繊維糸を生産するための方法及び装置

申请号 JP2016559173 申请日 2015-04-10 公开(公告)号 JP2017511432A 公开(公告)日 2017-04-20
申请人 スピンノヴァ オーワイ; スピンノヴァ オーワイ; 发明人 サルメラ,ユハ; ウィドマイアー,トーマス; クオスマネン,ペトリ; キヴィルオマ,パヌ; リウッコネン,ジョアンナ; コスキネン,ハンス; シュタルク,トゥオマス; イソマー,トゥオマス; レート,ジリィ;
摘要 繊維糸を生産するための方法及び装置が提供される。新規な装置は、第1の輸送及びプレス要素(1)と、第1の輸送及びプレス要素(1)に隣接して配置される第2の輸送及びプレス要素(5)と、輸送及びプレス要素(1、5)を駆動するための手段とを含む。第1の輸送及びプレス要素(1)と第2の輸送及びプレス要素(5)は、それらの間にニップを形成するように構成される。装置はまた、第1の輸送及びプレス要素(1)と第2の輸送及びプレス要素(5)との間のニップにパルプ繊維懸濁液などの繊維懸濁液(6)を給送するためのノズル(9)を含む。【選択図】図1
权利要求

繊維糸を生産するための方法であって、第1の輸送及びプレス要素(1)と第2の輸送及びプレス要素(5)によって形成されるニップに繊維懸濁液(13)を給送することを特徴とする、ノズル(9)から繊維懸濁液(13)を給送することを含み、前記プレス及び輸送要素(1、5)間に形成される糸(18)を撚糸する及び回転させるために、前記輸送及びプレス要素(1、5)が、前記第1の輸送及びプレス要素(1)の機械移動方向が前記第2の輸送及びプレス要素(5)の機械移動方向とは異なるように走るように構成される、方法。前記形成される糸(18)が、ワイヤ又はフェルトなどの液体透過性の輸送及びプレス要素(1、5)間でプレスされることを特徴とする請求項1に記載の方法。前記形成される糸(18)が、ゴムベルト又はプラスチックベルトなどの液体不透過性の輸送及びプレス要素(1、5)間でプレスされることを特徴とする請求項1に記載の方法。前記第1の輸送及びプレス要素(1)及び前記第2の輸送及びプレス要素(5)のうちの一方がワイヤ又はフェルトなどの液体透過性であり、他方がゴム又はプラスチックなどの液体不透過性であることを特徴とする請求項1に記載の方法。前記移送及びプレス要素(1、5)の相対的な機械移動方向が調整されることを特徴とする請求項1〜請求項4のうちの一項に記載の方法。前記繊維懸濁液(13)を最初に前記第1の輸送及びプレス要素(1)上に給送し、次いで、前記第1の輸送及びプレス要素(1)と前記第2の輸送及びプレス要素(5)によって形成される前記ニップに前記懸濁液を輸送することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の方法。機械移動方向に狭くなるギャップ(6)が前記移送及びプレス要素(1、5)間に存在することを特徴とする請求項1〜請求項6のうちの一項に記載の方法。前記輸送及びプレス要素(1、5)間の前記ギャップ(6)が調整されることを特徴とする請求項1に記載の方法。前記要素(1、5)間の前記ギャップ(6)との関係において前記液体透過性の輸送及びプレス要素(1、5)のうちの少なくとも1つの反対側に配置される少なくとも1つのサクションボックス(14)によって特徴付けられる請求項1〜請求項8のいずれかに記載の方法。前記形成される糸(18)が、前記糸を乾燥及び処理するための少なくとも1つの加熱要素(12)で加熱されることを特徴とする請求項1〜請求項9のうちの一項に記載の方法。