首页 / 国际专利分类库 / 固定结构 / 土层或岩石的钻进;采矿 / 地层钻进,例如深层钻进 / 在E21B15/00至E21B40/00各组中所不包含的设备或零件 / 貯留層シミュレーションにおける交差断層および複雑な坑井のモデリング

貯留層シミュレーションにおける交差断層および複雑な坑井のモデリング

申请号 JP2016558139 申请日 2015-03-16 公开(公告)号 JP6360193B2 公开(公告)日 2018-07-18
申请人 サウジ アラビアン オイル カンパニー; 发明人 ディン,シアン,ヤン; ファン,ラリー,シュウ−クーエン; ドウル,アリ,エイチ.;
摘要
权利要求

貯留層シミュレーションで地下貯留層のモデルの非構造格子を生成する、コンピュータにより実現される方法であって、前記モデルの生成は、貯留層モデルの内部境界の幾何形状および内部境界の記述を定義する入データと、前記貯留層モデル中の坑井に関する坑井の軌道および坑井仕上げのデータとに基づき、前記モデルの非構造格子は、計算集約的な格子の平滑化を行うことなく、格子密度と内部境界モデリング要件をより満たし、前記方法が、コンピュータにより実現される工程であって、 (a)前記内部境界の幾何形状データを細分化して、格子に関して前記内部境界の幾何形状を表す第1の格子点を作成する工程と、 (b)隣接する前記格子点を連結する内部境界の線を構築して、境界線分を形成する、工程と、 (c)内部境界交差円を前記格子点に構築する工程と、 (d)前記隣接する前記格子点の内部境界交差円の交点の間にさらなる格子点を生成する工程と、 (e)内部境界の格子密度要件に基づき、前記生成したさらなる格子点に優先順位を付ける工程と、 (f)前記貯留層モデルにおける坑井点を生成する工程と、 (g)坑井の場所や坑井の格子サイズに基づき、前記生成した坑井点に優先順位を付ける工程と、 (h)前記生成したさらなる格子点の断層点に、より高い優先順位を付ける工程であり、生成された内部境界点の断層点の優先順位は、前記生成した坑井点よりも高い工程と、 (i)前記格子点との間の距離が必要とする間隔よりも短いときに、優先順位を付ける前記工程の結果に従って、衝突する格子点を解決する工程と、 (j)前記解決した格子点に対して非拘束ドロネー三形分割を実行する工程と、 (k)前記解決した格子点の垂直二等分格子を形成して、計算集約的な格子の平滑化を行うことなく格子密度と内部境界モデリング要件を満たす格子点の間隔を維持する貯留層セルに関するデータのボロノイ格子を形成する工程と、 (l)前記貯留層シミュレーションの前記貯留層セルの前記ボロノイ格子に関して非構造格子データ記述を形成する工程と、 を含む、コンピュータにより実現される方法。非構造格子データ記述を形成する、前記工程が、 前記非構造格子データ記述の出力表示を形成する工程 を含む、請求項1に記載のコンピュータにより実現される方法。非構造格子データ記述を形成する、前記工程が、 前記非構造格子データ記述をメモリに記憶する工程 を含む、請求項1に記載のコンピュータにより実現される方法。前記内部境界の幾何形状データを細分化する工程は、内部境界の幾何形状を細分化して、前記貯留層モデルにおける不規則な内部境界の幾何形状を幾何学的に表現する格子点を生成する工程を含む、請求項1に記載のコンピュータにより実現される方法。前記内部境界が、前記貯留層における断層を含む、請求項1に記載のコンピュータにより実現される方法。前記内部境界が、前記貯留層における不連続部分を含む、請求項1に記載のコンピュータにより実現される方法。前記貯留層における前記不連続部分が、フラクチャと、面の境界と、油圧ユニットとからなる群から選択される、請求項6に記載のコンピュータにより実現される方法。前記生成した坑井点が、前記貯留層モデルにおける坑井を幾何学的に表現する、請求項1に記載のコンピュータにより実現される方法。貯留層シミュレーションで地下貯留層のモデルの非構造格子を生成するためのデータ処理システムであって、前記モデルの生成は、貯留層モデルの内部境界の幾何形状および内部境界の記述を定義する入力データと、前記貯留層モデル中の坑井に関する坑井の軌道および坑井仕上げデータとに基づき、前記モデルの非構造格子は、計算集約的な格子の平滑化を行うことなく、格子密度と内部境界モデリング要件をより満たし、前記データ処理システムが、 (a)前記内部境界の幾何形状データを細分化して、格子に関して前記内部境界の幾何形状を表す第1の格子点を作成する工程と、 (b)隣接する前記格子点を連結する内部境界の線を構築して、内部境界線分を形成する、工程と、 (c)内部境界交差円を前記格子点に構築する工程と、 (d)隣接する前記格子点の内部境界交差円の交点の間にさらなる格子点を生成する工程と、 (e)内部の格子密度要件に従い、前記生成したさらなる格子点に優先順位を付ける工程と、 (f)前記貯留層モデルにおける坑井点を生成する工程と、 (g)坑井の場所や坑井のサイズに基づき、前記生成した坑井点に優先順位を付ける工程と、 (h)前記生成したさらなる格子点の断層点に、前記生成した坑井点よりも高い優先順位を付ける工程と、 (i)前記格子点との間の距離が必要とする間隔よりも短いときに、優先順位を付ける前記工程の結果に従って、衝突する格子点を解決する工程と、 (j)前記解決した格子点に対して非拘束ドロネー三角形分割を実行する工程と、 (k)前記解決した格子点の垂直二等分格子を形成して、計算集約的な格子の平滑化を行うことなく格子密度と内部境界モデリング要件を満たす格子点の間隔を維持する貯留層セルに関するデータのボロノイ格子を形成する、工程と、 (l)前記貯留層シミュレーションの前記貯留層セルに関する前記ボロノイ格子に関して非構造格子データ記述を形成する工程と、 を実行するプロセッサを備える、データ処理システム。前記データ処理システムが、出力ディスプレイを備え、非構造格子データ記述を形成する工程が、前記非構造格子データ記述の出力表示を形成する工程を含む、請求項9に記載のデータ処理システム。データ処理システムが、前記非構造格子データ記述を記憶するデータメモリを備える、請求項9に記載のデータ処理システム。前記内部境界の幾何形状データを細分化する工程において、前記プロセッサは、前記内部境界の幾何形状データを細分化する工程を行い、前記貯留層モデルにおける不規則な内部境界の幾何形状を幾何学的に表現する格子点を作成する、請求項9に記載のデータ処理システム。前記内部境界が、前記貯留層における断層を含む、請求項9に記載のデータ処理システム。前記内部境界が、前記貯留層における不連続部分を含む、請求項10に記載のデータ処理システム。前記貯留層における前記不連続部分が、フラクチャと、面の境界と、油圧ユニットとからなる群から選択される、請求項14に記載のデータ処理システム。前記生成した坑井点が、前記貯留層モデルにおける坑井を幾何学的に表現する、請求項9に記載のデータ処理システム。貯留層シミュレーションにおける、地下貯留層のモデルの非構造格子をデータ処理システムに生成させるためのコンピュータ実行可能命令を非一時的コンピュータ可読媒体に記憶した、データ記憶装置であって、前記モデルの生成は、貯留層モデルの内部境界の幾何形状および内部境界の記述を定義する入力データと、前記貯留層モデル中の坑井に関する坑井の軌道および坑井仕上げデータとに基づき、前記モデルの非構造格子は、計算集約的な格子の平滑化を行うことなく、格子密度と内部境界モデリング要件をより満たし、前記データ記憶装置に記憶した前記命令が、前記データ処理システムに以下の工程、すなわち、 (a)前記内部境界の幾何形状データを細分化して、格子に関して前記内部境界の幾何形状を表す第1の格子点を作成する、工程と、 (b)隣接する前記第1の格子点を連結する内部境界の線を構築して、内部境界線分を形成する、工程と、 (c)内部境界交差円を前記第1の格子点に構築する工程と、 (d)隣接する格子点の内部境界交差円の交点の間にさらなる格子点を生成する工程と、 (e)内部境界の格子密度要件に従い、前記生成したさらなる格子点に優先順位を付ける工程と、 (f)前記貯留層モデルにおける坑井点を生成する工程と、 (g)内部境界の格子密度要件に従い、前記生成した坑井点に優先順位を付ける工程と、 (h)前記生成したさらなる格子点の断層点に、前記生成した坑井点よりも高い優先順位を付ける工程と、 (i)前記格子点との間の距離が必要とする間隔よりも短いときに、優先順位を付ける前記工程の結果に従って、衝突する格子点を解決する工程と、 (j)前記解決した格子点に対して非拘束ドロネー三角形分割を実行する工程と、 (k)前記解決した格子点の垂直二等分格子を形成して、計算集約的な格子の平滑化を行うことなく格子密度と内部境界モデリング要件を満たす格子点の間隔を維持する貯留層セルに関するデータのボロノイ格子を形成する、工程と、 (l)前記貯留層シミュレーションの前記貯留層セルに関する前記ボロノイ格子に関して非構造格子データ記述を形成する工程と、 を実行させる、データ記憶装置。前記命令が、前記データ処理システムに、 前記非構造格子データ記述の出力表示を形成する工程 を実行させる命令をさらに含む、請求項17に記載のデータ記憶装置。前記命令が、前記データ処理システムに、 前記非構造格子データ記述をメモリに記憶する工程 を実行させる命令をさらに含む、請求項17に記載のデータ記憶装置。前記内部境界の幾何形状データを細分化する工程において、前記細分化する工程に対する前記命令は、前記内部境界の幾何形状データを細分化する命令を含み、前記貯留層モデルにおける不規則な内部境界の幾何形状を幾何学的に表現する格子点を作成する、請求項17に記載のデータ記憶装置。前記内部境界が、前記貯留層における断層を含む、請求項17に記載のデータ記憶装置。前記内部境界が、前記貯留層における不連続部分を含む、請求項17に記載のデータ記憶装置。前記貯留層における前記不連続部分が、フラクチャと、面の境界と、油圧ユニットとからなる群から選択される、請求項22に記載のデータ記憶装置。前記生成した坑井点が、前記貯留層モデルにおける坑井を幾何学的に表現する、請求項17に記載のデータ記憶装置。

