粘土安定剤としてのアルキル化ポリエーテルアミン

申请号 JP2015541830 申请日 2013-11-04 公开(公告)号 JP2016501930A 公开(公告)日 2016-01-21
申请人 ハンツマン ペトロケミカル エルエルシーHuntsman Petrochemical LLC; ハンツマン ペトロケミカル エルエルシーHuntsman Petrochemical LLC; 发明人 パカルスキ,マレク; フオークナー,マシユー・ダブリユー;
摘要 本開示は地下層処理中に微細物が膨潤および/または移動しないようにする目的で使用するための 水 性井戸処理用 流体 を提供するものである。本水性井戸処理用流体は水系連続相、アルキル化ポリエーテルアミンから成る粘土安定剤および増量剤を含有する。本水性井戸処理用流体は膨潤および/または移動を抑制することに加えて熱に安定であり、毒物学的に安全でありかつ並外れた取り扱い特性を有する。
权利要求

性井戸処理用流体であって、水系連続相、アルキル化ポリエーテルアミンから成る粘土安定剤および増量剤を含有して成る水性井戸処理用流体。前記水系連続相が淡水海水、食塩水、水と水溶性有機化合物の混合物およびこれらの混合物から選択される請求項1記載の水性井戸処理用流体。前記アルキル化ポリエーテルアミンが式(I): [式中、 RはC2H4であり、 R1は直鎖もしくは分枝C1からC6アルキル基であり、そして xは1から3の整数である] で表される化合物である請求項1記載の水性井戸処理用流体。前記アルキル化ポリエーテルアミンが式(II)で表される化合物または式(III)で表される化合物または式(IV)で表される化合物: である請求項1記載の水性井戸処理用流体。水性井戸処理用流体中に存在する粘土安定剤の量が水性井戸処理用流体の約0.05から約0.5体積%の範囲である請求項1記載の水性井戸処理用流体。前記増量剤が硫酸バリウム、重晶石、赤鉄鉱、酸化鉄、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、有機塩、無機塩またはこれらの混合物である請求項1記載の水性井戸処理用流体。更に1種以上の添加剤も含有して成る請求項1記載の水性井戸処理用流体。水性井戸処理用流体の製造方法であって、アルキル化ポリエーテルアミンから成る粘土安定剤、増量剤および任意の添加剤を水系連続相と一緒に混合することを含んで成る方法。請求項8記載の方法に従って作られた水性井戸処理用流体。地下層掘削中に遭遇する地中粘土物質の膨潤および/または移動を抑制する方法であって、水系連続相、アルキル化ポリエーテルアミンから成る粘土安定剤および増量剤を含有して成る水性井戸処理用流体を地下層の中に循環させることを含んで成る方法。油含有地下層から油を抽出する方法であって、水系連続相、アルキル化ポリエーテルアミンから成る粘土安定剤および増量剤を含有して成る加圧水性井戸処理用流体を1番目の掘削孔に通して供給しそして油を前記地下層から2番目の掘削孔に通して回収することを含んで成る方法。前記地下層が以前に水圧で破砕されかつ以前に油が抽出されたものである請求項11記載の方法。

说明书全文

関連出願に対する相互参照

非適用。

連邦支援研究開発に関する供述

非適用。

本開示は一般に井戸処理用流体およびそれらの使用に関する。より具体的には、本開示は井戸処理用流体に入れる粘土安定剤としてのアルキル化ポリエーテルアミンおよびそれの使用方法に関する。

地下層から炭化素を生産する時、移動して炭化水素産物の流れを詰まらせて制限する可能性のある粘土および他の微細物の存在の影響をしばしば受ける。地下層内の微細物の移動はしばしば地下層にとって異質な流体を導入することによって粘土の膨潤、岩塩の溶解および/または微細物のかく乱が起こる結果として生じる。典型的には、そのような異質な流体(例えば掘削流体、破砕流体または安定化流体)は地下層の必要を全て満たしそして/または処理する目的で例えば井戸の掘削、破砕、酸処理または安定化などで炭化水素の生産を促進するために地下層に導入される。

