コア試料の気体含有量判定

申请号 JP2015553160 申请日 2014-01-14 公开(公告)号 JP2016505097A 公开(公告)日 2016-02-18
申请人 ナチュラル・エンバイロンメント・リサーチ・カウンシル; 发明人 スミス,デイビッド; ウィルソン,マイケル; ベインズ,リー; リング,ロブ;
摘要 コアバレルまたはコアバレル・アッセンブリ用の内部バレルは、使用の際、採取されたコア試料を収容する細長い内部空間を少なくとも部分的に区画する1以上の側壁を有し、前記側壁または各側壁は、前記細長い内部空間から前記内部バレル外への少なくとも1つの 流体 流路が設けられるように使用されることを特徴とする、内部バレル。
权利要求

コアバレルまたはコアバレル・アッセンブリ用の内部バレルであって、 使用時に、採取されたコア試料を収容する細長い内部空間を、少なくとも部分的に区画する1以上の側壁を有し、前記側壁または各側壁には、前記細長い内部空間から前記内部バレル外へ、少なくとも1つの流体流路が設けられることを特徴とする、内部バレル。前記流体流路または各流体流路は、1以上の少なくとも部分的に開放された経路を有することを特徴とする、請求項1に記載の内部バレル。前記側壁または各側壁は、内方または外方、例えば、径方向内方または外方に突出する1以上の構造体を有し、前記構造体は前記流体流路または各流体流路の少なくとも一部を少なくとも部分的に区画することを特徴とする、請求項1または2に記載の内部バレル。前記側壁または各側壁の少なくとも一部は溝切りされていることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の内部バレル。前記流体流路または各流体流路は、前記側壁または各側壁を通過する経路を有することを特徴とする、請求項1に記載の内部バレル。前記側壁または各側壁は複数の流体流路を有することを特徴とする、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の内部バレル。前記複数の流体流路は、互いに一定間隔を空けて離れていることを特徴とする、請求項6に記載の内部バレル。前記流体流路または各流体流路は、液体および/または気体を前記細長い内部空間から概して横方向に流れ、その後前記内部バレルの端に向かって概して長さ方向に流れるようにすることを特徴とする、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の内部バレル。前記流体流路または各流体流路に固形粒子が侵入することを防ぐ、遮る、または妨げるように配置された第1物理的分離手段をさらに有することを特徴とする、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の内部バレル。前記第1物理的分離手段は、所定の大きさの固形粒子または堆積物を前記流体流路または各流体流路に侵入させないよう構成されることを特徴とする、請求項9に記載の内部バレル。前記第1物理的分離手段は、バッフル、前記流体流路または各流体流路への比較的狭い入口、フィルタ、スクリーンの内少なくとも1つを有することを特徴とする、請求項9または10に記載の内部バレル。前記内部バレルは円筒状であることを特徴とする、請求項1乃至11のいずれか一項に記載の内部バレル。前記内部バレルは、互いに結合されることで前記内部バレルを形成する複数のバレル部を有することを特徴とする、請求項1乃至12のいずれか一項に記載の内部バレル。前記細長い内部空間の端を少なくとも部分的に横切るように伸びるフィルタやスクリーンのような第2物理的分離手段をさらに有することを特徴とする、請求項1乃至13のいずれか一項に記載の内部バレル。請求項1乃至14のいずれか一項に記載の内部バレルと、 前記内部バレルの周りの不浸透性スリーブとなる外部バレルと、を有することを特徴とするコアバレル。請求項1乃至14のいずれか一項に記載の内部バレルまたは請求項15に記載のコアバレルと、 流体流路が通過するキャップを有するキャッピングシステムと、を有することを特徴とするコアバレル・アッセンブリ。前記キャッピングシステムは、前記内部バレルの内部圧が所定の値に達しないように設計されていることを特徴とする、請求項16に記載のコアバレル・アッセンブリ。前記キャッピングシステムは流量計を有することを特徴とする、請求項17に記載のコアバレル・アッセンブリ。前記流量計は三相流量計であることを特徴とする、請求項18に記載のコアバレル・アッセンブリ。前記流量計はデータロガーと電源とに接続されていることを特徴とする、請求項18または19に記載のコアバレル・アッセンブリ。コア試料の気体含有量を判定する方法であって、 ・海底の堆積物からコア試料を採取することと、 ・請求項1乃至14のいずれか一項に記載の内部コアバレルに前記コア試料を収納することと、 ・前記海底から前記内部コアバレルおよびコア試料を引き上げ、前記引き上げられたコア試料から発せられる気体量を測定することと、 ・前記引き上げられたコア試料から発せられる前記気体量に基づいて前記堆積物の前記気体含有量を判定することと、を含むことを特徴とする方法。前記内部コアバレルと前記コア試料とは、前記コア試料中のあらゆるガスハイドレート結晶がおよび気体に分解される周囲圧力の所定の水深まで引き上げられることを特徴とする、請求項21に記載の方法。前記コア試料はオリエンテッド・コア試料であることを特徴とする、請求項21または22に記載の方法。コア試料の気体含有量を判定するシステムであって、 ・海底の堆積物から1以上のコア試料を採取するコアサンプリング装置と、 ・前記コア試料を収容する1以上の、請求項1乃至14のいずれか一項に記載の内部コアバレルと、 ・前記海底から前記内部コアバレルおよびコア試料を引き上げる手段と、 ・前記引き上げられたコア試料から発せられる気体量を測定する気体検知装置と、 ・前記引き上げられたコア試料から発せられるメタン量に基づき、前記海底堆積物の前記気体含有量を判定する手段と、を有することを特徴とするシステム。前記気体検知装置は、流量計を有することを特徴とする、請求項24に記載のシステム。前記流量計に接続されたデータロガーをさらに有することを特徴とする、請求項25に記載のシステム。前記コアサンプリング装置はオリエンテッド・コア試料を採取するよう動作可能であることを特徴とする、請求項24乃至26のいずれか一項に記載のシステム。