说明书全文

[関連出願の相互参照] 本特許出願は、2013年2月18日に出願の「Systems,Methods,and Computer−Readable Media for Modeling Complex Wellbores in Field−Scale Reservoir Simulation」と題する、米国特許仮出願第61/766,056号明細書(SA5125)に基づく、2014年2月4日に出願の「Systems,Methods,and Computer−Readable Media for Modeling Complex Wellbores in Field−Scale Reservoir Simulation」と題する、本出願人による先の同時係属中の米国特許出願第14/171,815号明細書、ならびに本明細書と同日に出願の「Generating Unconstrained Voronoi Grids In A Domain Containing Complex Internal Boundaries」と題する、本出願人による随伴する米国特許出願第14/215,851号明細書(SA5263)と同様に、貯留層シミュレーションのためのモデリングに関する。各関連出願は、あらゆる目的のため、参照により本明細書に援用される。

本発明は、貯留層シミュレーションにおけるモデリングに関し、より詳細には、貯留層シミュレーションにおける交差断層および複雑な坑井のモデリングに関する。

貯留層シミュレーションは、地下炭化素貯留層の計画および開発のために石油産業で用いられる主要な手段である。掘削技術の進歩と共に、これらの貯留層において生産プロセスおよび圧入プロセスを強化するために、複数の分枝を有し複雑な幾何形状の坑井が多く配置されている。ほとんどの貯留層およびフィールドの内部には、断層、大規模なフラクチャ、油圧ユニットの境界などの、シミュレーションモデルで表現する必要がある不連続部分が存在する。同時に、炭化水素資源をより最適に採掘するために、複雑な分岐坑井が広範囲に掘削されている。構造格子またはCPG格子を使用する既存のシミュレーション技術では、これらの複雑な内部幾何形状および境界を適切に表現することができない。

上記の本出願人による関連する先の同時係属中の米国特許出願第14/171,815号明細書は、複雑な坑井に関して坑井付近の流動を正確にモデリングして、これらの坑井の挙動予測を強化することに関する。このモデリングによって、貯留層アナリストおよびエンジニアは、利用可能な資源を採掘するための意思決定プロセスのための坑井および貯留層に関する改善されたデータを得ることができる。

適用される貯留層シミュレーションは、コーナーポイント型(CPG)格子を使用して、貯留層や領域の断層を表現する。CPG格子では、複雑に交差する幾何形状の断層を貯留層格子部分で表現するのが非常に難しい。CPG格子を使用すると、ぎこちなく縮んだ領域となることがあり、結果として得られる格子は、極めて非直交となり得る。このため、多層相流シミュレーションに多点流束近似を使用する必要が生じ得る。結果として得られる線形システムを解くのは、残念ながら、より一層困難であり、時間がかかり得る。図2Aは従来技術のCPG格子で断層を表した例示である。実際の断層線が実線で示され、近似した断層線が破線で示されている。

また、従来技術のシミュレーションでは構造デカルト格子のジグザグ形の境界で断層を表現してきた。しかし、断層の幾何形状の近似が非常に粗い。断層の幾何形状の表現は粗いが、この格子の数値収束性は良好である。構造デカルト格子のジグザグ形の境界例を図2Bに示す。

内部境界周辺の非構造格子化も行われてきた。周知の通り、非構造格子化は大部分、いわゆるドロネー三形分割と、生成した三角形メッシュの双対格子であるいわゆるボロノイ格子とを使用して生成してきた。

