掘削ビット

申请号 JP2014021674 申请日 2014-02-06 公开(公告)号 JP2014196655A 公开(公告)日 2014-10-16
申请人 三菱マテリアル株式会社; Mitsubishi Materials Corp; 发明人 NAKAMURA KAZUYOSHI; OTA HIROSHI;
摘要 【課題】掘削孔を形成するときに繰り粉排出性能の低下を招くことがないとともに、所定の深さまで掘削孔が形成された後は確実かつ効率的にビット本体を掘削孔から引き抜いて回収することが可能な掘削ビットを提供する。【解決手段】軸線O回りに回転させられるビット本体11の先端部に後端部よりも大径のリーミング部13が形成されていて、このリーミング部13の先端部に掘削チップ15が配設されており、リーミング部13の外周部には軸線O方向に延びる繰り粉溝17が形成されるとともに、リーミング部13の外周部から後端部にかけては繰り粉溝17に連通する連通溝18が形成されている。【選択図】図1
权利要求
  • 軸線回りに回転させられるビット本体の先端部にビット本体の後端部よりも大径のリーミング部が形成されていて、このリーミング部の先端部に掘削チップが配設されており、上記リーミング部の外周部には上記軸線方向に延びる繰り粉溝が形成されているとともに、上記リーミング部の外周部からリーミング部の後端部にかけては、上記繰り粉溝に連通する連通溝が形成されていることを特徴とする掘削ビット。
  • 上記連通溝と上記リーミング部の後端面との交差稜線のうち少なくとも掘削時の上記ビット本体の回転方向後方側に位置する交差稜線は、上記軸線に平行な平面上または上記軸線を含む平面上に位置していることを特徴とする請求項1に記載の掘削ビット。
  • 上記ビット本体の周方向における上記連通溝の幅が上記繰り粉溝の幅よりも大きいことを特徴とする請求項2に記載の掘削ビット。
  • 上記リーミング部の外周部には、複数の上記繰り粉溝が周方向に間隔をあけて形成されているとともに、上記連通溝は、周方向に隣接する複数の上記繰り粉溝に連通していることを特徴とする請求項3に記載の掘削ビット。
  • 上記連通溝は、掘削時の上記ビット本体の回転方向後方側に向かうに従い、上記リーミング部の後端面からの溝深さが漸次深くなることを特徴とする請求項1から請求項4のうちいずれか一項に記載の掘削ビット。
  • 上記連通溝は、上記軸線に対して傾斜する方向に延びていることを特徴とする請求項1に記載の掘削ビット。
  • 上記連通溝は、上記軸線方向先端側に向かうに従い、掘削時の上記ビット本体の回転方向に向かうように傾斜していることを特徴とする請求項6に記載の掘削ビット。
  • 上記連通溝と上記リーミング部の外周面との交差稜線が上記軸線に対する径方向外周側から見て該軸線に対してなす傾斜角が25°〜70°の範囲内とされていることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の掘削ビット。
  • 说明书全文

    本発明は、軸線回りに回転させられるビット本体の先端部に掘削チップが配設されて岩盤等に掘削孔を形成する掘削ビットに関するものである。
    本願は、2013年3月5日に出願された特願2013−043549について優先権を主張し、その内容をここに援用する。

    このような掘削ビットによる削孔作業において、所定の深さまで掘削孔が形成された後は、ビット本体を削孔から引き抜いて回収する。 ところが、崩壊性の高い岩盤に掘削孔を形成した場合には、掘削孔の孔壁が崩れてビット本体の後端側に土砂が溜まり、ビット本体を掘削孔から抜き出すことができなくなることがある。 そこで、このような場合には、例えば特許文献1に記載されているように、ビット本体の後端部に切刃が設けられたリトラックビットが用いられている。

    特許第4709226号公報

    ここで、このようなリトラックビットでは一般的に、ビット本体の後端部が円筒状のスカート部とされるとともに、ビット本体の先端部はスカート部の先端側の部分よりも大径のリーミング部とされている。 このリーミング部の先端面には岩盤を掘削する掘削チップが配設されているとともに、リーミング部の外周には、掘削孔を形成する際に掘削チップによって破砕された土砂をリーミング部の後方に送り出す繰り粉溝が形成されている。

    さらに、スカート部の後端部には、スカート部の先端側の部分よりも外周側に拡径する大径部が形成されている。 そして、この大径部には、スカート部の後端面から先端側に凹むように凹部が形成されていて、この凹部とスカート部の後端面との交差稜線部に上記切刃が形成されている。 また、大径部の外周には凹部から軸線方向先端側に延びる溝が形成されており、この溝は、スカート部の先端において上記繰り粉溝に連通していて、繰り粉溝を通してリーミング部の後方に送り出された土砂を排出するようにされている。

    しかしながら、このようなリトラックビットでは、こうしてスカート部の後端の大径部に溝を形成してはいるものの、スカート部の全体がリーミング部よりも小径とされた通常の掘削ビットと比較すると、大径部によって繰り粉排出性能が低下することが避けらなくなり、掘削孔を形成する際に掘削抵抗の増大を招くおそれがある。 また、ビット本体を掘削孔から引き抜くときにも、大径部と孔壁との間に土砂が詰まるおそれがあるとともに、スカート部のうちの大径部とリーミング部との間の部分に土砂が滞留すると、この滞留した土砂を繰り粉溝から効率よく排出するのが困難となって、ビット本体を回収できなくなるおそれがある。