说明书全文

本発明はコア試料の気体含有量を判定する方法と、当該方法に用いられる装置に関する。

特にメタンハイドレートのようなガスハイドレートは、地下層、具体的には深海の例えば海底下の貯留層のような場所で見られる。超低温、超高圧下の貯留層では、ガスハイドレートは安定した結晶形態となる。そこで温度上昇および/または圧低下が生じると、ガスハイドレートは気化し、大幅に体積が増加する。

このような体積の膨張は、炭化素の生成、特に海上深海炭化水素生成において、大きな安全上の脅威となり得る。一般的にこのような場合は、ガスハイドレートを含むあらゆる貯留層への掘削を行わないことが望ましい。しかし、ガスハイドレートを含む貯留層は、通常、従来の対象である石油およびガス貯留層と比較し、圧倒的に海底に近くにあるため、ガスハイドレートを含むあらゆる貯留層を避けるには、信頼できる調査、測定方法が必要となる。

国際公開第2011/082870号

特にメタンのようなガスは大量にハイドレートとして、北極圏のような寒冷地の、特に海底堆積物内に貯留されている。さらに、ガスハイドレートの相変化特性の解明が大きく進んでいることから、エネルギー源として、現在ガスハイドレートは非常に注目を浴びている。その結果、ガスハイドレート資源の存在を推定、測定するために信頼できる費用対効果の高い技術が求められている。

したがって、ハイドレート資源開発を経済的に行うことが望ましいと考えられる。このような資源は通常深海および/または北極圏に存在する。しかし、浅い位置に存在する、例えばメタンハイドレート堆積物のようなガスハイドレート堆積物を発見、評価するのは困難となり得る。

ガスハイドレートの性質を考えると、例えば電磁(EM)調査や地震探査のような間接的地球物理学的な方法は信頼性が低い。

また、低塩分化に基づくハイドレート含有量の推定も、基準となる隙間水の塩分濃度が不確定であることから信頼性が低い。

公知の技術は信頼性が低くさらに/または費用が高くなり得るため、海上での採掘で採取されたコアの実際のハイドレート含有量を測定することは特に困難である。

加圧コアバレル内にコア試料を採取し、海面まで引き上げることが知られている。加圧コアバレルは、採取現場の圧力および温度でコア試料を収容する。それにより、コア試料が海面に引き上げられた際の圧力低下および/または温度上昇によるハイドレート結晶の分解を妨げるようにする。その後、試料を海面にて分析可能である。

しかし加圧コアバレルは高価かつ信頼性が低い。例えば、採取現場の圧力よりも低い圧力および/または採取現場の温度よりも高い温度でのコア試料の採取という障害が頻繁に生じる。これにより、採取されたコア試料のハイドレート含有量の報告に構造的バイアスがかかってしまう。したがって、当該コア試料からのコアデータの直接的分析も信頼度が低くなり得る。さらに、ガスハイドレートの分解により、水面に引き上げられている加圧コアバレルに故障が発生する可能性すらある。

