シート製造装置およびシートの製造方法

申请号 JP2014031422 申请日 2014-02-21 公开(公告)号 JP2015155180A 公开(公告)日 2015-08-27
申请人 セイコーエプソン株式会社; 发明人 小口 裕生;
摘要 【課題】装置停止時に廃棄物や微粉が回収容器から逆流することを抑制することが可能なシート製造装置を提供する。 【解決手段】シート製造装置100は、繊維を含む材料を供給する供給部10と、材料を気中で解繊する解繊部20と、解繊部で解繊された解繊物を繊維物と廃棄物とに気流で分級する分級部30と、繊維物を用いてシートを成形する成形部70と、廃棄物を成形部側へ行かないように気流で分級部から排出する排気ブロア88とを備え、シート製造装置100による製造を停止するときは、供給部10、解繊部20、排気ブロア88の順に停止する。 【選択図】図1
权利要求

繊維を含む材料を供給する供給部と、 前記材料を気中で解繊する解繊部と、 前記解繊部で解繊された解繊物を繊維物と廃棄物とに気流で分級する分級部と、 前記繊維物を用いてシートを成形する成形部と、 前記廃棄物を前記成形部側へ行かないように気流で前記分級部から排出する排気ブロアと、を備えたシート製造装置であって、 前記シート製造装置による製造を停止するときは、前記供給部、前記解繊部、前記排気ブロアの順に停止する、シート製造装置。前記シート製造装置による製造を停止するときは、前記解繊部内の残留物を排出できる時間だけ前記解繊部を駆動した後に前記解繊部を停止する、請求項1に記載のシート製造装置。前記解繊物を前記分級部に気流で送る解繊後ブロアを更に備え、 前記シート製造装置による製造を停止するときは、前記供給部、前記解繊部、前記解繊後ブロア、前記排気ブロアの順に停止する、請求項1または2に記載のシート製造装置。供給部によって、繊維を含む材料を供給する工程と、 解繊部によって、前記材料を気中で解繊する工程と、 分級部によって、解繊された解繊物を繊維物と廃棄物とに気流で分級する工程と、 成形部によって、前記繊維物を用いてシートを成形する工程と、 排気ブロアによって、前記廃棄物を前記成形部側へ行かないように気流で前記分級部から排出する工程と、を含むシートの製造方法であって、 シートの製造を停止するときは、前記供給部、前記解繊部、前記排気ブロアの順に停止する、シートの製造方法。

说明书全文

本発明は、シート製造装置およびシートの製造方法に関する。

従来、シート製造装置においては、繊維を含む原料をに投入し、主に機械的作用により離解して、抄き直す、いわゆる湿式方式が採用されている。このような湿式方式のシート製造装置は、大量の水が必要であり、装置が大きくなる。さらに、水処理施設の整備のメンテナンスに手間がかかる上、乾燥工程に係るエネルギーが大きくなる。

そこで、小型化、省エネルギーのために、水を極利用しない乾式によるシート製造装置が提案されている(例えば特許文献1参照)。

特許文献1には、乾式解繊機において紙片を繊維状に解繊し、サイクロンにおいて繊維をインク粒と脱墨繊維とに分級し、脱墨繊維を、フォーミングドラム表面の小孔スクリーンを通過させて、メッシュベルト上に堆積させ、紙を成形することが記載されている。

特開2012−144819号公報

シート製造装置では、気流によって材料を各プロセスに搬送しており、各プロセスで気流を発生させるための各種モーターを備えている。また、シート製造装置では、原料に含まれていた樹脂粒やインク粒などの廃棄物や微粉などを除去している。特許文献1に記載のシート製造装置では、装置起動時や装置停止時の各種モーターの起動順序や停止順序が規定されていない。そのため、実際の装置起動時や装置停止時において、除去したものが逆流したりして、除去したものがシートに混ざってしまうことがあり得る。

本発明は前述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の態様または適用例として実現することができる。

(1)本発明に係るシート製造装置の一態様は、 繊維を含む材料を供給する供給部と、 前記材料を気中で解繊する解繊部と、 前記解繊部で解繊された解繊物を繊維物と廃棄物とに気流で分級する分級部と、 前記繊維物を用いてシートを成形する成形部と、 前記廃棄物を前記成形部側へ行かないように気流で前記分級部から排出する排気ブロアと、を備えたシート製造装置であって、 前記シート製造装置による製造を停止するときは、前記供給部、前記解繊部、前記排気ブロアの順に停止する。

