Capillary dewatering method and apparatus |
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申请号 | JP51689496 | 申请日 | 1995-10-31 | 公开(公告)号 | JPH09511568A | 公开(公告)日 | 1997-11-18 |
申请人 | キンバリー クラーク ティッシュー カンパニー; | 发明人 | ケニス カウフマン; ロバート エイチ シーサー; ストロング シー チュアン; | ||||
摘要 | (57)【要約】 製紙工程においてペーパーウェブの 水 分を10〜32%乾燥の範囲から33〜50%乾燥の範囲に減少させる方法であって、初期の該ウェブ(14)をナックルスルードライファブリック上に支持し、該ナックルスルードライファブリックと毛管脱水ロールの毛管膜(12)との間で軽く圧搾する方法が開示される。 該毛管膜(12)は、細孔アスペクト比が約2〜約20の実質的にまっすぐな曲がっていない経路を有する毛管細孔を有する。 該毛管脱水ロール内に該毛管細孔の毛管吸引陰圧より大きくない 真空 が作られる。 | ||||||
权利要求 | 【特許請求の範囲】 1. ウェブ製造工程においてファイバーウェブの水分を減少させる方法であって、 (a)該ウェブを空気透過性織物上に支持する工程; (b)該空気透過性織物と毛管吸引員圧を誘起するように形成される細孔を有する毛管脱水ロールの毛管膜との間で該ウェブを軽く押圧する工程;及び (c)該毛管脱水ロール内に該毛管細孔の該毛管吸引員圧より大きくない真空を作る工程; を含む方法。 2. 該毛管細孔の直径が0.8〜10ミクロンの範囲である請求項1記載の方法。 3. 該毛管細孔の直径が2〜10ミクロンの範囲である請求項2記載の方法。 4. 前記空気透過性織物がナックルスルードライファブリックを含み、前記軽く押圧する工程が該ナックルスルードライファブリックのナックル面積で該ウェブを圧縮するだけである請求項1記載の方法。 5. 該毛管吸引員圧が下記C pより大きくないように工程(c)が行われる請求項1記載の方法。 (式中、σは水−空気−固体界面張力であり、θは水−空気−固体接触角であり、rは該毛管細孔の半径である。) 6. 製紙工程において連続多孔性ウエットウェブに含まれた液体の一部を該ウェブ全体を実質的に圧縮せずに除去する方法であって、 (a)ヘッドボックスからの紙料の噴流を成形用ファブリックに供給して初期のペーパーウェブを形成する工程; (b)初期の該ウェブが約6〜約32%乾燥の範囲となるように初期の該ウェブを真空脱水する工程; (c)該ウェブを該成形用ファブリックからオープンナックルトランスファファブリックに移送する工程; (d)該ウェブを該オープンナックルトランスファファブリックと、実質的にまっすぐで曲がっていず、細孔の細孔アスペクト比が約2〜約20である通路を有する毛管細孔を備えた、回転する毛管脱水ロールの毛管膜との間で軽く押圧する工程; (e)該毛管脱水ロール内に該毛管細孔の該毛管吸引員圧より大きくない真空を作る工程: を含み、なお、工程(b)と(c)は特定の順序でない方法。 7. 該毛管膜と接触させた該ウェブを実質的に少なくとも0.15秒間維持する工程: を更に含む請求項6記載の方法。 8. 該オープンナックルトランスファファブリックが、前記軽圧搾工程中に該ウェブを該ウェブの全表面積の35%を超えないで圧搾するナックルの突出しているパターンを有する請求項6記載の方法。 9. 該オープンナックルトランスファファブリックが、前記軽圧搾工程中に該ウェブを該ウェブの全表面積の25%を超えないで圧搾するナックルの突出しているパターンを有する請求項8記載の方法。 10. 該毛管脱水ロールの中の真空圧が実質的にすみずみまで同じであるように該毛管脱水ロールが扇形でないロールである請求項6記載の方法。 11. 該ウェブを該オープンナックルトランスファファブリック上に支持することを続けつつ、該ウェブを該毛管膜との接触からはずす工程; 該毛管膜に水を約100〜約900psiの圧力で噴霧して該毛管膜の表面を洗浄すると共に該毛管細孔内に捕捉された微粒子を該毛管細孔を介して該回転毛管脱水ロールの内部に流す工程: を更に含む請求項6記載の方法。 12. 該ウェブを約65〜約95%の乾燥まで完全乾燥する工程; 該ウェブをヤンキードライヤ表面に移送する工程;及び 該ウェブが約95〜約99%乾燥である場合に該ヤンキードライヤ表面からの該ウェブにクレープを付ける工程: を更に含む請求項6記載の方法。 13. 該ウェブが約33〜約43%乾燥である場合に該ウェブをヤンキードライヤ表面に移送する工程;及び 該ウェブが約95〜約99%乾燥である場合に該ヤンキードライヤ表面からの該ウェブにクレープを付ける工程: を更に含む請求項6記載の方法。 14. 該ウェブの乾燥を通気ドライヤで完了する工程を更に含む請求項6記載の方法。 15. 該ウェブの乾燥を表面高温ドライヤで完了する工程を更に含む請求項6記載の方法。 16. 該ウェブの乾燥をカンドライヤで完了する工程を更に含む請求項6記載の方法。 17. 製紙工程において多孔性ウエットウェブから該ウェブ全体を実質的に圧縮せずに水を除去する方法であって、 (a)該ウェブを実質的にまっすぐで曲がっていず細孔アスペクト比が約2 〜約20である経路を有する毛管細孔を有する回転中の毛管脱水ロールの毛管膜上に配置する工程; (b)該ウェブを該毛管膜から分離する工程;及び (c)該毛管膜に清浄液を噴霧して該毛管膜の表面を洗浄すると共に該毛管細孔内に捕捉された微粒子を該まっすぐな曲がっていない毛管細孔を介して該回転中の毛管脱水ロールの内部に流す工程: を含む方法。 18. 工程(c)が該毛管膜に水を約100〜約900psiの圧力で噴霧する工程を含む請求項17記載の方法。 19. クレープ紙製品の製造方法であって、 (a)ヘッドボックスからの紙料噴射を成形用ファブリックに供給して初期のペーパーウェブを形成する工程; (b)初期の該ウェブが約6〜約32%乾燥の範囲であるように初期の該ウェブを真空脱水する工程; (c)該ウェブを該成形用ファブリックから空気透過性織物に移送する工程; (d)該ウェブを該空気透過性織物と実質的にまっすぐで曲がっていず細孔アスペクト比が約2〜約20である通路を有する毛管細孔を備える回転中の毛管脱水ロールの毛管膜との間で軽く押圧する工程; (e)該ウェブを該毛管膜から分離する工程;及び (f)分離した該ウェブを従来のスルードライヤに最初に通過させずに該ウェブにクレープを付けるクレーピングドライヤに通過させ、もって、該クレープ紙製品をエネルギーのかなりの節約で製造する工程: を含み、なお、工程(b)と(c)は特定の順序でない方法。 20. 