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フィブリルセルロースおよびフィブリルセルロース材料を処理するための方法、システム、ならびに装置

申请号 JP2014556120 申请日 2013-02-12 公开(公告)号 JP2015512964A 公开(公告)日 2015-04-30
申请人 ウーペーエム−キュンメネ コーポレイションUPM−Kymmene Corporation; ウーペーエム−キュンメネ コーポレイションUPM−Kymmene Corporation; 发明人 ヒッレブランド,カリ; ヌオッポネン,マルクス; リッレ,マルティナ; タンペル,ユハ;
摘要 本発明は、化学修飾されたフィブリルセルロースを処理する方法に関する。前記方法は、化学修飾されたフィブリルセルロースを、フィブリルセルロース材料がベルト上(22)に少なくとも1つの棒状体を形成するように、ベルト(22)を含む熱乾燥装置(20)に導入することと、化学修飾されたフィブリルセルロース材料を、少なくとも40℃の 温度 を有する加熱された空気流を用いてベルト(22)上において脱 水 し、熱乾燥装置(20)後におけるフィブリルセルロース材料の乾燥固体含有量が少なくとも10%であるように、化学修飾されたフィブリルセルロース材料を濃縮および/または乾燥させることとを含む。また、本発明は、熱乾燥装置、化学修飾されたフィブリルセルロースを処理するシステム、フィブリルセルロースを再分散させる方法およびシステム、ならびにフィブリルセルロース材料に関する。
权利要求

化学修飾されたフィブリルセルロースを処理する方法であって、 − 化学修飾されたフィブリルセルロース材料を、ベルト(22)を含む熱乾燥装置(20)に導入し、フィブリルセルロース材料がベルト(22)上に少なくとも1つの棒状体を形成することと、 − 少なくとも40℃の温度を有する加熱された空気流を用いて、化学修飾されたフィブリルセルロース材料をベルト(22)上において脱し、熱乾燥装置(20)後にフィブリルセルロース材料の乾燥固体含有量が少なくとも10%であるように、化学修飾されたフィブリルセルロース材料を濃縮および/または乾燥させることと、 を含むことを特徴とする方法。前記ベルトは、金網であり、加熱された空気の少なくとも一部は、ベルトを通って流れることを特徴とする請求項1に記載の方法。熱乾燥装置(20)に導入されたフィブリルセルロースの粘度は、前記フィブリルセルロースの供給濃度において少なくとも10000mPasであり、前記フィブリルセルロースの乾燥物質含有量は、0.5〜9%、好ましくは1〜7%、最も好ましくは2.5〜5%であることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。熱乾燥装置(20)のベルト(22)上のフィブリルセルロース材料は、少なくとも30%のベルト(22)の乾燥領域を覆うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。− 化学修飾されたフィブリルセルロース材料を供給タンク(24)に供給することと、 − 化学修飾されたフィブリルセルロース材料を供給タンク(24)から熱乾燥装置(20)に搬送し、ナノポンプが搬送処理において使用されることと、 を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。熱乾燥装置(20)は、少なくとも2つのベルト(22a、22b、22c)と、少なくとも1つの粉砕装置(21)とを含み、脱水は、 − 第1ベルト(22a)上において、化学修飾されたフィブリルセルロースを乾燥および/または濃縮する工程、 − 第1ベルト(22a)上における乾燥工程後、粉砕装置(21)において、化学修飾されたフィブリルセルロースを粉砕する工程、ならびに − 粉砕工程後、第2ベルト(22b、22c)上において、化学修飾されたフィブリルセルロース材料を乾燥および/または濃縮する工程を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。化学修飾されたフィブリルセルロース材料を、棒状体を形成するノズルによってベルト(22)上に押し出すことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。棒状体は、糸状体の形状であり、ベルト(22)上に複数の糸状体が存在し、糸状体の各々は、2〜10mmの直径を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。棒状体は、切り出し体を含む層の形態であり、層の厚みは、5〜20cmであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。棒状体は、単一層の形態であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。加熱された空気は、熱交換機によって、パルプ製造機、蒸気、または電源の排熱から生じることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。熱乾燥装置(20)に導入されるフィブリルセルロースの乾燥物質含有量が少なくとも5%であるように、熱乾燥装置(20)の前に、化学修飾されたフィブリルセルロースを前乾燥装置(15)において前乾燥することを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。化学修飾されたフィブリルセルロースを処理するための方法であって、 − 10%を超える乾燥固体含有量を有する化学修飾されたフィブリルセルロース材料を水和装置(42)に導入することと、 − 分散機(44)において、化学修飾されたフィブリルセルロースを液体中に再分散させ、0.01〜5%、より好ましくは0.1〜1%の乾燥物質含有量を有する化学修飾されたフィブリルセルロースをもたらすことと、 を含むことを特徴とする方法。− 水和装置(42)中において、10%を超える乾燥固体含有量を有する化学修飾されたフィブリルセルロースを湿らせることと、 − 湿らされた後の化学修飾されたフィブリルセルロースを分散機(44)に搬送することとを特徴とする請求項13に記載の方法。再分散されたフィブリルセルロースは、1000〜50000Pasまでのゼロせん断粘度と、水中において0.5%濃度で測定された、1〜30Pa、好ましくは3〜15Paの降伏応とを有することを特徴とする請求項13または14に記載の方法。フィブリルセルロースは、水中に再分散させられたときに、同一の分散濃度において、元来の粘度の、少なくとも60%、より好ましくは少なくとも70%である粘度をもたらすことを特徴とする請求項13、14、または15に記載の方法。化学修飾されたフィブリルセルロースを処理するためのシステムであって、 − 少なくとも1つのベルト(22)を含む熱乾燥装置(20)と、 − 化学修飾されたセルロース材料がベルト(22)上に少なくとも1つの棒状体を形成するように、化学修飾されたフィブリルセルロースを熱乾燥装置(20)に導入するための少なくとも1つの供給装置(31)と、 − 少なくとも40℃の温度を有する加熱された空気流を形成し、加熱された空気流を用いて、化学修飾されたフィブリルセルロース材料をベルト(22)上において濃縮および/または乾燥させる手段(32)と、 を含むことを特徴とするシステム。化学修飾されたフィブリルセルロースを処理するためのシステムであって、 − 水和装置(42)と、 − 少なくとも10%の乾燥物質含有量を有する化学修飾されたフィブリルセルロースを水和装置(42)に供給するための、少なくとも1つの供給装置(41a)と、 − 0.01〜5%、より好ましくは0.1〜1%の乾燥物質含有量を有する化学修飾されたフィブリルセルロースをもたらすための分散機(44)と、 − 湿らされたフィブリルセルロース材料を、水和装置(42)から分散機(44)に搬送するための手段(41b)と、 を含むことを特徴とするシステム。化学修飾されたフィブリルセルロースを処理するための熱乾燥装置(20)であって、 − 少なくとも2つのベルト(22a、22b、22c)と、 − 少なくとも2つのベルトの間に位置する少なくとも1つの粉砕装置(21)と、 − 熱乾燥装置を通る加熱空気流を供給し、化学修飾されたフィブリルセルロース材料を濃縮および/または乾燥させる手段と、 を含むことを特徴とする熱乾燥装置。少なくとも10%の乾燥固体含有量を有する化学修飾されたフィブリルセルロースであって、切り出し体の寸法が最大で5mmであることを特徴とするフィブリルセルロース。水中に再分散可能である化学修飾されたフィブリルセルロースであって、前記フィブリルセルロースは、少なくとも10%の乾燥固体含有量を有する化学修飾されたフィブリルセルロースから再分散され、再分散後の化学修飾されたフィブリルセルロースは、 − −200〜−2000の電荷ieq/g(フィブリルセルロース)、および0.8%濃度において測定したときに5000mPasを超える、10rpmで測定されたブルックフィールド粘度、および0.1%濃度において比濁計によって測定された200未満の濁度、または − 300〜2000の電荷ieq/g(フィブリルセルロース)、および0.8%濃度において測定したときに5000mPaを超える、10rpmで測定されたブルックフィールド粘度、および0.1%濃度において比濁計によって測定された100未満の濁度のいずれかの特性を有することを特徴とするフィブリルセルロース。再分散後の化学修飾されたフィブリルセルロースの電荷ieq/g(フィブリルセルロース)は、−500〜−1500であり、0.1濃度において測定された濁度は、10〜60NTUであり、10rpmで0.8%濃度において測定されたブルックフィールド粘度が10000〜40000mPasであることを特徴とする請求項21に記載の化学修飾されたフィブリルセルロース。請求項1〜12、または13〜16のうちの、いずれか1項に従って製造された、化学修飾されたフィブリルセルロース。