このようなシート製造装置では、シートの製造停止時に、供給部、解繊部、排気ブロアの順に停止することで、排気ブロアによって回収された廃棄物の逆流を抑制することができる。

(2)本発明に係るシート製造装置において、 前記シート製造装置による製造を停止するときは、前記解繊部内の残留物を排出できる時間だけ前記解繊部を駆動した後に前記解繊部を停止してもよい。

このようなシート製造装置では、シートの製造停止時に、解繊部内の残留物を排出できる時間だけ解繊部を駆動した後に解繊部を停止することで、解繊部の次回の起動時の負荷を低減することができる。

(3)本発明に係るシート製造装置において、 前記解繊物を前記分級部に気流で送る解繊後ブロアを更に備え、 前記シート製造装置による製造を停止するときは、前記供給部、前記解繊部、前記解繊後ブロア、前記排気ブロアの順に停止してもよい。

このようなシート製造装置では、シートの製造停止時に、供給部、解繊部、解繊後ブロア、排気ブロアの順に停止することで、排気ブロアによって回収された廃棄物の逆流を抑制することができる。

(4)本発明に係るシートの製造方法の一態様は、 供給部によって、繊維を含む材料を供給する工程と、 解繊部によって、前記材料を気中で解繊する工程と、 分級部によって、解繊された解繊物を繊維物と廃棄物とに気流で分級する工程と、 成形部によって、前記繊維物を用いてシートを成形する工程と、 排気ブロアによって、前記廃棄物を前記成形部側へ行かないように気流で前記分級部から排出する工程と、を含むシートの製造方法であって、 シートの製造を停止するときは、前記供給部、前記解繊部、前記排気ブロアの順に停止する。

このようなシートの製造方法では、シートの製造停止時に、供給部、解繊部、排気ブロアの順に停止することで、排気ブロアによって回収された廃棄物の逆流を抑制することができる。

本実施形態に係るシート製造装置を模式的に示す図。

本実施形態に係るシート製造装置の機能ブロック図。

第1の実施例における起動制御の流れを示すフローチャート図。

第1の実施例における停止制御の流れを示すフローチャート図。

第2の実施例における起動制御の流れを示すフローチャート図。

第2の実施例における停止制御の流れを示すフローチャート図。

第3の実施例における起動制御の流れを示すフローチャート図。

第3の実施例における停止制御の流れを示すフローチャート図。

以下、本発明の好適な実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。

1.構成 図1は、本実施形態に係るシート製造装置100を模式的に示す図である。図1に示すように、シート製造装置100は、粗砕部10と、解繊部20と、分級部30と、選別部40と、樹脂供給部50と、ほぐし部60と、成形部70と、を含む。

粗砕部10(供給部)は、パルプシートや投入されたシート(例えばA4サイズの古紙)などの原料を、空気中で裁断して細片にする。細片の形状や大きさは、特に限定されないが、例えば、数cmの細片である。図示の例では、粗砕部10は、粗砕刃11を有し、粗砕刃11によって、投入された原料を裁断することができる。粗砕部10には、原料を連続的に投入するための自動投入部(図示せず)が設けられていてもよい。粗砕部10は、原料(繊維を含む材料)を供給する供給部として機能するが、供給部として、原料をシート状のまま供給する給紙部を設けてもよい。

粗砕部10によって裁断された細片は、ホッパー15で受けてから第1搬送部81を介して、解繊部20へ搬送される。第1搬送部81は、解繊部20の導入口21と連通している。第1搬送部81および後述する第2〜第6搬送部82〜86の形状は、例えば管状である。

解繊部20は、細片(被解繊物)を解繊処理する。解繊部20は、細片を解繊処理することにより、繊維状に解きほぐされた繊維を生成する。

ここで、「解繊処理」とは、複数の繊維が結着されてなる細片を、繊維1本1本に解きほぐすことをいう。解繊部20を通過したものを「解繊物」という。「解繊物」には、解きほぐされた繊維の他に、繊維を解きほぐす際に繊維から分離した樹脂(複数の繊維同士を結着させるための樹脂)粒や、インク、トナー、にじみ防止材等のインク粒を含んでいる場合もある。この後の記載において、「解繊物」は解繊部20を通過したものの少なくとも一部であり、解繊部20を通過した後に添加されたものが混ざっていてもよい。