従来、内部境界の幾何形状を保持するためには、ドロネー三角形分割を拘束し、生成した三角形の辺で内部境界線を尊重しなければならなかった。この技法は、米国特許第8,212,814号明細書、Branetsらによる、「Generation of a Constrained Voronoi Grid in a Plane」に説明されている。この拘束ドロネー三角形分割技法では、非構造格子点を調整、再配置、除去、または新格子点を内部境界付近に明示的に挿入し、生成した内部境界付近の三角形が内部境界上に辺を有するよう拘束条件を満たさなければならない。このような格子点の調整手順を格子の平滑化と呼ぶ。格子の平滑化は通常、計算コストが高く、特に大規模なシミュレーションモデルでは計算コストが高くなる。加えて、境界を満たすため格子領域が密になり、貯留層シミュレーションの低離散化を招き、収束が不十分となる。

従来技術では、交差領域付近でドロネー三角形分割を行うと、各内部境界格子点は保持されるが、小さな角度を含む多くの不良な形の三角形を作ることがあった。このことは、Heinemann,et al.,「Modeling Heavily Faulted Reservoirs」,米国石油技術者協会(SPE) paper 48998,SPE Annual Technical Conference and Exhibition,New Orleans,Louisiana,USA,Sept.27−30,1998で説明されている。結果として、不良な三角形のためモデリングが複雑になり、数値誤差を招き、ついには離散化が不十分になり、流動シミュレーションの計算効率の低下につながった。

要約すると本発明は、新規かつ改良されたコンピュータで実現する方法を提供し、貯留層モデルの内部境界の幾何形状および内部境界の記述を定義する入データと、貯留層モデルの坑井の軌道および完了データとに基づき地下貯留層のモデルの非構造格子を生成する。内部境界の幾何形状データを細分化して、格子セル点を作成する。隣接格子セル点を連結して内部境界線を構築し、境界線分を形成する。格子セル点に内部境界交差円を構築する。隣接格子セル点の内部境界交差円の交点の間に内部境界格子点を構築する。生成した内部境界格子点に優先順位を付ける。貯留層モデルの坑井点を生成し、生成した坑井点に優先順位を付ける。生成した内部境界格子点と坑井格子点とで衝突する格子点を解決する。解決した格子点に非拘束ドロネー三角形分割を実行し、解決した格子点の垂直二等分格子を形成して、貯留層セルデータのボロノイ格子を形成する。次いで、ボロノイ格子の非構造格子データ記述を形成する。

本発明はまた、新規かつ改良されたデータ処理システムを提供し、貯留層モデルの内部境界の幾何形状および内部境界の記述を定義する入力データと、貯留層モデルの坑井の軌道および完了データとに基づき地下貯留層のモデルの非構造格子を生成する。データ処理システムはプロセッサを有し、内部境界の幾何形状データを細分化して、格子セル点を作成し、隣接格子セル点を連結して内部境界線を構築し、境界線分を形成する。プロセッサは、格子セル点に内部境界交差円を構築し、隣接格子セル点の内部境界交差円の交点の間に内部境界格子点を構築する。生成した内部境界格子点に優先順位を付ける。貯留層モデルの坑井点を生成し、生成した坑井点に優先順位を付ける。生成した内部境界格子点と坑井格子点とで衝突する格子点を解決する。解決した格子点に非拘束ドロネー三角形分割を実行し、解決した格子点の垂直二等分格子を形成して、貯留層セルデータのボロノイ格子を形成する。プロセッサはまた、ボロノイ格子の非構造格子データ記述を形成する。

本発明はまた、新規かつ改良されたデータ記憶装置を提供し、データ記憶装置はコンピュータ実行可能命令を非一時的コンピュータ可読媒体に記憶しており、貯留層モデルの内部境界の幾何形状および内部境界の記述を定義する入力データと、貯留層モデルの坑井の軌道および完了データとに基づき地下貯留層のモデルの非構造格子をデータ処理システムが生成する。データ記憶装置に記憶した命令によりデータ処理システムは、内部境界の幾何形状データを細分化して、格子セル点を作成し、隣接格子セル点を連結して内部境界線を構築し、境界線分を形成する。データ記憶装置に記憶した命令によりデータ処理システムはまた、格子セル点に内部境界交差円を構築し、隣接格子セル点の内部境界交差円の交点の間に内部境界格子点を構築する。生成した内部境界格子点に優先順位を付ける。貯留層モデルの坑井点を生成し、生成した坑井点に優先順位を付ける。生成した内部境界格子点と坑井格子点とで衝突する格子点を解決する。解決した格子点に非拘束ドロネー三角形分割を実行し、解決した格子点の垂直二等分格子を形成して、貯留層セルデータのボロノイ格子を形成する。ボロノイ格子の非構造格子データ記述を形成する。

本発明はさらに、新規かつ改良されたコンピュータで実現する方法を提供し、貯留層モデルの流動や輸送工程のモデルを形成する。貯留層モデルは、内部境界幾何形状および内部境界記述を定義する入力データと、坑井の軌道および完了データと、ボロノイセルモデルに基づき複数の格子セルで構成される。貯留層に拡張する格子セルや隣接格子セルのボロノイセル柱データを受信する。格子セルと隣接格子セルの連結特性を判定し、格子セルと隣接格子セル間の流体流動および輸送工程を判定する。

本発明はさらに、新規かつ改良されたデータ処理システムをさらに提供し、貯留層モデルの流動や輸送工程のモデルを形成する。貯留層モデルは、内部境界幾何形状および内部境界記述を定義する入力データと、坑井の軌道および完了データと、ボロノイセルモデルに基づき複数の格子セルで構成される。データ処理システムはプロセッサを備え、貯留層に拡張する格子セルや隣接格子セルのボロノイセル柱データを受信する。プロセッサは、格子セルと隣接格子セルの連結特性を判定し、格子セルと隣接格子セル間の流体流動および輸送工程を判定する。

本発明はさらに、コンピュータ実行可能命令を非一時的コンピュータ可読媒体に記憶したデータ記憶装置を提供し、データ処理システムが貯留層モデルの流動や輸送工程のモデルを形成できるようにする。貯留層モデルは、内部境界幾何形状および内部境界記述を定義する入力データと、坑井の軌道および完了データと、ボロノイセルモデルに基づき複数の格子セルで構成される。データ記憶装置に記憶した命令によりデータ処理システムは、貯留層に拡張する格子セルや隣接格子セルのボロノイセル柱データを受信する。命令によりデータ処理システムは、格子セルと隣接格子セルの連結特性を判定し、格子セルと隣接格子セル間の流体流動および輸送工程を判定する。