さらに、海面で加圧容器を扱うことは、重大な健康上、さらに安全上の問題を伴う。さらに、海上ドリルプラットフォームまたは船舶では、加圧コアバレルを貯蔵および/または扱いの為のスペースが限られている場合があり、潜在的リスクが高まる。

WO2011/082870にはさらに別の方法が開示されている。本方法は、メタンハイドレート結晶を含む海底試料のメタン含有量を判定する方法であって、深海領域における海底堆積物からコア試料を採取することと、収容容器にコア試料を収容することと、コア内のあらゆるメタンハイドレート結晶が水とメタンに分解される所定の水深まで収容容器を引き上げることと、引き上げられたコア試料から発せられたメタンの量を測定すること、とを含む。

本発明の第1の態様では、コアバレルまたはコアバレル・アッセンブリの内部バレルであって、使用時に、採取されたコア試料を収容する細長い内部空間を少なくとも部分的に区画する1以上の側壁を有し、前記側壁または各側壁は、前記細長い内部空間から前記内部バレル外への少なくとも1つの流体流路が設けられるように使用される内部バレルが提供される。

気体および/または液体を、前記採取されたコア試料から、前記側壁または各側壁により形成された前記流体流路を介して排出すると利点がある。

従来の内部バレルは、通常、滑らかで連続した側壁を有する。このため、採取されたコア試料からの気体および/または液体は、細長い内部空間の頂部および/または底部を介してしか排出されない。

通常、採取されたコア試料は、例えばメタンハイドレート結晶のようなガスハイドレートを含み得る。採取されたコア試料からの気体および/または液体は、前記流体流路または各流体流路を通過し得る。したがって、細長い内部空間から排出される気体および/または液体が、採取されたコア試料体内を移動する距離はより短くなり得る。これは、細長い空間の内部圧力の低下に寄与し得るという点で有利である。追加的に、または、選択的に、あるコア試料から気体および/または液体が流れる時間を短縮し得る。その結果、あるコア試料からのデータがより速くかつ簡単に収集可能となり得る。さらに、またはあるいは、採取されたコア試料の、気体および/または液体が通過する部分が小さくなるため、コア試料から流れる気体および/または液体に含まれる、例えば石または堆積物の粒子のような固形物の量を抑えることが可能となり得る。

前記流体流路または各流体流路は1以上の少なくとも部分的に開放された経路を有してもよい。

一実施形態において、前記側壁または各側壁は、内方または外方、例えば、径方向内方または外方に突出する1以上の構造体を有し、前記構造体は前記流体流路または各流体流路の少なくとも一部を少なくとも部分的に区画してもよい。

一実施形態において、前記側壁または各側壁の少なくとも一部は、例えば長手方向または螺旋状に溝切りされてもよい。

前記側壁または各側壁は、1以上の穴や貫通部を有してもよい。

前記流体流路または各流体流路は前記側壁または各側壁を通過する経路を有してもよい。例えば、前記側壁または各側壁は少なくとも一部に、多孔質であり、かつ/または、内部経路、例えばネットワーク状のもの、を1つ以上有してもよい。追加的に、または選択的に、前記側壁または各側壁は、少なくとも一部が、ガス透過性の材料、例えば高密度ポリエチレン(HDPE)のようなものとし、前記流体流路または各流体流路の少なくとも一部を構成してもよい。

一実施形態において、前記側壁または各側壁は複数の流体流路を有していてもよい。例えば、複数の流体流路は、互いに一定間隔を空けて離れていてもよい。追加的に、または選択的に、1以上の前記複数の流体流路は別の流体流路と区別されてもよく、および/または、1以上の前記複数の流体流路は少なくとも1つのその他流体流路に相互接続してもよい。

一実施形態において、前記流体流路または各流体流路は、液体および/または気体を前記細長い内部空間から概して横方向に流れ、その後前記内部バレルの端に向かって概して長さ方向に流れるようにしてもよい。

一実施形態において、前記内部バレルは、前記流体流路または各流体流路に固形粒子が侵入することを防ぐ、遮る、または妨げるように配置された第1物理的分離手段をさらに有してもよい。

