Spiral steel, application product of the same, and method for manufacturing the spiral steel

申请号 JP2010169706 申请日 2010-07-28 公开(公告)号 JP2012031445A 公开(公告)日 2012-02-16
申请人 Tsuneo Goto; 常郎 後藤; 发明人 GOTO TSUNEO;
摘要 PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a spiral steel having high mechanical strength, capable of easily narrowing pitch intervals of a twisted portion (spiral blade portion) even without changing a twist angle, and to provide an application product of the spiral steel and a method for manufacturing the spiral steel.SOLUTION: The spiral steel is formed in such a way that steel products (f1 to f4) having, as a center axis, an axis parallel with the longitudinal direction of the steel products, and having a shape including at least three or more long side members disposed radially with respect to the center axis, are twisted along the center axis.
权利要求
  • 鋼材の長手方向に平行な軸を中心軸とし、少なくとも3枚以上の長辺部材が該中心軸に対して放射状に配置された形状を有する鋼材を、該中心軸に沿ってねじることで形成されることを特徴とするスパイラル鋼。
  • 請求項1に記載のスパイラル鋼において、該中心軸の位置には、中空管が配置され、該長辺部材は、該中空管の周囲に配置固定されていることを特徴とするスパイラル鋼。
  • 鋼材の長手方向に平行な軸を中心軸とし、2枚の長辺部材が該中心軸に対して対称に配置された形状を有すると共に、該中心軸の位置には、中空管が配置され、該長辺部材は、該中空管の周囲に配置固定されている鋼材を、該中心軸に沿ってねじることで形成されることを特徴とするスパイラル鋼。
  • 請求項2又は3に記載のスパイラル鋼において、該中空管の管壁には、複数の孔が形成されていることを特徴とするスパイラル鋼。
  • 請求項1乃至4のいずれかに記載のスパイラル鋼において、該鋼材の長辺部材は、該中心軸から離れるに従い、該長辺部材の断面の厚みが増すように構成され、該鋼材をねじることで、該長辺部材に相当する断面の形状が略長方形となることを特徴とするスパイラル鋼。
  • 請求項1乃至5のいずれかに記載のスパイラル鋼を、土中に打設又は埋設される杭として使用することを特徴とするスパイラル鋼杭。
  • 請求項6に記載のスパイラル鋼杭において、該スパイラル鋼杭に固定される構造体を有し、該スパイラル鋼の一部は地上に露出し、当該露出部分は該構造体を支持する支柱として機能することを特徴とするスパイラル鋼杭。
  • 請求項6に記載のスパイラル鋼杭において、該スパイラル鋼杭を水平方向又はそれより上方に向いた角度で土中に打設し、土すべりアンカー、土中基礎として使用することを特徴とするスパイラル鋼杭。
  • 請求項4に記載のスパイラル鋼を、土中に打設又は埋設し、該中空管を通じて土中の水を排出する水抜き用パイプ、あるいは、該中空管を通じて土中にグラウト材を注入するグラウト材注入用パイプとして使用することを特徴とするスパイラル鋼杭。
  • 請求項1乃至5のいずれかに記載のスパイラル鋼を、穴掘り器のドリル部分に使用することを特徴とする穴掘り器。
  • 請求項1乃至5のいずれかに記載のスパイラル鋼を、送り装置の送りネジとして使用することを特徴とする送り装置。
  • 請求項1乃至5のいずれかに記載のスパイラル鋼を、混練装置の混練用羽として使用することを特徴とする混練装置。
  • 請求項2又は3に記載のスパイラル鋼を、熱交換器内で、2つの流体を分離すると共に、相互に熱交換可能な壁材として使用することを特徴とする熱交換器。
  • 請求項1乃至5のいずれかに記載のスパイラル鋼の製造方法において、該鋼材の長手方向に所定の張力を加えながら、該鋼材をねじることを特徴とするスパイラル鋼の製造方法。
  • 請求項14に記載のスパイラル鋼の製造方法において、該鋼材の両端を保持する2つの保持手段を用い、少なくとも一方の保持手段を他方の保持手段から引き離すように張力を付与し、少なくとも一方の保持手段を該鋼材の中心軸を中心として回転させることを特徴とするスパイラル鋼の製造方法。
  • 说明书全文

