Shoe press belt, used in the manufacturing method and a shoe press

申请号 JP2013550923 申请日 2012-01-30 公开(公告)号 JP2014503714A 公开(公告)日 2014-02-13
申请人 メトソ・ファブリクス・インコーポレイテッド; 发明人 リイヒオヤ、ベサ−マッティ;
摘要 本発明は、シュープレスベルト、並びにその製造及び使用方法に関する。 プレスベルト(5)は、耐熱性エラストマーから形成された基体(14)を含んでおり、この基体の内側に、複数の支持ヤーン(16、18)を含む支持構造体(15)が存在している。 支持ヤーンの少なくとも一部は耐熱性ポリマーヤーンであり、これの材料のポリマー構造はナフタレン基を含む。
【選択図】 図3
权利要求
  • エンドレスループの形状を有し、シュープレスにおいて少なくとも1つのロールとプレスシューとの間のロングニップを通り抜けることができる独立した部材であるシュープレスベルトであって、前記シュープレスベルト(5)は:
    エラストマー性耐熱性材料から作られている基体(14)と;
    前記基体(14)の内側の少なくとも1つのヤーン層(17)に配置された複数のポリマー支持ヤーン(16、18)と、
    前記プレスシュー側の第1の面(10)、及び繊維ウェブ側の第2の面(11)とを備え、
    前記支持ヤーン(16、18)の少なくとも一部が耐熱性ポリマーヤーンであり、これの材料のポリマー構造はナフタレン基を含み、
    前記耐熱性ポリマーヤーンの2%の延伸に必要とされる力は、20℃で少なくとも10cN/texであることを特徴とするシュープレスベルト。
  • 前記耐熱性ポリマーヤーンのガラス転移温度Tgが少なくとも80℃であることを特徴とする請求項1に記載のシュープレスベルト。
  • 前記耐熱性ポリマーヤーンのガラス転移温度Tgが少なくとも100℃であることを特徴とする請求項1又は2に記載のシュープレスベルト。
  • 前記耐熱性ポリマーヤーンがポリエチレンナフタレート(PEN)を含んでいることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のシュープレスベルト。
  • 前記耐熱性ポリマーヤーンがポリエチレンナフタレート(PEN)から作られていることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のシュープレスベルト。
  • 前記耐熱性ポリマーヤーンの構造は、完全芳香族液晶ポリマー、ポリ(4−ヒドロキシ安息香酸−コ−6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸)から作られていることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のシュープレスベルト。
  • 前記耐熱性ポリマーヤーンのガラス転移温度Tgが少なくとも110℃であり、前記ヤーンの2%の延伸に必要とされる力が20℃で少なくとも100cN/texであることを特徴とする請求項6に記載のシュープレスベルト。
  • 前記支持ヤーン層(17a)の前記プレスシュー側の前記第1の面(10)に最も近い前記支持ヤーンが、少なくとも、開示する耐熱性支持ヤーンであることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載のシュープレスベルト。
  • 前記プレスベルトが、少なくとも1つのマシン方向(MD)のヤーン層(17a、17c)と、少なくとも1つのクロスマシン方向(CMD)のヤーン層(17b)とを含み;
    前記マシン方向のヤーン層(17a、17c)の前記プレスシュー側の前記第1の面(10)に最も近い前記支持ヤーン(16)が、少なくとも、開示した耐熱性支持ヤーンであることを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載のシュープレスベルト。
  • 前記基体(14)が耐熱性ポリウレタンポリマーを含むことを特徴とする請求項1〜9の何れか1項に記載のシュープレスベルト。
  • ポリウレタンポリマーが、イソシアネート基と鎖延長剤混合物とを含有するウレタンプレポリマーから作られており、1,4−フェニレンジイソシアネート(PPDI)が前記ウレタンプレポリマーを作るために使用され、前記鎖延長剤は、25重量%を超えるメチル−ビス(3−クロロ−2,6−ジエチルアニリン)(MCDEA)を含むことを特徴とする請求項10に記載のシュープレスベルト。
  • シュープレスベルトの製造方法であって:
    プレスベルト(5)の基体(14)を耐熱性エラストマーから形成することと;
    前記基体(14)の内側に、その製造と関連させて、複数の支持ヤーン(16、18)を含む支持構造体(15)を配置することとを含み、
    前記支持構造体(15)において、ポリマーヤーンである耐熱性支持ヤーンを使用し、これの材料のポリマー構造がナフタレン基を含み、前記支持ヤーンの2%の延伸に必要とされる力が20℃で少なくとも10cN/texであることを特徴とする方法。
  • 互いに積層した3つのヤーン層(17a、17b、17c)の支持構造体(15)であって、最も外側のヤーン層(17a、17c)が前記プレスベルトのマシン方向(MD)にある複数の隣接する支持ヤーン(16)を含み、中間の前記ヤーン層(17b)が複数の隣接するクロスマシン方向(CMD)の支持ヤーン(18)を含む支持構造体(15)を形成することと;
    少なくとも1つのマシン方向のヤーン層(17a、17c)において、ポリウレタンナフタレート(PEN)から作られる支持ヤーン(16)を使用することと;
    前記ヤーン層(17a、17b、17c)をキャスティングドラムの内側に配置し、回転している前記キャスティングドラム内で、前記支持ヤーンと同時に又は異なる機会に、前記ヤーン層の周りに耐熱性エラストマーを塗布することとを特徴とする請求項12に記載の方法。
  • 前記プレスベルト(5)の前記基体(14)を、耐熱性エラストマーをキャスティングシリンダ上にキャスティングすることによって形成することと;
    前記支持構造体(15)において、耐熱性ポリマーヤーンを周方向の前記支持ヤーンとして使用し、このヤーンの構造が、完全芳香族液晶ポリマー、ポリ(4−ヒドロキシ安息香酸−コ−6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸)から作られており、このヤーンのガラス転移温度Tgが少なくとも110℃であり、前記ヤーンの2%の延伸に必要とされる力が20℃で少なくとも100cN/texであることとを特徴とする請求項12に記載の方法。
  • 独立請求項1に記載の耐熱性プレスベルト(5)が、シュープレス(1)に配置され、プレスシュー(3)とプレスロール(2)との間のロングニップを通り抜け、80℃を超える動作温度を許容する、シュープレスベルトの使用。
  • 说明书全文

