Submarine production system with the Arctic production tower

申请号 JP2013551971 申请日 2011-12-20 公开(公告)号 JP2014503729A 公开(公告)日 2014-02-13
申请人 エクソンモービル アップストリーム リサーチ カンパニー; 发明人 カール アール ブリンクマン; ドミトリ ジー マツケヴィッチ;
摘要 海洋環境において炭化 水 素回収作業を実施する海底産出システムであって、海底に近接して 位置 するベースを備えた第1の端部及び浮き掘削ユニットを受け取ってこれに解除可能に取り付けられるよう構成されているランディングデッキを備えた第2の端部を有するトラスフレームを備えている。 このシステムは、1つ又は2つ以上の炭化水素 流体 貯蔵セルを更に備えている。 貯蔵セルは、トラスフレームのベースの近くで海底に位置する。 システムは、海面の近くでトラスフレーム内に位置すると共に炭化水素流体貯蔵セルと流体連通状態にある海底産出作業機器を更に備えている。 このようなコンポーネントを設置する方法も又、提供される。
权利要求
  • 海洋環境において炭化水素回収作業を実施する海底産出システムであって、前記海洋環境は、海面及び海底を有する海域を含み、
    第1の端部及び反対側の第2の端部を備え、前記第1の端部が前記海底に近接して位置するベースを有する細長いトラスフレームと、
    前記トラスフレームの前記第2の端部に設けられ、浮き掘削ユニットを受け取ってこれに解除可能に取り付けられるよう構成され、海面よりも下での浮遊氷床との接触を回避するのに十分な距離に位置するランディングデッキと、
    前記トラスフレームの前記ベースに近接して前記海底に位置する1つ又は2つ以上の流体貯蔵セルであって、前記1つ又は2つ以上の流体貯蔵セルのうちの少なくとも1つが炭化水素流体を受け取る炭化水素流体貯蔵セルと、
    前記海底の上方に且つ前記トラスフレームの前記第2の端部に近接して位置し、前記少なくとも1つの炭化水素流体貯蔵セルと流体連通状態にある海底産出作業機器と、を備えている、
    ことを特徴とする海底産出システム。
  • 前記海底産出作業機器は、(i)発電機器、(ii)圧力ポンプ、(iii)制御弁、(iv)産出マニホルド、(v)流体分離機器又は(vi)これらの組み合わせを備えている、
    請求項1記載の海底産出システム。
  • 前記海底産出作業機器と前記少なくとも1つの炭化水素流体貯蔵セルを流体連通させる炭化水素輸送ラインを更に備えている、
    請求項1記載の海底産出システム。
  • 前記トラスフレーム上に設けられた複数個の坑口装置を更に含み、各坑口装置は、前記海底から前記トラスフレーム中に延びる表面ケーシングを通って地下貯留層からの産出流体を受け取り、産出流体を前記坑口装置から前記海底産出作業機器に送る産出フローラインを更に備えている、
    請求項1記載の海底産出システム。
  • 炭化水素流体を前記少なくとも1つの炭化水素流体貯蔵セルから前記海面の輸送船に輸送する産出ライザを更に含み、前記産出ライザは、前記輸送船と選択的流体連通状態にある、
    請求項1記載の海底産出システム。
  • 前記海底産出作業機器は、前記海底上に配置された複数個の坑口装置から産出流体を受け取り、前記海底産出システムは、産出流体を前記それぞれの海底坑口装置から前記トラスフレームの前記第2の端部に近接して位置する前記海底産出作業機器に輸送する産出フローラインを更に備えている、
    請求項1記載の海底産出システム。
  • 前記トラスフレームは、全体として切頭形である、
    請求項1記載の海底産出システム。
  • 前記トラスフレームは、前記第1の端部と前記第2の端部との間に実質的に一定の幅を有する、
    請求項1記載の海底産出システム。
  • 前記1つ又は2つ以上の流体貯蔵セルを備えた重力ベース構造物を更に備えている、
    請求項1記載の海底産出システム。
  • 前記トラスフレームの前記第1の端部は、重力ベースを有する、
    請求項1記載の海底産出システム。
  • 前記産出タワーを取り囲む複数本の係留ラインを更に含み、各係留ラインは、前記トラスフレームに連結された第1の端部及び前記海底に設けられたアンカに連結された第2の端部を有する、
    請求項1記載の海底産出システム。
  • 前記アンカの各々は、重力により前記海底上に保持されたおもり付きブロック又は前記海底に固定された複数本の杭打ちピラー若しくは吸引ピラーを備えているフレーム構造体を有する、
    請求項11記載の海底産出システム。
  • 前記複数本の係留ラインの各々の前記第1の端部は、前記トラスフレームの前記第2の端部の近くで前記トラスフレームに連結されている、
    請求項11記載の海底産出システム。
  • 前記係留ラインの各々は、チェーン、ワイヤロープ、合成ロープ、アイバー又はパイプから製作されている、
    請求項11記載の海底産出システム。
  • 前記トラスフレーム内に設けられた1つ又は2つ以上の浮力タンクを更に備えている、
    請求項1記載の海底産出システム。
  • 前記ランディングデッキは、前記海面よりも少なくとも約20メートル(66フィート)下に位置する、
    請求項15記載の海底産出システム。
  • 前記トラスフレームは、関節連結構造体を構成し、前記関節連結構造体は、
    前記海底から前記トラスフレームの前記第1の端部と前記第2の端部の中間に位置するピボット箇所まで上方に延びる実質的に剛性の下側区分と、
    前記ピボット箇所から前記ランディングデッキまで上方に延びる応従性の上側区分とを含み、
    前記応従性上側区分は、波のエネルギー及び海流に応答して前記下側区分に対して回動することができるようになっている、
    請求項1記載の海底産出システム。
  • 前記実質的に剛性の下側区分は、
    前記トラスフレームに取り付けられた複数本の杭スリーブと、
    前記実質的に剛性の下側区分と前記応従性上側区分の相対的回動運動を可能にするよう前記杭スリーブを貫通して延びる複数本の杭とを有する、
    請求項17記載の海底産出システム。
  • 前記複数本の杭スリーブの各々は、前記下側区分に取り付けられ、
    対応の前記杭の各々は、前記応従性上側区分に取り付けられている、
    請求項18記載の海底産出システム。
  • 前記複数本の杭スリーブの各々は、前記応従性上側区分に取り付けられ、
    対応の前記杭の各々は、前記下側区分に取り付けられている、
    請求項18記載の海底産出システム。
  • 前記実質的に剛性の下側区分は、前記海底に設けられた重力ベースを有する、
    請求項18記載の海底産出システム。
  • 前記掘削ユニットは、
    前記海洋環境における作業を実施するプラットホームと、
    前記海面の下で浮力調整及び安定性を提供するよう構成されたタワーと、
    前記ランディングデッキに取り付け可能なベースと、を備えている、
    請求項1記載の海底産出システム。
  • 海洋環境において海底産出システム用のコンポーネントを設置する方法であって、前記海洋環境は海面及び海底を有する海域を含み、
    前記海洋環境中に炭化水素回収作業のための場所を特定するステップと、
    1つ又は2つ以上の炭化水素流体貯蔵セルを前記選択された場所で前記海底上に配置するステップと、
    細長いトラスフレームを前記選択された場所に輸送するステップであって、前記トラスフレームは、第1の端部及び反対側の第2の端部を有するステップと、
    前記トラスフレームを前記海洋環境内に設置して前記第1の端部が前記1つ又は2つ以上の炭化水素流体貯蔵セルに近接して前記海底上に配置されるようにするステップと、
    海底産出作業機器を備えているフレーム構造体を輸送するステップと、
    前記フレーム構造体を前記トラスフレームの前記第2の端部に近接して設置するステップと、
    ランディングデッキを前記トラスフレームの前記第2の端部に設置するステップと、
    浮き掘削ユニットを前記選択された場所に輸送するステップと、
    前記浮き掘削ユニットを前記トラスフレームの前記ランディングデッキに解除可能に取り付けるステップと、
    炭化水素輸送ラインを連結して前記海底産出作業機器と前記1つ又は2つ以上の炭化水素流体貯蔵セルとを流体連通させるステップと、を備えている、
    ことを特徴とする方法。
  • 前記海底産出作業機器は、(i)発電機器、(ii)圧力ポンプ、(iii)制御弁、(iv)産出マニホルド、(v)流体分離機器又は(vi)これらの組み合わせを備えている、
    請求項23記載の海底産出システム。
  • 複数個の坑井を前記海底を通って地下貯留層中に掘削するステップと、
    炭化水素流体を産出するステップと、を更に備えている、
    請求項23記載の方法。
  • 各坑井のための複数個の坑口装置を前記トラスフレーム上に配置するステップを更に含み、各坑口装置は、前記海底から前記トラスフレーム中に延びる表面ケーシングを通って地下貯留層からの産出流体を受け取り、
    産出流体をそれぞれの前記坑口装置から前記海底産出作業機器に送る産出フローラインを設置するステップを更に備えている、
    請求項25記載の海底産出システム。
  • 前記海底産出作業機器により受け取られた産出流体の全ては、前記トラスフレーム上に設けられた前記複数個の坑口装置を通って流れる、
    請求項26記載の方法。
  • 各坑井用の複数個の坑口装置を前記海底上に配置するステップと、
    産出流体をそれぞれの前記坑口装置から前記海底産出作業機器に送る産出フローラインを設置するステップと、を更に備えている、
    請求項25記載の海底産出システム。
  • 産出ライザの第1の端部を前記1つ又は2つ以上の炭化水素流体貯蔵セルと流体連通関係をなして配置するステップと、
    炭化水素流体を前記1つ又は2つ以上の炭化水素流体貯蔵セルから輸送船に移送するステップと、を更に備えている、
    請求項25記載の方法。
  • 複数個のアンカを前記海底上に下降させるステップを更に含み、前記アンカは、前記トラスフレームを取り囲み、
    対応の複数本の係留ラインを用意するステップを更に含み、各係留ラインは、第1の端部及び第2の端部を有し、
    各係留ラインの前記第1の端部を前記海底のアンカに連結すると共に各係留ラインの第2の端部を前記トラスフレームに連結するステップを更に備えている、
    請求項23記載の方法。
  • 前記アンカの各々は、重力により前記海底上に保持されたおもり付きブロック又は前記海底の近くで地盤に固定された複数本の杭打ちピラー若しくは吸引ピラーを備えているフレーム構造体を有する、
    請求項30記載の海底産出システム。
  • 前記トラスフレームは、関節連結構造体を構成し、前記関節連結構造体は、
    前記海底から前記トラスフレームの前記第1の端部と前記第2の端部の中間に位置するピボット箇所まで上方に延びる実質的に剛性の下側区分と、
    前記ピボット箇所から前記ランディングデッキに向って上方に延びる応従性の上側区分と、を備え、前記応従性上側区分は、波のエネルギー及び海流に応答して前記下側区分に対して側方に回動することができるようになっている、
    請求項23記載の海底産出システム。
  • 浮き掘削ユニットを前記トラスフレームの前記ランディングデッキに取り付けるステップを更に備えている、
    請求項23記載の方法。
  • 前記海洋環境内の移動中の氷床を識別するステップと、
    前記浮き掘削ユニットを前記トラスフレームの前記ランディングデッキから切り離すステップと、
    前記浮き掘削ユニットを前記海洋環境中の新たな場所に一時的に移動させて前記移動中の氷床を回避するステップとを更に備えている、請求項23記載の方法。
  • 前記海洋環境内の移動中の氷床の予想最大深さを求めるステップと、
    前記細長いトラスフレームを立設したときに前記ランディングデッキが前記最大深さよりも下に位置するよう前記細長いトラスフレームを寸法決めするステップと、を更に備えている、
    請求項23記載の方法。
  • 前記ランディングデッキは、前記海面よりも少なくとも約20メートル(66フィート)下に位置する、
    請求項35記載の海底産出システム。
  • 海洋環境において浮き掘削ユニットを海洋の場所から移動させる方法であって、前記海洋環境は海面及び海底を有する海域を含み、
    前記海洋環境内の移動中の氷床を識別するステップと、
    前記掘削ユニットを海底産出タワーから切り離すステップであって、前記海底産出タワーは、
    第1の端部及び反対側の第2の端部を備えた細長いトラスフレームを有し、前記第1の端部は、前記海底に近接して位置するベースを有し、
    前記トラスフレームの前記第2の端部に設けられたランディングデッキを有し、前記ランディングデッキは、浮き掘削ユニットを受け取ってこれに解除可能に取り付けられるよう構成され、前記ランディングデッキは、前記海面よりも少なくとも20メートル(66フィート)下に位置し、
    前記海底の上方に且つ前記トラスフレームの前記第2の端部に近接して位置する海底産出作業機器を有し、流体分離機器が前記海底上の少なくとも1つの炭化水素流体貯蔵セルと流体連通状態にあるステップと、
    前記掘削ユニットを前記海洋環境内の新たな場所に一時的に再位置決めして前記移動中の氷床を回避するステップと、
    前記掘削ユニットを前記氷床が前記海洋場所を通過した後に前記産出タワーの前記ランディングデッキに戻すステップと、を備えている、
    ことを特徴とする方法。
  • 说明书全文