    本発明は、特定の形状の鋼材をねじることにより形成されるスパイラル鋼、及びその応用製品並びにスパイラル鋼の製造方法に関するものである。

    従来、平鋼をねじったねじり平鋼が利用されている。 本出願人は、ねじり平鋼の様々な利用方法を提案し、実用化している。

    具体例として、特許文献1に示す土中に打設して使用する杭や、特許文献2に示すねじり平鋼に鋼管を接合し、剛性を確保した支柱、さらには、特許文献3に示す浮き上がり防止アンカー(テントペグ)などがある。 これらの杭などは、打設により容易に設置でき、回しながら引き抜くことにより、容易に除去することも可能である。

    ねじり平鋼の他の用途としては、特許文献4に示すように穴掘り器のドリルや、特許文献5のように、ねじり平鋼を送りネジとして使用した搬送装置として、さらには、特許文献6に示すように、左右のねじり平鋼を向かい合わせにして、食品や粉末を練り混ぜる装置としても使用することも可能である。

    さらに、ねじり平鋼の製造方法として、特許文献7には、平鋼の両端を夫々固定し、一方の端を引張りながら、もう一方の端を回転して平鋼をねじり、ねじり平鋼を作ることも開示されている。

    このように、多種多様な用途に利用できるねじり平鋼であるが、図1に示すように、平鋼Fを中心軸Oを中心にねじった状態では、杭などのように、ねじり平鋼を引き抜くに対しては、所定の機械的強度を発揮し、容易に引き抜き難くする利点がある。 しかしながら、ねじり平鋼の長手方向からの圧縮力や、図1の上下方向から加わる曲げ負荷に対しては、例えば、矢印で示す箇所で容易に変形が生じ易く、十分な機械的強度を得ることができない。

    このため、ねじり平鋼自体を構造体の支柱などに利用することは難しく、機械的強度を高めようとすると、相当する二次加工を要するなど、加工の難易度や効率に弊害が生じる。 また、ねじり平鋼では、平鋼のねじりのピッチを狭める方向には加工に無理が生じたり、座屈を起こすことがある。

    特開2001−323460号公報

    特開2002−302961号公報

    特開2006−309540号公報

    特開2003−328356号公報

    特開2008−202653号公報

    特開2005−279362号公報

    特開平10−296342号公報

    本発明が解決しようとする課題は、上述の問題を解消し、機械的強度が高く、ねじり度を変更しなくても、ねじられた部分(螺旋羽部分)のピッチ間隔を容易に狭めることが可能なスパイラル鋼、及びその応用製品並びにスパイラル鋼の製造方法を提供することである。

    上記課題を解決するため、請求項1に係る発明は、鋼材の長手方向に平行な軸を中心軸とし、少なくとも3枚以上の長辺部材が該中心軸に対して放射状に配置された形状を有する鋼材を、該中心軸に沿ってねじることで形成されることを特徴とするスパイラル鋼である。

    請求項2に係る発明は、請求項1に記載のスパイラル鋼において、該中心軸の位置には、中空管が配置され、該長辺部材は、該中空管の周囲に配置固定されていることを特徴とする。

    請求項3に係る発明は、鋼材の長手方向に平行な軸を中心軸とし、2枚の長辺部材が該中心軸に対して対称に配置された形状を有すると共に、該中心軸の位置には、中空管が配置され、該長辺部材は、該中空管の周囲に配置固定されている鋼材を、該中心軸に沿ってねじることで形成されることを特徴とするスパイラル鋼である。

    請求項4に係る発明は、請求項2又は3に記載のスパイラル鋼において、該中空管の管壁には、複数の孔が形成されていることを特徴とする。

    請求項5に係る発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載のスパイラル鋼において、該鋼材の長辺部材は、該中心軸から離れるに従い、該長辺部材の断面の厚みが増すように構成され、該鋼材をねじることで、該長辺部材に相当する断面の形状が略長方形となることを特徴とする。

    請求項6に係る発明は、請求項1乃至5のいずれかに記載のスパイラル鋼を、土中に打設又は埋設される杭として使用することを特徴とするスパイラル鋼杭である。

    請求項7に係る発明は、請求項6に記載のスパイラル鋼杭において、該スパイラル鋼杭に固定される構造体を有し、該スパイラル鋼の一部は地上に露出し、当該露出部分は該構造体を支持する支柱として機能することを特徴とする。

    請求項8に係る発明は、請求項6に記載のスパイラル鋼杭において、該スパイラル鋼杭を平方向又はそれより上方に向いた角度で土中に打設し、土すべりアンカー、土中基礎として使用することを特徴とする。

