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ポリアリーレンエーテルスルホン油およびガス回収物品、調製方法ならびに使用方法

申请号 JP2016528427 申请日 2014-07-16 公开(公告)号 JP2016535142A 公开(公告)日 2016-11-10
申请人 ソルベイ スペシャルティ ポリマーズ ユーエスエー, エルエルシー; ソルベイ スペシャルティ ポリマーズ ユーエスエー, エルエルシー; 发明人 デーヴィッド ビー. トーマス,; デーヴィッド ビー. トーマス,; シャンタル ルイス,; シャンタル ルイス,; モハマド ジャマール エル−ヒブリ,; モハマド ジャマール エル−ヒブリ,;
摘要 少なくとも1つのポリ(アリールエーテルスルホン)ポリマーを含むポリ(アリールエテールスルホン)ポリマー材料から作られる少なくとも1つの部分を含む油およびガス回収物品であって、前記(t−PAES)ポリマーは、式(St):−E−Ar1−SO2−[Ar2−(T−Ar3)n−SO2]m−Ar4[式中、nおよびmは、互いに等しいかまたは異なり、独立して、ゼロまたは1〜5の整数であり、互いにかつ出現するごとに等しいかまたは異なるAr1、Ar2、Ar3およびAr4のそれぞれは、芳香族部分であり、Tは、結合または二価基であり、Eは、式(Et):(式中、R’のそれぞれは、互いに等しいかまたは異なり、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、エーテル、チオエーテル、カルボン酸、エステル、アミド、イミド、アルカリまたはアルカリ土類金属スルホン酸塩、スルホン酸アルキル、アルカリまたはアルカリ土類金属ホスホン酸塩、ホスホン酸アルキル、アミンおよび第四級アンモニウムからなる群から選択され、j’は、ゼロであるかまたは1〜4の整数である)のものである]の繰り返し単位(Rt)を50モル%超含む。【選択図】図1
权利要求

少なくとも1つのポリ(アリールエーテルスルホン)ポリマー[(t−PAES)ポリマー]を含むポリ(アリールエーテルスルホン)ポリマー材料[以下、(t−PAES)ポリマー材料)]から作られる少なくとも1つの部分を含む油およびガス回収物品であって、前記(t−PAES)ポリマーは、式(St): −E−Ar1−SO2−[Ar2−(T−Ar3)n−SO2]m−Ar4− 式(St) [式中: −nおよびmは、互いに等しいかまたは異なり、独立してゼロまたは1〜5の整数であり、 −互いにかつ出現するごとに等しいかまたは異なるAr1、Ar2、Ar3およびAr4のそれぞれは、芳香族部分であり、 −Tは、結合、または1個または2個以上のヘテロ原子を含んでもよい二価基であり;好ましくはTは、結合、−CH2−、−C(O)−、−C(CH3)2−、−C(CF3)2−、−C(=CCl2)−、−C(CH3)(CH2CH2COOH)−、および式: の基からなる群から選択され、 −Eは、式(Et): (式中、 −R’のそれぞれは、互いに等しいかまたは異なり、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、エーテル、チオエーテル、カルボン酸、エステル、アミド、イミド、アルカリまたはアルカリ土類金属スルホン酸塩、スルホン酸アルキル、アルカリまたはアルカリ土類金属ホスホン酸塩、ホスホン酸アルキル、アミンおよび第四級アンモニウムからなる群から選択され、j’は、ゼロであるかまたは1〜4の整数である) のものである] の繰り返し単位(Rt)を50モル%超含む、油およびガス回収物品。前記繰り返し単位(Rt)が、以下の式(St−1)〜式(St−4): (式中、 −R’のそれぞれは、互いに等しいかまたは異なり、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、エーテル、チオエーテル、カルボン酸、エステル、アミド、イミド、アルカリまたはアルカリ土類金属スルホン酸塩、スルホン酸アルキル、アルカリまたはアルカリ土類金属ホスホン酸塩、ホスホン酸アルキル、アミンおよび第四級アンモニウムからなる群から選択され; −j’は、ゼロであるかまたは1〜4の整数であり、 −Tは、結合、または1個もしくは2個以上のヘテロ原子を含んでもよい二価基であり;好ましくはTは、結合、−CH2−、−C(O)−、−C(CH3)2−、−C(CF3)2−、−C(=CCl2)−、−C(CH3)(CH2CH2COOH)−、および式: の基からなる群から選択される) のものからなる群から選択される、請求項1に記載の油およびガス回収物品。(t−PAES)ポリマー材料が、前記(t−PAES)ポリマーと異なる1つまたは1つより多い追加の原料(I)をさらに含む、請求項1または2に記載の油およびガス回収物品。(t−PAES)ポリマー材料が、少なくとも1つの補強充填剤をさらに含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の油およびガス回収物品。前記油およびガス回収物品が、掘削システム、掘削リグ、コンプレッサシステム、ポンプ輸送システム、モータシステム、センサ、制御システム、ライナーハンガー、パッカーシステム、パイプシステム、バルブシステム、チュービングシステム、またはケーシングシステムである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の油およびガス回収物品。前記パイプシステムが、パイプ、フレキシブルライザー、パイプインパイプ、パイプライナー、海中ジャンパー、スプールまたは供給パイプライン、好ましくはパイプ、フレキシブルライザまたはパイプライナーである、請求項6に記載の油およびガス回収物品。前記部分が、シール、ファスナー、ケーブル、電気コネクタ、または油およびガス回収ハウジングである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の油およびガス回収物品。前記部分が、ドリルビット、モータシステム、貯留層センサ、刺激および流れ制御システム、ポンプシステム、パッカー、ライナーハンガー、チュービング、ケーシングなどにおける使用に適するシールである、請求項7に記載の油およびガス回収物品。前記シールが、シールリング、好ましくはバックアップシールリングである、請求項8に記載の油およびガス回収物品。前記部分が、コーティング、好ましくはワイヤーコーティングである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の油およびガス回収物品。射出成形、押出し、または他の造形技術のステップを含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の油およびガス回収物品の部分、または油およびガス回収物品の製造のための方法。前記(t−PAES)ポリマー材料の射出成形および固化のステップを含む、請求項11に記載の油およびガス回収物品の部分、または油およびガス回収物品の製造のための方法。コーティング、好ましくは押出しコーティングのステップを含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載の油およびガス回収物品の部分、または油およびガス回収物品の製造のための方法。請求項1〜11のいずれか一項に記載の前記油およびガス回収物品を使用することを含む、地下層から油および/またはガスを回収する方法であって、 (a)上で定義されたとおりの少なくとも1つの油およびガス回収物品を使用して地下層における油および/またはガス貯留層を探索または開発するために少なくとも1つのボーリング孔を掘削すること、 (b)上で定義されたとおりの少なくとも1つの油およびガス回収物品を使用して、少なくとも1つの井戸を仕上げること、 (c)油および/またはガスを地下層における油および/またはガス貯留層から地表面に移送すること からなる群から選択される作業の少なくとも1つを含む方法。

说明书全文

関連出願の相互参照 本出願は、2013年7月22日に出願された米国仮出願第61/857034号および2013年9月19日に出願された欧州特許出願第13185207.1号に対する優先権を主張し、これらの出願の全内容は、あらゆる目的のために参照により本明細書に組み込まれる。

本発明は、ポリアリーレンエーテルスルホン(PAES)ポリマーベース材料を含む、油/ガス回収産業における使用に適した物品であって、前記(PAES)ポリマーは、4,4’’−ターフェニル−p−ジオールの組込みに由来する部分を含む、物品に関する。前記(PAES)ポリマーベース材料は、改善された機械的特性を有する、特に、剛性と延性との優れたバランス、良好な耐薬品性、高い耐熱性(例えば、Tg>230℃)、長期間熱安定性、360℃から420℃の間の有用な最高Tmを有することにより特徴付けられる。

油およびガス市場は現在、世界中でポリエーテルエーテルケトン(PEEK)市場の約3分の1に相当する。ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)ポリマーは、主としてその高い耐熱性および耐薬品性を含めた特性の組合せのために使用される半結晶性ポリマーである。