    本発明は、海洋掘削技術分野に関する。 特に、本発明は、主として氷の多い北極圏海域で使用するための海底産出タワー(塔)に関する。

    〔関連分野の説明〕
    本願は、2011年1月28日に出願された米国特許仮出願第61/437,381号(発明の名称:Subsea Production System Having Arctic Production Tower)の優先権主張出願であり、この米国特許仮出願を参照により引用し、その記載内容全体を本明細書の一部とする。

    本項は、本発明の例示の実施形態と関連している場合のある当該技術分野の種々の観点を紹介するものである。 この説明は、本発明の特定の観点の良好な理解を容易にする技術内容の枠組みを提供するのを助けるものと考えられる。 従って、本項は、このような見方で読まれるべきであり、必ずしも本項の記載内容が先行技術である旨の承認として読まれるべきではないことは理解されるべきである。

    化石燃料に対する世界の需要が高まっているので、エネルギー会社は、陸地(オンショア)と海洋(オフショア)の両方における世界の遠隔且つ悪条件の地域に埋蔵されている炭化素資源を追い求めている。 このような地域としては、周囲空気温度が氷点下を優に下回る温度に達する北極圏が挙げられる。 特定の陸地の例としては、カナダ、グリーンランド及び北アラスカが挙げられる。 海洋の例としては、米国及びカナダ国のボーフォート海が挙げられる。

    海洋北極圏で遭遇する主要な問題のうちの1つは、氷床が海面上に絶え間なく生じることである。 水深が20メートル又は25メートルを超える海岸線から離れたところで生じる氷の塊は、これらがほぼ絶え間なく動いているという点において動的である。 氷塊又は氷床は、例えば風、波及び海流のような環境要因に応答して動く。 氷床は、約1メートル/秒という速い速度で海中又は水中(本明細書において、用語としての「海」と「水」は区別なく用いられる)を側方に動く場合がある。 このような動的な氷塊は、これら氷塊の経路中の構造的物体に途方もなく大きなを及ぼす場合がある。

    北極海域で遭遇する関連の危険性は、氷丘脈である。 これらは、通常、氷床内で生じ、又、氷床の衝突によって生じた板状氷及び再凍結ラブルの互いにオーバラップした層から成る場合のある大きな氷山である。 氷丘脈は、厚さが最大30メートル以上にもなる場合があり、従って、通常の板状氷よりも比例して大きな力を及ぼす場合がある。

    海面へ突出した底部支持型静止構造物は、海洋北極圏、特に水深のある領域において特に損傷しやすい。 氷床又は氷丘脈の大きな力は、水面の近くに向けられる。 海洋構造物が海面よりもかなり下に延びる長くて比較的細い柱又はコラムによって支持された掘削プラットホーム又はデッキを有する場合、側方に動いている氷によって生じる曲げモーメントは、プラットホームを倒壊させるほど十分に大きい場合がある。 したがって、北極圏海域で操業する海洋構造物は、氷丘脈及び移動中の氷によって生じる力に耐え又は打ち勝つことができなければならない。

    移動中の氷床によりもたらされる危険性に加えて、底部支持型静止構造物は、海流及び/又は海面波にもさらされる。 海上構造物は、激しい暴風雨により生じる極めて大きな波の比較的めったに起こらない衝撃だけでなく大抵の海上模様下において存在する小さな波の衝撃の繰り返しの累積効果にも耐えるよう設計されなければならない。 これら波の条件は、約6秒〜20秒の波周期を含む。

    深い(約300m以上の)海域の周期的な波力に耐えるため、いわゆる応従性(コンプライアント)タワーが設計された。 応従性タワーは、環境力に剛性的に抵抗することはない底部基礎型構造物であるが、更に適切に言えば、応従性タワーは、周期的な波力に対して制御された仕方で撓むよう設計されている。 この点に関し、このタワーは、加えられた周期的波力に応答して垂直から数度揺動するようになる。 この揺動により、加えられた周期的波力に対抗する慣性復元力が生じる。