    本発明は、このような背景の下になされたもので、掘削孔を形成するときに繰り粉排出性能の低下を招くことがないとともに、所定の深さまで掘削孔が形成された後は確実かつ効率的にビット本体を掘削孔から引き抜いて回収することが可能な掘削ビットを提供することを目的としている。

    上記課題を解決して、このような目的を達成するために、本発明は、軸線回りに回転させられるビット本体の先端部にビット本体の後端部よりも大径のリーミング部が形成されていて、このリーミング部の先端部に掘削チップが配設されており、上記リーミング部の外周部には上記軸線方向に延びる繰り粉溝が形成されているとともに、上記リーミング部の外周部からリーミング部の後端部にかけては、上記繰り粉溝に連通する連通溝が形成されていることを特徴とする。

    このような掘削ビットでは、ビット本体の後端部は、先端部に形成された大径のリーミング部よりも小径となるため、繰り粉溝を通してリーミング部の後方に送り出された土砂を円滑に排出することができ、繰り粉排出性能が損なわれるのを防いで掘削抵抗の低減を図ることができる。 また、ビット本体を掘削孔から引き抜くときに、ビット本体後端部と孔壁との間に土砂が詰まるのも抑えることができる。

    そして、リーミング部の外周部から後端部にかけては、上記繰り粉溝に連通する連通溝が形成されているので、掘削孔から引き抜くときにビット本体を後退させると、ビット本体の後端部の外周に溜まった土砂は、この連通溝を介して繰り粉溝に送り込まれる。 このため、崩壊性の高い岩盤に掘削孔を形成した場合でも、崩れた土砂を効率的にビット本体の先端側に排出することができ、ビット本体を確実に引き抜いて回収することが可能となる。

    ここで、一般的にビット本体の後端部が上述したような円筒状のスカート部である場合には、その内周に形成された雌ネジ部に掘削ロッド先端の雄ネジ部がねじ込まれて掘削時にビット本体が回転させられる。 そこで、特にビット本体を掘削孔から引き抜く際にも掘削時の回転方向と同じ方向に回転させながら引き抜くような場合には、上記連通溝と上記リーミング部の後端面との交差稜線のうち少なくとも掘削時の上記ビット本体の回転方向後方側に位置する交差稜線は、上記軸線に平行な平面上または上記軸線を含む平面上に位置していてもよい。 ビット本体の回転により、この交差稜線に連なる連通溝の溝壁に沿って土砂を掻き込んで繰り粉溝に案内することができる。

    また、このような場合には、ビット本体の周方向における上記連通溝の幅を上記繰り粉溝の幅より大きくすることにより、ビット本体を掘削孔から引き抜いて回収する際に、ビット本体後端部の周りの多くの土砂を連通溝に取り込んで、繰り粉溝に効率的に排出することができる。 例えば、上記リーミング部の外周部に、複数の上記繰り粉溝が周方向に間隔をあけて形成されている場合には、上記連通溝を、周方向に隣接する複数の上記繰り粉溝に連通するように形成することにより、連通孔に取り込んだ多くの土砂を複数の繰り粉溝に分散して送り込んで一層効率的に排出することができる。

    さらに、上記連通溝は、掘削時の上記ビット本体の回転方向後方側に向かうに従い、上記リーミング部の後端面からの溝深さが漸次深くなるように形成することによっても、ビット本体を掘削時の回転方向に回転させながら引き抜く場合には、溝深さが深い部分に多くの土砂を収容して効率的な排出を促すことができる。

    一方、上記連通溝を、上記軸線に対して傾斜する方向に延びるように形成することにより、特にビット本体を回転させずに掘削孔から引き抜くような場合でも、ビット本体の後端部の外周に溜まった土砂は、連通溝の傾斜に案内させられるようにして繰り粉溝に送り込まれる。 このため、ビット本体を回転させなくてもビット本体後端部外周に溜まった土砂を効率的に先端側に排出することができ、やはり確実にビット本体を回収することが可能となる。

    また、このように連通溝を傾斜させて形成する場合には、該連通溝を、軸線方向先端側に向かうに従い、掘削時のビット本体の回転方向に向かうように傾斜させることにより、上述のようにビット本体を引き抜くときにも掘削時の回転方向に回転させることで、このビット本体の回転によっても連通溝から繰り粉溝に土砂を案内することができ、より一層効率的な土砂の排出を促すことが可能となる。

    なお、上述のように連通溝を傾斜させた場合には、その傾斜、すなわち上記連通溝と上記リーミング部の外周面との交差稜線が上記軸線に対する径方向外周側から見て該軸線に対してなす傾斜角は、25°〜70°の範囲内とされるのが望ましい。 ビット本体を回転させずに引き抜く場合には、この傾斜角が上記範囲よりも小さいと連通溝が軸線と平行に近くなりすぎる一方、逆に上記範囲よりも大きいと連通溝が軸線に垂直に近くなりすぎて、いずれもビット本体を引き抜くときに土砂を効率的に繰り粉溝に案内して排出することが困難となるおそれが生じる。