说明书全文

本発明は、化学修飾されたフィブリルセルロースを処理するための、方法、システム、および装置に関する。また、本発明は、化学修飾されたフィブリルセルロース材料に関する。

セルロースは、数百から1万の結合したD−グルコース単位からなる多糖類である。セルロース繊維は、たとえば、フィブリルセルロース材料を作製するためにリファイナーまたはグラインダーによって精製することが可能である。フィブリルセルロースは、単離されたセルロースミクロフィブリル、またはセルロース原料に由来するミクロフィブリル束を表す。したがって、ナノフィブリル化セルロース(NFC)および他の同種の名称としても知られるフィブリルセルロースは、自然界に豊富な天然のポリマーに基づく。フィブリルセルロースは、たとえば、中において粘性ゲル、すなわちヒドロゲルを形成するその性質に基づく多くの利用可能性を有する。

フィブリルセルロースの典型的な製造は、1〜4%の非常に低い濃度で実施される。したがって、たとえば、妥当な費用で材料を搬送するために、乾燥の解決策が必要である。しかしながら、フィブリルセルロースから水を除去することが困難であることは周知の事実である。また、フィブリルセルロースは、乾燥の間の質化(hornification)によって必要な特性を失い得る。したがって、乾燥後、特にナノ材料の再分散は、困難である。

本発明は、化学修飾されたフィブリルセルロースを処理するための、方法、システム、および装置を開示している。また、本発明は、化学修飾されたフィブリルセルロース材料を開示している。

本発明の態様は、独立クレーム1、13、17、18、19、20、21および23の記載によって特徴付けられる。本発明の様々な実施形態は、従属クレームに開示される。

一実施形態において、化学修飾されたフィブリルセルロースを処理するための方法は、少なくとも1つの工程を含み、化学修飾されたフィブリルセルロース材料は、加熱された空気流を用いてベルト上で濃縮および/または乾燥され、より好ましくは、前記方法は、少なくとも2つの工程を含み、化学修飾されたフィブリルセルロース材料は、加熱された空気流を用いてベルト上で濃縮および/または乾燥させられる。一例において、前記方法は、少なくとも1つの前処理工程を含み、化学修飾されたフィブリルセルロースの乾燥物質含有量は、化学修飾されたフィブリルセルロースがベルト上に供給される前に機械的に増加する。

有利には、化学修飾されたフィブリルセルロースを処理するシステムは、 − ベルトを含む熱乾燥装置、 − 化学修飾されたフィブリルセルロース材料がベルト上において少なくとも1つの棒状体を形成するように、化学修飾されたフィブリルセルロースを熱乾燥装置に導入する供給装置、および − 少なくとも40℃の温度を有する加熱された空気流を形成し、前記加熱された空気流を用いて、化学修飾されたフィブリルセルロースをベルト上で濃縮および/または乾燥させる手段を含む。

熱乾燥が1つの工程において試みられる場合、化学修飾されたフィブリルセルロース棒状体の表面は、生成物の内部が湿ったままであるように硬化し得る。このことによって、有利には、少なくとも1つの中間粉砕工程がフィブリルセルロースの均等な乾燥結果物に使用される。さらなる中間粉砕工程が存在する場合、生成物の品質は向上し得る。したがって、有利には、熱乾燥処理において少なくとも2つの乾燥工程が存在し、その間に少なくとも1つの粉砕装置がある。

有利には、熱乾燥装置の第1ベルトは、当該ベルトの表面からフィブリルセルロース棒状体を取り除くために配置されるブレード、たとえばドクターブレードを含む。

層の形態の1つのフィブリルセルロース棒状体、および/または第1ベルト上の糸状体の形態の複数のフィブリルセルロース棒状体が存在し得る。これに換えて、フィブリルセルロースが十分に乾燥された場合、第1ベルト上に層を形成する複数の切り出し体が存在し得る。

有利には、第1ベルト上に複数の糸状体が存在する。特に、前乾燥装置が使用されない場合、与えられた棒状体は、第1熱乾燥工程において好ましくは糸状体の形態である。有利には、切り出し体は、層が第2ベルト上の切り出し体から形成された後、第1ベルトと第2ベルトとの間でフィブリルセルロース糸状体から切断される。有利には、棒状体は、少なくとも最後の乾燥工程において多層切り出し体の形態である。

好ましくは、フィブリルセルロース材料は、第1ベルトの場合も、少なくとも30%または少なくとも45%、より好ましくは少なくとも60%または少なくとも70%、および最も好ましくは少なくとも80%または少なくとも90%のベルトの乾燥領域を覆う。

熱乾燥装置の最後のベルトの後、濃縮および/または乾燥後の化学修飾されたフィブリルセルロースは、所望の切り出し体の寸法にさらに粉砕および均質化され得る。濃縮および/または乾燥後の化学修飾されたフィブリルセルロース材料(すなわち、切り出し体)の平均直径は、好ましくは、1〜10mmである。この後、乾燥および/または濃縮後の修飾されたフィブリルセルロース材料は、たとえば、使用場所への実行可能な搬送を待つために保管場所または袋詰め段階に移動され得る。

本発明において使用されるフィブリルセルロースは、必要な再分散特性をもたらすために、化学修飾されている、すなわちカチオン性フィブリルセルロースまたはアニオン性フィブリルセルロースである。したがって、本発明に係るフィブリルセルロース中のセルロース分子は、天然のセルロースの化学構造に比べて、いくつかの付加的な官能基を含む。そのような基は、ほんの一例として、カルボキシメチル、アルデヒドおよび/もしくはカルボキシル、または第4級アンモニウムであり得る。化学修飾は、好ましくは、セルロース分子の、カルボキシメチル化、酸化、エステル化、またはエーテル化反応に基づく。一例において、修飾は、セルロース表面において、アニオン性、カチオン性、もしくは非イオン性物質、またはこれらの任意の組み合わせの物理吸着によって実現される。記載された修飾は、ミクロフィブリル化セルロースの製造前後、もしくは製造中に、またはこれらの工程の任意の組み合わせで実施することが可能である。

フィブリルセルロースは、より柔軟にするために、化学的に前修飾されたセルロースで作製することが可能である。ナノフィブリル化セルロースのこの種の出発物質は、セルロース原料またはセルロースパルプの特定の修飾を生じる、柔軟なセルロースパルプまたはセルロース原料である。たとえば、N−オキシル媒介酸化(たとえば、2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンN−オキサイド)は、容易にミクロフィブリル化セルロースに分解する非常に柔軟なセルロース材料をもたらす。たとえば、特許出願WO09/084566およびJP20070340371は、そのような修飾を開示している。また、化学修飾されたフィブリル化セルロースは、たとえば軽度にカルボキシメチル化されたセルロース材料で作製することが可能である。

カチオン性フィブリルセルロースが使用される場合、カチオン性セルロースは、有利にはセルロースを置換するための試薬としてグリシジルメチルアンモニウムクロライド(GTAC、M=151.46g/mol)を用いて作製される。カチオン性フィブリルセルロースは、典型的には少なくとも10mVのゼータ電位を有する(pH8)。重合度(DP)は、好ましくは少なくとも0.05である。