解繊部20は、細片に付着した樹脂粒やインク、トナー、にじみ防止材等のインク粒を繊維から分離させる。樹脂粒及びインク粒は、解繊物とともに、排出口22から排出される。解繊部20は、回転刃によって、導入口21から導入された細片を、解繊処理する。解繊部20は、空気中において乾式で解繊を行う。

解繊部20は、気流を発生させる機構を有していることが好ましい。この場合、解繊部20は、自ら発生する気流によって、導入口21から、細片を気流と共に吸引し、解繊処理して、排出口22へと搬送することができる。排出口22から排出された解繊物は、第2搬送部82を介して、分級部30に導入される。なお、気流発生機構を有していない解繊部20を用いる場合には、細片を導入口21に導く気流を発生する機構を、外付けで設けてもよい。

排出口22から排出された解繊物は、第2搬送部82を介して、分級部30に導入される。第2搬送部82には、解繊物を分級部30に導く気流を発生する解繊後ブロア87が設けられている。解繊部20が気流発生機構を有する場合には、シート製造装置100の構成として解繊後ブロア87を省略してもよい。

分級部30は、解繊物から、樹脂粒、インク粒を分離して除去する。分級部30としては、気流式分級機を用いる。気流式分級機は、旋回気流を発生させ、遠心力と分級されるもののサイズや密度によって分離するものであり、気流の速度及び遠心力の調整によって、分級点を調整することができる。具体的には、分級部30としては、サイクロン、エルボージェット、エディクラシファイヤーなどを用いる。特にサイクロンは、構造が簡便であるため、分級部30として好適に用いることができる。以下では、分級部30として、サイクロンを用いた場合について説明する。

分級部30は、少なくとも導入口31と、下部に設けられている下部排出口34と、上部に設けられている上部排出口35と、を有している。分級部30において、導入口31から導入された解繊物をのせた気流は、円周運動させられ、これにより、導入された解繊物には、遠心力がかかって、繊維物(解きほぐされた繊維)と、繊維物より小さく密度の低い廃棄物(樹脂粒、インク粒)と、に分離される。繊維物は、下部排出口34から排出され、第3搬送部83を通って選別部40の導入口46に導入される。一方、廃棄物は、上部排出口35から分級部30の外部に排出され、第4搬送部84を通って廃棄物回収容器90に導入される。第4搬送部84には、廃棄物を分級部30から排出して廃棄物回収容器90に導く気流を発生する排気ブロア88が設けられている。

なお、分級部30により繊維物と廃棄物に分離すると記載したが、正確に分離できる訳ではない。繊維物のうち比較的小さいものや密度の低いものは廃棄物とともに外部に排出される場合がある。また、廃棄物のうち比較的密度の高いものや繊維物に絡まってしまったものは繊維物とともに選別部40へ導入される場合もある。本願では、下部排出口34から排出されるもの(長い繊維を含む割合が廃棄物より多いもの)を「繊維物」といい、上部排出口35から排出されるもの(長い繊維を含む割合が繊維物より少ないもの)を「廃棄物」という。

選別部40は、分級部30で分離された繊維物を、選別部40を通過する「通過物」と、通過しない「残留物」とに空気中で選別する。選別部40としては、篩(ふるい)を用いる。選別部40は、導入口46と、排出口47と、を有している。選別部40は、モーター(図示せず)によって円筒状の網部が回転する回転式の篩である。選別部40の網部は、複数の開口を有していて、網部の内部は空洞である。網部が回転することで、網部内に導入された繊維物のうち開口を通過可能な大きさのものは通過し、開口を通過できない大きさのものは通過しない。選別部40は、篩によって、繊維物から一定の長さより短い繊維(通過物)を選別することができる。網部は、平織り金網や溶接金網などの金網から構成されている。なお、選別部40では、金網で構成された網部の代わりに、切れ目が入った金属板を引き延ばしたエキスパンドメタルを用いてもよいし、金属板にプレス機等で穴を形成したパンチングメタルを用いてもよい。エキスパンドメタルを用いる場合、開口とは、金属板に入れた切れ目を引き延ばして形成される穴のことである。パンチングメタルを用いる場合、開口とは、金属板にプレス機等で形成された穴のことである。また、開口を有する部材を金属以外の材質で作ってもよい。なお、シート製造装置100の構成として選別部40を省略してもよい。

選別部40の篩を通過しなかった残留物は、排出口47から排出されて、戻り流路としての第5搬送部85を介してホッパー15に搬送され、再び解繊部20に戻される。一方、選別部40の篩を通過した通過物は、ホッパー16で受けてから第6搬送部86を介して、ほぐし部60の導入口66に搬送される。第6搬送部86には、繊維同士を(解繊物同士を)結着させる樹脂が供給されるための供給口51が設けられている。