    ただし、例えば当該掘削ビットが、通常の掘削によって先に形成された掘削孔を拡孔するために用いられるリーミングビットであって、一般的な掘削ビットと比べてリーミング部の外径がビット本体後端部の外径よりも大きく、掘削孔とビット本体後端部との間に滞留する土砂も多くなる場合には、ビット本体を掘削時の回転方向に回転させながら引き抜くことを考慮して、上記傾斜角は25°未満であってもよく、上述のように連通溝とリーミング部の後端面との交差稜線のうち少なくとも掘削時の上記ビット本体の回転方向後方側に位置する交差稜線が、上記軸線に平行な平面上または上記軸線を含む平面上に位置していてもよい。

    以上説明したように、本発明によれば、掘削孔を形成する際の繰り粉排出性能を維持して掘削抵抗を低減しつつ、掘削終了後にビット本体を掘削孔から引き抜く際にはビット本体の後端部外周に溜まった土砂を効率的に繰り粉溝から排出することができ、確実にビット本体を回収することが可能となる。

    本発明の第1の実施形態を示す後端外周側から見た斜視図である。

    図1に示す実施形態を後端側から見た背面図である。

    図2における矢線X方向視の側面図である。

    本発明の第2の実施形態を示す先端外周側から見た斜視図である。

    図4に示す実施形態を後端外周側から見た斜視図である。

    図4に示す実施形態を後端側から見た背面図である。

    図6における矢線X方向視の側面図(平面図)である。

    図6における矢線Y方向視の側面図(底面図)である。

    本発明の第3の実施形態を示す斜視図である。

    図9に示す実施形態の正面図である。

    図10における矢線X方向視の側面図である。

    図9に示す実施形態のビット本体先端部の図10における矢線Y方向視の側面図である。

    図9に示す実施形態によって掘削孔を形成する際の側面図である。

    図1ないし図3は、本発明の第1の実施形態を示すものである。 本実施形態の掘削ビットは、予め形成された小径の掘削孔に挿通されて、この掘削孔を大径に拡孔するリーミングビットと称されるものである。 本実施形態において、ビット本体11は、鋼材等の金属材料により一体に形成されて軸線Oを中心とした概略有底の多段円筒状をなしている。

    このビット本体11の後端部(図1において右下側部分、図3において左側部分)は一定外径の円筒状のスカート部12とされるとともに、このスカート部12の先端側(図1において左上側、図3において右側)にはスカート部12よりも外径が大径のリーミング部13が形成されている。 さらに、このリーミング部13の先端側には、スカート部12よりも小径のパイロット部14がビット本体11の軸線Oに沿って突出するように形成されている。

    本実施形態において、リーミング部13の先端面13Aは、全体が外周側に向かうに従い後端側に向けて傾斜する軸線Oを中心とした円錐台面状とされている。 パイロット部14は、この先端面13Aの中央に一体に形成され、先端面13Aに連なる一定外径の軸線Oを中心とした小径部14Aと、この小径部14Aの先端に形成された小径部14Aより僅かに大径の大径部14Bとを備えた多段円柱状に形成されている。 この大径部14Bの外径は、スカート部12の外径よりも小さく、予め形成された小径の掘削孔に挿入可能な大きさとされている。

    また、リーミング部13の先端面13Aには、ビット本体11よりも硬質の超硬合金等よりなる掘削チップ15がそれぞれ複数ずつ配設されている。 本実施形態における掘削チップ15は、円柱状の後端部とこの後端部の中心線上に中心を有する凸球面状の先端部とが一体に形成されたボタンチップであり、上記先端面13Aに形成された円形孔に上記後端部が焼き嵌めや圧入、ロウ付けされることにより、それぞれ上記中心線を先端面13Aに垂直として先端部を先端面13Aから突出させて植設されている。

    一方、スカート部2の内周面には雌ネジ部が形成されており、この雌ネジ部に、図示されない掘削ロッドの先端の雄ネジ部が螺合させられる。 ビット本体11は、この掘削ロッドを介して削岩機から伝播される軸線O方向先端側への推および打撃力と、掘削時の回転方向Tへの軸線O回りの回転力とにより、上記掘削チップ15によって岩盤を破砕して掘削し、予め形成された小径の掘削孔を拡孔してゆく。 雌ネジ部への雄ネジ部のねじ込み方向は掘削時のビット本体11の回転方向Tと同じであり、掘削時の回転力によって雌雄ネジ部が緩むことがないように設定されている。

    さらに、スカート部12の内周部の底面からリーミング部13内にはブロー孔16が先端側に向けて延びており、このブロー孔16はリーミング部13の先端面13Aにおいて例えば軸線Oに対する径方向に間隔をあけた複数箇所に開口させられている。 先端面13Aに植設される複数の掘削チップ15は、これらのブロー孔16を避けるようにして、互いの軸線O回りの回転軌跡が軸線Oから僅かに外周側に離れた位置から先端面13Aの外周縁まで連続するように植設されている。