一実施形態において、前記第1物理的分離手段は、所定の大きさの固形粒子または堆積物を前記流体流路または各流体流路に侵入させないよう構成されてもよい。例えば、第1物理的分離手段は、最小径が20mm以上、例えば10mm以上または7mm以上の固形粒子または堆積物を前記流体流路または各流体流路に通さないものとしてもよい。

前記第1物理的分離手段は、バッフル、前記流体流路または各流体流路への比較的狭い入口、フィルタ、スクリーンの内少なくとも1つを有してもよい。フィルタまたはスクリーンは、メッシュまたは膜を有してもよい。

前記流体流路または各流体流路に、例えば石または堆積物のような、固形粒子が侵入することを防ぐ、遮る、または妨げることは、有効であり、このために、前記流体流路または各流体流路が詰まるおそれが少なくなり、これにより、前記採取されたコア試料から液体および/または気体の流れを制限または防がれる。追加的に、または選択的に、前記内部バレルの下流の機器は、複雑および/または高価および/または回復性の高いものである必要がなく、摩耗および/または腐食を低減できる。好適には、このような下流の機器を頻繁に整備、保守、交換する必要がない。

一実施形態において、内部バレルは管状であってもよい。内部バレルは長さ方向全体で均一な断面形状を有してもよい。

一実施形態において、前記内部バレルは円筒状であってもよい。

一実施形態において、前記内部バレルは完全な筒状または管形状に形成されてもよい。

一実施形態において、前記内部バレルは、互いに結合されることで前記内部バレルを形成する複数のバレル部を有してもよい。例えば、前記内部バレルは一対の半管形状を有してもよい。

前記内部バレル、あるいは前記バレル部または各バレル部は、単体、あるいは例えば溶接や接着により結合された、または追加物を介在させることなく組み合わされるような形状に形成された複数の部分から形成されてもよい。

前記内部バレル、あるいは前記バレル部または各バレル部は、押出し成形により形成されてもよい。

前記内部バレル、あるいは前記バレル部または各バレル部は、例えばスチール、アルミニウムまたはアルミニウム合金のような金属、あるいは例えば高密度ポリエチレンのようなプラスチック素材から形成されてもよい。

前記内部バレルは、少なくとも0.5m、通常少なくとも1mの長さを有してもよい。前記内部バレルの長さは5mまで、通常4mまたは3mまでであってもよい。一実施形態において、前記内部バレルの長さは1.5mから3m、例えば1.5mから2mであってもよい。

前記内部バレルは、例えば外径である最大幅が0.3m以上であってもよい。前記内部バレルの、例えば外径である最大幅は、1.5mまで、例えば1.2mまでであってもよい。一実施形態において、前記内部バレルの、例えば外径である最大幅は、少なくとも0.5mおよび/または1mまでであってもよい。

前記側壁または各側壁は、100mmまでの最大壁厚、例えば50mmまでの壁厚を有してもよい。

一実施形態において、前記内部バレルは、前記細長い内部空間の端を少なくとも部分的に横切るように伸びるフィルタやスクリーンのような第2物理的分離手段をさらに有してもよい。前記第2物理的分離手段は、HDPEのようなポリマー材料により形成されてもよい。好適には、前記第2物理的分離手段は、採取されたコアから流出する液体および/または気体に含まれる固形粒子が、前記細長い内部空間の端を通り抜けることを遮る、妨げる、または防ぐものであってもよい。前記内部バレルは、前記細長い内部空間の両端にわたって設けられる第2物理的分離手段を有してもよい。

一実施形態において、前記内部バレルは、前記流体流路または各流体流路からの出口にわたって設けられる第3物理的分離手段を有していてもよい。前記流体流路または各流体流路が前記側壁または各側壁の端で終端する実施形態では、前記第3物理的分離手段は好適には、前記第2物理的分離手段の一部であっても、または前記第2物理的分離手段に結合していてもよい。

一実施形態において、前記内部バレルには、流体流路を通したキャップを有する、キャッピングシステムを設けてもよい。さらに、または好ましくは、前記キャッピングシステムは、前記内部バレルの内部圧力が所定の値に達しないように設計してもよい。

本発明の第2の態様では、本発明の第1の態様に係る内部バレルと、前記内部バレルの周りの不浸透性スリーブとなる外部バレルと、を有するコアバレルが提供される。

一実施形態において、コアバレルには流体流路を通したキャップを有する、キャッピングシステムを設けてもよい。さらに、または好ましくは、前記キャッピングシステムは、前記内部バレルの内部圧力が所定の値に達しないように設計してもよい。