    応従性タワーは、ピン留め一端部を備えたビーム、一自由端部及び自由端部に加えられると共にこれに垂直な下辺復元力を有することを特徴としていると言える。 復元力は、例えば、1本又は2本以上の支線(ガイワイヤ)、ブイ又はこれら両方に由来する場合がある。 応従性タワーに関する追加の情報が米国特許第4,610,569号(以下、「第'569号特許」と言う場合がある)明細書(発明の名称:Hybrid Offshore Structure)に見受けられる。 第'569号特許を参照により引用し、その記載内容を本明細書の一部とする。 この特許は、1986年に発行され、エクソン・プロダクション・リサーチ・カンパニー(Exxon Production Research Co.)に譲渡された。

    応従性タワーは、300メートルを超えるが約1,000メートル以下の水深で用いられるのが理想的である。 応従性タワーを経済的に採用する深さを増大させると共に応従性タワーに更にレジリエンスを提供するため、第'569号特許は、固定ベース(非応従性)構造物上に基礎を置いた応従性タワーを有するハイブリッド型海上構造物を提供している。 応従性タワーは、実質的に剛性の下側区分の頂部に回動的に取り付けられた応従性上側区分を有する。 第'569号特許の好ましい実施形態では、ピボット箇所が海域の全深さの約10パーセント〜約50パーセントの距離よりも上方に配置される。

    米国特許第4,610,569号明細書

    北極海の条件は、操業するのに不凍海域を必要とする海上船舶に関して操業上の機会を著しく制限する。 産出タワーの構成とは無関係に、海上における産出作業をセットアップする方法を早める改良型北極圏産出タワーに関する要望が存在する。 さらに、流体分離機器又は他の掘削若しくは産出関連機器を迅速にセットアップすることができる海底産出システムに関する要望が存在する。

    海洋環境において炭化水素回収作業を実施する海底産出システムが提供される。 海洋環境は、海面及び海底を有する海域を表す。 海底産出システムは、原理的には、作業期間中に浮遊氷床を有する海洋環境向きに設計されている。 というのは、坑口装置、産出作業機器、貯蔵及び支持構造体が全て海面近くの氷の影響を受けるゾーンの真下に配置されるからである。 設置の効率並びに設備投資及び作業費の著しい減少は、本発明の重要な特徴である。 しかしながら、非北極圏への利用は、状況が海面突出構造物の採用を可能にしない場合に可能である。

    一実施形態では、海底産出システムは、産出タワーを含む。 産出タワーは、第1の端部及び反対側の第2の端部を有する。 タワーの第1の端部は、海底に近接して位置するベースを有する。 ベースは、好ましくは、コンクリートブロック又は重い鋼製のフレームから製作された重力ベースである。 第2の端部は、水中を上方に延びるが、海面近くの氷で影響を受けるゾーンの下で終端する。

    海底産出システムは、ランディングデッキを更に含む。 ランディングデッキは、産出タワーの第2の端部に配置される。 ランディングデッキは、浮き掘削ユニットを受け入れると共にこれに解除可能に取り付けられるよう構成されている。 海洋環境内における設置の際、ランディングデッキは、海面よりも下に浮遊している氷床を回避するのに十分な距離に位置する。 好ましくは、この距離は、少なくとも20メートル(66フィート)である。

    海底産出システムは、1つ又は2つ以上の流体貯蔵セルを更に備えているのが良い。 流体貯蔵セルは、海底に配置され、これら流体貯蔵セルは、好ましくは、産出タワーのベース中に組み込まれるのが良い。 流体貯蔵セルのうちの少なくとも1つは、炭化水素流体貯蔵セルである。 炭化水素流体貯蔵セルは、産出作業中に回収された炭化水素流体を受け入れてこれを一時的に貯蔵する。

    産出システムは、海底産出作業機器を備えているのが良い。 作業機器は、ランディングデッキの真下で産出タワーのトラスフレーム内に位置する。 海面の近くの海底産出作業機器の配置場所は、浅い水深の場合の面倒な設計上の要件が少ないという利益を有し、これは、機器を構築する資本費が少ないということを意味する。 或る特定の形式の機器、例えばローパワー重力分離容器が水深の深い配置場所向きの産出システム内に設けられるのが良く、このような水深の深い配置場所は、海底産出機器の全てが海底上に配置される場合には(より典型的な方式である)これら容器の使用を妨げる場合がある。 作業機器は、例えば、(i)発電機器、(ii)圧力ポンプ、(iii)制御弁、(iv)産出マニホルド、(v)流体分離機器又は(vi)これらの組み合わせを備えている場合がある。

    海底産出作業機器は、それ自体の構造フレーム内に共同設置されている。 この構成により、コスト上の利点が得られる。 というのは、海底産出作業機器は、(1)設置に先立って陸上で一緒に試験され、(2)単一且つ迅速な海上作業で一ユニットとして設置され、(3)典型的な「スプレッド」海底アーキテクチャよりも迅速に坑井及び貯蔵セル内に結合されるからである。

    産出タワーは、海洋環境内の選択された場所に配置される。 複数個の坑井が選択された場所の領域に掘削され、各坑井は、地下貯留層の深さで仕上げられる。 さらに、各坑井は、坑口装置を有する。

    一実施形態では、複数個の坑口装置がトラスフレーム上に又はトラスフレーム内に設けられる。 各坑口装置は、海底からトラスフレーム中に延びる表面ケーシングを通って地下貯留層からの産出流体を受け取る。 この場合、産出流体を坑口装置から海底産出作業機器に送る産出フローラインが設けられる。

    別の実施形態では、複数個の坑口装置は、海底上に設けられる。 産出作業機器は、海底上に配置された複数の坑口装置から産出流体を受け取る。 この場合、産出タワーは、産出流体をそれぞれの海底坑口装置からトラスフレーム内の産出作業機器に輸送する1本又は2本以上の産出フローラインを更に備えている。

    海底産出システムは、産出ライザを更に備えているのが良い。 産出ライザは、炭化水素流体を少なくとも1つの炭化水素流体貯蔵セルから海面の輸送船に輸送する。 産出ライザは、輸送船と選択的流体連通状態にある。

    海底産出タワーは、関節連結構造物であることが好ましい。 この場合、タワーは、少なくとも2つの区分を有する。 これら区分は、実質的に剛性の下側区分及び応従性上側区分を備えているのが良い。 剛性下側区分は、海底に重力ベースを有するのが良い。 剛性下側区分は、海底から下方区分の上端と上側区分の下端との中間に位置したピボット箇所まで上方に延びている。 応従性上側区分は、ピボット箇所からランディングデッキまで上方に延びる。 このように、応従性上側区分は、上述した波のエネルギーに応答して下側区分に対して回動することができる。 この応従性要件は、浮き掘削ユニットが取り付けられると、掘削ユニットに作用する場合のある大きな波力に起因して、特に必要である。 それと同時に、産出タワーは、静的(非周期的)風及び海流の力に抵抗するのに十分剛性でなければならない。

    海底産出システム用のコンポーネントを設置する方法も又、本明細書において提供される。 この方法の重要な利点は、コンポーネントの各々を設置するのに必要な短い「時間窓(設置にとって好機となる時間枠)」、即ち、氷の多い状態が設置作業に役立つ「時間窓」を制限する場合のある北極圏環境において重要な特徴である。 海水を表す海洋環境内に海底産出システムを設置する。 海洋環境は、この場合も又、表面及び海底を有する。

    一実施形態では、この方法は、炭化水素回収作業のための場所を海洋環境中に特定するステップを備えている。 この方法は、1つ又は2つ以上の炭化水素流体貯蔵セルを好ましくは産出タワー用のベースとして使用するために選択された場所で海底上に配置するステップを更に備えている。

    この方法は、トラスタワーを選択された場所に輸送するステップを更に備えている。 トラスタワーは、産出タワーのベースに連結される第1の端部及びランディングデッキを備えた反対側の第2の端部を有する。 この方法は、次に、トラスタワーを海洋環境内で立設するステップを備えている。 このステップでは、第1の端部を1つ又は2つ以上の炭化水素流体貯蔵セルの近くで海底上に配置する。

    オペレータは、海洋環境内の移動中の氷床の予想最大深さを求めるのが良い。 次に、タワーをトラスフレームが立設されたときにランディングデッキが最大深さの下に位置するよう寸法決めする。 好ましくは、ランディングデッキは、海面より少なくとも20m下に位置する。 このようにすると、産出タワーは、移動中の氷床との接触を回避することができる。