坑井を内部境界として複雑な坑井をモデリングするため形成した境界格子の一種を示す概略図である。

断層面や他の不連続部分を内部境界としてモデリングするため形成した境界格子の一種を示す概略図である。

断層や他の不連続部分を有する貯留層において複雑な坑井を内部境界としてモデリングするため本発明により形成した境界格子の一種を示す概略図である。

貯留層の断層等の不連続部分をモデリングするため従来技術により形成したコーナーポイント型(CPG)境界格子の表示図である。

従来技術の3次元デカルト格子モデルの平面図であり、3つの断層面を示す上面図である。

本発明により貯留層シミュレーションで交差断層および複雑な坑井をモデリングするためのデータ処理工程のフローチャートを示す機能ブロック図である。

図3のデータ処理工程で形成する断層線のZ線表現を例示する概略図である。

図3のデータ処理工程で形成する断層線のZ線表現を例示する概略図である。

図3のデータ処理工程で形成する断層線のZ線表現を例示する概略図である。

図3のデータ処理工程で形成する断層線のZ線表現を例示する概略図である。

図3のデータ処理工程で形成する断層線のZ線表現を例示する概略図である。

図3のデータ処理工程で断層Z線をベースZ線と関連付けるインデックス参照とZ線データを示す概略図である。

例示的なボロノイセル柱と5つの隣接セル柱を示す概略図である。

本発明による流動シミュレーションのグラフおよび接続係数を提供するデータ処理工程のフローチャートを示す機能ブロック図である。

断層線両側の隣接ボロノイセルおよび図7のデータ処理工程における頂点対の回転方向を示す概略図である。

図7のデータ処理工程での、対応するZ線深さを用いた重なり領域の位置特定を示す概略図である。

図7のデータ処理工程での、対応するZ線深さを用いた重なり領域の位置特定を示す概略図である。

図7のデータ処理工程での、対応するZ線深さを用いた重なり領域の位置特定を示す概略図である。

坑井と断層を含む2つの貯留層の非構造格子フィールドモデルを例示する概略図である。

坑井と断層を含む2つの貯留層の非構造格子フィールドモデルを例示する概略図である。

図10Aの一部拡大図である。

図10Bの一部拡大図である。

図10Aの他方の一部拡大図である。

図10Bの他方の一部拡大図である。

図11Bの一部拡大図である。

図12Bの一部拡大図である。

本発明により形成した貯留層格子モデルによる動的貯留層シミュレーションで、貯留層の1層における、あるタイムステップでのガス飽和を示す表示図である。

本発明による貯留層シミュレーションで交差断層および複雑な坑井をモデリングするためのコンピュータネットワークの概略図である。

図1Aは、境界格子20のボロノイセル図18を示すものであり、前述の本出願人による同時係属中の米国特許出願第14/171,815号明細書に従って、複雑な坑井22のモデルが形成されている。かかる出願によれば、坑井22は、貯留層における内部境界とみなされ、坑井軌道経路28上にセルの中心26の位置を合わせてボロノイセル24を生成する。本出願人による関連する同時係属中の米国特許出願による内部境界は、本発明では種類1の境界と呼ぶ。

図1Bは、境界格子32のボロノイセル図30を示し、本明細書と同日出願の本出願人による米国特許出願第14/215,851号明細書に従って、断層線34のモデルが形成されている。かかる出願によれば、境界格子30は、ボロノイセル辺の位置が内部境界と合致するよう形成される。内部境界は、断層面やモデル内の別種の不連続部分であってもよい。別種の不連続部分としては、例えば、フラクチャ、地質学的層相、油圧ユニットの境界など、他の形態の事実上の不連続部分を挙げることができる。同日出願の本出願人による米国特許出願による内部境界は、本発明では種類2の境界と呼ぶ。

貯留層は、複雑で不規則かつ交差する種類1と種類2両方の内部境界を有す可能性がある。この状況を図1Cのボロノイセル図36に示す。貯留層シミュレーションで内部境界付近の流体流動および輸送を正確にモデリングすることが重要である。

本発明は、同じモデル内で種類1と種類2両方の境界要件を同時に満たすことのできる非拘束ボロノイ格子構築方法を提供する。本発明は、格子点集合を生成し、両種の内部境界の拘束条件を自動的に満たす。これにより非拘束ドロネー三角形分割を使用できる。結果として得られるボロノイ格子は、種類1と種類2両方の内部境界を自動的に尊重する。境界の幾何形状を尊重するために、格子の平滑化、追加的な点の挿入、辺の置き換え、または存在する格子点の除去を行う必要はない。格子の質やセルサイズが良好であれば、より高効率かつ安定した貯留層シミュレーションモデルが得られるため、従来技術よりも有利である。格子が局所的に密集し、低品質の場合、実行時間が遅延し、シミュレーション実行の収束が不十分になる。これらは、実際の貯留層シミュレーションで非構造格子を使用する際の障害となってきた。

本発明は格子点を配置し、非拘束ボロノイ格子を生成する前工程として格子点の衝突を解決する。拘束ドロネー三角形分割法では後処理工程に平滑化を伴うが、平滑化は複雑で費用がかかる。本発明は平滑化を省き、種類1と種類2の両方の内部境界付近の流体流動および輸送工程を正確にモデリングできる。交差領域付近の衝突境界格子点の各位置を全格子化条件で評価した後、最適にマージする。

[種類1および種類2の両方の内部境界の含む領域のための非拘束ボロノイ格子化法] 図3のフローチャートF図3は、本発明の交差断層と坑井の内部境界の非構造格子化を実現するため、データ処理システムD(図16)が実行する内部境界付近の非拘束ボロノイ非構造格子化を実現する基本的なコンピュータ処理シーケンスであり、本発明の内部境界非構造格子化の典型的な実施形態で実施する計算方法論とを示す。本手順は、種類1、種類2の両方の衝突を有する内部境界を同時に成立させる。

工程100では、キーワードベースの格子化入力ファイルを非構造格子ビルダに読み込む。格子化入力ファイルは、領域定義(フィールド領域および貯留層領域の多角形)、領域の格子サイズ、断層のデータ記述、断層の格子サイズ、坑井データロケーション、地質学的モデルファイル、ならびに将来の坑井データや局所的格子細分化(LGR)条件といった他の任意の入力等必要な格子化諸元で構成される。この工程は、前述の、参照により援用される関連相互参照出願に従う。

工程110および120では、領域の多角形と格子サイズに基づきフィールドと貯留層格子点をまず構築する。格子点はフィールドまたは貯留層領域に均等に分布し、優先順位を表す重み付けを有する。一般に、貯留層格子点はフィールド領域格子点より細かく分布し、フィールド格子点よりも高い優先順位値を有する。これらの工程は、前述の本出願人による先の同時係属中の米国特許出願第14/171,815号明細書に従い実行する。後述するように、工程190で優先順位値を使用して衝突点を除去する。

局所的格子細分化(LGR)オプションの適用を選択した場合、工程130でLGR格子点を構築する。細分化要件に基づき、指定局所的領域で細分化格子点を生成する。細分化格子点には、フィールド格子点や貯留層格子点よりも高い優先順位値を割り当て、細分化格子点がフィールド格子点や貯留層格子点と衝突する場合、局所的細分化格子点を保持する。この工程は、前述の本出願人による先の同時係属中の米国特許出願第14/171,815号明細書に従い実行する。

