制御するのに使用することができる、時間に基づく指示データ点の集合を意味する。DMDスタートショーは、等間隔又は不均等間隔のグリッドを伴うデータを含み得る。

本明細書で使用されるとき、「基準マーク」は、参照又は比較のために採用されるマークである。基準マークにより、レンズの向き、回転、セントレーション及び動きの測定が可能になる。基準マークを伴うコンタクトレンズの詳細は、米国特許公開出願第20110025979号に見出すことができる。

本明細書で使用されるとき、「基準化レンズ」は、レンズの向き、回転、セントレーション及び動きの測定を支援する1つ又は2つ以上の機能を含むレンズを意味する。基準化レンズは、レンズ上に基準マークを含み得る。また、例えば、非円形レンズ、又はエッジに切り欠きのあるレンズなど、光学的に検出可能なエッジ特性を備えたレンズであってもよい。

本明細書で使用されるとき、「フィッティングレンズ」は、カスタムレンズの設計において製造の助けになるよう設計されている標準の、好ましくは安定化されたコンタクトレンズを意味する。このフィッティングレンズは、安定性を有し、レンズの回転位置と患者の眼に対する眼の偏芯の測定を支援するためにレンズに組み入れられた測定点を有し得る。

本明細書で使用されるとき、「フィッティングレンズデータ」は、患者がフィッティングレンズ視覚矯正デバイスを使用しているときに、患者の眼で取得されるデータ及び情報を意味する。フィッティングレンズデータを収集するために、一連の検査を実施することができ、これには例えば、生理学的検査、トポグラフィー検査、波面検査、及び屈折力検査が挙げられる。

本明細書で使用されるとき、「硬化放射線」は、実質的に全体が流動性のレンズ反応性媒体を、重合させるか又は架橋させることの1つ又は2つ以上を実施するのに十分な、化学線を意味する。

本明細書で使用されるとき、「自由形成」は、レンズの反応性混合物の架橋によって形成され、注型成型による形成はなされない表面を意味する。

本明細書で使用されるとき、「常用レンズ」は、患者が定常的に(例えば、毎日)装着するレンズを意味する。

本明細書で使用されるとき、「常用レンズデータ」は、患者が常用レンズ視覚矯正デバイスを使用しているときに、患者の眼で取得されるデータ及び情報を意味する。常用レンズデータを収集するために、一連の検査を実施することができ、これには例えば、生理学的検査、トポグラフィー検査、波面検査、及び屈折力検査が挙げられる。

本明細書で使用されるとき、「ハードウェアベース」は、非電気的又は非電子的手段を介して完全に包含され、配合され、かつ送達された情報にアクセスするための相互作用を意味する。ハードウェアは静的なもの(すなわちフローチャート又はマトリックスチャート)、あるいは動的なもの(1つ又は2つ以上のダイヤル、スライド、ドラム、又は同様物が特定の配列又は場所に移動することによって、1つ又は2つ以上の指示物又は選択物をユーザーのために製造する)であり得る。

本明細書で使用される場合、「流動性レンズ反応性媒体」は、天然の形態、反応した形態、又は部分的に反応した形態のいずれかで流動性であり、更なる処理を受けて眼科レンズの一部に形成される、反応性混合物を意味する。

本明細書で使用されるとき、「機械的選択」は、可視又は有形の選択物を意味する。機械的選択には、ベースカーブ、直径、中央厚さ、及び安定化プロファイルが挙げられ得る。

本明細書で使用されるとき、「計測」は、測定の理論的及び実際的側面の両方を含み、「計測装置」は、材料の光学的特性及び材料特性を測定することのできる装置を含む。

本明細書で使用されるとき、「光学的選択」は、患者の視覚を改善するために最も有益な選択物を意味する。光学的選択には、低次光学収差矯正(例えば、2次、3次)、カスタムの低〜中次光学収差矯正(例えば、4次、5次)、及びカスタムの中〜高次光学収差矯正(例えば、6次、7次)が含まれ得る。

本明細書で使用されるとき、「生理学的検査」は、眼の生理学的様相を観察する検査を意味する。生理学的検査には、緑内障検査(眼圧検査、オフサルモスコピー、視神経コンピューター撮像技法など)、網膜検査(例えばオフサルモスコピー、瞳孔散大検査、optomap網膜検査など)、潰瘍のチェック、ドライアイ症候群チェックのための涙分泌検査(シルマー検査など)、眼感染症のチェック等が挙げられるが、これらに限定されない。

