シート製造装置、シート製造方法

申请号 JP2013207968 申请日 2013-10-03 公开(公告)号 JP2015071842A 公开(公告)日 2015-04-16
申请人 セイコーエプソン株式会社; 发明人 五味 克仁;
摘要 【課題】耐久性を有するシート製造装置を提供する。 【解決手段】繊維と樹脂とを含むウエブを形成するウエブ成形部と、前記ウエブを加圧する第1加圧部と第2加圧部と、を備えるシート製造装置であって、前記第1加圧部は離型層を有し、前記第2加圧部よりも前記ウエブの搬送方向の上流側に 位置 し、前記ウエブを加熱し、前記ウエブの搬送方向において前記第1加圧部よりも下流側に位置する前記第2加圧部は離型層を有さず、前記ウエブを加熱せず、前記第1加圧部の圧 力 は、前記第2加圧部の圧力より小さい。 【選択図】図2
权利要求

繊維と樹脂とを含むウエブを形成するウエブ成形部と、前記ウエブを加圧する第1加圧部と第2加圧部と、を備えるシート製造装置であって、 前記第1加圧部は離型層を有し、前記第2加圧部よりも前記ウエブの搬送方向の上流側に位置し、前記ウエブを加熱し、 前記ウエブの搬送方向において前記第1加圧部よりも下流側に位置する前記第2加圧部は離型層を有さず、前記ウエブを加熱せず、 前記第1加圧部の圧は、前記第2加圧部の圧力より小さいことを特徴とするシート製造装置。請求項1に記載のシート製造装置において、 前記第1加圧部は一対の加熱ローラーを前記ウエブの搬送方向に複数有し、上流側の加熱ローラーの前記ウエブに対する圧力より下流側の加熱ローラーの前記ウエブに対する圧力の方が大きいことを特徴とするシート製造装置。請求項1または請求項2に記載のシート製造装置において、 前記離型層は、フッ素を含む層であることを特徴とするシート製造装置。請求項1から請求項3の何れか一項に記載のシート製造装置において、 前記第1加圧部よりも前記搬送方向の上流側に前記ウエブを切断する切断部を有することを特徴とするシート製造装置。ウエブ形成部にて繊維と樹脂とを含むウエブを形成し、 形成された前記ウエブを、離型層を有する第1加圧部で加熱するとともに加圧し、 前記第1加圧部で加熱された前記ウエブを、離型層を有しない第2加圧部で、加熱せず前記第1加圧部の圧力より大きい圧力で加圧することを特徴とするシート製造方法。請求項5に記載のシート製造方法において、 前記ウエブを、前記第2加圧部の雰囲気温度より高い温度で前記第2加圧部を通過させることを特徴とするシート製造方法。

说明书全文

本発明は、シート製造装置、シート製造方法に関する。

従来、パルプ繊維に添料や補強材を加えた搬送物を網上に供給し、ポリマーエマルジョンをバインダーとして噴霧した後にヒーティングロール間を通過させシートを形成するシート製造装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。

特公昭53−38785号公報

ところで、搬送物を加熱加圧した際、搬送物が加熱加圧部に貼り付いてしまう課題がある。これは、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂などの樹脂が加熱により溶けたり硬化し、さらに加圧されることで、加熱加圧部に張り付いてしまうためである。その対策として、加熱加圧部の搬送物に接触する箇所に離型層を設け、加熱加圧部と搬送物との離型性を高める構成が考えられる。しかしながら、搬送物に接触するような加熱部では、加熱と同時に加圧もしている。このような離型層は高圧に対して耐久性が低いため、高圧下で搬送物の加熱加圧を繰り返して行うと、離型層が損傷してしまう、という課題がある。

本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。

[適用例1]本適用例にかかるシート製造装置は、繊維と樹脂とを含むウエブを形成するウエブ成形部と、前記ウエブを加圧する第1加圧部と第2加圧部と、を備えるシート製造装置であって、前記第1加圧部は離型層を有し、前記第2加圧部よりも前記ウエブの搬送方向の上流側に位置し、前記ウエブを加熱し、前記ウエブの搬送方向において前記第1加圧部よりも下流側に位置する前記第2加圧部は離型層を有さず、前記ウエブを加熱せず、前記第1加圧部の圧は、前記第2加圧部の圧力より小さいことを特徴とする。