    請求項9に係る発明は、請求項4に記載のスパイラル鋼を、土中に打設又は埋設し、該中空管を通じて土中の水を排出する水抜き用パイプ、あるいは、該中空管を通じて土中にグラウト材を注入するグラウト材注入用パイプとして使用することを特徴とするスパイラル鋼杭である。

    請求項10に係る発明は、請求項1乃至5のいずれかに記載のスパイラル鋼を、穴掘り器のドリル部分に使用することを特徴とする穴掘り器である。

    請求項11に係る発明は、請求項1乃至5のいずれかに記載のスパイラル鋼を、送り装置の送りネジとして使用することを特徴とする送り装置である。

    請求項12に係る発明は、請求項1乃至5のいずれかに記載のスパイラル鋼を、混練装置の混練用羽として使用することを特徴とする混練装置である。

    請求項13に係る発明は、請求項2又は3に記載のスパイラル鋼を、熱交換器内で、2つの流体を分離すると共に、相互に熱交換可能な壁材として使用することを特徴とする熱交換器である。

    請求項14に係る発明は、請求項1乃至5のいずれかに記載のスパイラル鋼の製造方法において、該鋼材の長手方向に所定の張力を加えながら、該鋼材をねじることを特徴とする。

    請求項15に係る発明は、請求項14に記載のスパイラル鋼の製造方法において、該鋼材の両端を保持する2つの保持手段を用い、少なくとも一方の保持手段を他方の保持手段から引き離すように張力を付与し、少なくとも一方の保持手段を該鋼材の中心軸を中心として回転させることを特徴とする。

    請求項1に係る発明により、鋼材の長手方向に平行な軸を中心軸とし、少なくとも3枚以上の長辺部材が該中心軸に対して放射状に配置された形状を有する鋼材を、該中心軸に沿ってねじることで形成されるスパイラル鋼であるため、スパイラル鋼の機械的強度を、ねじり平鋼と比較して、格段に高めることが可能となる。 しかも、ねじり角度を変更しなくても、ねじられた部分(螺旋羽部分)のピッチ間隔を容易に狭めることが可能となる。

    請求項2に係る発明により、鋼材の中心軸の位置には、中空管が配置され、長辺部材は、該中空管の周囲に配置固定されているため、中空管を支柱の一部に利用したり、中空管の内部に流体等の流路を形成し、熱交換器や水抜き用パイプなど多様な用途に使用することが可能となる。

    請求項3に係る発明により、鋼材の長手方向に平行な軸を中心軸とし、2枚の長辺部材が該中心軸に対して対称に配置された形状を有すると共に、該中心軸の位置には、中空管が配置され、該長辺部材は、該中空管の周囲に配置固定されている鋼材を、該中心軸に沿ってねじることで形成されることを特徴とするスパイラル鋼であるため、スパイラル鋼の機械的強度を、ねじり平鋼と比較して、格段に高めることが可能となる。 しかも、中空管を支柱の一部に利用したり、中空管の内部に流体等の流路を形成し、熱交換器や水抜き用パイプなど多様な用途に使用することが可能となる。

    請求項4に係る発明により、中空管の管壁には、複数の孔が形成されているため、中空管内を通じて移動させた流体を、該孔を通じて中空管外に排出したり、中空管外に位置する流体を、該孔を通じて中空管内に取り込み中空管を通じて移動させることも可能となるなど、多様な用途に使用することが可能となる。

    請求項5に係る発明により、鋼材の長辺部材は、中心軸から離れるに従い、該長辺部材の断面の厚みが増すように構成され、該鋼材をねじることで、該長辺部材に相当する断面の形状が略長方形となるため、スパイラル鋼の長辺部材に相当する部分(螺旋羽部分)の厚みが常に一定となり、螺旋羽部分の機械的強度の低下を抑制することが可能となる。

    請求項6に係る発明により、スパイラル鋼を、土中に打設又は埋設される杭として使用することを特徴とするスパイラル鋼杭であるため、杭の横方向からの応力や圧縮力に対しても変形に強く、螺旋羽部分のピッチ間隔を狭くすることができるため、土との接触面積を増し、引抜力に対する抵抗力もより大きくすることが可能となる。