該毛管膜と接触させた該ウェブを実質的に少なくとも0.15秒間維持する工程: を更に含む請求項19記載の方法。 21. 成形用メッシュ上で初期のウェブを形成するための成形機構及び初期の該ウェブを乾燥したペーパーウェブに乾燥するための少なくとも1のスルードライヤを含む現存のペーパーウェブ製造設備の改良方法であって、 (a)少なくとも1のスルードライヤを取り除く工程; (b)前記取り除いたスルードライヤを、実質的にまっすぐな曲がっていない経路を有する毛管細孔を有し、その毛管細孔の細孔アスペクト比が約2〜約2 0である毛管膜を有するような回転毛管脱水ロールで置き換える工程;及び (c)ウェブを該毛管膜に軽く押圧する機構を取り付けて該ウェブに含まれた水と該毛管膜の該細孔内の水間の水圧接触を該ウェブ全体を圧縮せずに行わせ、もって、そのシステムが従来可能であると考えられたものよりエネルギー効率が良くなるように改造する工程: を含む方法。 22. 該システムがクレープドライヤを更に含み、工程(a)が全てのスルードライヤを該システムから取り除くことにより行われる請求項21記載の方法。 23. ペーパーウェブ製造工程中にウエットペーパーウェブから水を除去するシステムであって、 実質的にまっすぐな曲がっていない経路を有する毛管細孔を有し、その毛管細孔の細孔アスペクト比が約2〜約20である毛管膜を有する回転毛管脱水ロール;及び ウェブを該毛管膜に軽く押圧して該ウェブに含まれる水と該毛管膜の該細孔内の水間の水圧接触を該ウェブ全体を圧縮せずに行わせ、もって、従来のスルードライヤメカニズムよりエネルギー効率のよい脱水メカニズムが設けられるようにする手段: を含むシステム。 24. 前記圧搾手段が、該膜に対向する該ウェブを実質的に1未満から150pli までの範囲内である直線圧力で圧搾するように構成及び配置される請求項23記載のシステム。 25. 前記圧搾手段が、膜に対向する該ウェブを実質的に20〜50pliの範囲内である直線圧力で圧搾するように構成及び配置される請求項24記載のシステム。 26. 前記脱水ロールが扇形でない請求項23記載のシステム。 27. 該毛管膜に清浄液を噴霧して該毛管膜の表面を洗浄すると共に該毛管細孔内に捕捉された微粒子を該毛管細孔を介して該回転毛管脱水ロールの内部に流す手段を更に含む請求項26記載のシステム。 28. 前記噴霧手段が、約100〜約900psiの圧力で水を噴霧するように構成及び配置される請求項27記載のシステム。 29. 製紙工程においてペーパーウェブの水分を減少させるシステムであって、 実質的にまっすぐな曲がっていない経路を有する毛管細孔を有し、その毛管細孔の細孔アスペクト比が約2〜約20である毛管膜を有する回転毛管脱水ロール; ウェブを該毛管膜に圧搾して該ウェブに含まれる水と該毛管膜の該細孔内の水間の水圧接触を行わせる手段;及び 該毛管膜に清浄液を噴霧して該毛管膜の表面を洗浄すると共に毛管細孔内に捕捉された微粒子を実質的にまっすぐな曲がっていない毛管細孔を介して該回転毛管脱水ロールの内部に流す手段: を含むシステム。 30. 前記噴霧手段が、前記清浄液を約100〜約900psiの圧力で噴霧するように適応される請求項29記載のシステム。 31. 成形用メッシュ上で初期のウェブを形成する成形機構及び初期の該ウェブから水を圧搾する少なくとも1のプレスフェルトステーションを含むタイプの従来のウエットプレスペーパーウェブ製造設備を改良する方法であって、 (a)該プレスフェルトステーションを取り除く工程; (b)取り除いた前記プレスフェルトステーションを実質的にまっすぐな曲がっていない経路を有する毛管細孔を有し、その毛管細孔の細孔アスペクト比が約2〜約20である毛管膜を有する回転毛管脱水ロールを含む脱水ステーションで置き換える工程;及び (c)ウェブを該毛管膜に軽く押圧するメカニズムを取り付けて該ウェブに含まれる水と該毛管膜の該細孔内の水間の水圧接触を該ウェブ全体を圧縮せずに確実にし、もって、該システムが従来可能であると考えられたものよりエネルギー効率を達成するように改造する工程: を含む方法。 |
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说明书全文 | 【発明の詳細な説明】 毛管脱水法及び装置発明の背景 1. 発明の分野本発明は、一般的には、製紙工程におけるペーパーウェブの脱水に関し、更に詳細には、製紙工程中に圧搾されていないウエットウェブからそのウェブ全体を実質的に圧縮せずに水を除去する毛管力の使用に関する。 2. 従来技術の簡単な説明 Herveyの米国特許第3,262,840号は、多孔性ポリアミドボデイを用いて紙及び織物のような繊維状物品から液体を除去する方法及び装置に関する。 その多孔性ポリアミドボデイは、例えば、焼結した弾力のある多孔性ナイロンロールである。 この方法では、ウエットペーパーファイバーウェブを各々が少なくとも1の多孔性ナイロンロールを含む一連の加圧間隙に通過させる。 ウエットペーパーファイバーウェブから間隙ロールで加えられる圧力、多孔性ロールにおけるある程度の毛管作用及び真空の援助の組合わせにより、液体が、多孔性ナイロンロールに移されることは明らかである。 しかしながら、液体の移動は、ウェブが間隙と対向ロール間を通過する比較的短い時間に起こらなけれならないので、この方法には大巾な制限がある。 Herveyには、多孔性ナイロンロールに取り込まれた水を、 次にロールの中のチャンバを加圧することにより細孔から吹き出すか、或いはロールに外部から真空を与えることにより細孔から吸引することが開示されている。 このようにして、水を細孔から吹き出させることは又、細孔を清浄する傾向を生じる。 Chuangらの米国特許第4,556,450号には、ウェブからそのウェブを圧縮せずに毛管力の使用により液体を除去する方法及び装置が開示されている。 ウェブは、 毛管サイズの細孔を含むカバーを有する回転シリンダの周辺セグメント上を通過する。 回転シリンダの内容積は、固定部分とシールによって互いに分離されている少なくとも2個、ないしは6個程度のチャンバに分割されている。 チャンバの少なくとも1つは、その内部に真空が誘起されてシートからの水の毛管流量を増加させる。 他のチャンバには、シートが除去された後にカバーの外へ細孔から水を排出するのに正圧が与えられる。 おそらく、細孔はこの水の排出によって清浄される。 シートから取られた水は全て細孔の内部又はその真下に保持され、シリンダの回転ごとに毛管カバーから排出される。 Pallの米国特許第3,327,866号に教示された焼結ダブルダッチ綾織りを含むいくつかのカバー材料が述べられている。 Lampinenの米国特許第4,357,758号は、液体で飽和された微多孔性吸引面を、 乾燥されるウェブに対して減圧下で液体と水圧接触させることによって、ペーパーウェブのような物体を乾燥する方法及び装置が教示されている。 