    発明の背景 本発明は、板紙抄紙機、抄紙機及びパルプマシーンのプレスセクションのシュープレス及び抄紙機のカレンダーのシュープレスにおいて使用され得るシュープレスベルトに関する。 シュープレスベルトは、エンドレスループの形状を有する独立したベルト状の部材である。 シュープレスベルトは、エラストマー材料の基体と、基体の内側の支持ヤーンを含む支持構造体とを有している。

    更に、本発明は、シュープレスベルトの製造方法、及びシュープレスにおけるこのようなベルトの使用に関する。

    化学パルプマシーン、板紙抄紙機及び抄紙機では、繊維のウェブから分を除去するためにシュープレスが使用され得る。 このようなシュープレスでは、高速で移動する湿った繊維のウェブの1つの表面が回転プレスロールによりプレスされるのと同時に、繊維のウェブの第2の表面がエンドレスプレスベルトが巻かれた固定プレスシューによりプレスされる。 プレスベルトの内側の表面は、プレスシューの滑り面に対して滑る。 この滑動の結果、プレスベルトの温度は上昇する。 そのため、シュープレスは、典型的には、潤滑アセンブリを備えており、これには、摩擦及び熱の発生を抑制するために、潤滑油がベルトとシュープレスとの間に供給され得る。