現在、アクセスしやすい油田は、次第に生産性でなくなり;したがって、よりアクセスしにくい油田から生産することを始める必要性があり、このことは、それらの多くが海洋下深くおよび高圧下などの、最も難しい稼動環境を伴い得る。

例えば、特に高圧および高温[HP/HT、以下使用される]の深海油およびガス回収用途のような、油およびガス回収用途における使用に適した物品は、高圧、例えば、30,000psiより高い圧、高温、例えば、最高260℃〜300℃の温度、ならびに酸、塩基、過熱/水蒸気、および当然に、多種多様な脂肪族および芳香族有機物を含む厳しい化学薬品に長期に曝露されるこれらの過酷な条件に耐えることは、油およびガス市場にとって重要な課題である。例えば、油回収技術の増強は、特に水、水蒸気、硫化水素(H2S)または超臨界炭酸ガス(sCO2)などの流体を井戸の中に注入することを伴う。特に、n−ヘプタンと類似の溶媒和効果を有するsCO2は、例えば、シール中の材料の膨潤を引き起こし得、これは、結果としてそれらの性能に影響を及ぼす。

したがって、半結晶性PEEKポリマーから作られる油およびガス物品は、最高30,000psiまでの圧力および最高300℃までの温度にもはや耐えず、前記物品は上述のHP/HT油およびガス回収用途にもはや使用することができないという欠点を有する。

上述のとおり、前記油およびガス回収用途における使用に適した物品を提供するのに有用なポリマー材料は、したがって、高圧および少なくとも300℃の温度での、機械的剛性および一体性(例えば、降伏/引張り強度、硬度および衝撃靭性)の維持または改善、特に前記高い圧力および温度でCO2、H2S、アミンおよび他の化学薬品に曝露された場合の良好な耐薬品性、ガスおよび液体吸収による膨潤および収縮、高圧油/ガスシステムにおける耐減圧性、ガスおよび液体拡散性ならびに長期間熱安定性などの特性を有しなければならない。

したがって、上述の欠点を克服し得る少なくとも1つのポリマー材料を含み、前記ポリマー材料は優れた機械的特性(特に、高い剛性と延性との良好な組合せ)を特徴とし、剛性と延性との優れたバランス、良好な加工性、高い耐薬品性、高い耐熱性(例えば、Tg>260℃)および長期間熱安定性を有し、かつ前記ポリマー材料は、上述のとおりの、これらの改善された特性のすべてを有する最終物品を提供する、油およびガス回収用途における使用に適した物品に対して、継続する必要性が依然としてある。

本発明は、上で詳述された必要性に対処し、油およびガス回収物品、ならびに油および/またはガス回収のためにそれを使用する方法であって、少なくとも1つのポリ(アリールエーテルスルホン)ポリマー[(t−PAES)ポリマー]を含み、前記(t−PAES)ポリマーは、式(St): −E−Ar1−SO2−[Ar2−(T−Ar3)n−SO2]m−Ar4− 式(St) [式中: −nおよびmは、互いに等しいもしくは異なり、独立して、ゼロ、または1〜5の整数であり、 −互いにかつ出現するごとに等しいまたは異なる、Ar1、Ar2、Ar3およびAr4のそれぞれは、芳香族部分であり、 −Tは、結合、または1個もしくは2個以上のヘテロ原子を含んでもよい二価基であり;好ましくはTは、結合、−CH2−、−C(O)−、−C(CH3)2−、−C(CF3)2−、−C(=CCl2)−、−C(CH3)(CH2CH2COOH)−、および式: の基からなる群から選択され、 −Eは、式(Et): (式中、R’のそれぞれは、互いに等しいまたは異なり、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、エーテル、チオエーテル、カルボン酸、エステル、アミド、イミド、アルカリまたはアルカリ土類金属スルホン酸塩、アルキルスルホネート、アルカリまたはアルカリ土類金属ホスホネート、アルキルホスホン酸、アミンおよび第四級アンモニウムからなる群から選択され;j’は、ゼロであるかまたは1〜4の整数である) のものである] の繰り返し単位(Rt)を50モル%超含む、ポリ(アリールエーテルスルホン)ポリマー材料[以下、(t−PAES)ポリマー材料]から作られる少なくとも1つの部分を含む、油およびガス回収物品、ならびに油およびガス回収のためにそれを使用する方法に関する。

図1は、掘削リグ設備を概略的に示す。

図2は、急速ガス減圧試験で得られた圧力および温度分布曲線である。

油およびガス回収物品 本発明の目的に対して、用語「油およびガス回収物品」は、油およびガス回収用途、特にHP/HT条件で便利に使用さるように設計されている任意の物品を意味することが意図される。

明確さのために、用語「油およびガス回収物品の部分」は、油およびガス回収物品の全体を構成するために他と組み合わせられる一片または一部を意味することが意図される。したがって、油およびガス回収物品の外部コーティングは、この範囲内に入る。したがって、本発明による油およびガス回収物品の少なくとも1つの部分は、コーティングであり得る。

油およびガス回収用途の代表例には、限定されないが、(i)特に、それらの開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第5,662,170号明細書に記載されたとおりの、深く、比較的高い温度、比較的高い圧力の油およびガス井戸の掘削および仕上げ、(ii)伝統的に3段階、すなわち、一次油回収段階、二次または補助油回収段階、および三次または増強油回収段階に細分されるとおりの油およびガス回収方法、(iii)ガスおよび油収集処理用途、(iv)前記深く、比較的高い温度、比較的高い圧力の井戸からのガスおよび油の複合移送、などが含まれる。

本明細書において上に言及されたとおりの全てのこれらの用途は当業者には公知であり、それらの一般的な意味で理解されるべきである。

本発明で有用な油およびガス回収物品の非限定的な例は、特に、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2001/0214920 A1号明細書に記載されたとおりの、掘削システム;掘削リグ;特に、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2010/0239441 A1号明細書に記載されたとおりの、コンプレッサシステム;ポンプ輸送システム;モータシステム、貯留層センサなどのセンサ;温度および/または圧力などの制御システム;刺激および流量制御システム;特に、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,655,456 B1号明細書に記載されたとおりの、ライナーハンガーシステム;特に、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第7,874,356 B2号明細書に記載されたとおりの、パッカーシステム;パイプシステム、バルブシステム、チュービング(tubing)システム;ケーシングシステムなどである。

本明細書において上に言及されたとおりの全てのこれらのシステムは、当業者には公知であり、それらの一般的な意味で理解されるべきである。

用語「掘削リグ」によって、油井戸、または天然ガス抽出井戸を掘削するために使用され、単一物品からなっても、または2つ以上の構成要素からなっていてもよい。典型的には、前記掘削リグの構成部分には、限定されないが、泥水タンク、シェールシェーカー、泥水ポンプ、ドリルパイプ、ドリルビット、掘削管路、電気ケーブルトレイが含まれる。

本発明で有用なポンプ輸送システムの非限定的な例は、ジェットポンプシステム、水中ポンプ輸送システム、特に、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,863,124 B2号明細書に記載されたとおりの、特に電気水中ポンプ、ビームポンプである。

本発明で有用なモータポンプの非限定的な例は、特に、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2012/0234603 A1号明細書に記載されたとおりの、泥水モータアセンブリである。

本発明で有用なパイプシステムの非限定的な例として、剛性管および撓み管、フレキシブルライザー、パイプインパイプ、パイプライナー、海中ジャンパー、スプール、供給パイプラインを挙げることができる。

典型的な撓みパイプは、一例として、それらの開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、国際公開第01/61232号パンフレット、米国特許第6,123,114号明細書および米国特許第6,085,799号明細書に記載されている。このような撓み管は、特に、非常に高いまたは非常に異なる水圧が管の長さにわたって広く行き渡っている流体の輸送のために使用され得、例えば、海面またはその近くで海底から設備まで続くフレキシブルライザーの形態を取り得、それらはまた一般に、設備の種々の品目間の液体もしくはガスの移送用の管として、または海底の大水深に敷設された管として、海面に近い設備の品目間の管として、などで使用され得る。

