交換可能な切断部を備えたドリル工具

申请号 JP2015548632 申请日 2013-12-20 公开(公告)号 JP2016502937A 公开(公告)日 2016-02-01
申请人 ヒルティ アクチエンゲゼルシャフト; ヒルティ アクチエンゲゼルシャフト; 发明人 フープ,マットハウス;
摘要 回転軸線(22)回りの回転方向(21)に回転可能なドリル工具(10)は、環状部(13)を含み、該環状部の第1端に1つ以上の切断要素(14)が取り付けられ、且つ、その第2端に第1挿入要素(15)を有する、切断部(11)と、円筒状のドリル軸(16)を含み、該ドリル軸が切断部(11)に向かう端に第2挿入要素17を有する、ドリル軸部(12)とを備える。2つの挿入要素(15,17)は回転軸線(22)に平行な挿入方向にてプラグ差し込み連結を形成し、そして、少なくとも1つのスリット形状の隙間(26)内に移動可能な少なくとも1つのピン要素(25)によって付加的に連結可能である。【選択図】図1A
权利要求

回転軸線(22)回りの回転方向(21)に回転可能なドリル工具(10;70)であって、 環状部(13)を含み、該環状部(13)の第1端に1つ以上の切断要素(14)が連結され、且つ、前記環状部(13)の第2端に第1挿入要素(15)を有する、切断部(11;71)と、 円筒状のドリル軸(16)を含み、該ドリル軸(16)が前記切断部(11)に面した側に第2挿入要素(17)を有する、ドリル軸部(12;72)と を備え、 前記挿入要素(15,17)が前記回転軸線(22)と平行な挿入方向にプラグ連結を形成するとともに、少なくとも1つのスリット形状の隙間(26)内に移動可能な少なくとも1つのピン要素(25)を介して連結可能である、ドリル工具において、 前記スリット形状の隙間(26)は、接続スリット(44)と、留め領域(47)及びロック領域(48)を有した横方向スリット(43)とを含み、 前記留め領域(47)が前記回転方向に向いた前記接続スリット(44)の側にて前記接続スリット(44)に接続され、 前記ロック領域(48)が前記回転方向(21)とは離れる前記接続スリット(44)の側にて前記接続スリット(44)に接続されている、ことを特徴とするドリル工具。前記回転軸線(22)に平行な方向に沿う前記接続スリット(44)の高さは、少なくとも10mmである、ことを特徴とする請求項1に記載のドリル工具。前記回転軸線(22)に平行な方向に沿う前記接続スリット(44)の高さは13mmを超えない、ことを特徴とする請求項2に記載のドリル工具。前記横方向スリット(43)は、前記回転軸線(22)に平行な方向に沿う前記環状部(13)からの下側距離(A1,u)を有し、且つ、該下側距離(A1,u)が少なくとも3mmである、ことを特徴とする請求項1に記載のドリル工具。前記環状部(13)からの前記横方向スリット(43)の前記下側距離(A1,u)は、5mmを超えない、ことを特徴とする請求項4に記載のドリル工具。前記ピン要素(25)は前記回転軸線(22)に直交する方向に沿うピン高さ(Hz)を有し、該ピン高さ(Hz)が前記ドリル軸(16)の軸幅(b)の68%〜89%である、ことを特徴とする請求項1に記載のドリル工具。前記ピン要素(25)はピン半径(Rz)を有した円筒状をなし、前記ピン半径(Rz)が2.5〜5mmである、ことを特徴とする請求項6に記載のドリル工具。前記留め領域(47)の幅(B1)は、前記ピン半径(Rz)に1.5mmを加えた値よりも狭くない、ことを特徴とする請求項6又は7に記載のドリル工具。前記留め領域(47)の幅(B1)は、前記ピン半径(Rz)に3mmを加えた値を超えない、ことを特徴とする請求項8に記載のドリル工具。前記留め領域(47)の幅(B1)は、前記ロック領域(48)の幅(B2)よりも広い、ことを特徴する請求項7〜9の何れかに記載のドリル工具。前記留め領域(47)の幅(B1)と前記ロック領域(48)の幅(B2)とは一致する、請求項7〜9の何れかに記載のドリル工具。前記第1挿入要素は、制限止め肩(59)を有した外側挿入要素(15)として具体化され、前記第2挿入要素は端面(33)を有する内側挿入要素(17)として具体化されている、ことを特徴とする請求項1に記載のドリル工具。少なくとも1つのピン要素(25)は前記内側挿入要素(17)の外面(27)に取り付けられ、前記外側挿入要素(15)は少なくとも1つのスリット状の隙間(26)を含む、ことを特徴とする請求項12に記載のドリル工具。前記内側挿入要素(17)の長さ(l2)は、前記外側挿入要素(15)の長さ(l1)よりも長い、ことを特徴とする請求項12又は13に記載のドリル工具。前記外側挿入要素(15)の長さ(l1)は少なくとも18mmである、請求項14に記載のドリル工具。前記外側挿入要素(15)の長さ(l1)は28mmを超えない、請求項15に記載のドリル工具。前記外側及び内側挿入要素(15,17)は環状をなし、前記外側挿入要素(15)の内径(d1,i)と前記内側挿入要素(17)の外径(d2,a)との間の差(δradial)は、0.11mmよりも大きい、ことを特徴とする請求項1に記載のドリル工具。前記内側挿入要素(17)の外面(27)には3つ以上のピン要素(25)が取り付けられ、前記外側挿入要素(15)は3つ以上のスリット形状の隙間(26)を含み、前記隙間(26)の個数は前記ピン要素(25)の個数よりも多いか又は等しい、ことを特徴とする請求項17に記載のドリル工具。前記環状部(13)はガイド部(54)を含み、該ガイド部(54)が前記長手軸線(22)に平行な切断要素(14)の外縁(41)、内縁(42)又はこれら外縁及び内縁に対して面一である、ことを特徴とする請求項1に記載のドリル工具。前記回転軸線(22)に平行な方向に沿う前記ガイド部の長さ(m)は4mmよりも短い、ことを特徴とする請求項19に記載のドリル工具。前記内側挿入要素(17)の外面には突出部(76)が配置され、前記外側挿入要素(15)は溝(75)を含み、前記突出部(76)及び前記溝(75)は前記外側及び内側挿入要素の連結状態にて軸線方向に直截な連結を形成する、ことを特徴とする請求項1に記載のドリル工具。前記突出部(76)は、軸線方向でみて前記ピン要素(25)と前記ドリル軸(16)との間に配置され、前記溝(75)は軸線方向でみて前記スリット形状の隙間(26)のレベルに配置されている、ことを特徴とする請求項21に記載のドリル工具。前記溝(75)は環状をなし、前記回転軸線(22)と直交する面に配置されている、とを特徴とする請求項22に記載のドリル工具。