工程100から工程130までは、断層と坑井の非構造格子化の予備工程であり、背景格子の生成工程である。工程140、工程150で断層格子点、工程160から工程180で坑井格子点を生成する。

工程140では、断層の内部境界記述を非構造格子ビルダに読み込む。非構造格子ビルダは、地質学的モデルを構築する市販の貯留層シミュレーション前処理ソフトウェアと互換性がある。PETRELやGoCADといった市販のソフトウェアで生成された内部境界表現データは、通常コーナーポイント型CPGフォーマットで出力されるが、このような内部境界表現データを非構造格子ビルダにロードする。この工程は、本明細書と同日出願の「Generating Unconstrained Voronoi Grids in a Domain Containing Complex Internal Boundaries」と題する、本出願人による関連の随伴する米国特許出願第14/215,851号明細書に従い実行する。

工程150では、断層格子点を断層の幾何形状に沿って並べて生成する。これは上記参照の本出願と同日出願の本出願人による随伴する出願で説明する方法で行われる。ただし、坑井経路が1スペース内に接近し、坑井点間隔が断層点間隔より小さい場合、断層格子点間隔を坑井間隔まで減少させる点で異なる。断層点間隔は、最も近い坑井経路から1スペース空けた後で続行する。断層線が坑井軌道と交差する場合、最も近い点は交点となる。工程150で断層格子点は、最も高い優先順位を割り当てられ、坑井点、LGR点、貯留層点、フィールド格子点よりも高い優先順位値となる。

工程160では、坑井格子点生成のため坑井軌道や坑井仕上げデータを非構造格子化ソフトウェアに読み込む。次に工程170で、坑井の場所や坑井の格子サイズに基づき坑井格子点を選択する。坑井格子点は、断層点を除くすべての点(LGR点、貯留層点、フィールド点)よりも高い優先順位を割り当てられる。上記参照の本出願人による同時係属中の米国特許出願第14/171,815号明細書と同様の生成方法に追加工程を加えて坑井点を生成する。規定の断層点間隔が坑井点間隔よりも小さい場合、坑井格子点間隔を断層線間隔まで減少させる。坑井点間隔は、最も近い断層経路から1スペース空けた後で続行する。坑井軌道が断層線と交差する場合、最も近い点は交点となる。それ以外の工程は本出願人による先の同時係属中の米国特許出願第14/171,815号明細書に従い実行する。

工程180では、貯留層格子点が坑井点からユーザ指定の距離内に含まれる場合、マルチレベル四分木格子点の生成を開始する。連続する四分木レベルの各点は、前のレベルより高い優先順位を有する。四分木点の優先順位は、坑井格子点および断層格子点よりも低いが、他の全種類の格子点よりも高い優先順位を有する。

坑井に局所的格子細分化を適用し、坑井軌道付近をさらに細分化することもできる。坑井の両側面に沿う細分化格子点の優先順位は、四分木点よりも高く、坑井点や断層点よりも低い優先順位となる。

工程190は格子点最適化の前工程であり、格子点配置工程で生成した格子点の格子点集合を選択する。各カテゴリの全格子点を対象に、格子点位置や所与の優先順位値を考慮してマージする。2つの格子点の間隔が、該当領域で必要とされる間隔より小さい場合、衝突が生じる。衝突が生じると、高い優先順位の格子点が、低い優先順位の点に取って代わる。この工程は、上記参照で援用の関連する相互参照の出願における同様の方法に加え、断層点と坑井点を含む衝突点の優先順位階層制度を用いて実行する。結果として得た格子点集合を、次の三角形分割工程に利用できる。点の配置と優先順位付けを組み合わせることにより高品質な格子が得られ、数的な貯留層シミュレーションに優れると同時に、モデルで指定の内部境界や格子間隔を尊重することができる。

工程200では、結果として得た点集合に非拘束ドロネー三角形分割を適用する。この工程では係る格子点を保持し、それ以外の点の挿入や除去は必要ない。工程210で縮退した辺を除去し、工程220で垂直二等分またはPEBI格子であるドロネー三角形分割の双対を生成する。この工程は、前述の、参照により援用される関連相互参照出願における同様の方法工程に従い実行する。

工程230では、ボロノイ格子の非構造格子データ記述を生成する。工程160で処理した坑井穿孔間隔と坑井軌道を用いて穿孔位置を計算し、ボロノイセルインデックスと出入口位置を決定する。孔隙率および浸透率などの、各ボロノイセルの静的特性を計算する。本発明の非拘束複雑内部境界非構造格子化により、これらの非構造データで出力データセットを形成する。このデータセットは完結しており、データ処理システムDの貯留層シミュレータRに送ることができる。貯留層シミュレータRは、非構造格子シミュレーションを実行する並列貯留層シミュレータであることが好ましく、本出願人によるGigaPOWERSなどが挙げられる。

[交差断層のデータ記述および断層Z線索引(インデクシング)方法論] 本出願人による先の米国特許第8,463,586号明細書は、2.5次元非構造ボロノイ格子幾何形状データを説明している。以下のセクションでは、複雑な断層を記述する追加データおよび方法と、いわゆるトランスミシビリティ(transmissibility)と呼ぶ流体接続係数(flow−term connection factor)を断層面にわたって構築する関連する並列方法を説明する。格子の連結を表現する分散並列3次元非構造グラフを構築しつつ、断層のトランスミシビリティを構築してトランスミシビリティを判定することは本発明の不可欠な部分である。

シミュレーション領域内は、複数の断層表面を有する可能性がある。複数の断層表面は、Z線ペアの集合で記述する。Z線ペアは、断層地塊両側の地質学的層準に対する深さを記述する。断層表面は、他の断層表面と交差していてもしていなくてもよい。複数の断層表面が交差すると、複数のZ線が重なる断層軌跡を形成し得るが、各層準に対する深さは、互いに異なっていてもよい。

図4Aから図4Eは、一部の断層線および断層表面を例示する5つの上面図である。図4Aは、2つの断層地塊40a、40bにある断層の断層線またはZ線40を示す。図4Bは、3つの断層地塊41a、41b、41cにある2本の断層線41、42を示す。図4Cは、4つの断層地塊43a、43b、43c、43dにある2本の断層線43、44を示す。図4Dは、6つの断層地塊45a、45b、45c、45d、45e、45fにある3本の断層線45、46、47を示す。図4Eは、5つの断層地塊48a、48b、48c、48d、48eにある3本の断層線48、49、50を示す。図4Aから図4EのZ線は、湾曲した線であってもよく、垂直である必要はないことに留意されたい。以下、説明の簡素化のため例として垂直なZ線を使用し、断層Z線をベースZ線と関連付ける構成とインデックス参照を説明する。