その微多孔性液体吸引面は回転ドラムの外部に位置し、水はドラムと明らかに回転するポンプの使用によってドラムから吸引される。 Lampinenには、細孔を清浄するための備えは何もしていないと考えられる。 従来の技術は、ウェブ全体を圧縮せずにウェブに含まれる水と毛管膜の細孔内の水間の水圧接触を行わせるために、毛管膜に対してウェブを軽くナックル押圧することを教示していない。 これにより、毛管膜の使用によって多量の及び迅速な脱水が促進される。 更に、ナックル表面により毛管膜に対してウェブを軽く押圧することは、分割されていない毛管脱水ロールを、毛管膜の平均流量細孔直径の有効毛管漏出圧に近いがこれを超えない単一圧力に全行程にわたり維持することとの組み合わせでは教示されていない。 更に、従来の技術には、毛管脱水ロールの外部から内部まで毛管膜を洗浄及び清浄し、もって、細孔内に捕捉された微粒子をドラム内部に流すことも開示されていない。 これは、ドラムが分割されていず、かつ単一真空圧に維持され、更に毛管細孔が実質的にまっすぐな曲がっていない通路孔であるために可能である。 発明の要約従って、本発明の目的は、製紙工程において連続的多孔性ウエットウェブに含まれた液体の一部を毛管力を用いて該ウェブ全体を実質的に圧縮せずに除去する方法及び装置を提供することである。 更に、本発明の目的は、外部からの高圧水噴霧を使用してドラムの表面を清浄共に、毛管細孔内に捕捉された微粒子不純物をドラムに流すことにより清浄できる回転毛管脱水ドラム上の毛管脱水面を提供することである。 また本発明の他の目的は、製紙工程において連続する多孔性ウエットウェブに含まれた液体の一部を除去する方法及び装置であって、オープンナックルファブリックで毛管脱水膜に対して連続多孔性ウエットウェブを軽く押圧することにより、連続する多孔性ウエットウェブと毛管脱水膜の毛管細孔内の水との間の水界面が形成される方法及び装置を提供することである。 また更に本発明の目的は、製紙工程において連続的多孔性ウエットウェブから引き出された水を膜の毛管細孔の平均流量細孔直径の有効毛管漏出圧に近いがこれを超えない単一真空圧に維持された分割されていない毛管脱水ロールの使用によって毛管膜の毛管細孔から除去する方法及び装置を提供することである。 簡単に述べると、本発明の前述の目的及び他の多くの目的、特徴及び利点は、 本明細書に示される詳細な説明、請求の範囲及び図面を読み取ることにより容易に明らかになるであろう。 これらの目的、特徴及び利点は、複合構造を有する毛管脱水膜を含む毛管脱水ロールの使用によって達成される。 毛管脱水膜は、少なくとも2層、ないし4層程度からなる。 上層は、ウエットウェブが配置される毛管表面である。 毛管膜の細孔の平均流量細孔直径は、約10ミクロン以下でなければならない。 この毛管上層の裏側には、1又はそれ以上の支持層がある。 毛管膜を支持及び安定化するほかに、これらの比較的開放した層は、その中を通って穴のあいたロールの内部に水が容易に流れ得るようにする。 これにより、毛管真空を上方の毛管膜の下に一様に分布させることが可能になる。 後続の層が後ほど大きくなる開口を有するという事実は、上方の毛管層を通るか又は該層に入る不純物を脱水ロールの中心に流し続けるようにすることを可能にする。 毛管脱水ロールは、分割されていないロールであり、下記の毛管吸引員圧C p に近い一定の真空に維持される。 式中、σは水−空気−固体界面張力であり、θは水−空気−固体接触角であり、rは毛管細孔の半径である。 毛管細孔と脱水されるシートの毛管の双方における接触角がゼロ(完全に湿潤性)である場合には、空気−水界面における水のメニスカスの湾曲の半径はrにほぼ等しい。 これは、毛管膜内及び脱水されるシート内の両方について言えることである。 そのような平衡状態が一旦得られると、脱水シートは毛管媒体から離される。 毛管脱水ロールの内部に接続される真空源は、毛管吸引力Cpの近似状態を形成し、もって、毛管細孔を通る水の流れを促進し、毛管膜の下側にある水を連続的に除去する。 ウェブが毛管膜の表面を離れる点とウェブが毛管膜の表面に対して軽く押圧される点との間に毛管脱水ロールの表面を洗浄する清浄シャワが設けられる。 清浄シャワは、更に、毛管細孔に滞留していた微粒子をロールの中心に送るように働き、ここで該微粒子は水と共に運び出される。 実質的にまっすぐな曲がっていない通路孔は、この外側から内側への清浄方法に役立つ。 本発明の毛管脱水ロールは、種々の形式の製紙工程において、その工程のエネルギー効率を改善するために用いることができる。 その1つの方法は、ヘッドボックスから成形用ファブリックにファーニッシュを供給して初期のペーパーウェブを形成することである。 次に、その初期のペーパーウェブは、ウェブが約6〜 約32%乾燥の範囲内となるように、成形用ファブリック上に支持されたまま真空脱水される。 多重真空ボックスは、32%の乾燥を達成する必要があると思われる。 次に、ウェブは成形用ファブリックからオープンナックルトランスファファブリックに真空移送され、ウェブは、該トランスファファブリックに支持されたまま本発明の毛管脱水ロールの毛管膜表面に対して軽く押圧される。 また、真空脱水の一部又は全部は、ウェブがトランスファファブリック上にある間に行われる。 ウェブは、毛管脱水ロールによって約33〜約43%乾燥の範囲まで脱水される。 追加の乾燥は、多重毛管脱水ロールを順次配置することにより達成される。 次いで、ウェブの乾燥は、スルードライヤ、ヤンキードライヤ、ガス燃料高温表面ドライヤ、スチーム加熱カンドライヤ等の使用を含む種々の手段により完了される。 図面の簡単な説明図1は、本発明の好適実施態様に従って構成された毛管脱水システムの一部の線図である。 ランドティッシュの手すき紙のクールターポロメータ(Coulter Porometer)による孔サイズの分布曲線である。 図3A、3B及び3Cは、本発明の好適実施態様の制御された毛管脱水法のグラフである。 図4は、本発明の好適実施態様の毛管脱水複合構造の断片的断面図である。 図5A及び5Bは、理想的及び現実的細孔構造を示す図である。 図6は、本発明のヌクレポア5マイクロメートル毛管膜のクールターポロメータによる流量差分布のグラフである。 図7は、本発明の好適実施態様の好適毛管真空ロール穴パターンの図である。 図8は、毛管脱水ロール上における入口乾燥レベルの影響のグラフである。 図9は、毛管脱水ロール、通気ドライヤ及びクレープドライヤを備えた本発明のウェブ抄紙機の概略図である。 図10は、毛管脱水ロール及びクレープドライヤを備え、通気ドライヤのない本発明のウェブ抄紙機の概略図である。 図11は、毛管脱水ロール、高温表面ドライヤ及びクレープドライヤを備えた本発明のウェブ抄紙機の概略図である。 