この構成によれば、まず、ウエブは、上流側に配置された第1加圧部によって加圧され、次いで、下流側に配置された第2加圧部によって加圧される。ここで、第1加圧部は、加熱しながら加圧する。また、第1加圧部は離型層を有することで、ウエブを加熱加圧してもウエブが第1加圧部に貼り付かせずに搬送可能となる。さらに、第1加圧部におけるウエブに対する圧力は、第2加圧部の圧力より小さいため、離型層の耐久性は良くなる。そして、第1加圧部よりも下流側の第2加圧部における圧力を大きくし、第1加圧部による圧力不足を補う。また、第2加圧部を非加熱とすることでウエブが張り付かないので離型層を無くすことができる。離形層がないので高圧力に耐えることができる。なお、第1加圧部、第2加圧部ともウエブに加圧をしているので、ウエブと接触しているとも言える。

[適用例2]上記適用例にかかるシート製造装置では、前記第1加圧部は一対の加熱ローラーを前記ウエブの搬送方向に複数有し、上流側の加熱ローラーの前記ウエブに対する圧力より下流側の加熱ローラーの前記ウエブに対する圧力の方が大きいことを特徴とする。

この構成によれば、上流側の加圧ローラーの圧力よりも下流側の加圧ローラーの圧力の方が高いので、ウエブを複数回に渡って徐々に加圧加熱することでウエブの伸びを抑えることができる。

[適用例3]上記適用例にかかるシート製造装置の前記離型層は、フッ素を含む層であることを特徴とする。

この構成によれば、フッ素を含むことで容易にウエブと貼り付かない離型層を構成することができる。

[適用例4]上記適用例にかかるシート製造装置では、前記第1加圧部よりも前記搬送方向の上流側に前記ウエブを切断する切断部を有することを特徴とする。

ウエブの先端部分は、押さえられていないため、加熱加圧部に巻き付きやすい。切断部により連続状のウエブが枚葉状のウエブとなる構成では各枚葉で先端部が発生するので、このような構成において特に効果を発揮する。

[適用例5]本適用例にかかるシート製造方法は、ウエブ形成部にて繊維と樹脂とを含むウエブを形成し、形成された前記ウエブを、離型層を有する第1加圧部で加熱するとともに加圧し、前記第1加圧部で加熱された前記ウエブを、離型層を有しない第2加圧部で、加熱せず前記第1加圧部の圧力より大きい圧力で加圧することを特徴とする。

この構成によれば、まず、ウエブは、上流側に配置された第1加圧部によって加圧され、次いで、下流側に配置された第2加圧部によって加圧される。ここで、第1加圧部は、加熱しながら加圧する。また、第1加圧部は離型層を有することで、ウエブを加熱加圧してもウエブが第1加圧部に貼り付かせずに搬送可能となる。さらに、第1加圧部におけるウエブに対する圧力は、第2加圧部の圧力より小さいため、離型層の耐久性は良くなる。そして、第1加圧部よりも下流側の第2加圧部における圧力を大きくし、第1加圧部による圧力不足を補う。また、第2加圧部を非加熱とすることでウエブが張り付かないので離型層を無くすことができる。離形層がないので高圧力に耐えることができる。

[適用例6]上記適用例にかかるシート製造方法では、前記ウエブを、前記第2加圧部の雰囲気温度より高い温度で前記第2加圧部を通過させることを特徴とする。

この構成によれば、第1加圧部によってウエブの温度がある程度高い状態で残っていて、樹脂が溶融している状態で非加熱の第2加圧部を通すことにより、ウエブを冷却して樹脂と繊維とを確実に結着させるとともに加圧してウエブを薄くすることができる。

シート製造装置の構成を示す概略図。

シート製造装置の一部構成を示す概略図。

以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の各図においては、各部材等を認識可能な程度の大きさにするため、各部材等の尺度を実際とは異ならせて示している。