好ましいパイプシステムは、パイプ、フレキシブルライザーおよびパイプライナーである。

用語「バルブ」によって、通路、パイプ、入口、出口などを通っての液体、ガスまたは任意の他の物質の流れを停止させまたは制御するための任意の装置が意味される。本発明で有用なバルブシステムの非限定的な例として、特にチョークバルブ、熱膨張バルブ、チェックバルブ、ボールバルブ、バタフライバルブ、ダイヤフラムバルブ、ゲートバルブ、グローブバルブ、ナイフバルブ、ニードルバルブ、ピンチバルブ、ピストンバルブ、プラグバルブ、ポペットバルブ、スプールバルブ、減圧バルブ、試料採取バルブ、安全バルブを挙げることができる。

本発明による油およびガス回収物品の少なくとも1つの部分は、取り付け部などの物品;シール、特にシールリング、好ましくはバックアップシールリング、ファスナーなど;スナップフィット部;相互可動部;機能要素、作動要素;追跡要素;調整要素;搬送要素;フレーム要素;フィルム;スイッチ;コネクタ;ワイヤ、ケーブル;ベアリング、ハウジング、コンプレッサバルブおよびコンプレッサプレートなどのコンプレッサ構成要素、油およびガス回収物品で使用されるとおりのハウジング以外の任意の他の構造部、例えば、シャフト、シェル、ピストンなど物品の大きなリストから選択されてもよい。

特に、(t−PAES)ポリマー材料は、油およびガス回収物品のシール、ファスナー、ケーブル、電気コネクタ、ハウジング部の製作に非常によく適している。

好ましい一実施形態において、本発明による油およびガス回収物品の少なくとも1つの部分は、有利には油およびガス回収ハウジング、シール、電気コネクタまたはケーブルである。

ケーブルは、特に、油およびガス回収物品内の異なる部分を電気的に接続する、例えば、異なる電気コネクタを接続するワイヤ、ツールをコネクタ、機器または他のツールに接続するワイヤ、機器をコネクタ、他の機器またはツールに接続するワイヤ、電源をコネクタ、機器またはツールに接続するワイヤであり得る。ケーブルはまた、有利には、信号をコンピュータシステムに搬送するために使用され得る。

特にこの好ましい実施形態の態様において、ケーブルは、コーテッドワイヤまたはワイヤコーティングである。

「油およびガス回収ハウジング」によって、油およびガス回収物品のバックカバー、フロントカバー、フレームおよび/または骨格の1つ以上が意味される。ハウジングは、単一物品であっても、2つ以上の構成要素を含んでもよい。「骨格」によって、油およびガス回収物品の他の構成要素が取り付けられる構造構成要素が意味される。骨格は、油およびガス回収物品の外部からは見えないかまたは部分的に見えるにすぎない内部構成要素であってもよい。

典型的なファスナーは、例として、その開示全体が参照により組み込まれる国際公開第2010/112435号パンフレットに記載されており、限定されないが、ねじ式ファスナー、例えば、ボルト、ナット、ねじ、ヘッドレス位置決めねじ、スクリベット(scrivet)、ねじ式スタッドおよびねじ式ブッシング、ならびに非ねじ式ファスナー、例えば、特にピン、リテーニングリング、リベット、ブラケットおよび固定ワッシャー、などがある。

油およびガス回収物品の構成要素のシーリングは、重要であり、シールは、井戸の仕上げ、試験および製作後に井戸に残る、油およびガス回収物品の部分で使用されるもののみならず、油およびガス回収物品のタイプのすべてで使用されると言うことができる。したがって、シールは、実質的に無期限の時間で、上に言及されたとおりの、これらの極限状態に耐えることを必要とする。エレクトロニクスを除いてシールは、油およびガス回収物品の最も貴重な部分と考え得ることは、言及に値する。

本発明の一実施形態において、油およびガス回収物品の少なくとも一部分は、前記シールが、金属シール、エラストマーシール、金属間シール、ならびにエラストマーシールおよび金属間シールからなる群から選択されるシールである。

シールは、典型的にはドリルビット、モータシステム、特に泥水モータ、貯留層センサ、刺激および流量制御システム、ポンプシステム、特に電気水中ポンプ、パッカー、ライナーハンガー、チュービング、ケーシングなどで使用される。

シールの代表例には、限定されないが、シールリング、例えば、特にCリング、Eリング、Oリング、Uリング、ばね付勢Cリング、バックアップリングなど;ファスナーシール;ピストンシール、ガスケットO−シール;一体シール、ラビリンスシールが含まれる。

特に好ましい実施形態において、本発明による油およびガス回収物品の少なくとも1つの部分は、シールリング、好ましくはバックアップシールリングである。

(t−PAES)ポリマー材料の重量は、油およびガス回収物品の合計重量に基づいて、通常1%超、5%超、10%超、好ましくは15%超、20%超、30%超、40%超、50%超、60%超、70%超、80%超、90%超、95%超、99%超である。

油およびガス回収物品は、1つの部分からなっていてもよく、すなわち、それは、単一構成要素物品である。その場合、単一部分は、好ましくは(t−PAES)ポリマー材料からなる。

代わりに、油およびガス回収物品は、いくつかの部分からなってもよい。その場合、油およびガス回収物品の1つの部分またはいくつかの部分のいずれかは、(t−PAES)ポリマー材料からなってもよい。油およびガス回収物品のいくつかの部分が、(t−PAES)ポリマー材料からなる場合、それらのそれぞれは、非常に同じ(t−PAES)ポリマー材料からなってもよく;代わりに、それらの少なくとも2つが、本発明によって、異なる(t−PAES)ポリマー材料からなってもよい。

油およびガス回収物品を使用して油および/またはガスを回収する方法 本発明の別の態様によれば、上で定義されたとおり少なくとも1つの油およびガス回収物品を使用することを含む、油および/またはガスを回収する方法が本明細書によって提供される。

本発明の方法は、有利には、前記油およびガス回収物品を使用することを含む、地下層から油および/ガスを回収する方法である。

地下層は、有利には6,000メートルを超える深さおよび1,500バールを上回る圧力で300℃に近い温度に遭遇し得る、深く埋められた貯留層であり得;本発明の前記油およびガス物品は、この地下にある地獄のような所に長期間耐える資格を持つための必要条件および特性のすべてを有する。

本発明の方法は、有利には (a)上で定義されたとおりの少なくとも1つの油およびガス回収物品を使用して、地下層における油および/またはガス貯留層を探索または開発するための少なくとも1つのボーリグ孔を掘削すること; (b)上で定義されたとおりの少なくとも1つの油およびガス回収物品を使用して、少なくとも1つの井戸を仕上げること; (c)地下層における油および/またはガス貯留層から油および/またはガスを地表面に移送すること からなる群から選択される作業の少なくとも1つを含んでもよい。

油および/または天然ガス貯留層を探索または開発するためのボーリング孔を掘削する作業は、一般に、上で定義されたとおりの油およびガス回収物品の実施形態である、掘削リグ設備の使用を含む。

図1は、掘削リグ設備を概略的に図示する。この設備において、ドリル管またはストリング(5)は、流体を掘削するための導管として作用し;それは、一般にまとめて接続された中空チュービングの継ぎ手からできており、垂直に油井やぐらに立っている。ドリルビット(7)装置は、ドリルストリングの端部に取り付けられており;このビットは、掘削される岩盤をばらばらに破壊する。それはまた、掘削流体がそれを通して存在する噴流を含む。回転テーブル(6)またはトップドライブ(図示せず)は、取り付けたツールおよびビットとともにドリルストリングを回転させる。

機構部またはくみ上げ機械部(13)は、スプールを収容し、その主たる機能は、ドリルラインを巻き取って/繰り出して、走行ブロックを上げる/下げることである。

泥水ポンプ(11)は、システムを通して掘削流体を循環させるために使用され;泥水は、掘削流体の予備貯蔵所を提供する泥水タンクまたは泥水ピット(9)から吸引される。泥水は、導管14およびドリル管(5)を通ってビット(7)まで流れる。ドリル掘削物を負荷されて、それはボーリング孔において上方に流れ、導管(12)を通って引き出されて、泥水ピットに戻る。シェールシェカー(10)は、ドリル掘削物を掘削流体から分離し、その後、掘削流体は、ボーリング孔を下方にポンプ輸送されて戻る。