前記移送及びプレス要素(1、5)の速度を前記要素が同様の速度又は異なる速度で走ることができるように制御することによって特徴付けられる請求項1〜請求項10のうちの一項に記載の方法。前記繊維懸濁液(6)がパルプ繊維懸濁液(6)であることを特徴とする請求項1〜請求項11のうちの一項に記載の方法。第1の輸送及びプレス要素(1)と、 前記第1の輸送及びプレス要素(1)に隣接して配置される第2の輸送及びプレス要素(5)と、 前記輸送及びプレス要素(1、5)を駆動するための手段と、 前記第1の輸送及びプレス要素(1)と前記第2の輸送及びプレス要素(5)との間にパルプ繊維懸濁液などの繊維懸濁液(6)を給送するためのノズル(9)と、 を備える、繊維糸を生産するための装置であって、 前記第1の輸送及びプレス要素(1)と前記第2の輸送及びプレス要素(5)がそれらの間にニップを形成するように構成され、前記ニップに前記ノズルが前記繊維懸濁液(13)を給装するように構成され、前記プレス及び輸送要素(1、5)間に形成される糸(18)を撚糸する及び回転させるために、前記輸送及びプレス要素(1、5)が、前記第1の輸送及びプレス要素(1)の機械移動方向が前記第2の輸送及びプレス要素(5)の機械移動方向とは異なるように位置合わせされることを特徴とする、装置。前記輸送及びプレス要素(1、5)のうちの少なくとも1つがワイヤ又はフェルトなどの液体透過性であることを特徴とする請求項13に記載の装置。前記輸送及びプレス要素(1、5)のうちの少なくとも1つがゴム又はプラスチックなどの液体不透過性ベルトであることを特徴とする請求項13に記載の装置。前記第1の輸送及びプレス要素(1)及び前記第2の輸送及びプレス要素(5)のうちの一方がワイヤ又はフェルトなどの液体透過性であり、他方がゴム又はプラスチックなどの液体不透過性であることを特徴とする請求項13に記載の装置。前記移送及びプレス要素(1、5)の相対的な機械移動方向を調整するための手段(21)によって特徴付けられる請求項13に記載の装置。前記ノズル(9)が、 前記繊維懸濁液(13)を最初に前記第1の輸送及びプレス要素(1)上に給送し、次いで、 前記懸濁液を前記第1の輸送及びプレス要素(1)と前記第2の輸送及びプレス要素(5)によって形成される前記ニップに輸送する、 ように構成されることを特徴とする前記請求項13〜請求項17のいずれかに記載の装置。前記移送及びプレス要素(1、5)間にギャップ(6)が存在することを特徴とする請求項13〜請求項18のうちの一項に記載の装置。前記ギャップ(6)が機械移動方向に狭くなることを特徴とする請求項19に記載の装置。前記輸送及びプレス要素(1、5)間の前記ギャップ(6)を調整するための手段によって特徴付けられる請求項19又は請求項20に記載の装置。前記要素(1、5)間の前記ギャップ(6)との関係において前記液体透過性の輸送及びプレス要素(1、5)のうちの少なくとも1つの反対側に配置される少なくとも1つのサクションボックス(14)によって特徴付けられる請求項13〜請求項21のうちの一項に記載の装置。前記糸を乾燥及び処理するための少なくとも1つの加熱要素(12)によって特徴付けられる請求項13〜請求項22のうちの一項に記載の装置。前記移送及びプレス要素(1、5)の速度を前記要素が同様の速度又は異なる速度で走ることができるように制御するための手段によって特徴付けられる請求項13〜請求項23のうちの一項に記載の装置。