    リーミング部13の外周面13Bは、先端面13Aが軸線Oに対してなす傾斜よりも緩やかな傾斜で、後端側に向かうに従い内周側に向けて傾斜する軸線Oを中心とした円錐台面状とされている。 また、リーミング部13の後端面13Cは、この外周面13Bの傾斜よりも急勾配で、例えば先端面13Aの傾斜と略等しい傾斜で、後端側に向かうに従い内周側に向けて傾斜する軸線Oを中心とした円錐台面状とされ、その後端で断面凹曲線状をなしてスカート部12の外周面に連なっている。

    さらに、リーミング部13の外周面13Bには、先端面13Aからリーミング部13の後端面13Cに亙って軸線O方向に延びる複数条(本実施形態では9条)の繰り粉溝17が形成されている。 本実施形態における繰り粉溝17は、その底面が軸線O方向に延びる中心線を有する凹円筒面等の凹曲面状をなしており、同形同大のこのような繰り粉溝6が周方向に等間隔に形成されている。

    そして、リーミング部13の外周面13Bから後端面13Cにかけては、上記繰り粉溝17に連通する連通溝18が形成されている。 ここで、本実施形態の連通溝18は、図2の右側に示す連通溝18のようにリーミング部13の後端面13Cとの交差稜線M、Nのうち、掘削時のビット本体11の回転方向Tの後方側に位置する交差稜線Mが、軸線Oに平行な平面Q上に位置している。 なお、この交差稜線Mは、後述する第2の実施形態のように軸線Oを含む平面上に位置していてもよい。

    また、本実施形態の連通溝18は、その周方向の幅が、繰り粉溝17の周方向の幅よりも大きくされている。 特に、本実施形態の連通溝18は、周方向に間隔をあけてリーミング部13の外周部に形成された複数の繰り粉溝17のうち、さらに周方向に隣接した複数の繰り粉溝17に連通している。

    具体的に、本実施形態では、上述のようにリーミング部13の外周部に9条の繰り粉溝17が周方向に等間隔に形成されているのに対して、連通溝18は、周方向に隣接する2条ずつの繰り粉溝17にそれぞれ連通する3条の連通溝18が周方向に等間隔に形成されている。 なお、これらの連通溝18の間には、連通溝18が連通していない繰り粉溝17が合計3条形成されている。

    さらに、上記交差稜線Mは、連通溝18が連通した2条の繰り粉溝17のうちの回転方向T後方側の繰り粉溝17とリーミング部13の外周面13Bとの交差稜線のうち、回転方向T後方側の交差稜線に略連なっている。 なお、この交差稜線Mに連なる連通溝18の回転方向Tを向く壁面はビット本体11の内周側に向かうに従い回転方向T側に延びる凹曲面状をなしている。

    また、ビット本体11の外周側を向く連通溝18の底面も凹曲面状に形成されている。 さらに、連通溝18が連通する2条の繰り粉溝17の間に残されるリーミング部13の外周面13Bの軸線O方向の幅は、他の繰り粉溝17の間の外周面13Bの軸線O方向の幅よりも小さくされている。 また、回転方向T側の連通溝18とリーミング部13の後端面13Cとの交差稜線Nは、回転方向T側に向かうに従い凸曲線を描いてビット本体11の先端側に切れ上がり、連通溝18が連通した2条の繰り粉溝17のうちの回転方向T側の繰り粉溝17とリーミング部13の後端面13Cとの交差稜線に交差している。

    このような構成の掘削ビット(リーミングビット)は、上述のように軸線O方向先端側に向けての推力および打撃力と回転方向Tへの回転力とが与えられることにより、予め形成された小径の掘削孔の周りの岩盤が、リーミング部13の先端面13Aに配設された掘削チップ15によって破砕されて土砂となり、掘削孔を拡孔する。 この土砂は、掘削時に掘削ロッドからブロー孔16に供給されて噴出する圧縮空気により、繰り粉溝17を通してスカート部12の外周に押し出され、ビット本体11の後端側に排出させられる。 さらに、掘削時には、パイロット部14が小径の掘削孔に挿入されることによってビット本体11を案内する。

    このとき、上記構成の掘削ビットにおいては、従来のリトラックビットのようにビット本体の後端部に切刃を設けるための大径部を形成する必要がない。 特に本実施形態では、ビット本体11の後端部が一定外径のスカート部12とされているので、繰り粉溝17から後端側に送り出された土砂を、このような大径部によって詰まりを生じることなくビット本体11の後端側に排出することができる。 従って、繰り粉排出性能が損なわれるのを防いで、掘削抵抗の少ない効率的な掘削孔の形成を図ることができる。

    そして、所定の深さまで掘削孔が拡孔された後にビット本体11を回収するときには、特にビット本体11を掘削時の回転方向Tと同じ方向に回転しつつ軸線O方向後端側に引き抜くことにより、スカート部12と掘削孔との間に残存する土砂を連通溝18から繰り粉溝17を通してリーミング部13の先端側に排出することができる。 従って、上記構成の掘削ビットによれば、確実にビット本体11を掘削孔から回収することができる。