本明細書で使用されるとき、「屈折力検査」は、近視、遠視、乱視、又は老視などの任意のあり得る屈折誤差を測定するため、何百ものレンズの組み合わせを含む装置を用いて、患者の視覚の屈折力を測定する検査を意味する。レンズ装用屈折力検査は同様の検査が行われるが、患者はコンタクトレンズを装着して検査を行う。

本明細書で使用されるとき、「ソフトウェアベース」は、1つ又は2つ以上の構成が電気的又は電子的である装置で包含され、配合され、かつ送達された情報にアクセスし、かつ動作のためにソフトウェアコードを必要とする、相互作用を意味する。ソフトウェアは1つ又は2つ以上の装置にローカルにインストールすることも、またリモートに配置することもできる。

本明細書で使用されるとき、「店舗ベース」は、販売時点(例えば、施術者のオフィス、薬局、小売店、オンライン、キオスク、移動販売車両など)で発生する、患者と、装置利用情報又は情報源要素との間の相互作用を意味する。

本明細書で使用されるとき、「トポグラフィー検査」は、眼の表面形状を調べる検査を意味する。トポグラフィー検査には、角膜及び網膜表面の曲率が含まれるがこれに限定されず、これは、例えば、患者の眼のベースカーブ測定、角膜縁測定、瞳孔サイズ、視線測定瞳孔中心測定、幾何学中心測定等の特定の特性を判定するのに役立ち得る。

本明細書で使用されるとき、「波面検査」は、眼の中を伝搬する光の経路を調べる検査を意味する。波面検査は、収差計を用いて実施することができ、光学収差マップ(これは時に「光学的指紋」と呼ばれる)を生成し、患者の眼の光学的収差又はひずみ(例えば、低次、中次、高次、ゼルニケ、その他の機能又は記述等)を識別する。低次光学収差の例としては、近視、遠視、及び乱視が挙げられる。高次光学収差の例としては、コマ収差、三つ葉収差、及び球面収差が挙げられる。

本明細書で使用されるとき、「ウェブベース」は、施術者及び/又は患者と、通信(ほぼリアルタイム、若しくは遅延のある伝送によるもの)に基づく情報との間の2点間の相互作用を意味し、この接続は部分的にインターネット(一般的にワールドワイドウェブと呼ばれる)を使用し、施術者及び/又は患者は一方の点に位置する。施術者及び/又は患者が位置する点は、そのようなウェブベース相互作用に関して、店舗又は非店舗(すなわち自宅又はオフィス)に位置し得る。

コンタクトレンズ製品の選択の際に、患者に関する特定の情報を用いて患者を支援することができる。本発明の方法は、患者のニーズ及び好みを適切に特定し、かつ、これらのニーズ及び好みを適切なコンタクトレンズ製品に結びつける能力を中心とする。

具体的には、患者に関する情報の特定の部分を使用して、患者のニーズ及び好みを満足するように特に適合されたコンタクトレンズ製品の選択について、患者を支援することができる。本発明の方法及びシステムは、そのような方法及びシステムを使用しない自己選択に比べ、患者によるそのような製品の是認率が高くなり得る。

本発明により、裸眼データ、常用レンズデータ及び/又はフィッティングレンズデータに基づくカスタムレンズを製造し、パッケージにして、施術者又は患者に送達できるような、自由形成カスタムレンズ製造システムが提供される。一実施形態により、自由形成カスタムレンズ製造システムに好適な形態の適切な情報を自動的に出力する診断装置が設計される。この患者データは、望ましいレンズプロファイルを形成するのに使用できるデータに変換し得るものである。情報はインターネットを経由して送信することができるが、任意の対応送信様式及び送信媒体を使用することができる。例えば、この情報は、コンピューター、メール、ワイヤレス装置、電話、又はデータ送信に使用され得る想像可能な他の任意の様式によって、送信することができる。製造は、施術者のオフィスで、あるいは離れた場所で行うことができる。レンズ設計及びDMDスクリプト作成も、施術者のオフィスで、あるいは離れた場所で行うことができる。