繊維糸を生産するための方法であって、 第1の輸送及びプレス要素と第2の輸送及びプレス要素によって形成されるニップに繊維懸濁液を給送することによって、ノズルから繊維懸濁液を給送することと、 前記繊維懸濁液を撚糸し及び回転させて、繊維糸を生成することと を含む、方法。前記形成される糸を、前記第1の輸送及びプレス要素と前記第2の輸送及びプレス要素間でプレスすることをさらに含み、前記第1の輸送及びプレス要素と前記第2の輸送及びプレス要素は、液体透過性である請求項1に記載の方法。前記形成される糸を、前記第1の輸送及びプレス要素と前記第2の輸送及びプレス要素間でプレスすることをさらに含み、前記前記第1の輸送及びプレス要素と前記第2の輸送及びプレス要素は液体不透過性である請求項1に記載の方法。前記第1の輸送及びプレス要素、並びに前記第2の輸送及びプレス要素のうちの一方が液体透過性であり、他方が液体不透過性であることを特徴とする請求項1に記載の方法。前記第1の輸送及びプレス要素、並びに前記第2の輸送及びプレス要素間に形成される糸を撚糸する及び回転させるために、前記第1の輸送及びプレス要素、並びに前記第2の輸送及びプレス要素が、前記第1の輸送及びプレス要素の機械移動方向が前記第2の輸送及びプレス要素の機械移動方向とは異なるように走るように構成される、請求項1に記載の方法。前記第1の輸送及びプレス要素、並びに前記第2の輸送及びプレス要素の相対的な機械移動方向が調整される請求項1に記載の方法。前記繊維懸濁液を最初に前記第1の輸送及びプレス要素上に給送し、次いで、前記第1の輸送及びプレス要素と前記第2の輸送及びプレス要素によって形成される前記ニップに前記繊維懸濁液を輸送することをさらに含む請求項1に記載の方法。機械移動方向に狭くなるギャップが前記第1の輸送及びプレス要素、並びに前記第2の輸送及びプレス要素間に設けられる請求項1に記載の方法。前記輸送及びプレス要素間の前記ギャップを調整することをさらに含む請求項8に記載の方法。前記第1の輸送及びプレス要素、並びに前記第2の輸送及びプレス要素間の前記ギャップとの関係において液体透過性の前記第1の輸送及びプレス要素、並びに前記第2の輸送及びプレス要素のうちの少なくとも1つの反対側に少なくとも1つのサクションボックスが配置される請求項1に記載の方法。前記形成される糸を、前記糸を乾燥及び処理するための少なくとも1つの加熱要素で加熱することをさらに含む請求項1に記載の方法。前記第1の輸送及びプレス要素、並びに前記第2の輸送及びプレス要素の速度を前記第1の輸送及びプレス要素、並びに前記第2の輸送及びプレス要素が同様の速度又は異なる速度で走ることができるように制御することをさらに含む請求項1に記載の方法。前記繊維懸濁液がパルプ繊維懸濁液である請求項1に記載の方法。第1の輸送及びプレス要素と、 前記第1の輸送及びプレス要素に隣接して配置される第2の輸送及びプレス要素と、 前記第1の輸送及びプレス要素、並びに前記第2の輸送及びプレス要素を駆動するように構成された手段と、 前記第1の輸送及びプレス要素と前記第2の輸送及びプレス要素との間に繊維懸濁液を給送するためのノズルと、 を備える、繊維糸を生産するための装置であって、 前記第1の輸送及びプレス要素と前記第2の輸送及びプレス要素がそれらの間にニップを形成するように構成され、前記ニップに前記ノズルが前記繊維懸濁液を給装するように構成され、前記繊維懸濁液は、前記装置によって撚糸及び回転されて、繊維糸を生成する、装置。前記第1の輸送及びプレス要素、並びに前記第2の輸送及びプレス要素のうちの少なくとも1つが液体透過性である請求項14に記載の装置。前記第1の輸送及びプレス要素、並びに前記第2の輸送及びプレス要素のうちの少なくとも1つが液体不透過性である請求項14に記載の装置。前記第1の輸送及びプレス要素及び前記第2の輸送及びプレス要素のうちの一方が液体透過性であり、他方が液体不透過性である請求項14に記載の装置。前記第1の輸送及びプレス要素及び前記第2の輸送及びプレス要素間に形成される糸を撚糸する及び回転させるために、前記輸送及びプレス要素が、前記第1の輸送及びプレス要素の機械移動方向が前記第2の輸送及びプレス要素の機械移動方向とは異なるように位置合わせされることを特徴とする、請求項14に記載の装置。調整器が、前記第1の輸送及びプレス要素、並びに前記第2の輸送及びプレス要素の相対的な機械移動方向を調整する請求項18に記載の装置。前記ノズルが、 前記繊維懸濁液を最初に前記第1の輸送及びプレス要素上に給送し、次いで、 前記第1の輸送及びプレス要素が、前記繊維懸濁液を前記第1の輸送及びプレス要素と前記第2の輸送及びプレス要素によって形成される前記ニップに輸送する、 ように構成される前記請求項14に記載の装置。前記第1の輸送及びプレス要素、並びに前記第2の輸送及びプレス要素間にギャップが設けられる請求項14に記載の装置。前記ギャップが機械移動方向に狭くなる請求項21に記載の装置。前記輸送及びプレス要素間の前記ギャップを調整するように構成された調整手段をさらに含む請求項21に記載の装置。前記第1の輸送及びプレス要素、並びに前記第2の輸送及びプレス要素間の前記ギャップとの関係において前記液体透過性の輸送及びプレス要素のうちの少なくとも1つの反対側に配置される少なくとも1つのサクションボックスをさらに含む請求項14に記載の装置。前記糸を乾燥及び処理するための少なくとも1つの加熱要素をさらに含む請求項14に記載の装置。前記第1の輸送及びプレス要素、並びに前記第2の輸送及びプレス要素の速度を前記第1の輸送及びプレス要素、並びに前記第2の輸送及びプレス要素が同様の速度又は異なる速度で走ることができるように制御する制御手段をさらに含む請求項14に記載の装置。