まず、シート製造装置の構成について説明する。シート製造装置は、例えば、純パルプシートや古紙などの原料(被解繊物)Puを新たなシートPrに形成する技術に基づくものである。本実施形態にかかるシート製造装置は、繊維と樹脂とを含むウエブを形成するウエブ成形部と、ウエブを加圧する複数の加圧部と、を備えるシート製造装置であって、ウエブの搬送方向の上流側における第1加圧部は離型層を有し、ウエブを加熱し、ウエブの搬送方向の下流側における第2加圧部は離型層を有さず、ウエブを加熱せず、第1加圧部の圧力は、第2加圧部の圧力より小さくなるように構成されたものである。また、本実施形態にかかるシート製造方法は、ウエブ形成部にて繊維と樹脂とを含むウエブを形成し、形成されたウエブを、離型層を有する第1加圧部で加熱するとともに加圧し、第1加圧部で加熱されたウエブを、離型層を有しない第2加圧部で、加熱せず第1加圧部の圧力より大きい圧力で加圧するものである。なお、本実施形態にかかるウエブとは、繊維と樹脂とを含む物体の構成形態を言う。従って、ウエブの加熱時や加圧時や切断時や搬送時等において寸法等の形態が変化した場合であってもウエブとして示している。以下、具体的にシート製造装置の構成について説明する。

図1は、本実施形態にかかるシート製造装置の構成を示す概略図であり、図2は本実施形態にかかるシート製造装置の一部構成を示す概略図である。図1に示すように、シート製造装置1は、供給部10と、粗砕部20と、解繊部30と、分級部40と、受け部50と、添加物投入部60と、ウエブ成形部70と、搬送部100と、複数の加圧部120等を備えている。さらに、本実施形態では、切断部110等を備えている。

供給部10は、粗砕部20に古紙Puを供給するものである。供給部10は、例えば、複数枚の古紙Puを重ねて貯めておくトレー11と、トレー11中の古紙Puを粗砕部20に連続して投入可能な自動送り機構12等を備えている。シート製造装置1に供給する古紙Puとしては、例えば、オフィスで現在主流となっているA4サイズの用紙等である。

粗砕部20は、供給された古紙Puを数センチメートルの紙片に裁断するものである。粗砕部20では、粗砕刃21を備え、通常のシュレッダーの刃の切断幅を広げたような装置を構成している。これにより、供給された古紙Puを容易に紙片に裁断することができる。そして、分断された粗砕紙は、配管201を介して解繊部30に供給される。

解繊部30は、回転する回転刃(図示せず)を備え、粗砕部20から供給された粗砕紙を繊維状に解きほぐす解繊をするものである。なお、本実施形態の解繊部30は、空気中で乾式で解繊を行うものである。解繊部30の解繊処理により、印刷されたインクやトナー、にじみ防止材等の紙への塗工材料等は、数十μm以下の粒となって繊維と分離する(以下、「インク粒」という)。したがって、解繊部30から出る解繊物は、紙片の解繊により得られる繊維とインク粒である。そして、回転刃の回転によって気流が発生する機構となっており、配管202を介して解繊された繊維はこの気流に乗って分級部40に搬送される。なお、風発生機構を備えていない乾式の解繊部30を用いる場合には、粗砕部20から解繊部30に向けて気流を発生させる気流発生装置を別途設けるようにすればよい。

分級部40は、解繊物をインク粒と繊維とに分級するものである。本実施形態では、分級部40としてのサイクロン(以下、分級部としてのサイクロン40として説明する)を適用し、搬送された繊維をインク粒と脱墨繊維(脱墨解繊物)とに気流分級する。なお、サイクロン40に替えて他の種類の気流式分級器を利用してもよい。この場合、サイクロン40以外の気流式分級器としては、例えば、エルボージェットやエディクラシファイヤー等が用いられる。気流式分級器は旋回気流を発生させ、解繊物のサイズと密度により受ける遠心力の差によって分離、分級するもので、気流の速度、遠心力の調整により、分級点を調整することができる。これにより比較的小さく密度の低いインク粒と、インク粒より大きく密度の高い繊維とに分けられる。繊維からインク粒を除去することを脱墨と言う。

なお、サイクロン40は、接線入力方式のサイクロンが比較的簡便な構造である。本実施形態のサイクロン40は、解繊部30から導入される導入口40aと、導入口40aが接線方向についた円筒部41と、円筒部41の下部に続く円錐部42と、円錐部42の下部に設けられる下部取出口40bと、円筒部41の上部中央に設けられる微粉排出のための上部排気口40cとから構成される。円錐部42は鉛直方向下方にむかって径が小さくなる。