    請求項7に係る発明により、スパイラル鋼杭に固定される構造体を有し、スパイラル鋼の一部は地上に露出し、当該露出部分は該構造体を支持する支柱として機能するため、スパイラル鋼の機械的強度が高くなることを利用して、従来のねじり平鋼では困難であった、スパイラル鋼を支柱として利用することも可能となる。

    請求項8に係る発明により、スパイラル鋼杭を水平方向又はそれより上方に向いた角度で土中に打設し、土すべりアンカー、土中基礎として使用するため、スパイラル鋼の螺旋羽部分のピッチ間隔を狭め、土との抵抗力が高くなることを利用し、従来のねじり平鋼では困難であった水平方向又はそれより上方を向いたアンカー、土中基礎として利用可能となる。

    請求項9に係る発明により、スパイラル鋼を、土中に打設又は埋設し、中空管を通じて土中の水を排出する水抜き用パイプ、あるいは、中空管を通じて土中にグラウト材を注入するグラウト材注入用パイプとして使用することを特徴とするスパイラル鋼杭であるため、スパイラル鋼自体の機械的強度が高く、土中への打設や埋設の効率が高いため、優れた水抜き用パイプやグラウト材注入用パイプを提供することが可能となる。

    請求項10に係る発明により、スパイラル鋼を、穴掘り器のドリル部分に使用することを特徴とする穴掘り器であるため、スパイラル鋼の螺旋羽部分のピッチ間隔を狭め、土との接触面積を増し、従来のねじり平鋼より効率良く土を掻きだすことが可能となる。

    請求項11に係る発明により、スパイラル鋼を、送り装置の送りネジとして使用することを特徴とする送り装置であるため、スパイラル鋼の機械的強度が高いことを利用して、従来のねじり平鋼では困難であった、送りネジ自体に送り部材の支持機能を担わせることも可能となる。

    請求項12に係る発明により、スパイラル鋼を、混練装置の混練用羽として使用することを特徴とする混練装置であるため、スパイラル鋼の螺旋羽部分のピッチ間隔を狭め、混練対象物との接触面積を増し、従来のねじり平鋼より効率良く混練を行うことが可能となる。

    請求項13に係る発明により、熱交換器内で、2つの流体を分離すると共に、相互に熱交換可能な壁材として使用することを特徴とする熱交換器であるため、スパイラル鋼の螺旋羽部分のピッチ間隔を狭め、螺旋羽と流体との接触時間や面積を増加し、熱交換効率を高めることも可能となる。

    請求項14に係る発明により、スパイラル鋼の製造方法において、鋼材の長手方向に所定の張力を加えながら、該鋼材をねじるため、螺旋羽部分のピッチ間隔が一定のスパイラル鋼を形成することが可能となる。

    請求項15に係る発明により、スパイラル鋼の製造方法において、鋼材の両端を保持する2つの保持手段を用い、少なくとも一方の保持手段を他方の保持手段から引き離すように張力を付与し、少なくとも一方の保持手段を該鋼材の中心軸を中心として回転させるため、極めて簡単な構成で、容易にスパイラル鋼を製造することができる。