说明书全文

本発明は、請求項1の前提部に記載された交換可能な切断部を備えたドリル工具に関する。

「ドリル工具」の語句は、中空円筒状なし且つ1つ以上の切断要素を有したドリル軸を含む全ての穿孔工具、例えば、軸受市場(socket outlets)でのコアドリル工具及びドリル工具をも包含するものとして理解されるべきである。その使用意図とは無関係にして、ドリル工具は、例えばボアの深さを制限する深さ止め等の付加的な要素を含むことができる。

ドリル工具は、1つ以上の切断要素を有する切断部、ドリル軸部及び挿入端を有する受け取り部からなる。ドリル工具は、挿入端を通じてコアドリルの工具受け部に取り付けられ、ドリル作業中、回転軸線回りの回転方向にコアドリルによって駆動される。公知のドリル工具は交換可能な切断部を有するドリル工具と、交換不能な切断部を有するドリル工具に分類され、交換可能な切断部を有するドリル工具は更に分離可能な連結及び分離不能な連結に区分される。例えば,プラグ・ソケット連結、ねじ連結又は磁石連結等の連結が破壊することなくユーザによって分離可能なら、その連結は分離可能と考えられる。例えば、半田連結、溶接連結、リベット連結又は接着連結等の締結部を破壊することでのみ、ユーザがその連結を分離可能なら、その連結は分離不能であると考えられる。

米国特許第3,888,320 Aに開示されたドリル工具において、切断部及びドリル軸部は互いに分離可能なプラグ−捻り連結を介して連結されている。切断部は環状部を含み、該環状部の第1端には複数の切断要素が連結され、環状部はその第2端に外側挿入要素及び環状の制限止め肩を有する。ドリル軸部は円筒状のドリル軸を含む。該ドリル軸は内側挿入要素を有し、該内側挿入要素は切断部に面した端面を備えている。これら挿入要素は回転軸線と平行な挿入方向にプラグ連結を形成する。外側挿入要素はその内部に複数のピン要素を含み、これらピン要素は回転軸線に直交する面内にて径方向内側に向けられている。内側挿入要素は複数のL字形隙間スリットを含み、これら隙間スリットにピン要素が挿入されている。L字形の隙間は回転軸線と直交して延びる横方向スリットと、回転軸線と平行に延びる接続スリットとを含み、該接続スリットは横方向スリットを内側挿入要素の下縁に接続している。

交換可能な切断部を備えた公知のドリル工具において、プラグ−捻り連結が閉じられたとき、切断部とドリル軸部との間には回転軸線と平行な軸線方向の遊びが存在する。ドリル軸部から切断部への伝達がピン要素を介して排他的に生じるように、内側挿入要素の端面と外側挿入要素の制限止め肩との間にはギャップが形成されている。更に、前記ギャップは、ドリル加工面に完全に供給されない冷却濯ぎ媒体を導き、むしろ、ギャップ内に誤って向けられた媒体がドリル工具内に導かれる可能性がある。

交換可能な切断部を有する公知のドリル工具の付加的な不具合は、ドリル工具が基盤内で詰まって動かなくなったときである。コアドリルにおいて、ドリル作業中、基盤内でドリル工具が詰まって動かなくなり、作業者によってドリル工具を取り除く必要があることは通常のことである。スタンドガイド型のコアドリルユニットにおいて、詰まって動かないドリル工具を取り除くには、ドリル工具は回転方向とは反対に駆動され、そして、ドリルスタンドはドリル方向とは逆向きにドリル工具に引っ張り力を加える。作業者は、工具キーの助けを借りてドリル工具を手動で回転させると同時に、ドリルスタンドの助けを借りてドリル工具を引っ張り、基盤からドリル工具を解放にしようとする。作業者がピン要素を接続スリットに当たるまで、回転軸線回りにドリル軸部を回し、同時に、接続スリットの外にピン要素を移動させるべくドリルスタンドの手動ホイールを作動させてしまう虞をL形の隙間は提示する。切断部とドリル軸部との間のプラグー捻り連結が分離されるや否や、切断部は基盤から他の手段、例えば、基盤の除去によって解放されなければならない。