说明书全文

本発明は、最初に繊維懸濁液をノズルを通して押し出し、余分なを除去し、最後に糸を乾燥させることによって繊維糸を生産するための方法及び装置に関する。

特に、本発明の実施形態は、押し出された懸濁液から乾燥された糸へ、糸を脱水する及び糸を撚糸するための方法及び装置に関する。

天然繊維で作製される多くの異なるタイプの糸が当該技術分野では公知である。1つのよく知られている例は、伝統的に紙シートから製造される紙糸である。最初の唯一の工業的方法は、19世紀後半にドイツで開発された。これは時間と共に洗練されてきているが、基本原理は同じままであり、今もなお用いられている。通常、化学パルプ、機械パルプ、又は化学機械パルプから製造される紙は、ストリップ(通常5〜40mmの幅)に切られ、糸に撚糸される。前述の糸は、染色及び加工がなされる場合がある。製品(紙糸)は、限られた強度、不適切な厚さ、層状になった又は折り畳まれた構造などのその特性の欠点のために限られた用途を有し、さらに、その製造方法は非能率的である。

綿は、糸及びロープの製造における原材料として非常に広く用いられている。しかしながら、綿の栽培は、多大な水資源を必要とし、水及び食料が不足している地域で広く行われている。利用可能な水が綿畑の灌漑に用いられると、食糧供給に関しての状況が悪化する。したがって、綿の使用は、持続可能な発展を支援せず、綿と少なくとも部分的に置き換わるのに適する代替的な繊維源が必要とされている。

綿農業は、世界の農業面積の5%を占めるが、すべての農薬の11%を使用する。綿の集約農業は、水の汚染、土壌の消耗を引き起こし、動物の個体群を変化させた。将来的に、汚染性の高い物質である綿は、セルロースベースの材料に置き換えられるであろう。既に綿の代替物が存在している。レーヨンは、セルロース繊維から生産される材料であるが、依然として多くの化学処理を必要とする。

セルロース系材料から繊維糸及び他の製品を生産するための方法が、文書JP4004501B、JP10018123、JP2004339650、JP4839973、EP1493859、CN102912622、CN101724931、WO2009028919、及びDE19544097で説明されている。説明されている方法は、普通は、製品の製造前又は製造中のセルロースの化学処理を含む。

溶解プロセス又はナノ繊維への繊維の崩壊を伴わない、パルプ繊維などの繊維からの糸の直接生産は、糸製造プロセスの効率及び環境保全性を高めるであろう。これはまた、原材料費を大いに減少させるであろう。現在、前述の繊維から繊維糸を生産するのに利用可能な工業規模の繊維糸製造プロセスは存在しない。繊維糸製品は、綿糸、異なるビスコースプロセス糸などで生産される。現在、NFCから糸を生産する多くの試みが存在する。

上記の理由のため、工業規模で商業的に利用できる様態でセルロース繊維から糸を直接生産するための方法及び装置を提供することが有益であろう。

第1の態様では、本発明は、新しい材料を機械的に糸に形成することによって利用し、綿及びレーヨンを代替することができる環境に優しい材料を生産することを可能にするための方法/装置に関する。

