【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は土地(グランド)の優先フロー(流れ)の経路に沿って土壌液体及びガスから汚染物質を抽出する処理に向けられている。 更に詳細には、本発明は高真空技術によって単一ウェル(井戸)を有する土地の少なくとも二つの異なる、優先フロー経路から選択的に汚染物質を抽出する処理に向けられている。 【0002】 【従来の技術】公知の装置及び処理は意図された目的には適切であるが、空気透水性が変化し、間隙率が変化する土壌からの汚染物質の抽出を可能にする、地下水及び土壌から汚染物質を除去する処理及び装置の必要性が残る。 更に抽出ウェルの配置の柔軟性を増加させる地下水及び土壌から汚染物質を除去する処理及び装置の必要性がある。 既存の真空抽出システムを変更することによって実行されうる、地下水及び土壌から汚染物質を除去する処理及び装置の必要性もある。 【0003】更に、いくつかの例においては地下水から汚染物質を、及び土地から土壌ガスを除去することが望ましく、土地はシルト、粘土、砂とシルトと粘土との混合物、塊状粘土又はそれらの類似物のような、比較的不透水性の土壌又は積層砂岩、けつ岩、泥岩、塊状火成岩及び変成岩又はそれらの類似物のような比較的不透水性の岩石を含む土壌である。 これらの土壌の透水性は非常に低く、一般的には1秒当たりおよそ10 -6から10 -8 センチメートルの範囲か又はそれ以下であり、土壌汚染物質を抽出する多くの公知の処理は適切又は有効的ではない。 公知の処理は典型的には少なくとも1秒当たりおよそ10 -4センチメートル以上の透水性の土壌に適切である。 【0004】更に土地の領域内の一つ以上の優先フロー経路から選択的に汚染物質を除去することが望ましく、 比較的低い透水性の領域は比較的高い透水性の領域に囲まれている。 この例では単一の穿孔又はウェルを介して一つ以上の優先フロー経路から選択的に汚染物質を抽出することが出来ることも望ましい。 単一の穿孔を介して優先フローの複数の経路から汚染物質を抽出することによって設置コストが減少し、装置が減少及びより簡略化され、汚染物質領域における事業の崩壊が減少する。 更に、一つ以上の優先フロー経路に真空抽出を適用し、それと同時に一つ以上の隣接する優先フロー経路にフルイド(流体)(ガス及び/又は液体を含む)を導くことも望まれる。 更に複数の優先フロー経路に同時に又は所望の間隔で真空抽出を適用することも望ましい。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記の利点によって地下水及び土壌から汚染物質を除去する処理及び装置を提供することである。 【0006】 【課題を解決するための手段】本発明の(又は本発明の特定の実施例)これらの及び他の目的は第1透水性を有する土壌を含む土地の汚染された領域から汚染物質を除去する処理によって達成され、前記土地は複数の優先フロー経路を有し、各経路は第1透水性よりも少なくとも10倍高い透水性を有し、前記処理は、汚染物質領域に少なくとも第1優先フロー経路及び第2優先フロー経路を横切るせん孔を設けることを含み、前記第2優先フロー経路は前記第1優先フロー経路よりも深く配置され、 前記第1優先フロー経路内に配置された底部オープニング(開口)を有する第1真空抽出パイプ及び前記第2優先フロー経路内に配置された底部オープニングを有する第2真空抽出パイプをせん孔内に配置し、前記第1優先フロー経路に配置され、底部オープニングを有する真空抽出パイプに加えられる真空が前記第2優先フロー経路ではなく前記第1優先フロー経路からガス及び液体を抽出し、前記第2優先フロー経路に配置され、底部オープニングを有する第2真空抽出パイプに加えられる真空が前記第1優先フロー経路からではなく前記第2優先フロー経路からガス及び液体を抽出するように、前記第1優先フロー経路を前記第2優先フロー経路から独立させ、 少なくとも一本の真空抽出パイプに真空を加えて少なくとも一つの優先フロー経路から真空抽出パイプへガス及び液体を引き込み、前記ガス及び前記液体の両方を共通の流れとして表面へ搬送し、共通の流れから主に液体である流れ及び主にガス状である流れを形成し、前記液体の流れ及びガス状の流れの少なくとも一方から汚染物質を除去する。 本発明の別の実施例は第1透水性を有する土壌を含む土地の汚染された領域から汚染物質を除去する装置に向けられ、前記土地は複数の優先フロー経路を有し、各経路は前記第1透水性よりも少なくとも10倍高い透水性を有し、前記土地の汚染物質領域は少なくとも第1優先フロー経路及び第2優先フロー経路を横切って土壌の表面から下方へ延出するせん孔を有し、前記第2優先フロー経路は前記第1優先フロー経路よりも深く配置され、前記装置は少なくとも前記せん孔の内側に配置される第1真空抽出パイプ及び第2真空抽出パイプを備え、前記第1真空抽出パイプは前記第1優先フロー経路内に配置された底部オープニングを有し、第2真空抽出パイプは前記第2優先フロー経路内に配置された底部オープニングを有し、前記第1優先フロー経路に配置された前記底部オープニングを有する前記第1真空抽出パイプに加えられる真空は前記第2優先フロー経路ではなく前記第1優先フロー経路からガス及び液体を抽出し、 前記第2優先フロー経路に配置された前記底部オープニングを有する前記第2真空抽出パイプに加えられる真空は前記第1優先フロー経路ではなく前記第2優先フロー経路からガス及び液体を抽出するように、前記第1優先フロー経路を前記第2優先フロー経路から独立させ、前記第1真空抽出パイプ及び第2真空抽出パイプと流体連通関係(流体が流れ得る状態の関係)にある真空形成装置を有し、ベアホールの周りの前記第1及び第2優先フロー経路に減圧ゾーンを形成するために用いられ、ガス及び液体は前記第1及び第2優先フロー経路から真空抽出パイプへ送られ、共通の流れとして表面に搬送され、 前記真空形成装置及び前記第1且つ第2真空抽出パイプと流体連通関係にある気液分離器を有し、前記気液分離器は共通の流れをガス及び液体の流れに分離し、汚染物質除去システムを有し、前記汚染物質除去システムは前記液体の流れ及び前記ガスの流れの少なくとも一方から汚染物質を除去するために配置されている。 