樹脂供給部50は、供給口51から第6搬送部86に空気中で樹脂を供給する。すなわち、樹脂供給部50は、選別部40の開口を通過した通過物が選別部40からほぐし部60に向かう経路に(選別部40とほぐし部60との間に)、樹脂を供給する。樹脂供給部50としては、第6搬送部86に樹脂を供給することができれば特に限定されないが、スクリューフィーダー、サークルフィーダーなどを用いる。樹脂供給部50から供給される樹脂は、複数の繊維を結着させるための樹脂である。樹脂が第6搬送部86に供給された時点では、複数の繊維は結着されていない。樹脂は、後述する成形部70を通過する際に硬化して、複数の繊維を結着させる。樹脂は、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂であり、繊維状であってもよく、粉末状であってもよい。樹脂供給部50から供給される樹脂の量は、製造されるシートの種類に応じて適切に設定される。なお、繊維を結着させる樹脂の他、製造されるシートの種類に応じて、繊維を着色するための着色剤や、繊維の凝集を防止するための凝集防止材を供給してもよい。なお、シート製造装置100の構成として樹脂供給部50を省略してもよい。

樹脂供給部50から供給された樹脂は、第6搬送部86内に設けられた搬送ブロア89によって、選別部40の開口を通過した通過物と混合される。搬送ブロア89は、通過物と樹脂とを、混合させながら、ほぐし部60に搬送するための気流を発生する。

ほぐし部60は、絡み合った通過物をほぐす。さらに、ほぐし部60は、樹脂供給部50から供給される樹脂が繊維状である場合、絡み合った樹脂をほぐす。また、ほぐし部60は、後述する堆積部72に、通過物や樹脂を均一に堆積する。つまり、「ほぐす」という言葉は、絡み合ったものをバラバラにする作用や均一に堆積させる作用を含むものである。なお、絡み合ったものが無ければ均一に堆積させる作用となる。ほぐし部60としては、篩を用いる。ほぐし部60は、モーター(図示せず)によって網部が回転する回転式の篩である。ここで、ほぐし部60として用いられる「篩」は、特定の対象物を選別する機能を有していなくてもよい。すなわち、ほぐし部60として用いられる「篩」とは、複数の開口を有する網部を備えたもの、という意味であり、ほぐし部60は、ほぐし部60に導入された繊維物および樹脂の全てを、開口から外部に排出してもよい。この場合、ほぐし部60の開口の大きさを、選別部40の開口の大きさ以上とする。ほぐし部60と選別部40との構成上の違いは、ほぐし部60が排出口(選別部40の排出口47に相当する部分)を有していないことである。なお、シート製造装置100の構成としてほぐし部60を省略してもよい。

ほぐし部60が回転している状態で、選別部40を通過した通過物(繊維)と樹脂との混合物は、導入口66から円筒状の網部からなるほぐし部60の内部に導入される。ほぐし部60に導入された混合物は、遠心力によって網部側に移動する。上記のように、ほぐし部60に導入される混合物は、絡み合った繊維や樹脂を含んでいる場合があり、絡み合った繊維や樹脂は、回転している網部によって空気中でほぐされる。そして、ほぐされた繊維や樹脂は、開口を通過する。開口を通過した繊維および樹脂は、空気中を通過して、後述する堆積部72に均一に堆積される。

ほぐし部60の開口を通過した繊維物および樹脂は、成形部70の堆積部72に堆積される。成形部70は、堆積部72と、張架ローラー74と、ヒーターローラー76と、テンションローラー77と、巻き取りローラー78と、を有している。成形部70は、ほぐし部60を通過した解繊物および樹脂を用いて、シートを成形する。

成形部70の堆積部72は、ほぐし部60の開口を通過した繊維物および樹脂を受けて堆積させて堆積物を生成する。堆積部72は、ほぐし部60の下方に位置している。堆積部72は、例えば、メッシュベルトである。メッシュベルトには、張架ローラー74によって張架されるメッシュが形成されている。堆積部72は、張架ローラー74が自転することによって移動する。堆積部72が連続的に移動しながら、ほぐし部60から解繊物および樹脂が連続的に降り積もることにより、堆積部72上に厚さの均一なウェブが形成される。