一実施形態において、前記キャッピングシステムは流量計を有してもよい。前記流量計は三相流量計であってもよい。前記流量計はデータロガーと電源とに接続されていてもよい。例えば、電源は電池のようなオンボード電源であってもよい。

選択的に、または追加的に、前記キャッピングシステムは非接触コネクタを有してもよい。使用時、キャッピングシステムからのデータ送信が非接触コネクタにより行われることは有利である。非接触コネクタは音波システムまたは高周波システムの一部であってもよい。非接触コネクタを有する一実施形態においては、オンボード・データロガーおよび/またはオンボード電源である必要はない。

本発明のさらなる態様では、コア試料の気体含有量を判定する方法であって、 ・海底の堆積物からコア試料を採取することと、 ・本発明の第1の態様に係る内部コアバレル内に前記コア試料を収納することと、 ・前記海底から前記内部コアバレルおよびコア試料を引き上げることと、 ・前記引き上げられたコア試料から出た気体量を測定することと、 ・前記引き上げられたコア試料から出た前記気体量に基づいて前記堆積物の前記気体含有量を判定することと、を含むことを特徴とする方法が提供される。

一実施形態において、前記内部コアバレルと前記コア試料とを、前記コア試料中のあらゆるガスハイドレート結晶が水および気体に分解される周囲圧力の所定の水深まで引き上げてもよい。内部コアバレルおよびコア試料を、例えば引き上げられたコア試料から排出される気体が非常に少なくなるまたはなくなるまでの所定の時間、所定の水深で保持してもよい。

一実施形態において、内部コアバレルおよびコア試料を所定の水深に保持するのではなく、例えば船舶またはプラットフォームのデッキのような水面部まで引き上げてもよい。

一実施形態において、排出された気体量は例えば内部コアバレルとコア試料とが引き上げられている間に連続的に測定してもよい。

本発明のさらなる態様では、コア試料の気体含有量を判定するシステムであって、 ・海底の堆積物から1以上のコア試料を採取するコアサンプリング装置と、 ・前記コア試料を収容する1以上の、本発明の第1の態様に係る内部コアバレルと、 ・前記海底から前記内部コアバレルおよびコア試料を、例えば前記コア試料中のあらゆるガスハイドレート結晶が水および気体に分解される周囲圧力の所定の水深まで引き上げる手段と、 ・前記引き上げられたコア試料から流出する気体量を測定する気体検出装置と、 ・前記引き上げられたコア試料から流出するメタン量に基づき、前記海底堆積物の前記気体含有量を判定する手段と、を有することを特徴とするシステムが提供される。

本発明のさらなる態様では、コアバレル用のキャッピングシステムが提供され、前記キャッピングシステムは、流体流路が通るキャップを有し、前記内部バレルの内部圧力が所定の値に達しないように構成されている。

本発明がよりよく理解されるよう、本発明の例示的実施形態を以下の添付された図を参照に説明する。

本発明に係る内部コアバレルの半体を示す図である。

図1に示す半体の端部の拡大図である。

図1の半体の断面図である。

本発明に係るキャッピングシステムの例示的実施形態の第1斜視図である。

図4のキャッピングシステムの第2斜視図である。

図4のキャッピングシステムの正面図である。

図4のキャッピングシステムの平面図である。

図6の線A−Aに沿った断面図である。

本発明に係るキャッピングシステムの第2例示的実施形態を示す図である。

図9のキャッピングシステムの縦断面図である。

図1は、本発明に係る内部コアバレルの半体1を示す。半体1は、1644mmの長さを持つアルミニウム押出し成形品である。半体1は、全体的に半管形状を有し、2つの半体1が結合されて管状の内部コアバレルとして使用される。

図2は、図1に示す半体1の端部の拡大図である。半体1は滑らかな外面2を有する。半体1の内部は、長手方向の溝切が形成されている。それぞれネック部4とより大きなヘッド部3を有する、一定間隔で並ぶ9つの全体的にT字型の構造体が、半体1の長さ方向に沿って延びる。