図12は、通気ドライヤ及びクレープドライヤを備えた従来のウェブ抄紙機の概略図である。 好適実施態様の詳細な説明まず図1を参照すると、周辺に毛管膜複合物12を有する本発明の毛管脱水ドラム10が示されている。 オープンナックル支持ファブリック14上に支持されたウエットウェブWは、回転する毛管脱水ドラム10の毛管膜複合物12に対して接触する。 間隙ロール16は、ウェブWがオープンナックル支持ファブリック14のナックル面積で軽く圧縮されるように毛管膜複合物12に対してウェブW を軽く押圧する。 本明細書で定義される“軽い押圧”は、(間隙ロールの重量とほぼ均り合うことによる)1未満から約150pli(直線インチあたりの圧力ポンド)の範囲内の線圧力で押圧することである。 最も好ましくは、間隙ロール16 は実質的に20〜50pliの範囲内の線圧力で毛管膜複合物12に対してウェブWを押圧する。 毛管膜に対するウェブの軽いナックル押圧の目的は、ウェブに含まれた水と毛管膜の細孔内の水との間の水接触をウェブ全体を圧縮せずに確実にすることである。 これにより、毛管膜の使用によって多量及び迅速な脱水が促進される。 本発明は、高い線圧力、おそらく400pli程度で働くことができるが、その圧力で望ましくないウェブの圧縮が生じてしまう。 ウェブは、全体の圧縮を与えられることがなく、支持ファブリック14のナックルがウェブに接触する区分位置で軽く圧縮される。 ウェブWは、支持ファブリック14上に支持されたまま、回転する毛管脱水ドラム10の周辺セグメントの回りに運ばれる。 毛管脱水ドラム10の周辺セグメントの回りを移動した後に、 ウェブWは、トランスファファブリック14上になお支持されたまま、毛管膜複合物12との接触からはずされる。 毛管膜12の表面に対して水を噴霧する清浄シャワ18がある。 その清浄シャワ18は、膜12の外部を洗浄し、更に毛管細孔を捕捉された微粒子を該細孔を通して駆動し、膜複合物12を通してドラム1 0の中心に運ばれるようにする。 水は、毛管脱水ドラム10の中心からサイホン20によって除去される。 作動中は、毛管脱水ドラムは内部員圧に曝される。 言い換えると、毛管膜12の細孔の平均流量細孔直径の有効毛管漏出圧に近い真空源によってドラムの内部に真空が作られる。 有効毛管漏出圧は、ウエット毛管膜を介する空気流量が同じ圧力(真空)のもとで乾燥膜を通過する空気流量の10 %を超えない圧力(真空)レベルである。 毛管ロール10は、通常、空気流量が同じ圧力(真空)レベルで乾燥膜を通過する空気流量の3〜5%を超えない圧力(真空)で作動させられ、より小さい真空レベルで作動させることもできる。 ンドティッシュの手すき紙のクールターポロメータ孔サイズの分布曲線である。 この曲線は、最大頻度分布が約30ミクロンの細孔直径にあることを示している。 平均流量細孔サイズの直径は、約36ミクロンである。 これにより、その湿潤手すき紙に含まれる自由水の大部分は30ミクロン以上の細孔サイズ範囲にあることが示される。 これは、略細孔サイズ分布曲線を示す図3aのグラフに概念的に図示されている。 この細孔サイズ分布曲線の下の斜線の面積は、その細孔内に捕捉された自由水量を表すものである。 本発明によって制御された毛管脱水の概念は、基本的にはウエットシートを小さな毛管細孔サイズを有する乾燥毛管媒体、 例えば、8ミクロンの毛管細孔サイズ分布ピークを有する毛管媒体と接触させることによりその自由水を除去することである。 毛管媒体の概要の細孔サイズ分布曲線は、図3aの点線として示される。 この8ミクロン毛管媒体が十分な細孔容積を有する場合には、平衡状態に達するまでシート内の大きな細孔から吸収する。 その平衡状態では、直径が8ミクロン以上の細孔のシート内に自由水は残らない。 この状態では、8ミクロン細孔サイズの毛管媒体内の水及びシート内の残留水の一部は連続層にある。 この連続層内には、下記の毛管吸引員圧C pがある。 上述のように、毛管とシートの双方における接触角がゼロである場合には、空気−水界面における水のメニスカスの曲率半径はrにほぼ等しい。 従って、毛管媒体が吸収される水を保持するのに十分な容量を有するか又はシートから水を吸収するにつれて毛管媒体から水を除去する手段が設けられるならば、半径rが小さいほど紙から毛管媒体に吸収される水量が大きくなる。 図4を参照すると、図1の線4−4で取った例示的断面図が示されている。 この断面から、毛管脱水膜12が実際には少なくとも2層、好ましくは4層程度からなる複合構造であることがわかる。 上層はウエットウェブWが配置される毛管表面22である。 平均流量細孔直径(フロリダ、ヒアリーのクールターエレクトロニクス社製のクールターポロメータによって測定される)は、良好な脱水を容易にする十分に高い毛管真空レベルを誘起するために約10ミクロン未満でなければならない。 毛管細孔直径が小さいほど、脱水レベルは高くなり、毛管表面2 2から離れるときのシートはより乾燥するようになる。 毛管表面層22の裏側に、支持層24、26及び28がある。 これらの支持層24、26、28及び毛管膜表面22は、穴のあいた真空ロール30の外部の回りに巻かれる。 毛管表面膜22を支持及び安定化するほかに、これらの比較的開放した層24、26、28 は穴のあいた真空ロール30の内部に水を簡単に流し込むことを可能にし、もって、毛管真空を毛管膜22中に一様に分布させることを可能にする。 各々内部に続く層が前側の層より大きな細孔サイズの開口を有することにより次に続く層24、26、28が開いているという事実は、上側の毛管層を通る不純物がロールの中心に及び外に流れ続けることを可能にする。 層22、24、26、28は、接着(プラスチック)又は焼結(金属)の組合わせにより複合物に形成される。 本発明で使用するのに許容しうる複合膜構造の1例(下記実施例A参照)は、3種の連続する粗い支持層に焼結したダブルダッチ綾織りメッシュ膜(ニューヨーク州、ブリアルクリフマノアのTetko Inc.から入手できる)である。 第2例(下記実施例B参照)は、ポリエステル不織布に接着され、ポリエステルメッシュ織布に接着されるヌクレポア核発生軌道膜(カリフォルニア州、プリーザントンのNuclepore Corp.製)である。 複合毛管膜12は、直径が2から12フィート又はそれ以上の範囲とすることができる穴のあいたシリンダ30の回りに巻くことができるように十分可撓性である。 継ぎ目は接着、突き合わせ、締めつけ、重ね合わせ及び/又は溶接される。 試験は、抄紙機方向或いは抄紙機幅方向における継ぎ目の幅が約1/8インチ未満程度であり、脱水時間が0.15秒又はそれより長い場合には、毛管脱水ロール10から離れるときに紙にウエットストライブが現れないことを示した。 脱水を容易にするためにシートを介して十分な拡散があると考えられる。 約1/8 インチより幅の広い継ぎ目は、ウエットマークを示す傾向があることがある。 