    この方法は、海底産出作業機器を産出タワー内に配置するステップを更に備えている。 好ましくは、産出作業機器を産出タワー上に設置されたトラスフレーム構造体中にあらかじめ設置する。 変形例として、産出作業機器を水線の下に下降させ、そしてフレームが輸送されて海上に立設された後、トラスフレームに固定する。 次に、炭化水素輸送ラインを連結して産出作業機器と1つ又は2つ以上の炭化水素流体貯蔵セルとを流体連通させる。

    海底産出作業機器は、例えば、(i)発電機器、(ii)圧力ポンプ、(iii)制御弁、(iv)産出マニホルド、(v)流体分離機器又は(vi)これらの組み合わせを備えている場合がある。

    この方法は、複数個の坑井を海底を通って地下貯留層中に掘削するステップを更に備えている。 しかる後、この方法は、地下貯留層から炭化水素流体を産出するステップを備えている。

    掘削と関連して、この方法は、浮き掘削ユニットを選択された場所に輸送するステップを更に備えている。 次に、浮き掘削ユニットを産出タワーのランディングデッキに取り付ける。 これは、水をバラストタンク中に取り込んで掘削ユニットをランディングデッキに取り付けることができるようにするステップを備えているのが良い。 浮き掘削ユニットを掘削作業のため、産出作業機器の点検整備のため、掘削修復作業のため又はこれらの組み合わせのために用いる。 浮き掘削ユニットを海上掘削段階の終わりでランディングデッキから取り外すのが良い。 大きな浮遊氷塊との衝突を回避することが必要な場合、掘削ユニットを一時的にランディングデッキから取り外して海洋環境内の安全な領域に移動させるのが良い。

    掘削と関連して、この方法は、各坑井のための複数の坑口装置を産出タワー上に配置するステップを更に備えているのが良い。 各坑口装置は、海底からトラスフレーム中に延びる表面ケーシングを通って地下貯留層からの産出流体を受け取る。 次いで、産出流体をそれぞれの坑口装置から海底産出作業機器に送る産出フローラインを設置する。

    変形例として、この方法は、各坑井用の複数個の坑口装置を海底上に配置するステップを更に備えているのが良い。 次いで、産出流体をそれぞれの坑口装置から海底産出作業機器に送る産出フローラインを設置する。 次に、炭化水素流体を地下貯留層から海底まで産出し、次に産出タワー内の産出作業機器に輸送する。

    この方法は、産出ライザの第1の端部を1つ又は2つ以上の炭化水素流体貯蔵セルと流体連通関係をなして配置するステップを更に備えている。 産出ライザの第2の端部を海面の輸送船に取り外し可能に取り付ける。 これは、例えば、トップサイドホースを介して行われるのが良い。 しかる後、この方法は、 炭化水素流体を1つ又は2つ以上の炭化水素流体貯蔵セルから輸送船に移送するステップを備えている。

    本発明を良好に理解できるように、或る特定の図解、図表及び/又はフローチャートが本明細書に添付されている。 しかしながら、図面は、本発明の選択された実施形態のみを示しており、従って、本発明の範囲を限定するものと解されてはならないことは注目されるべきである。 というのは、本発明は、他の同様に効果的な実施形態及び用途に利用できる余地があるからである。

    本発明の一実施形態としての海底産出システムの側面図であり、産出タワー及びこれに取り付けられた浮き海上掘削ユニットが海洋環境内で見えるようにした図である。

    一実施形態としての図1の産出タワーの部分側面図であり、この場合、杭ガイドがタワーの実質的に剛性の下側区分に連結され、ピボット箇所がタワーに沿って見えるようにした図である。

    図1の産出タワーの変形実施形態の部分側面図であり、この場合、杭ガイドがタワーの応従性上側区分に連結され、ピボット箇所がこの場合も又タワーに沿って見えるようにした図である。

    図3Bと一緒になって単一のフローチャートであって、海底産出システム用のコンポーネントを海洋環境内に設置する方法に関する図であり、コンポーネントが海底産出作業機器を搭載した産出タワーを含んでいる状態を表す図である。

    図3Aと一緒になって単一のフローチャートであって、海底産出システム用のコンポーネントを海洋環境内に設置する方法に関する図であり、コンポーネントが海底産出作業機器を搭載した産出タワーを含んでいる状態を表す図である。

    図3A及び図3Bのフローチャートに従って海底産出システムを設置するために取ることができる一連のステップのうちの1つを示す図であって、海底炭化水素産出作業を実施するための場所を示すと共に一群の炭化水素流体貯蔵セルを海洋環境内の選択された場所で海底に下降している状態を示す側面図であり、表面及び海底を有する海域を表している海洋環境が示されている図である。

    図3A及び図3Bのフローチャートに従って海底産出システムを設置するために取ることができる一連のステップのうちの1つを示す図であって、産出タワーが炭化水素流体貯蔵セルに近接して海底上に立設されている状態を示す図であり、表面及び海底を有する海域を表している海洋環境が示されている図である。

    図3A及び図3Bのフローチャートに従って海底産出システムを設置するために取ることができる一連のステップのうちの1つを示す図であって、係留システム用のアンカを海底に下降させている状態を示す図であり、表面及び海底を有する海域を表している海洋環境が示されている図である。

    図3A及び図3Bのフローチャートに従って海底産出システムを設置するために取ることができる一連のステップのうちの1つを示す図であって、係留ラインをアンカと産出タワーの上端との間に連結している状態を示す図であり、表面及び海底を有する海域を表している海洋環境が示されている図である。

    図3A及び図3Bのフローチャートに従って海底産出システムを設置するために取ることができる一連のステップのうちの1つを示す図であって、浮き掘削ユニットを産出タワーの頂部でランディングデッキ上に配置している状態を示す図であり、追加のアンカ及び対応の係留ラインも配置されている状態を示す図であり、表面及び海底を有する海域を表している海洋環境が示されている図である(コンポーネントは、縮尺通りではないことを理解されたい)。

    浮き掘削ユニットをランディングデッキから動かすステップを示すフローチャートである。

    定義 本明細書で用いられる「炭化水素」という用語は、主として元素としての水素及び炭素(これらが全てであるというわけではない)を含む有機化合物を意味している。 炭化水素は、一般に、2つの種類、即ち、脂肪族又は直鎖炭化水素及び環状テルペンを含む環状又は閉リング炭化水素に分類される。 炭化水素含有物質の例としては、任意形式の天然ガス、石油、石炭及び燃料として使用でき又は燃料にアップグレードできるビチューメンが挙げられる。

    本明細書に用いられる「流体」という用語は、気体、液体及び気体と液体の組み合わせ並びに気体と固体の組み合わせ及び液体と固体の組み合わせを意味している。

    本明細書で用いられる「地下」という用語は、地表の下に生じている地質学的地層を意味している。

    「海底」という用語は、海洋環境の床を意味する。 海洋環境は、波、風及び/又は海流を生じる海洋、海又は任意他の海域若しくは水域であるのが良い。

    「北極(圏)」という用語は、特徴的な氷が生じ又は移動する任意の海洋区域を意味する。 本明細書で用いられる「北極(圏)」という用語は、北極点と南極点の両方の近くに位置する地理区を含むほど広い概念である。

    「海洋環境」という用語は、任意の海洋、海上又は沖合の場所を意味している。 海洋場所は、浅い海域であっても良く、深い海域であっても良い。 海洋環境は、海洋域、港、大きな湖、河口域、海又は海峡である場合がある。

    「氷床」という用語は、浮遊すると共に移動している氷塊、氷盤又は氷原を意味している。 この用語は、氷床中の氷丘脈をも含む。

    「ランディングデッキ」という用語は、掘削ユニットを受け入れるよう寸法決めされると共に形作られたプラットホームを意味する。

    「浮き掘削ユニット」という用語は、海上作業、例えば炭化水素掘削又は産出作業を実施できる浮きプラットホームを意味している。 浮き掘削ユニットは、代表的には、デリック(やぐら)、ケリー、パイプスタンド、泥水ポンプ、ホイスト等を含む。

    特定の実施形態の説明 図1は、本発明の一実施形態としての海底産出システム10の側面図である。 産出システム10は、海底環境で働く。 海洋環境50は、海面(又は水線)52及び海底(又は水底)54を有する海域又は水域55を表している。 海洋環境50は、好ましくは、1年の大部分の間、実質的に氷の多い状態を呈する北極海域である。 例示としては、サハリン島のオホーツク海並びに米国及びカナダ国のボーフォート海が挙げられる。

    最初に、海底産出システム10は、産出タワー100を有する。 産出タワー100は、浮き海上掘削ユニット150を支持するよう設計されている。 産出タワー100は、掘削ユニット150を受け入れるランディングデッキ120を有する。 産出タワー100及び掘削ユニット150は、海洋環境50内で互いに取り付けられるものとして示されている。