この設備は、流体およびガスがボーリング孔(図示せず)から意図せずに漏れることを防ぐために油井頭部に設置された装置をさらに含み得る。

上で詳述されたとおりの掘削リグの構成要素のいずれも、上で詳述されたとおりの、油およびガス回収物品であってもよく、すなわち、上で定義されたとおりの、(t−PAES)ポリマー材料を含む少なくともある部分を含んでもよい。

井戸を仕上げる作業b)は、坑井孔(wellbore)から地層を作業中に持っていくために必要な調製または装備作業のすべてを包括する作業である。これは、必要な仕様に孔の底部を調製すること、生産用チュービングおよびその関連ダウンホールツールを差し込むこと、および装置を制御すること、ならびに必要に応じて穿孔および刺激することを主に伴う。時に、ケーシングを差し込みおよびセメントで固めるプロセスも含まれる。これらの単一作業のすべてにおいて、上で詳述されたとおりの(t−PAES)ポリマー材料を含む少なくとも1つの部分を含む物品を使用することができる。

(t−PAES)ポリマー 互いにかつ出現するごとに等しいかまたは異なる、Ar1、Ar2、Ar3およびAr4のそれぞれにおける芳香族部分は、好ましくは、以下の式: (式中: −各Rsは、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、エーテル、チオエーテル、カルボン酸、エステル、アミド、イミド、アルカリまたはアルカリ土類金属スルホン酸塩、スルホン酸アルキル、アルカリまたはアルカリ土類金属ホスホン酸塩、ホスホン酸アルキル、アミンおよび第四級アンモニウムからなる群から独立して選択され; −kは、ゼロまたは1〜4の整数であり;k’は、ゼロまたは1〜3の整数である) に従う。

繰り返し単位(Rt)において、それぞれのフェニレン部分は、独立して、繰り返し単位におけるRまたはR’とは異なる他の部分への1,2−、1,4−または1,3−連結を独立して有してもよい。好ましくは、前記フェニレン部分は、1,3−または1,4−連結を有し、より好ましくはそれらは、1,4−連結を有する。

さらに、繰り返し単位(Rt)において、j’、k’およびkは、出現するごとにゼロであり、すなわち、フェニレン部分は、ポリマーの主鎖における連結を可能にするもの以外の置換基をまったく有しない。

好ましい繰り返し単位(Rt)は、以下の式(St−1)〜(St−4): (式中、 −R’のそれぞれは、互いに等しいかまたは異なり、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、エーテル、チオエーテル、カルボン酸、エステル、アミド、イミド、アルカリまたはアルカリ土類金属スルホン酸塩、スルホン酸アルキル、アルカリまたはアルカリ土類金属ホスホン酸塩、ホスホン酸アルキル、アミンおよび第四級アンモニウムからなる群から選択され; −j’は、ゼロであるかまたは1〜4の整数であり、 −Tは、結合、または1個もしくは2個以上のヘテロ原子を含んでもよい二価基であり;好ましくはTは、結合、−CH2−、−C(O)−、−C(CH3)2−、−C(CF3)2−、−C(=CCl2)−、−C(CH3)(CH2CH2COOH)−、および式: の基からなる群から選択される) のものからなる群から選択される。

好ましい実施形態(Rt−1)〜(Rt−4)の上記繰り返し単位は、それぞれ単独または混合で存在し得る。

より好ましい繰り返し単位(Rt)は、以下の式(St−1)〜式(St−3): のものからなる群から選択される。

最も好ましい繰り返し単位(Rt)は、上に示されるとおりの、式(St−1)のものである。ある特定の実施形態によれば、上で詳述されたとおりの、(t−PAES)ポリマーは、上で詳述されたとおりの、繰り返し単位(Rt)に加えて、式(Ka): −E−Ar5−CO−[Ar6−(T−Ar7)n−CO]m−Ar8−(式Ka) (式中: −nおよびmは、互いに等しいかまたは異なり、独立して、ゼロまたは1〜5の整数であり、 −互いにかつ出現するごとに等しいかまたは異なる、Ar5、Ar6、Ar7およびAr8のそれぞれは、芳香族部分であり、 −Tは、結合、または1個もしくは2個以上のヘテロ原子を含んでもよい二価基であり;好ましくはTは、結合、−CH2−、−C(O)−、−C(CH3)2−、−C(CF3)2−、−C(=CCl2)−、−C(CH3)(CH2CH2COOH)−、および式: の基からなる群から選択され、 −Eは、上で詳述されたとおりの、式(Et)のものである) の繰り返し単位(Ra)を含む。

繰り返し単位(Ra)は、特に以下の式(Ka−1)または式(Ka−2): (式中、 −R’のそれぞれは、互いに等しいかまたは異なり、R’のそれぞれは、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、エーテル、チオエーテル、カルボン酸、エステル、アミド、イミド、アルカリまたはアルカリ土類金属スルホン酸塩、スルホン酸アルキル、アルカリまたはアルカリ土類金属ホスホン酸塩、ホスホン酸アルキル、アミンおよび第四級アンモニウムからなる群から選択され; −j’は、ゼロであるかまたは1〜4の整数である) のものから選択され得る。

より好ましい繰り返し単位(Ra)は、以下の式(K’a−1)または式(K’a−2) のものからなる群から選択される。

ある特定の実施形態によれば、上で詳述されたとおりの、(t−PAES)ポリマーは、上で詳述されたとおりの、繰り返し単位(Rt)に加えて、Ar−SO2−Ar’基(ArおよびAr’は、互いに等しいかまたは異なり、芳香族基である)を含む繰り返し単位(Rb)であって、一般に式(S1): (S1):−Ar9−(T’−Ar10)n−O−Ar11−SO2−[Ar12−(T−Ar13)n−SO2]m−Ar14−O− (式中: −Ar9、Ar10、Ar11、Ar12、およびAr14は、互いにかつ出現するごとに等しいかまたは異なり、独立して、芳香族単核または多核基であり; −TおよびT’は、互いにかつ出現するごとに等しいかまたは異なり、独立して、結合、または1個もしくは2個以上のヘテロ原子を含んでもよい二価基であり;好ましくはT’は、結合、−CH2−、−C(O)−、−C(CH3)2−、−C(CF3)2−、−C(=CCl2)−、−C(CH3)(CH2CH2COOH)−、−SO2−、および式: の基からなる群から選択され、 好ましくはTは、結合、−CH2−、−C(O)−、−C(CH3)2−、−C(CF3)2−、−C(=CCl2)−、−C(CH3)(CH2CH2COOH)−、および式: の基からなる群から選択され、 −nおよびmは、互いに等しいかまたは異なり、独立して、ゼロまたは1〜5の整数である)に従う繰り返し単位(Rb)を含む。

繰り返し単位(Rb)は、特に以下の式(S1−A)〜式(S1−D): (式中: −R’のそれぞれは、互いに等しいかまたは異なり、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、エーテル、チオエーテル、カルボン酸、エステル、アミド、イミド、アルカリまたはアルカリ土類金属スルホン酸塩、スルホン酸アルキル、アルカリまたはアルカリ土類金属ホスホン酸塩、ホスホン酸アルキル、アミンおよび第四級アンモニウムからなる群から選択され; −j’は、ゼロであるかまたは0〜4の整数であり; −TおよびT’は、互いに等しいかまたは異なり、結合、または1個もしくはは2個以上のヘテロ原子を含んでもよい二価基であり;好ましくはT’は、結合、−CH2−、−C(O)−、−C(CH3)2−、−C(CF3)2−、−C(=CCl2)−、−C(CH3)(CH2CH2COOH)−、−SO2−および式: の基からなる群から選択され、 好ましくはTは、結合、−CH2−、−C(O)−、−C(CH3)2−、−C(CF3)2−、−C(=CCl2)−、−C(CH3)(CH2CH2COOH)−、および式: の基からなる群から選択される) のものからなる群から選択され得る。