    従来のねじり平鋼を説明する図である。

    本発明のスパイラル鋼を説明する図である。

    従来のねじり平鋼を利用した構造物の支持方法を説明する図である。

    本発明のスパイラル鋼を利用した構造物の支持方法を説明する図である。

    本発明のスパイラル鋼に利用される第1の実施例となる鋼材の断面(a)とねじられた鋼材の断面(b)の違いを説明する図である。

    本発明のスパイラル鋼に利用される第2の実施例となる鋼材を説明する図である。

    本発明のスパイラル鋼に利用される第3の実施例となる鋼材を説明する図である。 (a)はねじる前の鋼材の断面であり、(b)はねじられた後の鋼材の断面を示している。

    本発明のスパイラル鋼に利用される第4の実施例となる鋼材を説明する図である。 (a)はねじる前の鋼材の断面であり、(b)はねじられた後の鋼材の断面を示している。

    本発明のスパイラル鋼に利用される第5の実施例となる鋼材を説明する図である。

    本発明のスパイラル鋼に利用される第6の実施例となる鋼材を説明する図である。

    本発明のスパイラル鋼に利用される第7の実施例となる鋼材を説明する図である。

    本発明のスパイラル鋼を熱交換器に利用した場合の実施例を説明する図である。

    本発明のスパイラル鋼をグラウト材注入用パイプに利用した場合の実施例を説明する図である。

    本発明のスパイラル鋼を水抜き用パイプに利用した場合の実施例を説明する図である。

    本発明のスパイラル鋼、及びその応用製品並びにスパイラル鋼の製造方法について、以下に詳細に説明する。
    図2は、本発明のスパイラル鋼を説明する図である。
    本発明のスパイラル鋼は、鋼材の長手方向に平行な軸を中心軸Oとし、少なくとも3枚以上の長辺部材(f1〜f4)が該中心軸Oに対して放射状に配置された形状を有する鋼材を、該中心軸に沿ってねじることで形成されるスパイラル鋼である。
    図2(a)は、スパイラル鋼の長手方向に垂直な断面図を示し、図2(b)はスパイラル鋼の側面図を示している。

    図1のねじり平鋼と図2のスパイラル鋼とを比較すると両者の差は明確であり、特に、スパイラル鋼には、図1のねじり平鋼で矢印で示した機械的強度の弱い部分が存在せず、スパイラル鋼に長手方向の圧縮力や図面の上下方向からの応力に対しても、機械的強度を格段に高めることが可能となる。

    また、図1のねじり平鋼のねじり角度(約45度)と図2のスパイラル鋼のねじり角度(約45度)は共に同じであるが、ねじられた部分(螺旋羽部分)のピッチ間隔が、スパイラル鋼の方が半分となっており、ピッチ間隔を容易に狭めることが可能となる。 これにより、土や混練材料などがスパイラル鋼に接触する部分の面積が増加し、土との抵抗力を高めたり、混練作業をより効率的に行うことが可能となる。

    本発明のスパイラル鋼に使用される鋼材の材質は、特に限定されないが、鋼鉄など機械的強度が高く、ねじり加工を施すことが可能な材質が好ましい。

    ねじる前の鋼材は、図5(a),図6,図7(a)又は図8(a)に示すように、鋼材の長手方向に平行な中心軸Oに対して、少なくとも3枚以上の長辺部材(f1〜f4)を放射状に配置したものを使用する。 長辺部材の数は、3枚以上であれば、その数には限定されないが、図5乃至図8に示すように、4つの長辺部材を十字状に配置した鋼材は、長辺部材が3つ又は5つ以上のものより、市場で安価に入手することができ、長辺部材が比較的少ないため加工が容易であるなど、より好適に利用することができる。 また、このような鋼材をねじり加工したスパイラル鋼は、長辺部材の数が余り多くないにも拘らず、機械的強度がねじり平鋼よりも格段に高くすることができる。

    鋼材の一例として、鋼材の断面が、図5(a)に示すような形状のものを採用することが可能である。 これは、長辺部材の厚みを、中心軸に近い部分の厚みw1より、外側の方の厚みw2の方をより厚く設定している。 通常は、鋼材をねじった際に、長辺部材の外側の方がより引き延ばされるため、長辺部材の外側の厚みが中心軸に近い部分より、より薄くなる。 このことを予め考慮し、ねじった後の形状が図5(b)のように、例えば、長辺部材の外側の厚みw2'と中心軸に近い部分の厚みw1'とがほぼ同じ厚みとなるように、ねじる前の鋼材において、長辺部材の各部分の厚みについてw2>w1となるように設定している。
    なお、図5(b)において、符号f1'は、長辺部材f1がねじられた螺旋状部分を示している。 他のf2'〜f4'についても同様である。 図7及び図8についても同様である。

    また、図7(a)に示すように、ねじる前の鋼材について、長辺部材の外側の方の厚みw2を、中心軸Oに近い部分の厚みw1よりも予め薄くすることも可能である。 この場合は、ねじった後のスパイラル鋼の形状は、図7(b)に示すように、長辺部材の外側の方の厚みw2'がより薄く(w2'<w2)なっている。

    ねじった後のスパイラル鋼の長辺部材の各部分の厚み(w1'又はw2')については、図5のようにw1'=w2'とするか、図7のようにw1'>w2'とするのかは、スパイラル鋼の用途に応じて適宜選択することが可能である。 例えば、スパイラル鋼の長辺部材の機械的強度を高く維持する必要がある場合には、図5のように長辺部材の外側の厚みw2'を厚くすることが好ましい。 他方、混練装置などのスクリューとして使用する場合には、スパイラル鋼の羽部分(長辺部材)の先端断面は、図7のように、テーパ状又は鋭角的になっていることが、羽部分の先端部での摩擦抵抗を低減することができ、より好ましい。