分級処理において、サイクロン40の導入口40aから導入された解繊物をのせた気流は、円筒部41で円周運動に変わり、遠心力がかかり、気流との相乗効果で、繊維は絡み合い大きくなり、逆円錐部42へと移動する。また、分離されたインク粒は空気とともに微粉として上部排気口40cへ導出され、脱墨が進行する。そして、サイクロン40の上部排気口40cからインク粒が多量に含まれた短繊維混合物が排出される。そして、排出されたインク粒が多量に含まれる短繊維混合物は、サイクロン40の上部排気口40cに接続された配管203を介して受け部50に回収される。一方、サイクロン40の下部取出口40bから配管204を介してウエブ成形部70に向けて脱墨された繊維が搬送される。なお、上部排気口40cから吸引してもよい。

また、脱墨された繊維がサイクロン40からウエブ成形部70に搬送される配管204の途中には、搬送される脱墨繊維に対して樹脂(例えば、融着樹脂あるいは熱硬化性樹脂)等の添加物を添加する添加物投入部60が設けられている。なお、添加物としては、融着樹脂の他、例えば、難燃剤、着色剤、シート力増強剤やサイズ剤等を投入することも可能である。これらの添加物は、添加物貯留部61に貯留され、図示しない投入機構によって投入口62から投入される。

ウエブ成形部70は、配管204から投入された繊維と樹脂とを含むウエブを形成するものである。ウエブ成形部70は、繊維を空気中に均一に分散させる機構と、分散された繊維をメッシュベルト73上に堆積する機構を有している。

まず、繊維を空気中に均一に分散させる機構として、ウエブ成形部70には、繊維及び樹脂が内部に投入されるフォーミングドラム71が配置されている。そして、フォーミングドラム71を回転駆動させることにより繊維中に樹脂(添加剤)を均一に混ぜることができる。フォーミングドラム71の表面には複数の小孔を有するスクリーンが設けられている。また、フォーミングドラム71の内部には、回転可能なニードルロールが設けられており、投入された繊維を浮かすようになっている。このような構成により、小孔を通過した繊維を空気中に均一に分散させることができる。

一方、フォーミングドラム71の下方には、張架ローラー72(本実施形態では、4つの張架ローラー72a〜72d)によって張架されるメッシュが形成されているエンドレスのメッシュベルト73が配されている。そして、張架ローラー72のうちの少なくとも1つが自転することで、このメッシュベルト73が一方向に移動するようになっている。

また、フォーミングドラム71の鉛直下方には、メッシュベルト73を介して、鉛直下方に向けた気流を発生させる吸引部としてのサクション装置75が設けられている。サクション装置75によって、空気中に分散された繊維をメッシュベルト73上に吸引することができる。

そして、絡み合った状態の繊維がサイクロン40からウエブ成形部70のフォーミングドラム71内に導入されると、繊維と樹脂とがニードルロール等でほぐされる。そして、ほぐされた繊維は、フォーミングドラム71の表面の小孔スクリーンを通過し、サクション装置75による吸引力によって、メッシュベルト73上に堆積される。このとき、メッシュベルト73を一方向に移動させることにより、繊維と樹脂を長尺状に堆積させたウエブWを形成することができる。フォーミングドラム71からの分散とメッシュベルト73の移動を連続的に行うことで、連続状のウエブWが成形される。なお、メッシュベルト73は金属製でも、樹脂製でも、不織布でもよく、繊維が堆積でき、気流を通過させることができれば、どのようなものでもあってもよい。なお、メッシュベルト73のメッシュの穴径が大きすぎるとメッシュの間に繊維が入り込み、ウエブ(シート)を成形したときの凸凹になり、一方、メッシュの穴径が小さすぎると、サクション装置75による安定した気流を形成しづらい。このため、メッシュの穴径は適宜調整することが好ましい。サクション装置75はメッシュベルト73の下に所望のサイズの窓を開けた密閉箱を形成し、窓以外から空気を吸引し箱内を外気より負圧にすることで構成できる。