    発明の概説 本発明の目的は、新たな種類のシュープレスベルト、その製造方法、及び新たなタイプのシュープレスベルトの使用を提供することである。

    本発明に係るプレスベルトは、支持ヤーンの少なくとも一部が耐熱性ポリマーヤーンであり、その材料のポリマー構造がナフタレン基を含み、前記耐熱性ポリマーヤーンの2%の延伸に必要なが、20℃で、少なくとも10cN/texであることを特徴とする。

    本発明に係る方法は、支持構造体において、ポリマーヤーンである耐熱性支持ヤーンを使用し、その材料のポリマー構造がナフタレン基を含み、支持ヤーンは、2%に延伸に必要な力が、20℃で、少なくとも10cN/texであることを特徴とする。

    本発明に係る使用は、独立請求項1に記載のプレスベルトがシュープレス内に配置され、プレスシューとプレスロールとの間のロングニップを通り抜け、80℃を超える動作温度を許容することを特徴とする。

    1つのアイデアは、プレスベルトが、耐熱性材料から製造され、内側に複数の耐熱性支持ヤーンを含む支持構造体が配置されている基体を有していることである。 耐熱性支持ヤーンは、ポリマー構造がナフタレン基を含んでいるポリマーから作られている。 このような材料を含むヤーンは延伸に対する比較的大きな抵抗力を有する。 言い換えるとその降伏強度が高い。 更に、この強度特性は、高められた温度で維持される。 例えば、耐熱性支持ヤーンは、2%の延伸に必要な力が、20℃で、10cN/tex以上であるポリマーヤーンが選択される。

    1つの利点は、新たなタイプのプレスベルトが以前よりも高い温度での使用に適していることである。 そのため、シュープレスはより高い動作温度で動作することができる。 これは、シュープレスの運転速度及び圧縮圧力を高めて、シュープレスの効率を向上させることを可能にする。 更に、プレスベルトがダメージを受けることなくより高い温度に耐えるので、プレスシューとプレスベルトとの間に供給される潤滑材の冷却を減らすことが可能となる。

    1つの実施形態のアイデアは、前記耐熱性ポリマーヤーンのガラス転移温度Tgが少なくとも80℃であることである。

    1つの実施形態のアイデアは、前記耐熱性ポリマーヤーンのガラス転移温度Tgが少なくとも100℃であることである。

    1つの実施形態のアイデアは、前記耐熱性ポリマーヤーンがポリエチレンナフタレート(PEN)を含んでいることである。 この材料の分子構造を以下に示す。 分かり得るように、この材料は、構造図において一対のベンゼン環として示されたナフタレン基を含む。

    1つの実施形態のアイデアは、前記耐熱性ポリマーヤーンがポリエチレンナフタレート(PEN)から作られていることである。 ポリエチレンナフタレートのガラス転移温度Tgは120℃であり、それにより、PENヤーンの強度特性は高められた温度においても良好に維持される。 線密度に比例するが、ポリエチレンナフタレートの破断強さは約60cN/texである。 2%の延伸による及び20℃の温度での延伸値は16cN/texより大きく、これは、例えば、支持ヤーンとして一般に使用されるポリエチレンテレフタレート(PET)を含むポリエステルの対応する値と比較して約2倍である。 ポリエチレンナフタレートの延伸力は、100℃でも、ポリエチレンテレフタレートの約2倍である。 そのため、この材料は、強く且つ丈夫であり、高められた温度でもその特性が十分に維持される。 更に、ポリエチレンナフタレートから作られる支持ヤーンは、ヤーンの逆目プレスに対して優れた強度特性を有することが分かった。 言い換えると、それは、逆目方向の弾性を有し、そのおかげで、この支持ヤーンは、破断することなく、逆目方向の衝撃及び応力に対して高い耐性を示す。

    1つの実施形態のアイデアは、前記耐熱性支持ヤーンが、ポリエチレンナフタレートと、目的に適した1種以上の第2のポリマーとを含むことである。

    1つの実施形態のアイデアは、前記耐熱性ポリマーヤーンの構造は、完全芳香族(completely aromatic)液晶ポリマー、ポリ(4−ヒドロキシ安息香酸−コ−6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸)から作られていることである。 このような材料の分子構造を以下に示す。 分かり得るように、構造図において一対のベンゼン環として示されたナフタレン基を含む。

