【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、特に紙板のような板状体材料(以下、ウェッブ材料ともいう)を加熱処理するロール及びその処理方法に関する。 【0002】 【従来の技術】例えばDE−PS2814244に示されているように、移動体を有するロール形態における加熱自在ロールが知られており、DE−OS383872 6からは、熱担体のスルーフローのためロールジャケットにおいて周囲孔を有するロールが知られており、さらに、DE−PS3516535からは、ハイドロスタテック保持部材を介して偏向補償を有するロールが知られている。 【0003】DE−OS4130672に示されているように、例えばウェッブ材料において切断が生じた場合などのウェッブ材料を介して、ロール内部の発生した熱がもはや引き込まれなくなった時、外部からその全長にわたって加熱されたロールを冷却することが、知られている。 この冷却を通してロールが過剰に熱せられないようになされ、その結果、ロール直径の変化が生じる。 【0004】ウェッブ材料の切断の場合、ロール表面温度の増加を生ぜしめよいように加熱されたロールヘ熱担持媒体の供給を遮断する状況を達成することは不可能である。 なぜなら、ロールジャケットの内側からその表面までの高温度の熱勾配は、ロールが熱変化に対して不活発にしか反応しないことによるからである。 さらに知られていることは、熱遮断された加熱されたロールを急速にカプセルに包み、ロールの通常操作中に対流及び放射によって周囲への熱損失を回避することである。 かかる熱絶縁の存在は、ウェッブ材料の切断の場合に対して、 温度上昇をもたらす問題を増加させることになる。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかるロールの温度上昇を防止する方法がなかった。 そこで、 本発明は、上記問題点を解消するためになされ、その目的はウェッブ材料に切断が生じた場合であってもロールの所望直径が維持されるような、ウェッブ材料用加熱処理ロール及びその処理方法を提供することにある。 【0006】請求項1記載の本発明によれば上記目的を達成する。 特に、好ましい態様はその従属請求項に記載されている。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明は、特に紙板のような板状体材料を加熱処理するための加熱自在ロールであって、製造条件の下で環境熱損失の上昇を回避する熱遮断体として形成されかつロールを取り巻き該ロールから間隙をあけて配置されたジャケットを有しており、製造を中断する間にスイッチが入られたときロール(2) 及びジャケット(3)の間に形成された間隙(8)へ冷却流動体を供給する手段(4,5)が設けられていることを特徴とする。 【0008】本発明の処理方法は、板状体の熱処理のための動作間隙を形成するロール配置を操作する処理方法であって、熱遮断ジャケットによってその周囲の少なくとも半分にわたって間隙をおいて囲繞された少なくとも1つの加熱自在ロールが設けられた板状体材料加熱処理ロールにおいて、板状体の切断のような製造の中断のとき、冷却媒体がジャケット及び加熱ロール間の間隙中に導入され、単位時間当りの供給体積が、ロールの表面温度が通常製造中に必要とされる所望温度に少なくとも保たれるように、選択されることを特徴とする。 【0009】 【作用】本発明によれば、一方において、通常操作中のロールの高熱遮断を確保し、他方において、製品製造を妨げるロール直径を変化せしめるロールの過熱を解消することができる。 この結果として、操作の中断の後、プラント操作の更新にあたり、ウェッブ材料の望ましくない高温度影響が回避される。 さらに、例えば紙のウェッブ材料において、プラント操作の更新の後の操作前にあった望ましい値にすでに対応している光沢や平滑性などのパラメータを確保できるようになる。 【0010】本発明による有利な点は、加熱自在ロールの絶縁ジャケットが冷媒供給のための媒体として同時に利用され、これによって流体の激しい流れが、冷媒の半径方向へ向かうロール及びジャケット間の狭い間隙への導入によって生じるので、所望の冷却効果が促進され、 その効果は全ロール表面にわたって有効になる。 【0011】 【実施例】本発明の実施例は図1に記載されている。 図1はウェッブ材料処理用加熱自在ロールの概略側面図であり、加熱されたロールはジャケットによって囲まれ、 ジャケットにはその中へ向う複数の冷却ノズルが設けられ、ジャケットは保持部材として所望の絶縁及び冷却作用を確保されるようになっている。 