繰り返し単位(Rb)において、それぞれのフェニレン部分は、繰り返し単位においてR’とは異なる他の部分への1,2−、1,4−または1,3−連結を独立して有していてもよい。好ましくは、前記フェニレン部分は1,3−または1,4−連結を有し、より好ましくは、それらは1,4−連結を有する。さらに、繰り返し単位(Rb)において、j’は、出現するごとにゼロであり、すなわち、フェニレン部分は、ポリマーの主鎖において連結を可能にするもの以外の置換基をまったく有しない。

ある特定の実施形態によれば、上で詳述されたとおりの(t−PAES)ポリマーは、上で詳述されたとおりの繰り返し単位(Rt)に加えて、Ar−C(O)−Ar’基(ArおよびAr’は、互いに等しいかまたは異なり、芳香族基である)を含む繰り返し単位(Rc)であって、一般に以下の式(J−A)〜式(J−L): (式中: −R’のそれぞれは、互いに等しいかまたは異なり、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、エーテル、チオエーテル、カルボン酸、エステル、アミド、イミド、アルカリまたはアルカリ土類金属スルホン酸塩、スルホン酸アルキル、アルカリまたはアルカリ土類金属ホスホン酸塩、ホスホン酸アルキル、アミンおよび第四級アンモニウムからなる群から選択され; −j’は、ゼロであるかまたは0〜4の整数である)からなる群から選択される繰り返し単位(Rc)を含む。

繰り返し単位(Rc)において、それぞれのフェニレン部分は、繰り返し単位においてR’とは異なる他の部分への1,2−、1,4−または1,3−連結を有してもよい。好ましくは、前記フェニレン部分は、1,3−または1,4−連結を有し、より好ましくは、それらは、1,4−連結を有する。

さらに、繰り返し単位(Rc)において、j’は、出現するごとにゼロであり、すなわち、フェニレン部分は、ポリマーの主鎖において連結を可能にするもの以外の置換基をまったく有しない。

上記のように、(t−PAES)ポリマーは、上で詳述されたとおりの式(St)の繰り返し単位(Rt)を、50モル%超、好ましくは60モル%超、より好ましくは70モル%超、さらにより好ましくは80モル%超、最も好ましくは90モル%超の量で含み、100モル%に補完するものは、一般に、上で詳述されたとおりの繰り返し単位(Ra)、および/または上で詳述されたとおりの、繰り返し単位(Rb)、および/または繰り返し単位(Rc)である。

さらにより好ましくは、(t−PAES)ポリマー繰り返し単位の本質的にすべては、繰り返し単位が繰り返し単位(Rt)であり、鎖欠陥、または極めて微量の他の単位が存在してもよいが、これらの後者は(t−PAES)ポリマーの特性を実質的に変更しないことが理解される。最も好ましくは、(t−PAES)ポリマーの繰り返し単位のすべては、繰り返し単位(Rt)である。優れた結果は、(t−PAES)ポリマーが、その繰り返し単位のすべてが上で詳述されたとおりの繰り返し単位(Rt)であるポリマーである場合に得られた。

油およびガス回収物品で使用されるのに特に適したポリマーを提供する目的に対して、本発明の(t−PAES)ポリマーは、有利には少なくとも13000、好ましくは少なくとも25000、より好ましくは少なくとも38000の数平均分子量(Mn)を有する。

(t−PAES)ポリマーの数平均分子量(Mn)の上限は特に重要ではなく、最終的な使用分野の観点から当業者によって選択される。

本発明の一実施形態において、t−PAESポリマーは、有利には125000以下、好ましくは95000以下、好ましくは90000以下、好ましくは80000以下、好ましくは75000以下、好ましくは70000以下、好ましくは60000以下、好ましくは56000以下の数平均分子量(Mn)を有する。

本発明の一実施形態において、t−PAESポリマーは、有利には13000〜125000の範囲、好ましくは25000〜80000の範囲、好ましくは38000〜80000の範囲の数平均分子量(Mn)を有する。

このような特定分子量(Mn)範囲を有する(t−PAES)ポリマーは、優れた延性(すなわち、高い引張り伸び)、高いTgを維持しながらの良好な靭性、ならびに良好な結晶性および良好な耐薬品性を有することがわかった。

「数平均分子量(Mn)」という表現は、本明細書ではその通常の意味にしたがって使用され、数学的には以下のように表される: (式中、Miは、ポリマー分子の分子量についての離散値であり、Niは、分子量Miを有するポリマー分子の数であり、この場合、すべてのポリマー分子の重量はΣMiNiであり、ポリマー分子の合計数はΣNiである)。

Mnは、ポリスチレン標準で較正した、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により適切に測定することができる。

特にGPCで測定することができる他の分子パラメータは、重量平均分子量(Mw)である: (式中、Miは、ポリマー分子の分子量についての離散値であり、Niは、分子量Miを有するポリマー分子の数であり、その場合、分子量Miを有するポリマー分子の重量はMiNiである)。

本発明の目的のために、多分散指数(PDI)は、数平均分子量(Mn)に対する重量平均分子量(Mw)の比率として本明細書によって表される。

GPC測定の詳細は、実験の項で与えられる方法説明で詳細に記載され、特に、本発明者らの同時係属米国仮特許出願に記載されている。

本発明の(t−PAES)ポリマーは、有利には1.90超、好ましくは1.95超、より好ましくは2.00超の多分散指数(PDI)を有する。

本発明の(t−PAES)ポリマーは、一般に4.0未満、好ましくは3.8未満、より好ましくは3.5未満の多分散指数を有する。

さらに、一部の他の分析方法が、特に粘度測定を含めて、分子量の決定のための間接的方法として使用され得る。

さらに、一部の他の分析方法が、特に粘度測定を含めて、分子量の決定のための間接的方法として使用され得る。

本発明の一実施形態において、本発明の(t−PAES)ポリマーは、ASTM D4440に従って平行板粘度計(例えば、TA ARES RDA3 モデル)を使用して測定して、410℃および10rad/秒の剪断速度で有利には少なくとも0.7kPa.s、好ましくは少なくとも1.25kPa.s、より好ましくは少なくとも2.3kPa.sの溶融粘度を有する。本発明の(t−PAES)ポリマーは、ASTM D4440に従って平行板粘度計(例えば、TA ARES RDA3モデル)を使用して測定して、410℃および10rad/秒の剪断速度で有利には最大46kPa.s、好ましくは最大34kPa.s、より好ましくは最大25kPa.sの溶融粘度を有する。

本発明の別の実施形態において、本発明の(t−PAES)ポリマーは、ASTM D4440に従って平行板粘度計を使用して測定して、410℃および1rad/秒の剪断速度で有利には少なくとも2.2kPa.s、好ましくは少なくとも4.1kPa.s、より好ましくは少なくとも7.4kPa.sの溶融粘度を有する。本発明の(t−PAES)ポリマーは、ASTM D4440に従って平行板粘度計(例えば、TA ARES RDA3モデル)を使用して測定して、410℃および1rad/秒の剪断速度で有利には最大149kPa.s、好ましくは最大111kPa.s、より好ましくは最大82kPa.sの溶融粘度を有する。

本発明の(t−PAES)ポリマーは、有利には少なくとも210℃、好ましくは少なくとも220℃、より好ましくは少なくとも230℃のガラス転移温度を有する。

ガラス転移温度(Tg)は、一般に、ASTM D3418に従って、DSCにより決定される。

本発明の(t−PAES)ポリマーは、有利には少なくとも330℃、好ましくは340℃、より好ましくは少なくとも350℃の溶融温度を有する。本発明の(t−PAES)ポリマーは、有利には430℃未満、好ましくは420℃未満、より好ましくは410℃未満の溶融温度を有する。