    図1を参照すると、海洋環境50には実質的に氷がない。 しかしながら、2つの小さな氷床108が海面52に沿って浮いた状態で見える。 氷床108は、掘削ユニット150との衝突がそれほど懸念すべきものではないような小さなサイズのものであると言って良い。 氷床108が大きい場合、砕氷船を用いて氷床を破砕するのが良い。 変形例として、北極圏用タグボートを用いて氷床の流れる向きを変えても良い。 浮き掘削ユニット150は、これがランディングデッキ120に解除可能に取り付けられるよう構成されている限り任意形式のものであって良い。 図1の例示の掘削ユニット150は、デリック152を備えている。 掘削ユニット150は、プラットホーム154を更に備えている。 デリック152とプラットホーム154は一緒になって、海洋環境50内においてオペレータが掘削作業を実施し、産出作業機器を点検整備し、掘削修復作業又はこれらの組み合わせを実施することができるようにする。

    浮き掘削ユニット150は、浮力調整又はバーストタワー156を更に備えている。 この例示の構成では、タワー156は、直立位置で海域中に浮く実質的に円筒形の本体を備えている。 このような構造は、海洋業界において「ケーソン」と呼ばれる場合がある。 しかしながら、この例示のタワー156は、ケーソン又は他の特定のタワー構成に限定されることはない。 タワー156は、アルキメデスの原理に従って浮くので、タワーは、デリック152及びプラットホーム154の支持体となる。 タワー156により、掘削ユニット150は、これがランディングデッキ120に取り付けられていないときであっても海域55の海面52に浮くことができる。

    浮力調整タワー156は、オプションとして、作業機器を備えているのが良い。 このような機器としては、シェールシェーカ、泥水ポンプ、流体貯蔵タンク、乗組員居住区域並びに掘削及び産出作業のための他の施設が挙げられる。 タワー156は、更に、機器及び必需品の貯蔵施設として、又、居住区域として使用できる。

    浮き掘削ユニット150は、ランディングデッキ120に解除可能に取り付けられるよう構成されている。 取り付けを行うため、掘削ユニット150は、ベース158を備えている。 ベース158は、連結パイプ又は支持部材122を有するのが良い。 支持部材122は、ベース158の下面に連結され、次にランディングデッキ120に連結される。

    米国特許第3,412,564号明細書(発明の名称:Sub-Sea Working and Drilling Apparatus)は、海洋底から水中プラットホーム31まで延びるレッグ33を有する海底ベース構造体30を記載している。 プラットホーム31は、波の作用を減少させると共に航行上の危険を回避するのに十分な海面よりも下の深さに配置される。 プラットホーム31は、浮くことができる構造体を位置決めすると共に側方に結合する手段を有する。 このような構成を本明細書において説明する産出タワー100に用いることができる。 第´564号特許を参照により引用し、その記載内容全体を本明細書の一部とする。 しかしながら、当業者であれば第´564号特許明細書に記載された方法が技術的に実施可能ではないことを明確に理解できることに注目されたい。 第´564号特許に関する技術的な問題は、ケーソン構造体が比較的剛性の支持構造体30に伝達する荷重が並外れて大きいことである。 一般に、大きなケーソン型浮き構造体は、動くようになっていなければ大きな波浪荷重を発生させる。 例えば、船舶は、アンカに固定され又は係留されていても周期的な波浪荷重に応答して依然として動く。 アンカ又は係留ラインは、船舶をしっかりと拘束することはなく、むしろ船舶を漂流しないようにする。 船舶の動きにより、周期的波浪荷重に抵抗することが可能な慣性荷重(質量×加速度)が生じる。 浮きケーソンが本発明の場合のように応従的に支持される場合、荷重が大幅に減少する。 この水力学的説明は、第´564号特許明細書には見あたらない。

    理解されるように、産出タワー100は、掘削ユニット150をランディングデッキ120に連結する構造によって制限されることはない。 しかしながら、好ましくは、このような連結により、ランディングデッキ120から容易に切り離すことができ、そして大きな氷床を一時的に回避するよう掘削ユニット150を浮かべた状態で遠ざけることができる。

    タワー156は、制御可能なバラストコンパートメントを有する。 バラストコンパートメントは、水を選択的に受け入れたり放出したりする。 これにより、オペレータは、海域55の海面52に対する掘削ユニット150の高さを選択的に上下させることができる。 これにより、ランディングデッキ120へのベース158の選択的取り付けが容易になる。

    再び産出タワー100を参照すると、タワー100は、細長いトラスフレーム110を備えている。 産出タワー100は、ベース112として働く第1の端部を有する。 ベース112は、産出タワー100が立設する際に、オプションとしての貯蔵セル130を備えている重力基礎上に定着させるよう構成されている。 好ましくは、重力基礎は、コンクリートパッド114を備えている。

    産出タワー100及び掘削ユニット150に加えて、海底産出システム10は、1つ又は2つ以上の流体貯蔵セル130を更に備えている。 流体貯蔵セル130は、ベース114に近接して海底54に位置している。 1つ又は2つ以上の流体貯蔵セル130のうちの少なくとも1つは、炭化水素流体貯蔵セルである。 炭化水素流体貯蔵セルは、産出作業から炭化水素流体を受け取る。 当業者であれば理解されるように、産出タワー100は、価値のある炭化水素流体を地下貯留層(図示せず)から回収するために存在する。

    注目されるように、産出タワー100は、反対側の第2の端部116を更に有する。 第2の端部116は、ランディングデッキ120を備えている。 海底産出タワー100は、流体分離機器140を有する。 タワー100は、流体分離機器140に加えて海底産出作業機器165,167を有するのが良い。

    流体分離機器140は又、海底産出システム10の一部としてフレーム110に沿って配置される。 流体分離機器140は、産出流体中の互いに異なる流体成分を分離するよう働く。 このような成分は、主として、炭化水素及び水を含む。 炭化水素流体成分は、代表的には、天然ガス(主としてメタン及びエタンとして回収される)と炭化水素液体(又は石油)の両方を表している。 炭化水素流体成分は、流体分離機器140及び海底産出作業機器165,167から炭化水素輸送ライン142を通って流体貯蔵セル130中に放出される。

    流体分離機器140は、好ましくは、トラスフレーム110の第2の端部116の近くに配置される。 例えば、流体分離機器は、ランディングデッキから見て産出タワーの全高の約20%の範囲内の距離に位置するのが良い。 当業者であれば理解されるように、流体分離機器は、海底上に配置されるよりも海面の近くに配置された場合に負担の少ない静水圧荷重条件に合わせて設計されるのが良い。

    流体分離機器140としては、1つ又は2つ以上の重力分離器、1つ又は2つ以上の遠心分離器、熱分離機器、蒸留容器、向流接触器又は流体処理業界で知られている他の流体分離機器が挙げられる。 流体分離機器140は、水処理施設145を備えているのが良い。 分離された水は、水処理施設145中に差し向けられる。 次に、水を海域55中に放出することができ又はオプションとして貯蔵のため又は水攻法目的で貯留層(図示せず)中に再注入するのが良い。

    理解できるように、追加の作業機器165,167は又、海底54の上方に且つトラスフレーム110に沿って位置する。 産出作業機器は、例えば、(i)発電機器、(ii)圧力ポンプ、(iii)制御弁、(iv)産出マニホルドライン又は(v)これらの組み合わせであるのが良い。

    海底産出システム10の更に別のオプションとしての特徴としては、産出タワー100内への坑口装置の配置が挙げられる。 図1では、複数個の坑口装置が符号160で概略的に示されている。 各坑口装置160は、海底54を貫通して地下貯留層中に形成された坑井を表している。 地下貯留層と種々の坑口装置160の流体連通は、ケーシングのストリングにより行われる。 図1では、表面ケーシングのストリングが線162でまとめて示されている。 表面ケーシング162のストリングは、海底54からトラスフレーム110を貫通して延びている。

    海底産出システム100は、産出ライザ135を更に備えている。 産出ライザ135は、炭化水素流体貯蔵セル130と流体連通状態にある第1の端部132を有する。 産出ライザ135は、オプションとして、これが海底制御ユニット134中に結合可能な距離にわたって海底54に沿って、延びるのが良い。 次に、産出ライザ135は、制御ユニット134から上方に延び、そして第2の端部136で終端する。 第2の端部136は、海面52で流体輸送船180に解除可能に連結されている。

    流体輸送船180は、大量の流体を輸送する海洋業界で知られている形式の船であればどのようなものであっても良い。 図1の例示の構成では、船180は、デッキ182、船体184及び操システム185を有する。 操舵システム185は、代表的には、動的スラスタを備えている。 操舵システムは、おそらくは全地球測位システム、センサ及びコンピュータ制御式プロペラを更に備えている。