【0007】本発明の請求項1の態様では、第1透水性を有する土壌を含む土地の汚染領域から汚染物質を除去する方法であって、前記土地は複数の優先フロー経路を有し、各経路は前記第1透水性よりも少なくとも10倍高い透水性を有し、前記方法は、汚染物質領域に少なくとも第1優先フロー経路及び第2優先フロー経路と交差するせん孔を設けることを含み、前記第2優先フロー経路は前記第1優先フロー経路よりも深く配置され、前記第1優先フロー経路内に配置された底部開口を有する第1真空抽出パイプ及び前記第2優先フロー経路内に配置された底部開口を有する第2真空抽出パイプをせん孔内に配置し、前記第1優先フロー経路に配置された底部開口を有する真空抽出パイプに加えられる真空が前記第2 優先フロー経路ではなく前記第1優先フロー経路からガス及び液体を抽出し、前記第2優先フロー経路に配置された底部開口を有する第2真空抽出パイプに加えられる真空が前記第1優先フロー経路からではなく前記第2優先フロー経路からガス及び液体を抽出するように、前記第1優先フロー経路を前記第2優先フロー経路から隔離させ、少なくとも一本の真空抽出パイプに真空を加えて少なくとも一つの優先フロー経路から真空抽出パイプへガス及び液体を送り、前記ガス及び前記液体の両方を共通の流れとして表面へ搬送し、共通の流れから主に液体である流れ及び主にガス状である流れを形成し、前記液体流れ及びガス状流れの少なくとも一方から汚染物質を除去する、ことを含む。 【0008】本発明の請求項2の態様では、第1透水性を有する土壌を含む土地の汚染物質領域から汚染物質を除去する装置であって、前記土地は複数の優先フロー経路を有し、各経路は前記第1透水性よりも少なくとも1 0倍高い透水性を有し、前記土地の汚染物質領域は少なくとも第1優先フロー経路及び第2優先フロー経路と交差するように土地の表面から下方へ延出するせん孔を有し、前記第2優先フロー経路は前記第1優先フロー経路よりも深く配置され、前記装置は前記せん孔の内側に配置される少なくとも第1真空抽出パイプ及び第2真空抽出パイプを備え、前記第1真空抽出パイプは前記第1優先フロー経路内に配置される底部開口を有し、第2真空抽出パイプは前記第2優先フロー経路内に配置される底部開口を有し、前記第1優先フロー経路に配置された底部開口を有する前記第1真空抽出パイプに加えられる真空は前記第2優先フロー経路ではなく前記第1優先フロー経路からガス及び液体を抽出し、前記第2優先フロー経路に配置された底部開口を有する前記第2真空抽出パイプに加えられる真空は前記第1優先フロー経路ではなく前記第2優先フロー経路からガス及び液体を抽出するように、前記第1優先フロー経路を前記第2優先フロー経路から隔離し、前記第1真空抽出パイプ及び第2真空抽出パイプと流体連通の関係にある真空形成装置を有し、この真空形成装置はせん孔の周りの前記第1及び第2優先フロー経路に減圧ゾーンを形成するために用いられ、ガス及び液体は前記第1及び第2優先フロー経路から真空抽出パイプへ送られ、共通の流れとして表面に搬送され、前記真空形成装置及び前記第1且つ第2真空抽出パイプと流体連通関係にある気液分離装置を有し、前記気液分離装置は共通の流れをガス及び液体の流れに分離し、汚染物質除去システムを有し、前記汚染物質除去システムは前記液体流れ及び前記ガス流れの少なくとも一方から汚染物質を除去するために配置されている、ことを含む。 【0009】 【実施例】本発明は優先フロー経路に沿って地下水及び土壌から汚染物質を除去するための処理及び装置に向けられている。 【0010】汚染物質は通気(循環:vadoze) ゾーン及び/又は地下水面の下に存在する。 処理された水は土壌に戻されるか従来の方法で処理される。 本発明の一つの実施例では、各真空抽出パイプはライザパイプ(上昇管)に囲まれている。 各ライザパイプは、自然地下水面の下、不飽和(通気)ゾーン又は飽和及び不飽和ゾーンの両方に位置する複数の穴(ふるい:screening)を伴って構成されている。 ある実施例では、一本のライザパイプは地下水面の上下の両方に複数の穴を有する。 本発明の別の実施例では、少なくとも一本のライザパイプが地下水面下のみに延出する穴(ふるい)で構成されている。 また別の実施例では、少なくとも一本のライザパイプが地下水面の上の通気ゾーンにのみ穿孔を有する。 不飽和ゾーンは自然地下水面の上にある自然通気ゾーンであるか、抽出ウェルを介した地下水の除去によって地下水面が局部的に低下するときに形成される "人工の" 通気ゾーンである。 ふるいが地下水面下及び通気ゾーンの両方に延出するようにふるいを配置することによって、 気相の汚染物質を含む土壌ガスが真空抽出パイプに接続する真空ジェネレータの影響下でライザパイプへ誘導されることを可能にする。 ガスは液相を含むため両方の相は真空抽出パイプを介して共通の流れで共に表面に搬送される。 表面では2つの相はサイクロンセパレータ、ノックアウト(突き出し)ポット又は他の適切な構成要素のような気液引き離し導管で分離され、分離の後、相は更なる処理ステップによる汚染物質除去のためにシステムに個々に送られる。 汚染物質除去の適切な処理は、濾過、吸着、エアストリップ、沈降、凝集、析出、スクラビング(洗浄)及びそれらの類似物を含む。 【0011】別法として、水の除去が地下水面の局部的な沈降をもたらす状態であってもふるいが常に地下水面の下であるように一本以上のライザパイプが配置されてもよい。 そのような配置では、このライザパイプから表面へ搬送された流体は優先的に液相であるが、真空装置の吸い込み側でのタービュランス(乱流)及び圧力減少の結果として起こる相変態(転換)を処理するために、 表面に気液分離及び個々の相の処理を提供する必要がある。 真空抽出パイプを詰まらせ破損させる、シルト、土壌、又は沈殿物の真空抽出パイプへのエントレインメント(巻き込み)を防ぐために土壌が微粒子であるとき、 各真空抽出パイプを囲むスロット形成されたライザパイプが好ましい。 囲まれている土壌が岩ならば、スロット形成されたライザパイプは必要ない。 【0012】図1(一定の縮尺で描かれていない)は本発明に従った真空抽出及び処理のための、一般的には参照番号10で示されるシステムを概略的に例示している。 