メッシュベルト73上に成形されたウエブWは、搬送部100によって搬送される。本実施形態の搬送部100は、メッシュベルト73から最終的にシートPr(ウエブW)としてスタッカー160に投入されるまでの間のウエブWの搬送過程をいう。従って、メッシュベルト73の他、後述の搬送ベルト101や各種ローラー等は搬送部100の一部として機能する。具体的には、まず、搬送部100の一部であるメッシュベルト73上に成形されたウエブWは、メッシュベルト73の回転移動により、搬送方向(図中の矢印)に従って搬送される。次いで、ウエブWは、メッシュベルト73から張架ローラー106に張り架けられた搬送ベルト101に受け渡され、搬送方向(図中の矢印)に従って搬送される。

ウエブWの搬送方向における搬送ベルト101の下流側には、搬送されるウエブWの搬送方向と交差する方向にウエブWを切断する切断部としての第1切断部110が配置されている。第1切断部110は、カッターを備え、連続状のウエブWを所定の長さに設定された切断位置に従って枚葉状(シート状)に裁断する。これにより、ウエブWが連続状からシート状の形態となり、搬送方向におけるウエブWの長さ寸法が短くなるため、ウエブWの搬送にかかるスキュー等の発生を低減させることができる。

そして、第1切断部110よりウエブWの搬送方向の下流側には、複数の加圧部が配置されている。本実施形態では、複数の加圧部として、第1加圧部120と第2加圧部150とが配置されている。そして、ウエブWの搬送方向において上流側に第1加圧部120が配置され、下流側に第2加圧部150が配置されている。

第1加圧部120は、離型層を有し、ウエブWを加熱するものである。そして、ウエブWに含まれる繊維同士を樹脂を介して結着させるものである。本実施形態の第1加圧部120は、一対の加熱ローラー121をウエブWの搬送方向に複数有している。具体的には、第1加圧部120は、第1加熱部120aと第2加熱部120bとで構成されている。そして、ウエブWの搬送方向において上流側に第1加熱部120aが配置され、下流側に第2加熱部120bが配置されている。

そして、図2に示すように、第1加熱部120a及び第2加熱部120bのそれぞれには、一対の加熱ローラー121が備えられている。加熱ローラー121は、例えば、アルミニウム、鉄、ステンレス等の金属製芯金125を備え、その中心部にはヒーター等の加熱部材126が設けられている。そして、当該一対の加熱ローラー121間にウエブWを通過させることにより、搬送されるウエブWに対して加熱加圧することができる。そして、ウエブWは一対の加熱ローラー121によって加熱加圧されることで、樹脂が溶けて繊維と絡みやすくなるとともに繊維間隔が短くなり繊維間の接触点が増加する。これにより、密度が高まってウエブWとしての強度が向上する。さらに、本実施形態では、2か所に第1及び第2加熱部120a,120bを設けることにより、加熱加圧する時間を十分に確保することが可能となり、ウエブWの強度を確実に向上させることができる。さらに、ウエブWの搬送方向において上流側に配置された第1加熱部120aの加熱ローラー121のウエブWに対する圧力より下流側の第2加熱部120bの加熱ローラー121のウエブWに対する圧力の方が大きくなるように設定されている。これにより、ウエブWに対する圧力が徐々に大きくなるため、加圧によるウエブWの伸びが抑えられ、ウエブWの搬送を円滑に行うことができる。また、加熱部120を加熱ローラー121として構成したことにより、加熱部120を板状のプレス装置として構成した場合に比べてウエブを連続的に搬送しながらシートを成形することができる。板状のプレス装置を用いた場合、プレスをしている間、搬送するウエブを一時的にたるませておくバッファー部が必要となる。つまり、加熱ローラー121を用いた方が、シート製造装置1全体の構成を小型化することができる。

また、加熱ローラー121は離型層127を有している。具体的には、金属製芯金125の外周面に離型層127が設けられている。離型層127としては、PFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)やPTFE(ポリテトラフルオロエチレン(4フッ化))等のフッ素を含む層であり、例えばチューブ等を適用することが可能であり、このフッ素含有チューブが金属製芯金125の外周に設けられている。なお、金属製芯金125の外周面にPTFE等のフッ素コーティングを施すことにより離型層127を形成してもよい。このように構成したことにより、加熱ローラー121でウエブWを加熱加圧する際、ウエブWと加熱ローラー121の離型層127とが接触するため、ウエブWが加熱ローラー121に貼り付くことなく円滑にウエブWを搬送させることができる。また、金属製芯金125と離型層127の間にシリコーンゴムやフッ素ゴムによる弾性層が設けられていても良い。弾性層を設けることで加熱ローラー121同士が圧接する部分の搬送方向成分の幅(ニップ幅)が増加し、効率良く加熱ローラーの熱をウエブWに伝える事が可能となる。