    船180は、産出ライザ135の第2の端部136を船体184に解除可能に連結する取り入れ継手186を有する。 このようにすると、炭化水素流体を流体輸送船180上に荷積みすることができる。

    図1の例示の構成では、ライザ135の第2の端部136は、船180の船体184中に直接結合された状態で示されている。 しかしながら、理解されるように、ライザ135は、柔軟性トップサイドホース(図示せず)を介して船体184と流体連通状態に配置されるのが良い。

    流体輸送船180上に荷積みされた炭化水素流体は、天然ガスと石油の混合物であるのが良い。 炭化水素流体中には更にサワーガス成分、例えば一酸化炭素、硫化水素及びメルカプタンが含まれる場合がある。 さらに、炭化水素流体は、ヘリウム、窒素又は他のガス状成分を含む場合がある。 したがって、流体輸送船180は、炭化水素流体を流体処理施設(図示せず)に送って更に分離すると共に炭化水素精製が行われる。

    掘削ユニット150が海洋環境50内において産出タワーに連結されたままでいることができる能力を高めるため、複数本の係留ライン130がオプションとして提供される。 係留ライン170は、追加の荷重抵抗能力及び/又は位置保持を提供するよう産出タワー100を取り囲んでいる。 位置保持は、裸孔(図示せず)が形成されている間又は作られている間、掘削ユニット150を海底54上で適正な位置に維持する炭化水素回収作業中において重要である。

    各係留ライン170は、一端が産出タワー100に連結されている。 図1の例示の構成では、係留ライン170は、ランディングデッキ120のところ又はこれに近接したところでタワー100に連結されている。 しかしながら、係留ライン170は、オプションとして、タワー100の第2の端部116に近接してトラスフレーム110に沿う場所で連結されても良い。

    各係留ライン170は、反対側の端がアンカ172に連結されている。 図1を参照すると、2本の係留ライン170及び2つのアンカ160だけが示されている。 しかしながら、理解されるように、海底産出システム10は、好ましくは、少なくとも4本、より好ましくは6本から10本の係留ライン170及び対応のアンカ172を備えている。

    各アンカ172は、タワー100から指定された距離で海底54上に載っている。 アンカ172は、海底54に沿ってタワー100の周りに半径方向に配置されている。 図1に示されているアンカ172は、個々の吸引杭176を介して海底54に固定された格子を形成する鋼製フレーム174を有する。 杭176は、杭打ち、吸引駆動又は当該技術分野で知られている他の手段により海底54に固定可能である。 鋼製格子を介して連結された多数本の杭176の使用により、アンカ172の引張り強度及び抵抗能力が増大する。 変形例として、アンカ172は、コンクリート(又は他の材料)製の重力利用パッドであっても良い。

    係留ライン170は、少なくとも僅かな程度のたるみのある引張り状態で維持されるのが良い。

    係留ライン170は、従来型ワイヤ、チェーン又はケーブルであるのが良い。 変形例として、係留ライン170は、実質的に剛性の部材の多数本のリンク(図示せず)から成っていても良い。 各リンクは、例えば、2本又は3本で1組の平行な個々のアイバーから成っていても良い。 リンクは、それぞれの端でコネクタにより連結される。 多数本のリンクの使用及び鋼の断面積の対応の増加により、係留ライン170の引張り能力が実質的に増大する。 係留システムにおけるリンクの使用に関する追加の詳細は、2009年4月30日に出願された米国特許出願第61/174,284号明細書(発明の名称:High Arctic Floating Driller)に記載されている。

    氷荷重に抵抗するよう海底産出タワー100を一段と助けると共に/或いは位置保持を一段と助けるため、トラスフレーム110内にバラストシステムが設けられるのが良い。 図1の構成では、浮力調整コンパートメントが符号118に設けられている。 浮力調整コンパートメント118は、一連の浮力調整又はバラストタンクであるのが良い。 浮力調整コンパートメント118は、産出タワー100の第2の端部116の近くに位置する。 掘削及び産出作業中、好ましくは、浮力調整コンパートメント118からは実質的に海水が除かれる。 これは、産出タワー100に加わる上向きの力を生じさせ、掘削ユニット150をランディングデッキ120に取り付ける際に掘削ユニット150に加わる荷重に抵抗するのを助ける。

    注目されるように、鋼製トラスフレームは、波及び海流により生じる疲労の影響を受けやすい場合がある。 海上鋼製フレームは、小さい波であっても波の衝撃の繰り返しの累積的効果に耐えるよう設計されなければならない。 波が海上構造物に当たると、それにより、波動的応答と一般に呼ばれている融通の利かない揺動と振動の両方が生じる。 それと同時に、タワーは、倒立振り子のように揺動すると共にボーストリング(bowstring)のように振動する。 構造物の曲げ振動周期が相当な量のエネルギーを含む可能性のある波周期範囲(即ち、6秒〜20秒)内に収まる場合、構造物は、或る特定の条件下で共振する。 構造物の共振は、過度の力を構造物に及ぼす恐れがあり、その結果、疲労損傷が生じる場合がある。 したがって、海上構造物は、構造物の曲げ振動周期が相当な量のエネルギーを含む可能性がある波周期範囲から外れるよう設計されるべきである。

    また、図1のトラスフレーム110が関節連結フレームであることが好ましい。 図1では、フレーム110は、ブラケット210により示された実質的に剛性の下側区分及びブラケット220により示された応従性上側区分を有する。 加うるに、フレーム110は、トラスフレーム110の第1の端部112と第2の端部116の中間に位置したピボット箇所を有する。 ピボット箇所は、別個のブラケット230で示されている。

    この場合も又、係留ライン170がこれらに或る程度のたるみを有するよう構成されるのが良いことが注目される。 これにより、上側応従性区分220の或る程度の運動の自由度の実現が可能である。 係留ライン170により、産出タワー100は、海洋表面風、波又は海流の力に応答してそのベース114回りに垂直から数度回動することができ、それにより加えられた力を打ち消す慣性力が生じる。 この応従性は、ケーソン状掘削装置が産出タワー上に載せられる状況に関して周期的波荷重の減少に特に必要である。

    浮力調整コンパートメント118及び係留ライン170は、好ましくは、海洋環境の力に応答した産出タワー100の揺動周期が約20秒を超えるように設計される。 揺動周期は、相当な量のエネルギーを含む恐れのある波周期範囲から外れる。

    産出タワー100は、主として、300〜1,000メートル(984〜3,281フィート)の水深で行われる炭化水素回収作業向きであるが、これに限定されるわけではない。 ピボット箇所230は不要である。 さらに、ピボット箇所230が用いられる場合、ピボット箇所230がトラスフレーム110の長さの下半分内に位置することが好ましい。 この測定の目的上、トラスフレームの長さは、一般に、海底54からランディングデッキ120までである。

    図1の産出タワー100に関する例示の構成では、一連の杭235を介して回動構成が提供される。 杭234は、ピボット箇所230を横切ると共に実質的に剛性の下側区分210及び応従性の上側区分220を部分的に通過する。 杭235は、トラスフレーム110周りに全体として等距離を置くと共に半径方向に配置される。 図1には2本の杭235しか示されていないが、好ましくは6本〜10本の杭235が採用される。

    図2A及び図2Bは、別の連結構成を示している。 杭235の移動は、対応の杭ガイド234を介して許容される。 杭ガイドは、実質的に剛性の下側区分210か応従性の上側区分220かのいずれかに固定されるのが良い。

    図2Aは、一実施形態としての図1の産出タワー100の部分側面図である。 ここでは、杭235は、連結フレーム232を介して応従性上側区分220にしっかりと取り付けられている。 杭235は、対応の杭ガイド234内に摺動可能に受け入れられている。

    杭ガイド234は、タワー100の実質的に剛性の下側区分210に連結されている。 連結フレームが符号236で示されている。 応従性上側区分220が揺動しているとき、この上側区分は、ピボット箇所230回りに回動する。 杭235は、杭ガイド234中を通って往復動する。 好ましくは、付勢ばね(図示せず)又は他の反作用部材が杭235に対する抵抗をもたらすよう杭ガイド234に沿って設けられている。

    図2Bは、図1の産出タワー100の変形実施形態の部分側面図である。 この場合、杭235は、連結フレーム232を介して実質的に剛性の下側区分210にしっかりと取り付けられている。 杭235は、対応の杭ガイド234内に摺動可能に受け入れられている。

    杭ガイド234は、タワー100の応従性の上側区分220に連結されている。 連結フレームが符号236で示されている。 応従性上側区分220が揺動しているとき、この上側区分は、この場合も又、ピボット箇所230回りに回動する。 杭235は、杭ガイド234中を通って往復動する。

