The method and apparatus of the paper web drying

申请号 JP2000525625 申请日 1998-12-04 公开(公告)号 JP2001527170A 公开(公告)日 2001-12-25
申请人 メッツォ ペーパー、インク.; 发明人 オヤネン、ユハ; クハサロ、アンッティ; スンドクビスト、ハンス; ヌルミ、ヤルッコ; ハッポネン、ハッリ; ハムストロム、クリスティアン; リッポネン、ユハ;
摘要 (57)【要約】 紙ウェブ(W)が乾燥用シリンダ(20,24,24';410)の加熱されたシリンダ表面に対してかつ少なくとも1つのエア衝突モジュール(M
0 ,M
1 ,M
2 ,M
3 ;434,634,734)によりエア衝突乾燥によって乾燥される紙ウェブを乾燥するための方法と装置が提供される。 紙ウェブ(W)に最終 含 水 量 および/もしくはその質および/もしくは横断方向のプロファイルがエア衝突乾燥の効率を調節することにより調整される。 乾燥および/もしくは電 力 消費を最適化するために加圧部分から出てくる紙ウェブは先ず第1に少なくとも1つの乾燥用シリンダ群によって70%以上の乾燥分含量に乾燥され、その後ウェブは乾燥、プロファイル、およびカールを制御する装置に供給され、そこで紙ウェブの乾燥分含量は紙ウェブに向かってホットエアもしくは蒸気ジェットを吹き付けることにより調整される。
权利要求 【特許請求の範囲】
  • 【請求項1】 紙ウェブ(W)が乾燥用シリンダ(20,24,24';410)の加熱され たシリンダ表面に抗してかつ少なくとも1つのエア衝突モジュール(M 1 ,M 2
    3 ;434,634,734)によりエア衝突乾燥によって乾燥される方法に おいて、紙ウェブ(W)の最終含水量をおよび/もしくはその質および/もしくは横断方向のプロファイルをエア衝突乾燥の効率を調節することにより調整する紙ウェブの乾燥方法。
  • 【請求項2】 さらに紙ウェブ(W)の最終含水量および/もしくはその質が1つもしくは複数の乾燥用シリンダ群(R 2 ...R 10 )の乾燥用シリンダの1つもしくは複数 (20,24,24')の蒸気圧を調節することにより調整することを特徴とす る請求項1に記載の方法。
  • 【請求項3】 紙ウェブ(W)の最終含水量は乾燥部の最後の乾燥用シリンダ群(R 10 )が測定装置(34)によって測定され、そして1つもしくは複数のエア衝突モジュール(M 0 ,M 1 ,M 2 ,M 3 )のエア衝突乾燥の効率が測定装置(34)によって与えられる測定結果に基づいて調整されることを特徴とする請求項1もしくは2に記載の方法。
  • 【請求項4】 紙ウェブ(W)の最終含水量が最終乾燥用シリンダ群(R 10 )の後に測定装置(34)によって測定され、そして乾燥用シリンダの1つもしくは複数(20,
    24,24')の蒸気圧が該測定装置(34)により与えられた測定結果に基づ いて調整されることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の方法。
  • 【請求項5】 紙ウェブ(W)の特性が紙ウェブ(W)の全幅を横切って、フィードバックによって測定装置(34)により与えられた測定結果に基づいて調整されることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の装置。
  • 【請求項6】 エア衝突の効率および/もしくは乾燥用シリンダの蒸気圧がモデル予見多変数制御に基づいて制御されることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の装置。
  • 【請求項7】 エア衝突の効率および/もしくは乾燥用シリンダの蒸気圧は最適化アルゴリズムに基づいて調整されて、紙の質および/もしくは製造コストを最適化することを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の方法。
  • 【請求項8】 エア衝突の効率はエアの吹き付け速度および/もしくは温度および/もしくは吹き付け媒体の湿度および/もしくは紙ウェブ(W)からエア衝突ユニットのエアフードの距離を調節することにより調整されることを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の方法。
  • 【請求項9】 エア衝突はエア衝突フードの抄紙機縦方向セグメントを別々に調節することによっておよび/もしくは該エア衝突フードの装置縦方向セグメントを閉じることによって調整されることを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の方法。
  • 【請求項10】 紙ウェブ(W)のグレードの変更期間中、乾燥効率はグレードについてもしくはメモリ(42)から制御系(36)に供給されたグレードの変更を述べるモデルについての情報により調整され、制御系(36)はグレードについての情報に基づいて1つもしくは複数の乾燥用シリンダ群(R 2ないしR 10 )の乾燥用シリ ンダの1つもしくは複数(20,24,24')の蒸気圧を制御ユニット(38 )により制御し、そして制御系(36)によって1つもしくは複数のエア衝突モジュール(M 0 ,M 1 ,M 2 ,M 3 )が同時に制御ユニット(40)を介して目標値に基づいておよび/もしくは測定装置(34)からの連続的なフィードバック制御により制御されることを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載の方法。
  • 【請求項11】 抄紙機のスタートアップ段階で乾燥用シリンダ(20,24,24')および エア衝突フード(10,28,28')が第1にプレヒートされ、そして走行パ ラメータが、該測定装置(34)からのフィードバックに基づいてエア衝突を制御しそして乾燥用シリンダの蒸気圧を制御することによりセットされ、そしてエア衝突が該乾燥用シリンダの乾燥効率が変化するにつれて調整されることを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載の方法。
  • 【請求項12】 ウェブ破断中、乾燥用シリンダ(20,24,24')の蒸気圧と該エア衝突 モジュール(M 0 ,M 1 ,M 2 ,M 3 )の効率が休止にセットされ、そして休止の後乾燥用シリンダ(20,24,24')の蒸気圧とエア衝突モジュール(M 0 ,M 1 ,M 2 ,M 3 )の効率が正常運転値にセットされ、そして紙ウェブ(W)の質の 補正が該エア衝突パラメータを調節することにより実施されることを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載の方法。
  • 【請求項13】 (a)搾水部から出てくる紙ウェブが少なくとも1つの乾燥用シリンダ群を通過 させられ (b)該紙ウェブは前記少なくとも1つの乾燥用シリンダ群において平均乾燥分 含量が70%以上、好ましくは75%以上に乾燥させられ、そして (c)該紙ウェブは前記少なくとも1つの乾燥用シリンダ群から該紙ウェブの乾 燥を制御する装置に案内される、 ことを含む紙ウェブが抄紙機の乾燥部において処理される方法において、該紙ウェブの乾燥分含量は該紙ウェブを好ましくはワイヤ上あるいはそれと同等物上に支持されて、 1つもしくは複数のウェブを横切って伸びる湾曲したもしくはリニアなエア衝突フードと 1つもしくは複数のウェブを横断して伸びるシリンダ、ロールもしくはバキュームボックスのような湾曲したもしくはリニアな表面と の間に形成されたスロット上のスペースを通して該紙ウェブを通過することにより調整され、そして 前記スロット状のスペース内の1つもしくは複数のエア衝突フードから連続したエアもしくは蒸気ジェットを該ウェブに向かって、ウェブ横断方向に、吹き付けることによってウェブの乾燥分含量を調整することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  • 【請求項14】 紙ウェブの乾燥分含量は乾燥部もしくは乾燥用シリンダ群の後で測定された紙ウェブの乾燥分含量内の変化に応じてエアもしくは蒸気ジェットの乾燥効率を調節することにより調整されることを特徴とする請求項13に記載の方法。
  • 【請求項15】 該紙ウェブの乾燥分含量は、ウェブを横切って伸びる少なくとも2つの連続的 な衝突フードから紙ウェブに向かってエアもしくは蒸気ジェットを吹き付けることにより、かつ各エア調節フードから出てくるエアもしくは蒸気ジェットの乾燥効率を別々に調節することによって調整されることを特徴とする請求項13もしくは14に記載の方法。
  • 【請求項16】 紙ウェブの乾燥分含量プロファイルがウェブ横断方向において、 ウェブ横断方向に連続的に2つもしくはそれ以上のエアもしくは蒸気ジェット群の乾燥効率を別々に調節することにより、または ウェブ横断方向において連続的にエアジェットの乾燥効率を別々に調節することによって 調節されることを特徴とする請求項13もしくは14に記載の方法。
  • 【請求項17】 紙ウェブの乾燥分含量は紙ウェブに向かって吹き付けられるエアジェットによって調整され、上記エアジェットの乾燥効率は40℃ないし500℃、好ましくは200℃ないし400℃の間を変化する温度調節することにより調整されることを特徴とする請求項13ないし16のいずれかに記載の方法。
  • 【請求項18】 紙ウェブの乾燥分含量は該紙ウェブに向かって吹き付けられるエアジェットにより調整され、上記エアジェットの乾燥効率は乾燥エアの0ないし300gH 2 O /kgの間を変化させることのできる含水量を調節することにより調整されることを特徴とする請求項13ないし16のいずれかに記載の方法。
  • 【請求項19】 ウェブの乾燥分含量は紙ウェブに向かって吹き付けられるエアジェットによって調整され、上記エアジェットの乾燥効率は40なし200m/s、典型的には50ないし150m/s、最も好ましくは70ないし120m/sに調節することにより調整されることを特徴とする請求項13ないし16のいずれかに記載の方法。
  • 【請求項20】 エアジェットは抄紙機室から導かれる交換用エア、フードによって閉じられた乾燥部内のフードの戻りエアもしくは装置自身の戻りエアを使用し、その温度は増加させられ、および/もしくはその水分レベルは紙ウェブのほうに向かって吹き付けられる前に減少されることを特徴とする請求項13に記載の方法。
  • 【請求項21】 ステージ(d)において、戻りエアは二つもしくはそれ以上のエア衝突フードもしくはエア衝突フードのセグメントから紙ウェブに向かって吹き付けられ、そして −エア衝突フードもしくはエア衝突フードセグメントから吹き付けられた戻りエアは、種々のエア衝突フードもしくはそのセグメント内に吹き付けられる前に戻りエアを加熱するための共通のバーナーもしくはその等価手段によって加熱され、または −エア衝突フードもしくはエア衝突フードセグメントから吹き出される戻りエアは戻りエアを加熱するためのエア衝突フードもしくはエア衝突フードセグメントあるいは戻りエアを加熱するための同等な手段の各々に統合された1つのバーナーによって別々に加熱される ことを特徴とする請求項13に記載の方法。
  • 【請求項22】 紙ウェブの平均乾燥分含量は70%ないし95%、好ましくは75%ないし8
    5%の範囲内にエア衝突手段によって増加させられることを特徴とする請求項1
    3に記載の方法。
  • 【請求項23】 エアジェットは紙ウェブに向かって二つもしくはそれ以上の連続的なエア衝突フードから吹き出され、その場合に第1のエア衝突フードから出てくるエアジェットの乾燥効率は次のエア衝突フードから出てくるエアジェットの乾燥効率よりも平均においてより高いことを特徴とする請求項13に記載の方法。
  • 【請求項24】 乾燥用シリンダ(20,24,24';410)および紙ウェブ(W)を乾燥 するためのエア衝突乾燥モジュール(M 0 ,M 1 ,M 2 ,M 3 ;434,634,7
    34)とからなる紙ウェブ乾燥用の乾燥部であって、該乾燥部は紙ウェブ(W)
    の最終含水量を測定するための測定装置(34)を有しておりかつ少なくとも1
    つのエア衝突ユニット(M 0 ,M 1 ,M 2 ,M 3 )の吹き付け効率を調整するための手段(36,40)を有していることを特徴とするウェブ乾燥用の乾燥部。
  • 【請求項25】 乾燥部はさらに乾燥用シリンダ(20,24,24')の蒸気圧を調整するた めの手段(38)からなることを特徴とする請求項27に記載の乾燥部。
  • 【請求項26】 該乾燥部は少なくとも1つのエア衝突ユニットを、該測定装置(34)により与えられる測定結果に基づいて調整するための制御ユニット(36,40,40 0 ,40 1 ,40 2および40 3 )を含んでいることを特徴とする請求項24または25に記載の乾燥部。
  • 【請求項27】 紙ウェブ(W)の最終含水量を測定するための測定装置(34)は該乾燥部の乾燥用シリンダ群(R 10 )の後ろに配置されていることを特徴とする請求項24
    ないし26のいずれかに記載の装置。
  • 【請求項28】 該乾燥部はもしくは複数の乾燥用シリンダ群(R 2 ...R 10 )の乾燥用シリ ンダの1つもしくは複数(20,24,24')の蒸気圧を調整するための手段 (38 2 ,38 3 ,38 4 ,38 5 ,38 6 ,38 7 ,38 8 ,38 9 ,38 10 )からなることを特徴とする請求項24ないし27のいずれかに記載の乾燥部。
  • 【請求項29】 乾燥部は乾燥効率を調整するための制御ユニット(36)に接続された、紙のグレードについての特定グレードの情報を該制御システムに供給するためのメモリ(42)を含んでいることを特徴とする請求項24ないし28に記載の乾燥部。
  • 【請求項30】 抄紙機はウェブの横断方向のプロファイルあるいは室を測定するための装置と、およびその横断方向プロファイルもしくは少なくとも1つのエア衝突ユニットのブロー効率を測定するための手段とからなることを特徴とする請求項24ないし25のいずれかに記載の方法。
  • 【請求項31】 抄紙機の乾燥部において紙ウェブの乾燥を最適化しおよび/もしくはエネルギー消費量を最適化するために、 該紙ウェブが乾燥分含量70%以上、好ましくは乾燥分含量75%以上乾燥させられる少なくとも1つの第1乾燥用シリンダ群(430)、および 少なくとも1つの第1の乾燥用シリンダ群(430)の後に設けられた紙ウェブの乾燥を制御するための装置(428)とからなる装置において、 紙ウェブの乾燥を制御するための該装置は、 −1つもしくは複数のウェブを横断して伸びるエア衝突フード(28,28', 434,434',434'')等と −1つもしくは複数のウェブを横断して伸びる吸引ロールもしくはバキュームボックス(26,436',436'')のような湾曲したあるいはリニアなカウン ター表面であって、リニアな乾燥部に設けられてスロット状の空間(438)を形成しそこを紙ウェブ(W,418)が通るようにし、そして −紙ウェブに向かって上記1つもしくは複数のエア衝突フードとからのエアもしくは蒸気ジェットを該ウェブが該スロット状のスペースを通るときに吹き出すための手段(435)とを有していることを特徴とする装置。
  • 【請求項32】 抄紙機の乾燥部分はさらに少なくとも1つのリニアな乾燥部を包含し、そしてこの後に最後の乾燥用シリンダ群(432)を備えたことを特徴とする請求項3
    1に記載の装置。
  • 【請求項33】 エア衝突モジュールは最後の乾燥用シリンダ群の直前に設けられていることを特徴とする請求項31に記載の装置。
  • 【請求項34】 該エア衝突モジュールは該最後の乾燥用シリンダ群の直後に設けてあることを特徴とする請求項31に記載の装置。
  • 【請求項35】 エア衝突モジュールはウェブの移送方向において2つないし3つの連続的なエア衝突フード(28,28',634,634',634'')と、紙ウェブの移送方向において2つないし3つの連続的な吸引ロールもしくはバキュームボックス(26,636,636',636'')とを含み、これらは互いに対向しており それらの間に基本的には水平配置のスロット状のスペース(638)を形成していることを特徴とする請求項31に記載の装置。
  • 【請求項36】 該リニアな乾燥部は紙ウェブの移送方向において連続的に1つのエア衝突モジュールと2ないし3個のバキュームボックスとを含み、前記バキュームボックス は該エア衝突フードの下に設けられて該エア衝突フードと該バキュームボックスとの間に基本的に水平配置のスロット状のスペースを形成していることを特徴とする請求項31に記載の装置。
  • 【請求項37】 該吸引ロールもしくは該エア衝突モジュールのバキュームボックスはワイヤの下にバキュームを作り出すための手段を含んでいることを特徴とする請求項31
    に記載の装置。
  • 【請求項38】 該リニアな乾燥部は1つもしくは複数のエア衝突フード(634,634', 634'')と1つもしくは複数のバキュームボックス(636,636',63 6'')との間にスロット状のスペース(638)内に紙ウェブ(618)を支持するためのエンドレスのワイヤループ(640)を含み、一方1つもしくは複数のバキュームボックスが該エア衝突フードの下方で該エンドレスなループの内側に設けられていることを特徴とする請求項31に記載の装置。
  • 【請求項39】 該リニアな乾燥部において1つあるいはそれ以上に衝突フードと1つもしくは複数のバキュームボックスとの間のスロット状の空間内に紙ウェブを支持するための反転ロール(442,450)によって制御されるエンドレスなワイヤループ(440)が配列されていることを特徴とする請求項31に記載の装置。
  • 【請求項40】 該抄紙機の乾燥部において該最初の乾燥用シリンダ群の最後のものからリニアな乾燥部への閉じた紙ウェブ移送装置と該リニアな乾燥部から該リニアな乾燥部へ続く該乾燥用シリンダ群への閉じた紙ウェブ移送装置が設けてあることを特徴とする請求項31に記載の装置。
  • 【請求項41】 リニアな乾燥部は 2つもしくはそれ以上のエア衝突フードもしくはエア衝突セグメント(634
    a,634b,634c)であってそこには紙ウェブに向かって戻りエアを吹き出 すための手段(452,454)が配置されており、そして 2つもしくはそれ以上のエア衝突フードもしくはセグメントの戻りエアを加熱するためおよび/もしくはその水分を減らすための共通の手段(456)、を含んでいることを特徴とする請求項31に記載の装置。
  • 【請求項42】 該エア衝突モジュールは2つもしくはそれ以上のエア衝突フードもしくはエア衝突フードセグメントからなり、そこにはウェブに向かって戻りエアを吹き出すための手段が設けてあり、そしてそれらの各々においては戻りエアを加熱するためおよび/もしくはその水分を除去するための手段が設けてあることを特徴とする請求項31に記載の装置。
  • 【請求項43】 各エア衝突フードは少なくとも1つの、好ましくは2つあるいはそれ以上の開口もしくはスリットノズル(535)を含んでおり、これら開口もしくはスリットノズルは紙ウェブに向かってエアもしくは蒸気ジェットを吹き出す為にウェブを横断して伸びていることを特徴とする請求項31に記載の装置。
  • 【請求項44】 開口もしくはスリットノズルはエア衝突フードの底を形成しかつ該紙ウェブに平行な平面状の穴を設けたもしくはスロット付の板(540)に形成され、該穴を設けられたもしくはスロット付の板はスロット状のスペース(538)に隣接しており、そしてその開いた領域は0.5ないし5%(1ないし2.5%)であり、開口間の距離は10ないし100mm(15ないし35mm)であることを特徴とする請求項43に記載の装置。
  • 【請求項45】 該リニアな乾燥部の長さは1ないし20m、好ましくは5ないし10mであることを特徴とする請求項31に記載の装置。
  • 【請求項46】 該リニアな乾燥部は傾斜したもしくは垂直な位置に設けられておりその結果紙ウェブは水平から逸脱した面上をスロット状のスペースを通って通過することを特徴とする請求項31に記載の装置。
  • 说明书全文