異質な流体を導入することによって引き起こされる悪影響および地下層構成要素の膨潤および移動を軽減する試みには、そのような異質な流体に1種以上の様々な頁岩水和抑制剤および/または安定剤を添加することが含まれていた。それらは粘土格子内のナトリウムイオンをカチオン種に置き換えるといった原理で機能する。そのようなカチオン種は一般に水和の半径がナトリウムイオンの半径より小さくなるように選択される。そのような頁岩水和抑制剤および安定剤の分子が反応部位で水分子と競合すると考えられている。このように、それらを地下層と接触させると膨潤および移動の可能性が最小限になる。結果として、地下層が崩壊する可能性が小さくなりかつ膨潤が抑制される。

頁岩抑制剤/粘土安定剤として塩化カリウムが幅広く用いられてきた。促進方法では、粘土を低膨潤性の形態に変化させる目的で塩化カリウムがしばしばプレフラッシュ(preflush)として用いられそして/または水性促進方法に添加されてきた。そのような塩は地下層の透過性が低下する度合を軽減するが、それらはしばしばそのような異質な流体に含まれる他の成分の性能にとって有害である。例えば、粘土を安定させるには典型的にそのような塩を高濃度にする必要がある(典型的には6%)。そのような塩は更に高い塩化物濃度をもたらし、それは環境的に許容されない。用いられてきた他の公知頁岩水和抑制剤/粘土安定剤には例えば下記が含まれる。

炭素原子数が8未満の鎖長を有する第一級ジアミンおよび炭素原子数が4未満の鎖長を有する第一級アルキルアミンから選択される少なくとも1種の有機アミンの使用を開示している特許文献1。

無水マレイン酸重合体のイミドのアミン塩の使用を教示している特許文献2。

カルボキシメチルセルロースと有機アミンの付加体を固体状頁岩抑制剤として開示している特許文献3。

粘土の膨潤を抑制する目的で1,2−ジアミノシクロヘキサンを0.2−5重量%用いることを教示している特許文献4。

微小孔、メソ細孔およびマクロ孔を地下層の中に移送してその中でカチオン交換が起こり得るようにする目的で様々な分子量を有するアミン塩を用いることを教示している特許文献5。

掘削を実施している間に起こる粘土の膨潤を軽減する目的でビス−界面活性ジアミン化合物を用いることを開示している特許文献6。

コロイド状粘土を安定化させる目的で多価金属/グアニジン錯体を掘削流体に入れることを教示している特許文献7。

裸孔の安定性を向上させる目的で水系泥用添加剤としてのカリウム塩と酢酸ビニル重合体を組み合わせることを開示している特許文献8。

オレフィン系不飽和炭化水素とアルキレンオキサイドが基になった側鎖を基にした重合体を包含する水性掘削流体用の頁岩安定化用添加剤を開示している特許文献9。

ポリエーテルアミンを頁岩水和抑制剤として用いることを教示している特許文献10および11。

少なくともある程度膨潤を抑制しかつ通常の頁岩抑制剤の作用を補助する頁岩カプセル封じ剤として第四級化合物を開示している特許文献12。

ビス−シクロヘキシルアミン誘導体を頁岩水和抑制剤として用いることを教示している特許文献13。

モノ第四級ヒドロキシアルキルアルキルアミンまたはポリ(トリヒドロキシアルキルアルキル第四級アミン)を井戸に入れる粘土膨潤軽減用添加剤として開示している特許文献14。