図5はデータ構成を示しており、Z線データとインデックス参照を例示する。インデックス参照は、断層Z線をベースZ線と関連付ける。ボロノイ格子の非断層頂点は、1つのZ線のみを有する。ボロノイ格子の断層頂点は、2つ以上の一致したZ線を有するが、各層準が交差する深さは異なる。これらのZ線データは、2つのセクションに分割される。先頭セクションは、ベースZ線用であり、末尾セクションは、断層Z線用である。セル柱の各ボロノイセルの頂点位置はZ線で記述する。ボロノイセルの頂点リストにおけるZ線の数は、ベースZ線または断層Z線であり得る。断層Z線参照と呼ぶ整数配列を記憶し、断層Z線に対応するベースZ線数に索引(インデックス)をつける。各断層Z線は、ベースZ線参照を有する。この例では、図4Bの断層線1および断層線2の交点に3つのZ線が示されている。Z線データは、モデルの各地質学的層準に対する深さを含有する。各断層Z線のベースZ線インデックスを記憶する整数配列が存在する。この例では、断層Z線Bに対するベースZ線A、断層Z線Cに対するベースZ線Aのインデックス参照を図5に示す。

図6は、ボロノイセル柱60と5つの隣接セル柱62を例示する。ボロノイセルの中心は64、ボロノイセルの頂点は68で示す。破線66は、2次元相互連結グラフの局所的部分を概略的に表している。

[並列分散グラフ構築方法および接続係数(トランスミシビリティ)の計算] 並列計算では、シミュレーション領域を同数またはほぼ同数のボロノイセル柱に分割する。分割数は、シミュレーションを実行する分散コンピューティングプロセス数と同数である。ボロノイセル柱の分割区画には断層面を含んでも含まなくてもよい。コンピューティングプロセスは担当のボロノイセル柱のデータだけを必要とする。

全シミュレーション領域の連続空間として全域的データをディスクファイルに記憶する。これをディスク記憶装置への全域的データ記憶と呼ぶ。並列コンピュータシミュレーションで各コンピューティングプロセスは、担当の格子区画とハロー(halo)と呼ぶ細長いゴーストセルに属するデータをランダムアクセスメモリ(RAM)に記憶するだけでよい。これらのデータには索引システムが必要であり、索引システムは領域区画の各局所的セルが全域的データ空間のどこにあるかを割り当てる。局所的セルの数は、所与のデータセットによりシミュレーションごとに変わり得る。本出願人による先の米国特許第8,386,277号明細書および第8,433,551号明細書が、上記達成のためのデータおよび機構を議論している。

断層連結データと断層連結方法を特に参照して全域的入力データから分散並列グラフを構築し、断層のトランスミシビリティを計算する方法を本発明により実行する。断層連結データおよび断層連結方法は分散型で局所的である。

図7のフローチャートBは、本発明の流動シミュレーションに用いる並列グラフと接続係数(connection factor)を構築するためデータ処理システムD(図16)が実行する基本的なコンピュータ処理シーケンスと、本発明の典型的な実施形態で行われる計算方法論とを示す。

工程401では、ボロノイセル柱の2次元接続性グラフを読み出す。ボロノイセル柱の隣接セルへの接続性は、双方向グラフで記述し、圧縮行格納方式(CSR)で記憶する。5つの隣接セル柱を有するセル柱の上面図を図6に例示する。白丸64は、セルの中心を表し、黒点68は、セルの頂点に配置されたZ線を表す。

工程403では、ボロノイセル柱の接続グラフをn個のサブドメインに分割する。グラフ分割では、柱のアクティブセル数をノード重みとして使用する。K分割方法は、エッジカットを最小にしつつ、2次元グラフを同じ作業量で同じ大きさのN個の区画に分割する。各ボロノイセル柱の各頂点のZ線数を頂点リストとして記憶する。隣接グラフとも呼ぶボロノイセル柱接続グラフと頂点リストの両方を局所的区画番号化する。局所的番号から全域的番号へデータ参照を構築し記憶する。この情報により、工程405の各プロセスiを事前設定し、ディスクデータ記憶装置のデータ要素を抽出、処理できる。

工程407は各プロセスの並列読み出し工程であり、例えばプロセスiは担当のデータ区画のみを読み出す。この段階では、セル順序を指定しないため、局所的Z線順序に基づいて読み出す。工程409は、局所から全域への参照を構築して3次元並列分散グラフの構築を促進し、ボロノイセル間の連結を表し、流動シミュレーションに使用できるようにする。

本発明では、広域データ配列を記憶、要求しない。これは何十億ものボロノイセルを扱うことがある超大規模シミュレーションモデルでは明白な利点である。なぜなら典型的なHPCクラスタの計算ノードの利用可能なRAMは、1つの広域的データ配列で圧倒される可能性があるためである。

工程411では、外側のDoループで局所的非構造隣接グラフを用いて、セルごとにすべての局所的連結リストを調べる。セルに多孔区画が1つ以上ある場合に、このループに含める。3種類の連結、すなわち垂直連結、水平連結、コロケート連結を識別する。垂直連結については、工程413でセル面積とトランスミシビリティを計算し、工程415で非構造グラフをインクリメントし、新しいトランスミシビリティ値を記憶する。同様に、コロケートセル(多重孔隙率多重浸透率)については、工程417で形状係数およびトランスミシビリティを計算し、工程419でグラフをインクリメントし、トランスミシビリティを記憶する。

連結が水平連結の場合、工程421では合致する隣のボロノイセル柱を検索する。各連結面は、2つのボロノイセル隣接頂点のZ線座標と深さで描写する。各セルについて内側のDoループでセルiのすべての隣接セルjを調べる。次いで、内側の二重Doループでセルの頂点インデックス対を調べる。セルiは時計回り、隣接セルjは反時計回りで調べ、セルiとセルjで共有する境界を探す。これを図8に示す。各ボロノイセルのセル頂点対422は、図示のように、一方は時計回りに、他方は反時計回りに巡回し、幾何形状データから連結グラフを構築する。これにより断層線両側の共通辺を位置決めできる。頂点インデックスは、Z線インデックスである。インデックスが断層インデックスの場合、ベースインデックスを参照して合致するものを見つける。工程423ではこのように断層連結を識別する。セルiと隣接セルjとの間に共通境界が見つかった場合、二重のDoループを出る。

連結が断層連結の場合、工程425を実行する。セル辺を規定する2つのZ線の連続するZ線2点で、そのセル、辺、層にセル側面を与える。側面は、4つの空間点で画定する四辺形となる。隣接セル辺については、隣接柱jcの非ゼロ(NZ)ループで隣接セル柱のすべての層を調べる。隣接セル辺を規定する2つのZ線の連続するZ線2点で、隣接セルj、隣接辺、隣接層にセル側面を与える。