    【発明の詳細な説明】

    【0001】 本発明の対象は特許請求の範囲の、独立請求項の前段部分に規定されているような、紙ウェブあるいはその等価物を乾燥させるための方法および装置である。

    【0002】 このことは、本発明の対象が典型的には抄紙機あるいはその等価物の乾燥部において紙ウェブあるいは同等なウェブを乾燥させるための方法および装置であって、その乾燥部においてはウェブが乾燥用シリンダの加熱されたシリンダ表面に対してかつ少なくとも1つのエア衝突ユニットを備えたエア衝突乾燥によって乾燥されるものであることを意味する。

    【0003】 本発明のもう1つの対象は抄紙機あるいはその等価物の乾燥部において紙ウェブ乾燥の最適化に関するものであり、該乾燥部は1つもしくは複数の乾燥用シリンダ群と少なくとも1つのエア衝突ユニットから構成されている。 本発明はしかしながら必要であるとすれば、乾燥部の、他のタイプのものにも適用できることが意図されるものである。

    【0004】 抄紙機のマルチシリンダドライヤにおいてはツインワイヤウェブ移送装置および/もしくはシングルワイヤウェブ移送装置を使用することが従来知られている。 過去15年の間、シングルワイヤウェブ移送装置がその使用を増加してきているが、そのシングルワイヤウェブ移送装置において各乾燥用シリンダ群にただ1
    つの乾燥ワイヤがあり、そのワイヤ上に支持されてウェブはシリンダ群全体を通り抜け、その結果乾燥用ワイヤは乾燥用シリンダの助けで加熱されたシリンダ表面に対してウェブを押し付け、ウェブは反転シリンダあるいはロール上の、外側の湾曲面の側にとどまっている。 こうして、シングルワイヤウェブ移送装置において、移送装置用シリンダはワイヤループの外側にあり、そしてターニングシリンダもしくはロールはその内側にある。 従来知られているものは乾燥用シリンダが上側列内にありターニングシリンダもしくはロールが下側列内にあるいわゆるノーマルシングルワイヤウェブ移送装置群のみからなる乾燥部のタイプのものである。