溶融温度(Tm)は、一般に、ASTM D3418に従って、DSCにより決定される。

ポリマーの結晶性は、それらの結晶化度によって特徴付けられることは公知である。

結晶化度は、特に広X線回折(WAXD)および示差走査熱量測定(DSC)などによって当技術分野で公知の種々の方法により決定され得る。

本出願人は、上で詳述されたとおりの(t−PAES)ポリマーが、非常に高い結晶性を有する、油およびガス回収物品を提供するために特によく適していることを見出した。

結晶化度は、有利には本発明の(t−PAES)ポリマーの圧縮成形試料に対してDSCにより測定され得る。

本発明によれば、(t−PAES)ポリマーの成形部分は、有利には5%超、好ましくは7%超、より好ましくは8%超の結晶化度を有する。

本発明の(t−PAES)ポリマーの製造は、特に限定されない。(t−PAES)ポリマーは、特に欧州特許出願公開第0 383 600 A2号明細書に記載されたとおりに、または特に本発明者らの同時係属米国仮特許出願に記載されたとおりに調製され得る。

本出願人は、上で詳述されたとおりの(t−PAES)ポリマーが、(1)熱的性能のために高いTgおよびTm、(2)特に硫酸などの刺激の強い化学物質に対する高い耐薬品性、(3)急速な減圧に対する耐性を有し、および(4)熱可塑性である、油およびガス回収物品を提供するために特によく適していることを見出した。

t−(PAES)ポリマー材料 (t−PAES)ポリマー材料は、(t−PAES)ポリマーを、(t−PAES)ポリマー材料の合計重量に基づいて、少なくとも10%、少なくとも30%、少なくとも40%、または少なくとも50%の重量で含んでもよい。好ましくは、(t−PAES)ポリマー材料は、(t−PAES)ポリマーを、(t−PAES)ポリマー材料の合計重量に基づいて、少なくとも70%の重量で含む。より好ましくは、(t−PAES)ポリマー材料は、(t−PAES)ポリマーを、(t−PAES)ポリマー材料の合計重量に基づいて、少なくとも95%ではないにしても、少なくとも90%の重量で含む。さらにより好ましくは、(t−PAES)ポリマー材料は、(t−PAES)ポリマーから本質的になる。最も好ましくは、それは、(t−PAES)ポリマーから本質的になる。

本発明の目的のために、表現「から本質的になる」は、上で詳述されたとおりの、(t−PAES)ポリマーとは異なる任意の追加の成分が、組成物(C)の合計重量に基づいて、最大1重量%の量で存在し、その結果、組成物の有利な特性を実質的に変更しないことを意味すると理解されるべきである。

(t−PAES)ポリマー材料は、一般に(i)着色剤、例えば、特に染料、(ii)顔料、例えば、特に二酸化チタン、硫化亜鉛および酸化亜鉛、(iii)光安定剤、例えば、UV安定剤、(iv)熱安定剤、(v)酸化防止剤、例えば、特に有機ホスファイトおよびホスホナイト、(vi)酸捕捉材、(vii)加工助剤、(viii)核形成剤、(ix)内部潤滑剤および/または外部潤滑剤、(x)難燃剤、(xi)煙抑制剤、(x)帯電防止剤、(xi)ブロッキング防止剤、(xii)導電性添加剤、例えば、特にカーボンブラックおよびカーボンナノフィブリル、(xiii)可塑剤、(xiv)流動性改良剤、(xv)増量剤、(xvi)金属不活性化剤、ならびに前述の添加剤の1つ以上を含む組合せからなる群から選択される、(t−PAES)ポリマーとは異なる1つまたは1つより多い追加の原料(I)をさらに任意選択により含んでもよい。

1つまたは1つより多い追加の原料(I)が存在する場合、それらの合計重量は、ポリマー組成物(C)の合計重量に基づいて、通常20%未満、好ましくは10%未満、より好ましくは5%未満、さらにより好ましくは2%未満である。

必要に応じて、(t−PAES)ポリマー材料は、80重量%超の(t−PAES)ポリマー材料を含むが、但し、(t−PAES)ポリマーが、(t−PAES)ポリマー材料中で唯一のポリマー成分であり、かつ1つまたは1つより多い追加の原料(I)がその中に存在していてもよく、これらの成分は、(t−PAES)ポリマー材料の関連する機械的特性および靭性に劇的には影響を及ぼすことがないことを条件とする。

「ポリマー成分」という表現は、その通常の意味に従って、すなわち、典型的には2000以上の分子量を有する、繰り返し連結単位で特徴付けられる化合物を包含すると理解されるべきである。

(t−PAES)ポリマー材料は、少なくとも1つの補強充填剤をさらに含んでもよい。補強充填材は当業者によって周知である。それらは、好ましくは、上で定義されたとおりの顔料とは異なる繊維状および粒子状充填材から選択される。より好ましくは、補強充填材は、鉱物充填材(タルク、マイカ、カオリン、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、炭酸マグネシウムなど)、ガラス繊維、炭素繊維、合成ポリマー繊維、アラミド繊維、アルミニウム繊維、チタン繊維、マグネシウム繊維、炭化ホウ素繊維、ロックウール繊維、鋼繊維、ウォラストナイトなどから選択される。さらにより好ましくは、それは、マイカ、カオリン、ケイ酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ガラス繊維、炭素繊維およびウォラストナイトなどから選択される。

好ましくは、充填材は、繊維状充填材から選択される。繊維充填材の特定のクラスは、ウィスカー、すなわち、Al2O3、SiC、BC、FeおよびNiなどの、様々な原材料から作られる単結晶繊維からなる。

本発明の一実施形態において、補強充填材は、ウォラストナイトおよびガラス繊維から選択される。繊維状充填材のうちで、ガラス繊維が好ましく;それらには、Additives for Plastics Handbook,第2版、John Murphyの5.2.3章、43〜48頁に記載されたとおりの、チョップドストランドA−、E−、C−、D−、S−、T−およびR−ガラス繊維が含まれる。

ポリマー(t−PAES)ポリマー材料中に任意選択により含まれるガラス繊維は、円形断面または非円形断面(楕円形または長方形断面などの)を有してもよい。

使用されるガラス繊維が円形断面を有するとき、それらは、好ましくは3〜30μmの平均ガラス繊維直径を有し、特に好ましいのは、5〜12μmのものである。円形断面を有する種々の種類のガラス繊維が、それらが作られているガラスのタイプに応じて市場で入手可能である。E−またはS−ガラスから作られるガラス繊維が特に挙げられもよい。

良好な結果は、非円形で断面の標準E−ガラス材料で得られた。優れた結果は、丸い断面のS−ガラス繊維を有するポリマー組成物の場合、特に、6μm直径の丸い断面(E−ガラスまたはS−ガラス)を使用する場合に得られた。

本発明の別の実施形態において、補強充填材は炭素繊維である。

本明細書で使用される場合、「炭素繊維」は、グラファイト化、部分グラファイト化および非グラファイト化炭素補強繊維、またはそれらの混合物を含むことが意図される。本発明に有用な炭素繊維は、有利には、例えば、レーヨン、ポリアクリロニトリル(PAN)、芳香族ポリアミドまたはフェノール樹脂などの種々のポリマー前駆体の熱処理および熱分解によって得ることができ;本発明に有用な炭素繊維はまた、ピッチ材料から得られてもよい。用語「グラファイト繊維」は、炭素繊維の高温熱分解(2000℃超)によって得られる炭素繊維を意味することを意図し、ここで、炭素原子は、グラファイト構造と類似した様式で位置している。本発明に有用な炭素繊維は、好ましくは、PAN系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維、グラファイト繊維、およびそれらの混合物からなる群から選択される。

前記補強充填材の重量は、有利には、(t−PAES)ポリマー材料の合計重量に基づいて、好ましくは60重量%未満、より好ましくは50重量%未満、さらにより好ましくは45重量%未満、最も好ましくは35重量%未満である。

好ましくは、補強充填材は、ポリマー(t−PAES)ポリマー材料の合計重量に基づいて、10〜60重量%、好ましくは20〜50重量%、好ましくは25〜45重量%、最も好ましくは25〜35重量%の範囲の量で存在する。