工程427および429では、隣接柱ループで隣接セル側面を調べ、セルiとセルiに接近した任意の隣接セルjとが重なる領域をすべて見つけ、計算する。重なり領域が存在し、断層のトランスミシビリティ乗数が非ゼロである場合、2セルの間の接続係数、すなわち、トランスミシビリティを計算する。セルiと隣接セルj間のトランスミシビリティTijは、次のように計算する。

ここで、Fmultは、断層のトランスミシビリティ乗数であり、Tiは、セルiのトランスミシビリティの半分を寄与し、以下の形を有する。

ここで、

は、セルiとセルjとの有向重なり領域である。diは、セルの中心からセルi側面の中心までの有向距離であり、

は、セル側面に対して法線方向の浸透率である。

断層のトランスミシビリティを形成するための重なり領域の計算を図9A、図9Bおよび図9Cにさらに示す。左の断層地塊430(図9A)の各セルに共通辺が見つかると、対応するZ線の深さを用いて、右の断層地塊430b(図9B)の各セルとの重なる可能性のある領域を見つける。各セル側面は、4つのコーナーポイント座標で記述する。重なるセル側面があると、断層連結430c(図9C)が表示430dに示される。工程431で連結グラフをインクリメントし、計算したトランスミシビリティを記憶する。工程433は、隣接するZ線の深さ比較を行い、隣接列の深さ上面が当該柱深さ方向の底面より下になった場合にNZループを出る。

連結が断層連結ではない場合、工程435を実行する。この場合、

は単純に、トランスミシビリティを計算するためのセル側面積となる。断層のトランスミシビリティ乗数Fmultは使わない。他の項は、上式で述べたものと同じ意味を有する。工程437で連結グラフをインクリメントし、計算したトランスミシビリティを記憶する。

行列での解法では、セル順序、つまり接続グラフの順序を並べ替えて、行列方程式の解法を拡張する。この実施態様については、本出願人による先の米国特許第8,386,277号明細書および第8,433,551号明細書に説明されている。

本発明は、シミュレーション領域の2種類の内部境界を同時に尊重する。種類1の境界は、坑井軌道であり、ボロノイセル中心の軌跡でトレースする。種類2の境界は、断層線などの領域の不連続部分であり、ボロノイセル辺でトレースする。両種類の境界は、シミュレーション領域の場所内で交差、密集していてもよい。ユーザは境界付近の格子点密度を指定して最適に制御できる。

本発明は、格子点を最適に生成および優先順位付けするものであり、最適な点集合となるよう格子点の衝突を解決する。最適な点集合は、非拘束ドロネー三角形分割で使用する。垂直二等分(PEBI)法でボロノイ双対格子を生成する。結果として得られる離散化は直交であり、所望のボロノイ格子セル密度で内部境界を最適に尊重する。この離散化により、有限体積法(FVM)で2点流束近似(TPFA)する場合に、正確で効率的、信頼が高く数値収束の良好な離散化を貯留層シミュレーションにもたらすことができる。

本発明の格子化方法論は、複数種類の内部境界(複雑な坑井、断層、および他の不連続部分)を含む領域(貯留層またはフィールド)の非構造格子を生成するものであり、貯留層シミュレータの前処理となる構成要素である。本発明は、非構造格子シミュレーションのワークフローの機能単位である。

非構造格子シミュレーションでは、特定の非構造データセットを必要とする。例えば非構造格子の幾何形状および接続係数データ、生成した非構造格子における坑井軌道および坑井仕上げの幾何形状、Z線データ空間における断層情報などが挙げられる。本出願人による米国特許第8,386,227号および前述の同時係属中の米国特許出願第14/171,815号明細書は、上記非構造データセットのための情報の一部を提供する。本発明は並列貯留層シミュレーションを行うため、追加的な断層Z線関係データを提供し、そのデータを活用した並列分散グラフの生成方法および断層面のセル間接続係数(トランスミシビリティ)の計算方法を提供する。

本発明による貯留層シミュレーションは成功裏に行われ、構造格子を用いる従来技術の方法と比較した場合に、結果の改善を証明してきた。ケーススタディとして、2つの貯留層に、種類1の内部境界を70個、種類2の内部境界を21個有し、その一部が交差する全フィールドシミュレーションモデルを用いる例を挙げる。

同じ非拘束ボロノイ格子化法で、2つの非構造格子化を行った。図10Aの第1の格子化では、種類1の内部境界のみに本発明の格子化を表示しており、格子が断層線440aおよび440bを尊重しておらず、このためボロノイセル辺が種類2の境界の幾何形状に一致しない。坑井群442aおよび442b付近の格子は、種類1(坑井の幾何形状)を尊重しているが、種類2(断層の幾何形状)を尊重していない。図10Bは、種類1および種類2の内部境界の両方をモデリングするために本発明を適用した格子化の表示が示されている。断層線444aおよび444b付近の格子は、断層の幾何形状を尊重している。坑井群446aおよび446b付近の格子は、種類1および種類2の境界の両方を尊重している。図10Bは、非拘束ボロノイ格子化法が、すべての内部境界(種類1および種類2の両方)に一致する最適な解と、ターゲットとした貯留層シミュレーション要件を満たす望ましい格子サイズおよび間隔とを達成していることを明確に示している。

図11Aおよび図11Bは、図10Aの貯留層モデル格子化の拡大図であり、ケーススタディに用いた2つの貯留層のうち第1の貯留層を示す。図11Aの格子位置448は、種類2の境界を尊重しておらず、図11Bの格子位置450は、両方の種類の境界を尊重していることを明確に示している。図12Aおよび図12Bは、ケーススタディの2つの貯留層のうちの第2の貯留層を示す図10Bの貯留層モデル格子化の拡大図である。図12Aの格子位置452は、種類2の境界を尊重しておらず、図12Bの格子位置454は、両方の種類の境界を尊重していることを明確に示している。

図13は、図11Bのさらなる拡大図であり、図14は、図12Bのさらなる拡大図である。図13および図14は、種類1および種類2の境界が一部の領域で重なり密集する領域456および領域458の詳細を示し、本発明により、格子衝突の近傍で良質なボロノイセルを最適に配置できることを示している。

本出願人によるGigaPOWERSシミュレータを用いた並列貯留層シミュレーションを、生成した非構造格子モデルに対して行った。図15は、ある1つのタイムステップにおける、貯留層の1つの層におけるガス飽和を示している。断層線位置460a〜460eおよび坑井の軌道位置462a〜462cで特定の内部幾何形状周囲のボロノイ格子表現を明確に確認できる。このモデルでは、断層が塞がっているため、坑井で貯留層から排出される際、流体は断層表面を横断して流れることができない。より正確な挙動予測を得るには、封塞断層など貯留層の不連続部分の坑井付近の流動を正確に表現することが非常に重要である。