同様に、直径が約1/4インチ以下の汚染された又は目詰まりしたスポットは、ウェブ内にウエットマークを残すことはない。 実施例A−シート脱水 バッキングファブリック #1(24) - 150×150メッシュ、ssスクエア織りベーキングファブリック #2(26) - 60×60メッシュ、ssスクエア織りベーキングファブリック #3(28) - 30×30メッシュ、ssスクエア織り毛管膜表面(22) - ダブルダッチ綾織りメッシュ種類 - ss織りメッシュ;単調な経路メッシュ数 - 325×2300 等価細孔長さ - 〜110μm Coulter MFPサイズ - 9.19μm l/d - 12.0 空気透過率(ΔP-0.5″H 2 O) - 5 - 10cfm/ft 2 完成紙料 - 65% マツ/35% ユーカリ連量 - 14 lb/2880ft 2 ライン速度 - 500fpm 滞留時間 - 0.46sec. 間隙ロール荷重 - 27 lb/直線インチ毛管ロール真空(″H 2 O) - 111 プレ毛管ドラム乾燥 - 24.9% ポスト毛管ドラム乾燥 - 38.2% 実施例B−シート脱水 バッキングファブリック #1(24) - ポリエステル不織布ベーキングファブリック #2(26) - ポリエステルメッシュ - Albany #5135 (30×36スクエア織り) 毛管膜表面(22) - ヌクレポア5.0μm 種類 - 核発生軌道等価細孔長さ - 10μm Coulter MFPサイズ - 5.35μm l/d - 1.9 空気透過率(ΔP-0.5″H 2 O) - 3.5cfm/ft 2 完成紙料 - 75% NSWK/30% ユーカリ連量 - 14 lb/2880ft 2 ライン速度 - 500fpm 滞留時間 - 0.46sec. B 1 B 2 間隙ロール荷重(pli) - 45 0 毛管ロール真空(″H 2 O) - 134 134 プレ毛管ドラム乾燥 - 23.1% 23.3% ポスト毛管ドラム乾燥 - 39.7% 32.7% 本発明の毛管脱水ロール10において、微細な毛管孔を含むがその容積又は厚さが大きくない薄い毛管膜22が用いられる。細孔が長いほど、粘性抵抗力のためにシートからの水の吸収時間が長くなる。更に、微細な毛管孔が長くなるにつれて、微細な不純物又はコーティングの蓄積によって細孔の目詰まりの機会が大きくなり、細孔を清浄することが難しくなる。毛管膜表面22が比較的薄く、そのためシートから吸収されるべき水量を保持する容量がないので、毛管吸引力C pに近似させ、かつ毛管細孔を通る水の流れを促進するために、毛管膜の裏面に真空源を接続する。これにより、シートから除去された水が毛管膜表面22及び支持層24、26、28を完全に通過でき、水をドラム30の内部から連続的に除去することができるようになる。水を毛管膜表面22から連続的に除去することができるので、毛管膜表面22による追加の吸収容量が連続的に生じる。真空ドラム30内の真空レベルは、最大シート脱水を促進するためにできるだけC pに近くなければならない。しかしながら、真空がC pより大きい場合には、毛管水の密閉が壊れ、空気が漏れ始める。これが大きな程度で起こる場合には、真空エネルギーがむだになり、毛管脱水効果を悪くする。 毛管細孔の直径が小さいほど、脱水レベルが高くなり、シートが毛管表面から離れるときのシートはより乾燥状態となる。しかしながら、細孔の直径が小さいほど、不純物又は目詰まりから細孔を保護することが難しくなる。約5ミクロンの平均流量細孔直径を有する薄い毛管膜が、試験では良好な性能であった。(平均流量細孔直径は、非円形断面の細孔を有する等価細孔の直径を意味する。) その毛管細孔サイズ膜は、高シート乾燥レベルを生じ、清浄のままである傾向があった。細孔サイズ0.8〜10ミクロンは、3〜約15インチのH gの真空レベルで行った。好ましい細孔直径は、約2〜約10ミクロンの範囲にある。 好ましくは、毛管細孔はできるだけ短く、最小細孔直径より直ぐ下流で開いていなければならない(図5A参照)。このようにして、流れ抵抗の減じた毛管力を生じることができる。更に、細孔の汚染を最小にする。 最小細孔直径を通過する粒子は捕捉されない傾向があり、このタイプの細孔設計は毛管脱水ロール10 の外側から内側への清浄を容易にする。 実際には、好ましい設計はその直径に対してできるだけ短い細孔を保つようにすることである。 等価細孔直径dに対する実際の等価毛管細孔経路の長さlの比は、小さくなければならない(図5B参照) 。 細孔アスペクト比(l/d)は、約2〜約20の範囲でなければならない。 好ましくは、細孔アスペクト比は、15より小さくなければならない。 まっすぐな細孔が好ましい。 経路が曲がるほど、開いている細孔を保ちかつ清浄することが難しくなる。 複雑に入り組んだ構造(例えば、発泡体、焼結金属、セラミックス)は、清浄を保つのが最も難しく好ましくない。 毛管膜22の透過性もまた、一定の時間内に除去される水量に影響するので重要である。 透過性は、細孔サイズ、細孔アスペクト比及び細孔密度に関係し、フレージアー数(0.5″H 2 OΔpにおける単位表面積あたりの空気流量)によって確認される。比較的高い透過性が望ましい。即ち、3よりも大きいフレージアー数が好ましい。しかし、低い透過性部材(フレージアー数約0.8)も許容しうる方法で行った。 前述のように、まっすぐな曲がりのない経路の毛管細孔が好ましい。核発生軌道法によって製造されたまっすぐな毛管細孔(例えば、ヌクレポア又はポレチクス)は、ウエットウェブを脱水する本発明の表面膜22として良好に役立つものである。その毛管細孔は、清浄を保ちかつ脱水することを良好にする優れた細孔アスペクト比(l/d)を有する。また、クールターポロメータで測定される小さな細孔サイズ範囲を有する。言い換えると、核発生軌道法によって製造された毛管細孔の細孔サイズ分布は比較的小さい。これは、流量差%に対してヌクレポア5ミクロン孔構造の細孔サイズ分布をプロットしている図6のグラフに示されている。上述のように、核発生軌道膜はNuclepore Corp.から入手することができる。核発生軌道法によって製造された膜22の欠点は、その膜がいくぶん脆いことである。しかしながら、これらのタイプの膜は、複合膜12の外層又は毛管層22として圧搾されないウエットシートを脱水するのに効果的である。 毛管膜22は、また、ニューヨーク、ブリアルクリフマノアのTetko Inc.から市販されているPeCap 7-5/2のようなポリエステルメッシュ織布(実施例C参照)を用いて巧く行われた。更に、Pallらの米国特許第3,327,866号に記載されているスチール製のダブルダッチ綾織りワイヤメッシュを、ウエットウェブを脱水する本発明の方法において許容しうる毛管層として用いた。