第2加圧部150は、第1加圧部120(第1及び第2加熱部120a,120b)のウエブWの搬送方向の下流側に配置される。第2加圧部150は、離型層を有さず、ウエブWを加熱しない部である。第2加圧部150はヒーター等の加熱部が設けられていない。すなわち、本実施形態の第2加圧部150は冷却部である(以下、第2加圧部としての冷却部150として説明する)。本実施形態の冷却部150は、一対の冷却ローラー151を備えている。従って、冷却部150は、ウエブWを冷却するとともに、ウエブWを加圧する。そして、冷却部150は、ウエブWの温度を下げるとともにウエブWの強度を向上させる機能を有する。冷却ローラー151は、例えば、アルミニウム、鉄、ステンレス等の中空の金属製芯金155と中空部にエアーを注入するエアー注入部とを備えた空冷機構を有する。これにより、第1及び第2加熱部120a,120bによって加熱されたウエブWに接したときに、加熱されたウエブWの温度以上に上がらないように構成されている。また、ウエブWを、第2加圧部としての冷却部150の雰囲気温度より高い温度で冷却部150を通過させる。冷却ローラー151とウエブWとの接触により、ウエブWの熱が冷却ローラー151を介して放熱され、ウエブWの温度が常温近傍になるように構成されている。これにより、ウエブWが冷却され、溶けた樹脂が冷えて固まることで繊維同士が樹脂を介して確実に結着される。なお、冷却部150は、本実施形態の空冷方式に限定されず、放熱がきちんと行えれば、冷やさなくてもよい。また、冷やす場合は、例えば、冷方式であってもよい。また、冷却ローラー151の表面には無電解ニッケルメッキなどの防錆処理が施されていても良い。

上記のように、本実施形態では、第1加圧部120と第2加圧部150(冷却部150)とが備えられているが、ここで、第1加圧部120の圧力は、第2加圧部150(冷却部150)の圧力より小さくなるように設定されている。本実施形態では、第1加熱部120aと第2加熱部120bと冷却部150のうち、冷却部150における圧力が最も大きく、次いで第2加熱部120bが大きく、第1加熱部120aが最も圧力が小さい。このように構成することにより、第1加圧部120(第1及び第2加熱部120a,120b)では、冷却部150に比べ圧力が小さいので、ウエブWを加熱加圧した際、ウエブWを第1及び第2加熱部120a,120bの加熱ローラー121に貼り付かせずに搬送させることができる。一方、冷却部150では、加圧力を大きくし、また非加熱とすることで、第1及び第2加熱部120a,120bによる圧力不足を補うことができる。また、冷却部150では、加熱しないので離型層を無くすことが可能となり、高圧力に耐えることができる。

冷却部150よりも搬送方向の下流側に、ウエブWの搬送方向に沿ってウエブWを切断する第2切断部130が配置されている。第2切断部130は、カッターを備え、ウエブWの搬送方向における所定の切断位置に従って裁断(切断)する。これにより、所望するサイズのシートPr(ウエブW)が形成される。そして、切断されたシートPr(ウエブW)はスタッカー160等に積載される。

以上、上記実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。

ウエブ成形部70によって形成されたウエブWは、第1切断部110によってシート状に切断され、その後、まず、第1加熱部120aによって加熱加圧され、その後、第2加熱部120bによって加熱加圧され、次いで、冷却部150によって加圧される。ここで、第1及び第2加熱部120a,120bでは、冷却部150の圧力よりも小さくなるように設定されている。また、第1及び第2加熱部120a,120bの加熱ローラー121のそれぞれの表面は離型層127が形成されているので、ウエブWを加熱ローラー121に貼り付かせずに搬送できる。また、比較的加圧が小さいで離型層127への負荷を低減させることができる。そして、冷却部150における圧力を大きくし、非加熱とすることで、第1及び第2加熱部120a,120bによる圧力不足を補うことができる。また、冷却部150では離型層を有しないため、高圧力に耐えることができる。