本発明の目的は、詰まって動かないドリル工具を基盤から除去しようとしている際、挿入要素のプラグー捻り連結が意図することなく開き、ドリル軸部が切断部を伴うことなく基盤から解放される虞を減少させることにある。更に、ドリル作業中、ドリル工具の安定性及びドリルスタンドによって加えられる引っ張り力に対してのドリル工具の耐性能力を増加させるべきである。

本発明によれば、上述のドリル工具の場合、その目的は独立請求項1の特徴によって達成される。好適な実施形態は従属請求項にみることができる。

本発明によれば、隙間スリットが接続スリットと、止め領域及びロック領域を有する横方向スリットとを含み、留め領域が回転方向に面した接続スリットの側にて接続スリットに接続され、ロック領域が回転方向とは逆向きの接続スリットの側にて接続スリットに接続されている。

ドリル軸部から切断部へのトルク伝達はピン要素及び留め領域を介して生じる。ロック領域は留め領域とは反対の接続スリットの側に位置付けられている。基盤からの詰まって動かないドリル工具の取り除き中、ロック領域はドリル軸部と切断部との間のプラグ−捻り連結が意図せずに開く虞を低減する。作業者は、工具キーの助けを借りて回転軸線回りにドリル軸部を回し、同時にドリルスタンドの助けを借りて引っ張ることで、基盤から詰まって動かないドリル工具を解放しようとする。実務上の経験では、ピン要素が横方向スリットに当たるとき、作業者がドリル軸部を引っ張るということを基本的に示している。本発明のドリル工具において、ピン要素が留め領域又はロック領域に衝突するなら、プラグー捻り連結が開かれる虞はない。本発明のドリル工具において、ピン要素が接続スリットに位置付けられたとき、作業者がドリル軸部を正確な動きで引っ張ってのみ、プラグ−捻り連結は開かれる。プラグ−捻り連結が意図せずに開く虞は、L形のスリット隙間に比べて大幅に低減される。

好ましくは、回転軸線に沿う接続スリットの高さは少なくとも10mmである。少なくとも10mmの高さは、ドリルスタッドによって加えられる引っ張り力に切断部が充分に耐えることを保証する。

ここで、回転軸線と平行な方向に沿う接続スリットの高さは13mmを超えない方が特に好ましい。13mmまでの高さであれば、切断部がドリルスタンドによって加えられる引っ張り力に耐える能力は改善される。それ以上高くなっても、切断部がドリルスタンドによって加えられる引っ張り力に耐える能力への影響は無いか、非常に僅かであり、材料や処理のコストを付加的に招くだけである。

好ましくは、回転軸線と平行に沿う方向でみて横方向スリットは環状部から少なくとも3mmの下側距離に位置付けられているのが好ましい。最小の3mmは、ドリルスタンドの助けを借りて詰まって動かないドリル工具の除去中、切断部が引っ張り力に対して充分に耐える能力を確保する。

ここで、環状部からの横方向スリットの下側距離は5mmを超えない方が特に好ましい。5mmまで距離であれば、引っ張り力に耐える切断部の能力が改善される。それ以上の距離は引っ張り力に耐える切断部の能力に何ら影響しないか、その影響は殆どなく、材料や処理のコストを付加的に招くだけである。

ドリル工具の好適な実施形態において、ピン要素は回転軸線に直交する方向に沿うピン高さを有し、ここでのピン高さはドリル軸における軸幅の68%〜89%である。好ましくは、内側挿入要素の幅はドリル軸の幅のほぼ50%である。ピン高さが増加するにつれ、トルク伝達の面積は同様に増加する。付け加えて、引っ張り力に耐える能力もまた改善される。

ピンは円形の円筒形状をなして具体化され、そのピン半径は2.5〜5mmであるのが好ましい。ドリル軸部から切断部へのトルク伝達はピン要素及び外側挿入要素を介して生じる。ピン要素のピン半径が増大すればする程、トルク伝達に必要なピン要素の数は少なくなる。

留め領域の幅は、ピン半径に1.5mmを加えた値よりも狭い方が好ましい。留め領域の最小幅でも、ドリルスタンドによって加えられる引っ張り力に耐える充分な能力が確保される。ピン要素は留め領域に静止し、留め領域から抜け出さない。

ここで、留め領域の幅はピン半径に3mmを加えた値よりも広くない方が好ましい。ピン半径に3mmを加えた幅までであれば、切断部がドリルスタンドによって加えられる引っ張り力に耐える能力が改善される。それ以上の幅は、引っ張り力に耐える切断部の能力に影響しないか、その影響は非常に僅かであり、切断部の安定性を不必要に減少させる。