Pallらの特許に述べられているように、これらのワイヤメッシュ織りは適切な場所の開口を閉じ表面のしわを伸ばすようにカレンダー及び焼結される。他の膜も、好ましい直径、細孔アスペクト比及び透過性の範囲に入る限り許容しうる。 実施例C−シート脱水 バッキングファブリック #1(24) - ポリエステルメッシュ - Albany #5135 (30×36スクエア織り) 毛管膜表面(22) - PeCap 7-5/25 種類 - ポリエステルモノフィラメントファブリッ ク等価細孔長さ - 65μm Coulter MFPサイズ - 6.26μm l/d - 10.4 空気透過率(ΔP-0.5″H 2 O) - 0.9 cfm/ft 2 完成紙料 - 60% マツ/40% ユーカリ連量 - 14 lb/2880ft 2 ライン速度 - 500 fpm 滞留時間 - 0.46 sec. 間隙ロール荷重(pli) - 34 毛管ロール真空(″H 2 O) - 186 プレ毛管ドラム乾燥 - 32.5% ポスト毛管ドラム乾燥 - 42.8% ウエットシートを予熱し、次に毛管脱水ロールの前に水の粘度を減じる方法を使用することにより、毛管脱水ロールを出るウェブの高乾燥レベルが得られた。 毛管脱水ロールに小さい細孔、高い真空レベル及び/又は長い滞留時間を使用すると共に、その方法により約50%の毛管脱水ロールを出る乾燥レベルが得られた。毛管脱水を用いる実験では、52%程度の乾燥レベルが達成された。2以上の毛管脱水ロール10を連続的に使用すると、商業ベースの抄紙機の高い操作速度で実質的に長い滞留時間を得る実用的手段が提示される。各ロールは、小さな連続した平均流量細孔直径膜22と清浄を容易にする高い毛管真空レベルを有することができる。 膜複合物、特に毛管細孔上面22の設計は、毛管表面22と膜複合物全体の双方を清浄に維持するのに寄与する。膜汚染は、毛管脱水装置が経験する主要な問題である。ミクロンサイズの孔は簡単に目詰まりする。上述したように、本発明では、細孔アスペクト比(l/d)が20以下の小さい2から10ミクロンの範囲の細孔直径を有する毛管細孔を用いることが好ましい。更に、細孔は実質的にまっすぐで曲がってなく、毛管膜表面22に最低限の制限部を形成した後に、膜は流動面積が増え、高透過性を有する。ペーパーウェブが毛管脱水ロール10を離れると、毛管表面は毛管脱水ロール10の操作中に複合膜を清浄する外部高圧シャワ18に断続的に曝される。高圧シャワ18は、脱水ロール10の中心に向かって複合物12の外部から作用する。噴霧器のエネルギー及び運動量は、細孔に滞留する微粒子を最低限の制限部(通常膜複合物12の外側に位置する)を通って毛管層22の下側から外向きに押し出し、複合層24、26、28の連続的に大きくなる開口を通過させる。即ち、不純物は、シャワからの水及びペーパーウェブから吸収された水と共にロールの中心に流される。毛管膜の表面上に残った小片は、毛管膜表面22のソリッド部分により接線方向に偏向された水シャワの部分によって流される。 そのシャワが実質的に直角に膜表面22に当たるように毛管脱水ロール10にほぼ放射状に向けられ、清浄のために十分な圧力を有するシャワ18の設計にあたっては、水が複合膜12を貫通した後にまだ1/2″水圧ヘッドを有するならば、シャワは複合膜12を清浄するのに十分なエネルギーを持つと考えられる。 言及した水圧ヘッドは、シャワ水が膜(ロール10の外面)上に上向きに垂直に及び微細な毛管面に垂直に当たる際の複合膜12の粗面(ロール10の内部)上の水の柱の高さである。 ノズルサイズ、配置、空間及び圧力をいろいろに組合わせると、所望の1/2 ″最低水圧ヘッドを生成させることができる。毛管脱水ロール10を備えた実験用抄紙機で良好に作用することが判明した噴霧マニホールドは、膜22上の表面から2.5インチに位置した690psigで操作するスプレイングシステムズ社のモデルno.1506ノズルからなるものであった。この配置により、0.65インチ水圧ヘッドで325×2300メッシュのダブルダッチ綾織り複合膜を貫通した。 複合膜12の貫通の対応する幅は、1.5インチであった。隣接のノズル間の空間が中心線から中心線まで3インチであるが、ノズルあたりの効果的な清浄幅がわずか1.5インチであるので、複合膜12の100%を確実にカバーするために抄紙機幅方向ではシャワを振動させた。振動数は、膜12の特定面積が噴霧で14秒まで当たらない最大断続時間を保つライン速度で変動させた。これにより、膜12のどの部分も全時間の僅か0.2%で洗浄できた。0.04%程度の低い数値も達成された。例として、毛管脱水ロール10を含む実験用抄紙機で、抄紙機幅方向で噴霧ノズルを0.214インチ/秒の速度で振動させた。その実験用抄紙機は500fpmのライン速度で操作され、その実験用抄紙機上の毛管脱水ロール10の直径は2フィートである。 異なる膜の設計に対しては異なるシャワの組合わせが必要である。例えば、ヌクレポア5ミクロン毛管表面を、前項で述べた実験用抄紙機の毛管脱水ロール1 0の毛管表面層22として用いる場合には、十分な清浄を維持するためにわずかに約100〜200psiの圧力を必要とするだけであると考えられる。 穴のあいた真空シリンダ30は、非腐食性材料で製造することが必要である。 ステンレススチールが好ましいが、青銅も用いられる。ホールサイズ及び分布は、例えば、毛管膜複合物12の裏面の全面積に一様に真空を与えることができるものでなければならない。例えば、真空ロール30は、図7に示されるように1 /2″ずつ中心がずれた1/8″直径のホールを有することができる。場合によっては、脱水及び真空均等性を容易にするために表面に溝を切ることもできる。 真空は、固定の中心ジャーナルを介して毛管脱水ロール10に導入される。異なるレベルの圧力又は真空で作動される多重内部チャンバは、毛管脱水ロール1 0には設けられていない。 そのような異なる圧力又は真空で作動される多重内部チャンバは、チャンバからチャンバへの漏れ、シリンダジャーナルの摩耗及び回転シリンダにおける不つりあい荷重のような作動中の課題をかなり生じることがある。 本発明のロールへの唯一の空気の漏れは、中央ジャーナルにおける機械的シールを通るものと有効毛管漏出圧を超える状態での大きな細孔を通るものである。 この空気流量は、比較的小さく、対応する真空脱水ボックスにおける空気流量より実質的に少ない。 毛管脱水シリンダ10の内部全体が大気に対して一様な真空レベルで維持されるために、シェルは一様な圧力差に供される。 したがって、シェルの厚さは法線応力分析法によって求められる。 分割されていない真空ロール30では大きな不つりあい力がないので、軸受荷重は最小である。 シェルは、約25″H g差(最大)に設計されねばならない。 前述のように、水はシリンダ30の内壁で又はその近傍で終わるサイホン20 によってロール10の内部から除去できる。