自由形成カスタムレンズ製造システムは、適切なカスタムレンズを製造するよう好適に装備される。これにより、カスタムコンタクトレンズ、カスタムインレー、カスタムオンレー、又はカスタムIOLを作成することができる。カスタムレンズ(例えば、コンタクトレンズ)の具体的な数量をその患者のために製造することができ、これにより長期間にわたって使用することができる。レンズは好ましくは、その患者用にカスタマイズした様式でパッケージされる。このパッケージを、適宜に、患者又は施術者に送達することができる。

実施形態の一態様において、患者には、可能な限り、視覚矯正のない状態、及び/又は現在使用可能なレンズに比べて、1つ又は2つ以上のカスタムレンズによって得られる可能性がある、改善された視覚を見せる。

将来の使用のために収集された1つ又は2つ以上のデータベースを構築又は維持するのに、波面測定、個人病歴、施術者情報、及びその他の任意の情報を含む視覚診断情報が有用であることがある。この視覚診断情報は、インターネットを経由してサービスプラットフォームに送られ、ここには例えば、情報記憶サーバー、レンズ設計インターフェイス、及びレンズ製造インターフェイスが含まれる。レンズ設計及び製造情報は、カスタムレンズプラットフォームに送信され、カスタムレンズプラットフォームが受信する。カスタムレンズ情報は、レンズプラットフォームがその患者向けのカスタムパッケージされたレンズ製品を製造するのに使用し、このカスタムパッケージされたレンズ製品を、例えば、患者の自宅に送付することができ、あるいは患者への装着及び/又は送達のために施術者のオフィスに送付することができる。患者の特定の眼特性が測定され、好ましくは波面収差と、恐らくはそれに関連して、トポグラフィー測定が取得される。この評価はいわば、オプションマトリックスの形態であってもよく、このマトリックスで、見込まれる視覚矯正及び費用その他についての情報を、異なるタイプの眼治療、又は治療を行わない状態と比べることができる。次に、眼の治療オプションは、患者及び/又は施術者が選択することができ、選択により、例えば、波面収差データなどの適切な情報が自動的に適切なプラットフォーム(例示されている事例では、自由形成カスタムレンズ製造システム)に送られ、処理が行われる。

レンズは、米国特許第7,905,594号に開示されている方法に従って形成することができる。この方法により、患者のレンズパラメーターがコンピューター又は他のプロセッサーに入力される。コンピューター又は他のプロセッサーはアルゴリズム計算を実行し、このレンズパラメーターを、製造されるレンズに対応させる。このパラメーターに基づくDMDスクリプトがDMDに伝達される。DMDは、反応性混合物に対する化学線の伝送を制御する。この反応混合物の体積の一部が重合して、レンズを形成する。

患者に視覚矯正を提供するための本発明の別の一実施形態において、患者は自身は、施術者のオフィスにいる。このオフィスで、診断レンズを選び、眼に試装着を行う。この診断レンズは、カスタムコンタクトレンズとして最終的に処方されるものに類似の設計である。

本発明による更なる一実施形態において、患者は、最初の施術者の介入なしに、裸眼データ測定装置を含む診断プラットフォームに自ら関与し、この診断プラットフォームはスタンドアロン型プラットフォームとして配置される。この装置は、遠隔通信又はデータ通信機能を備えてもよく、対応する適切なプラットフォームに、患者データ、注文データ等に関する入力を受け取り、出力を送信する。加えて、この診断プラットフォームは、患者が主観的評価を行うのに好適なディスプレイフォーマットで、裸眼データ収差と、好ましくは矯正情報を提供する機能を有する。望ましい場合は、この情報を、施術者及び/又は自由形成カスタムレンズ製造システムに送信するように、この診断プラットフォームに指示することができ、この製造システムにおいて、カスタムコンタクトレンズの供給物が製造及びパッケージングされ、患者又はその患者の施術者当てに送付され得る。