第1の好適な変形形態において、留め領域の幅及びロック領域の幅は互いに一致する。ここで、留め領域及びロック領域はピン半径に1.5mmを加えた最小幅を有する。特に、小さい半径を備えたドリル工具の場合、該変形形態は周方向に関して横方向スリットの部分を大きくすることができる。

第2の好適な変形形態において、留め領域の幅はロック領域の幅よりも大きい。ここで、留め領域及びロック領域はピン半径に1.5mmを加えた最小の幅を有する。この 変形形態は小さい直径を備えたドリル工具にとって特に利点となり、横方向スリットが占める周方向の比率が大きい。

好適な実施形態において、第1挿入要素は制限止め肩を備えた外側挿入要素として具体化され、第2挿入要素は端面を有した内側挿入要素として具体化される。連結位置において、内側挿入要素の端面は外側挿入要素の制限止め肩に静止される。ドリル作業中、ドリル軸部から切断部への力の伝達は端面及び制限止め肩を介して生じる。力の伝達がピン要素を介して生じないとき、外側挿入要素が変形する虞は減少され、本発明のドリル工具は高度な安定性を有する。制限止め肩はリング又はリング状区分をなして具体化できる。他方、リング形状の制限止め肩に平坦に静止された端面により、ドリル工具は密にして具体化され、これにより、冷却濯ぎ媒体が誤って方向付けられるのを防止する。例えば、ドリル工具の挿入端を経て供給される冷却濯ぎ媒体は、ドリル加工面に対して全体的に流れ、切断要素の冷却やドリル切削屑(drillings)の除去を確実にする。

内側挿入要素の外面に固定されるべき少なくとも1つのピン要素のために、外側挿入要素は少なくとも1つのスリット形状の隙間を含んでいるのが特に好適する。交換可能な切断部にスリット形状の隙間を配置することは、安定性を損なった2つのドリル工具部分が規則的に交換できる利点を有する。本発明における挿入要素のプラグー捻り連結は引っ張り力に耐える能力と共にドリル工具の安定性を改善する。スリット形状の隙間を備えたドリル工具部分は、ピン要素が取り付けられたドリル工具部分よりも引っ張り力によって変形を受け易い。引っ張り力による変形の虞はスリット形状の隙間の比率に伴い、挿入要素の外周にて増大する。外側挿入要素の直径が内側挿入要素の直径よりも大きいため、スリット形状の隙間のために外側挿入要素の長い外周を利用でき、これはその外周上にて隙間が占める比率を低減する。スリット形状の隙間が外側挿入要素に備えられているとき、ドリル工具は更に安定する。

内側挿入要素上のピン要素の配置及び外側挿入要素上のスリット形状の隙間の配置に起因して、ドリル工具はその内部を水蜜に構成でき、冷却濯ぎ媒体の誤った方向付けを防止する。水密のドリル工具の場合、例えば、ドリル工具の挿入端を経て供給される冷却濯ぎ媒体は全てドリル加工面に流れ、切断要素の冷却及びドリル屑の除去を確実にする。また、本発明のドリル工具はプラグ−捻り連結の開閉を作業者によって監視可能にする。このような監視は、スリット形状の隙間が内側挿入要素に備えられているなら、不能であるか、又は、制限された程度でのみ可能となる。

内側挿入要素の長さは外側挿入要素の長さよりも長い方が特に好適する。内側及び外側挿入要素間での長さの差は、内側挿入要素の端面が外側挿入要素の制限止め肩に静止されるのを確実にし、ドリル作業中、ドリル軸部から切断部への所定の力の伝達が生じる。

外側挿入要素の長さは少なくとも18mmであるのが特に好適する。外側挿入要素のための最小の長さ18mmでも、切断部に充分な弾性が確保される。スリット形状の隙間は外側挿入要素にて或る高さ位置にて位置付け可能であり、その高さ位置にて、ドリルスタンドの助けを借りて詰まって動かないドリル工具の除去中に生じる引っ張り力に対して切断部が固定されている。

ここで、外側挿入要素の長さは28mmを超えない方が特に好適する。外側挿入要素が28mmまでの長さであれば、引っ張り力に耐える切断部の能力は改善される。それ以上に外側挿入要素の長さが長くても、引っ張り力に耐える切断部の能力に影響しないか、又は、その影響は非常に僅かであり、材料や製造のコストを付加的に招くだけである。

好適な実施形態において、外側及び内側挿入要素はリング形状をなして具体化され、外側挿入要素の内径と内側挿入要素の外径との間の差は0.11mmよりも大である。従って、外側及び内側挿入要素間に形成されたギャップは、外側挿入要素の制限止め肩に内側挿入要素の端面が静止されることを確実にする。ドリル工具はその内部を水蜜にして構成され、これにより、切断要素に対する液状又はガス状の冷却濯ぎ媒体の供給が保証される。更に、コアドリルユニットからドリル軸部を経て切断部の制限止め肩に所定の力伝達が生じる。

ドリル工具の好適な実施形態において、内側挿入要素の外面には3つ以上のピン要素が取り付けられ、そして、外側挿入要素は3つ以上のスリット形状の隙間を含む。隙間の個数はピン要素の個数よりも多いか又は等しい。本発明に係るドリル工具においては、内側挿入要素の端面から外側挿入要素の制限止め肩に力の伝達が生じ、外側挿入要素にはピン要素を介してトルク伝達が生じる。ここで、ピン要素はドリル工具における回転軸線回りに均等に分布されているのが特に好適である。ピン要素の均等な分布は隙間に対するピン要素の割り当てを無くし、ピン要素は何れの隙間にも挿入可能となる。