図1に見られるのは、汚染物質ゾーン12であり、 その中の中央ゾーン14の汚染物質はそれを取り囲むゾーン12より高く土壌に濃縮されている。 汚染物質は吸着、溶解又は懸濁されない相及び土壌における気相の汚染物質である。 図1に示されるように、点線16は典型的に下部土壌20よりも透水性が高い上部土壌18の境界面を示している。 例えば、上部土壌18は1秒当たりおよそ1×10 -7センチメートルの典型的な透水性を有する風化粘土であり、下部土壌20は1秒当たりおよそ1×10 -8センチメートルの典型的な透水性を有する風化していない粘土である。 しかしながら本発明では汚染物質ゾーン12は二つ以上の異なる土壌透水性の領域に延出することは要求されていないため、汚染物質ゾーン12及び14、優先フロー経路22、24、26及び抽出ウェル(井戸)28は全て単一な透水性の土壌内に配置される。 【0013】汚染ゾーン12と接触する土壌内には優先フロー経路22、24及び26があり、その土壌は上部土壌18と下部土壌20のどちらかよりも明らかに透水性が高い。 優先フロー経路内の土壌の透水性は、優先フロー経路を囲む土壌の透水性よりも少なくとも1オーダー(位数)高い。 例えば取り囲んでいる土壌が1秒当たりおよそ1×10 -4センチメートル以下の透水性を有すると優先フローの経路は1秒当たりおよそ1×10 -3センチメートルかそれ以上である。 これらの優先フロー経路は自然にできたか汚染物質領域に人工的に形成されかたのどちらかである。 例えば、人工優先フロー経路はフラクチャリング(裂け目を作る)処理によって形成され、比較的透水性の高いフロー領域は比較的透水性の低い土壌内に形成される。 例えば、ハイドロフラク(水圧破砕)ケーシング及びランスチップ駆動を含み、前記ケーシング及びランスチップはスチール又はその類似物のようなあらゆる適切な原料からなり、表面に最も近接したフラクチャー(裂け目)の所望の深さまで土壌に埋め込まれる。 その後延長ロッドがケーシングの中に駆動されてケーシングのターミナルエンド(終端)より下の深さまで土壌中にランスチップを駆動する。 延長ロッド及びランスチップはその後ケーシングから除去され、ケーシングのターミナルエンドの下の露出土壌のウェル(井戸)を伴う土地に空のケーシングを残す。 そしてノッチがケーシングのターミナルエンドより下の土壌にカット噴流によってカットされ、ノッチは水平方向で且つ垂直ケーシングに直交するように延出する。 その後砂が充填されたスラリーがケーシングへ圧力を加えて射出され、 ケーシングは、ケーシングのターミナルエンドの下のノッチ内の露出土壌を除く全ての領域におけるスラリーの拡散を防ぎ、圧力によって水平ハイドロフラク(水圧裂け目)はノッチエッジから延出する。 このように形成されたフラクチャーは、フラクチャーの将来的な崩壊を防ぐことを助成する砂を含み、ガス及び液体がフラクチャーを介して比較的不透水性の取り囲む土壌において可能なよりも著しく高い割合で流れることを可能にする。 その後、より長いケーシング及びランスチップを土壌の元の穴に挿入しそれらを所望の深さまで駆動させることによって、追加のフラクチャーが順次より低いレベルで形成され、次に新しいフラクチャーを形成するためにより低いレベルで新しいノッチをカットしスラリーを射出する。 フラクチャーはあらゆる所望の間隔で形成されることができ、典型的には少なくとも6インチ(15cm)離間されるが、フラクチャー同士間の距離は望まれればより短くてもよい。 本実施例ではフラクチャーに注入されたスラリーは砂、水及び架橋グアーゴム(guar gum) の混合物を含み、その混合物は粘性が高い。 混合物はグアーゴムの交差結合を腐食させる酵素のような化学剤も含むため、一定期間、典型的にはおよそ1〜2日を過ぎるとグアーゴムの交差結合は崩壊し、それによってスラリーの粘性は低下する。 従って水がスラリーから流出しフラクチャーに留まった砂を残す。 この目的のための砂/ 水スラリーへの商業的に入手可能な適切な添加剤の一つの例は、REVERT(登録商標)の穿孔流体添加剤であり、 Jhonson Filtration Systems, Inc., St. Pau, MN から入手可能である。 この物質はグアーゴムを含み、スラリーの粘性を初期に向上させ、グアーゴムが崩壊し結果的に数日内にスラリーの粘性が減少する。 【0014】空気吸い込み口プローブ27が一つ以上の優先フロー経路22、24、及び26に任意に提供される。 空気吸い込み口プローブによって空気又は他の流体(液体及び/又はガス)がウェルから離間された位置で優先フロー(流れ)に誘導され、前記流体はウェルボア(井戸穴)を介して抽出される。 大気と抽出ウェル間のコミュニケーション(通気)が不十分であるか又は土壌が十分な空気フローを得ることができない場合にこの配置は利点を有する。 手短に詳細が記述される抽出ウェル28は汚染物質ゾーン12の領域にあり、上部土壌18 を通過して下部土壌20へ延出している。 抽出ウェル2 8と関連しているのは真空抽出システム32であり、典型的におよそ7から29水銀柱インチの高真空状態を形成するように設計されることが好ましい。 真空抽出システム32によって除去されたガスは、受容できる環境の範囲内なら、大気34へ排気され、あるいは焼却されるかコンデンサ(濃縮装置)、活性炭フィルター、又はそのような他の構成要素36を通過することによって更に処理される。 構成要素36は抽出されたガスから汚染物質を除去するのに役立つ。 その処理によって抽出された水は金属除去、揮発性有機化合物除去又は他の浄化のステップのための従来のシステムを通過することによって処理される。 処理され浄化された水は、この段階で十分な純度を有するなら下水管渠か38で直接土地に戻される。 汚染物質は最終的な崩壊又は更なる処理のためにドラム40に蓄えられる。 【0015】図2、3、及び4(一定の縮尺で描かれていない)は抽出ウェル28の実施例を更に詳細に例示している。 図2、3、及び4に概略的に例示されているように、本発明の例示されている形態での抽出ウェル28 は細長いせん孔(ボーリング孔)42を含み、その中にはパーフォレーション(穴あけ)せん孔されたライザパイプ44a、44b、及び44cが底部はキャップされて配置されている。 