図1Aは、本発明の一実施形態により患者にカスタムレンズを提供するためのシステム及び方法を示すブロックダイアグラムであり、ユーザー/患者の相互作用的なレンズ基準選択が採用されている。本方法の工程の実施は眼科医院オフィス又は眼鏡店の類いで開始し得るが、本発明はこれらの場所に限定されるべきではない。図1Aを参照し、患者は、利用できる製品及びサービスの概要(101)を提供される。様々な潜在的使用体験をデモンストレーションするユーザーインタラクティブツールを採用することができる。ユーザーインタラクティブツールは、患者に関するデータの収集及び保存(102)のために採用することができる。このデータは、その患者に固有の製品及びサービスに関する情報の生成(103)に使用することができる。そのようなデータには、患者の年齢、患者の有する医学的状態(例えば、糖尿病、高血圧等)、眼又は視覚に関連する医学的状態(例えば、緑内障、ドライアイ症候群等)、視覚に関する好み(例えば、夜間視覚の改善、クローズアップ視覚の改善、遠位視覚の改善等)、眼の検査から得られたデータ(すなわち裸眼データ)が挙げられ得る。このデータは、様々な実施形態において一時的又は恒久的に保存することができ、その患者のための製品選択を推奨する際に利用することができる。この患者は、現在利用できる製品及び/又はサービスの利用(120)を選択するか、又は以下のカスタムレンズ設計を見出すこと(104以下)を選択することができる。患者が、カスタムレンズ設計を見出すこと(104以下)を選択した場合、光学的選択のシミュレーション(104)、機械的選択のシミュレーション(105)、及び生理学的選択のシミュレーション(106)を患者に対して提供することができる。光学的選択(104)は、グラフィカルな視力表(例えば、スネレン視力表)、コントラスト感度視力表を用いて、又は様々なレベルのカスタマイズのシミュレーションによって、示すことができる。例えば、シミュレーションソフトウェアを使用して、スネレン視力表(「E」視力表)(図5を参照)のグラフィカル版を見せ、患者の裸眼視力を、現在利用できる製品を用いた矯正視力、又は1つ又は2つ以上のカスタムレンズ製品を用いた矯正視力と比較することができる。これらの選択には、低次光学収差矯正(例えば、2次、3次)、カスタムの低〜中次光学収差矯正(例えば、4次、5次)、及びカスタムの中〜高次光学収差矯正(例えば、6次、7次)のうち1つ又は2つ以上が含まれ得る。機械的選択(105)は、セントレーション/回転モデルを用いて、特定のカスタマイズされた機械的オプションの選択が、患者の視覚をどのように改善又は最適化し得るかを示すことができる。生理学的選択(106)は、例えば、圧力プロファイルグラフ、表面積カバレージ、及び接触グラフ等を利用した、例えばシミュレーションの酸素透過、角膜着色、及び結膜着色を用いて、示すことができる。患者が光学的、機械的及び生理学的選択を終えたら、その患者のデータを用いて、ウェットレンズ設計を生成(107)し、カスタムレンズを眼に装着したときにどのように機能し得るかを判定する。例えば、いくつかの実施形態において、シミュレーションソフトウェアを使用して、患者のカスタムレンズの予測機能を表示することができる。これは、下記のうち1つ又は2つ以上によって達成することが可能である:セントレーション及び回転機能の表示、恐らくは「プッシュアップ」検査を用いることによる動き機能の表示、並びに光学的機能の再表示(これは、グラフィカルな視力表若しくはコントラスト感度視力表の潜在的利用と、Zemax、Oslo、若しくはCode Vなどのソフトウェアの潜在的利用とのいずれか一方又は両方を用いたセントレーション及び回転機能を含む)。このウェットレンズ設計に基づき、眼上レンズシミュレーション(108)が実施され、患者はカスタムレンズ設計を選択する(109)。ウェットレンズ設計に修正が必要ない場合には、様々な実施形態において、ウェットレンズ設計のデータが一時的又は恒久的に保存され得る。

ウェットレンズ設計に修正が必要であり得ると判断された場合は、眼外のウェットレンズ設計を生成し(110)、製造可能性評価を実施する(111)ことができる。新しい設計を眼に取り付け、眼上機能のシミュレーションを患者及び施術者に見せることができる。修正した設計の機能シミュレーションが患者にとって容認できるものであった場合、103の、患者及び施術者が製品選択の方法工程に戻ることができる。修正設計の機能シミュレーションが患者及び施術者にとって容認された場合、様々な実施形態において、この修正設計のデータが一時的又は恒久的に保存され得る。