スリット形状の隙間の個数はピン要素の個数よりも多いか又は等しいものでなければならない。プラグー捻り連結を閉じるためには、スリット形状の隙間は各ピン要素に対して備えられていなければならない。隙間の個数がピン要素の個数よりも多いドリル工具の構成は、切断部の安定性が不必要に低減する不具合を有する。このような構成は、非常に大きな直径を備えたドリル工具にのみ好適する。何故なら、このようなドリル工具では、外側挿入要素の外周における隙間の比率が小さい直径を備えたドリル工具の場合に比べて小さいからである。

6個のピン要素は内側挿入要素の外面に固定され、外側挿入要素は6つ以上のスリット形状の隙間を備えているのが特に好適である。6mmのピン直径を有する6つのピン要素の回転連結は、例えば50mm〜250mmの様々な直径のドリル工具にとってのトルク伝達に好適する。

ドリル工具の改良において、環状部はガイド部を備え、該ガイド部は切断部の外縁、内縁又は内縁及び外縁と面一である。切断要素とのガイド部との面一な連なり(flush fit)に起因して、ガイド部はドリル作業中、切断要素のためのガイドを形成し、切断要素を安定させる。ここでのガイドは、ドリルコアを囲む基盤に対してドリル工具の外面を案内するか、又は、ドリルコアに対してドリル工具の内面を案内する。

回転軸線に平行な方向に沿うガイド部の長さは4mmよりも短い方が好ましい。4mmよりも短いガイド部は冷却濯ぎ媒体の供給を少しも阻害しないか、又は、少なくとも実質的に阻害しない。

ドリル工具の好適な実施形態において、内側挿入要素の外面には突出部が配置されている一方、外側挿入要素の内面は溝を備え、これら突出部及び溝は連結された状態で軸線方向の直截嵌合(positive fit)を形成する。ドリル軸部と切断部との間の付加的な直截嵌合に起因して、基盤からの詰まって動かないドリル工具の除去中、ドリル軸部と切断部との間の分離可能な連結が意図せずに開く虞は更に低減される。突出部及び溝からなる直截的な組み付け構造は切断部からのドリル軸部の分離を妨げる簡単且つ確実な連結を可能にする。直截的な連結の保持力は、突出部及び溝の幾何学的な構成を使用することで、ドリル工具の作動領域に適合される。

突出部は軸線方向でみてピン要素とドリル軸部との間に配置され、溝は軸線方向でみてスリット形状の隙間のレベルに配置されているのが好適する。外側挿入要素において、スリット形状の隙間の部位は弾性作用を示す。この弾性作用はスリット形状の隙間の個数及び軸線方向高さ並びに外側挿入要素の長さによって調整可能である。切断部からドリル軸部を分離するため、工具の助けを借りて、外側挿入要素の端面に対して力が軸線方向に加えられる。この力の働きは外側挿入要素の弾性部分を反らせ、突出部と溝との間の直截的な連結が分離可能となる。外側挿入要素の制限止め肩からの溝の距離が増大すればする程、弾性部分の反りは増大する。

溝は環状をなし、回転軸線と直交する面に配置されているのが好ましい。スリット形状の隙間のレベルに配置された環状の溝はスリット形状の隙間同士の間にて、外側挿入要素の部分の弾性作用を支援する。

ここで、軸線方向は、ドリル工具の回転軸線と平行な方向として規定される。ドリル軸部の連結状態において、ドリル工具の回転軸線はドリル工具部分、切断部及びドリル軸部の長手軸線と一致する。径方向面は回転軸線と直交する面として規定され、そして、径方向は径方向面内を延び且つドリル工具の回転軸線又はドリル工具部分の長手軸線と交差する方向である。

例示的な実施形態 本発明に係る例示的な実施形態は図面を参照して以下に記載される。図面は例示的な実施形態を一定の比率で示すことを必ずしも意図したものでなく、むしろ、図面は理解を助けるために概略的及び/又は僅かに変形して示されている。図面から直ちに認識可能な教示の詳細に関し、我々は関連の従来技術を参考にすることができる。本発明の一般的な概念から逸脱することなく、実施形態の詳細に関して多数の改善及び変形がなされることに留意すべきである。本明細書、図面及び特許請求の範囲に開示された本発明の特徴は、単独又は如何なる組合せでも、本発明における詳細の本質的なものと考えられる。付け加えて、本件明細書、図面及び/又は特許請求の範囲に開示された少なくとも2つの特徴の全ての組合せは、本発明の範囲内に含まれるものと考えられる。本発明の一般的な概念は、以下に示され且つ記載された例示的な実施形態の正確な詳細や、特許請求の範囲に記載の目的との比較から制限されるものでもない。与えられた寸法範囲において、該範囲内の境界値もまた請求されたもの、且つ、所望の形態で使用可能なものとして考えられる。簡略化を図るため、同一又は同様な機能を備えた同一又は同様な部位には、以下、同一の参照符号が使用されている。