ライザパイプ44a、44b、及び44cは地下水面の上か下か又は地下水面の上下両方で穴あけされている。 例示されている実施例では、ライザパイプは穴あけされていない上部部分46a、46b、 且つ46c及び穴あけされた(スクリーン(ふるい)が設けられた)下部分48a、48b及び48cを含む。 ライザパイプ44a、44b、及び44cは塩化ビニル樹脂、ステンレススチール、亜鉛メッキ鋼等の金属、テフロン(登録商標)又はその類似物を含むプラスチックのような、あらゆる適切な物質から形成される。 スクリーン(ふるい)又は穴あけされた部分はあらゆる所望の又は適切な形状及び寸法の穴あけを有し、例えば、ある実施例では穴あけ部分は0.010インチのスロットを備える。 ライザパイプ44a、44b及び44cの内側に配置されているのは真空抽出パイプ30a、30b、 及び30cである。 真空抽出パイプ30a、30b、及び30cは塩化ビニル樹脂、ステンレススチール、亜鉛メッキ鋼又はそれらの類似物のような金属、テフロン(登録商標)又はその類似物を含むプラスチックのようなあらゆる適切な物質から成る。 ライザパイプ44a、 44b及び44cの上部エンドはここではコンクリート床又はデッキと関連して示され、適切な管継ぎ手52が設けられ、ライザパイプ44a、44b且つ44c及び真空抽出パイプ30a、30b、及び30cが真空抽出システム32(図2、3、及び4には図示されず)の残りに連結されることを可能にし、真空抽出パイプ30 a、30b、及び30cは真空抽出システムと流体連通の関係にある。 真空抽出パイプ30a、30b、及び3 0cは互いに独立して作動できることが好ましい。 従って、ある実施例では、真空は真空抽出パイプ30a、3 0b、及び30cに同時に加えられる。 別の実施例では、真空は連続的にパイプに加えられ、例えば、真空は最初にパイプ30aのみに加えられ、引き続きパイプ3 0aに真空が加えられたままか加えられずにパイプ30 bへ真空が加えられ、引き続きパイプ30a及び/又は30bに真空が加えられたままか加えられずに30cに真空が加えられる。 また別の実施例では、例えば一つの真空抽出パイプ30aに真空が加えられ、一方ガスは別の抽出パイプに誘導され、該パイプは例えば真空が加えられる30cのようなパイプよりも土地の深くに配置されたオープニング(開口)を有する。 また別の実施例においては、例えば一つの真空抽出パイプ30aに真空が加えられ、一方ガスは別の抽出パイプへ誘導され、該パイプは例えば真空が加えられるパイプ30aよりも土地に浅く配置されたオープニングを有する。 真空、正の圧力、又はウェルの複数でないパイプとの他のあらゆる組み合わせも可能である。 【0016】真空抽出パイプ30a、30b、及び30 cは全て抽出ウェル28内に底部オープニングを有する。 各真空抽出パイプはその底部オープニングが優先フロー経路内にあるように配置される。 例えば、図2に示されるように、真空抽出パイプ30aは優先フロー経路26内に配置され、真空抽出パイプ30bは優先フロー経路24内に、真空抽出パイプ30cは優先フロー経路22内にそれぞれ配置されている。 優先フロー経路2 2、24且つ26及び真空抽出パイプ30a、30b、 及び30cの底部オープニングは比較的不透水性の土壌又は岩石の層によって、かつせん孔内でライザパイプ4 4a、44b及び44cの不透水性部分46a、46b 及び46cを囲む不透水性シールによって実質的に互いに隔離されている。 例えば図2に示されるように、真空抽出パイプ30cの底部オープニングはグラウト層54 a且つ54b及びベントナイトセメント層56a且つ5 6bによって優先フロー経路22内で隔離されている。 真空抽出パイプ30bの底部オープニングはグラウト層54b且つ54c及びベントナイトセメント層56b且つ56cによって優先フロー経路24内で隔離されている。 真空抽出パイプ30aの底部オープニングはグラウト層54c且つベントナイトセメント層56c及びせん孔42の底部によって優先フロー経路26内で隔離されている。 せん孔42内に配置された砂49はせん孔及びライザパイプ内のベントナイトセメント及びグラウト物質を支持する。 他のグラウト、ベントナイト粘土、無収縮エポキシ物質、水硬性セメント、プラスチック、ゴム物質又はそれらの類似物のようなあらゆる他の適切な又は所望の物質が優先フロー経路を互いに離間させるために使用されうる。 【0017】必要ではないが、真空抽出パイプ30a、 30b、及び30cの底部は水平面に平行である以外のあらゆる角度で終わることが好ましく、パイプをある角度で終わらせることによってオープニングの表面領域が広くなり、ウェルの始動が容易になる。 真空抽出パイプ30a、30b、及び30cの底部オープニングの好ましい角度は、水平面に対しておよそ10°から80°であり、水平面に対しておよそ45°がより好ましいが、 この角度付けはこの範囲外にもなりうる。 【0018】本発明のある実施例においては、土地表面又はその近くの抽出ウェル28の端に配置されているのは少なくとも一本のライザパイプと関連する一つ以上の任意の空気吸い込み口31であり、前記任意の吸い込み口31は空気流量計(図示せず)を装備することが好ましく、該流量計によって減圧、大気圧又は増加か強制圧力を含むあらゆる所望の圧力で空気をライザパイプ44 a、44b及び/又は44cへ誘導することが可能になる。 好ましくは別々の接続によって44a、44b及び44cの少なくとも一本への選択的な空気の誘導が可能になる。 示されるように吸い込み口31aはライザパイプ44aへの空気の誘導を可能にし、吸い込み口31b はライザパイプ44bへ、吸い込み口31cはライザパイプ44cへの空気の誘導をそれぞれ可能にする。 大気圧よりも大きい圧力で空気を追加することが望まれるなら、空気圧は追加のポンプ(図示せず)によって又は真空抽出パイプ30a、30b、及び/又は30cと接続する真空ポンプの排気口又は排出口を空気吸い込み口又はその類似物と接続させることによって提供される。 空気吸い込み口を介した空気フロー率はほぼ0から真空抽出パイプ30a、30b、及び30cと接続する真空ポンプのCFM(立方フィート/分)定格容量より小さいあらゆる値をとりうる。 