    【0005】 乾燥用シリンダを加熱させるために、蒸気が乾燥用シリンダの内部に導入されそして乾燥用シリンダの温度は蒸気圧をおよび/もしくは蒸気の流速を調整することによって制御される。 また、たまにしか行われないけれども、装置のスピードを調整することにより乾燥部において到達した最終量を制御することも可能である。 このような場合において、蒸気の圧は−通常最大圧力で限定された乾燥能力を備えた装置において−一定に保たれ、このことは最終含水量が乾燥部を通るウェブの速度を下げることによってあるいは上げることによって増加させたりあるいは減少させることができることを意味する。

    【0006】 一般的に使用されている蒸気圧調整システムはいわゆるカスケード調整および熱コンプレッサー調整であり、これらについては例えば、TAPPI NOTES, Practic
    al Aspects of Pressing and Drying, Short Course, 1990が知られている。

    【0007】 シングルワイヤウェブ移送装置あるいはツインワイヤウェブ移送装置のいずれかを使うことにより、乾燥用シリンダによって全体的に乾燥が実施されるこれらの従来型乾燥部のもつ1つの問題は乾燥効率の調整に関係していた。 ウェブの望ましい最終含水量を達成するためには、乾燥用シリンダの乾燥効率は一般に、シリンダに供給される蒸気の圧力を調節することによって調節される。 調節の仕方は、比較的ゆっくりであり、そしてそれゆえに、例えば搾水部やワイヤ部において始まるウェブ内の含水量の、突然の変化に最適の速度で反応しない。 特に紙グレードの変更、スタートアップおよびウェブの破断に関連して、蒸気圧を調整することによる乾燥の最適レベルへの最終的調整は、乾燥用シリンダの相当な質量の故に、ゆっくりと行われる。 調整において使用される方法は、最後の乾燥用シリンダの後でのIR測定に基づく乾燥分の測定および乾燥部の主蒸気シリンダ群への蒸気圧力を制御するためのフィードバックを含んでいた。 この調整の仕方は問題がなく機能してきて、ここでは定速度で標準的な製造の問題があり、かつウェブの破断が起こらなかった。 調整の問題はしかしながら、紙グレードの変更に関連してまたウェブの破断あるいは抄紙機のスタートアップに関連して起こる。

    【0008】 紙グレードの変更に関連して従来の乾燥部において、各々の乾燥用シリンダはその質量が大きいゆえに高い熱容量を有しており、このことは乾燥用シリンダの温度がゆっくりと変化するということを意味している。 このために、乾燥用シリンダにおける温度変化はグレードの変更に関して十分に速くはなかった。 幾つかの場合においては、乾燥効率の調整に関して必要とされる変更は搾水部における負荷を変化することによってなされてきているが、しかしこれはまた明らかに通常好ましくない紙の質を変化させることになる。 さらにまた搾水部における負荷を変更するとき、紙ウェブの断面方向のプロファイルがまた変化するようになり、このことは例えば水分のプロファイルにおいて欠陥を有することがしばしばあるということを意味する。 前述の理由によって、正確でない最終的な含水量もしくは質のウェブがグレードの変更に関連して巻き上げ機に巻かれることになる。
    従来技術により知られた解決法によれば、グレードの変更の後で均衡のとれた状態に再び到達する前に15ないし20分を要する。 例えば毎分1500ないし1
    800メートルの抄紙機速度で、大量の紙、すなわち、正確でない質の紙がこの間に作り出されることになる。 幅広の機械において、その量は10ないし20トンにもなり得る。

    【0009】 一方、ウェブ破断中、例えば該シリンダから熱エネルギーを運び去ることになる紙が乾燥部に供給されないとき乾燥用シリンダがオーバーヒートするという事実のゆえに、問題が起こる。 過度の熱いシリンダはウェブ破断の後のテール通しにおいてテール通しコードが熱いシリンダに固着するので問題を生じる。 加えて、過度の熱いシリンダはテール通しコードを乾燥し過ぎ、このことはコードを脆くしそしてその強度特性を失わせる原因となり、テール通しにおける問題を生じることになる。 さらにまたテール通しコードがウェブ破断の後に拡大すると、乾燥用シリンダの温度変化に対する能力が遅いという事実すなわち高い熱容量のゆえに乾燥用シリンダが均衡の取れた温度に戻る前に長い時間がかかることになる。 ウェブ破断の場合、これまで、ウェブ破断の期間中蒸気圧力を減らすことによる以外に、状況を制御下に置くためのほかの方法はなかった。 この結果は逆にウェブ破断の後の最終的な含水量が所望の値に合わないということになった。 さらにまた正常の走行条件に対応するまで復帰する前に長い時間がかかった。

    【0010】 抄紙機のスタートアップの段階で、特定の紙のグレードに対して好適な蒸気圧は、従前の対応する走行条件において良いと証明されてきた調節値が例えば表として集められているメモリからまず通常取り出され、そして乾燥用シリンダ内の蒸気圧はこのデータにより制御される。 選択された蒸気圧および時間のずらしあるいは変更はまた計算モデルおよびそれにより得られる値に基づくことができる。 従来、ウェブが抄紙機で最初に処理されるとき、使用される蒸気圧は最適の圧力よりわずかに下回り、そしてこの後蒸気圧は所望のレベルに増加される。 乾燥用シリンダの質量が大きいゆえに高い熱容量はスタートアップを遅らせ、その結果所望の状況に到達するまでに長い時間がかかる。 このことは、スタートアップ段階の間、不良タイプの紙の量が大きく作り出されるので問題である。

    【0011】 上述の問題はこのように主として乾燥用シリンダの熱容量が高くかつ必要とされる温度変化を達成する前に長いタイムラグがあるということである。

    【0012】 乾燥部は最もエネルギーを必要とする抄紙機の部分である。 抄紙機のエネルギー消費の3分の2を上回る程度が乾燥部において消費されるということができる。 それゆえ乾燥部はできるだけ経済的に、すなわちできるだけ高い蒸発効率および高い質の乾燥結果および低いエネルギー消費を達成するように使用されるべきである。 乾燥はまたウェブの横断方向において均一でなければならない。 乾燥用シリンダは現在使用されている最も普通の乾燥方法である。

    【0013】 ウェブをプロファイル付けることはできない、すなわち、シリンダの蒸気圧力を調節することによってもしくは装置の速度を調節することによってウェブの横断方向に均一になるように蒸発を調節することはできない。 乾燥部においてもしくはその前においてさえも、ストリークがしばしばウェブの走行方向に平行にウェブ上に幾つかの点で形成され、そこでウェブは他の点におけるよりもっと乾燥する。 乾燥すべきウェブがエア衝突ユニットに到達するときウェブの水分プロファイルにおけるバリエーションは実際の乾燥部における非均一の乾燥に依存するのみではなくしばしば搾水部における非均一な脱水によるものである。 水分プロファイルのバリエーションはまたワイヤ部についてすでに現れている非均一な固形物プロファイルによるものでもある。 乾燥に対する必要性の変更はウェブのグレードの変更に関連しても起きる。 これらのような水分プロファイルの欠陥は校正されねばならない。

    【0014】 従来、ウェブの水分レベルを均一にするためにウェブを横切って設けられたジェットパイプあるいはノズルから向けられた水ジェットを吹き付けることにより水分プロファイルの欠陥を修正する試みがなされてきている。 ウェブに水を加えることはエネルギー消費の観点から明らかに有利ではない。 何故ならば調整のためにスプレーされた水は後の段階でウェブから再び蒸発させなければならないからである。 水分プロファイルの欠陥を修正するためのもう1つのやり方はウェブを横切って設けられた赤外線ドライヤを使用することであり、これは最も高い含水量をもつウェブ領域から水を特に蒸発させることになる。 赤外線ドライヤは比較的大きなエネルギー量を消費する。

    【0015】 シリンダの乾燥において、乾燥すべきウェブは乾燥用シリンダの表面上を通過され、ワイヤによって圧搾されるが、このことは、ウェブシリンダに対する側が常にウェブの他の側よりもより効果的に乾燥することを意味している。 ウェブがシングルワイヤウェブ移送装置を使用して乾燥される最近の、高速機においては、ウェブのただ1つでかつ同じ側が各ドライヤ群におけるシリンダ表面に接触させられ、したがってウェブの他の側よりもより効率的に乾燥する。 紙ウェブの片面乾燥は、紙ウェブが同じ側を常に乾燥用シリンダに接触させて、また異なった乾燥用シリンダ群内を通過させられるならば、よりいっそう強調される。 この片面法において乾燥された紙はシート状になるときカールする傾向があり、このことは紙の最終工程において主な問題を生じることになる。

    【0016】 片面乾燥のこのような問題、すなわちカールの問題を解決するために、ウェブがワイヤ上に支持されて通過する乾燥部内にいわゆる逆にされた群が設けられ他側で効率乾燥が少ない側が乾燥用シリンダに接触して走行するようにすることが示唆されてきている。 この解決法は他のドライヤグループから逸脱して、乾燥シリンダとワイヤループとがウェブの下方を走行するべく設けられる異なったタイプの乾燥部構造を必要とする。 この場合、ウェブ破断もしくはスタートアップ時に形成される紙の破断片が、乾燥用シリンダとワイヤとの間で、ワイヤループにより形成されるポケット内に落ち、そこから破断片を取り除くことが困難となり得る。 破断片の除去に関する困難性の故に、逆向の乾燥部のこのタイプの走行性はウェブ破断とスタートアップとの関連において悪い。 他方、従来のシングルワイヤウェブ移送装置においては、ワイヤループはウェブの上方を走行するように設けられ、その場合、ウェブ破断に関連して形成される破断片は機械の下に自由に落ち、そこから容易に取り除くことができる。

    【0017】 本発明の目的は上述したような問題に対しての改良を達成することである。

    【0018】 本発明の特定的な目的は、例えば紙グレードの変更、ウェブ破断およびスタートアップ時の状況に関連して、乾燥効率についての迅速な調整が可能である方法および乾燥部を作り出すことである。

    【0019】 本発明の更なる目的は、ウェブの横断方向においてもまたプロファイルあるいは蒸発の調整のような、蒸発について正確に狙った調整を可能にするところの方法および装置を達成することである。

    【0020】 本発明のさらに別の目的はウェブの片面乾燥およびそれによるカールを最小にすることのできる方法および装置を提供することである。

    【0021】 本発明のさらに別の目的は、乾燥部のより容易なメンテナンス、破断部分の迅速な除去およびこうしてより良い走行性を可能にするところの紙ウェブの乾燥を調整するための方法および装置を達成することである。

    【0022】 前述した本発明の諸目的を達成するために、本発明に関係する方法および装置は特許請求の範囲の、独立請求項の特徴部分において特定される事項を特徴とする。

    【0023】 従来の乾燥用シリンダによる乾燥に基づく乾燥部の代わりに、本発明ではエア衝突乾燥および乾燥用シリンダによる乾燥との双方を適用する乾燥部に関する。
    このタイプの乾燥部に関して、例えば本出願人によるフィンランド国特許出願FI
    971713およびFI971714をここに引用しておく。