プロピルアミン誘導体、水添ポリ(プロピレンイミン)デンドリマーおよびポリアミンツインデンドリマーを頁岩水和抑制剤として用いることを教示している特許文献15。

地下層を安定化させる目的でグアニジル共重合体を用いることを教示している特許文献16。

粘土膨潤の抑制に有用なヒドロキシル化構造単位含有重合体を開示している特許文献17。

実質的に無臭であり、実質的にあらゆる塩化物が存在しないことで環境への脅威がほとんどなくかつ従来技術の最も有効な水和抑制剤/安定剤と少なくとも同じ程有効である頁岩水和抑制剤/粘土安定剤を開発する必要性が継続して存在する。

WO98/55733

WO05/058986

WO06/013595

WO06/013597

WO06/136031

WO10/040223

米国特許第4,719,021号

米国特許第4,988,450号

米国特許第6,706,667号

米国特許第6,831,043号

米国特許第6,857,485号

米国特許第7,192,907号

米国特許第7,514,392号

米国特許第7,939,473号

米国特許第8,026,198号

米国特許第8,220,565号

米国特許第8,252,728号

本開示は、水と接触した時に膨潤および/または移動を示す傾向がある地中粘土物質を含有する地下層の中に導入する油井穴流体で用いる水性井戸処理用流体を提供するものである。本井戸処理用流体は水系連続相、アルキル化ポリエーテルアミンから成る粘土安定剤および増量剤を含有する。

別の面として、本開示は、地下層掘削中に遭遇する地中粘土物質の膨潤および/または移動を抑制する方法を提供する。本方法は、水系連続相、アルキル化ポリエーテルアミンから成る粘土安定剤および増量剤を含有する水性井戸処理用流体を地下層の中に循環させることを包含する。

発明の詳細な説明

本明細書で用いる如き用語“含有して成る”およびこれの派生語は、いずれかの追加的成分、段階または手順を本明細書に開示するか否かに拘らずそれの存在を排除することを意図したものでない。あらゆる疑いを回避する目的で、用語“含有して成る”を用いることを通して、本明細書で請求するあらゆる組成物は、反対であると述べない限り、いずれかの追加的添加剤または化合物を含有していても構わない。対照的に、用語“から本質的 に成る”が本明細書に現われる場合、いずれかの次の記述の範囲から実現可能性には必須ではないものを除く他のいずれかの成分、段階または手順を排除するものであり、そして用語“から成る”を用いる場合、具体的に説明することも挙げることもしなかったいずれかの成分、段階または手順を排除するものである。用語“または”は、特に明記しない限り、個別に挙げた員ばかりでなく任意組み合わせの員を指す。

冠詞“a”および“an”を本明細書ではその冠詞の文法的目的物の1つまたは2つ以上(即ち少なくとも1つ)を指す目的で用いる。例として、“アルキル化ポリエーテルアミン”は1種のアルキル化ポリエーテルアミンまたは2種以上のアルキル化ポリエーテルアミンを意味する。

語句“1つの態様として”、“1つの態様に従い”などは、一般に、その語句の後に続く個々の特徴、構造または特性が本発明の少なくとも1つの態様に含まれかつ本発明の2つ以上の態様に含まれる可能性があることを意味する。重要なことは、そのような語句は必ずしも同じ態様を指すとは限らない。

本明細書で成分または特徴がある特性を含むまたは有する“かもしれない”、“可能性がある”、“可能性があり得る”または“可能性があるかもしれない”と述べる場合、その個々の成分もしくは特徴はその特性を含む必要も有する必要もない。

語句“地下層”は、露出している土壌の下の領域および土壌の下方に位置していて水、例えば海水または淡水などで覆われている領域の両方を包含する。用語“地中粘土物質”は、異質の水系井戸処理用流体、例えば掘削流体、促進用流体(stimulation fluid)、砂利パッキング流体などの存在下で膨潤、分散、崩壊または他の様式で破裂することでかさ容積の増大を示す砂および/または粘土を包含する。この用語はまた実際の膨潤を起こすことなく分散、崩壊または他の様式で破裂を起こす砂および/または粘土も包含する。また、例えば異質の水系井戸処理用流体の存在下で膨張しかつ層状でなくなることによって崩壊することで掘削孔の中に移動する粒子を生じる可能性のある粘土も前記用語に含まれる。