本発明に従えば、熱乾燥後の乾燥固体含有量は、好ましくは10〜100%であり、より好ましくは20〜50%である。

有利には、濃縮および/または乾燥後の化学修飾されたフィブリルセルロースは、再分散後に、元来の非濃縮材料の粘度が完全にまたはほとんど達成されるように、再分散させられる。このことは、元来のフィブリルセルロースに比べて、等しい、またはほとんど等しい特性をもたらし得る。

有利には、化学修飾されたフィブリルセルロースは、濃縮および/または乾燥させられる。化学修飾されたフィブリルセルロースの乾燥固体含有量は、典型的には1〜4%であり、このことは多量の水を受け入れることができないいくつかの用途にとって低すぎる。

熱乾燥装置は、化学修飾されたフィブリルセルロースの熱乾燥を可能にする。したがって、本発明は、特に、最終利用場所への費用効果的な搬送と、物質の本来の特徴を保持したまま乾燥させられた、化学修飾されたフィブリルセルロースの再分散とを可能にする。

有利には、再分散方法は、 − 10%を超える乾燥固体含有量を有する化学修飾されたフィブリルセルロース材料をシステムに導入することと、 − 化学修飾されたフィブリルセルロースを分散機中の液体に再分散させ、0.01〜5%、より好ましくは0.1〜1%の乾燥物質含有量を有する化学修飾されたフィブリルセルロースをもたらすこととを含む。

有利な実施形態において、再分散方法は、 − 10%を超える乾燥物質含有量を有する化学修飾されたフィブリルセルロース材料をシステムに導入すること、 − 10%を超える乾燥物質含有量を有する化学修飾されたフィブリルセルロースを水和タンクにおいて湿らせること、 − 湿らせた後の化学修飾されたフィブリルセルロース材料を分散機に搬送すること、および − 0.01〜5%、より好ましくは0.1〜1%の乾燥物質含有量を有する化学修飾されたフィブリルセルロースを分散機中の液体に再分散させることを含む。

有利には、再分散させられたフィブリルセルロースは、同じ分散濃度において、本来の粘度の、少なくとも60%または少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%または少なくとも85%、最も好ましくは少なくとも90%または少なくとも95%である粘度をもたらすであろう。

本発明は、図面を参照して以下に説明される。

図1は、乾燥処理の例を示す。

図2は、本明細書において使用される、熱乾燥処理および熱乾燥装置の実施形態の例を示す。

図3は、本明細書において使用される、熱乾燥処理および熱乾燥装置の実施形態の例を示す。

図4は、再分散処理の例を概略的に示す。

図5は、再分散の配列の例を示す。

図6は、実験的検査からの写真を示し、金網上に抽出された材料を示す。

図7aは、実験的検査からの写真を示し、乾燥前の化学修飾されたフィブリルセルロース試料を示す。図7bは、実験的検査からの写真を示し、乾燥後の化学修飾されたフィブリルセルロース試料を示す。

図8は、実験的検査の結果を示し、濃縮されていない(2%)または濃縮された(26%)のアニオン性フィブリルセルロースで作製された、修飾されたフィブリルセルロース分散液の粘度対せん断応の曲線を示す。

図9は、実験的検査の結果を示し、濃縮されていない(3.6%)または濃縮された(22%)のアニオン性フィブリルセルロースで作製された0.5%フィブリルセルロース分散液の流動作用における再分散方法の効果を示す。

図10は、実験的検査の結果を示し、濃縮されていない材料で作製された分散液の流動作用に比べた、乾燥された(100%)アニオン性フィブリルセルロースで作製されたフィブリルセルロース分散液の流動作用における水和温度の効果を示す。

図11は、実験的検査の結果を示し、様々な再分散方法によって、27%まで空気乾燥された材料から作製された分散液の流動作用を示す。

図12は、実験的検査の結果を示し、様々な再分散方法によって、27%まで空気乾燥された材料から作製された0.5%(w/w)アニオン性フィブリルセルロース分散液の薄層の写真を示す。

図13は、実験的検査の結果を示し、様々な再分散方法によって、27%まで空気乾燥された材料から作製された分散液の位相差顕微鏡写真を示す。

以下の開示において、特に示されていない場合、すべてのパーセンテージは乾燥重量である。

以下の参照符号が本願において用いられる。 11 化学修飾されたフィブリルセルロース材料 11a 濃縮および/または乾燥させられる、化学修飾されたフィブリルセルロース材料 11b 濃縮および/または乾燥させられたフィブリルセルロース材料 11c 再分散されたフィブリルセルロース材料 15 前乾燥装置 20 熱乾燥装置 21 粉砕装置 21a 第1粉砕装置 21b 第2粉砕装置 21c 第3粉砕装置 22 ベルト 22a 第1ベルト 22b 第2ベルト 22c 第3ベルト 23 加熱された空気 24 熱乾燥装置用の供給タンク 25 熱乾燥装置からの運搬機 26 ナノポンプのような供給ポンプ 31 押出機のような熱乾燥装置の供給装置 32 加熱された空気流を形成するための手段 40 化学修飾されたフィブリルセルロース材料を再分散させるための手段 41a 濃縮後の化学修飾されたフィブリルセルロース11bを水和タンクに供給するための再分散処理の第1搬送手段 41b 化学修飾されたフィブリルセルロースを水和タンクから分散機44に搬送するための再分散処理の第2搬送手段 41c 化学修飾されたフィブリルセルロースを分散機44から搬送するための再分散処理の第3搬送手段 42 水和タンクのような、水和(すなわち、湿潤)装置 44 分散機 45 再分散されたフィブリルセルロース用のフィブリルセルロース保管タンク 46 加熱された希釈水

セルロースは、多くの化学的誘導体に変換することが可能である再生可能な天然ポリマーである。誘導体化は、重合体のβ−D−グルコピラノース単位における水酸基の化学的反応によって主に実施される。化学的誘導体化によって、セルロースの特性は、元来の化学的形態に比べて変化し得るが、重合体化構造を保持する。

本願において、用語フィブリルセルロース「棒状体」は、フィブリルセルロース糸状体、フィブリルセルロース切り出し体、および板状の形態、すなわちフィブリルセルロース層を表す。

用語「ベルトの乾燥領域」は、フィブリルセルロース材料が乾燥工程の間にベルト上に置かれるように意図されているベルトの領域を表す。

用語「フィブリルセルロース」は、単離されたセルロースミクロフィブリル、またはセルロース原料に由来するミクロフィブリル束を表す。フィブリルセルロースは、直径がサブミクロン領域にあるセルロース小繊維からなる。それは、低濃度においてさえも自己集合するヒドロゲルネットワークを形成する。フィブリルセルロースのこれらのゲルは、自然界において、高度にせん断減粘性であり、チキソトロピックである。小繊維は、典型的には、高いアスペクト比を有する:長さは1マイクロメートルを超え得るが、数平均直径は典型的には200nm以下である。ミクロフィブリル束の直径もより大きくすることも可能であるが、一般的に1μm未満である。最も小さいミクロフィブリルは、典型的には2〜12nmの直径である、いわゆる基本繊維に類似している。小繊維または小繊維束の寸法は、原料および分解方法によって決まる。フィブリルセルロースは、いくらかのヘミセルロースも含んでもよい。その量は、植物源によって決まる。セルロース原料、セルロースパルプ、または精製パルプからのフィブリルセルロースの機械的分解は、リファイナー、粉砕機、ホモジナイザ、コロイドミキサ、摩擦粉砕機、超音波処理装置、またはマイクロフルイダイザ、マクロフルイダイザもしくは流動化型ホモジナイザなどの流動化装置などの適切な機器によって実施される。