一般的に言えば、本発明の目的は、それぞれ請求項1及び請求項14によって定義される新規な方法及び装置によって達成される。

本発明の一実施形態は、セルロースベースの糸を連続的に生産することができる装置及び方法を提供する。

本発明の他の態様及び実施形態によれば、本発明は、綿で作製される比較製品よりも安価な糸製品を提供する。

本発明の1つのさらなる態様によれば、本発明は、木材及び他の植物繊維の新しい使用を提供する。

本発明の実施形態は、パルプ繊維懸濁液などのパルプ繊維懸濁液をノズルから第1のワイヤシーブ上に給送し、第1のシーブ上の懸濁液を、ワイヤシーブ間で形成される糸を撚糸する及び回転させるために第1のシーブと第1のシーブの機械移動方向とは異なる機械移動方向を有する第2のシーブによって形成されるニップに輸送することに基づいている。

一実施形態によれば、少なくとも2つのシーブの相対的な機械移動方向は調整可能である。

一実施形態によれば、少なくとも2つのワイヤシーブ間のギャップは機械移動方向に狭くなる。

本発明の一実施形態によれば、少なくとも2つのワイヤ間のギャップは調整可能である。

本発明の一実施形態によれば、少なくとも1つの真空サクションボックスが、ワイヤギャップとの関係においてワイヤのうちの少なくとも1つの反対側に配置される。

本発明の一実施形態によれば、装置は、製造される糸を乾燥及び処理するための少なくとも1つの加熱要素を備える。

本発明の種々の実施形態は本質的な利点を提供する。

セルロースベースの糸を生産するための本明細書で説明される新しい方法は、例えば綿の使用に比べてより環境を汚染せず、木材及び他のセルロース系植物材料の収穫の余り(harvesting surplus)を使用することができる。フィンランドのセルロース系材料の収穫の余りだけで、世界の綿需要の20%を代替することができる。この装置は、パルプ及び紙産業で現在利用可能な技術を用いて工業規模の繊維糸生産を可能にする。本発明は、新しい産業分野を創生し、北方木材繊維のまったく新しい使用を開拓する可能性を提供する。

本発明の方法及び装置によって、繊維糸は、過度に化学的に又は機械的に処理される必要のないパルプ塊で作製することができる。繊維糸は、他の材料で作製される糸を代替するのに用いることができる。さらに、糸は、撚糸可能であるなどの繊維糸の特徴的特性を使用して新しい用途に用いることができる。繊維糸は、紙又は板紙と同様に数回再生利用することができる。繊維糸の繊維材料は、いくつかの源から由来することができる。木材繊維が適切であるが、紙又は板紙の製造に用いられる繊維材料も原材料として用いることができる。発明的方法に固有の糸の撚糸は、糸の繊維間の接触、すなわち架橋を増加させるので、糸の強度及び弾性を増加させる。

本発明の他の目的及び特徴は、添付図と併せて考察される以下の詳細な説明から明らかとなるであろう。しかしながら、図面は、そのために付属の請求項への言及がなされるはずの本発明の限界の定義としてではなく、単に例示することを意図されていると理解されるべきである。

本発明の一実施形態の概略的な側面図である。

本発明を実現するのに用いることができるノズルの概略的な断面図である。

本発明の一実施形態の概略的な斜視図である。

定義: 機械移動方向は、シーブワイヤのそれらの作動域にわたる方向である。リターン移動方向は、シーブワイヤループがリターン側で走る方向である。

ワイヤシーブの作動域は、製造される糸が処理時にその上で移動するシーブワイヤループの部分である。

ワイヤの中心線は、製造される糸が処理時にその上で移動するワイヤループの部分の中心線である。

パルプは、機械パルプ、化学機械パルプ、又は化学パルプ塊と考えられ、繊維は溶解されていない又はナノ繊維に崩壊していない。

この発明の開始点は、セルロース繊維を固体材料に繋げるための繊維性糸の製造のための新しい方法である。この方法は、参照文献として本明細書に含まれるWO2013/034814で開示される。この材料の主な用途は、繊維を連続的に一緒に繋げることによる糸の生産であった。

この装置の主な機能は、セルロース糸の脱水及び形成である。手での実験室規模の製造からの経験に基づいて、水分及び余分な水は、最終形態を達成する及びプレス中に糸の円形断面を維持するように糸が撚糸される間に同時に糸から絞り出されるはずである。