堆積部72の下方には、堆積物を下方から吸引するサクション装置79(吸引部)が設けられている。サクション装置79は、ほぐし部60の下方に堆積部72を介して位置し、下方に向く気流(ほぐし部60から堆積部72に向く気流)を発生させる。これにより、空気中に分散させた解繊物および樹脂を吸引することができ、ほぐし部60からの排出速度を大きくすることができる。その結果、シート製造装置100の生産性を高くすることができる。また、サクション装置79によって、解繊物および樹脂の落下経路にダウンフローを形成することができ、落下中に解繊物や樹脂が絡み合うことを防ぐことができる。サクション装置79には、微粉回収容器92が接続されており、堆積部72のメッシュを通過してしまう大きさの微粉(紙粉や微小な樹脂など)は、サクション装置79が発生する気流によって微粉回収容器92に導入される。分級部30で除去しきれなかった廃棄物のうち、微小な大きさの微粉はここで回収される。

成形部70の堆積部72上に堆積された解繊物および樹脂は、堆積部72の移動にともない、ヒーターローラー76を通過することによって加熱および加圧される。加熱により、樹脂は、結着剤として機能して繊維同士を結着させ、加圧により薄くし、さらに図示しないカレンダーローラーを通過させて表面を平滑化し、シートPが成形される。図示の例では、シートPは、巻き取りローラー78において巻き取られる。以上により、シートPを製造することができる。

図2に、シート製造装置100の機能ブロック図を示す。シート製造装置100は、CPUと記憶部(ROM、RAM)を含む制御部110と、操作情報を入力するための操作部120を含む。

制御部110は、第1〜第6のドライバー(モータードライバー)111〜116に制御信号を出力する。第1のドライバー111は、制御信号に基づき解繊部20のモーターを制御して解繊部20を駆動する。第2のドライバー112は、制御信号に基づき解繊後ブロア87のモーターを制御して解繊後ブロア87を駆動する。第3のドライバー113は、制御信号に基づき排気ブロア88のモーターを制御して排気ブロア88を駆動する。第4のドライバー114は、制御信号に基づき搬送ブロア89のモーターを制御して搬送ブロア89を駆動する。第5のドライバー115は、制御信号に基づきサクション装置79のモーターを制御してサクション装置79を駆動する。第6のドライバー116は、制御信号に基づき粗砕部10のモーターを制御して粗砕部10を駆動する。

制御部110は、操作部120から装置の起動(製造の開始)を指示する操作情報を受け付けた場合に、第1〜第6のドライバー111〜116に制御信号を出力して各種モーターの駆動を開始させ、操作部120から装置の停止を指示する操作情報を受け付けた場合に、第1〜第6のドライバー111〜116に制御信号を出力して各種モーターの駆動を停止させる。

2.本実施形態の手法 次に本実施形態のシート製造装置100における起動・停止制御の手法について説明する。

本実施形態のシート製造装置100では、気流によって材料を各プロセスに搬送している。シート製造装置100において、気流を発生させる構成は、解繊部20、解繊後ブロア87、排気ブロア88、搬送ブロア89、サクション装置79(吸引部)である。解繊部20と解繊後ブロア87は、解繊部20から分級部30に向かう気流を発生し、排気ブロア88は、分級部30の上部排出口35から廃棄物回収容器90に向かう気流を発生し、搬送ブロア89は、選別部40からほぐし部60に向かう気流(シート製造装置100が選別部40とほぐし部60を備えない場合には、分級部30から堆積部72に向かう気流)を発生し、サクション装置79は、ほぐし部60から微粉回収容器92に向かう気流を発生する。

ここで、装置起動時に気流を発生させる各構成を起動する順番、或いは、装置停止時に気流を発生させる各構成を停止する順番によっては、廃棄物回収容器90から分級部30に向かう気流が発生して廃棄物回収容器90から廃棄物が逆流したり、微粉回収容器92からほぐし部60に向かう気流が発生して微粉回収容器92から微粉が逆流したりすることが起こり得る。廃棄物や微粉の逆流は、除去した廃棄物や微粉が混ざったシートを作成してしまい、シートの品質を低下させる原因となり得る。本実施形態のシート製造装置100では、装置起動時に気流を発生させる各構成を適切な順番で起動し、また、装置停止時に気流を発生させる各構成を適切な順番で停止することで、廃棄物や微粉の逆流を抑制する。

2−1.第1の実施例 図3は、第1の実施例における起動制御の流れを示すフローチャート図である。

第1の実施例における装置起動時(製造開始時)には、まず、制御部110は、第3のドライバー113と第5のドライバー115に制御信号を出力して、排気ブロア88とサクション装置79(吸引部)を起動させる(ステップS10)。