フィブリルセルロースについて、いくつかの広く使用される類義語が存在する。たとえば、ナノフィブリル化セルロース(NFC)、ナノセルロース、ミクロフィブリル化セルロース、ナノフィブリル化セルロース、セルロースナノファイバー、ナノスケールフィブリル化セルロース、ミクロフィブリル化セルロース(MFC)、またはセルロースミクロフィブリルである。本願において記載されたフィブリルセルロースは、セルロースナノウィスカー、セルロースナノクリスタル、セルロースナノロッド、ロッド様セルロースマイクロクリスタル、またはセルロースナノワイヤーとしても知られる、いわゆるセルロースウィスカーと同じ材料ではない。ある場合には、たとえば、Kuthcarlapati et al. (Metals Materials and Processes 20(3):307-314, 2008)によると、同様の専門用語が両方の材料に使用される。研究された材料は、「セルロースナノファイバー」と称されたが、それらは明らかにセルロースナノウィスカーを表した。典型的には、これらの材料は、一層強固な構造をもたらすフィブリルセルロースとしての小繊維構造に沿った非結晶セグメントを有さない。セルロースウィスカーも、フィブリルセルロースよりも短い。

フィブリルセルロースは、植物由来のセルロース原料から通常作製される。原料は、セルロースを含む任意の植物材料に基づくことが可能である。用語セルロース原料は、化学的および/または機械的に処理されたセルロース繊維の製造において使用することが可能である任意のセルロース原料源を表す。植物材料は、木材であってもよい。木材は、トウヒ、マツ、モミ、カラマツ、ダグラスモミもしくはツガなどの軟材の木、またはカバ、アスペン、ポプラ、ハンノキ、ユーカリノキもしくはアカシアなどの硬材の木、または軟材と硬材との混合物に由来することが可能である。非木材材料は、農業残渣、草、または、その他の植物性物質に由来してもよく、たとえば、ワタ、トウモロコシ、コムギ、オートムギ、ライムギ、オオムギ、コメ、アマ、アサ、マニラアサ、サイザルアサ、ジュート、ラミー、ケナフ、バガス、タケ、またはアシに由来する、わら、葉、樹皮、種子、外皮、花、野菜、もしくは果実などである。化学的パルプとの用語は、化学的パルプ化処理によって、任意のセルロース原料、またはセルロース原料の任意の組み合わせから分離されるセルロース繊維を表す。

したがって、リグリンは、セルロース原料から除去される少なくとも大部分である。化学パルプは、好ましくは硫酸化木材パルプである。一例では、化学パルプは、軟材および/または硬材から単離される。使用された化学パルプは、漂白されなくても、漂白されてもよい。一実施形態において、本発明において使用されるフィブリルセルロース材料の、少なくとも80%の乾燥重量、より好ましくは少なくとも90%の乾燥重量、最も好ましくは少なくとも95%の乾燥重量が、化学パルプに由来する。

本発明において使用されるフィブリルセルロース材料は、セルロースナノフィブリルまたはナノフィブリル束の、化学修飾された誘導体である。化学修飾は、たとえば、セルロース分子の、カルボキシメチル化、酸化、エステル化、またはエーテル化反応に基づき得る。修飾は、アニオン性、カチオン性、もしくは非イオン性物質、またはこれらの任意の組み合わせの物理的吸着によって実現され得る。記載された修飾は、ミクロフィブリルセルロースの製造前後もしくは中、またはこれらの処理の任意の組み合わせにおいて実施することが可能である。

有利には、本発明において使用されるフィブリルセルロース材料は、アニオン化またはカチオン化されたセルロース材料から製造され、すなわちフィブリルセルロースは、アニオン性またはカチオン性である。セルロース材料のアニオン化は、軽度にカルボキシメチル化されたセルロースを形成するために、たとえばセルロースの第1級ヒドロキシル基が複素環ニトロオキシル化合物によって触媒的に酸化される反応によって、またはセルロース材料がカルボキシメチル化試薬に反応させられる反応によって実施され得る。

したがって、本発明の実施形態において、セルロース材料は、アニオン性セルロース材料をもたらすために、セルロースのヒドロキシル基のニトロキシ媒介酸化によって酸化される。この場合、セルロース材料のアニオン化は、好ましくは、セルロースの第1級水酸基が複素環ニトロオキシ化合物によって触媒的に酸化される反応によって実施される。化学薬品は、たとえばいわゆる「TEMPO」、つまり、2,2,6,6−テトラメチルピペリジニル−1−オキシフリーラジカルであり得る。セルロースのC−6炭素ユニットの水酸基の酸化において選択性を有することが知られている他の複素環ニトロオキシ化合物も使用することが可能である。

本発明の他の実施形態において、セルロース材料は、アニオン化されたセルロース材料をもたらすためにカルボキシメチル化試薬に反応させられる。この実施形態において、セルロース材料は、水に不溶であるそのような置換度を有する、軽度にカルボキシメチル化されたセルロース材料を形成するために試薬に反応させられる。

本発明の他の実施形態において、カチオン性セルロース材料は、グリシジルトリメチルアンモニウムクロライドを用いて作製される。

フィブリルセルロースの有利な特性評価は、表1に示される。 表1 フィブリルセルロースの特性

フィブリルセルロースの粘度(表1に示されるような):正確な粘度を測定するために利用可能である市販されている、いくつかのブルックフィールド粘度計が存在する。それらは、すべて同じ原理に基づく。表1に開示された測定について、いわゆるブルックフィールドRVDV−III装置が使用された。10rpmの低い回転速度が選択されるべきである。回転速度における相違点は、誤った粘度値をもたらし得る。また、不均一な粘度材料を試験するために特に適した羽根形状を理由として、「羽根スピンドル」(装置における番号73)が使用される。アニオン化されたフィブリルセルロースの粘度は、0.8%濃度で測定されるべきである。測定前の試料の混合時間は、10分間である。使用される温度は、20℃±1℃である。正確に結果を比較すること可能にするために、一定の標準的濃度を有するフィブリルセルロースの希釈液が得られることに関心を向けるべきである。さらに、フロッキングは回避されるべきである。

フィブリルセルロースの濁度(表1に示されるような):目盛付き比濁度計からの濁度の単位は、ネフェロ濁度単位(NTU)と称される。濁度は、いわゆるタービディメトリーおよびネフェロメトリーが使用される光学的方法を用いて測定される。測定は、いわゆるHACH P2100装置を用いて0.1%濃度で実施される。フィブリルセルロース試料は、299.5gの水と0.5gのフィブリルセルロース(乾燥フィブリルセルロースとして計算)とが、慎重に混合されるように水で希釈される。典型的なフィブリルセルロースは、実質的に水性媒体に透明である。さらにフィブリル化されたセルロース材料は、あまりフィブリル化されていないものに比べて低い濁度を有する。

フィブリルセルロースの電荷(表1に示されるような):電荷は、伝導度測定滴定によって決定することが可能である。有利には、電荷ieq/g(フィブリルセルロース)は、−200〜−2000、もしくは300〜2000、より好ましくは−500〜−1500、もしくは500〜1500、最も好ましくは−600〜−1200、もしくは700〜1200である。言い換えれば、フィブリルセルロースは、好ましくは明確にアニオン性またはカチオン性である。

降伏応力(Pa)は、いわゆるレオメータ装置によって、または、たとえばブルックフィールド装置によって測定することが可能である。一例では、降伏応力は、4Pa以上であり、より好ましくは10〜40Paである。

フィブリルセルロース製造において、フィブリルセルロースの濃度は、典型的には非常に低く、通常1〜4%である。したがって、製造場所から材料を搬送するための物流費用は、典型的には非常に高価であり、合理的な価格で材料を搬送するために乾燥についての解決策が必要である。本発明に従って、最大で5%の濃度を有する少ない固体フィブリルセルロースの搬送を回避することが可能である。さらに、フィブリルセルロースの乾燥および/または濃縮は、いくつかの用途にとって不可欠である。

フィブリルセルロースの特定の表面領域は、そのナノスケールの寸法によって非常に大きい。高い水分保持は、フィブリルセルロース本来のものである。なぜなら、水は多数の水素結合を介して繊維の表面に結合されるからである。典型的なフィブリルセルロースは、乾燥の間の角質化によって、いくつかの望ましい特性を失う。したがって、特に、ナノ材料の再分散は困難である。

本発明によって、乾燥または半乾燥のいずれにせよ、濃縮後の化学修飾されたフィブリルセルロースが、完全に、またはほぼ完全に、水または他の溶媒に再分散することが可能であるように、化学修飾されたフィブリルセルロース材料を濃縮することが可能である。