本明細書で定義する如きアルキル化ポリエーテルアミンから成る粘土安定剤は、塩化カリウムが粘土安定剤として用いられている場合に塩化カリウムの総代替品として使用可能である。加うるに、アルキル化ポリエーテルアミンから成る粘土安定剤を水性井戸処理用流体に入れて用いることも可能でありかつ塩化カリウムまたは他の無機塩が伝統的に用いられていなかった方法で用いることも可能である。いくつかの態様では、アルキル化ポリエーテルアミンから本質的に成る粘土安定剤を塩化カリウムと一緒に水性井戸処理用流体に入れて用いることも可能である。アルキル化ポリエーテルアミンから成る粘土安定剤を水系連続相および増量剤と組み合わせて水性井戸処理用流体にすると、それは膨張性がありそして/または移動する地中粘土物質によって引き起こされる地下層の損傷を軽減または実質的になくす能を有する。アルキル化ポリエーテルアミンから成る粘土安定剤を存在させると水性井戸処理用流体と接触した時に地中粘土物質が膨潤および/または崩壊し/移動する傾向がなくなるか或は軽減する。

そのような膨潤および/または移動の抑制は地下層の処理で用いる水性井戸処理用流体の量に応じて一時的または実質的に永久的であり得る。このように、この開示するアルキル化ポリエーテルアミンから成る粘土安定剤を用いることの別の利点は粘土を永久的に安定化させる能力によって明らかになる。一時的な粘土安定剤は水性井戸処理用流体で地下層を処理している間だけ地下層を保護する材料である。天然流体が経時的に地下層の上を移動すると異質のカチオンが押しのけられることで粘土がそれの自然な膨潤形態に戻る。逆に、水性井戸処理用流体を連続的に添加する必要なく粘土が経時的に天然流体にさらさ れる場合には永久的な粘土安定剤によってそのような膨潤が最小限になる。

本明細書に開示するアルキル化ポリエーテルアミンから成る粘土安定剤は、膨潤および/または移動を抑制することに加えて、また、他の利点も達成する。例えば、アルキル化ポリエーテルアミンから成る粘土安定剤は熱に安定であり、毒物学的により安全でありかつより良好な取り扱い特性を有する。従って、アルキル化ポリエーテルアミンから成る粘土安定剤は陸地を基にした掘削作業ばかりでなく海上掘削作業で幅広く利用可能である。

このように、1つの態様に従い、水系連続相、アルキル化ポリエーテルアミンから成る粘土安定剤および増量剤を含有して成る水性井戸処理用流体を提供する。

本水性井戸処理用流体はアルキル化ポリエーテルアミンから成る粘土安定剤を地下層に送り込む能力を有する如何なる流体であってもよい。このように、1つの態様における水性井戸処理用流体は掘削流体、ドリルインフルイド(drill−in−fluid)、促進用流体、破砕流体、酸処理用流体、修復用流体(remedial fluid)、井戸補修用流体(well reworking fluid)または砂利パック流体(gravel pack fluid)である。

別の態様に従う水系連続相は、井戸処理用流体の配合に適合しかつまた本明細書に開示する粘土安定剤とも適合する水性流体相のいずれかである。1つの態様では、水系連続相を淡水、海水、食塩水、水と水溶性有機化合物の混合物およびこれらの混合物から選択する。その水系連続相の量を水性井戸処理用流体が生じるに充分な量にすべきである。1つの態様では、水系連続相の量を水性井戸処理用流体のほぼ100体積%から水性井戸処理用流体の30体積%未満の範囲にしてもよい。別の態様では、水性連続相の量を水性井戸処理用流体の約95体積%から約30体積%にする。更に別の態様では、水性連続相の量を水性井戸処理用流体の約90体積%から約40体積%にする。