水を複合膜12の下から真空ドラムシェル30を介して連続的に除去することが好ましい。毛管表面膜22又は複合膜12の下に連続的な水のフィルムは必要としない。水のフィルムは毛管脱水ロール10が操作される高い抄紙機速度の高遠心力を生じる。これは、対応する毛管真空の増強によって相殺されなければならない。水スコップを含むこの水を除去する多数の代替的方法がある。 間隙ロール16は、ウェブW内の水と膜表面22の毛管細孔内の水との間の水圧接触を与えるものである。トランスファファブリック14上のナックル面積において若干の水がウェブから押し出される。この水は、毛管膜表面22の空隙容量を塞ぎ、ウェブWから毛管膜表面22の細孔への水運動に対する界面抵抗を減じる。更に、ウェブWの繊維網目構造が毛管表面22と密接に接触し、捕捉された空気はウェブWから除去される。これらの要因は、ウェブWの脱水を促進しなければならない。 間隙ロール16は、オープンナックル支持ファブリック14と毛管膜表面22 との間に維持されるシートに極めて軽い荷重を加えるものである。間隙ロール1 6は、比較的軟質の被覆を有することが好ましい。約150のP&J硬度を有する軟質ゴムカバーが巧く用いられた。間隙ロール16と毛管脱水ロール10間の間隙に平均値約11〜38psiを生じる間隙ロール16によって約10〜45pli の力が加えられた。約20pli(間隙には約20psi)以下が上述の有益な要因を促進するのに十分であると考えられる。間隙の圧力が低いほど、ウェブ全体を圧縮する機会が少なくなる。非常に幅のある軟質間隙は、ウェブW全体を実質的に圧縮しないことを確実にするために紙をトランスファファブリック14のナックル面積にだけ軽く押圧させることが好ましい。間隙ロール16を使用すると、本発明の毛管脱水ドラム10からの乾燥が約2〜7%程度高まる(例えば、実施例B)。これは、多量の水及び本発明のシステムの主要な利点である。 典型的には、オープンナックルトランスファファブリック14は、本来スルードライヤ法に見られるポリエステル織布である(例えば、ニューヨーク、アルバニーのAlbany Internationalで製造されたアルバニー5602)。 プラスチックワイヤ、フォーミングタイプファブリック、不織布又はある一定の差動ウエットプレス製紙用フェルトさえ含む他のタイプのトランスファファブリックが許容しうるものである。 オープンナックルトランスファファブリック14は、空気に透過性でなければならず、毛管膜表面22に対して押圧した場合にシートを実質的に圧縮してはならない。 典型的には、トランスファファブリック14のナックル又はプレス面積は、ファブリック14の表面積の約35%未満、最も好ましくはファブリック14の表面積の15〜25%の範囲でなければならない。 ウエットウェブWと毛管膜表面22が相互に接触している滞留時間は、毛管脱水ドラム10の回りのラップ量、毛管脱水ドラム10の直径及び操作速度の関数である。 滞留時間は、次式によって定義される。 t = 0.5236DA/V 式中、t = 滞留時間(sec) D = ロールの直径(ft) A = ラップ角度° V = 接線速度(fpm) 約200〜315°のラップ角度が予想される。 ラップ角度が大きくなるほど、 脱水が達成されるようになる。 少なくとも0.15秒の滞留時間が望まれ、0.3 5秒までが好ましい。 シートは滞留時間が長くなるにつれて乾いてくるが、変化速度は0.15秒よりも長いとかなり遅い。 ダッチ綾織り複合膜で行った試験により、滞留時間を0.46秒から0.24秒に短縮するにつれて約1%だけ(39 %が38%に下がる)乾燥の減少が示された。 本発明の毛管脱水システムは、圧搾されていないウエットウェブの脱水能を4 3%に近い乾燥レベルまで示した。 上質ティッシュ完成紙料の場合、本発明の毛管脱水法及び装置は約36〜約42%乾燥の乾燥レベルを達成した。 毛管脱水ドラム10からの乾燥は、完成紙料、連量、リファイニングレベル、膜の細孔サイズ及び透過性、毛管真空レベル、間隙ロール及び滞留時間の関数である。 本発明の毛管脱水工程中に、ティッシュの密度及び厚さは対応する完全乾燥及びクレープティッシュウェブに同じか又はそれより良好に維持される(製品実施例1A、1B、2A及び2B)。 ウェブ全体の圧縮は行わず、嵩のある低密度ウェブの製造が可能であった。 製品実施例1A及び2Aは、標準の通気乾燥したクレープスコットティッシュ製品である。 製品実施例1B及び2Bは、本発明の方法で製造した毛管脱水した通気乾燥ティッシュ製品である。 製品実施例1A及び1B用完成紙料は、マツ65%及び35%ユーカリの均質ブレンドとした。 製品実施例2A及び2B用完成紙料は、70%NSWK及び30%ユーカリの均質ブレンドとした。 製品実施例1A及び1B 製品実施例2A及び2B 本発明の毛管脱水装置の他の利点は、毛管脱水ドラム10から出たところの乾燥度がウェブWの入るときの乾燥度から比較的独立していることである。 一定の条件設定の場合、毛管脱水ドラム10から出るときのウェブWの乾燥度は、入るときのウェブWの乾燥度が約14%から約30%まで変動するにつれて約1%以上には変動しない(例えば、図8)。 出るときのウェブWの乾燥度は、入るときの乾燥度が約30%以上に増大するにつれてわずかに増える傾向がある。 これは、いくつかの利点がある。 まず、非常に多量の水を除去することができことによって(例えば、入るときの14%乾燥度から出るときの38%乾燥度は、gfごとに4.51gwが除去されたことと等価である)、製紙工程全体で用いられるエネルギー集中真空脱水ステーションの数を減じることができ、おそらく排除することさえできる。 第2に、毛管脱水システムは水分縞の平滑化装置として作用する。 毛管脱水ロール10に入るときの水分の不均一性が、非常に減少又は平坦化される。 スルードライヤが次の乾燥段階で用いられる場合には、スルードライヤで良好な乾燥が得られ、スルードライヤファブリック上の縞が少ない。 更に、本発明の毛管脱水システムの利点は、連量に対する相対非感受性である。 1連あたり約12〜約25ポンドの連量の変化は、その後の毛管脱水ロールの乾燥度に大巾な変化を生じさせないと思われる。 試験では、1%ポイント未満の差が生じた。 この特徴は、また、連量の不均一性に付随した望ましくない作用を減じる傾向があり、一連の製品(軽量の化粧紙から重量のタオルまで)を同じ抄紙機で行うことを可能にする。 毛管脱水ロール10は、スルードライヤ、ヤンキードライヤ、ガス燃料表面温度ドライヤ、スチーム加熱カンドライヤ又はその組合わせと組合わせて用いることができる。 例えば、図9を見ると、初期のウエットウェブWを形成するフォーミングワイヤ52に紙料を供給するヘッドボックス50が示されている。 ウェブWは、真空ボックス54によって真空脱水される。 