図1は、濃縮および/または乾燥後の、化学修飾されたフィブリルセルロースの一実施形態を簡略チャートで示し、産業規模で応用することが可能である方法である。この処理において、少なくともいくらかの水が、加熱された空気によって蒸発させられる。濃縮および/または乾燥後の化学修飾されたフィブリルセルロース材料11aは、熱乾燥装置20に供給される。

一実施形態において、化学修飾されたフィブリルセルロースの乾燥物質含有量が熱乾燥処理前に5%を超えるように、化学修飾されたフィブリルセルロースが製造される。

熱乾燥装置20における第1の乾燥工程前に、少なくとも1つの前乾燥装置15が存在し得る。前乾燥装置15は、圧力濾過装置のような、好ましくは機械的水除去装置である。前乾燥装置15によって、化学修飾されたフィブリルセルロース材料11aの乾燥物質含有量は、熱乾燥装置20における第1乾燥工程前に増加させることが可能である。しかしながら、一実施例において、機械的水除去は、使用されていない。

図2および3は、熱乾燥処理の有利な実施形態を開示している。乾燥された糸状体様の化学修飾されたフィブリルセルロース(第1ベルト上)についての有利な空気流は、図2に示されており、乾燥された層状の化学修飾されたフィブリルセルロースの有利な空気流は、図3に示される。

一実施例において、唯1つのベルトが使用される。この場合、ベルトは、典型的には、ベルト上の化学修飾されたフィブリルセルロースを濃縮および/または乾燥させるために極めて大きな領域を必要とする。したがって、単一層乾燥における性能は、非常に低いままである。化学修飾されたフィブリルセルロース材料の投入を増加させることが可能であるので、多層乾燥によって乾燥性能を増加させることが可能である。したがって、2つのベルト、または多数のベルト熱乾燥装置が、1つのベルト熱乾燥装置よりも一層好ましく使用される。多数のベルト乾燥装置を用いることによって、高い乾燥性能が小さな基礎領域においてもたらされ得る。

熱乾燥装置は、好ましくは少なくとも2つのベルト、たとえば2〜4のベルト、より好ましくは少なくとも3つのベルト、たとえば3〜6のベルトを含む。各ベルトの速度は、たとえば周波数変換器によって制御され得る。したがって、熱乾燥装置は、乾燥されるべき生成物に最適に調整することが可能である。

化学修飾されたフィブリルセルロース層が熱乾燥の間に何度か混合される場合、急な湿度勾配が、化学修飾されたフィブリルセルロース材料層において表れ得る。材料の熱乾燥は、第1の面、すなわち空気が吹き出す側から開始し得、材料の中を層の第2の面に進む。有利には、2つのベルトの間に粉砕装置が存在するので、長い保持時間の生成物中の水分は、生成物が後続のベルト上に送られたとき多重混合によって、特に均一に分散される。

有利には、熱乾燥装置の第1ベルトは、ブレード、たとえばドクターブレードを含み、ベルトの表面からフィブリルセルロース棒状体を取り除くために配置される。ブレードは、好ましくは、フィブリルセルロース材料を第1ベルトの端、たとえば少なくとも15%、より好ましくは少なくとも10%、最も好ましくは少なくとも5%の第1ベルトの乾燥領域を含む領域内にて取り除く。熱乾燥装置の第1ベルト上の乾燥工程後、フィブリルセルロース材料は、好ましくは、有利には第1ベルトと第2ベルトとの間に置かれる粉砕装置に入れられる。

有利には、熱乾燥装置20は、少なくとも1つの粉砕装置21、たとえば1〜5の粉砕装置21、より好ましくは2〜4の粉砕装置21を含む。このことは、濃縮後の化学修飾されたフィブリルセルロースの均質性を増加し得る。濃縮後の化学修飾されたフィブリルセルロース片の粒子径は、粉砕装置の各々の後、典型的には減少する。粉砕装置は、好ましくは2つのベルト、すなわち2つの熱乾燥工程の間に設置される。

熱乾燥装置20において、加熱された空気流は、好ましくはベルト、および化学修飾されたフィブリルセルロース棒状体内を通る。それに代えて、または加えて、いわゆる再循環空気乾燥を使用することが可能であり、空気は、ベルトの表面に沿って、および化学修飾されたフィブリルセルロース内を流れる。少なくとも1つの乾燥工程は、熱乾燥装置20を用いることによって実施される。すべての熱乾燥工程は、熱乾燥装置20を用いることによって実施することが可能である。

好ましくは、熱乾燥装置20についての化学修飾されたフィブリルセルロース11aの少なくとも1つの供給タンク24が存在する。供給タンク24は、好ましくは円錐形底タンクであり、すなわち、タンクは、その下部で次第に細くなっている。円錐形タンク24の底の角αは、好ましくは最大120°、たとえば80〜120°、より好ましくは90〜110°である。

好ましくは、円錐形底タンクに混合装置が存在する。混合装置の回転は、実質的に遅くてもよい。有利には、混合装置は、タンク24の垂直な中心線に位置する。混合装置は、好ましくは底に付加され、加えて供給タンク24の上部に付加される。

混合装置の上部において羽根のような部分が存在し得る。これに代えて、または加えて、混合装置の上部にらせん状の部分が存在し得る。混合装置の用語「上部」は、供給タンク24の上部に設置される部分、すなわち典型的に垂直な壁を有する供給タンクの部分を表す。

好ましくは、混合装置の下部にスクリュー様混合部が存在してもよく、混合装置の下部におけるスクリュー様混合部分は、タンクの底に向かってフィブリルセルロース材料を搬送する。スクリュー様混合部分の回転速度は、供給タンクの底に必要な量の材料を供給するために十分に速くあるべきである。

フィブリルセルロース材料は、好ましくは、供給タンク24から連続量の流れとして排出される。好ましくは、供給タンク24の円錐形部、好ましくは供給タンクの底、最も好ましくは供給タンク24の底の中部に排出装置が存在する。

供給タンク24から、化学修飾されたフィブリルセルロース11aは、スクリューを含むポンプ26によって好ましくは押し出される。有利には、ポンプは、モノポンプである。これらの種類のポンプは、たとえばAxFlowおよびSeepex Gmbhによって製造される。

供給タンク24からポンプ26への供給は、たとえばスクリューを用いて実施され得る。また、モノポンプは、好ましくはスクリューを含む。モノポンプから、フィブリルセルロース材料は、好ましくは押出機である供給装置に搬送される。

有利には、熱乾燥装置に供給される、化学修飾されたフィブリルセルロースの乾燥物質含有量は、0.5〜9%、たとえば1〜7%、または2.5〜5%である。

熱乾燥装置20の前に、化学修飾されたフィブリルセルロース11aの高い濃度が達成された場合、熱乾燥装置20の第1ベルトに直接に厚い乾燥層を形成することが可能であるので、糸状体の乾燥は、第1には必要でなく、その場合、熱乾燥は、ただ1つの乾燥工程を含み得る。

有利には、供給濃度における供給後の化学修飾されたフィブリルセルロース11aの粘度は、最も感度のよい作業範囲であり得る、少なくとも10000mPas、より好ましくは20000mPasであり、最も好ましくは少なくとも40000mPas、または少なくとも50000mPasである。化学修飾されたセルロース11aの粘度が低い場合、化学修飾されたフィブリルセルロース11aは、金網の場合における第1ベルト内部を流れ得るので、化学修飾されたフィブリルセルロースを金網から除去することは困難であり得る。

フィブリルセルロース材料の高い粘度特性によって、それは、使用された熱乾燥装置のベルト上に棒状体として供給することが可能である。棒状体の供給は、好ましくは抽出技術に基づく。供給装置31は、パイプおよびポンプの組み合わせであり得、より好ましくは、供給装置は押出機である。平板様の生成物(すなわち、層)が望まれる場合、供給装置31のノズルは、平らで広く、糸状体様の生成物について、供給装置のノズルは、丸みがある。