(t−PAES)ポリマー材料は、例えば、乾燥ブレンディング、懸濁またはスラリー混合、溶液混合、溶融混合、または乾燥ブレンディングと溶融混合との組合せによって、少なくとも1つの(t−PAES)ポリマーと、任意選択により補強充填剤と、ポリマー材料中で所望される、任意選択により追加の原料(I)とを密接に混合することを伴う、様々な方法によって調製することができる。

典型的には、好ましくは粉末状態の上で詳述されたとおりの(t−PAES)ポリマー、任意選択により補強充填剤、および任意選択により追加の原料(I)の乾燥ブレンディングは、特にヘンシェル型ミキサーおよびリボンミキサーなどの、高強度ミキサーを使用することにより行なわれて、物理的混合物、特に少なくとも1つの(t−PAES)ポリマー、任意選択により補強充填剤、および任意選択により追加の原料(I)の粉末混合物を得る。

代わりに、少なくとも1つの(t−PAES)ポリマー、任意選択により補強充填剤、およびポリマー材料中に所望される任意選択により追加の原料(I)の密接な混合は、単軸または多軸回転機構に基づくタンブルブレンディングにより行なわれて、物理的混合物を得る。

代わりに、上で詳述されたとおりの(t−PAES)ポリマー、任意選択により補強充填剤、および任意選択により追加の原料(I)のスラリー混合は、例えば、メタノールなどの適当な液体中攪拌機を使用して、粉末形態の前記(t−PAES)ポリマーを、任意選択によりポリマー(T)、任意選択により補強充填剤、および任意選択により追加の原料(I)と最初にスラリー化し、続いて、液体をろ過して取り除くことにより行なわれて、その結果、少なくとも1つの(t−PAES)ポリマー、任意選択により補強充填剤、および任意選択により追加の原料(I)の粉末混合物を得る。

別の実施形態において、上で詳述されたとおりの(t−PAES)ポリマー、任意選択により補強充填剤、および任意選択により追加の原料(I)の溶液混合は、例えば、ジフェニルスルホン、ベンゾフェノン、4−クロロフェノール、2−クロロフェノール、メタ−クレゾールなどの適当な溶媒または溶媒ブレンド中で攪拌機を使用して行なわれる。ジフェニルスルホンおよび4−クロロフェノールが、最も好ましい。

前述の技術の1つによる物理的混合ステップに続いて、少なくとも1つの(t−PAES)ポリマー、任意選択により補強充填剤、および任意選択により追加の原料(I)の物理的混合物、特に得られた粉末混合物は典型的には、特に、例えば、圧縮成形、射出成形、押出しなどの溶融成形加工を含めた、当技術分野で公知の方法によって溶融成形加工されて、上記の油およびガス回収物品の部分または完成した油およびガス回収物品を提供する。

そのように得られた物理的混合物、特に得られた粉末混合物は、上で詳述されたとおりの(t−PAES)ポリマー、上で詳述されたとおりの補強充填剤、および任意選択により、他の原料(I)を、上で詳述されたとおりの重量比で含み得るか、またはマスターバッチとして使用され、その後の加工ステップで、上で詳述されたとおりの(t−PAES)ポリマー、上で詳述されたとおりの補強充填剤、および任意選択により他の原料(I)のさらなる量で希釈されるように濃縮混合物であり得る。例えば、得られた物理的混合物は、それから最終部分が機械加工され得る、スラブまたはロッドのようなストック形状に押し出すことができる。代わりに、物理的混合物は、油およびガス回収物品の完成部分に、またはそれから油およびガス回収物品の完成部分が機械加工され得るストック形状に圧縮成形され得る。

上に記載されたとおりの粉末混合物をさらに溶融配合することによって本発明の組成物を製造することも可能である。上記のように、溶融配合は、上で詳述されたとおりの粉末混合物に対して、または上で詳述されたとおりの(t−PAES)ポリマー、上で詳述されたとおりの補強充填剤、および任意選択により、他の原料(I)に対して直接行なうことができる。共回転および逆転押出機、単軸押出機、コニーダー、ディスク−パックプロセッサならびに様々な他のタイプの押出装置などの、従来型の溶融配合装置が使用され得る。好ましくは、押出機、より好ましくは二軸押出機が使用され得る。

必要に応じて、配合スクリューの設計、例えば、フライトピッチおよび幅、クリアランス、長さならびに運転条件は、有利には、上で詳述されたとおりの粉末混合物または原料を有利に完全に溶融させ、種々の原料の均質な分配を有利に得るために、十分な熱および力学的エネルギーが供給されるように選択される。ただし、最適混合が、バルクポリマーと充填材内容物との間で達成されることを条件とする。有利には、本発明の(t−PAES)ポリマー材料の延性でないストランド押出物を得ることが可能である。このようなストランド押出物は、水噴霧を有するコンベヤ上である冷却時間後に、例えば回転刃物によって細断することができる。したがって、例えば、ペレットまたはビーズの形態で存在してもよい(t−PAES)ポリマー材料は、次いで、上記の油およびガス回収物品の部分の製造にさらに使用することができる。

本発明の別の目的は、上記の油およびガス回収物品の部分の製造のための方法を提供することである。このような方法は特に限定されない。(t−PAES)ポリマー材料は、一般に射出成形、押出し、または他の造形技術によって加工されてもよい。

本発明の一実施形態において、上記の油およびガス回収物品の部分、または油およびガス回収物品の製造のための方法は、(t−PAES)ポリマー材料の射出成形および固化のステップを含む。

別の実施形態において、上記の油ガス回収物品の部分、または油およびガス回収物品の製造のための方法は、コーティングのステップを含む。

例えば、(t−PAES)ポリマー材料は、任意の適切なコーティング方法を使用することによって、好ましくは、特に米国特許第4,588,546号明細書に開示されたように、ワイヤの周囲に押出しコーティングして、コーテッドワイヤを形成することによって、コーティングとしてワイヤに適用することができる。米国特許第4,588,546号明細書に開示されているように、ワイヤの周りへのとりわけ押出コーティングによってなどの任意の好適な方法によってワイヤに適用してワイヤーコーティングを形成することができる。

ワイヤーコーティングを製造する技術は、当技術分野で周知である。

本発明の別の実施形態において、上記の油およびガス回収物品の部品、または上記のとおりの油およびガス回収物品の製造のための方法は、任意のタイプのサイズおよび形状を有する部分における標準的な造形構造部を機械加工することを含む。前記標準的な造形構造部の非限定的な例には、特にプレート、ロッド、スラブ等が含まれる。前記標準的な造形構造部は、ポリマー組成物(t−PAES)ポリマー材料の押出または射出成形によって得ることができる。

本出願人は今や、本発明の(t−PAES)ポリマー材料を含む前記油およびガス回収物品の部分ならびに完成した油およびガス回収物品が、(1)熱性能のための高いTgおよびTm、(2)硫酸を含めた、油田に重要な化学薬品に対する高い耐薬品性、(3)急速減圧に対する耐性、ならびに(4)熱可塑性の性質を有することを見出した。したがって、前記物品は、HPHT油およびガス環境で首尾よく用いることができる一方で、同時により費用効果のある物品成形加工を有する。

参照により本明細書に組み込まれる特許、特許出願、および刊行物のいずれかの開示が用語を不明瞭にさせ得る程度まで本出願の記載と矛盾する場合、本記載が優先するものとする。

本発明は、これから以下の実施例を参照してより詳細に説明されるが、その目的は、単に説明に役立つためであり、本発明の範囲を限定することは意図されない。

原材料 Yonghi Chemicals,Chinaから市販されている1,1’:4’,1’’−ターフェニル−4,4’’−ジオール、還流にてエタノール/水(90/10)での洗浄によりさらに精製した。得られた材料の純度は、以下に詳述されるとおりに、ガスクロマトグラフィーにより測定して、94.0%より高いことが示された。

Aldrich(99%グレード、99.32%測定)またはMarshallton(GCにより99.92%純粋)から市販されている4,4’−ジフルオロジフェニルスルホン。