    また、本実施形態のリーミングビットのように、小径の掘削孔を大径に拡孔する掘削ビットでは、スカート部12とこれよりも大径のリーミング部13との外径差や外径比が大きくなる。 このため、リーミング部13の後端面13Cとの交差稜線M、Nを長く確保することができ、これらの交差稜線M、Nの少なくとも一方が軸線Oに平行な平面Q上または軸線Oを含む平面上に位置していても、確実に土砂を連通溝18に掻き込んで繰り粉溝17に送り出すことができる。

    さらに、本実施形態では、連通溝18の周方向の幅が個々の繰り粉溝17の周方向の幅よりも大きいので、多くの土砂を連通溝18に取り込んで繰り粉溝17に送り込み、効率的に排出することができる。 さらにまた、本実施形態では、複数条の繰り粉溝17のうち周方向に隣接する2条ずつの繰り粉溝17に1条の連通溝18が連通しているので、こうして連通溝18に取り込んだ多くの土砂を、これらの繰り粉溝17に分散して一層効率的に排出することができ、上述のように一部の繰り粉溝17に連通溝18が連通していなくても、ビット本体11を確実に回収することができる。 ただし、すべての繰り粉溝17に連通溝18が連通するように形成されていてもよい。

    さらにまた、本実施形態において連通溝18は、リーミング部13の後端面13Cからの溝深さが、掘削時のビット本体11の回転方向T後方側に向かうに従い漸次深くなるように形成されている。 このため、特にビット本体11を掘削時の回転方向Tに回転させながら引き抜くことにより、溝深さが深い連通溝18の回転方向T後方側の部分に多くの土砂を収容して一層効率的な排出を促すことができる。

    なお、本実施形態におけるパイロット部14は、大径部14Bの軸線O方向の幅が小径部14Aよりも大きい。 このため、小径の掘削孔を拡孔するときに、安定してビット本体11を案内できるという利点も得られる。

    次に、図4ないし図8は、本発明の第2の実施形態を示すものである。 この第2の実施形態の掘削ビットも、第1の実施形態と同様に予め形成された小径の掘削孔を拡孔するリーミングビットであり、第1の実施形態と共通する部分には同一の符号を配してある。

    本実施形態では、リーミング部13の外周部に形成された複数条(9条)の繰り粉溝17のそれぞれに1条ずつの連通溝18が連通するように形成されており、これらの連通溝18同士も周方向に等間隔をあけて形成されている。 また、本実施形態の連通溝18は、図6の左側に示す連通溝18のように、リーミング部13の後端面13Cとの交差稜線M、Nのうち、掘削時のビット本体11の回転方向Tの後方側に位置する交差稜線Mは軸線Oを含む平面P上に位置している。

    さらに、本実施形態の連通溝18も、その周方向の幅が、繰り粉溝17の周方向の幅よりも大きくされている。 具体的に、本実施形態における連通溝18は、図6に示すように上記交差稜線M、Nが、繰り粉溝17とリーミング部13の外周面13Bとの交差稜線よりも周方向のそれぞれ外側に位置するように形成されている。 なお、回転方向T側の交差稜線Nは、図6に示すように軸線Oに平行な平面上に位置していてもよく、第1の実施形態のように回転方向T側に向かうに従い凸曲線を描いてビット本体11の先端側に切れ上がっていてもよい。

    ただし、周方向のうち上記回転方向Tの後方側では、上記交差稜線Mが繰り粉溝17とリーミング部13の外周面13Bとの交差稜線の僅かに回転方向T後方側に位置しているのに対し、回転方向T側では、この回転方向T側の連通溝18とリーミング部13の後端面13Cとの交差稜線Nが、上記交差稜線Mと繰り粉溝17との間隔よりも大きく回転方向T側に位置するように形成されている。

    さらに、本実施形態でも、連通溝18はリーミング部13の後端面13Cからの溝深さが掘削時の回転方向T後方側に向かうに従い漸次深くなり、この回転方向Tの後方で外周側に切れ上がって上記交差稜線Mに達するように形成されている。 交差稜線M、Nの軸線O方向の後端を結ぶ連通溝18とリーミング部13の後端面13Cとの交差稜線は、回転方向Tの後方側に向かうに従い軸線O方向後端側に向けて延びている。

    このような第2の実施形態の掘削ビット(リーミングビット)でも、所定の深さまで掘削孔が拡孔した後は、第1の実施形態と同様に特にビット本体11を掘削時の回転方向Tと同じ方向に回転しつつ軸線O方向後端側に引き抜くことにより、スカート部12と掘削孔との間に残存した土砂を連通溝18から繰り粉溝17を通してリーミング部13の先端側に排出することができる。 また、本実施形態においては、すべての繰り粉溝17ごとにそれぞれ1条の連通溝18が連通しているので、繰り粉溝17に土砂の詰まりが生じるようなことも少ない。

    また、本実施形態でも、連通溝18の周方向の幅が繰り粉溝17の周方向の幅よりも大きいので、多くの土砂を連通溝18に取り込んで繰り粉溝17に送り込み、排出することができる。 特に、本実施形態では、連通溝18とリーミング部13の後端面13Cとの回転方向Tとその後方側の両方の交差稜線M、Nが、繰り粉溝17の周方向の両外側に位置しているので、連通溝18に取り込んだ土砂を満遍なく繰り粉溝17に送り込むことができる。