フィブリルセルロース材料の乾燥固体含有量が十分に高くない場合、フィブリルセルロース材料層を熱乾燥装置のベルト22上に抽出することは困難であり得る。この場合、前乾燥装置15および/または第1乾燥工程が糸状体について好ましくは使用される。

供給装置31によって、化学修飾されたフィブリルセルロース11aは、好ましくは移動ベルト、すなわち第1ベルト上に、好ましくは2〜20mmの直径を有する糸状体として、または好ましくは1〜20mmの厚みを有する薄層として分散させられる。

化学修飾されたフィブリルセルロースが、少なくとも5%の高い乾燥固体含有量を有する場合、たとえば加圧に基づく乾燥工程によって、比較的厚い乾燥層、好ましくは5〜10cm、が熱乾燥装置の第1金網上に直接形成され得る。濃縮されるべき、化学修飾されたフィブリルセルロース層の厚みは、以下の金網上の化学修飾されたフィブリルセルロースの増加した乾燥固体含有量と共に増加し得る。熱乾燥装置の第1金網上に適用される化学修飾されたフィブリルセルロースの乾燥物質含有量が最大で5%または最大で4%である場合、有利には、糸状体は、熱乾燥装置の第1ベルト上において、化学修飾されたフィブリルセルロース11aから作製される。以下のベルトにおいて、比較的に厚い乾燥層、たとえば5〜20cm、より好ましくは最大で15cm、および最も好ましくは最大で10cmを形成することが可能である。ある場合において、厚い層、たとえば約30cmが形成される場合、背圧が大きくなりすぎる可能性がある。

熱乾燥工程に使用される熱乾燥装置20は、濃縮および/または乾燥される、化学修飾されたフィブリルセルロース材料11aが適用される、好ましくは少なくとも1つのベルト22を含む。有利には、少なくとも第1ベルト22aおよび/または少なくとも最後のベルトは金網であり、より好ましくはすべてのベルト22は金網である。有利には、化学修飾されたフィブリルセルロース11aは、熱乾燥装置20の第1ベルト22a上に供給される。第1ベルト22aから、化学修飾されたフィブリルセルロースは、好ましくは第1粉砕装置21aを介して、第2ベルト22b上に供給される。第2ベルト22bから、化学修飾されたフィブリルセルロースは、最も好ましくは第2粉砕装置21bを介して、好ましくは第3ベルト22c上に供給される。3つ以上のベルトが存在してもよい。この場合、後続の乾燥工程の間に、好ましくは粉砕装置が存在し得る。有利には、最後のベルトの後、化学修飾されたフィブリルセルロースが好ましくは搬送装置25に供給された後、化学修飾されたフィブリルセルロースが最後の粉砕装置に供給される。好ましくは、搬送装置25は、フィブリルセルロースをフィブリルセルロース包装装置、および/またはフィブリルセルロース保管場所に搬送する。

使用されるベルト22は、好ましくはポリエチレンおよび/またはナイロンを含む。より好ましくは、ベルト22は、ポリエチレンおよび/またはナイロンで作製される。たとえば、典型的な抄紙機金網器具は、このことに適している。たとえば、ベルト22は、鋼鉄および/またはテフロンを含む。使用される金網の網目寸法は、極めて多種多様であるが、原料パルプにおける粘度がより高くなれば、より粗い金網が使用され得る。

一例において、金網の乾燥領域における開口の寸法(少なくとも大部分の開口)は、0.02mm2〜0.05mm2である。開口の合計(すなわち、ベルトの乾燥領域における開口の全領域)は、金網の乾燥領域の25〜45%である。

一例において、金網の乾燥領域の通気性は、5000〜6000m3/m2/hである。

粗い金網からよりも、一層密度の高い金網から生成物を除去することは容易であるが、一層密度の高い金網は、金網を通る空気流を低減する。有利には、加熱された空気は、ベルト22を通って、加えて、好ましくは前記ベルト上のフィブリルセルロースを通って熱乾燥装置内を流れる。一例において、少なくとも1つのベルト22は、加熱される。

第1ベルト22aは、好ましくは、糸状体の乾燥における多孔質金網であり、空気は、図2に示されるように金網を通って流れる。第1ベルト22a上の層の乾燥において、図3に示されるように、多孔性金網に換えて、高密度物質が同様に存在し得、この場合には、第1ベルト22a上のフィブリルセルロースの乾燥は、主に一方向のみから実施される。有利には、全てのベルトは、金網であり、第1金網は、有利には、他の金網よりも一層高密度の構造である。

ベルト22の乾燥領域は、望ましい性能によって決まる。乾燥されるフィブリル材料は、好ましくは少なくとも10分間、より好ましくは少なくとも20分間、最も好ましくは少なくとも30分間、および最大で240分間使用されるベルト22に接触される。

有利には、少なくとも1つの粉砕装置21は、中間粉砕、すなわち熱乾燥装置20のベルト22の間の粉砕のために使用される。粉砕装置21は、たとえば、粉砕機、グラインダー、またはシュレッダーであり得る。粉砕装置21は、好ましくはベルト22の末端に位置し、材料は、典型的には所望の寸法の粒子に均質化され、所望の厚みの多孔質層で次のベルトに分散される。粉砕装置21は、典型的には先細濾過機であり、底において1本の軸または数本の軸を回転させ、材料を粉砕する「ペグ」が付着している。粉砕された材料は、好ましくは、粉砕装置21の底から次の金網上に落とされる。一例において、粉砕装置21は、上述に示されたものとは異なる種類である。中間粉砕後の層厚は、有利には20〜200mmである。

熱乾燥装置20の性能は、実質的には熱乾燥装置に投入されるフィブリルセルロースの乾燥固体含有量によって決まる。したがって、熱乾燥装置に投入されるフィブリルセルロース材料の乾燥固体含有量は、有利には少なくとも2%または少なくとも3%、より好ましくは少なくとも4%または少なくとも5%である。典型的には、約10%乾燥固体含有量における乾燥固体含有量曲線(水蒸発速度)において、乾燥固体含有量がその時点の後(同じ温度が使用される場合)に典型的には急速に増えるように、明確な変化がある。したがって、乾燥固体含有量が増えるにつれて、製造効率が一層向上し得る。

ベルト22の各々の層厚は、所望の乾燥物質と生産量との間における最適化の問題である。熱乾燥装置の性能は、 − ベルトの乾燥領域、 − ベルトの数、 − ベルトの各々の回転速度、 − 化学修飾されたフィブリルセルロース11aの分散量、 − 加熱された空気の流速、および/または − 加熱された空気の温度によって制御することが可能である。 なぜなら、層厚は、有利には第1の金網後に増加し、他の金網は、典型的には、第1の金網よりも遅く動くからである。

たとえば、100kg/hの量のフィブリルセルロースが、2.5%の濃度から20%の濃度まで乾燥される場合、フィブリルセルロースは、特に、使用される空気流、空気流の温度、および空気流の湿度に依存して、約50〜100m2のベルト領域を必要とし得る。

熱乾燥装置は、乾燥処理を測定および/または制御するために、好ましくは2〜7、好ましくは3〜6の以下のオンライン計測を含む。 − 濃縮される材料の重量、 − 空気の温度、 − フィブリルセルロース材料の温度、 − ベルトの温度、 − 空気の水分含有量、 − フィブリルセルロースの水分含有量、および − 空気の流速。

有利には、厚い多孔質層が、水の蒸発と熱乾燥装置の性能とを増加させ、したがって、乾燥装置20の寸法を最小化するために、熱乾燥装置20のベルト22の少なくとも1つの上に形成される。第2ベルトおよび/またはそれに続くベルト上のフィブリルセルロース層の厚みは、好ましくは少なくとも5cmであり、より好ましくは少なくとも7cmである。

本発明において使用される熱乾燥装置20は、好ましくは低温ベルト乾燥装置である。空気流は、最も濃縮されたフィブリルセルロースから最も水分を含むフィブリルセルロースに導かれ得る(図2および3に示される)。有利には、空気流は、たとえば、最も水分を含むフィブリルセルロースから最も濃縮されたフィブリルセルロースに導かれ得る。