排気ブロア88を最初に起動することで、廃棄物回収容器90に向かう気流を発生させることができ、廃棄物回収容器90から廃棄物が逆流することを防止することができる。また、サクション装置79を最初に起動することで、微粉回収容器92に向かう気流を発生させることができ、微粉回収容器92から微粉が逆流することを防止することができる。

また、排気ブロア88とサクション装置79は互いに逆方向の気流を発生するため、排気ブロア88を停止した状態でサクション装置79を起動した場合には、廃棄物回収容器90から分級部30に向かう気流(廃棄物を逆流させる気流)が発生する可能性があり、サクション装置79を停止した状態で排気ブロア88を起動した場合には、微粉回収容器92からほぐし部60に向かう気流(微粉を逆流させる気流)が発生する可能性がある。そこで、このような状況にならないように、排気ブロア88とサクション装置79を同時に起動するように制御する。なお、排気ブロア88とサクション装置79を厳密に同時に起動させる必要はなく、排気ブロア88とサクション装置79のうち一方を起動したときの気流の影響が他方に影響を及ぼす前までに当該他方を起動すればよい。ここで、「影響を及ぼす」とは、廃棄物や微粉が逆流するほどの気流が発生することをいう。排気ブロア88とサクション装置79はある程度離れて位置し、また、起動直後に気流が最大に達するものではないため、両者の起動タイミングの多少のずれは許容される。

制御部110は、排気ブロア88が起動した後、第2のドライバー112に制御信号を出力して、解繊後ブロア87を起動させる(ステップS12)。ここで、制御部110は、排気ブロア88が安定的に動き出した後に、解繊後ブロア87を起動させる。なお、「安定的に動きだす」とは、モーターが定常状態となったことをいう。例えば、第3のドライバー113が、排気ブロア88のモーターの回転速度を検出して、当該回転速度が所定値(定常状態での回転速度)に達した場合に所定の信号を制御部110に出力するように構成されている場合には、制御部110は、第3のドライバー113から当該所定の信号を受信した場合に、排気ブロア88が安定的に動き出したと判定して、解繊後ブロア87を起動させる。

解繊後ブロア87を解繊部20よりも先に起動することで、解繊部20内に材料が残っている場合に、解繊部20の起動時の負荷を低減することができる。すなわち、解繊部20内に材料が残っていると、解繊部20の起動時に負荷となり、起動時の負荷が大きい場合には始動トルクが足りずに起動できない可能性がある。

制御部110は、解繊後ブロア87が安定的に動き出した後、第1のドライバー111に制御信号を出力して、解繊部20を起動させる(ステップS14)。なお、解繊後ブロア87が安定的に動き出した後、解繊部20内の材料を除去するために、数秒程度待機した後に、解繊部20を起動させてもよい。

制御部110は、サクション装置79が安定的に動き出した後、第4のドライバー114に制御信号を出力して、搬送ブロア89を起動させる(ステップS16)。なお、排気ブロア88とサクション装置79の両者が安定的に動き出した後に搬送ブロア89を起動させてもよい。搬送ブロア89は、排気ブロア88が発生する気流と逆方向の気流を発生するものであるから、排気ブロア88を搬送ブロア89よりも先に起動することで、廃棄物回収容器90から廃棄物が逆流することを防止することができる。制御部110は、解繊部20が安定的に動き出した後、第6のドライバー116に制御信号を出力して、粗砕部10(供給部)を起動させる(ステップS18)。

図4は、第1の実施例における停止制御の流れを示すフローチャート図である。

第1の実施例における装置停止時(製造停止時)には、まず、制御部110は、第6のドライバー116に制御信号を出力して、粗砕部10(供給部)を停止させる(ステップS24)。解繊部20内に材料が残っていると、解繊部20の次回の起動時の負荷となる。そのため、まず、粗砕部10を停止させることで、解繊部20への材料の供給を停止し、解繊部20において解繊が進むことを抑制している。

次に、制御部110は、第1のドライバー111と第4のドライバー114に制御信号を出力して、解繊部20、搬送ブロア89を停止させる(ステップS26、S27)。ここで、制御部110は、解繊部20内に溜まっている材料(残留物)を排出できる所定の時間だけ解繊部20を回転駆動させた後に、解繊部20を停止させる。なお、「残留物を排出」とは、解繊部20の回転駆動により排出可能な分を排出することをいい、解繊部20内の残留物を残らす排出することではない。装置停止時に、解繊部20内の残留物を排出することで、解繊部20の次回の起動時の負荷を低減することができる。