    海底産出システム用のコンポーネントを設置する方法も又、本明細書において提供される。 図3A及び図3Bは、一緒になって、海底産出システム用のコンポーネントを設置する方法300を示す単一のフローチャートを提供する。 産出システムを海域を表す海洋環境内に設置する。 海洋環境は又、海面及び海底を有している。

    一実施形態では、方法300は、海洋環境中の炭化水素回収作業のための場所を特定するステップを備えている。 これは、図3Aのボックス305に示されている。 ボックス305の特定ステップは、坑井の掘削のための場所を選択するということを意味するのが良い。 変形例として、特定ステップは、このような場所を既に選択し、そしてオペレータが海底産出機器をその場所に動かしていることを意味していても良い。

    方法300は、1つ又は2つ以上の炭化水素流体貯蔵セルを選択した場所で海底上に配置するステップを更に備えている。 これは、ボックス310で示されている。 炭化水素流体貯蔵セルは、図1の貯蔵セル130に従って構成されたものであるのが良い。

    理解されるように、貯蔵セル130は、2つ以上の炭化水素流体貯蔵セルを備えているのが良い。 貯蔵セル130は、水又は分離したガス状成分を貯蔵する貯蔵セルを更に備えているのが良い。

    図4Aは、海底炭化水素産出作業を行う場所400の側面図である。 この図では、海底産出システム用の機器が海洋環境50中に設置されている。 図4Aの海洋環境50は、図1の海洋環境50と同一である。 この点に関し、海洋環境50はこの場合も又、海面(又は水線)52及び海底(又は水底)54を有する海域55を表している。

    図4Aでは、一群の炭化水素貯蔵セル130を海洋環境50内の選択された場所400で海底54まで下降させている。 これを達成するため、貯蔵セル130は、互いに結束されている。 次に、貯蔵セル130をブイライン420を用いて一緒に海域55中に下降させる。

    ブイライン420は、スチールケーブル又は他の強固なラインを表しており、これに沿って一連の小さなブイ422が設けられている。 加うるに、大面積ブイ424を用いて貯蔵セル130を制御可能に下降させるのを助けると共に海面52からのセル130のジオポジション(geo-position)を確認するのを助けることができる。

    貯蔵セル130を海洋場所400まで輸送するため、一群の作業船410が採用される。 各作業船410は、少なくとも1本のテザー412を有している。 それぞれのテザー412を貯蔵セル130に結び付け、これらテザーは、一般に引張り状態に保たれる。 作業船410は、円の状態に配置される。 その場所に達すると、円の直径をゆっくりと減少させ、それによりテザー412が貯蔵セル130を海域55中に下降させることができる。 代替的に又は追加的に、テザー412をウインチ(図示せず)から巻き出す。

    別個の作業船415を用いて制御を行うのが良い。 例えば、作業船415は、制御ライン417を用いてポンプ(図示せず)を作動させ、それにより海水の海面ブイ424を選択的に満たしたり空にしたりすることができる。 同様に、制御ライン419を用いてポンプを作動させて貯蔵セル130を選択的に満たしたり空にしたりすると共に貯蔵セル130の状態をモニタすることができる。

    この方法300は、産出タワーを選択した場所に輸送するステップを更に備えている。 これは、ボックス315に示されている。 産出タワーは、図1のタワー100に従って構成されたものであるのが良い。 産出タワー100は、好ましくは、トラスフレーム110を有する。 産出タワー100は、第1の端部112及びランディングデッキ120を備えた反対側の第2の端部116を有する。

    方法300は、産出タワー100を海洋環境50内で立設するステップを更に備えている。 これは、ボックス330に示されている。 このステップでは、第1の端部112を1つ又は2つ以上の炭化水素流体貯蔵セルの近くで海底上に配置する。

    図4Bは、図4Aの場所400の別の側面図である。 この図では、産出タワー100は、海洋環境50内に輸送されている。 加うるに、産出タワー100は、タワー100を海底54上に載せることによって立設されている。

    図4Bで理解できるように、産出タワー100のベース112を一群の流体貯蔵セル130の近くに又はそれどころかこれらの中に下降している。 これを達成するため、ブイライン420は、タワー100のランディングデッキ120又は第2の端部116の近くの他の領域に連結される。 大面積ブイ424は、産出タワー100を制御可能に立設するのを助けると共に海面52からのタワー100のを確認するのを助けるようブイライン420に連結されている。

    産出タワー100を海洋場所400まで輸送するため、この場合も又、一群の作業船410が採用される。 各作業船410は、少なくとも1本のテザー412を有している。 それぞれのテザー412をタワー100の第1の端部112に結び付け、これらテザーは、一般に引張り状態に保たれる。 作業船410は、円の状態に配置される。 その場所に達すると、円の直径をゆっくりと減少させ、それによりテザー412が産出タワー100を一群の貯蔵セル130中に下降させることができる。 代替的に又は追加的に、テザー412をウインチ(図示せず)から巻き出す。

    別個の作業船415を用いて制御を行うのが良い。 制御ライン417がこの場合も又、海水の海面ブイ424を選択的に満たしたり空にしたりするよう海水ポンプとして働く。

    産出タワーのトラスフレーム110をそれ自体セグメントの状態で設置するのが良い。 例えば、(i)トラスタワーをベース上に設置し、次に(ii)流体分離機器を収容したフレームを取り付け、次に(iii)他の海底作業機器を収容したフレームを取り付け、次に(iv)ランディングデッキを取り付け、或いは(v)これらの組み合わせを取り付ける。

    図1と関連して説明したように、一連の係留ライン170を産出タワー100の周りに採用することが望ましい場合があり、各係留ライン170は、アンカ172に連結される。 図4Cは、海底炭化水素産出作業を行う場所400の別の側面図である。 この図では、アンカ172が場所400で海洋環境50中に輸送されている。

    図4Cの例示の構成では、アンカ172は、重力利用ブロックである。 アンカ172は、好ましくは、鋼製鉄筋で補強されたコンクリートで作られる。 アンカ172を形成するブロックは、例えば、長さが10メートル、幅が20メートル、厚さが10メートルであるのが良い。 変形例として、アンカ172を形成するブロックは、長さが最高約100メートルまでであり、幅が100メートルまでであり、厚さが20メートルまでであっても良い。 当然のことながら、他の寸法を係留システムに必要な耐荷力に応じて採用することができる。 重力利用アンカ172は、その重量によって係留ライン170の張力に抵抗する。 アンカ172の重量は、係留ライン170中で生じる張力の垂直成分に対する抵抗をもたらす。 それと同時に、この重量は、張力の水平成分に対して摩擦抵抗をもたらす。

    アンカ172を海底54に下降させるため、アンカ172をテザー412に結びつける。 テザー412は、1隻又は2隻以上の作業船410を用いて海面52から制御される。

    テザー412に加えて、アンカ172をブイライン420に連結する。 ブイライン420は、この場合も又、ブイライン420は、スチールケーブル又は他の強固なラインを表しており、これに沿って一連の小さなブイ422が設けられている。 加うるに、大面積ブイ424を用いてアンカ172を制御可能に下降させるのを助けると共に海面52からのアンカ172のジオポジションを確認するのを助けることができる。

    別個の作業船415を用いて制御を行うのが良い。 例えば、作業船415は、制御ライン417を用いてポンプ(図示せず)を作動させ、ポンプは、海水の海面ブイ424を選択的に満たしたり空にしたりする。 同様に、制御ライン419を用いて下降中の機器を制御したり機器状態をモニタしたりすることができる。

    図4Dは、海底炭化水素回収作業を行う場所400の更に別の側面図である。 この図では、アンカ172は、海底54上に配置されている。 加うるに、係留ライン170が産出タワー100のアンカ172と上端116との間に連結されている。

    係留ライン170のための連結部を形成するため、作業船410を使用するのが良い。 ここでは、作業船410は、係留ライン170を産出タワー100に連結するために作業ライン414を採用している。

    図1と関連して上述したように、2本以上の係留ライン170及び2つ以上の対応のアンカ172が海底産出システム10に用いられるのが良い。 図4Eは、海底炭化水素回収作業を行う場所400の更に別の側面図である。 この図では、第2の係留ライン170及び第2の対応のアンカ172が海洋環境50内に位置決めされている。 係留ライン170は、立設された産出タワー100のための安定性を維持するのを助ける。

    タワー100の立設と関連して、オペレータ又は設計者は、海洋環境内の移動中の氷床の予想最大深さを求めるのが良い。 ボックス320は、移動中の氷床の予想最大深さを求めるステップを示している。