図3は、半体1の断面図である。半体1は、33mmの外径と、ヘッド部3上面間で測定される26mmの内径を有する。長手方向溝切を形成するパターンをなす構造体間の間隔は弧度20°である。隣接するヘッド部3間の間隔は、約2.4mmまたは弧度約5°である。各ヘッド部3は弧度約15°の幅を有する。各ネック部4は弧度約5°の幅を有する。

半体1の各端は曲状舌部5となっている。曲状舌部5は、2つの半体1同士を結合して本発明に係る内部コアバレルを形成する際、一致するような形状および寸法となっている。曲状舌部5は、半体の各端として適切な形状の一例に過ぎない。当業者であれば、例えば直線状、曲状、または曲線状のようなその他数多くの適切な形状を想到できる。あくまで重要なのは、本発明に係る内部コアバレルを形成するよう、例えば2つの半体のようなバレル部が結合される際に、例えば半体のようなバレル部の端部が一致することである。

使用の際、2つの半体1が結合されることで本発明に係る内部コアバレルが形成される。長手方向の溝切により、内部コアバレル内に保持されたコア試料から発せられる気体用の複数の流体流路が形成される。気体はコア試料から、ヘッド部3間の間隙を通じて、コア試料の長手方向の実質的に任意の位置から径方向外方に流れることが可能である。その後、気体は構造体間経路内で、内部コアバレル長手方向に沿って流れることができる。ヘッド部3下の隣接するネック部4間の間隙よりも、ヘッド部3間の間隙の厚さの方が小さい。これにより、例えば石や堆積物のような大きな固形粒子が、気体の流れる流体流路に侵入することが防止される。

使用時、本発明に係る内部コアバレルは外部コアバレル内に収容されてもよい。外部コアバレルと、その内部の内部コアバレルとの組み合わせをコアバレルと称する。

図4、図5、および図6は、本発明に係る内部コアバレルまたはコアバレルの一端を封止する、本発明に係るキャッピングシステム6の実施例を示す。キャッピングシステム6は、開放端を備え、コアバレルの端を収容するような形状および寸法のウジング7を有する。

図5に示すように、ハウジング7内部に、ハウジング7の開放端の比較的近くに位置する一対の封止リング11a、11bが設けられる。使用の際、封止リング11a、11bは、ハウジング7内に収容されるコアバレルの外面と、気密封止体を形成する。

キャッピングシステムはさらに、トップキャップ8と、流量計を収容する計器ブロック9とを有する。後述するように、使用の際、ハウジング7内部空間から流体がトップキャップ8のネック部12と、計器ブロック9とを通じて流れる。

図7は、トップキャップ8上の計器ブロック9の平面図である。計器ブロックは出口10を有する。出口10は、海面上のドリルプラットフォームまたは船舶につながるさらなる管(図示せず)に接続可能である。

計器ブロック9は、コア試料からの流体の流量を計測する流量計を有する。流量計は、データロガーと、流量計および/またはデータロガーに電力を供給する電池とに接続される。データロガーおよび/または電池は計器ブロック9内に収容されてもよい。流量計はコリオリ流量計であってもよい。流量計は、液体、気体、ならびに液体および気体の混合物の流量を測定し、それらを区別するための三相流量計であってもよい。流量計はブロンコスト製であってもよい。

データロガーは、周囲圧力が所定の範囲内である場合に限り電池から電力が供給されるよう配置された圧力センサに対応付けられてもよい。これにより電池寿命が長くなり得る。したがって、データロガーは海底または海面に設けられてもよいが、所定の周囲圧力下でのみ動作開始する。所定の周囲圧力は、ガスハイドレートが気体および水へ分解される圧力に対応するよう選択される。

選択的に、または追加的に、水面からデータロガーに電力を供給してもよい。例えば、データロガーから水面上の施設へのケーブルや、音波や高周波接続のような非接触接続等のデータリンクを設けてもよい。これにより、フローデータのリアルタイム分析が可能となる。

図8は、図6の線A−Aに沿った断面図である。ハウジング7は内部スリーブ21を有する。内部スリーブ21は、頂部からハウジング7内に嵌り、リップ22によりハウジング7の底から滑り落ちることが防がれる。ハウジング7の開口部は、内部空洞13よりも若干狭い。使用の際、封止リング11a、11bは、コアバレル外面(図示せず)とともに、気密封止体を形成する。さらにコアバレルの端は内部空洞13内に位置する。