この上で考察したように、本水性井戸処理用流体にはまたアルキル化ポリエーテルアミンから成る粘土安定剤も含有させる。1つの態様におけるアルキル化ポリエーテルアミンは式(I):

[式中、 RはC2H4またはCH(CH)3CH2であり、 R1は直鎖もしくは分枝C1からC6アルキル基であり、そして xは1から3の整数である] で表される化合物である。1つの態様におけるRはC2H4でありそしてR1はメチル基、エチル基、イソプロピル基、n−プロピル基、イソブチルまたはn−ブチル基である。別の態様に従うRはC2H4でありそしてR1はエチル基、イソプロピル基またはn−プロピル基である。本開示の1つの例示態様における粘土安定剤は、式(II)で表される化合物または式(III)で表される化合物または式(IV)で表される化合物:

である。本開示の別の例示態様における粘土安定剤は、式(II)で表される化合物または式(IV)で表される化合物:

である。

一般に、そのような粘土安定剤を本水性井戸処理用流体に表面水和が基になった膨潤および/または地中粘土物質の浸透圧が基になった膨潤のいずれかまたは両方を低下させるに充分な量で存在させる。個々の水性井戸処理用流体に存在させる粘土安定剤の正確な量は、水性井戸処理用流体と遭遇する粘土層の組み合わせを試験する試行錯誤方法を用いて決定可能である。1つの態様では、水性井戸処理用流体で用いる本開示の粘土安定剤の量を水性井戸処理用流体1バレル当たり約1から約20ポンド(lbs/bblまたはppb)の範囲にする。別の態様では、本水性井戸処理用流体に存在させる粘土安定剤の量を水性井戸処理用流体の約2から約18ppbの範囲にする。更に別の態様では、本水性井戸処理用流体に存在させる粘土安定剤の量を水性井戸処理用流体の約0.05から約0.5体積%の範囲にする。

本水性井戸処理用流体にまた増量剤も含有させる。そのような増量剤は当該流体の密度を高めることでキックバック(kick−backs)およびブローアウト(blow−outs)を防止する。適切な増量剤には、固体形態、粒子形態、溶液中に懸濁している状態または水系連続相に溶解している状態の如何なる種類の増量剤も含まれる。1つの態様における増量剤は硫酸バリウム、重晶石、赤鉄鉱、酸化鉄、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、有機塩、無機塩またはこれらの混合物である。本水性井戸処理用流体に存在させる増量剤の量をキックバックおよびブローアウトを防止するに有効な量にするが、その量は処理作業下の層の性質に応じて変わる。1つの特定態様では、本水性井戸処理用流体 に入れる増量剤の量を水性井戸処理用流体の800ppb未満、例えば約5ppbから約750ppbまたは約10ppbから約700ppbの濃度にする。

別の態様では、本水性井戸処理用流体に場合により1種以上の通常の添加剤を含有させてもよい。そのような添加剤の例には、これらに限定するものでないが、ゲル化剤、粘度低下剤、流体損失制御剤、カプセル封じ剤、殺菌剤、ゲルブレーカー(gel breakers)、発泡剤、安定剤、滑剤、透過率向上剤、消泡剤、腐食抑制剤、逸泥流体、アンチビットボーリング剤(anti−bit balling agents)、中和剤、pH緩衝剤、界面活性剤、プロパントおよび砂利パッキング用砂が含まれる。

ゲル化剤の例には、これらに限定するものでないが、ベントナイト、セピオライト粘土、アタパルジャイト粘土、アニオン性高分子量重合体およびバイオポリマーが含まれる。

粘度低下剤の例には、これらに限定するものでないが、リグノスルフェート、改質リグノスルフェート、ポリホスフェート、タンニンおよび低分子量ポリアクリレートが含まれる。

流体損失制御剤の例には、これらに限定するものでないが、合成有機重合体、バイオポリマーおよびこれらの混合物、改質褐炭ポリマー、改質澱粉および改質セルロースが含まれる。