なお、本実施形態にかかるシートとは、繊維を原料とし、シート状にしたものを主に言う。しかし、そのようなものに限らず、ボード状やウエブ状(や凸凹を有する形状で)あってもよい。また、原料としてはセルロースなどの植物繊維やPET(ポリエチレンテレフタレート)、ポリエステルなどの化学繊維や羊毛、絹などの動物繊維であってもよい。本願においてシートとは、紙と不織布に分かれる。紙は、純パルプや古紙を原料とし薄いシート状にした態様などを含み筆記や印刷を目的とした記録紙や、壁紙、包装紙、色紙、ケント紙などを含む。不織布は紙より厚いものや低強度のもので、不織布、繊維ボード、ティッシュペーパー、キッチンペーパー、クリーナー、フィルター、液体吸収材、吸音体、緩衝材、マットなどを含む。

本発明は上述した実施形態に限定されず、上述した実施形態に種々の変更や改良などを加えることが可能である。変形例を以下に述べる。

(変形例1)上記実施形態では、搬送部100の搬送ベルト101の下流側に第1切断部110を配置する構成としたが、この構成に限定されない。例えば、第1切断部110のウエブWの搬送方向の上流側にウエブWを第1及び第2加熱部120a,120bよりも低温または低荷重でウエブWを予備的に加熱する予備加熱部を配置してもよい。この場合、予備加熱部は、一対の加熱加圧ローラーを備えた構成とすることができる。加熱加圧ローラーの回転軸中心部にはヒーター等の加熱部材が設けられ、当該一対の加熱加圧ローラー間にウエブWを通過させることにより、搬送されるウエブWを加熱加圧することができる。これにより、ウエブWの強度が増加する。そして、予備加熱部を通過したウエブWは第1切断部110によって切断される。すなわち、強度を持たせた状態のウエブWを切断することが可能となるので、切断時にウエブWの崩れ等が抑制され、正確にウエブWを切断することができる。

(変形例2)上記実施形態では、第1加圧部120として第1及び第2加熱部120a,120bを配置した構成としたが、この構成に限定されない。例えば、第1加熱部120aのみ配置した構成であってもよいし、さらに、3つ以上の第1加圧部120を配置した構成としてもよい。この場合、製造するウエブW(シートPr)の厚み、材質等に応じて、適宜設定すればよい。このようにすれば、効率よくシートPr(ウエブW)を製造(成形)することができる。

(変形例3)上記実施形態では、第1加圧部120及び第2加圧部150を一対のローラーの形態で構成したが、この構成に限定されない。例えば、平板のプレス機の構成であってもよい。このようにしても、上記同様の効果を得ることができる。

(変形例4)上記実施形態では、第1加熱部120aの上流側に第1切断部110を配置したが、この構成に限定されない。例えば、冷却部150の下流側に第1切断部110を配置してもよい。この場合、冷却部150の下流側に第1切断部110を配置し、第1切断部110の下流側に第2切断部130を配置する。このようにすれば、ウエブWが加熱加圧及び冷却後に切断されるので、ウエブW(シートPr)の寸法精度を高めることができる。また、第1加熱部120aと第2加熱部120bとの間に第1切断部110を配置してもよい。このようにすれば、第1加熱部120aによってウエブWの強度が向上し、その状態でウエブWが切断されるので、切断時にウエブWの崩れ等が抑制され、正確にウエブWを切断することができる。

(変形例5)上記実施形態では、乾式によるウエブを形成する装置として記載したが、この構成に限定されない。湿式によりウエブを形成し、最後に加熱加圧をする部分を本願のようにしてもよい。

1…シート製造装置、10…供給部、20…粗砕部、30…解繊部、40…分級部、50…受け部、60…添加物投入部、70…ウエブ成形部、73…メッシュベルト、75…サクション装置、100…搬送部、101…搬送ベルト、110…切断部、120…第1加圧部、120a…第1加熱部、120b…第2加熱部、121…加熱ローラー、125…金属製芯金、126…加熱部材、127…離型層、130…第2切断部、150…第2加圧部としての冷却部、151…冷却ローラー、155…金属製芯金、160…スタッカー、Pu…古紙、W…ウエブ、Pr…シート。

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