    1つの実施形態のアイデアは、前記耐熱性ポリマーヤーンが、商品名Vectranの耐熱性ヤーンであることである。 このような支持ヤーンのガラス転移温度Tgは、110℃又はさらにそれより高く、言い換えると、このヤーンは、非常に高温であってもその特性を維持する。 さらに、このようなヤーンは、極めて大きな強度を有する。 なぜなら、このヤーンの2%の延伸に必要とされる力は、20℃以上で、100cN/texまでである。 経験では、2%の延伸値、115cN/tex、20℃がヤーンについて測定された。

    1つの実施形態のアイデアは、支持ヤーン層のプレスシュー側の表面に最も近いヤーンが、少なくとも、開示する耐熱性支持ヤーンであることである。 これは、プレスシューに最も近い支持ヤーンが滑り面から最も大きな熱応力を受けるからである。 滑り面から離れたヤーン層とすべり面に対して配置される第1の面との間には、より大きな厚さの基材が存在し、これが、構造体中の伝熱を遮断し、それにより離れたところに位置する支持ヤーンを保護する。 プレスシューの滑り面に最も近い支持ヤーンは、マシン方向(machine-direction)にあっても良いし、又はプレスベルトに対して交差する方向にあっても良い。

    1つの実施形態のアイデアは、プレスベルトが、少なくとも1つのマシン方向の支持ヤーン層と、少なくとも1つのクロスマシン方向(cross-machine direction)の支持ヤーン層とを含み得ることである。 マシン方向のヤーン層のプレスシュー側の表面に最も近い支持ヤーンは、少なくとも、開示した耐熱性支持ヤーンである。 マシン方向の支持ヤーンは、動作中、より大きな応力、例えば引張応力を受け、そのために、それらの耐久性は、プレスベルトの状態及び耐用寿命の観点で重要であり得る。

    1つの実施形態のアイデアは、プレスベルトの支持構造体が少なくとも1つの支持ファブリックを含むことである。 支持ファブリックは、開示する耐熱性ヤーンを含む。 必要な場合には、支持ファブリックの全てのヤーンが開示する耐熱性ヤーンであり得る。

    1つの実施形態のアイデアは、プレスベルトの支持構造体の全ての支持ヤーンが開示する耐熱性ヤーンであることである。

    1つの実施形態のアイデアは、プレスベルトの全ての支持ヤーンがポリエチレンナフタレート(PEN)製、又は商品名Vectranで市販されているヤーンであることである。

    1つの実施形態のアイデアは、プレスベルトの基体は、イソシアネート基及び鎖延長剤を含有するポリウレタンプレポリマーから作られるポリウレタンポリマーを含むことである。 ウレタンプレポリマーの製造において、1,4−フェニレンジイソシアネート(PPDI)が使用されており、鎖延長剤は、メチル−ビス(3−クロロ−2,6−ジエチルアニリン)(MCDEA)を含む。 MCDEAは、この分野では、4,4'−メチレン−ビス(3−クロロ−2,6−ジエチルアニリン)とも呼ばれる。 ウレタンプレポリマーは、前記1,4−フェニレンジイソシアネートモノマー(PPDI)とポリオールとの間の反応から得られる生成物を指す。 ウレタンプレポリマーを作るために、PPDIをポリオールと反応させる。 使用するポリオールは、ポリウレタンの製造において通常使用される任意のポリオールであり得る。 従って、ポリオールは、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルカーボネートポリオール、ポリカーボネートポリオール、又はポリカプロラクタムポリオールであり得る。 対称PPDIに加えて、対称MCDEAを含有する鎖延長剤をポリウレタンを作るために使用する場合、このようなポリウレタンから作られるシュープレスベルトの耐熱性が優れる。 例えば、ベルトの破断強さは、高められた温度で維持され、ポリウレタンベルトの他の性質、例えば耐摩耗性及び圧縮からの回復性も向上し得る。 明確さのために、このポリウレタンプレポリマーは、本願では、PPDIウレタンとも呼ばれ得る。