ある空気フローがシステムの始動時に所望されるが、処理が一定期間作動された後、いくつかの例では空気フローはゼロに減少されてもよく、 空気吸い込み口を介してウェルに誘導される空気は無く、最大真空が地下土壌及び水に加えられる。 更に空気吸い込み口を介して誘導された空気は所望されればいくつかの汚染物質の抽出を向上させるために加熱されてもよい。 更に空気吸い込み口は他の物質又は化合物をライザパイプ及び抽出ストリームへ導入するための入口として使用される理由は、そのように導入された化合物又は物質は吸い込み空気と共にライザパイプを介して底部へ送られ、真空抽出パイプ30を介して水と空気の混合物と共に戻され、水と空気の混合物と化学的に又はその他に相互作用する。 例えば、酸化剤、界面活性剤又は他の化合物は真空抽出パイプによって除去された水及び蒸気によりもたらされる汚染物質の処理のために導入される。 更に、本発明の装置及び処理が生物形質転換処理と連結して用いられる状態では、土壌汚染物質はバクテリアとの相互作用又は他の生物学的な方法によって無害の物質に生物学的に変化され、ガス吸い込み口はセルロース又はその類似物のような生物形質転換のための養分、 嫌気的過程を向上させるための窒素又は好気的過程を向上させるための酸素を真空抽出パイプへ誘導するために使用される。 これらの物質も真空抽出パイプ30a、3 0bか30c又は一つ以上の空気吸い込みプローブ27 を介して追加される。 土壌の汚染物質を処理する生物学的な処理に関する更なる情報は例えば以下の書物に開示されている。 ダブリュー. ケー. アラート氏等の "メチルベンゼン種で汚染された土壌の現場でのバイオ的改善”、エム. エー. フランソン氏の "無鉛ガソリン汚染地表水の現場でのバイオ的改善(コネチカット州、プレインフィールド)ケーススタディ”、エム. リービット氏等の "現場でのバイオ的改善システムのための界面活性剤増加の意味”これらすべては1992年米国EPA /A&WWA国際シンポジューム(1992年ピッツバーグでの空気と廃棄物管理協会による)の予稿である " 汚染土壌と水の接地処理”に含まれ、かつテキサス州ダラスでの1992年6月21〜24日の地下回復会議(1992年テキサス、ヒューストンのライス大学環境、科学及び工学部)(WKAhlert et al., "In situ Bioremediation of Soil Contaminated with Methyl Be nzene Species", MA Franson, "In Situ Bioremedia tion of Unleaded Gasoline Contaminated Ground Wate r, Plainfield, Connecticut, A Case Study," M. Leav itt et al., "Implications of Surfactant Augmentati on for In Situ Bioremediation Systems", In Situ Tr eatment of Contaminated Soil and Water, Proceeding s of the 1992 US EPA/A&WWA International Sympos ium, Air and Waste Management Association (Pittsbu rgh 1992); Subsurface Restoration Conference, June 21-24, 1992, Dallas, Texas(Rice University Dept. of Envi. Sci. & Eng., Houston TX 1992)). 【0019】真空抽出パイプ30a、30b、及び30 cを介して引き上げられた液体は、必ずしも必要ではないが2相形態つまり、スラグフローと対照的に液滴、 霧、及び/又は液体に含まれる蒸気であることが好ましい。 本システムによる空気フローは以下の一つ以上の空気によって提供される。 即ち、その空気は不飽和(通気)ゾーンからの空気、脱水飽和ゾーンからの空気、減圧、大気圧又は強制圧力での一つ以上の任意の空気吸い込み口メカニズム31からの空気、大気圧又は強制圧力での任意のガス吸い込み口41からの空気、一つの優先フロー経路(空気吸い込み口プローブ27又は真空抽出パイプ30を介する)を介して導入され、別の一つの優先フロー経路から抽出される空気である。 従って、空気は抽出ウェルの付近の土地から抽出される必要は無い。 一般的には、高蒸気/空気流速度がシステム中で維持されている。 真空抽出パイプ内の空気流速度は、空気中の様々なサイズの液滴等の蒸気相の水を運搬又は搬送するのに十分であるべきである。 1秒当たりおよそ1フィートから200フィート以上の範囲の気流速度値で十分である。 【0020】各真空抽出パイプ30a、30b、及び/ 又は30cは少なくとも一つのガス吸い込み口41を任意に備える。 図2に示されるように、真空抽出パイプ3 0cは単一の任意ガス取り入れ口(入口)41を備える。 図3に概略的に例示されるように、単純化のために、単一の真空抽出パイプ30のみが示され(実際の作動では真空抽出パイプを有する少なくとも二本のライザパイプがせん孔42に配置される)、真空抽出パイプ3 0は三つの任意のガス取り入れチューブ41a、41 b、及び41cを備える。 図4に概略的に例示されるように、真空抽出パイプ30は三つの任意のガス取り入れ口41d、41e、及び41fを備え、それらは全て一本のガス取り入れチューブ41から流される。 【0021】更に詳細には図2に示されるように、任意のガス取り入れ口41は真空抽出パイプ30の底部オープニングから真空抽出パイプ30へ入る。 あるいは(図示せず)、ガス取り入れ口41は真空抽出パイプ30の側面のオープニングを介して真空抽出パイプ30に入ることもできる。 ガス取り入れ口41は大気か他の所望のガスであるガスサプライ(供給部)及び任意のエアコンプレッサ43と流体連通の関係である。 圧縮空気を含んだタンクもガスサプライの働きをする。 ガス取り入れ口41へのガス供給はバルブ45によって制御されており、ガス取り入れ口41の圧力は望まれれば任意の圧力ゲージ47によって監視される。 