Proviron(99.8%純粋)から市販されているジフェニルスルホン(ポリマーグレード)。

Armand productsから市販されているd90<45μmを有する炭酸カリウム。

Acrosから市販されている塩化リチウム(99+%、ACSグレード)。

KetaSpire(登録商標)KT−820 NT、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)微粉(100メッシュスクリーンを通して100%通過により規定された最大粒径、ならびに範囲0.38〜0.50kPa−sの、ASTM D3835を使用して400℃および1000s−1溶融粘度);SOLVAY SPECIALTY POLYMERS USA,LLCから市販されている。

t−PAESポリマーの調製のための一般手順−実施例1および実施例2 撹拌機、N2注入チューブ、反応媒体に突っ込んでいる熱電対を有するクライゼンアダプタ、ならびに凝縮器および乾燥氷トラップを有するディーンスタークトラップが取り付けられた500mLの四つ口反応フラスコ中に、89.25gのジフェニルスルホン、28.853gの特定タイプの1,1’:4’,1’’−ターフェニル−4,4’’−ジオールおよび 27.968gの4,4’ージフルオロジフェニエルスルホン(38.9%の合計モノマー%および1.000のジハロ(BB)/ジオールモル比に相当する)を導入した。フラスコ内容物を真空下で排気し、次いで、高純度窒素(10ppm未満のO2)で充填した。次いで、反応混合物を一定窒素パージ(60mL/分)下に置いた。反応混合物を220℃にゆっくりと加熱した。220℃で、15.354gのK2CO3を、反応混合物に粉末ディスペンサを介して30分かけて添加した。添加の最後に、反応混合物を1℃/分で320℃に加熱した。320℃で13分後、反応混合物に1.119gの4,4’−ジフルオロジフェニルスルホンを添加する一方で、反応器での窒素パージを維持した。2分後、この反応混合物に4.663gの塩化リチウムを添加した。2分後、別の0.280gの4,4’−ジフルオロジフェニルスルホンを反応器に添加し、この反応混合物を温度で5分間維持した。次いで、反応器内容物を反応器からステンレス鋼製パンに注ぎ入れ、冷却した。固形物を砕き、2mmスクリーンを通してアトリッションミルで粉砕した。この混合物からジフェニルスルホンおよび塩を、アセトン、次いで1〜12の間のpHでの水、次いでアセトンで抽出した。次いで、反応器から粉末を取り出し、真空下120℃で12時間乾燥させ、44gの薄茶色の粉末を得た。粉末をその後に実験室スケールの粉砕機中でさらに粉砕して、ほぼ100μmの平均粒径を有する微粉末を得た。

実施例1および実施例2を、この一般手順に従って調製した。実施例2を除いて、320℃で13分後に代えて、320℃で27分後に、反応混合物に1.119gの4,4’−ジフルオロジフェニルスルホンを添加する一方で、反応器で窒素パージを維持した。

最終t−PAESポリマーの分子量は、以下で詳述されるとおり、GPCにより測定し、実施例1の場合、Mnは、39,000g/モルであることがわかり、Mwは、112,500g/モルであることがわかり;実施例2の場合、Mnは、47,925g/モルであることがわり、Mwは97,036g/モル、29%結晶化度であることがわかった。

(t−PAES)ポリマー材料の成形プロセスの一般的な説明−実施例1および実施例2 t−PAESポリマー(実施例1または実施例2)またはPEEK微粉末ポリマー(比較例3)を、表1に示すとおりの圧縮成形プロトコルに従ってFontijneプログラム可能圧縮成形機を使用して、4インチ×4インチ×0.125インチプラークに圧縮成形した。次に、実施例1および比較例3の圧縮成形プラークをタイプV ASTM引張り試験片および0.5インチ幅の曲げ試験片に機械加工し、これらの試験片を油田模擬条件、すなわち、以下に詳細に記載されるとおりの油田の油井孔環境におけるような急速ガス減圧の曝露前および後にASTM法D638による引張り試験およびASTM法D790による曲げ試験にかけた(表3参照)。

実施例2の圧縮成形プラークを、2インチ×0.5インチ×0.125インチの試験片に機械加工した。前記試験片を濃硫酸に室温で浸漬し、それらの重量および様相を24時間ごとに検査した。浸漬240時間後の結果を、表2に要約する。

表2の結果は、本発明のt−PAESポリマーの酸化性酸に対する優れた耐性を明らかに実証する。

実施例の材料を対象にして実施した次の特性評価を以下に示す。 GPC法による分子量測定 GPC条件: ポンプ:Waters製の515 HPLCポンプ 検出器:HP製のUV 1050シリーズ ソフトウェア:Waters製のEmpower Pro 注入器:Waters 717 Plus Auto サンプラ 流量:0.5ml/分 紫外線検出:270nm カラム温度:40℃ カラム:Agilent製の2x PL Gel 混合D、5ミクロン、300mmX7.5mm 5ミクロン 注入:20μリットル 実行時間:60分 溶離液:0.1モルの臭化リチウム(Fisher make)と一緒のN−メチル−2−ピロリドン(Sigma−Aldrich、HPLC用Chromasolv Plus>99%)。移動相は、窒素または不活性環境下で保存されなければならない。 較正標準:Agilent製のポリスチレン標準商品番号PL2010−0300を較正に使用した。各バイアルには、4つの狭多分散性ポリスチレン標準(較正曲線を確立するために使用した、合計11の標準、371100、238700、91800、46500、24600、10110、4910、2590、1570、780)が入っている。 標準の濃度:較正のためにGPC注入前に各バイアルに1ミリリットルの移動相を添加した。 検量線:1)タイプ:相対ナロー標準較正2)当てはめ:三次回帰 積分および計算:Waters製のEmpower Pro GPC ソフトウェアを使用して、データ、較正および分子量計算を得る。ピーク積算開始点と終了点は、ベースライン全体上の有意な差から手動で決定する。

試料調製:25mgの(t−PAES)ポリマーを、170〜200℃で加熱後に10mlの4−クロロフェノールに溶解させた。得られた前記溶液の少量(0.2〜0.4ml)を4mlのN−メチル−2−ピロリドンで希釈した。得られた溶液を上述のGPC条件に従ってGPCカラムに通した。

油田模擬条件 急速ガス減圧試験 急速ガス減圧(RGD)試験を、最初に実施例1および比較例3の曲げバー試料に対して行なった。この試験は、プラスチック材料が油田の油井孔環境における急速ガス減圧に耐える能力を評価する。この試験を行なうために、実施例1および比較例3からの曲げ成形試験片を、最初に圧力容器中に入れ、容器を密封し、175℃に加熱した。次いで、重量で90/10のメタン/CO2混合物を、圧力容器に導入し、容器内の圧力を1000バール(14500psi)に上昇させた。これらの試験圧力および温度で1週間維持した後、圧力を70バール/分の制御速度で容器から自動的に解放した。この試験のための圧力および温度プロファイル曲線を図2に示す。曝露に続いて、実施例1および比較例3の試験片を圧力容器から取り出し、重量および体積変化の測定ならびに曲げ特性試験にかけた。測定は、各材料について5つの反復試験片に対して行い、表3に示すとおりの結果は、5つの反復試験の平均値である。曝露試験片の外観は、目視で観察し、表3にに記録した。

熱油曝露試験 熱油曝露試験は、上に記載したとおりの、実施例1および比較例3からのASTM引張り試験の試験片を使用して行った。熱油曝露試験は、外部ヒータバンド、熱電対および較正圧力センサを備えた圧力セル中で行き渡っている蒸気圧で着手した。圧力および温度は、専用ソフトウェアを実行しているPCにより記録を取った。試験片を高圧セル中270℃の温度および蒸気圧で3日間の期間曝露し、その後、試験片を取り出し、重量変化および寸法変化を測定し、次いで、同じ条件でさらに3日間の曝露時間戻した。2回目の曝露3日間の終わりに、試験片を最終時として取り出し、重量および寸法変化を測定し、記録を取り、さらに、引張り試験を曝露試験片に対して行い、高圧および高温油曝露の結果として機械的性能における何らかのグレード低下があったかどうか確認した。曝露前後の重量および体積変化の結果ならびに引張り特性を表4に記録する。

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