    1つの実施形態のアイデアは、プレスベルトが、遠心キャスティングを使用することによって、キャスティングドラムにおいて製造されることである。 従って、まず、支持ヤーンをキャスティングドラムの内側の表面に設置し、次に、ドラムを回転させながら、ポリウレタン材料又は対応するエラストマーを支持ヤーンの周り及びその上に均一に塗布する。 複数のヤーン層が存在しても良く、この場合、各々のヤーンを配置した後に、新たな遠心キャスティングをこのキャスティングドラムにおいて行うことができる。 従って、これらのヤーン層は、互いに接触していないが、それらの間にキャストエラストマーが存在する。

    1つの実施形態のアイデアは、プレスベルトを遠心キャスティングを使用することによってキャスティングドラムにおいて製造することである。 まず、第1のキャスティング層を耐熱性エラストマーからキャスティングする。 第1のキャスティング層は、支持ヤーンを用いずに又は支持ヤーンを用いてキャスティングすることができる。 その後、クロスマシン方向のヤーンを配置し、第2のキャスティング層をキャスティングする。 マシン方向の支持ヤーンは、第2のキャスティング層をキャスティングするのと同時に配置することができる。 最後に、更なる1つ以上のキャスティング層をキャスティングすることができる。

    1つの実施形態のアイデアは、プレスベルトの基体を、耐熱性エラストマーをキャスティングシリンダ上にキャスティングすることによって製造することである。 周方向にある支持ヤーンとして、完全芳香族液晶ポリマー、ポリ(4−ヒドロキシ安息香酸−コ−6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸)の構造を有する上記ポリマーヤーンが使用できる。 更に、周方向にある耐熱性支持ヤーンは、商品名Vectranで市販されているヤーンでも良く、少なくとも110℃のガラス転移温度を有し、ヤーンの2%の延伸に必要な力が、20℃で少なくとも100cN/texである。

    1つの実施形態のアイデアは、基体の内側の支持構造体が、支持ヤーンが交差しておらず互いに結合している不織布構造体であることである。

    いくつかの実施形態を、添付の図面においてより詳細に説明する。

    図1は、シュープレスの原理を概略的に示している。

    図2は、別々に製造される独立した部材であり、閉ループ形状を有し、シュープレス上に載せることができるプレスベルトを概略的に示している。

    図3a及び図3bは、プレスベルトの一部及びその支持構造体の断面を概略的に示している。

    図4は、本願で開示する特徴部を簡易図として示している。

    図5a及び図5bは、支持ヤーン層及びエラストマー層をプレスベルトに配置する幾つかの択一的方法の断面を概略的に更に示している。

    図面では、明確さを目的として、幾つかの実施形態を簡略化して示している。 図面において同様の参照番号は同様の構成要素を示している。

    幾つかの実施形態の詳細な説明 図1は、単純化したシュープレス1を示しており、これは、プレスロール2とプレスシュー3とを具備し得る。 これらの間にプレス領域4が存在し、これを通して、プレスベルト5、少なくとも1つの抄紙機ファブリック6、7及び乾燥させるべき繊維ウェブ8がマシン方向MDに流されるように配置され得る。 プレスシュー3及びプレスロール2は、互いに対して力Fで圧縮され得る。 それにより、それらの間を流れるプレスベルト5、抄紙機ファブリック6、7及び繊維ウェブ8が圧縮される。 プレスシュー3は、プレスロール2に面する湾曲したすべり面Lを有しており、それにより、延長された接触領域、すなわちロングニップがプレスシュー3とプレスロール2との間に存在している。 プレスベルト5は、プレスシュー3を回すように配置されることができ、適切な指示部材9により支持されている。 プレスベルト5の内側の表面10は、プレスシュー3の滑り面Lに対して滑り、このベルトの外側の表面11は繊維ウェブ3に面する。 繊維ウェブ8は、それが1つ以上の抄紙機ファブリック、例えばプレスフェルト7又はワイヤ6によって支持されるように、プレス領域4に運ばれ得る。 抄紙ファブリック6、7は、それがガイドロール12などによって導かれるように流され得る。 図1に係る実施形態では、上部の抄紙機ファブリックはプレスベルト7であり得て、下部の抄紙機ファブリックはワイヤ6であり得る。 繊維ウェブ8が、プレスロール2及びプレスシュー3により形成された比較的長いプレス領域4を通過する際、それから水が押し出され、プレスフェルトによって受け取られることができ、そこから水が例えば水収集デバイス13により除去され得る。