    さらに、本実施形態でも、連通溝18のリーミング部13の後端面13Cからの溝深さが、掘削時のビット本体11の回転方向T後方側に向かうに従い漸次深くなるので、ビット本体11を掘削時の回転方向Tに回転させながら引き抜くことにより、溝深さが深い回転方向T後方側の部分に多くの土砂を収容して効率的な排出を促すことができる。 このとき、上述のように繰り粉溝17よりも幅広とされた連通溝18は、回転方向T後方側の上記交差稜線Mと繰り粉溝17との周方向の間隔が、回転方向T側の上記交差稜線Nと繰り粉溝17との間隔よりも小さいので、こうして回転方向T後方側に収容された土砂を連通溝18内に残すことなく排出することができる。

    次に、図9ないし図13は本発明の第3の実施形態を示すものであり、図5はこの実施形態によって岩盤Gに掘削孔Hを形成する場合を示すものである。 本実施形態の掘削ビットは、第1、第2の実施形態のように予め形成された小径の掘削孔を拡孔するリーミングビットではなく、専ら予め掘削孔が形成されていない岩盤に掘削孔を形成するのに用いられるものである。

    本実施形態においても、ビット本体1は、鋼材等の金属材料により一体に形成されて軸線Oを中心とした概略有底の多段円筒状をなしている。 このビット本体1の後端部(図9において左上側部分、図11および図13において左側部分)は一定外径の円筒状のスカート部2とされるとともに、有底の底部とされるビット本体1の先端部(図1において右下側部分、図3および図5において右側部分)はスカート部2よりも外径が大径とされたリーミング部3とされ、ただしこれらスカート部2とリーミング部3との外径差や外径比は第1、第2の実施形態よりも小さい。 また、ビット本体1の先端にパイロット部は形成されていない。

    リーミング部3の先端部外周には、外周側に向かうに従い後端側に向けて傾斜する軸線Oを中心とした円錐台面状のゲージ面3Aが形成されるとともに、このゲージ面3Aの内周側には、軸線Oを中心とした円形をなして軸線Oに垂直に先端側を向くフェイス面3Bが形成されている。 また、ゲージ面3Aの後端側に連なるリーミング部3の外周面3Cは後端側に向かうに従い内周側に向けて傾斜する軸線Oを中心とした円錐台面状とされ、ただしその軸線Oに対する傾斜はゲージ面3Aの傾斜よりも緩やかとされている。 さらに、この円錐台面状の外周面3Cよりも後端側のリーミング部3の後端面3Dは、例えば軸線Oに沿った断面において凹曲線をなしてスカート部2の外周面に接するように形成されている。

    リーミング部3の上記ゲージ面3Aとフェイス面3Bには、本実施形態においても掘削チップ4としてボタンチップが、その中心線をゲージ面3Aおよびフェイス面3Bに垂直にして植設され、先端部をゲージ面3Aおよびフェイス面3Bから突出させてそれぞれ複数ずつ配設されている。 また、ブロー孔5は、フェイス面3Bにおいて軸線Oに対する直径方向に該軸線Oから等間隔をあけた2箇所に開口させられており、フェイス面3Bに植設される複数の掘削チップ(フェイスチップ)4は、このブロー孔5を避けるようにして互いの軸線O回りの回転軌跡が軸線Oから僅かに外周側に離れた位置からフェイス面3Bの外周縁まで連続するように植設されている。

    さらに、リーミング部3の外周部には、第1、第2の実施形態と同様に底面が凹曲面状をなす繰り粉溝6が周方向に等間隔に複数条(本実施形態では8条)形成されている。 なお、ビット本体1の軸線Oを中心として繰り粉溝6の底面に内接する円の直径は、円形をなすフェイス面3Bの直径よりは大きく、スカート部2の外径と略等しくされている。 また、ゲージ面3Aに植設される掘削チップ(ゲージチップ)4は、これらの繰り粉溝6のゲージ面3Aへの開口部の間に等間隔に配設されるとともに、フェイス面3Bの外周縁に植設される掘削チップ4は周方向に1つおきの繰り粉溝6の開口部の内周側に配設されている。

    さらに、リーミング部3の外周部から後端部にかけては、該リーミング部3の後端面3Dに開口して上記繰り粉溝6に連通する連通溝7が形成されている。 そして、本実施形態における連通溝7は、軸線Oに対して傾斜する方向に延びている。 本実施形態においても第2の実施形態と同様に複数条の繰り粉溝6にそれぞれ連通するように各繰り粉溝6ごとに1つずつ同形同大の連通溝7が形成され、各連通溝7は、連通した繰り粉溝6以外の繰り粉溝6や他の連通溝7とは連通しないように間隔をあけて形成されている。