次に、ウェブWが真空ピックアップ58によって約10〜約32%乾燥の範囲にあるとウェブWはナックルスルードライヤファブリック56に移送される。 場合によっては、シートは更に脱水及び真空ボックス59によって成形されるが、このボックスは必要としない。 ナックルスルードライヤファブリック56はウェブWを毛管脱水ロール10に運び、毛管脱水ロール10に入るにつれてウェブWの乾燥は約12〜約32%の範囲にある。 間隙ロール16は、毛管脱水ロール10の毛管膜12に対してウェブWとナックルスルードライヤファブリック56を押圧する。 毛管脱水ロールから出るときの乾燥度は、約33〜約43%乾燥の範囲にある。 次に、スルードライヤファブリック56は、スルードライヤ60を介してウェブWを運ぶ。 次に、約65〜約95%の範囲の乾燥のウェブWはヤンキードライヤ62に移送され、プレスロール64によって該ヤンキードライヤに押しつけられる。 次に、ウェブが約95〜約99%乾燥の乾燥度になったところでヤンキードライヤ62からのウェブにクレープが付けられ、カレンダーロール66を通して進められる。 本発明の毛管脱水ドラム10を使用する別の製紙工程は、図10に示される。 その工程で用いられる部品は、図9に示され記載されているものとほとんど同じである。 従って、図10の類似の成分は、図9におけると同じ番号が付けられている。 図10に示されている工程での唯一の差は、スルードライヤが除かれていることである。 即ち、12〜約32%の乾燥度でウェブWを受け取って約33〜 約43%乾燥の乾燥度でウェブWをロール10から送り出すようになった毛管脱水ロール10によってウェブWはヤンキードライヤ表面に移送されるので、該ウェブWは約33〜約43%乾燥度の範囲にあるだけである。 クレーピングは、9 5〜99%乾燥で起こる。 この方法(図10)において毛管脱水ロールの使用で製造されたティッシュは、完全乾燥及びクレープ工程で及び毛管脱水しないで製造された匹敵しうる連量ティッシュ製品に同じか又は良好な厚さ、密度及び手触り値を有した(製品実施例3A、3B、4A及び4B)。 製品実施例3Aは、全てのスルードライヤーによる工程に続いてヤンキークレープドライヤで製造した。 製品実施例3Bは、本発明の毛管脱水工程に続いて、通気ドライヤ、次にヤンキークレープドライヤで乾燥して製造した。 製品実施例4Aはクレープを付けた製品であり、スルードライヤを存在させずにヤンキードライヤでのみ乾燥を完了される本発明の毛管脱水工程で製造した。 製品実施例4Bは、従来のフェルト圧搾及び乾燥クレープティッシュ製品である。 製品実施例3A、3B、4A及び4 Bを製造するために用いられる紙料は70%NSWKと30%ユーカリの均質ブレンドとした。 製品実施例3A及び3B 製品実施例4A及び4B ウェブを実質的に圧縮せずに水を除去する毛管脱水システムの能力は、従来の湿式圧搾抄紙機を低密度、吸収ソフトティッシュ及びタオル製品を製造することができるものに改良することを経済上有利にする。 例えば、湿式プレスフェルト作業は、図10に示されるように成形用ファブリックとヤンキークレープドライヤとの間にあいた空間に本発明のナックルスルードライヤファブリックと毛管脱水システムを挿入することにより置き換えることができる。 次に、シートは約3 3〜43%乾燥のヤンキードライヤに移送され、抄紙の標準クレープ乾燥でクレープが付けられる。 上記実施例3A、3B、4A及び4Bに示されるように、得られた低密度軟質製品は、図12に示されるスルードライヤとヤンキードライヤの組合わせで製造されたものと非常に類似している。 しかしながら、毛管脱水システムを用いる改良のコストは低く、抄紙機操作に対して中断させるほどでなく達成させることができる。 得られた抄紙機工程は、また、スルードライヤの改良より用いるエネルギーが少ないであろう。 同様に、毛管脱水装置は、ヤンキードライヤ前に乾燥が所望される場合には湿式圧搾抄紙機を改良するためにスルードライヤと組合わせて用いることもできる。 また、既存の2つのドライヤシステムの1つのスルードライヤを置き換えてエネルギーを節約しかつ操作コストを減じるように用いられる。 本発明は、図9、 10及び11に示されるようにクレーピングと組合わせて述べられるが、本発明はクレーピング工程を含まない製紙工程でも用いることができることは製紙業界の当業者によって認められるであろう。 本発明は、クレーピング工程を含まずにスルードライヤ、カンドライヤ、表面高温ドライヤ又はその組合わせで行われる毛管脱水の後の最終乾燥と共に用いられる。 既存の抄紙機に関して、本発明の毛管脱水ドラム10は、真空ポンプを排除すること、スルードライヤファン電力を減少させること及びフードのガス使用を減らすことにより操作及びエネルギーコストを低減するために用いられる。 潜在的には、既存の2つのスルードライヤから1つのスルードライヤを排除させることができる。 また、双方のスルードライヤを適所に保ちながら、抄紙機の速度及び生産性を高めるために本発明の毛管脱水ドラム10が用いられる。 本発明の毛管脱水ドラム10を図12に示された従来のスルードライヤ工程に加えることにより、その工程の全エネルギー使用が17〜25%だけ低下する。 前述のことから、本発明が装置及び方法に明らかでありかつ固有である他の利点と共に示された全ての上記目的を達成するように十分適応されたものであることは認められねばならない。 ある種の特徴及びサブコンビネーションが有用であり、かつ他の特徴及びサブコンビネーションに対して用いられることは理解されるであろう。 これは、請求の範囲内で企図され、請求の範囲内である。 本発明の多くの可能な実施態様はその範囲から逸脱することなく行われるので、本明細書に示される又は添付の図面に示される事柄全てが例示として解釈され限定する意味で解釈されるべきでないことは理解されねばならない。 ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,SZ,U G),AM,AT,AU,BB,BG,BR,BY,C A,CH,CN,CZ,DE,DK,EE,ES,FI ,GB,GE,HU,IS,JP,KE,KG,KP, KR,KZ,LK,LR,LT,LU,LV,MD,M G,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO ,RU,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,TM, TT,UA,UG,UZ,VN (72)発明者 カウフマン ケニス アメリカ合衆国 ニュージャージー州 08054 マウント ローレル キャスタレ ット コート 772 (72)発明者 シーサー ロバート エイチ アメリカ合衆国 ペンシルバニア州 18976 ウォーリングトン メア ロード 1834 |