    また、鋼材にねじり加工を施す際に、鋼材の中心部付近で長辺部材が破断されないよう構成するため、図6に示すように、長辺部材(f1〜f4)の付根部分に肉厚部Aを形成する。

    図8は、本発明のスパイラル鋼の他の実施例(第4の実施例)を説明する図である。 図8の実施例の特徴は、長辺部材f1〜f4の長さが異なっている。 より具体的には、長辺部材f2とf4とが形成する図面の横方向の長さL1は、長辺部材f1とf3とが形成する図面の縦方向の長さL2よりも、長くなるよう設定されている。 図8(a)のような断面を有する鋼材をねじることにより、図8(b)のような断面のスパイラル鋼が形成できる。 このスパイラル鋼の特徴は、スパイラル鋼の羽部分(螺旋部分)の役割を主に担うのは、長辺部材f2とf4であり、長辺部材f1とf3は、図1に示すような、スパイラル鋼の横方向から加わる応力に対して、スパイラル鋼の機械的強度を高めるために寄与している。 このように、従来のねじり平鋼より機械的強度を高めるには、平鋼(図8(a)の長辺部材f2,f4)の平面に対して法線方向に突出する部分(同図の長辺部材f1,f3)を設けることが効果的である。
    なお、図8(a)のような鋼材は、図5乃至7に示すような鋼材と比較して、図面の縦方向の高さが低く設定できる。 このため、鋼材などの資材をストックする際には、占有スペースをより少なくすることが可能となり、経済的である。

    本発明のスパイラル鋼に使用される鋼材の形成方法としては、長辺部材となる平板状の鋼板を用意し、溶接することで、3枚以上の長辺部材を中心軸に対して放射状に配置することができる。 この際、中心部分に円柱や、三角柱又は四角柱などの角材を配置し、それから長辺部材を放射状に溶接することも可能である。 また、溶鉱炉から溶解した鋼材又は軟化した鋼材を、形成する鋼材の断面に相当する開口形状を有する型を介して、押出し成形することで、図5乃至図8に示すような任意の形状の鋼材を形成することが可能である。

    本発明のスパイラル鋼の他の実施例としては、図9乃至図11に示すように、中心軸Oの位置に中空管P1〜P3を配置され、長辺部材f1〜f4が該中空管P1〜P3の周囲に配置固定されている鋼材を利用することが可能である。 中空管の幅が、長辺部材の厚みよりも大きい場合には、中空管に長辺部材を接合した鋼材をねじることにより、スパイラル鋼の横方向(スパイラル鋼が延びる長手方向に対して垂直な方向)からの応力に対して、スパイラル鋼の機械的強度を高くすることが可能となる。

    また、中空管を用いる場合には、長辺部材の数は3枚以上に限らない。 図9(c),図10(c)及び図11(d)(e)に示すように、鋼材の長手方向に平行な軸を中心軸Oとし、2枚の長辺部材f1,f2が該中心軸に対して対称に配置された形状を有すると共に、該中心軸Oの位置には、中空管P1〜P3が配置され、該長辺部材は、該中空管の周囲に配置固定されている鋼材も利用可能であり、このような鋼材を利用した場合でもスパイラル鋼の横方向からの応力に十分耐えることができる。

    図9は、中空管に円筒形状の鋼管P1を利用した実施例であり、(a)は4枚の長辺部材f1〜f4を中空管P1に接合した例であり、(b)及び(c)は各々3枚の長辺部材と2枚の長辺部材を接合した例を示している。

    図10は、中空管に断面が四角形状の鋼管P2を利用した実施例であり、(a)は4枚の長辺部材f1〜f4を中空管P2の辺部(図10(a)に示すように中空管の断面で辺に相当する位置)に接合した例であり、(b)は同じく長辺部材を中空管P2の角部に配置固定している。 さらに、(c)は、中空管P2の辺部に2枚の長辺部材を接合した例を示している。

    図11は、中空管に断面が六角形状の鋼管P3を利用した実施例であり、(a)は4枚の長辺部材f1〜f4を中空管P3の辺部に接合した例であり、(b)及び(c)は3枚の長辺部材を中空管P3の辺部又は角部に配置固定している。 さらに、(d)及び(e)は、中空管P3の辺部又は角部に2枚の長辺部材を接合した例を示している。