更に所望されれば、バルブ45をオン及びオフにし、継続時間及び/又はガス取り入れ口41から真空抽出パイプ30に印加されるガスの圧力を制御するための自動コントローラがガス取り入れ口41の構成に追加される。 【0022】図3に示されるように、任意のガス取り入れ口41a、41b、及び41cは真空抽出パイプ30 の側面のオープニングを介して真空抽出パイプ30に入る。 ガス取り入れ口41bは地下水面より上、地下水面、その付近又はその下に配置される(そしてそれに対応してポンプ処理の開始の前に真空抽出パイプ30に入った地下水のおよそのレベルの上、地下水面、その付近又はその下となる)。 ガス取り入れ口41aは一般的には自然地下水面より下に配置されるが、ポンプ処理が一定時間作動された後地下水が滴下するレベルより上である。 ガス取り入れ口41cはポンプ処理が一定時間作動された後地下水が滴下するレベルより下のレベルに配置される。 ガス取り入れ口41cが、この例示では、真空抽出パイプ30の底部オープニングのすぐ上の真空抽出パイプ30の側壁のオープニングを介して真空抽出パイプ30に入るように示されているが、ガス取り入れ口4 1cも真空抽出パイプ30の底部オープニングを介して直接か真空抽出パイプ30のどちらかの側を介して真空抽出パイプ30へ入る。 本発明のこの実施例の任意のガス取り入れ口の数は2又は3に限られず、例えば、20 0フィートの深さのウェルではより多数のガス取り入れ口の数が所望される。 更に、真空抽出パイプ30への任意のガス取り入れ口オープニングは全て互いに均等に離間される必要は無く、各ガス取り入れ口の長さはウェルの最適な作動のために所望されるように変化してよい。 各ガス取り入れ口41a、41b、及び41cは大気又は他の所望のガスであるガスサプライ及び任意のエアコンプレッサ43a、43b及び43cと流体連通の関係である。 圧縮空気を備えたタンクもガスサプライとしての役割を果たす。 ガス取り入れ口41a、41b、及び41cへのガス供給はバルブ45a、45b、及び45 cによって制御され、ガス取り入れ口41a、41b、 及び41c内の圧力は所望されれば任意の圧力ゲージ4 7a、47b、及び47cによって監視される。 更に所望されれば、バルブ45a、45b、及び45cをターンオン及びオフし、継続時間及び/又はガス取り入れ口41a、41b、及び41cから真空抽出パイプ30に加えられるガスの圧力を制御する自動コントローラがガス取り入れ口41a、41b、及び41cの構成に追加される。 【0023】図4に示されるように、その単純化のために一本の真空抽出パイプ30しか示されず、(実際の作動では少なくとも二本の真空抽出パイプがせん孔42内に配置される。)任意のガス取り入れ口41d、41 e、及び41fは真空抽出パイプ30のオープニングを介して真空抽出パイプ30に入る。 ガス取り入れ口41 d、41e、及び41fは全てメインガス取り入れ口4 1と流体連通の関係である。 真空抽出パイプ30の頂部に最も近く配置されたガス取り入れ口41dの直径はガス取り入れ口41dと41fの間のガス取り入れ口41 eの直径よりも小さい。 ガス取り入れ口41eの直径は真空抽出パイプ30の底部オープニングに最も近くに配置されるガス取り入れ口41fの直径よりも小さい。 ガス取り入れ口41dは地下水面のレベルより上、地下水面、その付近、又はその下に配置される(それに対応してポンプ処理の開始の前に真空抽出パイプ30に入る地下水面のおよそのレベルより上、地下水面、その付近又はその下になりうる)。 ガス取り入れ口41eは一般的には自然地下水面より下に位置するが、ポンプ処理が一定時間作動された後地下水が滴下するレベルより上である。 ガス入口41fはポンピング処理が一定時間作動した後地下水液滴が落下するレベルより下のレベルに位置する。 ガス取り入れ口41fがこの例示では真空抽出パイプ30の底部オープニングのすぐ上の真空抽出パイプ30の側壁のオープニングを介して真空抽出パイプ30 に入るように示されているが、ガス取り入れ口41fも真空抽出パイプ30の底部オープニングを介して直接か真空抽出パイプ30のどちらかの側を介して真空抽出パイプ30に入ってもよい。 本発明のこの実施例の任意のガス取り入れ口の数は2又は3に限られないが、例えば、200フィートの深さのウェルではより多数のガス取り入れ口が所望される。 更に、真空抽出パイプ30へのガス取り入れ口オープニングは互いに均等に離間される必要は無く、ガス取り入れ口同士間の距離はウェルの最適な作動のために所望されるように変化してよい。 ガス取り入れ口41へのガス供給は、バルブ45を介して制御され、ガス取り入れ口41の圧力はもし所望されれば最適な圧力ゲージ47によって監視される。 更に所望されれば、バルブ45をオン及びオフし、継続時間及び/又はガス取り入れ口41から真空抽出パイプ30に印加されるガスの圧力を制御するための自動コントローラがガス取り入れ口41の構造に追加される。 ガス取り入れ口オープニング41d、41e、及び41fの相対直径は、圧縮空気がガス取り入れ口41に加えられたとき圧縮空気が優先的に最初に41dへ、続いて41eへ、 さらに続いて41fへ流れ、その結果真空抽出パイプの頂部、中間部及び底部が連続してスタートされるように選択される。 ウェルの深さ及びシステムをスタートさせるために必要な抽出チューブの長さによるヘッド(水頭)の影響を上回るためにはより圧縮された空気が必要なため、最も小さい直径41dのオープニングは頂部に、最も大きい直径の41fのオープニングは底部にそれぞれ配置される。 【0024】作動においては、真空抽出パイプ30内で2相フローを開始させるために真空が真空抽出パイプに加えられる前、その最中、又はその後のにガスは真空抽出パイプ30へ導入される。 図2に示されるように真空抽出パイプ30が単一のガス取り入れ口41を備える実施例においては、真空が真空抽出パイプ30に加えられると、真空抽出パイプ30内に2相フローが確立され、 その点でガス取り入れ口41を介したガスのフローが停止するまでガスはガス取り入れ口41を介して連続的に加えられる。 ガス取り入れ口41を介したガスの実施の実際の継続時間はウェルの深さ、ガス取り入れ口41のウェル内の深さ、真空抽出パイプ30内に含まれる地下水の深さ、ウェル、真空抽出パイプ30及びガス取り入れ口41の寸法、ガス取り入れ口41を介して加えられるガスの圧力等のような因子(ファクタ)に依存して変化する。 