乾燥装置において使用された加熱された空気23は、送風または吸引することが可能である。加熱された空気流23を形成する手段32は、好ましくは少なくとも1つの熱交換器を含む。有利には、加熱された空気23は、パルプ製造機、蒸気、または電源から熱交換機によって生じる。

熱乾燥装置20における乾燥空気の温度は、有利には、少なくとも40℃または50℃、より好ましくは少なくとも60℃、最も好ましくは少なくとも70℃である。しかしながら、温度は、好ましくは120℃以下、より好ましくは110℃以下である。一例では、熱乾燥の間における、化学修飾されたフィブリルセルロース材料の温度は、好ましくは最大で80℃である。有利には、熱乾燥装置の加熱された空気流の温度は、40℃〜80℃である。適切な乾燥性能のためには、より高い温度が推奨される。たとえば、乾燥温度を40℃から60℃まで増加させることによって、乾燥時間を、ほとんど半分にすることが可能である。たとえば、80℃、および1m/sの空気流速が使用される場合、多層乾燥の開始時の蒸発速度は、m2あたり約55kg(H2O)/hにすることが可能であり、60%乾燥固体含有量においてm2あたり約15kg(H2O)/hに減少する。

加熱された空気の流速は、好ましくは少なくとも0.2m/s、より好ましくは0.2m/s〜1.0m/s、最も好ましくは0.25m/s〜0.50m/sである。乾燥空気の体積流量率の増加は、水の蒸発を増加させるので、乾燥時間を減少させるであろう。たとえば、0.25m/sに換えて0.5m/sの空気粘度を用いれば、水の蒸発は、乾燥の開始において約45%高くなり得る。

熱乾燥装置の第1ベルト22a上に投入されるセルロースフィブリル材料の濃度は、好ましくは少なくとも2%、たとえば2〜4%である。第1乾燥工程後の濃度は、好ましくは少なくとも5%、たとえば5〜8%である。フィブリルセルロース材料の乾燥物質含有量が4%を超える場合、たとえば前乾燥装置によって、第1乾燥工程後の濃度は、典型的には5〜8%よりも典型的には高い。第1の乾燥工程後、フィブリルセルロース材料は、熱乾燥装置20の第2ベルト上に存在する。

熱乾燥、すなわち熱乾燥装置20における最後の乾燥および/または濃縮工程後、フィブリルセルロース材料11bの濃度は、好ましくは10〜100%、より好ましくは15〜35%、または20〜30%である。

第1の熱乾燥工程において、化学修飾されたフィブリルセルロース材料は、有利にはノズルによってベルト上に押し出され、棒状体を形成する。化学修飾されたフィブリルセルロースの乾燥物質含有量が0.1〜4%である場合、棒状体は有利には糸状体の形状である。ベルト上の単一の糸状体の直径は、好ましくは2〜15mm、より好ましくは5〜10mmである。有利には、化学修飾されたフィブリルセルロース糸状体は、予め定められた乾燥固体含有量に乾燥され、その後、それらは、好ましくは、0.1cm〜2.0cmの切り出し体に切断または粉砕される。

濃縮および/または乾燥されたフィブリルセルロース材料の切り出し体の寸法は、熱乾燥装置の後、好ましくは最大で5mm、たとえば1〜5mm、より好ましくは最大で3mm、たとえば2〜3mmである。

好ましくはいくつかの、たとえば3、4または5つの粉砕装置が存在し、 − 第1の中間粉砕工程の後、切り出し体の寸法は、有利には1〜3cmであり、および/または − 次の粉砕工程後、切り出し体の寸法は、0.5cm〜1.5cmであり、および/または − 最後の粉砕工程後、切り出し体の寸法は、1〜5mmである。

化学修飾されたフィブリルセルロースの乾燥物質含有量が、少なくとも4%、より好ましくは少なくとも5%、最も好ましくは少なくとも6%である場合、棒状体は、好ましくは層の形状である。層は、好ましくは、1cm〜30cm、より好ましくは3cm〜20cm、最も好ましくは5cm〜10cmの平均厚みを有する。

好ましくは、熱乾燥処理において少なくとも第1工程と第2工程とが存在する。第2工程は、有利には追加の粉砕装置を含む、付加的な第3または第4工程に続けることが可能である。一実施形態において、化学修飾されたセルロース層は、加熱された空気が好ましく流れる切り出し体から形成され、第2、第3および/または第4熱乾燥工程の間の層の厚みは、5〜20cm、たとえば8〜13cmである。水分は、滞留的に乾燥され、好ましくは空気流に移される。

化学修飾されたフィブリルセルロース棒状体を異なる棒状体の直径と比較すると、乾燥の開始時における蒸発は、棒状体の直径が20mmではなく10mmである場合、2.5倍である。また、このことは、抽出された材料の乾燥時間の短縮に反映されるであろう。しかしながら、乾燥領域ごとの乾燥能率は、典型的にはほとんど同一である。

有利な例において、乾燥および/または濃縮後の化学修飾されたフィブリルセルロースは、使用前に再分散させられる。他の例の実施形態において、乾燥および/または濃縮後の化学修飾されたフィブリルセルロースは、それ自体で使用される。

フィブリルセルロースのいくつかの写真は、図6、7aおよび7bに示される。図6は、第1ベルト上の第1熱乾燥工程前の抽出された材料を示し、図7aは第1熱乾燥工程前の第1ベルト上の抽出されたアニオン性フィブリルセルロース試料を示し、図7bは、熱乾燥処理後のアニオン性フィブリルセルロース試料を示す。

図4は、濃縮および/または乾燥後の化学修飾されたフィブリルセルロース材料が再分散される処理を概略的に示す。図5は、再分散処理の配置例を示す。

化学修飾されたフィブリルセルロース11bの再分散は、2つの主要な工程を含み、第1のものは水和装置42、好ましくは水和タンクにおける水和工程であり、第2のものは、分散機44における、水和された材料の機械的分散である。このことは、図5に示されている。また、水和工程のための他の装置が、水和タンク42に加えて、または換えて存在して得る。

再分散に好ましく使用される方法および設備は、濃縮および/または乾燥後の化学修飾されたフィブリルセルロース材料の乾燥物質含有量によって決まる。20%に濃縮された材料は、完全に乾燥された材料よりも容易に再分散する。濃縮および/または乾燥後の化学修飾されたフィブリルセルロース材料は、液体、好ましくは水、たとえば蒸留水を用いて再分散させられる。特に分散させられるフィブリルセルロース材料の乾燥物質含有量が20%未満、より好ましくは15%未満である場合、水和タンクのような水和装置42が使用できないおそれがある。

十分に高いせん断力が再分散処理において使用される場合、化学修飾されたフィブリルセルロースは、熱空気乾燥処理後、液体中において高い粘度の分散液を形成することが可能である。液体は、好ましくは水を含み、または水からなり、すなわち液体中の水の量は、好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%である。

濃縮および/または乾燥後の化学修飾されたフィブリルセルロース材料11bは、フィブリルセルロース材料11bを再分散したフィブリルセルロース材料11cに再分散させるために手段40を用いて再分散させられる。フィブリルセルロース材料11を再分散するための手段40は、好ましくは少なくとも − 水和タンク42、および − 分散機44を含む。 また、化学修飾されたフィブリルセルロース材料11を再分散するための手段40は、濃縮後の化学修飾されたフィブリルセルロースを水和タンクに供給するための、好ましくは第1スクリューのような第1手段41aと、化学修飾されたフィブリルセルロースを水和タンクから分散機44に搬送するための、第2スクリューのような第2手段41bとを含む。分散工程後、化学修飾されたフィブリルセルロース11cは、有利には保存タンク45に、または直接に使用場所に押し出される。したがって、配置は、化学修飾されたフィブリルセルロースを分散機44からたとえば小繊維保存タンクに搬送するために、好ましくは、パイプおよびポンプのような第3手段41cを含む。