    また、各連通溝7は、連通する繰り粉溝6の回転方向T後方側かつ軸線O方向後端側の位置から、軸線O方向先端側に向かうに従い回転方向Tに向かうように、軸線Oに対する径方向外周側から見て軸線Oに対して傾斜して延びており、ただしゲージ面3Aにまでは至らずに、軸線O方向において外周面3Cの略中央で切れ上がっている。 この連通溝7とリーミング部3の外周面3Cとの交差稜線Lが軸線Oに対する径方向外周側から見て該軸線Oに対してなす傾斜角θは25°〜70°の範囲内とされるのが望ましく、本実施形態では30°とされている。

    なお、連通溝7の外周面3Cからの溝深さは、繰り粉溝6の外周面3Cからの溝深さよりは浅くされている。 また、連通溝7が外周面3Cに切れ上がる部分は、上記交差稜線Lに沿った方向から見て凹円弧等の凹曲面状をなしており、軸線O方向先端側に向かうに従い回転方向Tに向けて延びる回転方向Tを向いた壁面が交差稜線Lに沿って形成されている。 さらに、連通溝7のビット本体1外周側を向く底面は、軸線Oに平行な中心線を有する凸円筒面等の凸曲面状、または該凸円筒面に接する平面状とされている。

    図13に示すように、このような第3の実施形態の掘削ビットによって岩盤Gに掘削孔Hを形成する際に、掘削ロッドRを介してビット本体1に軸線O方向先端側に向けての推力および打撃力と回転方向Tへの回転力とを与えると、ビット本体1先端のゲージ面3Aとフェイス面3Bに植設された掘削チップ4によって岩盤Gが破砕されて土砂となる。 この土砂は、掘削時に掘削ロッドRからブロー孔5に供給されてフェイス面3Bから噴出する圧縮空気により、繰り粉溝6を通してスカート部2の外周に押し出され、さらにビット本体1の後端側に排出させられる。

    そして、このように所定の深さまで掘削孔Hを形成した後に、掘削ロッドRごとビット本体1を掘削孔Hから引き抜いて回収する際、たとえ岩盤Gが崩壊性の高いものであって、図13に示したように崩壊した土砂Cがビット本体1後端部のスカート部2と掘削孔Hの孔壁Wとの間に滞留していても、上記構成の掘削ビットにおいては、リーミング部3の外周部から後端部にかけて、後端面3Dに開口して繰り粉溝6に連通する連通溝7が形成されているので、ビット本体1が後退するのに伴い土砂Cは連通溝7から繰り粉溝6に送り込まれる。

    特に、この第3の実施形態では、上記連通溝7が、軸線Oに対して傾斜する方向に延びつつ繰り粉溝6に連通している。 このため、ビット本体1を軸線Oに沿って真っ直ぐ引き抜くだけでも、土砂Cは、連通溝7の上記交差稜線Lに連なる壁面に沿って案内されるようにして繰り粉溝6に送り込まれ、ビット本体1の先端側に排出させられる。 従って、本実施形態においても、効率的に土砂Cを排出することができる。

    さらに、本実施形態では、上記連通溝7は、ビット本体1の軸線O方向先端側に向かうに従い、掘削時のビット本体1の回転方向T向かうように傾斜して繰り粉溝6に連通している。 従って、ビット本体1を掘削孔Hから引き抜く際に、雌雄ネジ部が緩まないように掘削時と同じ回転方向Tにビット本体1を回転しつつ後退させると、連通溝7に送り込まれた土砂Cはビット本体1の回転に伴い先端側に押し出されながら繰り粉溝6を介してビット本体1の先端側に排出させられるので、一層効率的な土砂Cの排出を促して確実なビット本体1の回収を図ることができる。

    さらにまた、本実施形態では、連通溝7は軸線O方向にリーミング部3の略中央で切れ上がって交差稜線Lにおいて外周面3Cに交差しており、この交差稜線Lも軸線O方向先端側に向かうに従い掘削時のビット本体1の回転方向Tに向けて傾斜することになる。 従って、ビット本体1を引き抜く際には、この交差稜線Lを切刃としてリーミング部3の外周に崩壊した土砂も連通溝7に掻き込み、繰り粉溝6を通して先端側に排出することができるので、リーミング部3と掘削孔Hの孔壁Wとの間のクリアランスを確保して一層円滑なビット本体1の回収を図ることができる。

    その一方で、こうして連通溝7がリーミング部3の軸線O方向略中央で切れ上がっていることにより、リーミング部3の先端部では周方向に隣接する繰り粉溝6の間に十分な肉厚を確保することができ、この部分のゲージ面3Aに植設される掘削チップ4の保持強度が損なわれたりすることはない。 また、ビット本体1において最大外径となるリーミング部3のゲージ面3Aと外周面3Cとの交差稜線部にも十分な周長を確保することができるので、掘削孔Hを形成する際の穴曲がりも抑制することができる。

    さらに、本実施形態では、連通溝7とリーミング部3の外周面3Cとの上記交差稜線Lが軸線Oに対する径方向外周側から見て該軸線Oに対してなす傾斜角θが、25°〜70°の範囲内とされており、これによってもビット本体1を引き抜く際に土砂Cを効率的に排出することが可能となる。 すなわち、傾斜角θが上記範囲よりも小さいと連通溝7の壁面が軸線Oに平行に近くなりすぎ、また逆に傾斜角θが上記範囲よりも大きいと連通溝7の壁面が軸線Oに垂直に近くなりすぎ、いずれの場合にも例えばビット本体1を軸線Oに沿って後退させた際には土砂Cを連通溝7に沿って効率的に繰り粉溝6に送り込むことが困難となるおそれが生じる。