直径4インチのウェルで、その中で1平方インチ当たりおよそ20から60ポンドの圧力でガスが導入される典型的な継続時間は、地下水レベルが15フィートより少ない深さのときはおよそ15から20秒であり、地下水レベルがおよそ18から25フィートの深さのときはおよそ45秒である。 いくつかの例では、ガス取り入れ口41を介してガスを加える継続時間は5分以上でもよい。 【0025】例えば図3に例示されるように真空抽出パイプ30a、30b、及び/又は30cが多数のガス取り入れ口を備える本発明の実施例においては、真空が真空抽出パイプ30に加えられると、真空抽出パイプ30 内にガス取り入れ口41bの深さから2相フローが確立されるまでガスは典型的には最初に最上のガス取り入れ口41bを介して連続的に加えられる。 この点で、図3 ではガス取り入れ口41aである次の深さの取り入れ口を介したガスのフローが開始され、真空抽出パイプ30 内でガス取り入れ口41aの深さから2相フローが確立するまで維持される。 次に図3ではガス取り入れ口41 cである次の深さの取り入れ口を介したガスのフローが開始され、真空抽出パイプ30内でガス取り入れ口41 cの深さから2相フローが確立されるまで維持される。 各取り入れ口を介したガスのフローは一度2相フローがその深さから確立されてしまうと終了するが、2相フローが真空抽出パイプでどんな時にも停止しないことを確実にするために、一つの取り入れ口を介したガスのフローと次の深さの取り入れ口を介したガスのフローの間の少なくともいくらかのオーバーラップを維持することが好ましい。 例えば、特定のウェルでは、ガスは最初に最上部のガス取り入れ口41bに約10秒間導入され、その後ガス取り入れ口41bの深さから真空抽出チューブ内に2相フローが確立され、引き続いてガス取り入れ口41bを介したガスのフローが維持されると共にガス取り入れ口41aを介した約5秒間のガスのフローが行われ、ガス取り入れ口41aを介してガスが15秒間フローされ続けながらガス取り入れ口41bを介したガスのフローが終了し、その後ガス取り入れ口41aの深さから真空抽出チューブ内で2相フローが確立され、ガス取り入れ口41cを介した約5秒間のガスのフローが行われながらガス取り入れ口41aを介したガスのフローが維持され、ガス取り入れ口41cを介したガスが20秒間フローされ続けながらガス取り入れ口41aを介したフローが終了し、その後ガス取り入れ口41cの深さから真空抽出チューブ内に2相フローが確立され、ガス取り入れ口41cを介したフローが終了する。 各取り入れ口を介したフローの継続時間及び2つ以上の取り入れ口からのフローのオーバーラップ(重なり)の継続時間は各ウェルによって変化する。 しかしながら、一つの取り入れ口を介したフローと別の取り入れ口を介したフローの間にオーバーラップ無しで連続的に各取り入れ口を介したフローを開始させるか、深さを増加することによって連続的にフローさせる以外のある順序で複数の取り入れ口のフローを開始させることも可能である。 更に多数のガス取り入れ口を介したフローは同時に開始されうる。 もし所望されれば各ガス取り入れ口を介したフローの継続時間は各ガス取り入れ口41a、41b、及び4 1cをタイマー制御システムを介して稼動させることによって自動的に制御されうる。 【0026】一般的にガス取り入れ口(単数又は複数) を介したフローは2相真空抽出処理がうまく開始されると停止する。 しかしながら、抽出処理における様々な時点に真空抽出パイプ30a、30b、及び/又は30c を介したフローは所望の2相フローからスラグフローのようなある他のフローの形態に変化することもある。 この時、ガスもガス取り入れ口41を介して導入され、真空抽出パイプ30のフローを所望の2相形態へ変換させる。 【0027】ガス取り入れ口(単数又は複数)はあらゆる適切な構造でありうるが、適切な構造の2、3の例が概略的に図5、6及び7に示される(必ずしも一定の縮尺で描かれていない)。 概略的に図5に示されるように、ガス取り入れ口41aは真空抽出パイプ30の側面のオープニングを介して真空抽出パイプ30に入り、真空抽出パイプ30の壁におよそ直角で終わる。 必要ではないが、真空抽出パイプ30内のガス53及び液体55 の2相フローを開始させるためにガス取り入れ口41a を介して真空抽出パイプ30に空気51が導入されるときの摩擦力を最小化するために、ガス取り入れ口41a のオープニングは真空抽出パイプ30の内壁に比較的近接して配置されるのが好ましい。 【0028】図6に概略的に示されているように、ガス取り入れ口41a'は真空抽出パイプ30の側面のオープニングを介して真空抽出パイプ30に入り、真空抽出パイプ30の壁におよそ平行な角度で終わる。 必要ではないが、真空抽出パイプ30内のガス53及び液体55 の2相フローを開始させるためにガス取り入れ口41 a'を介して真空抽出パイプ30に空気51が導入されるときの摩擦力を最小化するために、ガス取り入れ口4 1a'のオープニングは真空抽出パイプ30の内壁に比較的近接して配置されるのが好ましい。 【0029】図7に概略的に例示されているように、ガス取り入れ口41cは真空抽出パイプ30の底部オープニングを介して真空抽出パイプ30に入り、真空抽出パイプ30の壁におよそ平行な角度で終わる。 必要ではないが、真空抽出パイプ30内にガス53及び液体55の2相フローを開始させるためにガス取り入れ口41cを介して真空抽出パイプ30に空気51が導入されるときの摩擦力を最小化するために、ガス取り入れ口41cのオープニングは真空抽出パイプ30の内壁に比較的近接して配置されるのが好ましい。 【0030】任意のガス取り入れ口(単数又は複数)4 1はフレキシブル又は剛性のどちらでもよく、塩化ビニル樹脂、テフロン(登録商標)、ポリエチレン、ポリプロエチレン、又はそれらの類似物を含むポリマー及びプラスチック、ステンレススチール、亜鉛メッキ鋼、銅、 黄銅、又はそれらの類似物のような金属、又はあらゆる適切な物質のようなあらゆる適切な物質から成る。 