レンズ試装着(112)を実施して、患者の眼に対するトライアルレンズのセントレーション、回転、及び動きのうち1つ又は2つ以上を判定することができる(112)。トライアルレンズの試装着は、例えば、基準化レンズ、非基準化レンズ、現在利用可能な製品、及びカスタム製品のうち1つ又は2つ以上を用いて行うことができる。次に、診断カスタムレンズの発注が行われ得る(113)。

図1Aの続きである図1Bを参照して、診断カスタムレンズが製造され(114)、施術者に納品される(115)。診断カスタムレンズが患者に試装着される(116)。診断カスタムレンズが好適に装着された場合、最終的なカスタムレンズ発注が行われ(117)、最終的なカスタムレンズが製造され(118)、そして最終的なカスタムレンズが納品される(119)。診断カスタムレンズで好適な装着が得られなかった場合、上述の工程102以降を繰り返すことができ、あるいは、患者は現在利用できる製品及び/又はサービスを選択することができる(120)。

図2は、本発明の一実施形態により患者にカスタムレンズを提供するためのシステム及び方法を示すブロックダイアグラムであり、製品選択確認を支援するために、眼のシミュレーション上のレンズが採用されている。図2を参照し、眼上レンズシミュレーションを実施して、患者があらかじめ選択したオプションで修正が行われた場合の提案レンズ設計を患者に知らせることができる(201)。患者と施術者は、提案されたレンズの機能が容認できるかどうかを判定する(202)。患者と施術者が、その提案されたレンズの機能が容認できると見なした場合、患者と施術者はそのレンズ設計を確認し、好みを選択し(203)、カスタムレンズ製造のプロセスを継続する(204)。患者と施術者が、その提案されたレンズの機能は容認できないと見なした場合、光学的及び機械的選択を修正することができ(205)、次いで患者と施術者は好みを選択し、カスタムレンズ製造のプロセスを継続することができる(206)。患者と施術者が、その提案されたレンズの光学的機能は容認できるが機械的機能は容認できないと見なす場合、機械的選択を修正することができ(207)、次いで患者と施術者は好みを選択し、カスタムレンズ製造のプロセスを継続することができる(208)。患者と施術者が、その提案されたレンズの機械的機能は容認できるが光学的機能は容認できないと見なす場合、光学機械的選択を修正することができ(209)、次いで患者と施術者は好みを選択し、カスタムレンズ製造のプロセスを継続することができる(210)。光学的選択と機械的選択のいずれも修正されないが、他の問題が見出された場合(211)、患者と施術者は、カスタムレンズの製造に適用可能な工程を実施する必要がある場合がある(212)。

図3は、本発明の一実施形態により患者にカスタムレンズを提供するためのシステム及び方法を示すブロックダイアグラムであり、製品選択確認を支援するために、トライアルレンズの試装着が採用されている。図3を参照して、基準化レンズ、非基準化レンズ、又は標準レンズが必要かどうかが判定される(301)。試装着に標準製品が利用できる場合(302)、トライアルレンズ試装着プロセスが、標準レンズを用いて開始できる(311)。基準化レンズが必要な場合、眼科施術者が基準化レンズを有しているかどうかが判定される(303)。有している場合、望ましい製品に近いトライアルレンズを選び(304)、トライアルレンズ試装着プロセスが開始できる(311)。有していない場合、眼科施術者が「迅速対応」レンズ製造機能を有しているかどうかが判定される(305)。有している場合、標準又はカスタムの基準化レンズを製造して試装着に使用し(306)、トライアルレンズ試装着プロセスが開始できる(311)。有していない場合、眼科施術者は、「院外」メーカーに基準化レンズ及び非基準化レンズを発注する(307)。患者は試装着のための再来院予約を入れる必要がある(308)。患者は、トライアルレンズの準備ができたときに再来院する(309)。眼科施術者は、カスタム診断レンズを用いてトライアルレンズ試装着プロセスの次の段階を実施し(310)、トライアルレンズ試装着プロセスを開始できる(311)。トライアルレンズが容認できない場合、患者と眼科施術者は、ユーザーが読める製品選択インターフェイスに戻ることができる。最後に、トライアルレンズが容認できる場合、様々な実施形態において、セントレーション、回転及び動きのデータを試装着から取得することができ、それを一時的又は恒久的に保存することができる。