    【0024】 本出願において、エア衝突乾燥とはウェブに直接的に向けられるエア衝突乾燥とおよびワイヤもしくは対応するコンベア繊維体を通して行われる、通気乾燥との両方について述べている。 いわゆる通気乾燥とは、多孔性ウェブを乾燥するために特によく適したものであるが、本発明において述べているエア衝突乾燥の範囲内にもまた含まれるものである。 本発明によればエア衝突乾燥は大きな径のシリンダ、ロール、吸引ロール、通気シリンダもしくは他の湾曲した表面を越えてウェブに向けることができる。 エア衝突乾燥はまたロールもしくはブローボックス上に支持されて走行するワイヤやベルトによって支持されたウェブにリニアに向けることができる。 リニアに走行するウェブは水平、垂直もしくは傾いた位置において走行するべく配列しても良い。 ホットエアあるいは過熱蒸気がエア衝突における媒体として好ましくは使用される。

    【0025】 上述した本発明の目的を達成するために、少なくとも1つのエア衝突ユニットを含む乾燥部において紙ウェブあるいはその等価物を乾燥するための本発明に関する典型的な方法は、本方法によれば、紙ウェブの最終含水量および/もしくは何らかの他の縦方向の質および/もしくは横断方向のプロファイルがエア衝突の効率を調整することにより調節されるということを特徴としている。

    【0026】 少なくとも1つのエア衝突ユニットを含んでいる乾燥部において紙ウェブあるいはその等価物を乾燥するための本発明に関する装置は、主として、該装置が紙ウェブの最終含水量および/もしくは他の縦方向の質および/もしくは横断方向プロファイルを測定するための測定器具と、および測定結果に基づいて少なくとも1つのエア衝突ユニットの吹き付け力を調節するための手段とを備えているということを特徴としている。

    【0027】 本発明によれば、エア衝突乾燥はグレードの変更、ウェブの破断およびスタートアップに関する段階のような、異なる過渡段階中に、乾燥能力の変化を制御するため、およびこれらの段階中に起こる問題をなくすかもしくは少なくとも最小にするために使用することができる。

    【0028】 本発明により達成される効果はエア衝突が調節の測定に極端に速く反応するという事実に特に基づいており、このことは例えばグレードの変更、ウェブの破断あるいはスタートアップにより必要とされる乾燥効率の迅速な調節のために使用することができるということを意味する。 乾燥効率の迅速な調節に加えて、有利には乾燥部における乾燥用シリンダの蒸気圧はまた同時に調節される。

    【0029】 本発明に関する乾燥部の乾燥効率の調整および乾燥方法において、既知の最適化のアルゴリズムを利用することができ、このアルゴリズムが乾燥コストおよび/もしくは紙の質を最適化する。 本発明によれば、例えば、MPC(モデル予見制 御)、すなわち、モデル予見多変数制御も使うことができる。

    【0030】 乾燥効率を調整するために本発明によりエア衝突が使用されるとき、1つあるいは複数の種々のエア衝突パラメータ、例えば吹き付け速度、吹き付け媒体の温度、吹き付け媒体の湿度、およびウェブからエアフードへの距離(有利には特にウェブ破断の期間中)を、任意に所望のように調節することができる。 エア衝突フードはまた縦方向のセグメントについて設けることができ、その場合各セグメントを調節することおよび/もしくは必要な場合、各セグメントを別々に閉じることが可能となるであろう。 横断方向のプロファイルを調節するためにエア衝突フードを横方向のセグメントに分割することができ、その場合上述のエア衝突パラメータを一緒にあるいは別々に調節することもできる。

    【0031】 グレードの変更に関連しては、新しい紙グレードにより必要とされるセット値、例えば乾燥用シリンダの蒸気圧はそれにより所望の最終製品が得られるものであるが、通常前もって知られている。 蒸気圧はこうして、グレードの変更のスタート時点で即座にもしくは徐々に、また本発明に関する方法を適用するとき所望のレベルにセットすることができる。 しかしながら、このタイプの調節はスローであるので、エア衝突は必要とされる調整の仕方が計算される現存のエア衝突モデルに基づいてか、あるいは連続したフィードバック調整を通してかのいずれかで、本発明により同時に調整される。 シリンダの乾燥効率は次第に変化するので、その変化はエア衝突の乾燥効率の反対の変化によって補償される。

    【0032】 抄紙機のスタートアップの段階で、乾燥用シリンダは第1に既知の加熱シーケンスにしたがって加熱される。 エア衝突フードが対応する仕方でプレヒートされる。 この後、運転パラメータを所定の値にしたがって所望のようにあるいは乾燥シミュレーション計算にしたがって所望のようにセットすることができる。 フィードバックによって、乾燥用シリンダおよびエア衝突の値が制御されて所望の質のパラメータが得ることができる。

    【0033】 完全に新しい紙グレードの走行が始まるとき、これまでの運転条件のうち最も近い紙グレードに対して良いと証明されたセット値が先ずメモリから選択され、
    そしてこの後これらのセット値を利用しかつフィードバックを適用することにより、エア衝突および有利にはまた蒸気圧が調整されて所望の値が新しい紙グレードに対して得られる。

    【0034】 ウェブ破断の場合において、乾燥用シリンダの蒸気圧が下げられ、エア調節フードが開かれ破断片が破断片コンベアによって取り除かれる。 フード自身の制御システムが、フードの内側のバイパスエア循環ガスの供給調整およびブロー速度、排出エアおよび新しいエアについての調整をする。 テール通しの後でトラックが再スタートするとき、これらの手段は明らかに逆の順序で実施されそして乾燥効率について必要とされた調整がエア衝突により実施される。

    【0035】 本発明はまた上述した如き特別の段階に加えて、通常の運転期間中、乾燥効率を調整することにも当然使用される。 本発明によれば紙の質は、質の点からも、
    また同時にコストデータを適用しながら、連続的に最適化することができる。 このことは、乾燥部における本発明に関するエア衝突ユニットの位置がまた調整パラメータとなり得ることを意味している。

    【0036】 エア衝突の位置は本発明のある特定の実施形態において考慮されてきており、
    そこにおいて抄紙機の搾水部から出て、少なくとも1つの乾燥用シリンダ群を通って案内され、そして好ましくは例えば70%を越え、75%でさえも越えた乾燥分含量に乾燥される紙ウェブの乾燥分含量はワイヤ等に支持され、 1つあるいは複数のウェブを横切って伸びている湾曲したあるいはリニアなエア衝突フードと、 1つあるいは複数のウェブを横切って伸びているシリンダ、ロールもしくは真空ボックスのような湾曲したあるいはリニアな表面と の間に形成されたスロット状のスペースを通って紙ウェブを通過することにより、および 前記スロット状のスペース内の1つもしくは複数のエア衝突フードから、所定乾燥効率でウェブ横断方向に数個の連続したエアのジェットを紙ウェブに向かって吹き付けることにより 調節される。 所望の場合、蒸気ジェットをエアジェットの代わりに使うことができ、その場合はしかしながらフードの構造について例えば、そのシールの要件等、蒸気により作られる特別の要求について考慮が払われなければならない。

    【0037】 ここでエア衝突フードとは熱風あるいは蒸気のジェットが孔、スロットあるいは他のノズルを通してウェブ上に吹き付けられるような既知のどのような箱状の構造体をも意味している。

    【0038】 バキュームボックスとは該バキュームボックスとワイヤ/ウェブの間に、10
    0ないし400Pa、好ましくは200ないし300Paの低いバキュームを作り出し、構造体のウェブに面する側が主として平面状である箱状の構造体であるものについて言う。 この比較的低い真空の目的はワイヤからウェブが離れてしまうことを防止するためである。 その目的は真空によって、例えば上方からの吹き付けにより、フラッピングしてエア衝突フードに接触してしまうことを防止することである。 この目的はボックス間に形成されるスロットを通って制御された方法でウェブを案内することである。 必要とされる低い真空は好ましくは、以下に図4
    aについて述べられているようなブローボックスによって、あるいは吸引ボック スによって、作り出されることができる。

    【0039】 典型的な抄紙機乾燥部は以下の3つの部分に分けることができる。

    【0040】 紙ウェブが主として加熱され、同時に40ないし60%の範囲内で典型的にウェブの乾燥分含量を増加させる第1の部分、 ウェブ内の自由水の大部分が、ウェブがシングルワイヤあるいはツインワイヤウェブ移送装置として通過する乾燥用シリンダ群内で均一な蒸発により除去され、そしてウェブの乾燥分含量が典型的には45ないし85%の範囲内で増加する第2の部分、および ウェブが最終的に乾燥用シリンダによって乾燥させられかつウェブの乾燥分含量が典型的に75ないし98%の範囲に増大する第3の部分。

    【0041】 本発明の特別の実施形態において乾燥について正確に目標とされた調節を可能にするところのエア衝突ユニットを、乾燥調節およびエネルギー消費の観点で乾燥部において最適の領域に、すなわち例えばウェブがすでに70%、好ましくは75%より大きい乾燥分含量に到達した領域において設けることができる。 上記領域は典型的には最後もしくは最後から2番目の乾燥用シリンダ群の前、およそ3ないし8個の乾燥用シリンダからなるシングルワイヤウェブ移送装置が設けてある乾燥部において1つの典型的な乾燥用シリンダ群の前で、乾燥部の終わり部分に位置している。

    【0042】 乾燥用シリンダの相対的乾燥効率はウェブが70%を越える、典型的には75
    %の乾燥分含量に到達するとき、すなわち容易に蒸発される水の主要部分がウェブから除去されたときに下がる。 エア衝突によって、ウェブにより密接に捕らえられた水を、この程度の乾燥したウェブからでさえも良好な乾燥効率を持って除去することができる。

    【0043】 本発明の特別の実施形態に関する解決法において、エア衝突によって乾燥インパルスとして、新しい観察が利用される。 すなわち、 −乾燥の初期の段階すなわちウェブの温度を上げながらのみではなく、また乾燥の最終段階でも、有利にウェブ乾燥に影響することができる。 乾燥用シリンダの使用は多かれ少なかれ乾燥部の中間で、エネルギー効率の観点から、最も効果的である。 ; −ウェブの乾燥分含量が70%以上、90%以上にさえなるとき、最終的な乾燥分含量に到達するまでウェブのプロファイルに影響することができる。 従来知られた方法によっては、乾燥部の終わり部で紙ウェブのプロファイルに影響を与える試みがなされてきている。 ; −ウェブの乾燥分含量がすでに70%を越え、典型的には75%を越え、その後では紙ウェブがもはや乾燥部の中間部において容易に乾燥することがない領域において、乾燥部内の最終段階で好ましい方法で紙のカールをなくすことが可能である。 乾燥部の終わり部で逆にされた群の使用が従来カールの制御のために示唆されてきている。