    プレスシュー3の滑り面L及びプレスベルト5の内側の表面10との間には、摩擦があり、プレスシュー3とプレスベルト5との間に潤滑システムVにより潤滑剤を供給することによってそれを減らそうとすることができる。 例えば、油を潤滑剤として使用することができる。 滑り面Lとプレスベルト5との間の摩擦は熱を生み出し、これがプレスシュー3の潤滑油を加熱し、プレスベルト5の温度も上昇させる。 潤滑システムVは、潤滑材を冷却するための冷却システムJを具備し得る。 冷却された潤滑剤は、滑り面Lでの熱の発生及びプレスベルト5への伝熱を減らすことを可能にする。 潤滑剤を冷却する強さは、プレスベルト5の温度が、典型的には約60〜70℃である許容される動作温度を超えて上昇しないことを確実にするものである。 しかしながら、この冷却は大量のエネルギーを消費する。 更に、冷却装置Jはシュープレス1の構造を複雑にし、メンテナンスを必要とする。 温暖気候における使用の課題において、特に、潤滑剤の冷却の準備をすることは更に問題含みであることがわかった。 本願において示される、耐熱性エラストマー及び耐熱性支持ヤーンを含むプレスベルト5は、プレスベルト5の強度特性を実質的に変化させることなく、80℃を超える温度、及び更には100℃を超える温度を耐えるように設計されている。 シュープレス1におけるこのような耐熱性プレスベルト5の使用は、潤滑剤の冷却を減らすこと、又は更には冷却を完全になくすることを可能にする。 結果として、シュープレス1のエネルギー効率を向上させることができ、加えて、シュープレス1の構築を単純化することができる。

    なお、本願で開示するプレスベルトは、図1に示すものとは異なるシュープレスにも適用可能である。 様々な実施形態に共通するものは、シュープレスは常に別個に製造され、エンドレスループの形状を有し、それは、少なくとも1つのロールとプレスシューとの間のロングニップを通り抜けてそれにより繊維ウェブの処理に資するように、シュープレスに配置される又は配置することができる部材であることにある。

    図2は、エンドレスループの形状のプレスベルト5を示しており、これは内側表面10及び外側表面11を有している。 プレスベルト5は、その外側表面11、すなわち第2の表面が繊維ウェブ8に面し、一方、内側表面10、すなわち第1の面がプレスシュー3の滑り面に対して滑るように、プレスシュー1において配置することができる。 また、図2は、破線により、支持構造体15を示しており、これは基体14の内側に位置しており、いくつかのマシン方向MDの支持ヤーン16を含むヤーン層17aと、クロスマシン方向CMDの支持ヤーン18を含むヤーン層17bとを含み得る。 1つ、2つ、3つ又はそれ以上のヤーン層17が存在し得る。 ヤーン層17の数、及びマシン方向のヤーン層17aとクロスマシン方向のヤーン層17bとの相互の順序は、必要に応じて選択することができる。