図4は、本発明の一実施形態により患者にカスタムレンズを提供するためのシステム及び方法を示すブロックダイアグラムであり、カスタムレンズ製造が示されている。図4を参照して、標的レンズ設計、DMDスタートショー及びデータベースに保存されている情報を含む、患者構築ID及びそれに伴う構築パラメーターが生成される(401)。DMD幾何学的特性設定(例えば空間的係数、ゲイン、グローバル係数、開始形状等)が選択される(402)。マンドレルが選択され、そのマンドレルの特性が、選択された計測装置(例えば、Keyence(商標)、Phaseview(商標)等)を用いて測定される(403)。マンドレル計測データが容認可能かどうかが判定される(404)。容認できない場合、データが容認可能になるまでマンドレルの再測定が行われ(405)、保存される(403)。404で、計測データが容認できない場合(例えば、マンドレル欠陥)、406で、別のマンドレルを選び、データが容認可能になるまで測定することができる。次にデータが保存され得る。マンドレル計測データが容認可能である場合、そのマンドレルを自由形成カスタムレンズ製造装置に入れる。標的レンズ設計、DMDスタートショー、収束方法及びアルゴリズムを選択して保存し(407)、カスタムレンズが製造される(408)。結果として得られたドライレンズを、選択された計測装置及び適切な設定を用いて測定する(409)。ドライレンズ計測データが容認可能かどうかが判定される(410)。ドライレンズ計測データが容認可能でない場合、ドライレンズは再測定される(411)。ドライレンズが容認可能でない場合、そのドライレンズを取り出して廃棄し、同じDMDショーが再び製造される(412)。ドライレンズ計測データが容認可能である場合、そのドライレンズをドライ標的と比較し(413)、そのドライレンズがドライ標的に合致しているかどうかを判定する(414)。ドライレンズがドライ標的に合致している場合、そのドライレンズを取り出し、水和させ、抽出する(417)。結果として得られたウェットレンズを、選択された計測装置及び適切な設定を用いて測定し(418)、結果として得られたウェットレンズが、ウェット標的に合致しているかどうかを判定する(419)。そのウェットレンズがウェット標的に合致していない場合、乾燥変換係数が正しいかどうかを判定する(420)。乾燥変換係数が正しくない場合、そのウェットレンズを取り出して廃棄し、レンズを再び作製する(402)。乾燥変換係数が正しい場合は、表面欠陥が存在する可能性がある(421)。そのような場合、レンズを取り出して廃棄し、レンズを再び作製する(412/402)。ウェットレンズがウェット標的に合致する場合は、使用のためにパッケージングし、滅菌し、ラベル付けを行う(422)。

図5は、所与の患者のための視覚矯正シミュレーションの代表的なディスプレイである。具体的に、図5は、患者が利用できる視覚矯正オプションを患者に見せるために作成された、スネレン視力表シミュレーションである。

患者の裸眼データに関する情報が提供され、利用できる2つ又は3つ以上の視覚オプションが選択され、表示される。患者は、ニーズ及び好みに応じて選択することができ、所望によりカスタムレンズを購入することができる。本発明の特定の実施形態において、患者からの情報をリクエストし、適切なオプションを選択する基本的な工程は、実質的に連続的なインタラクティブプロセスで実施される。

例えば、店舗ディスプレイにインタラクティブコンピューターを備え、これがユーザーに対し質問に回答するよう促し、回答を保持して追跡し、提供された回答に基づいて新たな質問及び/又は選択を提示し、この回答に基づいて上述のように適切な分類を選択することができる。別の実施形態において、この情報はワールドワイドウェブ上のインタラクティブサイト、インタラクティブなメニュー形式の電話システム、及び同様物を利用することにより、患者から収集することができる。チャート、表、その他の図をツールとして使用して、患者からの情報をリクエストし、上述のように好みを判別するプロセスに患者を誘導することができる。同様に、チャート、表、図、及び同様物は、電子メールを介して、又はワールドワイドウェブ等のネットワークを介して、配布することができる。

本発明の方法による視覚矯正オプションの選択に関する情報は、眼科製品の推奨、小売、宣伝、流通、配布、又は取引に関与する可能性が高い眼科施術者、商店、その他の個人及び/又は場所に提供することも可能である。本出願に記述されている相互作用は、患者、患者の介護人、患者の親、患者の眼科施術者、商店、又はその他の眼科製品販売に関与する者の間で実施され得る。更に、利用できる分類それぞれの中で利用できる1つ又は2つ以上の視覚矯正オプションを含むディスプレイケースの近くで、この選択を実施することができる。