    【0044】 エア衝突による乾燥効率の上昇、プロファイリングおよびカール制御の組合せについての最適な領域は乾燥部の終わり部に位置しており、そこでは紙ウェブの乾燥分含量が70%以上であり好ましくは75%よりも多く、約95%まであり、好ましくは75%ないし85%の範囲内である。 1秒よりも少ない、0.5秒以下でさえある非常に短い、効果的な乾燥インパルスでさえもが乾燥を調節するために十分である。 短く効率的な乾燥インパルスが1ないし20メートルの長さ、好ましくは5ないし10メートルの長さに亘る、リニアなエア衝突により達成することができる。

    【0045】 一般的にいって乾燥用シリンダによるエア衝突の後に、1つあるいは2つの乾燥用シリンダ群で最終的な乾燥を行うことが有利である。 幾つかの特別な場合においては、本発明に関するエア衝突ユニットもまた乾燥部の最後部に設けることができる。 これは特に、乾燥させられるウェブの最終乾燥分含量が90%あるいはわずかにそれを上回る程度になっているときに行うべきである。

    【0046】 乾燥能率の調節は通常、乾燥の変化に対する必要性の原因に関わらず、乾燥部の後で測定されるウェブの乾燥分含量に基づく。 測定は明らかにエア衝突ユニットの前あるいは後のどこの場所でもできる。 本発明に関係するエア衝突ユニットの乾燥効率はまた測定される乾燥分含量に基づいて調節される。 本発明に関係する典型的なエア衝突ユニットの乾燥効率は吹き付けられるエアジェットの温度、
    含水量、あるいは速度を調節することにより調整される。

    【0047】 エア衝突ユニットにおいて使用されるブラストエアは好ましくは抄紙機室からの、あるいはフードによって閉じられた乾燥部におけるブラストエア、フードの戻りエア、あるいはエア衝突装置自身のエアである。 ブラストエアの温度は上げられ、そして/またはその湿度レベルは紙ウェブの方へ吹き付ける前に低くされる。 いろいろなエア衝突ユニットの戻りエアを、ガスバーナーあるいはオイルバーナーのような共通のバーナーまたはその他の同様な乾燥部に隣接した個別の空間内に設けられたヒータによって加熱することができる。 他方、個々のバーナーあるいは同様なものがウェブの方向においてあるいはウェブの横断方向において、各エア衝突ユニットもしくは各ユニットの各部分において統合することができ、このことは異なったエア衝突ユニットあるいはそれらの部分を互いに独立に調節することができるということを意味する。

    【0048】 本発明に関するエア衝突フードもしくはユニットは好ましくはホットエアを吹き出し、その温度は40℃ないし500℃の間、有利には200℃ないし400
    ℃の間でどのようなときでも必要とされる乾燥効率に依存してセットされる。 エアジェットの水分量は典型的にはドライエアの0ないし300gH 2 O/kgの間 を変化する。

    【0049】 エア衝突ユニットの乾燥能率はエアジェットの速度を調節することにより調整することができる。 このような場合において、エアジェットの速度は典型的には40ないし200m/sの間、好ましくは50ないし150m/sの間、そして最も好ましくは70ないし120m/sの間に維持される。

    【0050】 本発明に関係するエア衝突システムの効率的なホットエアもしくは蒸気ジェットによって、実際的には遅滞なく極端に迅速に紙ウェブに向けられた乾燥を調節することができる。 エア衝突フードにおける調節の変化は2〜3秒以内に紙ウェブの全体に見られる。

    【0051】 ホットエアの温度はバーナーの燃料バルブを調節することにより簡単に調節することができる。 乾燥シリンダで乾燥することにおけるように、装置それ自体の温度を上げたりあるいは下げたりするためには時間を要しない。 本発明によるエア衝突によって、乾燥能率は極端に迅速に20ないし100%だけ変えることができる。 完全な変化は典型的には30秒よりも少ない時間に、通常は10秒よりも少ない時間で達成することができ、これは従来のシリンダ乾燥による同じ変化で生じるために必要とされる時間のほんの一部であるに過ぎない。 シリンダ乾燥による調整は数分を要する。

    【0052】 乾燥部において、2つのエア衝突ユニットを連続してエア衝突を調節するための最適の範囲内に設けることができ、この場合乾燥能率を別々にあるいは一緒に調節することができて最適の乾燥結果を達成することができる。 通常乾燥部内にエア衝突フードを連続的に設けて第1のエア衝突フードから来るエアジェットの乾燥能率がそれに続くエア衝突フードから来るエアジェットの乾燥能率よりも平均で大きいようにすることが有利である。

    【0053】 本発明による各エア衝突ユニットは好ましくはウェブを横切って連続的に設けられるブローノズルによって形成される隣接した数列のノズルからなる。 これらのノズルは同じ調節で全部を、もしくは各ノズルをばらばらに、もしくは特定のノズル群を別々に、調節できるように配列することができる。 本発明に関係するエア衝突ユニットをウェブの横断方向において幾つかのセグメントに分割することが有利であり、その場合、異なったセグメントにおけるノズルはばらばらに調節することができる。 セグメントは100mmにすることができる。 典型的にはセグメントの幅は500mmないし2000mm間に変化する。

    【0054】 本発明は図面を参照してさらに詳細に説明するが、本発明の詳細な説明は本発明を厳密に限定的にすることを意図するためのものではない。

    【0055】 図1において、本発明を第1の乾燥部、すなわち、搾水部のすぐ後に設けられた乾燥部との関連において説明する。 これはしかしながら、本発明を第1の乾燥部のみに関するものに限定するためのものではない。 本発明はまた中間の乾燥部あるいは最後の乾燥部にも十分に適用可能である。 本明細書および特許請求の範囲において、乾燥部とは特別の断りのない限り、第1、中間および最後の乾燥部のような、全体としての乾燥部およびその部分を意味するものである。

    【0056】 図1は本発明が適用される特に有利な乾燥部の解決法を示している。 図1において、紙ウェブWは抄紙機の搾水部(図示なし)から乾燥部の始めに、最初のドライヤユニットR 1に加圧フェルトによって移送される。 図1の場合、第1のド ライヤユニットは平面ドライヤユニットであり、すなわち、リニアなエア衝突ユニットM 0であって、これは熱風および/もしくは蒸気を、ワイヤ12上を走行 しているウェブW上に吹き付けるエア衝突フード10を含んでいる。 ウェブは支持手段14上に支持されているワイヤ12の水平走行体上フード10の下方を走行する。 ワイヤ12の水平走行体を支持してすなわちウェブを支持している上記手段は例えば溝付ロールおよび/もしくは吸引もしくはブローボックスからなる。 ドライヤユニットR 1のエア衝突モジュールM 0によって、集中的乾燥用エネルギーインパルスがエアフードからウェブWに向けられる。

    【0057】 エア衝突モジュールM 0において、紙ウェブは方向の大きな変更にさらされて 、比較的湿気が多くかつ壊れやすいウェブの破断を生じる原因となるような大きな力学的力がかかることのないように、ドライヤワイヤ12の上側走行体によって支持された水平面上をリニアに走行している。 エアフード10の内側には、エア衝突を生じるためにノズル配列体があり、この配列体により、熱風もしくは蒸気のような熱い乾燥用ガスがウェブの上側表面上に吹き付けられる。 ドライヤユニットR 1においては、追加的にまたはこれと択一的に赤外線ヒータのようなラ ジエータを採用することができる。 エア衝突装置および/もしくはドライヤユニットR 1のラジエータはウェブW内の横断方向ウェブプロファイルを達成するた めに、ウェブの横断方向における効率に関して調節可能であるように配列することができる。 図1に示したエア衝突モジュールM 0は水平モデルであるけれども 、その代わりに、これとは別にあるいはこれに加えて他のタイプのユニット、例えばエア衝突が吸引ロールの上方で起きる乾燥装置のようなものを用いることもできる。 この点で、エア衝突モジュールM 0は、もしエア衝突乾燥が本発明にし たがって乾燥部の後の段階で利用されるとすれば、シリンダ群によって置き換えることさえできる。 平面なドライヤユニットM 0において、不透水性のベルトを 従来型のワイヤ12に代えて使用することができる。

    【0058】 図1において、最初いわゆるノーマルな(非逆転型の)ドライヤユニットR 2はシングル−ワイヤ−ワイヤ16乾燥シリンダ群からなり、平面なドライヤユニットM 0の後に設けられている。 ワイヤ16は他のワイヤの多くと同様に図にお いて部分的にのみ示されている。 第2のドライヤユニットR 2はその次の同様な いわゆる正常な、下向きに開いたドライヤユニットR 4 . R 6 ,R 8 ,R 9およびR 10はシングルワイヤシリンダ群からなり、頂部列内に設けられ蒸気により加熱される3つもしくは4つの乾燥用シリンダ20、および3つないし4つの反転吸引ロール20,22とからなる。 下側列に設けられた例えばVAC−ロールを含んで いる。 乾燥すべき紙ウェブWは蒸気で加熱される乾燥用シリンダ20の表面に直接接触する。 反転吸引ロール22上で、ウェブWはドライヤワイヤ16の外側カーブ側にとどまる。

    【0059】 図1に示された乾燥部において、ドライヤユニットR 2に続いてエア衝突ドラ イヤユニットR 3があり、該ドライヤユニットR 3は2つの接触型乾燥用シリンダ24,24'とエア衝突モジュールM1とからなり、後者はその周囲に孔を有し 、大径シリンダと呼ばれる大径D 1のエア衝突/通気シリンダ26と、大径シリ ンダ26の周囲を部分的にカバーしている、開くことのできるフード28,28
    'とからなる。 ドライヤワイヤ30は接触型乾燥用シリンダ24,24'と大径シリンダ26とのまわりを通過するように設けられている。

    【0060】 乾燥用シリンダR 3のエア衝突モジュールM 1は抄紙機の床レベルK 1下方の、 ベースメントプレミスBPの中に設けられそして上記スペースの床レベル上に載置されている。 エア衝突ドライヤユニットR 3の接触型乾燥用シリンダ24,24'
    の中心軸および本発明に関係するその後に来る同様なエア衝突ドライヤユニットR 5およびR 7とは好ましくは抄紙機室の床レベルK 1に実質的に位置付けられる かあるいはその近くに、最も好ましくはそれよりもわずかに上に位置付けされている。