本発明によれば、パルプ繊維懸濁液などのパルプ繊維懸濁液が2つの度のついたワイヤシーブ間に押し出され、ワイヤシーブの圧迫が糸を脱水し、角度の要素が糸を回転させ及び撚糸し、糸がその最終形態を達成することになる。最終結果は普通の綿糸と似ているであろう。

速度、圧力、及び回転角度などの糸の生産のための適正なパラメータが糸の品質及び特性に影響する。他の重要なパラメータは、ノズルの角度、糸の引き伸ばしをもたらすシーブ及び繊維懸濁液13のそれぞれの速度間の速度差、並びに形成部及び乾燥部のそれぞれの速度間の速度差を含む。

図1の実施形態は、ガイドロール2にわたってループで走るように構成される第1の下側シーブワイヤ1を備える。ループ上で、第1のガイドロール3と第2のガイドロール4との間に直線部が形成される。第2のワイヤシーブ5が、ワイヤシーブ1、5間にギャップ6が形成されるようにループ上で第1のワイヤシーブ1の直線部に接して走るように構成される。2つのワイヤシーブ1、5間のギャップは、第3のガイドロール及び第4のガイドロールで第2のワイヤシーブ5をガイドすることによって機械移動方向に狭くなるように構成される。これは、パルプ繊維懸濁液から水を除去するための狭くなる加圧されるギャップを提供する。ワイヤシーブ1、5は、第1のワイヤシーブ1の第1のガイドロール3の後で機械移動方向に始まるように位置決めされる狭くなるニップを形成する。第2のワイヤシーブ5の第1のガイドロール7は、第1のワイヤシーブ1の第1のガイドロール3と第2のワイヤシーブ5の第1のガイドロール7との間の距離で第1のワイヤシーブ1上にオープンスペースが形成されるように第1のワイヤシーブ1の第1のガイドロール3の下流に位置決めされる。第2のワイヤシーブ1の第1のガイドロール3と第2のガイドロール4との間に作動域が形成される。

ノズル9が、第1のワイヤシーブ1上にパルプ繊維懸濁液13を給送するために第1のワイヤシーブ1のオープンスペースにわたる装置の作動域の開始端に位置決めされる。作動域の反対端上に、製造された糸を収集するためのワインダロール11又は対応する巻取装置がある。第2のワイヤシーブ5の第2のガイドロール8と第1のワイヤシーブ1の第2のガイドロール4は、これらのガイドロール4、8間の第1のワイヤシーブ1上にオープンスペースが形成されるように離間される。このスペースにわたって、随意的なヒータ12を配置することができる。適切なヒータは、例えば紙、パルプ、及び板紙産業で用いられる赤外線ヒータ、熱風ドライヤ、又は他の公知のドライヤ又はヒータである。ワイヤシーブを通して糸から水及び水分を除去するためのサクションボックス14を、形成される糸との関係において各ワイヤシーブ1、5の反対側に配置することができる。この例では、第1のワイヤシーブの下に1つのサクションボックス14が配置される。ワイヤシーブ1、5及びワインダロールは、例えば、電気モータ又は対応するアクチュエータによって駆動されるガイドロールによって回転される。

糸は、走っているワイヤシーブ1が第1のワイヤシーブ1と第2のワイヤシーブ5とのニップに懸濁液を移送するように第1のワイヤシーブ1にわたってパルプ繊維懸濁液を給送することによって前述の装置によって製造される。このギャップ内で、形成される糸が撚糸及び回転され、ワイヤシーブ1、5の表面に押し当てられる。このアクションが、水を効果的に除去し、良品質の糸を形成する。

本発明を実施するのに適するノズルの一実施形態が、ノズル9の断面図を描画する図2に示される。この実施形態では、円形ノズルが示される。繊維懸濁液13が内側ダイ又はオリフィス17を通して給送され、塩又は他の化学物質15が架橋のために用いられる場合、それらは外側ダイ又はオリフィス16を通して給送されてもよい。楕円形又は矩形などの円形以外の他の断面幾何学的形状が同様に用いられてもよい。繊維懸濁液は、ノズルを通して押されるときに或る速度を有し、繊維懸濁液の円形の細いライン18に狭くなる。懸濁液ラインの直径は、懸濁液13の出口速度及び懸濁液がその上で給送される第1のワイヤシーブ1の速度によって定まる。