図6は、本発明の一実施形態により患者にカスタムレンズを提供するためのシステム及び方法を示すブロックダイアグラムである。図6を参照すると、患者には、利用できるカスタムレンズ製品オプションが提示され(601)、これは、望ましいレンズ材料(602)、望ましいレンズ様式(603)、美容上望ましいレンズ特性(204)、望ましい光学的特性(605)及び望ましい機械的特性(606)に基づいている。プロセッサーは、実行可能なソフトウェアを実行して、選択されたオプションに基づいて患者の視覚の表示及びシミュレーションを行う(607)。プロセッサーは実行可能なソフトウェアを実行して、視覚的比較の表示及びシミュレーションを行う(608)。患者は確認を行い(609)、別のパラメーターを使ってシミュレーションを繰り返すように依頼するか(612)(その場合、利用できるカスタムレンズ製品オプションのユーザー選択(201)が再実行される)、あるいは、製品選択を行う(610)ことができる。患者が製品選択を行う場合、実行可能ソフトウェアはプロセッサーに対し、製品選択データをデジタル記憶媒体に保存させる(611)。

図7は、本発明の一実施形態により患者にカスタムレンズを提供するためのシステム及び方法を示すブロックダイアグラムである。図7を参照して、眼科施術者のオフィスで、患者の可変情報(701)及び患者の眼測定データ(702)が収集される。利用できるオプションの1つ又は2つ以上のセットが生成され(704)、カスタムオプションのシミュレーションが表示される(705)。患者は、望ましいカスタム製品オプションを選択し(706)、カスタム製品の発注を行う(707)。製造施設で、その注文に関するデータ及びアルゴリズム(708)を使用してDMDスクリプトを実行し(709)、加工するレンズ前駆体を形成し(710)、カスタムコンタクトレンズの調製を行う(711)。カスタムコンタクトレンズの出荷通知(712)が、ネットワーク(713)を介して提供される。納品/受け取り通知が眼科施術者及び/又は患者に提供され(714)、カスタムレンズの納品/受け取りが行われる(715)。

図8は、米国特許第7,905,594号からの引用であり、本発明によるカスタムコンタクトレンズの製造に有用であり得る装置1400を示す。米国特許第7,905,594号に開示されているように、装置には、振動絶縁システム1440により支持されているテーブル1450が含まれる。レンズ前駆体1410(この用語は特許第7,905,594号に定義されている通り)は、形成光学ホルダー1430に取り付けられ、これは更に保持装置1451で取り付けられ得る。硬化放射線の放射源1460によりレンズ前駆体及び周囲が硬化放射線1461に曝露し、眼科用レンズが形成される。

上述の例は、本発明の範囲を制限することを意図したものではなく、本発明の範囲は請求項において記述され得る。具体的には、当業者には、上述の開示の観点において様々な同等物及び置換物があることが認識され、それらが本発明の範囲内であることが想到される。

〔実施の態様〕 (1) 患者に視覚矯正を提供する方法であって、a)前記患者の少なくとも1つの裸眼データ測定値、常用レンズデータ測定値及び/又は試装着レンズデータ測定値(fitting lens data measurement)を取得することと、b)前記少なくとも1つの裸眼データ測定値、常用レンズデータ測定値及び/又は試装着レンズデータ測定値を、自由形成カスタムレンズ製造システムに提供することと、c)前記自由形成カスタムレンズ製造システムを用いて、カスタマイズされたレンズを製造することと、d)前記カスタムレンズを前記患者に提供することと、を含む、方法。 (2) 前記カスタマイズされたレンズが、コンタクトレンズ、インレー、オンレー、及びIOLのうちの1つである、実施態様1に記載の方法。 (3) 前記少なくとも1つの裸眼データ測定値、常用レンズデータ測定値及び/又は試装着レンズデータ測定値が、波面検出技法及び角膜トポグラフィー技法のうちの少なくとも1つによって取得される、実施態様1に記載の方法。 (4) 前記少なくとも1つの裸眼データ測定値、常用レンズデータ測定値及び/又は試装着レンズデータ測定値を、前記自由形成カスタムレンズ製造システムに提供することが、通信システムを経由して送信される音声信号及びデータ信号のうちの少なくとも1つを含む、実施態様1に記載の方法。 (5) 前記音声又はデータ信号が、地上ベース及びワイヤレスベースの通信システムのうちの少なくとも1つを経由して送信される、実施態様4に記載の方法。