    図9乃至図11のように、中空管P1〜P3を利用することで、中空管を支柱の一部に利用したり、中空管の内部に流体等の流路を形成し、熱交換器や水抜き用パイプなど多様な用途に使用することが可能となる。

    また、後述するように、中空管P1〜P3の管壁に、複数の孔を形成することで、中空管内を通じて移動させた流体を、該孔を通じて中空管外に排出したり、中空管外に位置する流体を、該孔を通じて中空管内に取り込み中空管を通じて移動させることも可能となるなど、多様な用途に使用することが可能となる。

    鋼材をねじり加工する方法としては、先の特許文献7に示す、平鋼のねじり加工方法が利用可能である。 スパイラル鋼を作成する上で重要なことは、複数の長辺部材に同じ張力を加えながら、鋼材全体を該鋼材の中心軸を中心に一定の速度でねじることである。

    このためには、長辺部材の中心軸に近い部分から、長辺部材の外側の端部までを把持する保持手段を、少なくとも2つ用意し、鋼材の両端を保持させ、少なくとも一方の保持手段を他方の保持手段から引き離すように張力を付与すると共に、少なくとも一方の保持手段を該鋼材の中心軸を中心として回転させる。 これにより、螺旋羽部分のピッチ間隔が一定のスパイラル鋼を容易に、製造することができる。

    また、他の製造方法としては、各保持手段を、各長辺部材を挟むローラの組み合わせで構成し、このような保持手段を2つ以上用意する。 次に、これらの保持手段を、距離を一定に保ちながら、鋼材の長手方向に該鋼材に対し相対的に移動させる。 また、隣接する保持手段は、互いに鋼材の中心軸周りにねじり力を発生するように、長辺部材を保持する角度が異なるよう設定されている。 当然、このような保持手段では、鋼材を引っ張る張力は発生しないが、鋼材に対して、連続的にねじり加工を施すことが可能である。

    特に、鋼材を上述した押出し成形する場合は、その直後に、ローラで構成する上述のような保持手段を複数配置し、鋼材の方を移動させながら連続的にねじり加工を施すことが可能である。
    さらに、図9乃至図11に示す中空管P1〜P3を使用する場合には、中空管内に円柱状の芯棒を挿入し、スパイラル鋼が中心軸方向に変形しないよう防止することが可能である。 また、図10及び図11のように、角状の中空管を使用する場合には、中空管の両端に中空管の内壁と一致する角状の治具を挿入し、該治具を鋼材全体のねじりに合わせて回転させることで、中空管のねじりを補助することも可能である。

    次に、本発明のスパイラル鋼の用途について説明する。
    本発明のスパイラル鋼は、従来のねじり平鋼と比較し、機械的強度に優れ、ねじられた部分(螺旋羽部分)のピッチ間隔を狭く構成するなどの利点を利用することで、従来のねじり平鋼の用途は勿論のこと、それ以上に拡大することが可能となる。

    スパイラル鋼を、土中に打設又は埋設される杭(スパイラル鋼杭)として使用する場合には、スパイラル鋼は、杭の横方向からの応力や圧縮力に対しても変形に強く、螺旋羽部分のピッチ間隔を狭くすることができるため、土との接触面積を増し、引抜力に対する抵抗力を、ねじり平鋼よりも大きくすることが可能となる。

    このため、図3に示すようにねじり平鋼を用いた場合には、上部構造物を固定するためには、上部構造物を台座に固定し、曲げモーメントに抵抗するために、該台座に複数のスパイラル鋼杭を固定することで、台座を地面に固定していた。 これに対し、本発明のスパイラル鋼杭の場合には、曲げ剛性をはじめとする機械強度等が優れているため、使用する杭の数を減少でき、図4に示すように、例えば、1本のスパイラル鋼杭に上部構造物を直接取り付けることも可能である。

    しかも、地上に配置される構造物をスパイラル鋼杭で保持する場合には、スパイラル鋼の一部を地上に露出させ、当該露出部分は該構造体を支持する支柱として使用することも可能である。 これも、本発明のスパイラル鋼の機械的強度が、ねじり平鋼より格段に向上したことによる。

    ねじり平鋼による杭は、土中に下向きに埋設するのが一般的であるが、本発明のスパイラル鋼杭は、水平方向又はそれより上方に向いた角度で土中に打設することも可能である。 特に、スパイラル鋼の螺旋羽部分のピッチ間隔を狭め、土との抵抗力を高くすることで、従来のねじり平鋼では困難であった水平方向又はそれより上方を向いた土すべり防止用のアンカーや土中基礎として利用することも可能である。