内部空洞13は、その端面の中心に位置する出口16を有する。出口16は、ハウジング7の長ネック部18を通過する経路17につながる。トップキャップ8のネック部12は、ハウジング7の長ネック部18の端部を囲う。使用の際、経路17はトップキャップ8内に導入され、計器ブロック9が接続される出口20まで延びる。

キャッピングシステム6により、ハウジング7内に収容されたコアバレル内のコア試料から流量計への流体流が形成される。キャッピングシステムは、ハウジング7の内部圧力が所定の値に達しないように設計されている。ばね15またはその他弾性付勢手段が、内部空洞13の頂部の外面と、閉鎖部材14の下側との間に設けられる。閉鎖部材14は、ネック部18周囲かつ、ネック部12の下に設けられる。閉鎖部材14はハウジング7上のリップ19により、位置決めされる。内部空洞13の内部圧力が上昇すると、ばね15はスリーブ21を押し上げ、閉鎖部材14をハウジング7外に押し出す。これにより、内部空洞13から気体を排出することができる。

図9および図10は、本発明に係る内部コアバレルまたはコアバレルの一端を封止する、本発明に係るキャッピングシステム6’の第2例示的実施形態を示す。キャッピングシステム6’は、開放端を備え、コアバレルの端を収容するような形状、サイズを持つハウジング7’を有する。

ハウジング7’は、閉鎖端において、流量計(図示せず)を収容する機器ハウジング23に接続される。使用の際、流体はハウジング7’の内部空間から、ネック部12’、長ネック部18’、基礎部24を介して機器ハウジング23の内部空間25に流れる。

図10に示すように、ハウジング7’内部に、ハウジング7’の開放端の比較的近くに位置する一対の封止リング11a’、11b’が設けられる。使用の際、封止リング11a、’11b’は、ハウジング7内に収容されるコアバレルの外面と、気密封止体を形成する。

ハウジング7’は内部スリーブ21’を有する。内部スリーブ21’は、頂部からハウジング7’内に嵌り、リップ22’によりハウジング7’の底から滑り落ちることが防がれる。ハウジング7’の開口部は、内部空洞13’よりも若干狭い。使用の際、封止リング11a’、11b’は、コアバレル外面(図示せず)とともに、気密封止体を形成する。コアバレルの端は内部空洞13’内に位置する。

内部空洞13’は、その端面の中心に位置する出口16’を有する。出口16’は、ハウジング7’の長ネック部18’を通過する経路17’につながる。ネック部12’は、ハウジング7’の長ネック部18’の端部を囲う。経路17’は機器ハウジング23の基礎部24内へと延びる。

キャッピングシステム6’により、ハウジング7’内に収容されたコアバレル内のコア試料から機器ハウジング23の内部空間25に位置する流量計への流体流が形成される。キャッピングシステムは6’、ハウジング7’の内部圧力が所定の値に達しないように設計されている。ばね15’またはその他弾性付勢手段が、内部空洞13’の頂部の外面と、閉鎖部材14’の下側との間に設けられる。閉鎖部材14’は、長ネック部18’周囲かつ、ネック部12’の下に設けられる。閉鎖部材14’はハウジング7’上のリップ19’により、位置決めされる。内部空洞13’の内部圧力が上昇すると、ばね15’はスリーブ21’を押し上げ、閉鎖部材14’をハウジング7’外に押し出す。これにより、内部空洞13’から気体を排出することができる。

機器ハウジング23は出口26を有する。出口26は海面上のドリルプラットフォームまたは船舶につながるさらなる管(図示せず)に接続可能である。図10に示すように、出口26はねじ切りされており、機器ハウジング23はねじ切りされた管やパイプの端に螺合可能となる。機器ハウジング23は任意の適切な手段でさらなる管に接続可能である。

機器ハウジング23の内部空間25は、コア試料からの流体の流量を計測する流量計を収容する。流量計は、データロガーと、流量計および/またはデータロガーに電力を供給する電池とに接続される。データロガーおよび/または電池は機器ハウジング23内に収容されてもよい。流量計はコリオリ流量計であってもよい。流量計は、液体、気体、ならびに液体および気体の混合物の流量を測定し、それらを区別するための三相流量計であってもよい。流量計はブロンコスト製であってもよい。

データロガーは、周囲圧力が所定の範囲内である場合に限り、電池から電力が供給されるよう配置された圧力センサに対応付けられてもよい。これにより電池寿命が長くなり得る。したがって、データロガーは海底または海面に設けられてもよいが、所定の周囲圧力下でのみ動作開始する。所定の周囲圧力は、ガスハイドレートが気体および水へ分解される圧力に対応するよう選択される。