カプセル封じ剤の例には、これらに限定するものでないが、合成材料、有機材料、無機材料、バイオポリマーまたはこれらの混合物が含まれる。そのようなカプセル封じ材料の性質はアニオン性、カチオン性または非イオン性であり得る。

本開示の粘土安定剤と増量剤と任意の添加剤を水系連続相と混合することで本水性井戸処理用流体を生じさせることができる。このように、別の態様では、水性井戸処理用流体の製造方法を提供し、この方法は、アルキル化ポリエーテルアミンから成る粘土安定剤、増量剤および任意の添加剤を水系連続相と混合することを含んで成る。

別の態様では、地下層掘削中に遭遇する地中粘土物質の膨潤および/または移動を抑制する方法を提供する。この方法は水系連続相、アルキル化ポリエーテルアミンから成る粘土安定剤および増量剤を含有する水性井戸処理用流体を当該地下層の中に循環させることを包含する。更に別の態様では、地下層を安定化させる方法を提供し、この方法は、前記地下層を本開示の水性井戸処理用流体と接触させる段階を包含する。前記地下層との接触は、例えば、本明細書に開示する水性井戸処理用流体を地下層に水圧破砕または掘削前、中または後に供給することなどで達成可能である。

本水性井戸処理用流体を用いて有効に処理することが可能な地中粘土物質は、様々な形状のもの、例えば微小、板様、管様および/または繊維様粒子の形状であり得、極めて大きな表面積を有する可能性がある。例にはモントモリロナイト(スメクタイト)群の粘土物質、例えばモントモリロナイト、サポナイト、ノントロナイト、ヘクトライトおよびソーコナイトなど、カオリン群、例えばカオリナイト、ナクライト、ディッカイトおよびハロイサイトなど、ヒドロウスミカ(hydrousmica)群、例えばヒドロビオタイト(hydrobiotite)、グロコナイト、イライトおよびブラマライトなど、緑泥石群、例えば緑泥石およびシャモス石など、この上に示した群に属さない粘土物質、例えばバーミキュライト、アタパルジャイトおよびセピオライトなど、およびそのような粘土物質および群の混合層種が含まれる。更に、そのような粘土に他の鉱物成分が結合している可能性もある。

別の態様では、地中粘土物質の膨潤および/または移動を抑制しかつ地下層を安定化させる材料および方法をキットとして提供することも可能であり、そのキットに、当該粘土安定剤、増量剤および任意の添加剤を現場で当該水系連続相と混合するに充分な量で含める。

本明細書に記述する水性井戸処理用流体を用いて地下層を安定化させると結果としてもたらされる事は、炭化水素産物を取り出す工程によって地中粘土物質粒子が地下層から解放されることで起こる膨潤の度合が低下し、地下の移動が低下し、炭化水素産物の流れが低下しないようにしそして/または炭化水素産物を汚染しない。本水性井戸処理用流体を用いないと地中粘土物質が膨潤および/または移動を起こすことで炭化水素生産を妨害または汚染する可能性がある。そのような安定化効果の測定は本水性井戸処理用流体の使用有り無しの井戸を比較するか或は本水性井戸処理用流体の使用有り無しで地下層から取り出したサンプルを通る流体(例えば油、水または天然ガス)の流量を比較することで実施可能である。

地下層を本水性井戸処理用流体と接触させることで地下層を安定化させることができる。1つの態様では、水系連続相、アルキル化ポリエーテルアミンから成る粘土安定剤、増量剤および任意の添加剤を含有して成る水性井戸処理用流体を地下層と接触させることで地中粘土物質の膨潤および/または微細物の移動を軽減することができる。

別の態様では、以前に水圧破砕を受けた地下層を水系連続相、アルキル化ポリエーテルアミンから成る粘土安定剤、増量剤および任意の添加剤を含有して成る水性井戸処理用流体と接触させることで、以前に水圧破砕を受けた地下層を再び安定化させることができる。その水圧破砕を受けた地下層は、例えば炭化水素の抽出を受けた水圧破砕地下層であってもよい。好適には、その水圧破砕地下層は主に粘土、頁岩、砂および/またはこれらの混合物である鉱物が入っている層である。