制御部110は、解繊部20が停止した後、第2のドライバー112に制御信号を出力して、解繊後ブロア87を停止させる(ステップS28)。

制御部110は、解繊後ブロア87が停止した後、第3のドライバー113に制御信号を出力して、排気ブロア88を停止させ、また、搬送ブロア89が停止した後、第5のドライバー115に制御信号を出力して、サクション装置79を停止させる(ステップS30)。排気ブロア88を最後に停止することで、廃棄物回収容器90から分級部30に向かう気流を発生させずに、廃棄物回収容器90から廃棄物が逆流することを防止することができる。また、サクション装置79を最後に停止することで、微粉回収容器92からほぐし部60に向かう気流を発生させずに、微粉回収容器92から微粉が逆流することを防止することができ、また、残留する微粉を最後まで回収することができる。なお、排気ブロア88とサクション装置79を同時に停止することが望ましいが、排気ブロア88とサクション装置79のうち一方を停止したときの気流の影響が他方に影響を及ぼす前までに当該他方を停止すればよい。

2−2.第2の実施例 図5は、第2の実施例における起動制御の流れを示すフローチャート図である。

排気ブロア88とサクション装置79との間の配管及び装置に大気開放部が存在せず、且つ、排気ブロア88が発生する気流の風量と搬送ブロア89及びサクション装置79が発生する気流の風量との間に大きな差がある場合には、互いの気流が干渉する可能性がある。例えば、排気ブロア88、サクション装置79が起動した後に、搬送ブロア89を起動した場合において、排気ブロア88が発生する気流の風量よりも、搬送ブロア89及びサクション装置79が発生する気流の風量の方が大幅に大きい場合には、廃棄物回収容器90から分級部30に向かう気流が発生する可能性がある。第2の実施例では、このような状況にならないように、搬送ブロア89よりも先に解繊後ブロア87と解繊部20を起動する。解繊後ブロア87と解繊部20の上流側にはホッパー15が接続しており、大気開放状態となっているため、解繊後ブロア87と解繊部20を起動しても、廃棄物回収容器90から分級部30に向かう気流は発生しない。

すなわち、第2の実施例における装置起動時には、まず、制御部110は、排気ブロア88、サクション装置79を起動させ(ステップS32)、排気ブロア88、サクション装置79が安定的に動き出した後に、解繊後ブロア87を起動させ(ステップS34)、解繊後ブロア87が安定的に動き出した後に、解繊部20を起動させ(ステップS36)、解繊部20が安定的に動き出した後に、搬送ブロア89を起動させる(ステップS38)。その後、制御部110は、第6のドライバー116に制御信号を出力して、粗砕部10(供給部)を起動させる(ステップS40)。

図6は、第2の実施例における停止制御の流れを示すフローチャート図である。

第2の実施例における装置停止時では、装置起動時とは逆に、搬送ブロア89を解繊後ブロア87と解繊部20よりも先に停止する。まず、制御部110は、粗砕部10(供給部)を停止させ(ステップS46)、次に搬送ブロア89を停止させ(ステップS48)、搬送ブロア89が停止した後に、解繊部20を停止させ(ステップS50)、解繊部20が停止した後に、解繊後ブロア87を停止させる(ステップS52)。図6のステップS54は、図4のステップS30と同様であるから、説明を省略する。

2−3.第3の実施例 図7は、第3の実施例における起動制御の流れを示すフローチャート図である。

装置起動前に配管経路内に微粉が残っている場合等を考慮すると、微粉回収容器92から近い部分から順に起動していく制御が考えられる。微粉回収容器92から近い部分から微粉を回収していくことで、配管を詰まらせることなく配管に残留した微粉を除去することができる。例えば、搬送ブロア89が停止した状態で、解繊後ブロア87と解繊部20を起動すると、微粉等が搬送ブロア89の上流側で滞留してしまい、配管詰まりを起こす可能性がある。そこで、第3の実施例では、このような状況にならないように、搬送ブロア89を解繊後ブロア87と解繊部20よりも先に起動する。