    なお、上記第1ないし第3の実施形態では、ビット本体1、11後端部のスカート部2、12が軸線Oを中心とした一定外径の円筒状とされているが、ビット本体1、11先端部のリーミング部3、13よりも十分小径であって、土砂の排出を妨げたり詰まりを生じたりすることがなければ、スカート部2、12の外周に大径となる部分が形成されていてもよい。

    以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されることはない。 本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。 本発明は、上述した説明によって限定されることはなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。

    本発明は、軸線回りに回転させられるビット本体の先端部に掘削チップが配設されて岩盤等に掘削孔を形成する掘削ビットに関する。 本発明の掘削ビットによれば、軸線回りに回転させられるビット本体の先端部にビット本体の後端部よりも大径のリーミング部が形成されていて、このリーミング部の先端部に掘削チップが配設されており、上記リーミング部の外周部には上記軸線方向に延びる繰り粉溝が形成されているとともに、上記リーミング部の外周部からリーミング部の後端部にかけては、上記繰り粉溝に連通する連通溝が形成されていることにより、掘削孔を形成する際の繰り粉排出性能を維持して掘削抵抗を低減しつつ、掘削終了後にビット本体を掘削孔から引き抜く際にはビット本体の後端部外周に溜まった土砂を効率的に繰り粉溝から排出することができ、確実にビット本体を回収することが可能となる。

    1、11 ビット本体 2、12 スカート部 3、13 リーミング部 3A ゲージ面 3B フェイス面 3C、13B リーミング部3、13の外周面 3D、13C リーミング部3、13の後端面 4、15 掘削チップ 5、16 ブロー孔 6、17 繰り粉溝 7、18 連通溝 13A リーミング部13の先端面 14 パイロット部 O ビット本体1、11の軸線 P 軸線Oを含む平面 T 掘削時のビット本体1、11の回転方向 L 連通溝7とリーミング部3の外周面3Cとの交差稜線 M 回転方向T後方側の連通溝18とリーミング部13の後端面13Cとの交差稜線 N 回転方向T側の連通溝18とリーミング部13の後端面13Cとの交差稜線 θ 交差稜線Lが軸線Oに対する径方向外周側から見て軸線Oに対してなす傾斜角

    このような掘削ビットによる削孔作業において、所定の深さまで掘削孔が形成された後は、ビット本体を掘削孔から引き抜いて回収する。 ところが、崩壊性の高い岩盤に掘削孔を形成した場合には、掘削孔の孔壁が崩れてビット本体の後端側に土砂が溜まり、ビット本体を掘削孔から抜き出すことができなくなることがある。 そこで、このような場合には、例えば特許文献1に記載されているように、ビット本体の後端部に切刃が設けられたリトラックビットが用いられている。

    一方、スカート部12の内周面には雌ネジ部が形成されており、この雌ネジ部に、図示されない掘削ロッドの先端の雄ネジ部が螺合させられる。 ビット本体11は、この掘削ロッドを介して削岩機から伝播される軸線O方向先端側への推力および打撃力と、掘削時の回転方向Tへの軸線O回りの回転力とにより、上記掘削チップ15によって岩盤を破砕して掘削し、予め形成された小径の掘削孔を拡孔してゆく。 雌ネジ部への雄ネジ部のねじ込み方向は掘削時のビット本体11の回転方向Tと同じであり、掘削時の回転力によって雌雄ネジ部が緩むことがないように設定されている。

    さらに、リーミング部13の外周面13Bには、先端面13Aからリーミング部13の後端面13Cに亙って軸線O方向に延びる複数条(本実施形態では9条)の繰り粉溝17が形成されている。 本実施形態における繰り粉溝17は、その底面が軸線O方向に延びる中心線を有する凹円筒面等の凹曲面状をなしており、同形同大のこのような繰り粉溝17が周方向に等間隔に形成されている。

    次に、図9ないし図13は本発明の第3の実施形態を示すものであり、 このうち図13はこの実施形態によって岩盤Gに掘削孔Hを形成する場合を示すものである。 本実施形態の掘削ビットは、第1、第2の実施形態のように予め形成された小径の掘削孔を拡孔するリーミングビットではなく、専ら予め掘削孔が形成されていない岩盤に掘削孔を形成するのに用いられるものである。

    本実施形態においても、ビット本体1は、鋼材等の金属材料により一体に形成されて軸線Oを中心とした概略有底の多段円筒状をなしている。 このビット本体1の後端部(図9において左上側部分、図11および図13において左側部分)は一定外径の円筒状のスカート部2とされるとともに、有底の底部とされるビット本体1の先端部( 図9において右下側部分、 図11および図13において右側部分)はスカート部2よりも外径が大径とされたリーミング部3とされ、ただしこれらスカート部2とリーミング部3との外径差や外径比は第1、第2の実施形態よりも小さい。 また、ビット本体1の先端にパイロット部は形成されていない。

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