    プレスベルト5の構造を、図3aにマシン方向での断面図として示し、図3bにおいてクロスマシン方向での断面図として示している。 示す構造体は、3つの支持ヤーン層17a、17b、17cを含み、これらは、マシン方向のヤーン層17a及び17bが最外殻に位置しており、これらの間に、クロスマシン方向の中間のヤーン層17bが存在するように配置されている。 このような支持構造体15は、優れていることが分かった。 或いは、支持構造体15は、別の種類でも良く、互いに重ねられた1つ、2つ、3つまたはそれ以上の層を含むことができ、これらのヤーン層の相互順序及び方向は場合に応じて(case-specifically)設計できる。 各々のヤーン層17は、幾つかの隣接するヤーンを含み、これらは別々の支持ヤーンでも良いし、或いは、1つ以上の支持ヤーンが、ヤーン層において並んで螺旋状に結合していても良い。 積層したヤーン層17は、互いに別体となっていても良く、この場合、ヤーン層の間の基体14に属するエラストマーが存在する。 基体14の材料は、本願で開示するPPDIウレタンであり得る。 幾つかの場合、支持構造体15は、ファブリックでも良く、この場合、それは、1つのヤーン層を形成するとみなされ得る。 支持構造体15の支持ヤーンは、短繊維でも良いし又は多繊維でも良い。

    プレスシュー3に最も近いヤーン層17aは、滑り面Lで生じる摩擦のせいで、最も大きな熱応力を受ける。 そのため、耐熱性支持ヤーンは、少なくともこの層中に配置され得る。 マシン方向のヤーンは動作中に最も大きな応力を受けるので、耐熱性ヤーンは、必要に応じて、マシン方向の全ての支持ヤーンとして使用され得る。 プレスシュー3に最も近いクロスマシン方向のヤーン層が支持構造体15に存在している場合、耐熱性支持ヤーンはクロスマシン方向で使用され得る。 更に、支持構造体15の全ての支持ヤーンが耐熱性ヤーンでも良い。 耐熱性支持ヤーンは、本願で開示する支持ヤーンを指し、これらのヤーンの材料のポリマー構造はナフタレン基を含む。 例えば、支持ヤーンは、ポリエチレンナフタレート(PEN)を含んでも良く、言い換えると、それは、完全にポリエチレンナフタレートであるか、又はそのコポリマーの1つである。 更に、耐熱性支持ヤーンは、商品名Vectranで市販されている液晶ポリマー(LCP)を含んでも良い。 支持構造体が開示する耐熱性支持ヤーン以外のヤーンを更に有している場合、これらのヤーンの材料は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド、ポリプロピレン又はポリエチレンであり得る。

    プレスベルトは、プレスゾーンにおける圧縮と、特には、異なる方向での曲げとの両方のせいで、大きな応力を受ける。 これらの応力は、ベルトの基材のクラックを引き起こすことがあり、これは、徐々に、ベルトを不安定にする。 更に、抄紙機において、繊維束が生じ得る。 これは、プレスを通る間に、突然の変形力を生じさせ、この力がベルトを破断させ得る。 更に、繊維束は、永続的な伸び及び膨れをベルトに生じさせ得る。 それ故に、支持ヤーンは十分に高い降伏限界を有していなければならず、これは、典型的には、ポリマーヤーンの場合、伸縮力によって決定される。 例えば、繊維束がプレスベルトにおいて生じてその支持ヤーンの変形により局所的に降伏限界を超える場合、永続的な伸びが支持ヤーンに残り、膨れがプレスベルトに残る。 2%の伸縮及び20℃の温度での16cN/texの延伸値を、PENヤーンのために使用してきた。 これよりも大きな力は、ヤーンにおける永続的な変形を引き起こし得る。 特に、延伸値は、2%の延伸、20℃で少なくとも10cN/texであるべきであることが分かった。 更に、PENヤーンのガラス転移温度Tgは120℃である。 耐熱性ヤーンのガラス転移温度は、少なくとも100℃であり、それにより、材料はその特性をシュープレスの高められた温度、すなわち80℃超、更には100℃超でも十分に維持する。 ガラス転移温度Tgは、ゴム状又は丈夫な状態から固く且つ脆い状態への、ポリマーの非晶質(アモルファス)部分の可逆変化を指す。