切断部及びドリル軸部が非連結状態にある本発明のドリル工具を示した図である。

切断部及びドリル軸部が連結状態にある本発明のドリル工具を示した図である。

ドリル工具のドリル軸部を図1A中のAーA面に沿って縦断して示した図である。

ドリル軸部における挿入要素の拡大図である。

図1に示されたドリル工具の切断部を縦断して示した図である。

切断部における挿入要素の拡大図である。

切断部を図1A中のBーB面に沿って縦断して示した図である。

切断部を図1B中のC−C面に沿って縦断して示した図である。

切断部及びドリル軸部を有し、これら切断部及びドリル軸部がこれらの分離を阻止する付加的且つ直截的な連結を介して連結されてなる、本発明のドリル工具の変形した実施形態を示す図である。

図1A,1Bは本発明に係るドリル工具10を示し、該ドリル工具10は切断部11を備えている。該切断部11は分離可能なプラグー捻り連結を介してドリル軸部12に接続されている。図1Aは、プラグー捻り連結が開いた非連結状態で、切断部11及びドリル軸部12を示し、図1Bはプラグ−捻り連結が閉じた連結状態で、切断部11及びドリル軸部12を示す。

切断部11は環状部13を含み、該環状部13はその第1端に複数の切断要素14が連結され、その第2端に第1挿入要素15を有する。ここで、第1挿入要素は外側挿入要素15として構成されている。切断要素14は溶接、半田付け、ボルト付け又は他の適切な方式でもって環状部13に取り付けられている。また、切断部11は複数の切断要素14代えて切断スリーブとして具体化された単一の切断要素を備えることもでき、切断スリーブは環状部13に連結される。

ドリル軸部12は円筒状のドリル軸16を含み、該ドリル軸16は切断部11に面する端に第2挿入要素17を備え、切断部11とは反対側の端にて受け部18に連結されている。ここで、第2挿入要素は内側挿入要素17として具体化されている。受け部18はカバー19及び挿入端20を含む。ドリル工具10は挿入端20を介してコアドリル装置の工具受けに固定される。ドリル操作中、ドリル工具10はコアドリル装置によって回転軸線22回りの回転方向21及び穿孔すべき基盤において回転軸線22と平行な穿孔方向23に駆動される。回転軸線22はドリル軸16の長手軸線及び環状部13の長手軸線と同軸に延びている。ドリル工具10は、回転軸線22と直交する円形の断面を有する。代替的には、本発明に係るドリル工具は例えば多形断面等の他の適切な断面を有することもできる。

切断部11はプラグー捻り連結24を介してドリル軸部12に連結されている(図1B)。「プラグ−捻り連結」の語句は、少なくとも一方向にプラグ連結を形成する2つの連結要素の連結を記述するために使用され、この連結では、挿入された連結要素が付加的な捻り連結を介しても連結された状態にある。ここで、プラグ連結及び捻り連結は順次又は同時に閉じられる。プラグ−捻り連結24は並進方向及び回転方向の全てにて切断部11及びドリル軸部12を連結しなければならない。切断部11は、回転軸線22回りの回転に対して固定されるのと同様に、穿孔方向23や穿孔方向23とは逆向きの並進方向、そして、穿孔方向23の径方向に対して固定されていなければならない。

切断部11は、回転軸線22と平行に延びるプラグ連結の挿入方向にて、ドリル軸部12の内側挿入要素17に外側挿入要素15を被せることで連結される。挿入要素15,17のプラグ連結は穿孔方向23とは逆向きの並進方向、そして、回転軸線22に対する径方向に対して切断部11を固定する。切断部11は挿入要素15,17の捻り連結を介して、回転軸線22回りの回転や、穿孔方向23での並進方向に対して固定されなければならない。捻り連結は6つのピン要素25を含み、これらピン要素25は6つのスリット形状の隙間26に挿入される。6つのピン要素25は内側挿入要素17の外面27に取り付けられており、6つのスリット形状の隙間26は外側挿入要素15に備えられている。ピン要素25及び隙間26は回転軸線22の回りに均等に分布されている。このような均等な分布に起因して、隙間26に対する要素25の割り当てが不必要となり、1つのピン要素25は何れの隙間26にも挿入可能である。

切断部11は作業者によってドリル軸部12に簡単且つ迅速にして取り付け可能である。この目的のため、外側挿入要素15を備えた切断部11はドリル軸部12の内側挿入要素17に対する挿入によって連結され、この際、ピン要素25がスリット形状の隙間26内に配置される。切断部11は挿入方向に移動され、この後、回転軸線22回りの回転によって固定される。

図2A,Bは、本発明に係るドリル工具10のドリル軸部12を図1A中のA—A面に沿う縦断面で示す。図2Aはドリル軸部12を示し、図2Bは内側挿入要素として具体化された第2挿入要素17を拡大して示す。

ドリル軸部12は円筒状のドリル軸16及び内側挿入要素17を含み、一体に構成されている。一体構成に対する代替として、内側挿入要素17は別体として具体化され、この後、ドリル軸16に連結される。内側挿入要素17の外面27には複数のピン要素25が固定されている。ピン要素25及び内側挿入要素17は異なる材料からなり、互いに連結されているか、又は、同一材料からなる。ピン要素25は打ち抜き又は貫入(penetration)等の変形方法を使用して得られる。