    【0061】 乾燥すべき紙ウェブWは、好ましくは閉じた移送装置として、第1の乾燥用シリンダ群からなるドライヤユニットR 2から次のエア衝突ドライヤユニットR 3の第1接触型乾燥用シリンダ24へと通過し、その後ウェブWはユニットR 3のワ イヤ30上に、ドライヤワイヤ30により支持された相当に広いセクター b≒18
    0°ないし280°に亘って、エア衝突モジュールM 1の大径シリンダ26上を通過 させられ、そこから上記ユニットR 3の第2の接触乾燥用シリンダ14'に案内される。 この第2のシリンダ24'から、ウェブWは、再びより好ましくは閉じた 移送装置により、次のいわゆる通常型の、乾燥用シリンダ群からなり、基本的には上述したドライヤユニットR 2に類似であるドライヤユニットR 4に移送される。 この後、大径のシリンダを備えたもう1つのエア衝突ユニットR 5が続いてお り,このユニットは上述したエア衝突ドライヤユニットR 3に類似しており、そ してそのユニットの大径のシリンダ26はまたベースメントプレミスBPに配置されている。 ドライヤユニットR 5の後で、ウェブは、尚好ましくは閉じた移送装 置により、次のドライヤユニットR 6に移送される。 次のドライヤユニットR 6は乾燥用シリンダ群からなり、該ユニットはドライヤユニットR 2およびR 4と同様である。 ドライヤユニットR 6には大径のシリンダを備えた第3のエア衝突ドラ イヤユニットR 7が続き、該大径のシリンダ26はベースメントプレミスBP内に 配置されている。 エア衝突ドライヤユニットR 7の後には、3つの連続的ないわ ゆるノーマル型のドライヤユニットR 8 ,R 9およびR 10が続いており、これらは乾燥用シリンダ群からなり、各々は3つもしくは4つの乾燥用シリンダ20を備えている。 最後のドライヤユニットR 10から、ウェブW outが乾燥部から出て巻 き取り機あるいは仕上げユニット(図示なし)に出される。

    【0062】 いわゆる通常のドライヤユニットR 2 ,R 4 ,R 6 ,R 8 ,R 9およびR 10とエア 衝突ドライヤユニットR 3 ,R 5およびR 7との双方は下向きに開いており、この ことは紙の破断片がそれらからそれらユニットの下の破断片コンベア上あるいはその下のパルパに容易に除去することを意味している。 エア衝突モジュールM 0 ,M 1 ,M 2およびM 3の下方でベースメントプレミスBP内に、もしくはこれら のプレミスの下においてさえ、ダクトのようないろいろな装備のための広いスペースがあり、そこを通して加熱エアや蒸気のような加熱媒体が例えばM 1 ,M 2およびM 3のフード28,28'内へと導入される。 ドライヤユニットR 2 〜R 10の 上方には、それ自体知られた換気された乾燥部フード32がある。

    【0063】 本発明に関する調整の方法は以下に図1および2を参照して説明する。 図2は図1の制御回路を単純化して表したものを示している。 図2では乾燥部の第1ドライヤユニットR 1をすなわち、平面状のエア衝突モジュールM 0を省いているが、しかし以下に説明する方法で乾燥部により必要とされる乾燥効率の迅速な調整のためにエア衝突モジュールM 1 ,M 2 ,M 3と同じ方法で第1のドライヤユニッ トR 1を採用することができる。 図2において、図1においてと対応する部品に 対しては同じ参照符号が用いられる。

    【0064】 測定装置34は乾燥部の最後の、ドライヤユニットR 10の後に配置されており、この測定装置は紙ウェブWの含水量を測定する。 所望の場合、調整はウェブの明るさのような紙ウェブの他の質のパラメータの測定、もしくは紙ウェブWの、
    横断方向のプロファイルの測定に基づくこともできる。 測定装置34から、測定結果は制御ユニット36を経て乾燥用シリンダ20,24,24'の蒸気圧制御 装置38に、およびエア衝突制御ユニット40に供給され、該制御ユニットによって紙ウェブWの乾燥が例えばウェブ破断、グレードの変更およびスタートアップ時に関連して乾燥により必要とされる迅速な行動がエア衝突ユニットのエア衝突モジュールM 0 ,M 1 ,M 2 ,M 3によって行われ、一方、蒸気圧制御ユニット3
    8は乾燥用シリンダ20,24,24'の蒸気圧が所望のレベルに調節されるの を確実にする。

    【0065】 本発明によれば、エア衝突制御ユニット40を使用してエア衝突モジュールM 0 ,M 1 ,M 2 ,M 3のエア衝突パラメータを制御すること、すなわちモジュールM 0 ,M 1 ,M 2 ,M 3の1つについて一度に、あるいは幾つかのモジュールについて同時にブラストエア/蒸気の温度、速度もしくは湿度またはウェブからフードへの距離のようなエア衝突パラメータを制御することができる。 図1および図2に示す場合において、エア衝突モジュールM 0 ,M 1 ,M 2 ,M 3の各々はそれぞれの制御パラメータを伝達するためのそれ自身の制御ユニット40 0 ,40 1 ,40 2 ,40 3を有している。 乾燥効率を調整するために迅速な作動が必要とされる場 合、エア衝突モジュールM 0 ,M 1 ,M 2 ,M 3の1つあるいは幾つかを制御して所望の水分量および紙の他の特性が急速に得られるようにする。 エア衝突モジュールM 0 ,M 1 ,M 2 ,M 3において、1つもしくは複数の制御された変数、すなわち吹き付け速度、ブラストエアの温度、ブラストエアの湿度および/もしくはウェブWからエアフードへの距離、を同時に制御して所望の調整作業を達成することができる。 他方、どのエアフードあるいはその部分をも望む場合は完全にオフにすることができる。

    【0066】 他方、乾燥用シリンダの蒸気圧制御装置38により各々のドライヤユニットR 2 ,R 3 ,R 4 ,R 5 ,R 6 ,R 7 ,R 8 ,R 9の従来型の乾燥用シリンダ20もしくは接触型乾燥用シリンダ24,24'の蒸気圧を、1つあるいは複数の乾燥用シリ ンダもしくは接触型乾燥用シリンダを別々に制御することによって、または調整エレメント38 2 ,38 2' ,38 2'' ,38 3 ,38 4 ,38 5 ,38 6 ,38 7 ,3 8 8 ,38 9 ,38 10 ,38 10' ,38 10''により1つもしくは複数のシリンダ群 の蒸気圧を別々に伝送された制御信号に基づいて制御することのいずれかによって、制御することができる。 幾つかのドライヤ群の蒸気圧を同時に制御することはまた本発明の範囲内でもある。 なぜならばしばしば例えばコスト上の理由によりワイヤ群よりも少ない蒸気群の場合もあるからである。

    【0067】 通常運転中、乾燥および/もしくは何らかの、他の質のパラメータは例えばエア衝突モジュールM 0 、M 1 ,M 2 ,M 3の1つもしくは2つのみを調節することにより所望のリミット内に維持することができる。 これらのモジュールの、ブラストパラメータの1つもしくは複数またはウェブからのエアフードの距離は最終含水量測定装置34から得られた測定結果に基づいて、所望の最終含水量あるいは質の特性が得られるように制御される。 必要であるとすれば、最終含水量あるいは他の質のパラメータもまた乾燥用シリンダユニットR 2 . . . R 10の1つもし くは複数のシリンダ20,24,24'もしくはシリンダ群の蒸気圧を蒸気圧制 御装置38の使用により調整することによって補正することもできる。

    【0068】 ブラストパラメータはエア衝突制御ユニット40,40 0 ,40 1 ,40 2 ,4 0 3において、最適化アルゴリズムに基づいてかあるいはまた多変数制御を利用 することにより制御される。 必要であれば、乾燥用シリンダのエア衝突と蒸気圧との両方を同時に制御して所望の質のパラメータを達成することができる。

    【0069】 紙グレードが変更されるとき、所望グレードについての情報がメモリ42、例えば表から、コントロールシステム36に取り出され、そしてグレードについてのこの情報に基づいて、選択された乾燥用シリンダ群R 2 . . . R 10のシリンダ 20,24,24'の蒸気圧が制御ユニット38により、テーブル値と計算式に よって、例えば蒸気圧が所望のレベルに次第になるように、制御される。 グレードの変更により必要とされる迅速な調整が、できるだけ早く所望質の紙を得るために、エア衝突制御装置40により、必要とするブラストパラメータを計算することによって目標値に基づいてエア衝突を制御することによってかあるいはまた測定ポイント34からの連続的なフィードバック制御によってかのいずれかで、
    同時に行われる。

    【0070】 スタートアップ段階において、乾燥用シリンダ20,24,24'が先ず既知 の加熱シーケンスパラメータに従って加熱され、同時にエア衝突モジュールM 0 ,M 1 ,M 2 ,M 3のフード10,28,28'のプレヒートが行われる。 この後、
    運転パラメータが所定値に基づいてセットされ、そしてエア衝突がフィードバック制御により所望の質を迅速に得るために制御され、その後エアの衝突が、シリンダの蒸気圧を変化させながら、それらが目標値に達するまで続けて調節される。

    【0071】 ウェブ破断中、必要な調節が実施される。 すなわち、乾燥用シリンダ20,2
    4,24'の蒸気圧がウェブ破断中に適用される破断時蒸気のセット値に調節さ れ、そしてエア衝突モジュールM 0 ,M 1 ,M 2 ,M 3は同時に装置の自動制御に基づいてスイッチオンされる。 内部制御システム40 0 . . . 40 3がフード内のバイパス循環について処理し、ガスの供給を減らし、そして吹き付け速度を減らしかつ排出エアを閉じそして新エアの供給を開く。 中断の後、上述した方策が逆順に実施され、そして迅速な質の補正がエア衝突パラメータを調節することにより、乾燥用シリンダ20,24,24'が所望の目標値に達するまで行われる。

    【0072】 新しいグレードの紙が走行されるとき、新しいグレードに最も近い紙グレードのパラメータがメモリ42、例えばその中のテーブルから選択され、そしてエア衝突モジュールM 0 ,M 1 ,M 2 ,M 3および乾燥用シリンダ20,24,24'の 蒸気圧とがこれらに基づいて調節される。 フィードバック制御により質のパラメータが次いで調節され所望の特性を有する紙を得ることになる。

    【0073】 また、異なる運転状況での紙もしくは板紙についての水分量、張力またはその他の質のプロファイルを調節するとき、本発明によってそうすることが有利である。 横断方向におけるエア衝突の効率を調節することによって横断方向のプロファイルを少なくとも迅速な補正を行うことは価値がある。 なされる補正は、他のプロファイル用の装置によっては長い時間をかけて行うことができるが、本発明のこの方法で行うならばコスト上より効果がある。