更に別の態様では、掘削中に掘削孔をフラッシュ洗浄する方法で本水性井戸処理用流体を用いることも可能である。この方法は、本水性井戸処理用流体を地下層掘削中にドリルヘッドに加えることを包含する。

更に別の態様では、本開示の加圧水性井戸処理用流体を1番目の掘削孔に通して供給しそして油を前記地下層から2番目の掘削孔に通して回収することによって油を油含有地下層から抽出する方法を提供する。その地下層は好適には以前に水圧で破砕されかつ以前に油が抽出されたものである。

本発明を例示する目的で以下の実施例を示すが、本発明の範囲を限定することを意図するものでない。

毛細管吸引時間(CST)試験の測定値を人工コアの成形で用いられる粉砕層岩のスラリーが示す相対的流力の測定値として得た。ワイオミングのベントナイト粘土を粉砕した後、その粉砕した粘土を5重量%の量で95重量%の量のシリカ粉に加えることでコアサンプルを生じさせた。次に、そのコアサンプル(4グラム)を40mlの試験用流体(粘土安定剤と水から成る試験用流体)に入れた後、磁気撹拌機上で少なくとも30分間撹拌した。次に、このスラリー(5ml)をCST装置の濾紙が入っている金属製炉に入れた後、そのスラリーが特定の距離を降下するに要する時間を記録した。

ここで、前記CST試験で得たデータを式: ((CSTsample/CSTblank)−1)×100= %変化 [式中、 CSTblankは、コアサンプルが存在しない時に試験流体(KClを水に5重量%溶解)が必要な距離を流れるに要したCST時間である] から得た%変化として報告する。下記の4種類の粘土安定剤に試験を受けさせた:実施例1=2−プロパンアミン、NN’−[1,2−エタンジイルビス(オキシ−2,1−エタンジイル)]ビス−(構造II);実施例2=エタンアミン、NN’−[1,2−エタンジイルビス(オキシ−2,1−エタンジイル)]ビス−、(構造IV);比較実施例3=Huntsman Petrochemical LLCから入手可能なJEFFAMINE(登録商標)D−230 ポリエーテルアミン(構造I R=CH(CH3)CH2、R1=H)および比較実施例4=Huntsman Petrochemical LLCから入手可能なJEFFAMINE(登録商標)SD−231 ポリエーテルアミン(構造1 R=CH(CH3)CH2、R1=i−C3H7)。試験流体のいくつかでは、最初に20gの粘土安定剤を0.5、0.6または2モルの氷酢酸または濃HCl(37%)のいずれかと接触させることで前記粘土安定剤を中和した。それらを以下に混ぜ物なしのアミンもしくは塩の濃度として報告する。

結果の解釈を注目されたい。このCST試験で最良の粘土制御化学品がもたらしたベントナイト膨潤の度合は低い。このように、その試験溶液はカップの中をより速く流れたことで記録された流れ時間はより短い。数値(時間および%変化)が小さいことは粘土制御がより良好であることを示している。試験溶液が基準の5%KCl溶液よりも速く流れた時に得られるパーセント変化値は負である。試験を受けさせた化学品(実施例1および2)が示した結果は一般に比較化学品(比較実施例3および4)が示した結果よりも有意に良好である。表中の1列目に抑制を受けさせなかった溶液が示した膨潤効果を例示する。

本発明の様々な態様の製造および使用をこの上に詳細に記述してきたが、本発明は幅広く多様な特定環境で具体化可能な数多くの適用可能発明概念を提供するものであると理解されるべきである。本明細書で考察した具体的態様は単に本発明の製造および使用を示す具体的方法の例示であり、本発明の範囲を定めるものでない。

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