    方法300は、タワー100を立設したときにランディングデッキ120が最大深さの下に位置するよう産出タワー100を寸法決めするステップを更に備えているのが良い。 これは、ボックス325に示されている。 好ましくは、ランディングデッキ120は、海面52よりも少なくとも20メートル下に位置する。 このようにすると、産出タワー100は、どのような氷板からの衝撃をも回避することができる。

    方法300は、浮き掘削ユニットを選択した場所に輸送するステップを更に備えている。 これは、ボックス335に示されている。 浮き掘削ユニットは、図1の掘削ユニット150に従って構成されたものであるのが良い。 浮き掘削ユニットは、掘削作業のため、産出作業のため、掘削修復作業のため又はこれらの組み合わせのために用いられる。

    図4Eを参照すると、図4Eは、浮き掘削ユニット150′を海洋環境50内の場所400に輸送している状態を示している。 掘削ユニット150′は、作業ライン414を用いて1つ又は2つ以上の作業船410によって引っ張られている。 掘削ユニット150′は、矢印“DU”により示された方向に動かされている。

    方法300は、浮き掘削ユニット150′を産出タワー100のランディングデッキ120に取り付けるステップを更に備えている。 これは、ボックス340に示されている。 図4Eでは、定着状態の掘削ユニットが符号150で示されている。 掘削ユニット150とランディングデッキ120との連結部は、掘削ユニット150を掘削段階の終わりに又は作業中にランディングデッキ120から迅速に取り外して大きな氷床を回避することができるよう解除可能である。

    掘削ユニット150を産出タワー100に取り付けるため、ケーソン156内の水コンポーネントは、掘削ユニット150がランディングデッキ120上に定着するようにするよう海水で少なくとも部分的に満たされる。 支持部材122は、掘削ユニット150を産出タワー100に取り付けるためにランディングデッキ120内の嵌合受け具(図示せず)内に位置する。

    方法300は、流体分離機器を産出タワー100内に配置するステップを更に備えている。 これは、図3Aのボックス345に示されている。 流体分離機器は、上述した流体分離機器140に従って構成されたものであるのが良い。 流体分離機器140は、産出タワー100を立設して現場に輸送する前に産出タワー100上に配置するのが良い。 より好ましくは、流体分離機器140は、産出タワー100の一部分を設置した後にそれ自体のフレーム構造体内で産出タワー100に設置される。

    オプションとして、追加の海底産出作業機器をトラスフレーム110内に又は産出タワー100の第2の端部116に近接して設置することができる。 これは、図3Bのボックス350に示されている。 海底産出作業機器は、例えば、(i)発電機器、(ii)圧力ポンプ、(iii)制御弁、(iv)産出マニホルド、(v)流体分離機器又は(vi)これらの組み合わせを備えている場合がある。 変形例として、海底産出作業機器を産出タワーの一部分の設置後に別個のフレーム構造体に設置しても良い。

    方法300は、複数個の産出坑井を掘削するステップを更に備えているのが良い。 これは、ボックス355に示されている。 坑井を海底54を通って地下貯留層中に掘削する。 しかる後、方法300は、炭化水素流体を地下貯留層から産出するステップを備えている。 これは、ボックス360に示されている。

    ボックス355の掘削ステップと関連して、方法300は、各坑井のための複数個の坑口装置を産出タワー100上に配置するステップを更に備えているのが良い。 このような坑口装置は、図1に符号160で示されている。 各坑口装置160は、産出流体を海底からトラスフレーム中に延びる表面ケーシングを通って受け取る。 この場合、作業機器は、産出マニホルドを有する。 変形例として、方法300は、各坑井のための複数個の坑口装置を海底上に配置するステップを備えている。 次に、炭化水素流体を地下貯留層から海底まで産出し、次に産出タワー100内の海底産出作業機器に輸送する。 炭化水素流体を産出するステップは、ボックス360に示されている。

    坑口装置の配置とは無関係に、産出流体をそれぞれの坑口装置から海底産出作業機器に送る産出フローラインを設置する。 フローラインの設置は、ボックス365に示されている。 坑口装置が産出タワー100内に配置された場合、産出流体を産出マニホルド中に差し向けるのが良い。

    方法300は、炭化水素輸送ラインを海底産出システム内に設置するステップを更に備えている。 これは、図3のボックス370に示されている。 炭化水素輸送ラインは、海底産出作業機器140と1つ又は2つ以上の炭化水素流体貯蔵セル130を流体連通させる。

    方法300は、産出ライザの第1の端部を1つ又は2つ以上の炭化水素流体貯蔵セルと流体連通関係をなして配置するステップを更に備えている。 これは、ボックス375に示されている。 産出ライザの第2の端部を海面の輸送船に取り外し可能に取り付けるのが良い。 これは、ボックス380に示されている。 輸送船は、図1の船180に従って構成されるのが良い。

    方法300は、炭化水素流体を1つ又は2つ以上の炭化水素流体貯蔵セルから輸送船に移送するステップを更に備えている。 これは、ボックス385に示されている。 次に、輸送船は、価値のある炭化水素流体を揚荷ステーションに送ってこれを更に精製し、そして商業的に流通させることができる。

    場合によっては、掘削ユニットを産出タワー100から切り離すことが望ましい。 このような一例は、氷床が掘削ユニットの方向に移動している場合である。 図5は、掘削ユニットを海洋環境内で再配置する方法500のフローチャートを示している。 掘削ユニットは、図1の浮き掘削ユニット150に従って構成されるのが良い。

    方法500は、海洋環境内の移動中の氷床を識別するステップを備えている。 これは、ボックス510に示されているボックス510の識別ステップは、GPSモニタリング又は北極用砕氷船を用いた視覚的モニタリングを備えているのが良い。

    方法500は、浮き掘削ユニットを産出タワーから切り離すステップを更に備えている。 これは、ボックス520に示されている。 ボックス520の切り離しステップは、掘削ユニットを海水中のランディングデッキから持ち上げることを意味する。 産出タワー係留ラインを切り離す必要はないということに注目されたい。 というのは、産出タワー係留ラインは、掘削ユニットそれ自体には結びつけられておらず、下に位置する産出タワーに結びつけられているからである。 同様に、炭化水素輸送ラインを切り離す必要はない。 というのは、炭化水素輸送ラインは、海面よりも下に位置したままの状態で海底産出作業機器を炭化水素流体貯蔵セルに連結しているからである。

    方法500は、掘削ユニットを海洋環境内の新たな場所に一時的に動かすステップを更に備えている。 これは、ボックス530に示されている。 掘削ユニットは、好ましくは、自己推進式ではなく、従って、ボックス530の移動ステップは、1隻又は2隻以上の作業船及び1本又は2本以上の作業線の使用を含むのが良い。 当然のことながら、新たな場所は、氷床の接近ラインから外れている。 このようにすると、浮き構造物が氷床と衝突しないようになる。

    加うるに、方法500は、氷床が海洋場所を通過した後、掘削ユニットを産出タワーのランディングデッキに戻すステップを備えている。 これは、ボックス540に示されている。

    理解できるように、改良型海底産出システム及び関連方法が提供されている。 少なくとも3つの重要な特徴が強調される。 第1に、海底産出作業機器は、氷との接触を回避するよう産出タワーの上方部分の近く且つ海面よりも下の1つの場所中に「共同設置」又は「一体化」される。 この構成により、機器の設計に対して利点が提供される。 というのは、種々の船及び機器が海底上に配置された場合の深い水深の深さ要件に対して浅い水深での水圧に耐えるよう設計する必要があるに過ぎないからである。

    第2に、海底産出機器の全てを単一の構造フレーム内に配置することにより、配備前に機器をあらかじめ試験するオプションを採用できると共に北極における作業においては重要な短い好機時間窓又は枠内での設置が可能である。

    第3に応従性タワーの使用により、大きなケーソン型掘削船を産出タワーのランディングプラットホーム上に直接配置できる。 これにより、掘削作業にとって安定したベースが提供されると共に海底産出作業機器への接近が可能である。 このような大きな水力学的塊を構造物上に配置することは、構造物が応従性である場合に実行可能であるにすぎないということに注目されたい。 もしそうでなければ、浮き掘削装置は、並外れて大きな荷重を構造物に及ぼし、第´564号特許明細書に記載されたシステムの場合のように、その設計が実施不可能になる。

    本明細書において説明した本発明は、本明細書において開示した特定の実施形態には限定されず、以下の特許請求の範囲の記載によって定められる。 本明細書において説明した本発明は、上述の利益及び利点を達成するよう十分に計画されていることは明らかであるが、本発明は、その精神から逸脱することなく、改造、変形及び変更が可能であることは理解されよう。

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