    【0074】 表1は乾燥能力についてエア衝突モジュールM 1 ,M 2 ,M 3の吹き付け温度と 吹き付け速度の効果を示している。 表は測定結果によって証明された乾燥部のシミュレーションプログラムによって得られた結果に基づいており、図1に関係する1つもしくは2つのモジュールM 1 ,M 2 ,M 3のエア衝突が調節されている場 合である。 表において、エア衝突モジュールには参照マークAI1およびAI2が付けてある。 シミュレーションプログラムにおいて、抄紙機の速度は2000m/m
    inおよび紙ウェブの幅は9.5mそして紙ウェブの坪量は41.4g/m 2ある と仮定されている。 表の第1の部分はエア衝突速度が90m/sであるときの、
    乾燥の際のブラストエア温度の調整の効果を示している。 表の第2の部分では、
    対応する仕方で、ブラストエア温度が350℃であるとき、乾燥の際のエア衝突速度の調整の効果を示している。 表において、例えば、1つのエア衝突ユニットにより、吹き付け速度レベル90m/sで、約2%の水分量の補正がブラストエアの温度を250℃ないし350℃の間で変えることにより達成されることが分かる。 同様に、60m/sから120m/sに吹き付け速度を増加することにより、約2.5%の変化が1つのエア衝突ユニットで得られ、そして5%の変化が2つのエア衝突ユニットで得られることが分かる。

    【0075】 本発明を適用することにおいて、乾燥効率をこのようにして増大することができ、かつ横断方向のプロファイルをシリンダ、ロールあるいは平面状ワイヤ走行体に関連して乾燥部においてホットエアもしくはホットな/過熱された蒸気を吹き付けるエア衝突ユニットを設置することにより調節することができる。 以下において、図4ないし図7は図1において示された本発明を適用した数個のエア衝突モジュールM 1ないしM 3とは異なる幾つかのエア衝突モジュールを示している。

    【0076】 図4は逆向きの乾燥部において、乾燥用シリンダ20に先行する吸引ロール2
    2の表面形状に適合して湾曲したエア衝突フードHが吸引ロールの周囲に設けられているエア衝突のコンセプトを示している。 詳細には示されていないエア衝突フードのホットエアジェットが乾燥用シリンダのホットシリンダ表面に対向しているところの紙ウェブの側に向けられている。 図4の場合において、エア衝突フードはワイヤループの外側に設けられ、メンテナンスがし易くなっている。 断裁くずや破断片は紙切れや機械の運転停止との関連において形成され、乾燥用シリンダ部に形成されたポケットP内にドライヤワイヤによって落ち、そこから破断片を、装置を再スタートアップする前に取り除くことは難しいかもしれない。

    【0077】 図5はわずかに異なるエア衝突法を示しており、この場合エア衝突フードHがシングル−ワイヤ−ワイヤウェブ移送装置を設けた乾燥部の乾燥用シリンダ20
    の周囲に設けてあり、ワイヤFを通してウェブWに向けてホットエアを吹き付ける。 ウェブの破断の場合に破断片は装置の下に自由に落下することができる。 フードHの保守はやりにくい。 従来の乾燥用シリンダに関連して配置されたエア衝突はワイヤを通して、シリンダから離れたウェブの側に向かって起きる。 この方法で、乾燥効率の一般的な改良に加えてウェブの片面乾燥を均一にすることもできる。

    【0078】 図6はツインワイヤウェブ移送装置を備えた乾燥部の一部を示しており、2列の乾燥用シリンダ20'および20''がある。 エア衝突フードHは図5に示すよ うに、ウェブWに向かってワイヤFを通してホットエアを吹き付けるべく設けられている。 ウェブ破断の場合に、破断片は下側ワイヤF'によって形成されたポ ケットP内に落ちる。 図7の場合において、図6の場合とは異なり、下側のエア衝突フードH'は下側の乾燥用シリンダ20''と関連して上側のエア衝突フード Hに加えて設けられている。 ウェブ破断の場合には、この場合においても破断片は下側のワイヤF''により形成されたポケットP内に集まる。

    【0079】 図5ないし図7の場合において、ホットエアが乾燥用シリンダ20,20', 20''から離れている側のウェブWに向かってワイヤF,F'を通して吹き付け られる。 これは片面乾燥および紙カールを減少する。 しかし、ワイヤF,F'は 両方ともエア吹き付けを乱しそしてホットエアの吹き付けの乾燥効率を減少する。 エネルギー消費に関してウェブに向かうワイヤを通しての吹き付けはウェブに直接的に吹き付けるのに比較してエネルギーの消費を増大させることになることは注目すべきである。 さらに、合成材料で作られたワイヤはホットエアの温度を制限する。 エア衝突において300℃よりも熱いエアを吹き付けることは通常不可能である。 さらにまた、図5ないし図7に示した場合においてエア衝突用のフードがワイヤループの内側に設けられており、フードへのアクセスを妨げそしてまた保守を妨げる。

    【0080】 上述した欠点は図1および図2に示したエア衝突モジュールM 1ないしM 3においては起こらない。

    【0081】 図8はシングル−ワイヤ−ワイヤウェブ移送装置を備えた乾燥用シリンダ群4
    30と432との間に設けられた、本発明の特別の実施形態に関するエア衝突ユニット428を示している。 このエア衝突ユニットはリニアなエア衝突フード4
    34からなり、該エア衝突フード434はフードの下に設けられた2つのリニアな真空ボックス436と436'とともにリニアなスロット状のスペース438 を形成している。 紙ウェブ418はドライヤワイヤ440上に支持されてスロット状のスペースを通り抜けるように配列されている。

    【0082】 この方法において、紙ウェブは好ましくはバキュームボックスによって作り出された負圧およびワイヤによって支持されてエア衝突ユニットの下を通るようになっている。 バキュームはワイヤと接触しているウェブを支持する。 バキュームの支持がないと、ホットエアのブローはワイヤからウェブを引き離すことになるかもしれない。 バキュームを作り出すためには、この方法においてバキュームボックスを使うことが望ましい、バキュームボックスはウェブをワイヤに保持するバキュームを作り出す。 所望の場合、他のタイプの吸引ボックスを、バキュームを作り出すために使用することもできる。

    【0083】 紙ウェブを支持しているワイヤ440はロール442、例えば吸引ロールより支持されてバキュームボックスの上方を接触することなく通りそしてウェブ用の水平方向のトラック444を形成する。 ワイヤとウェブとはこうしてロール44
    2とバキュームボックス436,436'により、バキュームボックスのカバー とスロットに近いエア衝突フードの側面446とから好適な距離で走行する。 紙ウェブからスロットの近くの、エア衝突ユニットのノズル表面446への距離は典型的には約10ないし50mm、もしくは15ないし25mmである。

    【0084】 図8に示した場合において、ウェブ418を移送するドライヤワイヤの下方に、図9にしたがう2つのバキュームボックス436がドライヤワイヤループの内側に設けられている。 バキュームボックスはバキュームボックス436とワイヤ440との間のスペースから矢印aにより示されるブラストにより矢印bの方向にエアを取り除き、こうしてこのスペース内にバキュームを作り出す。 典型的には約100ないし400Pa、好ましくは200ないし300Paのバキュームがワイヤと箱のカバーとの間に作り出される。 このバキュームはウェブ418をワイヤ440上に安定して保持するに十分である。 矢印aで示す同じ複数の吹き付けで ワイヤを箱436からある距離に保持して、ワイヤが箱の表面構造物445に接触するのを防止している。 吸引ロール442等がエア衝突ユニットを通過するワイヤ440の通過を案内する。 バキュームボックスの下で、ワイヤループの通過が従来の反転ロール450により案内される。

    【0085】 エア衝突フード434はケース状の構造体からなり、その主として平面状のノズル表面446にウェブに向かって、すなわち紙ウェブに隣接した側に、スロットあるいは開口のような多数のノズルが形成されており、そこからホットエアあるいは蒸気ブラストがウェブに向かって吹き出される。 本発明に関係するエア衝突フードのノズル表面の一部は図10および図11に示されている。 図10および図11において開口535である数個のノズルが好ましくはノズル表面546
    上に連続して、ウェブを横切って伸びるいくつかの隣接した列をなして設けてある。 開口535もしくはノズル表面546のスロットにより形成される開いた領域は好ましくは0.5ないし5%、より好ましくは1ないし2.5%であり、開口間の距離は10ないし100mm(15ないし35mm)である。

    【0086】 図11に複数矢印αで示すように、複数ノズル535が、その前の乾燥部43
    0(図8)において乾燥用シリンダが熱い表面と接触していなかったウェブの側に、ウェブ518に好ましくは略直に、ホットエアもしくは蒸気を吹き付ける。 こうしてエア衝突ユニットは乾燥部におけるカールを少なくする一部を形成する。

    【0087】 図8に示した解決法において、エア衝突フード自身の戻りエアがフードのホットエアジェットに使用される。 ウェブから戻るエアは図10および図11に示す複数パイプ537を介して、フードの収集スペース539内にフード434から集められる。 フードの収集スペースから戻りエアは図8に示したブロア454によってヒータ456へ連結パイプ452を通して案内され、そしてそこから再びウェブ上へとエアフード434によって加熱され吹き出される湿気のある戻りエアのどれほどかはファン458によって熱交換器460を介して、戻りエアに好適なエア湿度を保持するために取り除かれる。 新しく乾いたブラストエアをブロワー462,464によって熱交換器460およびバーナー456を介して戻りエア内に供給することができる。

    【0088】 図8に示す解決方法において、紙ウェブは閉じた移送装置によりシングル−ワイヤ−ワイヤウェブ移送装置により作動する乾燥用シリンダ群430からワイヤ440へとエア衝突フード434を通って移送されるべく通過させられる。 ホットエアがフードからウェブのほうに吹き出されて所望の効率の乾燥インパルスを達成し、乾燥を調節してカールをなくしおよび/もしくは良好なプロファイルを達成するようにする。 ウェブに向かって吹き出されたエアの乾燥効率はウェブに向かって吹き出されたホットエアジェットの温度、湿度、もしくは速度を調節することにより調整することができる。 ホットエアの温度は例えば、バーナー45
    6を調節することにより簡単に調整することができる。 ホットエアの湿度はブロワー458を介して湿気のある戻りエアの多いかあるいは少ない部分を排出することにより対応して容易に調節することができる。 ホットエアの速度はブロワー454を調節することにより調整することができる。 本発明に関する解決法において、紙ウェブに向けられたホットエアジェットの温度は瞬時に数度にわたり調節することができ、このことはホットエアジェットの乾燥効率がもより高くあるいはより低くするために瞬時に調節することもできることを意味している。 それ故、本発明による解決法によって、例えばグレードの変更もしくは搾水部に起こる突然の変化の後に、非常に短時間で、典型的には30秒より少ない時間で、1
    0秒よりも短い時間においてさえも紙ウェブの乾燥を正しいレベルに調整することができる。