ドリル軸16は、回転軸線22に直交する方向に沿う外径da、内径di、ドリル軸幅b,b=(da-di)/2を有する。内側挿入要素17は回転軸線22に直交する方向に沿う外径d2,a、内径d2,iを有する。ここで、内側挿入要素17の内径d2,iはドリル軸16の内径diに相当し、そして、内側挿入要素17の外径d2,aはドリル軸16の外径daよりも小さく、これにより、ドリル軸部12の外面には環状の段が形成されている。

図2Bは、内側挿入要素17を拡大して示す。内側挿入要素17は外側ジャケット面31と、内側ジャケット面32と、端面33とを含む。ドリル軸16から内側挿入要素17への変わり目には環状の制限止め肩34が位置付けられている。

内側挿入要素17は回転軸線22に平行な方向に沿う長さl2及び回転軸線22に直交する方向に沿う幅b2を有する。ピン要素25は円筒状をなし、回転軸線22に平行な方向に沿うピン半径Rz、回転軸線22に直交する方向に沿うピン高さHzを有する。ピン要素25の下縁は、内側挿入要素17の端面33から距離Azを存し、回転軸線22に直交して位置付けられている。

図3A,Bは、図1に示されたドリル工具10の切断部11を図1Aの投射面と平行な縦断面で示す。ここで、図3Aは切断部11の全体を示し、図3Bは外側挿入要素15のスリット状の隙間26を拡大して示す。

切断部11は環状部13、複数の切断要素14及び外側挿入要素15を含む。環状部13及び外側挿入要素15は図示の実施形態では一体として構成されている。一体構成の代替として、外側挿入要素15は別体の部品として構成でき、その後、環状部13に連結される。

切断要素14は、回転軸線22と直交する1つの面上に環状部13回りのリング形状に配置され、各々が外縁41及び内縁42を有する。切断要素14の外縁41は外径Daの外側の円を形成し、内縁は内径Diの内側の円を形成する。切断要素14は基盤にドリルボアを形成し、ドリルボア径は外径Daに相当する。ドリル工具10の内部にて、内径Diに相当するドリルコア径を有したドリルコアが形成される。外側挿入要素15は回転軸線22に直交する方向に沿う外径d1,a,内径d1,iを有する。ここで、外側プラグ要素15の外径d1,aは外径Daよりも小さく、外側挿入要素15の内径d1,iは内径Diより大きい。

図3Bは、外側挿入要素15のスリット形状の隙間26を拡大して示す。スリット形状の隙間26は、回転軸線22に直交して配置された横方向スリット43と、回転軸線22に平行に配置された接続スリット44とを含む。接続スリット44は横方向スリット43を外側挿入要素15の上縁45に接続し、接続スリット44の領域で上縁45にて開放されている。ピン要素25は接続スリット44を経てスリット形状の隙間26内に挿入され、回転軸線22回りの回転によって横方向スリット43内に移される。横方向スリット43にて、ピン要素25から外側コネクタ要素15へのトルク伝達が生じる。

外側挿入要素15は回転軸線22に平行な方向に沿う長さl1及び回転軸線22に直交する方向に沿う幅b1を有する(図4A)。横方向スリット43は回転軸線22に直交する方向に沿う幅B及び回転軸線22に平行な方向に沿う高さHを有する。接続スリット44は、回転軸線22に直交する方向に沿う幅b及び回転軸線22に平行な方向に沿う高さhを有する。接続スリット44の幅はピン要素25のピン直径2Rzよりも大きく、これより、ピン要素25は接続スリット44内に容易に挿入可能である。ここで、ピン要素25の挿入は上縁45の傾斜した挿入面46を使用することで容易となる。接続スリット44の高さは、詰まって動かなくなったドリル工具の解放中、切断部11が引っ張りに充分に耐えるように選択されている。高さhが余りにも低く選択されたなら、外側挿入要素15の変形を招く虞がある。

横方向スリット43は、環状部13からの回転軸線22に平行な方向に沿う下側距離A1,uと、上縁45からの上側距離を有し、該上側距離は接続スリット44の高さhに相当する。環状部13からの下側距離A1,uは、切断部11がドリルスタンドによって発生される引っ張り力に充分に耐えるように選択されている。下側距離A1,uが余りにも短く選択されたなら、外側挿入要素15の変形を招く虞がある。

横方向スリット43は、留め領域47、ロック領域48及び移行領域49を含む。留め領域47及びロック領域48は、移行領域49を介して接続スリット44に接続された状態にあり、ドリル工具10の回転方向21でみて接続スリット44の異なる側に配置されている。留め領域47は回転方向21に面した接続スリット44の側に配置され、ロック領域48は回転方向21とは逆向きの側に配置されている。ドリル軸部12から切断部11へのトルク伝達はピン要素25及び留め領域47を介して生起される。詰まって動かないドリル工具を基盤から除去中にあるとき、ロック領域48はドリル軸部12と切断部11との間のプラグ−捻り連結24が意図せずに開く虞を低減する。

留め領域47は回転軸線22に直交する方向に沿う幅B1を有し、留め領域47の高さは横方向スリット43の高さHに相当する。ロック領域48は回転軸線22に直交する方向に沿う幅B2を有し、ロック領域48の高さは横方向スリット43の高さHに相当する。留め領域47及びロック領域48の幅B1,B2は、引っ張り力が加わった場合、ピン要素25が横方向スリット43内に保持され、そして、抜け出すことがないように選択されている。