再分散について、加熱された蒸留水46は、好ましくは分散機44に搬送される。これに換えて、または追加して、加熱された蒸留水46は、濃縮後の化学修飾されたフィブリルセルロースの第1搬送装置41aに搬送され得る。蒸留水の使用量は、再分散後、化学修飾されたフィブリルセルロースの乾燥固体含有量に影響を与える。

混合の間における気泡の取り込みが最小化される分散機44が好ましくは使用されるべきである。特に、気泡の形成を抑制できない場合、分散液、またはゲルは、気泡を取り除くために、分散機44における再分散の間、および/または後に真空下で脱気され得る。

再分散は、分散機44における再分散工程の前に、水和タンク42において材料を水和することによって促進することが可能である。化学修飾されたフィブリルセルロースの保管期間は、好ましくは40〜90分間、より好ましくは50〜70分間である。

再分散は、室温から水和工程の間に室温から温度を上昇させることによってさらに向上させることが可能である。水和タンク42の温度は、好ましくは30〜60℃、より好ましくは35〜50℃である。

有利には、再分散後の化学修飾されたフィブリルセルロースの乾燥固体含有量は、最大で5%、より好ましくは最大で3%または2%、最も好ましくは最大で1%、たとえば0.1〜1%である。

実験室規模における再分散に適切な高せん断装置(すなわち、分散機44)は、たとえば、ワーリングブレンダなどのブレンダ、またはビュッヒミキサ、Ultra-Turraxor高圧ホモジナイザなどのローターステーター型ホモジナイザである。これらの種類の装置を用いる再分散は、非常に速い。ワーリングブレンダ、またはビュッヒミキサを用いる、たとえば、10秒3回の混合サイクルは通常、高い粘度を有する均一な分散液を得るために十分である。典型的には、ディスパーマット溶解槽などのブレードインペラ(blade impellers)、またはプロペラインペラ(propeller impeller)は、十分に高いせん断力を提供しないので、濃縮または乾燥後の化学修飾されたフィブリルセルロースの再分散には不適切である。

産業規模における再分散には、たとえば、Silverson(登録商標)高せん断インラインミキサなどのインラインロータ−ステータ型のホモジナイザが使用可能である。有利な例において、ロータ−ロータ型ホモジナイザおよび/またはロータ−ロータ型の分散機が使用される。他の市販されている、再分散のために使用可能である連続的分散機は、たとえばIKA series DR2000またはDRS2000によって提供される。

化学修飾されたフィブリルセルロースを20〜100%の乾燥物質含有量に濃縮するための、いくつかの実験室規模の再分散方法は、以下の実施例において示される。

実施例1 アニオン性フィブリルセルロースは、26%の乾燥物質含有量まで空気乾燥された。0.5%フィブリルセルロース分散液は、196.25gの蒸留水を3.85g26%フィブリルセルロースに添加することによって作製された。混合物は、直ちに500mlのガラス容器におけるワーリングラボラトリーブレンダ(LB20E*、375W)において3×10秒にわたって再分散された。2%の初期乾燥物質含有量を有する濃縮されていないフィブリルセルロースの0.5%分散液は、比較として同様に作製された。混合の間に取り込まれる気泡は、真空下において分散液から除去された。再分散処理の達成は、分散液の粘度を、羽根形を用いる応力制御レオメータ(TA Instruments, UK)を用いてせん断応力の関数として測定することによって評価された。

ワーリングブレンダを用いる混合は、濃縮された材料から視覚的に均一な分散液を製造するために十分であった。0.5%の濃度において再分散された材料の粘度は、しかしながら、図8に示されるように、濃縮されていない材料から作製された0.5%分散液のものほど高くなかった。0.65%まで濃度を増加することによって、0.5%における濃縮されていない材料と同様の粘度が達成可能であった。再分散後に粘度を上昇させる他の方法は、ワーリングブレンダを用いる混合の前に、水和温度を上昇させるため、または混合時間を増加させるために、濃縮された材料を水和することを可能にする。このことは、実施例2および3において説明される。

実施例2 22%まで空気乾燥されたアニオン性フィブリルセルロースの分散液は、ワーリングブレンダにおいて混合される前に1時間にわたって材料を磁気撹拌しながら水和することによって、0.5%の濃度で蒸留水中において作製された。制御された分散液は、濃縮されていない(3.7%)材料から3×10秒間のワーリングブレンダを用いる混合によって作製された。

3.7%および22%のフィブリルセルロースから作製された分散液は、図9に示されるような広いせん断応力範囲において同一の流動作用を示した。ワーリングブレンダを用いる混合前の1時間の水和期間は、22%まで濃縮されたフィブリルセルロースの再分散を明らかに促進した。22%材料がワーリングブレンダを用いて、水和期間前に3×10秒にわたって、および水和後に再度(3×10秒)混合されたとき、一層良い結果が得られた。また、高い粘度を有する分散液は、ワーリングブレンダを用いる10秒間の混合サイクルの数を3から6まで増加させることによって、濃縮されていない(3.7%)材料からも作製することが可能であった。

実施例3 アニオン性フィブリルセルロースは、100%まで空気乾燥された。材料の0.5%分散液は、3×10秒にわたってビュッヒミキサ(B-400, max 2100 W, Buechi Labortechnik AG)を用いる分散前に、室温で磁気撹拌しながら1時間にわたって水和することによって、蒸留水中において作製された。

図10から分かるように、100%材料から作製された分散液の粘度は、濃縮されていない材料から作製された分散液のものほど高くなかった。水和の間の温度を室温から50℃まで増加させたとき、結果は、顕著に改良された。

以下の実施例は、濃縮されたフィブリルセルロースの再分散において、十分に高いせん断力が必要であることを示している。

アニオン性フィブリルセルロースは、27%まで空気乾燥された。材料の0.5%分散液は、a)ワーリングブレンダにおいて最大速度で10秒間、b)ワーリングブレンダにおいて最大速度で3回10秒の混合サイクル、c)ディスパーマット溶解機(VMA-Getzmann GMBH)において3000rpmで1時間、またはd)ビュッヒミキサにおいて3回10秒の混合サイクルを用いて混合することによって蒸留水中において作製された。

図12a〜12dから、視覚的に均一な分散液は、ワーリングブレンダを用いる短い処理(1×10秒)を除いたすべての他の再分散方法によって作製可能であることが分かった。ディスパーマットが処理した分散液は、目視によって良好であるように見えたが、図11に示されるように、その粘度は、一層強力な再分散方法(ワーリング3×10秒およびビュッヒミキサ)によって作製された分散液のものよりも明らかに低いままであった。分散液の顕微鏡検査(図13a〜13d)は、フィブリルセルロースが、ワーリングブレンダ(3×10秒)またはビュッヒミキサを用いるよりも、ディスパーマットを用いて分散させたほうがうまく分散されないことを明らかにした。

当業者は、発明の異なる実施形態がフィブリルセルロース材料の処理の最適化が望まれる環境において応用性を有し得ることを容易に理解する。また、本発明は、単に上述された実施形態に限定されず、添付の特許請求の範囲内で修正することが可能であることが明らかである。

フィブリルセルロースは、ミクロフィブリルおよびナノフィブリルを含み得る。フィブリルセルロースの再分散は、乾燥の間に生じる、小繊維の間における多数の水素結合の存在に関連している。セルロースの単位重量あたりの水素結合の数は、前記小繊維の形態に直接関連しており、より具体的にはそれらの特定の表面に比例する。特定の表面が大きくほど、セルロースの重量単位の水素結合の数は多い。木から得られるセルロースフィブリルは、二次壁に由来し、それらは70%よりも大きな結晶化度を有する。化学修飾またはフィブリル化後、フィブリルセルロースの結晶化度は、55%よりも大きくてもよい。フィブリルセルロースは、不定形小繊維を含む。フィブリルセルロース中の不定形小繊維の量は、50%未満である。二次壁から得られるセルロースフィブリルは、不定形小繊維の特性を有さず、むしろ微晶質小繊維の特性を有する。

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