(6) 前記少なくとも1つの裸眼データ測定値、常用レンズデータ測定値及び/又は試装着レンズデータ測定値が、施術者のオフィス、小売店、キオスク、車両、患者の勤務先、及び患者の自宅からなる群から選択される場所で取得される、実施態様1に記載の方法。 (7) 前記自由形成カスタムレンズ製造システムが、前記施術者のオフィスの実質的に近くに位置する、実施態様5に記載の方法。 (8) 前記自由形成カスタムレンズ製造システムが、前記施術者のオフィスから実質的に離れて位置する、実施態様5に記載の方法。 (9) 患者の病歴データを取得することを更に含む、実施態様1に記載の方法。 (10) 前記少なくとも1つの裸眼データ測定値が、角膜トポグラフィー情報を含む、実施態様1に記載の方法。

(11) 前記カスタムレンズを提供することが、前記患者に対するパーソナライズされたプレゼンテーションを含む、実施態様1に記載の方法。 (12) 患者に視覚矯正を提供する方法であって、a)少なくとも1つの裸眼データ測定値、常用レンズデータ測定値及び/又は試装着レンズデータ測定値を取得することと、b)前記少なくとも1つの裸眼データ測定値、常用レンズデータ測定値及び/又は試装着レンズデータ測定値について利用できる視覚矯正のディスプレイを、画像、コンピューターシミュレーション、グラフィック表示のうちの少なくとも1つの形態で提供することと、を含む、方法。 (13) 前記ディスプレイを提供することが、前記患者が前記利用できる視覚矯正の主観的評価を行い得るように前記患者に前記ディスプレイを提示することを含む、実施態様12に記載の方法。 (14) 少なくとも視覚矯正候補の比較を眼治療候補の関数として含むオプションマトリックスが提供される、実施態様13に記載の方法。 (15) 前記眼治療候補が、少なくとも1つの標準レンズ、少なくとも1つのカスタムレンズ、及び治療なしを含む、実施態様14に記載の方法。

(16) カスタムレンズを形成する装置であって、 デジタル媒体記憶装置とデジタル通信を行うコンピュータープロセッサーであって、前記デジタル媒体記憶装置がソフトウェアコードを記憶している、コンピュータープロセッサーと、 前記プロセッサーと論理通信を行い、かつ通信ネットワークと論理通信を行う送信機であって、前記ソフトウェアが要求に応じて実行可能であり、かつ前記プロセッサーと共に: 患者の眼の特性を記述するデータを受け取り、 試装着レンズ測定値を記述するデータを受け取り、かつ 前記患者の眼の特性を記述する前記データ、及び前記試装着レンズ測定値を記述する前記データを、製造装置に送信するように動作する、送信機と、を備え、前記製造装置が、前記患者の眼の特性を記述する前記データ、及び前記試装着レンズ測定値を記述する前記データに基づいて、1つ又は2つ以上のカスタムレンズを生成する、装置。 (17) 前記ソフトウェアが更に、患者の眼の特性を記述する前記データ、及び試装着レンズ測定値を記述する前記データを、前記通信ネットワークを介して製造装置に送信するように前記プロセッサーと共に動作する、実施態様16に記載の装置。 (18) 患者の眼の特性を記述する前記データが、裸眼データを含む、実施態様16に記載の装置。 (19) 患者の眼の特性を記述する前記データが、常用レンズデータを含む、実施態様16に記載の装置。 (20) 前記ソフトウェアが更に、前記通信ネットワークを経由してシミュレーションデータを生成し、かつ送信するように前記プロセッサーと共に動作し、生成された前記シミュレーションデータは、前記患者が前記カスタムレンズを装着したときのモデル化された使用に基づく前記患者の視覚を、前記患者の標準レンズ装着の場合と前記患者が視覚矯正レンズを装着していない場合の視覚のうち一方又は両方と比較したものに関する、1つ又は2つ以上の測定値を含む、実施態様16に記載の装置。

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