あるいは、またはそれに加えて、水面からデータロガーに電力を供給してもよい。例えば、データロガーから水面上の施設へのケーブルや、音波や高周波接続のような非接触接続等のデータリンクを設けてもよい。これにより、フローデータのリアルタイム分析が可能となる。

本発明に係る方法の一例を以下に説明する。

コアサンプリング装置は海底で、複数のコア試料を採取するよう動作する。コアサンプリング装置は、各コア試料を、本発明の内部コアバレルと、不浸透性スリーブとしての外部バレルとを有するコアバレルに送るよう動作可能である。本発明のキャッピングシステムは各コアバレルの頂端部上に載置される。各コアバレルの底端も、例えばキャップにより、封止される。

コアバレルと、キャッピングシステムとの組み合わせは、コアバレル・アッセンブリとも称される。

コアサンプリング装置が担持する全てのコアバレル・アッセンブリがコア試料を収容する場合、コアサンプリング装置は海底から所定の深度まで引き上げられる。通常、所定の深度とはガスハイドレート安定領域(GHZ)よりも浅い。

コア試料内のあらゆるガスハイドレート結晶が気体および水に分解する間、コアサンプリング装置は所定の深度に保持される。

各キャッピングシステムは流量計とデータロガーとを備える。したがって、各コア試料から発せられる気体の量は、個別に測定および記録される。コアサンプリング装置内に保持される各コア試料用に流量計とデータロガーとを設けることで、より精確なデータの収集が可能となる。

流量計を通過した気体は、チューブや配管を通じて水面まで浮上する。

流量計を通過した気体量が、コア試料から全ての、または実質的に全ての気体が排出されたと示唆する場合、コアサンプリング装置は海面のドリルプラットフォームや船舶に回収される。その後、回収されたコア試料はさらなる分析のため搬送されてもよい。

キャッピングシステムはコアバレル・アッセンブリに対し、海面で結合し、海底で分離されてもよい。これにより、回収されたコア試料を、海底からコアサンプリング装置を引き上げるに当たって戻される前にコアバレル・アッセンブリ内に設置できる。

海底の領域を調査するため、複数の異なる地点で当該方法は繰り返してもよい。このような調査は、比較的迅速かつ安価に実行可能である。特に加圧されたコアバレルを使用した技術との比較で顕著である。通常、加圧されたコアバレルを海面に運ぶことを含む技術を使用すると、調査はコア試料ごとに15日かかり得る。一方、本発明の装置および方法を利用した調査は、穴または地点ごと約24時間程度という大幅に短い時間ででき得る。したがって、本発明は海底領域を急速かつ正確にマッピング可能となる。

本発明に係る内部コアバレルおよび/またはキャッピング・アッセンブリを使用することで、WO2011/082870に開示された方法の速度と正確さを改善し得る。例えば、ある領域のハイドレートの分布をより急速かつ正確に特定および/またはマッピングすることが可能となり得る。

様々な方向のコア試料を採取することが望ましい。例えば、英国特許出願公開第GB2465829号に開示されたような柱状採泥器を使用して、柱状採泥器を水面まで引き上げる前に複数の様々な方向のコアを回収してもよい。

実施形態によっては、コア試料は気体が全て流出する前に海面に引き上げられてもよい。海面においてガスハイドレートが完全に分解する間に、さらなる測定や分析が実行されてもよい。

実施形態によっては、コア試料は所定の深度で保持されなくてもよく、直接水面に引き上げられて測定や分析が実行されてもよい。コア試料を直接水面に引き上げる場合、キャッピングシステム内に流量計とデータロガーとを設ける必要はなくなり得る。

コアサンプリング装置により回収される複数のコア試料の各コア試料に流量計とデータロガーとを設けるのではなく、全コアバレル・アッセンブリを接続する接続チューブの下流で流量計とデータロガーとをそれぞれ1つ使用して、全てのコア試料からの気体流量をまとめて測定してもよい。

コアバレル・アッセンブリを水面で減圧する必要がある場合、キャッピングシステムに安定点を設けてもよい。

本発明に係る別の方法では、水深および/または周囲圧力に対する気体と流体の流量を記録しながら、コア試料を水柱として引き上げてもよい。

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