図4A,4Bは、本発明に係るドリル工具10の切断部11を図1A中のB−B面に沿って縦断した断面(図4A)、そして、図1B中のC−C面に沿って縦断した断面(図4B)を示す。切断部11は環状部13、複数の切断要素14及び外側挿入要素15を含む。

切断要素14は母体領域51及び中立領域52を含み、母材領域51は切削砥粒が加えられた粉体からなり、中立領域52は切削砥粒を含まない溶接可能な粉体からなっている。切断要素14の2部品構造は、環状部13に切断要素14を溶接可能とするために必要である。環状部13は切断要素14の内縁42に面一にされ、切断要素14の外縁41に対して戻り(rebound)53を有する。

環状部13はその内側にガイド部54及びコア取り外し部55を含む。コア取り外し部55は切断要素14の方向に向けて減少する内径を有する。コア取り外し部55の傾斜面はドリルコアの取り外しを支援する。ガイド部54は切断要素14と面一であり、ドリル作業中、切断要素14のガイドを形成する。ガイド部54は回転軸線22に平行な方向に沿う長さmを有する。ドリル工具の内部のガイドに対する代替として、ガイド部は外側、又は、外側及び内側に配置することもできる。ガイド部54の長さmは4mmよりも短い。4mmよりも短いガイド部は冷却濯ぎ媒体の供給に干渉しないか、又は、実質な程度には干渉しない。

外側挿入要素15は外側ジャケット面56、内側ジャケット面57及び端面58を含む。環状部13と外側挿入要素15との間の境界には環状の制限止め肩59が位置付けられている。図4Aに示された切断部11において、外側挿入要素15は傾斜外面60を付加的に含み、該傾斜外面の直径は切断要素14に向けて増加する。

図4Bは切断部11及びドリル軸部12を示し、これらはプラグ−捻り連結24を介して連結され、ここでの連結では、ピン要素25が伝達(transfer)スリット43のロック領域48に配置されている。連結状態において、ドリル軸部12はその端面33が切断部11の制限止め肩59に支持されている。外側挿入要素15の内側ジャケット面57と内側挿入要素17の外側ジャケット面31との間には径方向ギャップ61が存在する。ここで、外側挿入要素15の内径d1,iと内側挿入要素17の外径d2,aとの間の差δradialは全周に亘って0.11mmよりも大きい。内側挿入要素17の長さl2は外側挿入要素15の長さl1よりも大きく、これにより、軸線方向ギャップ62はギャップ幅δaxialを有して、外側挿入要素15の端面58と内側挿入要素17の制限止め肩34との間に形成されている。径方向ギャップ61及び軸線方向ギャップ62は、内側挿入要素17の端面33が外側挿入要素15の制限止め肩59に支持され、そして、ドリル作業中、所定の力伝達がドリル軸部から切断部に生起することを確実にする。

図5は本発明に係る付加的な実施形態のドリル工具70を示し、該ドリル工具は切断部71と、ドリル軸部72とを有する。ドリル工具70は軸線方向に関して、ドリル軸部72から切断部11の意図しない解放を妨げる直截な連結が付加的に備えられている点で、ドリル工具10とは相違する。

切断部71は外側挿入要素15及びスリット形状の隙間26に加えて、第1コネクタユニット73を含み、ドリル軸部71は内側挿入要素17及びピン要素25に加えて、第2コネクタユニット74を含む。第1コネクタユニット73は溝75を備え、該溝は外側コネクタ要素15の内面57に配置されている。第2コネクタユニット74は突出部76を備え、該突出部は内側挿入要素17の外面28に配置され、径方向外側に突出している。ドリル工具70の連結状態において、突出部76及び溝75は軸線方向、即ち、ドリル方向23において、切断部71とドリル軸部72との間に直截な連結を形成する。ドリル軸部72が該切断部11から分離することに抗して切断部71は突出部76及び溝75を介して固定されている。

突出部76は、軸線方向でみてピン要素25とドリル軸部16との間に配置されている。切断部71からドリル軸部72を取り外すために、道具の助けを借りて、外側挿入要素15の端面に力が加えられる。該力の作用によって、外側挿入要素15の弾性部分が反らされ、凸の突出部76と溝75との間の直截な連結が解除される。内側挿入要素17の端面33からの突出部76の距離が長くなればなるほど、弾性部分の反りは大きくなる。溝75は環状に形成され、回転軸線22と直交する面に配置されている。軸線方向でみてスリット形状の隙間26の高さに配置された環状溝は、スリット形状の隙間26間での外側挿入要素15の部分の弾性効果を支援する。

突出部76及び溝75によって耐えられる保持力は、突出部76と溝75の幾何学を使用して適合させることができる。溝75内への突出部76の嵌め込みは作業者にとって可能な限り安楽なものであるべきであり、嵌め込みは傾斜面によって容易になる。例えば、突出部76の径方向高さ、即ち、その径方向での高さ、突出部76と内側挿入要素17との間の接触面及び傾斜角は保持力を調整するための幾何学パラメータとして好適する。

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