ジャケットは、冷却流動体を供給する手段の保持のための保持部材として形成されている。 【0012】ウェッブ材料1は処理をなす加熱されたロール2と対向ロール7との間に案内される。 加熱されたロールは熱的に絶縁された材料から形成された剛直なジャケット3によって部分的に囲まれている。 ロール2のジャケットは、好ましくはロール2の少なくとも半分以上の大部分を覆い、ジャケット3がそれぞれのウェッブ材料1の近傍にて終端しており、ウェッブ材料の走行を妨げない。 【0013】ジャケット3はロールフレーム又はロール載置体へ図示しない手段によって固定されている。 冷却ノズル4は周囲方向かつロール2及び長さ軸方向において設けられ、これらノズルは好適に、絶縁又は分離材料からなるジャケット3内に配置かつ載置されている。 ノズルからの冷却流動体の流出方向がロール表面に実質的に直角に伸長している。 【0014】これら冷却ノズルの開口はロール表面に向けられており、好ましくはロール2及びジャケット3間の間隙8中に伸長している。 ノズル及び供給ライン5のための付加的載置手段を設けることもできる。 このことはジャケット3を安定かつ剛直に形成することに役立つ。 ジャケット中にノズル4を保持するためになされることは、特定の激しい流れ条件を得るために、ノズル方向がロール表面に関して変化せしめるようにすることである。 【0015】複数のノズル4は好ましくジャケット3内に配置され、すべてのロール表面領域は冷却流体、特に冷却空気によって略一様に晒され得、特定環境としてこれが望まれるならば、ロールの長さにわたって考えられる時に冷却空気などの冷却流体が差動的又は間歇的に供給される。 ノズル4には冷却流体が供給され、該流体は液体でもよく、供給ライン5を介して外部から供給され、実際は、例えばウェッブ材料1が切断されたことを決める等の製品製造等の処理操作が中断した信号を発する例えば光バリアからなるセンサ6による信号が生じた中断時点から冷却流体が供給される。 【0016】ノズル4への冷却液の供給は1つ以上の流量調整弁12を介して行なわれ、ノズルのある群は各調整弁12と協働するようになすことができる。 このように、表面温度の維持のために必要な冷却流体量をすべての表面温度のために有効にすることができる。 これに関して、ロール長さにわたって冷却効果を変化させるために冷却ノズル4が差動的に作動するようになすことができる。 【0017】冷却流体の自動的、制限的又は規則的な供給もまた可能であって、ロール表面温度は温度センサ9 によって検出され、あるいは温度センサの複数によって検出され、各流量調整弁12は、センサ6及び温度センサ9に接続されその検出出力に応じて作動する位置決めユニット10を介して制御されている。 上記冷却流体供給装置によって、製造の中断中において特にウェッブ材料の切断において、ジャケット3及び加熱されたロール2間の間隙8中へ冷却流体を導入せしめ、通常製造に必要な所望温度にロール表面温度を少なくとも実質的に一定に保つように、単位時間当りの冷却流体供給量を選択するようにすることができる。 【0018】製造の中断を解消した後において、冷却流体供給装置のスイッチは切られ、該中断中に冷却流体のための案内及び伝導表面として作用するジャケットが再度熱損失防止用ユニットとしての主機能を発揮し、ジャケットと一体となった冷却流体の供給の存在がその機能を妨げることがなくなる。 【0019】 【発明の効果】本発明によれば、熱的絶縁層を有するジャケットが間隙を保って、特に紙板などのウェッブ材料の処理をなす加熱自在のロールを部分的に囲んでいる。 製造条件の下で、ジャケットは外界への対流及び放射を介してロールからの熱損失を減少させる。 ジャケットは、製造中断時において、加熱されたロール表面の冷却のための強制対流を、製造状態に略等しいが多少高い温度の温度水準まで確保する装置を有している。 複数の冷却ノズルが該装置のために採用され、これがジャケットに設けられロール表面へ冷媒を向けるようになっている。 これらによって、製造中断時のロールの昇温を防止し熱損失を減少することができる。 【図面の簡単な説明】 【図1】本発明のウェッブ材料処理用加熱自在ロールの概略断面図である。 【符号の説明】 1 ウェッブ材料 2 加熱されたロール 3 ジャケット 4 冷却ノズル 5 供給ライン 6 センサ 7 対向ロール 8 間隙 9 温度センサ 10 位置決めユニット 11 供給ライン 12 流量調整弁 |