    本願で開示するシュープレスベルトは、様々な製造技術を使用して製造することができる。 このプレスベルトは、ドラムでの遠心キャスティングと呼ばれる手段によって製造することができる。 この場合、クロスマシン方向及びマシン方向の支持ヤーンを、まず、キャスティングドラムの内側の表面に置くことができ、続いて、ドラムを回転させながら、PPDIウレタンなどの耐熱性エラストマーをこれらのヤーンの周り及びその上に均一に塗布する。 更に、第1の耐熱性ウレタン層を支持ヤーンと共に又は支持ヤーンを用いずにキャスティングして構造体をキャスティングすることが実行可能であり、後者の場合その後マシン方向のヤーンを配置し、続いて、第2のウレタン層をキャスティングし、それと同時にマシン方向の支持ヤーンを構造体に置き、続けて更なる1つ以上のウレタン層をキャスティングドラムにキャスティングすることができ、この層が、マシン方向のヤーンを含む構造体層を覆う。 基体14のキャスティング層を図示するために、図3a、図5a及び図5bにおいて、層に参照番号14a〜14cを付している。

    或いは、プレスベルトは、それをキャスティングシリンダ上にキャスティングすることによって製造することができる。 この配置では、マシン方向の支持ヤーンをまずキャスティングシリンダ上に配置し、続いて、エラストマーを、シリンダを回転させながらシリンダ上にキャスティングし、それと同時に、周方向の支持ヤーンとして、マシン方向のヤーン上に巻く。 更に、場合により、プレスベルトを製造するための第3の相応しいものは、円筒形のモールド内で基材ファブリックにエラストマーを含浸し、それにより、基材ファブリックをモールドの外側のキャスティングとマンドレルとの間に置くことである。 モールドに陰圧をかけ、その後基材をモールドに射出する。 それにより、エラストマー材料が基材ファブリックに均一に吸収される。 また、すーシュープレスベルトは、不織布、編物(braided)又は積層エンドレスループである支持構造体の両面に耐熱性エラストマーを含浸及び/又は被覆させることによっても製造できる。

    図5a及び図5bに示した実施形態は、殆どの部分に関しては、先に説明した実施形態に対応し得る。 図3aの実施形態と比較した違いは、支持構造体15に属するヤーン層17a〜17cの数及び相互順序である。 クロスマシン方向CMD及びマシン方向MDの伸びが、例えば繊維束のせいで、プレスベルト5に生じ得る。 クロスマシン方向での変形は、動作中に、シュープレスベルトをクロスマシン方向に締めることによってある程度補償することができるが、対称的に、マシン方向の変形を保証することは難しい。 そのため、本願で開示する耐熱性支持ヤーンをマシン方向のヤーンとして使用する理由がある。 クロスマシン方向のヤーンもこの耐熱性ヤーンであっても良いし、又は、この場合、それらは他の材料であっても良い。 図5bでは、例えば、滑り面Lに最も近いところにクロスマシン方向のヤーン層17bが存在しており、これは、場合に応じて、通常の支持ヤーンから形成される。 クロスマシン方向の伸びがベルト5に生じる場合、シュープレスユニットの固定部材を互いに遠ざけることによって、ベルトをクロスマシン方向に締めることができる。 図5a及び図5bの実施形態は、ドラムにおいてキャスティングすることによって、又は、更には、上述した他の製造技術を使用することによって製造することができる。

    幾つかの場合において、本願で開示する特徴は、他の特徴とは無関係に、それ自体で使用することができる。 言い換えれば、必要に応じて、本願で開示する特徴を組み合わせて、様々な組み合わせを提供することができる。

    図面及びそれに関連する説明は、発明のアイデアを説明することを目的としたものに過ぎない。 発明の詳細は、特許請求の範囲内で多様であり得る

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