真空抽出パイプを介した所望の流量効率を可能にするために、ガス取り入れ口41はあらゆる所望の又は適切な直径から成り、真空抽出パイプの寸法、ウェルの深さ、ウェルの周りのパッキングの性質、及びそれらの類似物に依存して典型的に変化する。 【0031】ガス取り入れ口(単数又は複数)41を介して真空抽出パイプ30に導入されるガスのためにあらゆる所望の圧力が使用される。 典型的な圧力はウェルの外側の大気圧(この場合エアコンプレッサは必要無い) から1平方インチ当たりおよそ100ポンドまでの範囲で、1平方インチ当たりおよそ20から60ポンドが好ましい圧力で、1平方インチ当たりおよそ30から50 ポンドがより好ましいが、圧力はこれらの範囲の外でもありうる。 圧力が大きくなるほど真空抽出パイプ30内の2相フローをより早く開始させ、水の相対的な深さ(この場合相対的な深さはガス取り入れ口と真空抽出パイプ内の地下水レベルの深さの違いによる)が大きくなるとより望ましい。 【0032】あらゆる所望のガスが任意のガス取り入れ口(単数又は複数)を介して真空抽出パイプ30へ導入されうる。 周囲空気は最も安価なガスとして選択されうる。 更にガス取り入れ口41を介して誘導される空気は幾つかの汚染物質の抽出を向上させるために所望されれば加熱される。 またガス取り入れ口41は他の物質又は化学物質をライザパイプ及び抽出ストリームに導入し、 水と空気の混合物と化学的に又はその他の方法で相互作用させるために使用されうる。 例えば、酸化剤、界面活性剤又は他の化合物は真空抽出パイプによって除去される水又は蒸気をもたらす汚染物質の処理のために導入されうる。 更に本発明の装置及び処理が生物形質転換処理と連結して用いられる場合、土壌汚染物質はバクテリアとの相互作用又は他の生物学的方法によって無害の物質に生物学的に変換され、ガス取り入れ口はセルロース又はその類似物のような生物形質転換のための養分、嫌気的過程を向上させるための窒素又は好気的過程を向上させるための酸素を真空抽出パイプへ誘導するために用いられる。 【0033】図2、3、及び4を参照すると、ライザパイプ44の上部分46はベントナイトセメント54aのような透水性の低いグラウトで囲まれており、グラウト54aの下はベントナイトシール56aによって囲まれている。 追加層のグラウト54b及び追加層のベントナイトセメント56bは真空抽出パイプ30c及び真空抽出パイプ30bのターミナルエンドを隔離させ、フラクチャ22もフラクチャ24から隔離される。 追加層のグラウト54c及び追加層のベントナイトセメント56c は真空抽出パイプ30b及び30aのターミナルエンド(終端)を隔離させ、フラクチャ24もフラクチャ26 から隔離される。 せん孔及びライザパイプ内のグラウト及びベントナイト層を支持するために比較的透水性の低い砂49がグラウトとベントナイトの間のせん孔42及びライザパイプ44に配置される。 また、砂49は、フラクチャの崩壊を防ぐためにフラクチャ22、24、及び26内にも含まれることが好ましい。 周囲を取り囲む砂からライザパイプ44へのガス及び液体のフローを容易にするために、ライザパイプ44のスロット形成された下部分48及びスロット形成された下部分48より上の部分46の部分を囲むせん孔42内の領域は細かく微細にふるいわけされた砂でパックされる。 【0034】図8(一定の縮尺で描かれていない)は任意の空気取り入れ口(入口)プローブ27の例を概略的に示している。 空気取り入れ口プローブ27はパイプ6 0を受けるせん孔(ボーリング孔)58を含む。 ある機能的な実施例ではパイプ60は底部がキャップされた直径4インチのPVCパイプを備え、該パイプは0.01 0インチのスロットのスクリーンを有する。 パイプ60 はセメントカラー(えり部)又はベントナイトシール6 2によって上部分が囲まれており、土壌表面64に延出している。 空気射出プローブを所望に開閉するために空気取り入れ口プローブ27と関連してあらゆる適切なバルブ68が提供されうる。 せん孔58内のパイプ60の中間部分70を取り囲むのは、パイプ60とせん孔58 の間にガスタイトシールを提供する気密スラリー72である。 パイプ60のスロット形成された下部分74はガス透過性のあるパックされた砂76に取り囲まれている。 明らかなように、パイプ60は優先フロー経路への空気の射出を容易にする(優先フロー経路22がこの図面で示されている)。 【0035】ここに開示された情報を参照して当業者が本発明の他の実施例及び変更を行うことができ、これらの等価物と同様にこれらの実施例及び変更も本発明の範囲内に含まれている。 【図面の簡単な説明】 【図1】本発明に従った土壌の汚染物質領域から汚染物質を真空抽出するための一般的な構成を例示した断面の側面図である。 【図2】本発明に適切な抽出ウェルの側面の断面図である。 【図3】本発明に適切な別の抽出ウェルの断面の側面図である。 【図4】本発明に適切なまた別の抽出ウェルの断面の側面図である。 【図5】本発明の抽出ウェルにおける真空抽出パイプの任意のガス取り入れ口の三つの適切な構造の断面の側面図である。 【図6】本発明の抽出ウェルにおける真空抽出パイプの任意のガス取り入れ口の三つの適切な構造の断面の側面図である。 【図7】本発明の抽出ウェルにおける真空抽出パイプの任意のガス取り入れ口の三つの適切な構造の断面の側面図である。 【図8】本発明の使用に適切な空気取り入れウェルの側面の断面図である。 【符号の説明】 12、14 汚染物質ゾーン 22、24、26 優先フロー経路 28 抽出ウェル 30a、b、c 真空抽出パイプ 31a、b、c 空気取り入れ口 32 真空抽出システム 41a、b、c、d、e、f ガス取り入れ口 42 せん孔 53 ガス 55 液体 58 せん孔 ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ポウル エム. トーナトー アメリカ合衆国 ニューヨーク州 14534 ピッツフォード バーンリー ライズ 9 (72)発明者 スコット エム. ヒューバー アメリカ合衆国 ニューヨーク州 14424 −オンタリオ カナンダイグア ア ホリ デイ ハーバー 46 (72)発明者 ロナルド イー. ヘス アメリカ合衆国 ニューヨーク州 14580 ウェブスター ハイ タワー ウェイ 750 |