[データ処理システム] 図16に示すように、データ処理システムDは、マスターノードプロセッサ502と、プロセッサ502に接続されて、動作命令、制御情報およびデータベースレコードを記憶するメモリ504とを有する、コンピュータ500を備える。データ処理システムDは、インテルもしくはアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)製などのノードを有するマルチコアプロセッサ、またはHPC Linuxクラスタコンピュータであることが好ましい。データ処理システムDはまた、ニューヨーク州アーモンクにあるアイビーエム(IBM)または他の製造元から入手し得るものなど、好適な処理能力を有する任意の従来型メインフレームコンピュータであってもよい。場合により、データ処理システムDはまた、パーソナルコンピュータ、ラップトップコンピュータ、または任意の他の好適な処理装置など、好適な処理能力を有する任意の従来型コンピュータであってもよい。本目的のために、多数の市販のデータ処理システムおよび各種コンピュータが使用され得ることが理解されるべきである。

オペレータやユーザは、ユーザインターフェース506を通じてプロセッサ502にアクセスでき、プロセッサ502は本発明に得られた処理結果の出力データまたはレコードを出力グラフィックユーザディスプレイ504で表示する。出力ディスプレイ504には、プリンタおよび出力ディスプレイスクリーンといったコンポーネントが含まれ、グラフ、データシート、グラフィック画像、データプロットなどの形態で印刷出力情報や可視表示を出力レコードまたは画像として提供する。

コンピュータ500のユーザインターフェース506はさらに、好適なユーザ入力装置または入出力制御ユニット80を備え、ユーザが情報およびデータベースレコードに対し制御またはアクセスし、コンピュータ500を操作できるようにする。データ処理システムDはデータベース512をさらに含み、データはコンピュータメモリに記憶されている。コンピュータメモリは内部メモリ504であってもよく、データベースサーバ520に516で示すような外部メモリやネットワークで接続されたメモリ、またはネットワークに非接続のメモリであってもよい。

データ処理システムDは、コンピュータ500の非一時的メモリ504に記憶したプログラムコード522を備える。本発明のプログラムコード522は、コンピュータ実行可能命令の形態であり、本発明の貯留層シミュレーションにおける交差断層および複雑な坑井のモデリングをデータプロセッサ502が実行できるようにする。

コンピュータメモリ504はまた、貯留層シミュレータモジュールR、本出願人による先の同時係属中の出願による非構造格子化モジュールU、さらにプロセッサ502で操作および処理するデータベース512からのデータのコンピュータ動作命令を非一時的な形態で記憶する。

プログラムコード522は、マイクロコード、プログラム、ルーチン、またはコンピュータ実行可能記号言語の形態であってもよく、データ処理システムDの機能を制御し、動作を命令する順序付動作の特定セットを提供することに留意すべきである。プログラムコード522の命令は、データ処理システムDのメモリ504に記憶されてもよいし、フロッピーディスク、磁気テープ、従来のハードディスクドライブ、電子的な読み出し専用メモリ、光学記憶装置、またはコンピュータ利用可能非一時的媒体を格納した他の適切なデータ記憶装置に記憶されてもよい。プログラムコード522はまた、図示のように、サーバ90などのデータ記憶装置上に非一時的コンピュータ可読媒体として含まれてもよい。

データ処理システムDは、単一のCPUから構成されていてもよく、またはコンピュータメモリや、データ処理して入力データから出力データを得る他のハードウェアといった図6に示すようなコンピュータクラスタから構成されてもよい。クラスタは、ネットワーク接続したノードと呼ぶコンピュータの集まりである。通常、クラスタは1つまたは2つのヘッドノードまたはマスターノード502を有するものであり、処理ノード524と呼ぶ他のノードのアクティビティを同期するために使用する。すべての処理ノード524は同じコンピュータプログラムを実行し、貯留層を表す格子の異なるセグメントに独立して機能する。

したがって、本発明による貯留層シミュレーションのモデリングでは、複数のデータソースやデータベースからのフィールド、貯留層、断層、坑井の詳細に関する入力データ、地質学的モデル、シミュレーションモデルを組み合わせて入力データとして提供する。入力データには、シミュレーションエンジニアが指定した各ゾーンや領域の格子サイズを制御する制御パラメータや、四分木細分化等の格子化オプションも含む。

次に、本発明の格子化方法を適用する。本発明の格子化方法は、貯留層シミュレーションの格子サイズや品質要件だけでなく、領域内の複数種類の内部境界を同時に尊重する。モデルデータファイルとして、生成した格子情報、坑井穿孔情報、断層記述、補間特性データをディスクメモリに書き込む。

ディスクメモリに記憶したモデルデータファイルが並列非構造格子貯留層シミュレーションの入力ファイルとなる。続いて並列貯留層シミュレーションでは、複数のコンピューティングプロセスは、好ましくはクラスタコンピュータでシミュレーション問題を解決する。クラスタの各プロセスで、サブドメインと呼ぶ領域区画の計算を行う。並列グラフ生成方法およびトランスミシビリティ計算方法を使用して、流動シミュレーションのセル間接続係数情報を構築できる。

本発明は、本出願人による同時係属中の米国特許出願第14/171,815号明細書の処理方法論を拡張したものであり、非構造坑井付近モデリング能力を強化し、非構造格子貯留層シミュレーションフレームワークで断層や他の不連続部分等の複雑な内部境界を含めるようにしたものである。本発明により非構造格子化処理が向上し、統合された格子モデリングを提供し、複雑な坑井、断層、大規模なフラクチャ、または他の種類の不連続部分の組み合わせといった複数型の内部境界モデリングの正確なモデリングを提供できる。本発明は、複雑な格子平滑化工程を必要とせず、拘束条件を適用することなく、高品質で境界と一致した格子を作成する。

本出願人による同時係属中の米国特許出願第14/171,815号明細書の衝突点除去方法論をさらに改善し、内部境界格子点を含むことができる。非拘束ボロノイ格子化で領域内のすべての内部境界格子点は、重み付けした値を割り当てられる。次に、互いに接近しすぎている衝突内部境界格子点を除去する格子点最適化手順を行う。内部境界付近の格子密度要件をより満たす内部境界格子点に、より高い優先順位を与えることで、格子密度と内部境界モデリング要件との両方を同時に満たすことができる。その結果、内部境界格子点間の間隔を最適に維持し、所望の角度、形状の三角形を生成し、貯留層シミュレーションの近似をより良好なものとすることができる。

当業者であれば本明細書で言及した結果を再現、取得し得るよう本発明を十分に説明してきたとはいえ、本明細書における本発明の主題、技術分野の当業者であれば、本明細書における請求において記載されていない、以下の特許請求の範囲に記載した事項を必要とする、修正を実行して、これらの修正を既定の方法論もしくはその性能および利用に適用し得るものであり、そのような構造は、本発明の範囲内に包含されるものとする。

添付の特許請求の範囲において説明する本発明の趣旨または範囲から逸脱することなしに、上に詳細に説明した本発明に改良および修正がなされ得ることが留意および理解されるべきである。

QQ群二维码
意见反馈