すなわち、第3の実施例における装置起動時には、まず、制御部110は、排気ブロア88、サクション装置79を起動させ(ステップS56)、排気ブロア88、サクション装置79が安定的に動き出した後に、搬送ブロア89を起動させ(ステップS58)、搬送ブロア89が安定的に動き出した後に、解繊後ブロア87を起動させ(ステップS60)、解繊後ブロア87が安定的に動き出した後に、解繊部20を起動させる(ステップS62)。その後、制御部110は、第6のドライバー116に制御信号を出力して、粗砕部10(供給部)を起動させる(ステップS64)。

図8は、第3の実施例における停止制御の流れを示すフローチャート図である。

第3の実施例における装置停止時では、装置起動時とは逆に、搬送ブロア89よりも先に解繊後ブロア87と解繊部20を停止する。まず、制御部110は、粗砕部10(供給部)を停止させ(ステップS70)、次に解繊部20を停止させ(ステップS72)、解繊部20が停止した後に、解繊後ブロア87を停止させ(ステップS74)、解繊後ブロア87が停止した後に、搬送ブロア89を停止させる(ステップS76)。図8のステップS78は、図4のステップS30と同様であるから、説明を省略する。

3.変形例 本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成(機能、方法及び結果が同一の構成、あるいは目的及び効果が同一の構成)を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。

なお、シート製造装置100によって製造されるシートは、シート状にしたものを主に指す。しかしシート状のものに限定されず、ボード状、ウェブ状であってもよい。本明細書におけるシートは、紙と不織布に分けられる。紙は、パルプや古紙を原料とし薄いシート状に成形した態様などを含み、筆記や印刷を目的とした記録紙や、壁紙、包装紙、色紙、画用紙、ケント紙などを含む。不織布は紙より厚いものや低強度のもので、一般的な不織布、繊維ボード、ティッシュペーパー、キッチンペーパー、クリーナー、フィルター、液体吸収材、吸音体、緩衝材、マットなどを含む。なお、原料としてはセルロースなどの植物繊維やPET(ポリエチレンテレフタレート)、ポリエステルなどの化学繊維や羊毛、絹などの動物繊維であってもよい。

図3、図5、図7の各起動制御による気流制御の後に、選別部40、ほぐし部60を起動してもよい。また、図4、図6、図8の各停止制御の前に、選別部40、ほぐし部60を停止してもよい。

また、堆積部72に堆積された堆積物に、水分を噴霧添加するための水分噴霧器が設けられていてもよい。これにより、シートPを成形した際の水素結合の強度を高くすることができる。水分の噴霧添加は、ヒーターローラー76を通過する前の堆積物に対して行われる。水分噴霧器で噴霧する水分には、澱粉やPVA(ポリビニルアルコール)等が添加されていてもよい。これにより、さらにシートPの強度を高くすることができる。

また、上記の例では、シートPが巻き取りローラー78において巻き取られる形態について説明したが、シートPは、図示せぬ裁断機によって所望のサイズにカットされ、スタッカーなどに積載されてもよい。

シート製造装置100には、粗砕部10は無くても良い。例えば、既存のシュレッダーなどで粗砕したものを原料とするなら粗砕部10は不要となる。

戻り流路としての第5搬送部85は無くてもよい。残留物を解繊部20に戻さずに、回収して廃棄してもよい。また、残留物が出ないような性能の解繊部20であれば、第5搬送部85は不要となる。

本願において、「繊維物を堆積して堆積物を生成する」及び「繊維物を用いてシートを成形する」における「繊維物」は、分級部30で分級した繊維物の全てであってもよいし、分級部30で分級した繊維物の一部(選別部40を通過する通過物)であってもよいし、また、樹脂等が添加された繊維物を含むものとする。

10 粗砕部(供給部)、11 粗砕刃、15 ホッパー、16 ホッパー、20 解繊部、21 導入口、22 排出口、30 分級部、31 導入口、34 下部排出口、35 上部排出口、40 選別部、46 導入口、47 排出口、50 樹脂供給部、51 供給口、60 ほぐし部、66 導入口、70 成形部、72 堆積部、74 張架ローラー、76 ヒーターローラー、77 テンションローラー、78 巻き取りローラー、79 サクション装置(吸引部)、81 第1搬送部、82 第2搬送部、83 第3搬送部、84 第4搬送部、85 第5搬送部、86 第6搬送部、87 解繊後ブロア、88 排気ブロア、89 搬送ブロア、90 廃棄物回収容器、92 微粉回収容器、100 シート製造装置、110 制御部、111 第1のドライバー、112 第2のドライバー、113 第3のドライバー、114 第4のドライバー、115 第5のドライバー、116 第6のドライバー、120 操作部

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