    【0089】 ウェブ破断の場合において、エア衝突ユニット内の紙の断裁くずや破断片は、
    ドライヤワイヤにより、エア衝突ユニットと乾燥用シリンダ群432との間を床レベルに降ろされリニア部から容易に除去され、取り除くことができる。 そしてまた、本発明に関係するエア衝突ユニットは、ワイヤループによって囲まれてはおらず、そのポケット内に断裁くずがウェブ破断の間集まることがなく、装置の運転性が改良される。 エア衝突ユニットはドライヤワイヤ440上方から、メンテナンスのために、容易に持ち上げ外すことができる。

    【0090】 本発明に関するエア衝突ユニットは、その目的が例えば紙ウェブのカールをなくしあるいはプロファイルを良くすることのみであるとすれば、非常に短いものとでき、その長さはひとつの短いエア衝突フードとひとつのバキュームボックス分である。 プロファイルのためには、ウェブの表面の正しい部分に短い集中的な乾燥用インパルス「精密処理」でさえ十分である。

    【0091】 他方、紙ウェブの実際の乾燥はまたエア衝突フードにより増加することができ、その場合エア衝突ユニットは必要であればより長くすることができる。 図12
    はより長いエア衝突ユニットを示しており、3つのエア衝突フード634,63
    4',634''からなる。 各エア衝突フードの下に別々のバキュームボックス6 36,636',636''が設けられている。 これらのエア衝突フードおよびバ キュームボックスは、リニアで直線状のものであり、それらの間に湾曲したスロットを形成するべく、連続して設けられており、その結果第1のエア衝突フード634とバキュームボックス636とはウェブの走行方向において、ウェブに関して上向きに向けられたスロット638を形成しており、第2のフード/ボックス対634'と636'とは水平のスロット638'を形成し、そして第3のフー ド/ボックス対634''と636''とは下向きに方向付けられたスロット638
    ''を形成している。 スロットは水平面と45°よりも小さい角度を形成している。 スロット638,638',638''間の角度は好ましくは5ないし15°で ある。

    【0092】 図12は上方から斜めに見たとき、フード全体634の図である。 フード上にウェブを横切って別々の部分もしくはセグメント634a、634bおよび634
    cに分割して符号が付けられている。 本発明による解決方法において、これらの 異なったセグメントの乾燥効率を調整することができ、このことは例えばホットエアが最も外側のセグメント634aおよび634cから低い蒸発効率で吹き出し、そして中央のセグメント634bからより高い蒸発効率で吹き出すことができ ることを意味する。 ウェブはしばしば中心よりも両端部についてより乾燥する。

    【0093】 図13は図8に関係するエア衝突ユニット728を示しているが、これは上述のものとは異なり、使用されるブラストエアが戻りエアではなく、その代わりに乾燥部フード766の下から直接的に取り出されるものである。 使用された湿気のあるエアはウェブ領域では集められずに、フードの下のスペース内を自由に流れることを許される。

    【0094】 図14はシングル−ワイヤ−ワイヤウェブ移送装置を備えた従来の68−シリンダ乾燥部内の、乾燥用シリンダの乾燥効率の変化を示す典型的な曲線を示している。 乾燥部の第1の部分は、すなわち段階1は、いわゆる増加する蒸発の領域であり、乾燥部の中間部である段階2は蒸発が一定の領域であり、そして最後の部分は段階3で蒸発が減少する領域である。

    【0095】 図14の頂部においてはさらに、一例として乾燥部に関して、 −エア衝突に対する最適の領域、すなわち、ウェブがシリンダ乾燥に比較してエア衝突により最適に影響を受けることができる乾燥部における領域、 −プロファイルのための最適の領域、すなわち、ウェブのプロファイルすなわちウェブの横断方向の乾燥がベストに影響を受ける乾燥部における領域、 −カール制御用の最適の領域、すなわち片面乾燥によるウェブのカールが最も減らされることができる領域、 −カール制御用の最適の領域、この領域ではカールが乾燥インパルス、例えば短い期間のエア衝突によって最もよく影響を受ける領域、そして −乾燥効率の増大、プロファイルおよびカールの制御を組み合せるための最適の領域を、 追加的に示している。

    【0096】 上述した乾燥の調整に影響するためにエア衝突を行うための最適の領域が、紙ウェブがすでに70%以上であるが90%未満の乾燥分含量に、好ましくは紙ウェブがすでに75%以上であるが85%未満の乾燥分含量にすでに乾燥されている範囲内にあることが見出されてきている。 エア衝突用の最適の領域はしばしばウェブがおよそ75%ないし80%の乾燥分含量を有する範囲内にある。 図10
    に示したシングル−ワイヤ−ワイヤウェブ移送装置を備えた乾燥部において、それはほとんど70の乾燥用シリンダを含むものであるが、この最適領域はおよそ48番目と61番目の乾燥用シリンダの間である。

    【0097】 図15は本発明に関係する解決方法による印刷用紙ウェブのプロファイルの一例を示している。 図において上側の曲線は、乾燥用シリンダに加えて長さ5mのエア衝突ユニットを組み込んでいる乾燥部からくる紙ウェブの、分離したプロファイルなしの、水分のプロファイルを示している。 紙ウェブの平均含水量は5.
    3%であり、端部領域の含水量は4.1%そして中央の含水量は6.5%であり、一方エア衝突エアの温度は約300℃であり、速度は全ウェブを横切って一定速度80m/sである。

    【0098】 紙ウェブのプロファイルはエア衝突ユニットの最も外側のセグメントを閉じそして中央のセグメントの吹き付け速度を150m/sに増大することによりなされる。 この方法で、平均水分レベルはほとんど同じに維持され、すなわち5.1
    %に維持され、両端部の水分レベルが増大し中間部のそれは減少する。 含水値は4.7と5.4との間を変化する。 ウェブの水分プロファイルはこのようにして図12の下側の曲線から分かるように、著しくより均一になる。

    【0099】 本発明の特定の実施形態に関するリニアなエア衝突ユニットの主な目的は従来の方法でウェブから水分を取り除くことでは必ずしもない。 エア衝突ドライヤの蒸発効率は非常に迅速に変更することができるので全体として乾燥部の乾燥効率を本発明に関係するそのドライヤを装置に設けるのみで、従来のシリンダ乾燥よりもより迅速な乾燥部の乾燥効率を調節することができる。 これは、従来の装置の解決法でもって乾燥分含量であるクリープが安定な状態に到達する前に比較的長い期間をしばしば要していたグレードの変更に利用することができる。 迅速に反応するエア衝突ユニットにより、これらの現象を決定的に減らすことができ完全にさえも無くすことができる。

    【0100】 迅速な調整により、装置の停止とスタートアップとがより速くなされるという事実が本発明に関係する解決方法の注目すべき利点と考えることができる。 エア衝突ユニットの構造はまた該ユニットの領域における破断片の除去を容易に行うことができるので、装置の運転性を改良することに寄与する。

    【0101】 エア衝突ユニットは乾燥用エネルギーがそれ以前の乾燥用シリンダと接触してこなかったウェブの表面を通してもたらされるときウェブのカールを制御するときに使用するために適している。 スペース上の理由または他の理由から、所望の場合リニアなエア衝突ユニットはまた図3ないし図8に示した解決法とは異なる方法で設けることができ、その結果ウェブを通過するスロットを垂直にすることができる。

    【0102】 比較的大きさが小さいエア衝突ユニットを現存の乾燥部に容易に設けて乾燥部の運転性、含水量制御、カールおよびプロファイルを改良することができる。 エア衝突ユニットは分離したセグメントに容易に分割することができ、このことはウェブの横断方向において湿度プロファイルを調整するためにユニットを使用することを可能ならしめる。

    【0103】 本発明は幾つかの好適な実施形態について説明してきたけれどもこれらに限定されるものではない。 特許請求の範囲に記載の範囲内で種々の変形あるいは変更が可能である。

    【図面の簡単な説明】

    【図1】 本発明による方法が乾燥用シリンダを調節しかつエア衝突を調整するために使用される抄紙機における乾燥部の例を図式的に示すものである。

    【図2】 本発明による方法が乾燥用シリンダを調節しかつエア衝突を調整するために使用される抄紙機における乾燥部の例を図式的に示すものである。

    【図3】 乾燥容量についてエア衝突のブロー温度およびブロー速度の効果を例示として示す表を示している。

    【図4】 図4ないし図7は乾燥用シリンダあるいは吸引ロールとの関係において設けられた従来知られたエア衝突ユニットを図式的に示している。

    【図5】 図4ないし図7は乾燥用シリンダあるいは吸引ロールとの関係において設けられた従来知られたエア衝突ユニットを図式的に示している。

    【図6】 図4ないし図7は乾燥用シリンダあるいは吸引ロールとの関係において設けられた従来知られたエア衝突ユニットを図式的に示している。

    【図7】 図4ないし図7は乾燥用シリンダあるいは吸引ロールとの関係において設けられた従来知られたエア衝突ユニットを図式的に示している。

    【図8】 本発明を適用しているリニアなエア衝突ユニットが2つの乾燥用シリンダ群の間に設けられたときのウェブ方向における断面を図式的に示している。

    【図9】 図8に示したバキュームボックスの拡大図を図式的に示している。

    【図10】 図8に示したエア衝突フードのノズル表面の一部を図式的に示している。

    【図11】 図8に示したエア衝突フードの一部の垂直断面を図式的に示している。

    【図12】 本発明に関係する第2のリニアなエア衝突ユニットを図8と同じ方法で示している。

    【図13】 本発明に関係する第3のリニアなエア衝突ユニットを図8と同じ方法で示している。

    【図14】 シングル−ワイヤ−ワイヤウェブ移送装置を備えた乾燥部内の乾燥用シリンダの典型的な乾燥効率曲線を示している。

    【図15】 本発明に関する装置を備えたプロファイルの前後の紙ウェブの水分プロファイル曲線を示している。

    【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書

    【提出日】平成11年12月28日(1999.12.28)

    【手続補正1】

    【補正対象書類名】明細書

    【補正対象項目名】特許請求の範囲

    【補正方法】変更

    【補正内容】

    【特許請求の範囲】

    ───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM ,HR,HU,ID,IL,IS,JP,KE,KG, KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,L U,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO ,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG, SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,UA,U G,US,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 クハサロ、アンッティ フィンランド エフアイエヌ−40530 イ バスキラ、バリティエ 1 エーエス. 10 (72)発明者 リッポネン、ユハ フィンランド エフアイエヌ−40270 パ ロッカ、ルノイリヤンティエ 5 エー 3 (72)発明者 ヌルミ、ヤルッコ フィンランド エフアイエヌ−20810 ト ゥルク、クピッターンカツ 75 エー 17 (72)発明者 オヤネン、ユハ フィンランド エフアイエヌ−37600 バ ルケアコスキ、イラーンカツ 23 (72)発明者 スンドクビスト、ハンス フィンランド エフアイエヌ−20720 ト ゥルク、リリンティエ 17 Fターム(参考) 4L055 CF04 CF06 DA16 DA18 EA13

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