【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、構成部分(押さえ棒、針棒)の支承のためにハウジング孔中に分解可能に固定された軸受ブッシュを備えたミシンに関する。 【0002】 【従来の技術】そのようなミシンは、例えばドイツ国特許第1090942号〔(米国特許第2921545 号)明細書に対応〕から公知である。 軸受ブッシュは、 ミシンアームに設けられたハウジング孔における分解可能なねじ締付け結合を介して垂直に固定されている。 このためにミシンアームの側面にハウジング孔に対して横に延びかつハウジング孔中で終わるねじ穴が設けられており、ねじ穴には押しねじがねじ込み可能である。 ねじのねじ込みによって軸受ブッシュは、ハウジング孔中に固定される。 【0003】ハウジング孔中の軸受ブッシュの正確な整列は、特定の嵌合、即ち正確な仕上げ公差を前提とし、 このことは、製造コストの点で採用されない。 嵌合が強固過ぎる場合、組立て又は分解は複雑になる、そのわけは部品は互いに相応した力消費によってのみ動かされ得るからである。 【0004】ミシン運転中に押さえ棒が、昇降運動をする場合、軸受ブッシュが動かされないために、締付けねじは強力に締付けられなければならない。 充分な緊急走行特性を有するように、軸受ブッシュは柔らかい材料、 例えば青銅から作られている。 締付けねじの締付けが強すぎる場合、ねじ先端が軸受ブッシュの材料中に進入しかつその際軸受ブッシュを損傷させることが排除されることができず、その結果ミシンの修理作業の際に軸受ブッシュの分解は、非常な困難を伴う。 他の欠点は、軸受ブッシュが軸受ブッシュに作用する力(ねじり力及びこのために直径上に作用する対抗力)のために潰され、即ち変形されかつそれによってその荷重容量が損なわれることから生じる。 【0005】軸受ブッシュの損傷を防止するために、軸受ブッシュをハウジング孔中に接着することも行われる。 その際接着個所は、確実な接着が保証されるためには、非常に入念に準備されなければならないことは不利である。 接着に伴う欠点は、布押さえ棒の交換又は軸受ブッシュの交換が非常に作業コストがかかることにある。 接着の分離は、力ずくでのみ可能である。 ミシンアームから突出する軸受ブッシュの端に強すぎる衝撃が作用する場合、軸受ブッシュ及び又は押さえ棒の損傷が生じ得る。 【0006】ミシンハウジング内に軸受ブッシュを固定することの記載の困難性に基づいて、構造では、すっかり交換する場合を度外視して、軸受ブッシュができるかぎりミシンハウジングから突出してはならないことから出発する。 このことは、軸受ブッシュに収容されるロッドの構造的形態では制限に繋がる、そのわけはその組立て又は分解は、ミシンにおける構造的事情に基づいて専ら軸受ブッシュの上側から行われなければならないからである。 主として軸受ブッシュに接近するために、他の構成部分はミシンハウジングから分解されなければならない。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】この問題設定から出発して、冒頭に記載されたミシンは、軸受ブッシュが簡単に分解されることができ、ブッシュとハウジング孔との間に特別な嵌合が必要とされずかつ固定の際の軸受ブッシュの損傷が有効に排除されるように、改良することである。 【0008】 【課題を解決するための手段】問題の解決のために、技術分野のミシンは、ハウジング孔の縦軸線に対して平行に設けられ、ハウジング孔と交わる2つの孔と、その孔中に進入するそれぞれ1つの横孔と、各孔中に挿入され、横孔中に装入されたクランプ手段によって軸受ブッシュをラジアル方向で押圧可能なそれぞれ1つのシリンダピンとによって特徴づけられる。 【0009】この構成によって、軸受ブッシュ及び軸受ブッシュ中に収容されるハウジング孔の製作は自由寸法公差で行われることができる。 両部分の相互の摺動困難性は、組立て及び分解では排除されることができ、その結果力消費は不要にされる。 組立て及び分解は、従って迅速かつ簡単に行われることができる。 