ノズル9から得られる湿った糸は、最初は通常30〜99.5%w/wの水を含有する。脱水ステップで、糸の固形分が、すべての自由水が除去されるまで所望のレベルに調整されてもよい。

ノズル9は、ゲル形成をもたらすジェットを形成する。ノズルは、ノズルの内部で流れが加速し、繊維を配向するように設計される。架橋流体がノズルの外部で繊維懸濁液と合流し、ゲルが形成される。ワイヤ区域での糸の円形の形状を維持するために、糸は、脱水中に撚糸及び回転されなければならない。これは、ワイヤの機械方向のアライメントに角度差が存在するようにワイヤシーブのうちの1つをチルトさせることによってなされる。脱水速度は、機械方向のワイヤギャップ6を変化させることによって及び真空によって調節される。ジェットとワイヤとの速度差が張力を変化させ、糸を引き伸ばす。ワイヤの張力及びワイヤのギャップもまた、予め形成された糸をワイヤに押しつけることになる。

図3は、本発明に係る装置の一実施形態を示す。部分のうちのいくつかは明確にするために1つの図面にだけ示されるので、図1に示されないが図3に示される部分及び設計は、機能的に必要とされるときには両方の実施形態に存在すると考えられるべきであることに留意されたい。ここでは、第1のワイヤシーブ1は、3つのガイドロールによってガイドされる。これらのロールは、固定(下側)フレーム部19上に設置される。第2のワイヤシーブ5は、固定フレーム部上に移動可能に設置される可動(上側)フレーム部20にそのガイドロールを通じて設置される。可動フレーム部20と固定フレーム部19との相対位置を調整するのにアクチュエータ21が用いられる。これは、ワイヤシーブ1、5の相対位置の調整を可能にする。

この方法及び装置は、セルロースベースの糸を生産するための方法を開示するWO2013/034814の教示を用いて糸を生産するのに最も適する。前の実験からの結果は、この新しいタイプのセルロース糸の材料特性が有望であり、良品質の糸が既に作製されていることを示す。以前の実験は、実験室規模でなされ、生産された糸は、例えばそれらでファブリックを作製するのに十分なだけ長くなかった。この問題は本発明によって解決することができる。

糸の最初の形状は、懸濁液がワイヤに当たる前のノズル9の直後の迅速な懸濁液の架橋を通じて達成される。ノズル内で、流動性調整剤が詰まりを防ぎ、繊維が流れと共に配向される。異なる化合物が同期された速度でノズルを通してポンプで送られ、それらが混合される際に、架橋が、さらなる混合及び重力での最初の脱水を防ぐ。

湿潤ゲル糸18が、材料を第1のワイヤシーブ1と第2のワイヤシーブ5との間で運搬する第1のワイヤシーブ1に直接押し出される。予め形成された糸が第2の、ここでは上側ワイヤシーブ5に直面するときに、そこから水が絞り出され始める。糸の直径は、ワイヤシーブ1、5間に沿って移動するときに減少する。ワイヤシーブ1、5は、産出点に接近するときにそれらの間のギャップ6が減少するように位置合わせされ、ワイヤシーブ1、5の中心線間の機械移動方向(X−Y)方向の角度差が、糸をプレスしながら回転させる。

すべての自由水は、糸をワイヤシーブ1、5間でプレス及び撚糸することによって除去される。この時点で、糸の強度は、巻き取る及びそこで最後の脱水が行われるのに十分である。また、糸のさらなる乾燥が図1の話で説明されるようにこの装置に含まれてもよい。

ワイヤの角度調整は、二部品のフレーム19、20によって実施される。固定(下側)フレーム部19は堅固であり、可動(上側)フレーム部20は、図3の矢印によって描画されるように回転することができる。可動フレーム部20は、2つの導体に沿って回転し、ロック可能である。導体は、水平面内の僅かな移動も可能にする。当業者がこの相対移動を実施するための種々のオプションを設計できることは明らかである。

装置のフレームは、調整及び維持するのが容易となるように設計される。

装置のフレームは、ロールが一端からのみ取り付けられ、それらが糸の一様な品質を得るためにうまく位置合わせされたままでなければならないので、高い剛性を有することが必要とされる。可能性のある今後のニーズのための特徴の追加及びロールの位置の修正は容易なはずである。フレームの構成は、図示される例に限定されないことは明らかである。