    スパイラル鋼を、穴掘り器のドリル部分に使用する場合には、スパイラル鋼の螺旋羽部分のピッチ間隔を、ねじり平鋼より狭め、土との接触面積を増加させることが可能であるため、特許文献4の従来のねじり平鋼より効率良く土を掻きだすことが可能となる。 しかも、機械的強度が高いため、真っ直ぐな穴を掘ることができ、モータなどの強い回転力を有する動力源を利用した掘削機としても利用が可能である。

    スパイラル鋼を、送り装置の送りネジとして使用する場合には、スパイラル鋼の機械的強度が高いことを利用して、特許文献5の従来のねじり平鋼では困難であった、送りネジ自体に送り部材の支持機能を担わせることも可能となる。 また、大型機械の送り装置としても利用が可能となる。

    さらに、スパイラル鋼を、混練装置の混練用羽として使用する場合には、スパイラル鋼の螺旋羽部分のピッチ間隔を狭め、混練対象物との接触面積を増し、特許文献6の従来のねじり平鋼より効率良く混練を行うことが可能となる。 当然、同等の機能の混練装置を構成する場合には、機械自体をコンパクト化することも可能になる。

    また、図9乃至図11に示すような中空管P1〜P3を用いたスパイラル鋼については、螺旋状の羽部分が形成する空間が流体等の通路として使用できるだけでなく、中空管内部も流体等の通路として利用できる。 このため、図12に示すような各種の流体通路を構成することが可能であり、熱交換器内の流体の流路として、また、各種流体の搬送流路として利用することができる。

    図12(a)は、スパイラル鋼Sを取り囲む円筒状チューブT1を配置したものであり、スパイラル鋼Sを構成する中空管Pの内部を、点線矢印a1からa2への流体通路とし、スパイラル鋼SとチューブT1との間の空間が、実線矢印b1からb2への流体通路とし構成される。 また、矢印b1からb2への流体の動きは、スパイラル鋼を回転させることで流体の移動を行っても良い。 さらに、各種流体の移動方向は、同じ方向であっても良い。 このように、2つの流体を近接させることで、互いの熱交換を容易にするなどの機能も実現できる。

    図12(b)は、図12(a)のものにさらに外側に別の円筒状チューブT2を配置したものである。 これにより、図12(a)のものに加え、チューブT1とT2との間の空間に実線矢印c1からc2への流体通路を形成することが可能となる。

    図12(c)は、図12(b)の中空管の流体通路を経た流体を、さらに、チューブT1とT2との間の流体通路に導くものである。 また、図12(d)は、スパイラル鋼Sの羽部分の先端とチューブT1との内壁とを密着させることで、スパイラル鋼とチューブT1との間に複数の流体通路を形成することが可能である。 例えば、羽部分を構成する長辺部材が2つ以上あれば2つ以上の流体通路を構成することが可能である。 図12(d)では、実線矢印b1からb2へと1つの流体通路を経た流体を、他の異なる流体通路(実線矢印b2からb3への流路通路)に導くよう構成されている。

    図13及び図14は、スパイラル鋼Sを構成する中空管Pに複数の孔Hを設けたものの応用例である。 図13はグラウト材注入用パイプの例であり、(a)のように地面にスパイラル鋼を回転させてねじ込み、次に、(b)のように地盤改良材などのグラウト材を、スパイラル鋼の中空管Pを利用して圧入すると、孔Hを介して地中内にグラウト材を注入することができる。

    図14は、水抜き用パイプの例であり、地中にスパイラル鋼を打設又は埋設することで、地中内の水を中空管Pの孔Hから中空管内に取り込み(矢印e1)、中空管Pの一端から排出する(矢印e2)。 なお、スパイラル鋼は、図14に示すように、水の排出口となる中空管の一端が斜め下側となるように、傾斜して打設又は埋設することが好ましい。

    以上説明したように、本発明によれば、機械的強度が高く、ねじり角度を変更しなくても、ねじられた部分(螺旋羽部分)のピッチ間隔を容易に狭めることが可能なスパイラル鋼、及びその応用製品並びにスパイラル鋼の製造方法を提供することが可能となる。

    QQ群二维码
    意见反馈