シリンダピンは、線接触で軸受ブッシュ上に押圧される。 その際軸受ブッシュを変形させる危険は、点接触に対して著しく減少される。 【0010】軸受ブッシュへのシリンダピンの圧着によって、軸受ブッシュは、先ずハウジング孔中の向かい合って位置する側に移動されかつそこで同様な線接触で当接することになる。 軸受ブッシュは、その結果周囲に分配された3つの線で支持され、それによって非常に確実なかつ剛固な固定並びに軸受ブッシュの正確な整列が行われる。 【0011】本発明によって、軸受ブッシュの構造及び軸受ブッシュに支承されるロッド(押さえ棒等)では、 簡単な方法でかつ特別の時間消費なしに分解され又は組立てられる軸受ブッシュから出発することができる。 【0012】好ましくは横孔は、少なくとも部分的に内ねじを備え、その結果クランプ手段としてのねじの使用が行われることができる。 【0013】シリンダピンが遊隙をもって孔中に装入される場合、シリンダピンはクランプ手段の分解後軸受ブッシュと共にその座から取外されかつ分解の際に固定部の損傷に繋がり得るようなクランプが行われ得ない。 【0014】図面に基づいて次に本発明の実施例を詳しく説明する。 【0015】 【実施例】ミシンは、ハウジングを有し、ハウジングは、実質的にミシンテーブル1と、フレーム2と、フレーム2から離れる方向に向き、ミシンテーブル1を越えて突出するアーム3とから成る。 アーム3には特にその下端に固定された針5を備えた針棒4と、その下端に固定された搬送部材7を備えた押さえロッド6とが振動しつつ駆動されるように支承されている。 押さえロッド6 は、ハウジング孔9中に分解可能に座着している軸受ブッシュ8中を走行する。 【0016】軸受ブッシュ8の縦軸線Aに対して平行に、アーム3の底に2つの孔10、10′が設けられ、 その中心点は、孔10、10′が孔9と交わる(図3) ようにハウジング孔9の中心点の近くに設けられている。 孔10、10′に対して直角に、アーム3中に2つの横孔11、11′が設けられ、横孔は、孔10、1 0′中で終わる。 少なくとも部分的に横孔11、11′ は内ねじを備え、その結果ねじ12、12′がねじ込まれることができる。 孔10、10′には(市販の)シリンダピン13、13′が挿入されることができる。 【0017】ハウジング孔9中に挿入された軸受ブッシュ8は、ねじ12、12′がねじ込まれる場合に(図2)、シリンダピン13、13′を介してハウジング孔9の壁に押圧される。 その際シリンダピン13、13′ は、線に沿って軸受ブッシュ8に接触する。 ハウジング孔9中のピン13、13′に向かい合って位置する側でも、軸受ブッシュ8は、線に沿って支持される。 周囲に亘って等様に軸受ブッシュ8が延びており、その結果3 つの線に沿ってクランプされる。 【0018】軸受ブッシュ8とハウジング孔9との間に遊隙が設けられている。 本発明は、軸受ブッシュ8の外形とハウジング孔9がそれぞれ相対的に大きな製造公差で従って好適なコストで製造されることができることを可能にする。 シリンダピン13、13′は、所属の孔1 0、10′中に遊隙をもって座着している。 ねじ12、 12′の取外し後、シリンダピン13、13′及び軸受ブッシュ8は、ミシンハウジングから取外される。 従って軸受ブッシュ8及び又は押さえ棒6の交換は、短い時間内に行われることができる。 【図面の簡単な説明】 【図1】図1は、ミシンの図式的正面図である。 【図2】図2は、図1のII−II線に沿う部分断面図である。 【図3】図3は、軸受ブッシュ及びシリンダピンの装入されてない状態の図2に類似する図である。 【図4】図4は、軸受ブッシュの部分縦断面図である。 【図5】図5は、シリンダピンの正面図である。 【図6】図6は、図1における矢視VIによる簡単化された図である。 【符号の説明】 6 押さえ棒 8 軸受ブッシュ 9 ハウジング孔 10 孔 10′ 孔 11 横孔 11′ 横孔 12 クランプ手段 12′ クランプ手段 13 シリンダピン 13′ シリンダピン |