ワイヤシーブ1、5の速度は、ノズル9を通して材料を給送するポンプと同期された動作速度を得るために好ましくは正確に調整可能である。ワイヤシーブの動作は、2つのPCで制御されるACサーボモータで個々に達成することができる。速度は、ワイヤの角度の或る量の偏差を与えることによって互いに自動的に同期することができる。

セルロース糸を脱水及び形成するための十分に機能的かつ高度に調整可能な装置を本発明に従って設計及び製造することができる。

糸の形成に関する各パラメータに影響する主な生産パラメータは、ワイヤシーブの速度、回転角度(ワイヤシーブ間の角度)、並びに上側(第2の)ワイヤと下側(第1の)ワイヤとの間のスペースである。X−Y平面内のワイヤシーブの角度を変化させることによって、水平面での糸を回転させる力が変化する。ワイヤシーブ間のギャップが、圧縮圧力に影響を及ぼし、摩擦力を変化させることで糸の回転も変化させることができる。

フル稼働している製造設備では、糸をいくつかの生産ラインで同時に生産するために複数の並列ノズルを配置することが予見できるであろう。図1〜図3を参照して前述した生産段階の後で、同時に生産される複数の糸が、1つ又はいくつかの厚い糸を形成するべく一緒に巻かれてもよい。前述の個々の糸からなるこうした厚い糸は、次いで、特定の所望の効果のために適切な化学薬品を適用する補助的な処理段階有り又は無しで、ロールに巻かれてもよい。

これらのパラメータの大まかな調整は、糸の目視検査の結果に基づくことができる。本発明の主な目的は、糸を連続的に生産することである。糸の特定の特性(一定の直径、引張強度)は、操業パラメータを変化させることによって調整することができる。本発明に対して行う予備試験の結果は有望であり、将来の研究のための確固とした基礎を確立した。

本発明の目的は、繊維懸濁液、好ましくはパルプ繊維懸濁液から糸を連続的に直接生産するための装置を提供することである。繊維懸濁液を糸に変える方法は全く新しい。

装置は、製造のニーズに容易に合わせることができる。本発明に係る装置は、セルロース糸を連続的に非常に高速で生産することができる。10m/sよりもさらに速い速度が可能であるが、少なくともモータ及びドライブプーリが適宜寸法設定及び選択される必要がある。

ワイヤの角度及び距離は、よりいっそう長い及びより良好に形状設定された糸を生産するためにプロセスの進行中にコンピュータによって正確に調整可能であると考えることができる。さらに、ワイヤシーブの速度は、互いとの関係において同じであっても又は異なっていてもよい。速度差は、例えば糸の表面構造に影響を及ぼす及び撚糸するのに用いられてもよい。

本発明は、移送及びプレス要素として好ましくは液体透過性ワイヤ、フェルト、又はベルトを使用する。しかしながら、移送及びプレス要素間のギャップからの水の除去が例えば吸引によって構成される場合に、ゴムバンド又はプラスチックバンド又は類似の不透過性バンドが用いられてもよい。1つの代替法は、移送及びプレス要素の透過性/不透過性ペアを使用する。

綿糸に用いられるのと同様の処理により、セルロース糸は、綿と比較できる特性に到達することができ、ファブリックに用いることができる。生セルロース材料のコストは綿よりも低く、これは経済的にも興味深いものとなる。加えて、セルロース糸は環境に優しい。セルロースの原材料は、例えば収穫の余りから集めることができる。

したがって、その好ましい実施形態に適用される場合の本発明の基本的な新規な特徴が示され、説明され、指摘されているが、方法及び装置の形態及び詳細の種々の省略及び置換え及び変更が本発明の精神から逸脱することなく当業者によってなされ得ることが理解されるであろう。例えば、実質的に同じ結果を果たすそうした要素及び/又は方法ステップのすべての組合せが本発明の範囲内であることが明確に意図される。1つの説明された実施形態から別の実施形態への要素の置換えも十分に意図及び考慮される。図面は必ずしも縮尺通りに描かれていないが、それらは事実上単に概念的なものであることも理解すべきである。したがって、付属の請求項の範囲によって示されるようにのみ制限されることがその意図である。

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